JP5250202B2 - 多層粘着シート、及び電子部品の製造方法。 - Google Patents

多層粘着シート、及び電子部品の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤、粘着剤を用いた粘着シート、粘着シートを用いた多層粘着シート、及び多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法に関する。
IC等の電子部品の製造方法として、半導体ウエハや絶縁物基板を母材としてチップを製造し、チップをピックアップし、リードフレーム等に接着剤等で固定し、樹脂等で封止して電子部品とする方法が知られている。チップの製造は、シリコーン、ガリウム、ヒ素等の半導体ウエハや絶縁物基板上に回路パターンを形成して電子部品集合体(ワーク)とし、電子部品集合体を粘着シートに貼付け、更にリンクフレームに固定してから個々のチップに切断分離(ダイシング)する方法が広く行われている(非特許文献1等)。
ダイシング用の粘着シートの機能と、チップをリードフレーム等に固定する接着剤の機能とを兼ね備えた多層粘着シート(ダイアタッチフィルム一体型シート)を用いる方法が提案されている。ダイアタッチフィルム一体型シートは、粘着シートとダイアタッチフィルムを一体化した多層粘着シートである。ダイアタッチフィルム一体型シートを電子部品の製造に用いることにより、接着剤の塗布工程を省略できる。
ダイアタッチフィルム一体型シートは、接着剤を用いる方法に比べ、接着剤部分の厚みやはみ出しの制御に優れている。ダイアタッチフィルム一体型シートは、チップサイズパッケージ、スタックパッケージ、及びシステムインパッケージ等の半導体パッケージの製造に多く利用されている(特許文献1〜3及び非特許文献2等)。
電子部品集合体をダイシングする際に用いられる粘着シートの粘着剤として、(メタ)アクリル酸エステルとヒドロキシル基含有重合性単量体の共重合体に、不飽和結合を2個以上有する放射線重合性化合物を使用する方法が知られている(特許文献4等)。
アクリル系粘着剤として、重量平均分子量が20万以上、Tg(ガラス転移温度)が−60℃〜−30℃の各種官能基を有するアクリル化合物及びウレタンアクリレートオリゴマ等を含有するものが知られている(特許文献5等)。
半導体部品の高集積化に伴い、チップサイズは大きく薄くなっており、ダイシング後のチップのピックアップ作業が困難となるケースが増加していた。特に、粘着シートとダイアタッチフィルムとを積層した多層粘着シートに対しては、ダイシング工程ではチップを確実に固定でき、ピックアップ工程では粘着シートとダイアタッチフィルムとの間で容易に剥がれ、チップを確実に取り外しできるという相反する特性が要求される。
また、粘着剤成分がダイアタッチフィルムにブリードアウトすると、ダイアタッチフィルムの粘着力が悪くなる場合があった。
このような状況にあって、ブリードアウトを抑制し、チップを確実に固定し、かつ、チップを確実に取り外すという3つの要求特性を満たす、適度な粘着力をもった構成の多層フィルムが必要とされていた。
特開平2−248064号公報 特開平8−53655号公報 特開2004−186429号公報 特許第3410202号公報 特開平11−293201号公報 小澤他、"古河電工時報"、第106号、P31、古河電工株式会社、(2000年7月) リンデック株式会社、"粘着捜査線10"、[平成17年12月21日検索]、インターネット(URL:http://www.1intec.co.jp/L1ife/L1ite_10.htm1)
本発明は、多層粘着シート、及び多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法を提供する。
本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムの片面に設けられた粘着剤と、前記粘着剤の前記基材フィルム側とは反対側に設けられたダイアタッチフィルムと、を有し、前記粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、ビニル基を4個以上有するエポキシアクリレートオリゴマと、を含有し、(メタ)アクリル酸エステル系重合体100質量部に対して、ビニル基を4個以上有するエポキシアクリレートオリゴマを20〜200質量部含有する多層粘着シート、及び多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法である。
本発明の多層粘着シートは、ダイシング後のピックアップ作業時にチップの剥離が容易であるという効果を奏する。
なお、本明細書において、単量体単位とは、単量体に由来する構造単位を意味する。また、本明細書の「部」及び「%」は、特に記載がない限り質量基準とする。
本発明に係る粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマとを含有する。
[(メタ)アクリル酸エステル系重合体]
本実施形態で使用する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステル系の主単量体と、その他のビニル化合物単量体を共重合したものである。ビニル化合物単量体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、及び(亜)リン酸エステル基からなる官能基群の1種以上を有する官能基含有単量体を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系の主単量体としては、例えばブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソホロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、及びエトキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基含有単量体としては、官能基としてヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、(亜)リン酸エステル基を有するビニル化合物が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN−グリコール酸、及びケイ皮酸等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体としては、例えばアリルグリシジルエーテル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル等が挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
メチロール基を有する単量体としては、例えばN−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法は、乳化重合、溶液重合等の公知の方法が使用できる。
ダイアタッチフィルムとの相互作用により放射線照射後に粘着シートがダイアタッチフィルムと容易に剥離できるように、乳化重合により製造できるアクリルゴムが好ましい。
[ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマ]
ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマ(以下、単に「エポキシアクリレートオリゴマ」という)とは、2個以上のエポキシ基の部分をアクリル化したビニル基を2個以上有する(メタ)アクリレートオリゴマであれば特に限定されない。
エポキシアクリレートオリゴマの製造方法としては、例えば、エポキシ基と(メタ)アクリル酸とを反応させてエポキシアクリレートオリゴマとする方法が挙げられる。複数のエポキシ基末端を有するエポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸を反応させることで多官能のエポキシアクリレートオリゴマを製造することができる。
エポキシアクリレートオリゴマは、水酸基の水素原子の一部又は全部を、メチル基やエチル基等のアルキル基に置換したエポキシアルキルアクリレートオリゴマとしてもよい。エポキシアルキルアクリレートオリゴマは、ダイシング時の冷却水に流出しにくいため、好適に用いられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルジアミノジフェニルメタン(例えば、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン)等のグリシジルアミノ型エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマのビニル基の数が少ないと、放射線照射後の粘着シートがダイアタッチフィルムから容易に剥離せず、チップのピックアップ性が低下することがある。好ましくは、エポキシアクリレートオリゴマのビニル基の数が4個以上であることが好ましい。
ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマの数平均分子量が小さいと、粘着シートとダイアタッチフィルムとを貼り合せたときにエポキシアクリレートオリゴマがダイアタッチフィルムにマイグレーションし、ダイアタッチフィルムが付着したチップをリードフレーム上に搭載した際の加温時に接着不良が生じる場合がある。エポキシアクリレートオリゴマの数平均分子量が10000以上であるフェノールノボラック型エポキシアクリレート、又はクレゾールノボラック型エポキシアクリレートであることが好ましい。
ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマの配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体100質量部に対して20〜200質量部とすることが好ましい。ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマの配合量が少ないと、放射線照射後に粘着シートがダイアタッチフィルムと容易に剥離せず、チップのピックアップ性に問題が発生する場合がある。過剰に配合すると、ダイシング時に糊の掻き上げによりピックアップ不良を引き起こす場合があるとともに、反応残溢による微小な糊残りが生じ、ダイアタッチフィルムが付着したチップをリードフレーム上に搭載した際の加温時に接着不良が生じる場合がある。
粘着剤には、粘着強度を調整するために粘着付与樹脂を添加してもよい。粘着付与樹脂としては、例えばロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、及びこれらの変性品、誘導体、水素添加品等が挙げられる。
重合開始剤の配合量は、例えば、エポキシアクリレートオリゴマ100質量部に対して0.1〜15質量部とし、より好ましくは3〜8質量部とする。
[添加剤等]
粘着剤には、例えば、硬化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤等の各種添加剤を添加してもよい。
粘着剤層の厚さは1〜100μmが好ましい。この範囲内であれば粘着力が高く、ダイシング時のチップ保持性が高く、リングフレームから剥がれにくい。粘着剤層の厚さを5〜40μmとすると、上記物性のバランスが良く、しかもダイシング時に基材シートフィルム由来の切削屑を減らすことができるため、より好ましい。
[粘着シート]
粘着シートは、基材フィルム上に粘着剤を塗布して製造する。基材フィルムの厚さは30〜300μmが好ましく、60〜200μmがより好ましい。
基材フィルムの素材としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステルフィルム、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、及び、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を金属イオンで架橋してなるアイオノマ樹脂が挙げられる。基材フィルムにはこれらの樹脂の混合物、共重合体、及び多層フィルム等を使用できる。
基材フィルムの素材はアイオノマ樹脂を用いることが好ましい。アイオノマ樹脂の中でも、エチレン単位、(メタ)アクリル酸単位、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を有する共重合体をNa、K、Zn2+等の金属イオンで架橋したアイオノマ樹脂を用いると、糸状の切削屑抑制効果が顕著であり、好適に用いられる。
基材フィルムの成型方法としては、例えばカレンダー、Tダイ押出し、インフレーション、及びキャスティング等が挙げられる。
基材フィルムには、ダイアタッチフィルム剥離時における帯電を防止するために、基材フィルムのダイアタッチフィルム接触面及び/又は非接触面に帯電防止処理を施してもよい。帯電防止処理には、四級アミン塩単量体等の帯電防止剤を用いることができる。
四級アミン塩単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、p−ジメチルアミノスチレン四級塩化物、及びp−ジエチルアミノスチレン四級塩化物等が挙げられ、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級塩化物が好適に用いられる。
帯電防止剤の使用方法としては、例えば基材フィルムの片面に粘着剤を塗布し、その裏面に滑り剤及び/又は帯電防止剤を塗布してもよく、滑り剤及び/又は帯電防止剤を基材フィルムの樹脂に練り込んでシート化してもよい。
基材フィルムの片面にダイアタッチフィルムを積層し、他方の面は平均表面粗さ(Ra)が0.3〜1.5μmのエンボス面とすることが可能である。エキスパンド装置の機械テーブル側にエンボス面を設置することにより、ダイシング後のエキスパンド工程で基材フィルムを容易に拡張することができる。
[滑り剤]
ダイシング後のエキスパンド性を更に向上させるために、基材フィルムのダイアタッチフィルム非接触面に滑り剤を施したり、基材フィルムに滑り剤を練り込んだりしてもよい。
滑り剤は、粘着シートとエキスパンド装置の摩擦係数を低下させる物質であればよく、例えばシリコーン樹脂や(変性)シリコーン油等のシリコーン系化合物、フッ素樹脂、六方晶ボロンナイトライド、カーボンブラック、及び二硫化モリブデン等が挙げられる。滑り剤は、これらの摩擦低減剤を複数混合してもよい。電子部品の製造はクリーンルームで行われるため、シリコーン系化合物又はフッ素樹脂を用いることが好ましい。シリコーン系化合物の中でも、特に、シリコーン系グラフト単量体単位を有する共重合体は、帯電防止層との相溶性が良く、帯電防止性とエキスパンド性のバランスが図れるため、好適に用いられる。
粘着シートとダイアタッチフィルムの剥離性を向上させるために、基材フィルムのダイアタッチフィルム接触面の算術平均粗さ(Ra)は、0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
粘着シートとダイアタッチフィルムの剥離性を容易にするために、基材フィルムのダイアタッチフィルム接触面に雛型処理を施してもよい。雛型処理には、例えばアルキド樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、及びワックス系等の雛型剤を用いることができる。
[粘着シートの製造]
基材フィルム上に粘着剤層を形成して粘着シートとする方法としては、例えばグラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、又はロールコーター等のコーターで基材フィルム上に粘着剤を直接塗布する方法が挙げられる。凸板印刷、凹版印刷、平板印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、又はスクリーン印刷等で基材フィルム上に粘着剤を印刷してもよい。粘着剤層の厚みは、乾燥後の厚みで1〜100μm程度とすることが好ましく、5〜40μmが更に好ましい。
粘着シートは、ダイシング時やバックグラインディング時に用いる電子部品固定用にも使用可能であるが、ダイアタッチフィルムと粘着シートを積層し、ダイシング工程の電子部品固定と、リードフレームヘの固定との両方に使用可能な多層粘着シートとして用いることが好ましい。
[ダイアタッチフィルム]
ダイアタッチフィルムは、粘着剤や接着剤をフィルム状に成形した粘着性のシートである。ダイアタッチフィルムは、PET樹脂等からなる剥離用フィルム等に接着剤や粘着剤を積層した状態で市販されており、接着剤や粘着剤を被着体に転写することができる。
ダイアタッチフィルムの材質は、一般的に使用される粘着剤や接着剤の成分であればよい。粘着剤としては、例えばエポキシ系、ポリアミド系、アクリル系、及びポリイミド系等が挙げられる。接着剤としては、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、エチレン・酢酸ビニル共重合体系、エチレン・アクリル酸エステル共重合体系、ポリアミド系、ポリエチレン系、ポリスルホン系、エポキシ系、ポリイミド系、ポリアミド酸系、シリコーン系、フェノール系、ゴム系ポリマー、フッ素ゴム系ポリマー、及びフッ素樹脂等が挙げられる。
ダイアタッチフィルムには、これらの粘着剤や接着剤の成分の混合物、共重合体、及び積層体を用いることができる。ダイアタッチフィルムには、必要に応じて例えば光重合開始剤、帯電防止剤、架橋促進剤等の添加物を混合してもよい。
[多層粘着シート]
多層粘着シートは、粘着シートと、ダイアタッチフィルムとを積層して構成される。例えば、粘着シートの粘着剤層上にダイアタッチフィルムをラミネートして、多層粘着シートとする。この多層粘着シートは、例えば電子部品固定用シートして、電子部品のダイシングなどに利用される。
[多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法]
電子部品固定用シート(多層粘着シート)を使用し、ダイアタッチフィルム付きのチップを製造する方法としては、例えば、ダイアタッチフィルムにダイシングテープ(粘着シート)を貼り合わせ、ダイアタッチフィルム側を約50℃で加温した半導体ウエハに貼り付けて固定した後、ダイシングブレードでダイシングしてチップとするものが挙げられる。
電子部品の製造工程の一例を以下に示す。
(1)シリコーン半導体ウエハを多層粘着シートに貼付けて固定する。
(2)多層粘着シートをリンクフレームに固定する。
(3)ダイシングブレードでシリコーン半導体ウエハをダイシングする。
(4)多層粘着シートの基材フィルム側から紫外線及び/又は放射線を照射する。
(5)多層粘着シートを放射状に拡大してチップ間隔を広げた後、チップをニードル等で突き上げる。
(6)真空コレット又はエアピンセット等でチップを吸着し、粘着シートとダイアタッチフィルムとの間で剥離させ、ダイアタッチフィルムが付着したチップをピックアップする。
(7)ダイアタッチフィルムが付着したチップをリードフレーム上に搭載(マウント)する。
(8)ダイアタッチフィルムを加熱し、チップとリードフレームを加熱接着する。
(9)リードフレームに搭載したチップを樹脂でモールドする。
上記製造工程では、リードフレームの代わりに、回路パターンが形成された回路基板等を用いることができる。
紫外線及び/又は放射線の光源は、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の紫外線源や、電子線光源等が挙げられる。
放射線の光源としては、例えばα線、β線、γ線を放出するラジオアイソトープ(Co60等)が挙げられる。
実施例に係る粘着剤、粘着シート、及び多層粘着シートは、下記の処方で製造した。
アクリル酸エステル系重合体A:
エチルアクリレート54%、ブチルアクリレート19%、メトキシエチルアクリレート24%、2−ヒドロキシエチルアクリレート3%の共重合体、懸濁重合、重量平均分子量(Mw)が1,500,000、市販品。
アクリル酸エステル系重合体B:
2−エチルヘキシルアクリレート95%、2−ヒドロキシエチルアクリレート5%の共重合体、溶液重合、重量平均分子量(Mw)が400,000、市販品。
エポキシアクリレートオリゴマA:
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の末端エポキシ基にアクリル酸を反応させてなる末端アクリレートオリゴマ。数平均分子量(Mn)が14,000でアクリレート官能基数13個のエポキシアクリレートオリゴマ、市販品。ここで、アクリレート官能基数は、ビニル基の数に対応している。すなわち、エポキシアクリレートオリゴマAは、13個のビニル基を有するエポキシアクリレートオリゴマに相当する。
エポキシアクリレートオリゴマB:
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の末端エポキシ基にアクリル酸を反応させてなる末端アクリレートオリゴマ。数平均分子量(Mn)が11,000でアクリレート官能基数6個のエポキシアクリレートオリゴマ、市販品。
エポキシアクリレートオリゴマC:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の末端エポキシ基にアクリル酸を反応させてなる末端アクリレートオリゴマ。数平均分子量(Mn)が980でアクリレート官能基数2個のエポキシアクリレートオリゴマ、市販品。
エポキシアクリレートオリゴマD:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の末端エポキシ基にアクリル酸を反応させてなる末端アクリレートオリゴマ。数平均分子量(Mn)が480でアクリレート官能基数1個のエポキシアクリレートオリゴマ、市販品。すなわち、エポキシアクリレートオリゴマDは、ビニル基を1個だけ有するエポキシアクリレートオリゴマに相当する。
光重合開始剤:
ベンジルジメチルケタール、市販品。
硬化剤:
2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、市販品。
粘着剤は、アクリル酸エステル系重合体A100質量部、エポキシアクリレートオリゴマA〜D(ビニル基を2個以上有するエポキシアクリレートオリゴマなど)100質量部、光重合開始剤3質量部、及び硬化剤3質量部を配合したものである。
粘着剤をPETセパレーターフィルム上に塗布し、乾燥後の粘着剤層の厚みが30μmとなるように塗工し、100μmの基材フィルムに積層し粘着シートを得た。粘着シートの粘着剤層上に30μmのダイアタッチフィルムをラミネートして多層粘着シート(電子部品固定用粘着シート)とした。
アイオノマ樹脂:
エチレン−メタアクリル酸−メタアクリル酸アルキルエステル共重合体のZn塩を主体、MFR値1.5g/10分(JISK7210,210℃)、融点96℃、Zn2+イオンを含有、三井・デュポンポリケミカル社製、市販品。
ダイアタッチフィルム:
エポキシ系接着剤を主体、厚さ30μm、市販品。
[電子部品集合体]
電子部品の製造には、ダミーの回路パターンを形成した直径6インチ×厚さ0.2mmのシリコンウエハを用いた。粘着シートヘの切り込み量は30μmとした。ダイシングは10mm×10mmのチップサイズで行った。
ダイシング装置はDISCO社製DAD341を用いた。ダイシングブレードはDISCO社製NBC−ZH205O−27HEEEを用いた。
ダイシングブレード形状:外径55.56mm、刃幅35μm、内径19.05mm
ダイシングブレード回転数:40,000rpm
ダイシングブレード送り速度:80mm/秒
切削水温度:25℃
切削水量:1.0L/分
[エキスパンド]
シリコンウエハをダイシングした後、エキスパンド装置(HUGLE ELECTRONICS社製 HS−1800)を用いてエキスパンドを行った。
引き落とし量:20mm
引き落とし速度:20mm/秒
加温条件:40℃×1分
[粘着特性]
粘着シートの粘着力:
ダイアタッチフィルムにラミネートされた粘着シートを1週間保管後、予め80℃に加温したシリコンウエハ上に貼り合せ、2kgローラの1往復で圧着し、圧着2時間後に紫外線を300mJ/cm照射した各々のサンプルにつき、180°ピール、引張り速度300mm/分の条件で粘着力を測定した。
[多層粘着テープの評価方法]
チップ保持性:
シリコンウエハをダイシングした際に、チップが多層粘着シートに保持されている数を評価した。
◎(優):チップ飛びが5%未満。
○(良):チップ飛びが5%以上10%未満。
×(不可):チップ飛びが10%以上。
ピックアップ性:
シリコンウエハをダイシング、エキスパンドした後、ダイアタッチフィルムが付着したチップをピックアップできた数を評価した。
◎(優):95%以上のチップがピックアップできた。
○(良):80%以上95%未満のチップがピックアップできた。
×(不可):80%未満のチップがピックアップできた。
接着性:
シリコンウエハをダイシング、エキスパンド、ピックアップした後のダイアタッチフィルムが付着したチップをガラス基板に貼り付け、180℃で1時間加熱硬化させた後のせん断接着力を測定した。
◎(優):接着力が30N/10mm以上。
○(良):接着力が10N/10mm以上30N/10mm未満。
×(不可):接着力が10N/10mm未満。
Figure 0005250202

Claims (3)

  1. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムの片面に設けられた粘着剤と、
    前記粘着剤の前記基材フィルム側とは反対側に設けられたダイアタッチフィルムと、
    を有し、
    前記粘着剤は、
    (メタ)アクリル酸エステル系重合体と、
    ビニル基を4個以上有するエポキシアクリレートオリゴマと、
    を含有し、
    (メタ)アクリル酸エステル系重合体100質量部に対して、ビニル基を4個以上有するエポキシアクリレートオリゴマを20〜200質量部含有する多層粘着シート
  2. ビニル基を4個以上有するエポキシアクリレートオリゴマのエポキシ樹脂が、フェノールノボラック型、又は、クレゾールノボラック型である請求項に記載の多層粘着シート
  3. 請求項1又は2に記載の多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法。
JP2006340156A 2006-12-18 2006-12-18 多層粘着シート、及び電子部品の製造方法。 Expired - Fee Related JP5250202B2 (ja)

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