JP5193440B2 - 多層粘着シート及びこれを用いた電子部品の製造方法 - Google Patents

多層粘着シート及びこれを用いた電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多層粘着シート、粘着剤、粘着剤を用いた粘着シート、及び多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法に関する。
電子部品の製造方法として、ウエハや絶縁物基板上に複数の回路パターンを形成して電子部品集合体とした後、電子部品集合体を加工してチップとし、チップをピックアップし、チップの底面に接着剤を塗布し、チップを接着剤でリードフレーム等に固定し、チップを樹脂等で封止して電子部品とする方法が知られている(非特許文献1等参照)。
電子部品集合体を加工してチップを製造する方法としては、電子部品集合体を粘着シートに貼付け、更に粘着シートをリングフレームに固定してから個々のチップに切断分離(ダイシング)する方法が知られている。
粘着シートとダイアタッチフィルムを積層することにより、ダイシング用の粘着シートの機能と、チップをリードフレーム等に固定する接着剤の機能を兼ね備えた多層粘着シート(ダイアタッチフィルム一体型シート)を用いる方法が提案されている(特許文献1〜3及び非特許文献2等参照)。ダイアタッチフィルム一体型シートを電子部品の製造に用いることにより、ダイシング後の接着剤の塗布工程を省略できる。
ダイアタッチフィルム一体型シートは、チップとリードフレームの接着に接着剤を用いる方法に比べ、接着剤部分の厚み制御や接着剤のはみ出し抑制に優れている。ダイアタッチフィルム一体型シートは、チップサイズパッケージ、スタックパッケージ、及びシステムインパッケージ等の電子部品の製造に利用されている。
ダイアタッチフィルム一体型シートのうち、一般感圧タイプにはアクリル系粘着剤が使用されている。通常のアクリル系粘着剤を使用した場合、粘着シートとリングフレームの粘着性が低くなると、ダイシング時に粘着シートとリングフレームが剥離する場合や、ピックアップ時に粘着シートとダイアタッチフィルムの界面が剥離せず、ピックアップ不良となる場合があった。
電子部品の高集積化に伴い、チップサイズは大きく薄くなっており、ダイシング後のチップのピックアップ作業が困難となるケースが増加していた。ダイアタッチフィルム一体型シートでは、ダイシング時のチップ保持が良く、ピックアップ時にダイアタッチフィルムと粘着シートの剥離が容易であるという特性が要求されていた。
特開2004−186429号公報 特開2006−049509号公報 特開平02−248064号公報 小澤他、"古河電工時報"、第106号、P31、古河電工株式会社、(2000年7月) リンテック株式会社、"粘着捜査線 10"、[平成17年12月21日検索]、インターネット<URL:http://www.lintec.co.jp/l_life/l_life_10.html>
本発明は多層粘着シート、粘着剤、粘着剤を用いた粘着シート、及び多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法を提供する。
本発明は、アクリル系重合体100質量部、(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体として2−エチルヘキシルアクリレート0.005〜0.1質量部、多官能イソシアネート硬化剤0.5〜20質量部を含有し、アクリル系重合体が炭素数6〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位として2−エチルヘキシルアクリレート90〜99.9質量部と官能基含有単量体単位として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート10〜0.1質量部とからなる粘着剤を基材フィルムに塗布してなる粘着シートにダイアタッチフィルムを積層してなる多層粘着シートである。
本発明の多層粘着シートは、ダイシング時のチップ保持に優れ、ダイシング時にリングフレームから外れにくく、ピックアップ作業時にチップの剥離が容易という効果を奏する。
本明細書において、単量体単位とは単量体に由来する構造単位を意味する。本明細書の部及び%は、特に記載がない限り質量基準とする。本明細書において(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びメタアクリロイル基の総称である。(メタ)アクリル酸等の(メタ)を含む化合物等も同様に、名称中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。
本発明は、アクリル系重合体100質量部、(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体として2−エチルヘキシルアクリレート0.005〜0.1質量部、多官能イソシアネート硬化剤0.5〜20質量部を含有し、アクリル系重合体が炭素数6〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位として2−エチルヘキシルアクリレート90〜99.9質量部と官能基含有単量体単位として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート10〜0.1質量部とからなる粘着剤を基材フィルムに塗布してなる粘着シートにダイアタッチフィルムを積層してなる多層粘着シート、及び多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法である。
炭素数6〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の中では、2−エチルヘキシルアクリレートを用いると粘着シートとリングフレームの粘着強度が高くなるため好ましい。
炭素数6〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を用いることにより、ダイシング時のチップ保持が向上するとともに、ダイシング作業中に粘着シートとリングフレームの剥離するのを防止できる。
官能基含有単量体としては、官能基としてヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、(亜)リン酸エステル基を有するビニル化合物が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN−グリコール酸、及びケイ皮酸等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体としては、例えばアリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル等が挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
メチロール基を有する単量体としては、例えばN−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系重合体は、アルキル基の炭素数が6未満か、又はアルキル基の炭素数が12を超える(メタ)アクリル酸エステル系単量体に由来する単量体単位を有してもよい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、及びイソボニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリル系重合体には、上記以外のビニル単量体を用いてもよく、例えばエチレン、スチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バーサテイク酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、(メタ)アクリロニトリル、及びビニルイソブチルエーテル等のビニル化合物等が挙げられる。
多官能イソシアネート硬化剤はイソシアネート基を2個以上有する点以外に特に限定されず、例えば芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートは特に限定されず、例えば1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、及び1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートは特に限定されず、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは特に限定されず、例えば3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、及び1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
ポリイソシアネートのうち、入手が容易な芳香族ポリイソシアネートである1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及び4,4’−トルイジンジイソシアネートが好適に用いられる。
多官能イソシアネート硬化剤の配合比はアクリル系粘着剤100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。多官能イソシアネート硬化剤が少ないと粘着力が強すぎてピックアップ不良が発生する場合がある。多官能イソシアネート硬化剤が過剰だと粘着力が低下し、ダイシング時に粘着シートとダイアタッチフィルムの間でのチップ保持が低下する場合や、ダイシング作業中に粘着シートとリングフレームが剥離しやすくなる場合がある。
粘着剤に(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物を含有すると、ダイアタッチフィルムと粘着シートの密着性が良く、ダイシング時のチップ保持が良く、粘着シートとリングフレームの剥離が抑制されるので好ましい。
(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物としては、例えばブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物を用いる場合、アクリル系重合体100質量部に対して(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物を0.1質量部以下とすることが好ましく、0.05質量部以下とすることがより好ましい。
(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物を過剰に添加すると、ダイアタッチフィルムの接着力が低下して、チップを樹脂でモールドする際に固定不良の原因となる場合がある。
粘着剤層の厚さは1〜100μmが好ましく、3〜40μmがより好ましい。粘着剤層が薄いと粘着力が不足し、ダイシング時にチップが充分に保持されない場合や、リングフレームと粘着シートが剥離する場合がある。粘着剤が厚いとチップをピックアップができない場合がある。
(添加剤等)
粘着剤には軟化剤、老化防止剤、充填剤、及び熱重合禁止剤等の各種添加剤を適宜添加してよい。
(粘着シート)
粘着シートは基材フィルム上に粘着剤を塗布して製造する。基材フィルムの厚さは30〜300μmが好ましく、60〜200μmがより好ましい。
基材フィルムは各種合成樹脂製のシートが使用可能である。基材フィルムの素材は特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、及びアイオノマ樹脂等が挙げられる。基材フィルムにはこれらの樹脂の混合物、共重合体、及び多層フィルム等も使用可能である。
基材フィルムの素材はアイオノマ樹脂を用いることが好ましい。アイオノマ樹脂の中でも、エチレン単位、(メタ)メタアクリル酸単位、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を有する共重合体をNa、K、Zn2+等の金属イオンで架橋したアイオノマ樹脂は、ヒゲ状の切削屑の発生を抑制する効果が顕著であり、好適に用いられる。アイオノマ樹脂の中でも、MFR値が1〜3の樹脂を用いると、ヒゲ状の切削屑の発生を顕著に抑制できるため好ましい。
基材フィルムの成型方法は特に限定されず、例えばカレンダー、Tダイ押出し、インフレーション、及びキャスティング等が挙げられる。
基材フィルムには、ダイアタッチフィルム剥離時における帯電を防止するために、基材フィルムの片面又は両面に帯電防止剤を塗布して帯電防止処理を施してもよい。
帯電防止剤としては、例えば四級アミン塩単量体が好適に用いられる。四級アミン塩単量体としては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、p−ジメチルアミノスチレン四級塩化物、及びp−ジエチルアミノスチレン四級塩化物等が挙げられ、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級塩化物が好適に用いられる。
滑り剤及び帯電防止剤の使用方法は特に限定されず、例えば基材フィルムの片面に粘着剤を塗布し、その裏面に滑り剤及び/又は帯電防止剤を塗布してもよく、滑り剤及び/又は帯電防止剤を基材フィルムの樹脂に練り込んでシート化しても良い。
基材フィルムの片面にダイアタッチフィルムを積層し、他方の面は平均表面粗さ(Ra)が0.3〜1.5μmのエンボス面とすることが可能である。エキスパンド装置の機械テーブル側にエンボス面を設置することにより、ダイシング後のエキスパンド工程で基材フィルムを容易に拡張することができる。
(滑り剤)
ダイシング後のエキスパンド性を更に向上させるために、粘着シートとエキスパンド装置の接触面に滑り剤を塗布したり、基材フィルムに滑り剤を練り込むことができる。
滑り剤は、粘着シートとエキスパンド装置の摩擦係数を低下させる物質であれば特に限定されず、例えばシリコーン樹脂や(変性)シリコーン油等のシリコーン系化合物、フッ素樹脂、六方晶ボロンナイトライド、カーボンブラック、及び二硫化モリブデン等が挙げられる。これらの滑り剤は複数の成分を混合してもよい。電子部品の製造はクリーンルームで行われるため、滑り剤としてシリコーン系化合物又はフッ素樹脂を用いることが好ましい。シリコーン系化合物の中でも特にシリコーン系グラフト単量体単位を有する共重合体は帯電防止層との相溶性が良く、帯電防止性とエキスパンド性のバランスが図れるため、好適に用いられる。
粘着シートとダイアタッチフィルムの剥離性を向上させるために、基材フィルムのダイアタッチフィルム接触面の算術平均Raは0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
粘着シートとダイアタッチフィルムの剥離性を容易にするために、基材フィルムのダイアタッチフィルム接触面に離型処理を施してもよい。離型処理には、アルキド樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ワックス系等の離型剤を用いることができる。
(粘着シートの製造)
基材フィルム上に粘着剤層を形成して粘着シートとする方法は特に限定されず、例えばグラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、又はロールコーター等のコーターで基材フィルム上に粘着剤を直接塗布する方法が挙げられる。凸板印刷、凹板印刷、平板印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、又はスクリーン印刷等で基材フィルム上に粘着剤を印刷してもよい。粘着剤層の厚みは限定されないが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度とすることが好ましく、3〜40μmがより好ましい。
(ダイアタッチフィルム)
ダイアタッチフィルムは、粘着剤や接着剤をフィルム状に成形したものである。ダイアタッチフィルムは、PET樹脂等からなる剥離用フィルム等に接着剤や粘着剤を積層した状態で市販されており、接着剤や粘着剤を粘着シートに転写することができる。
ダイアタッチフィルムの材質は、一般的に使用される粘着剤や接着剤の成分が用いられる。粘着剤としては、例えばエポキシ系、ポリアミド系、アクリル系、及びポリイミド系等が挙げられる。接着剤としては、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、エチレン・酢酸ビニル共重合体系、エチレン・アクリル酸エステル共重合体系、ポリアミド系、ポリエチレン系、ポリスルホン系、エポキシ系、ポリイミド系、ポリアミド酸系、シリコーン系、フェノール系、ゴム系ポリマー、フッ素ゴム系ポリマー、及びフッ素樹脂等が挙げられる。
ダイアタッチフィルムにはこれらの粘着剤や接着剤を混合物、共重合体、及び積層体等も使用することができる。ダイアタッチフィルムには、必要に応じて光重合開始剤、帯電防止剤、架橋促進剤等を添加してもよい。
(多層粘着シート)
粘着シートの粘着剤塗布面にダイアタッチフィルムを貼り付け、多層粘着シートとする。多層粘着シートをダイアタッチフィルム一体型シートとして電子部品の製造に使用する場合には、ダイアタッチフィルムと粘着シートの間の粘着強度を0.05〜0.9N/20mmとなるようにアクリル系粘着剤と多官能イソシアネート硬化剤の割合を調整することが好ましい。ダイアタッチフィルムと粘着シートの間の粘着強度が大きいとピックアップ不良が発生する場合があり、粘着力が小さいとチップ保持が低下すると同時に、粘着シートとリングフレームが剥離しやすくなる場合がある。
ダイアタッチフィルムと粘着シートの間の粘着強度を調整する方法として、粘着剤に粘着付与樹脂を添加する方法が挙げられる。粘着付与樹脂は特に限定されず、例えばロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、並びに、これらの変性品、誘導体、及び水素添加品等が挙げられる。
粘着付与樹脂の配合量は特に限定されず、(メタ)アクリル酸エステル系重合体100質量部に対して200質量部以下、好ましくは30質量部以下とすることが好ましい。
(電子部品の製造方法)
多層フィルムを使用した電子部品の製造方法は特に限定されないが、例えば下記の手順が挙げられる。
(1)シリコンウエハを多層粘着シートに貼付けて固定する。
(2)多層粘着シートをリングフレームに固定する。
(3)ダイシングブレードでシリコンウエハをダイシングする。
(4)多層フィルムを放射状に拡大してチップ間隔を広げた後、チップをニードル等で突き上げる。
(5)真空コレツト又はエアピンセット等でチップを吸着し、粘着シートとダイアタッチフィルムとの間で剥離し、ダイアタッチフィルムが付着したチップをピックアップする。
(6)ダイアタッチフィルムが付着したチップをリードフレーム上に搭載(マウント)する。
(7)ダイアタッチフィルムを加熱し、チップとリードフレームを加熱接着する。
(8)リードフレーム又は回路基板に搭載したチップを樹脂でモールドする。
この製造方法では、リードフレームの代わりに回路パターンを形成した回路基板等を用いてもよい。
実施例に係る粘着剤、粘着シート、及び多層粘着シートは下記の処方で製造した。
アクリル系重合体A:2−エチルヘキシルアクリレート95%、2−ヒドロキシエチルアクリレート5%の共重合体、ガラス転移点−67.8℃、合成品。
アクリル系重合体B:2−エチルヘキシルアクリレート90%、2−ヒドロキシエチルアクリレート10%の共重合体、ガラス転移点−65.6℃、合成品。
アクリル系重合体C:2−エチルヘキシルアクリレート99.9%、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1%の共重合体、ガラス転移点−69.9℃、合成品。
アクリル系重合体D:ブチルアクリレート95%、2−ヒドロキシエチルアクリレート5%の共重合体、ガラス転移点−53.3℃、合成品。
多官能イソシアネート硬化剤:2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、市販品。
(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物:2−エチルヘキシルアクリレート、市販品。
粘着剤をPETセパレーターフィルム上に塗布し、乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗工し、100μmの基材フィルムに積層し粘着シートを得た。30μm厚さのダイアタッチフィルムを6.2インチφの円形に切断し、粘着シートの粘着剤層上にラミネートして多層粘着シートとした。
アイオノマ樹脂:エチレン−メタアクリル酸−メタアクリル酸アルキルエステル共重合体のZn塩を主体、MFR値1.5g/10分(JIS K7210、210℃)、融点96℃、Zn2+イオンを含有、三井・デュポンポリケミカル社製、市販品。
ダイアタッチフィルム:ポリイミド系接着剤を主体、厚さ30μm、市販品。
(電子部品集合体)
電子部品の製造には、ダミーの回路パターンを形成した直径6インチ×厚さ0.4mmのシリコンウエハを用いた。シリコンウエハをダイアタッチフィルム上に設置した。
粘着シートへの切り込み量は30μmとした。ダイシングは10mm×10mmのチップサイズで行った。ダイシング装置はDISCO社製 DAD341を用いた。ダイシングブレードはDISCO社製NBC−ZH205O−27HEEEを用いた。
ダイシングブレード形状 :外径55.56mm、刃幅35μm、内径19.05mm。
ダイシングブレード回転数 :40,000rpm
ダイシングブレード送り速度:80mm/秒。
切削水温度:25℃
切削水量 :1.0L/分。
(エキスパンド)
多層粘着シートを用いてシリコンウエハをダイシングした後、エキスパンド装置を用いてエキスパンドを行った。
エキスパンド装置:HUGLE社製ELECTRONICS HS−1800型
引き落とし量:20mm
引き落とし速度:20mm/秒
加温条件:40℃×1分
多層粘着シートの粘着力:多層粘着シートを予め80℃に加温したシリコンウエハ上に貼り合せ、2kgロ−ラの1往復で圧着し、圧着1日後に粘着シートとダイアタッチフィルムの界面を剥離した。
剥離方法:180°ピ−ル
引張り速度:300mm/分
(粘着シート及び多層粘着シートの評価方法)
リングフレーム固定:半導体ウエハをダイシングする際に、リングフレームへの固定性を評価した。リングフレームから粘着シートが剥離していない場合を◎(優)、一部浮きが確認されたものを○(良)、剥離が確認された場合を×(不可)とした。
チップ保持:半導体ウエハを前記条件にてダイシングした際に、チップが多層粘着シートに保持されている数を評価した。
◎(優):チップ飛びが5%未満。
○(良):チップ飛びが5%以上10%未満。
×(不可):チップ飛びが10%以上。
ピックアップ:半導体ウエハを前記条件にてダイシングした後、ダイアタッチフィルムが付着した状態でチップをピックアップできた数を評価した。
◎(優):95%以上のチップがピックアップできた。
○(良):80%以上95%未満のチップがピックアップできた。
×(不可):80%未満のチップがピックアップできた。

本発明の多層粘着シートは、ダイシング時のチップ保持に優れ、ダイシング時にリングフレームから外れにくく、ピックアップ作業時にチップの剥離が容易という効果を奏するため、多層粘着シートは、ダイシング後にチップ裏面にダイアタッチフィルム層を付けた状態でピックアップし、リードフレーム等にマウントして接着させる電子部品の製造方法に好適に用いられる。


Claims (2)

  1. アクリル系重合体100質量部、(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体として2−エチルヘキシルアクリレート0.005〜0.1質量部、多官能イソシアネート硬化剤0.5〜20質量部を含有し、アクリル系重合体が炭素数6〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位として2−エチルヘキシルアクリレート90〜99.9質量部と官能基含有単量体単位として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート10〜0.1質量部とからなる粘着剤を基材フィルムに塗布してなる粘着シートにダイアタッチフィルムを積層してなる多層粘着シート。
  2. 請求項1に記載の多層粘着シートを用いた電子部品の製造方法。
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