JP5250176B2 - 金属調化粧シート、化粧金属板 - Google Patents

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Description

本発明は住宅内装用、例えばキッチン扉、収納扉等の表面材、家電製品、例えば冷蔵庫などの表面材として用いられ、該表面に金属調の意匠性をもたせるために用いられる金属調化粧シートおよび該シートが用いられてなる化粧金属板に関するものである。
従来より、この種の住宅内装材、冷蔵庫扉の家電製品、キッチン扉等の表面材としては、金属板に塗装が施された塗装鋼板、金属粉が充填された塩化ビニルフィルムにポリエステルフィルムが貼り合わされた化粧シートが接着剤を介して鋼板に貼り付けられた化粧金属板などがある。塗装鋼板は、加工時に塗膜が剥がれたり、塗膜にクラックが入ったりして加工性に問題があったり、塗膜に傷が付きやすいという問題があった。
また、金属粉が充填された塩化ビニルフィルムにポリエステルフィルムが貼り合わされた化粧シートでは、目的とする金属調の意匠性を充分発揮することができないといった問題点があった。
金属調の意匠性を備えた金属調化粧シートとしては、例えば、最上層となる合成樹脂シートの裏面にヘアーライン加工を施した面に、金属薄膜と合成樹脂層を積層した化粧シートが開示されている(特許文献1)。この化粧シートにおいては、合成樹脂シートの裏面にヘアライン加工を施す場合に、ひっかき傷やゴミ付着するため外観品質上が低下するという問題がある場合があった。またヘアーライン加工が止まった際には、ヘアーライン調が均一とならず、異質のヘアーライン柄が出現する欠陥を有するものであった。
一方、同引用文献の第2図には、フィルム層ではなくアルミ箔にヘアーライン加工が施された例が開示されているが、このような構造による場合にも、やはりひっかく工程に起因して同様の問題が生じるし、またアルミ箔が極薄なものである場合はひっかくことによってアルミ箔が破損、破砕に至る恐れもあった。
また、基材層、金属薄膜層、印刷層、透明フィルム層とを、この順に設け、前記透明フィルム層の表面に、前記印刷層の絵柄に同調した凸部印刷層を設けたことを特徴とする金属調印刷物が開示されている(特許文献2)。これらの化粧シートは、各種家電製品、AV機器として鋼板に積層してステンレス調の意匠を与えるものとして各部位に使用されるが、基材層について特に言及されておらず、実施例においてはカード紙や板紙が使われており、鋼板へ応用した場合には、折り曲げ加工や打ち抜き等の加工性が悪いといった不具合があった。更に、上記化粧シートを鋼板等に貼り合わせる際には接着剤を用いる必要があった。
一方、近年になって、金属板の軽量化、吸音性付与、振動減衰性付与、断熱性付与などの観点から、金属板とプラスチックシートとを組み合わせた化粧金属板が開発され、 各種家電製品、AV機器として家電弱電分野などに広く実用化されているが、該積層複合体を用いて折り曲げ、打抜き、切断、深絞りなどの2次加工をした部品を塗装する際には、切断部及び打抜き加工部から溶融樹脂が流れ出して後加工に支障をきたしたり、溶融樹脂が冷却凝固する過程で大きく収縮するため、切断加工部の付近が変形するといった問題点があった。
特開昭61−10415号公報 特開2000−153665号公報
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その目的は、金属に対する接着性が優れた金属調を有する化粧シートを提供し、さらに、打抜き、曲げ、深絞りなどの2次加工によっても剥離することが無く、その後の切断や打抜き加工時に、その切断面から樹脂の流れ出しやボタ落ちがな化粧金属板を提供することにある。
加えて、本発明は、金属箔層へのエンボス加工によって、意匠性に優れ、またヘアーライン調の外観等も容易に構成してその品質を安定させることができ、さらに生産性を高めて安価に提供可能とするための工夫も凝らし、密着強度にも優れた金属調化粧シートを提供することを目的とする。
本発明の金属調化粧シートは、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸誘導体で変性された変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、及び変性エチレン−プロピレンラバーからなる群より選択された1種以上を主成分とし、5%伸張時の引張応力が25〜500MPaである変性ポリオレフィン樹脂層、この変性ポリオレフィン樹脂層に隣接し金属箔をエンボス加工したものである金属箔層、透明フィルム層がこの順に設けられた構成であるとともに、変性ポリオレフィン樹脂層が被着体である金属に直接接する層であるものである。
また、本発明の化粧金属板は、上記金属調化粧シートの変性ポリオレフィン層金属板が積層されてなるものである。
尚、主成分という意味は50重量%以上であることを意味する。
本発明においては、少なくとも被着体である鋼板に接する層が、5%伸張時の引張応力が25〜500MPaの範囲にあり、かつ不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の誘導体で変性された変性ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性エチレン−プロピレンラバーからなる群より選択された1種以上を主成分とする変性ポリオレフィン樹脂層を用いることにより、接着剤を用いることなく鋼板に接着可能であり、折り曲げ、打抜き、切断、深絞りなどの2次加工に耐えうる接着強度を有しており、更に、切断や打抜き加工による溶融樹脂の流れ出しや滴下がなく且つ熱変形が極めて小さくできることを見いだした。
上記変ポリオレフィン樹脂層の主成分である変ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレンラバー系樹脂が不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の誘導体で変されたものであり、5%伸張時の引張応力が25〜500MPaの範囲にあれば、特に限定されるものではない。引張応力が25MPa未満の場合は化粧金属板の折り曲げ、打抜き、切断、深絞りなどの2次加工をする際に十分な強度が得られず破断する恐れがある。また、500MPaを超えた場合は鋼板との十分な接着強度が得られず、深絞り加工時に剥離してしまう恐れがある。
上記ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィン等の他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、上記ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレンとα−オレフィン等の他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、エチレン−プロピレンラバー系樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−他のモノマーとの共重合体からなるゴム弾性を有する熱可塑性ゴム等が挙げられる。
上記変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレンラバー系樹脂が不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたものである。該変性方法としては、例えば、有機過酸化物の存在下に結晶性ポリプロピレンと不飽和カルボン酸若しくはその誘導体を溶媒中もしくは溶媒の不存在下で結晶性ポリプロピレンの融点以上に加熱処理する公知の方法をあげることができる。また、上記変性オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレンラバー系樹脂を重合する際に、不飽和カルボン酸又はその誘導体を共重合させて得られる変性ポリオレフィン樹脂を用いても良い。
また、変性ポリオレフィンの製造に用いられる不飽和カルボン酸又はその誘導体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸及びこれらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などを例示でき、具体的には、たとえば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノエチルエステル、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N、N−ジエチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどをあげることができる。特に無水マレイン酸を用いるのが好ましい。
変性ポリポリオレフィンの中の上記不飽和カルボン酸またはその誘導体の量(以下変性率と称する)は用いるポリオレフィンに対して0.01〜5重量%が好適であり、特に、変性率0.05〜1重量%が好ましい。
さらに、変性ポリオレフィン樹脂としては、その耐熱性を鑑みて、特に変性率が0.05〜1重量%のマレイン酸変性ポリプロピレンが好ましい。
上記変性ポリオレフィン樹脂層には、本発明の効果を損なわない範囲内で他の熱可塑性エラストマーが用いられて良く、例えば、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−1−ブテンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−ブタジエンゴム
エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリ4−メチル1−ペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、もしくはスチレン系エラストマー等が挙げられる。
また、本発明で使用される変性ポリオレフィン樹脂には、その機能を疎外しない範囲内でそれぞれ耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、無機質充填材などが配合されていても構わない。
本発明で用いられる金属薄膜層は、金属の薄膜を有する層であれば特に限定されず、金属箔からなる層であっても良い。
上記金属箔としては、例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等からなる金属箔が挙げられ、意匠性、加工の容易さ、経済性等からアルミニウムが好適に用いられる。
ステンレス調の意匠を得るためには、金属薄膜にヘアライン加工を施したものが好適に用いられる。なかでも特に、ヘアライン加工が施されたアルミニウム箔がステンレス調の意匠を得るためには特に好ましい。上記金属箔の厚味は、5〜50μmの金属箔を使用することが好ましい。
上記金属薄膜層の表面には、意匠性をさらに向上させる目的で印刷層が設けれてもよい。本印刷層は、絵柄、表示などの層であって、パターン層でも、ベタ層であってもよく、この印刷は、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷など、公知の印刷方法が採用される。使用するインキとしては、一般的に用いられているインキが用いられて良いが、金属調の効果を上げるために、透明性のあるタイプの色インキが好適に用いられる。
本発明で用いる透明フィルム層は、表面光沢と表面強度を持たせるため設けられるが、用いられるフィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアコール、ポリエチレンテレフタレート。ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のプラスチックフィルムを挙げることができる。中でも透明性、平滑性、光沢性が良好な、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルフィルム等が好適に用いられる。これらのフィルムの厚さとしては、10〜200μmの厚さのフィルムが一般的に用いられ、好ましくは12〜100μmである。
上記合成樹脂層は、単独でシート状およびフィルム状に成形したものを用いてもよく、また、変性ポリオレフィン樹脂層を形成するシート上に押出しラミネートをして積層体として用いても良く、更に、変性ポリオレフィン樹脂と共押出しをして積層体として用いても良い。上記合成樹脂層の厚さは、0.01〜5mmが好ましく、更に好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20〜80μmの範囲である。
本発明においては、さらなる表面光沢と表面強度を持たせるために、透明フィルム層の表面に表面保護層が設けられていても良い。上記表面保護層は、その目的から3次元架橋型の硬化樹脂層が好ましく、熱硬化性樹脂であっても、電離放射線硬化性樹脂であってもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。上記樹脂には、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、又は重合促進剤が添加されても良い。例えば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル系樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステルには添加される。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーが適宜混合された、電離放射線により硬化可能な組成物が用いられる。尚、ここで電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線または電子線が用いられる。
上記プレポリマー、オリゴマーの例としては不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂に用いられるモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和カルボン酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1、6ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等が挙げられる。
通常、以上の化合物を必要に応じて1種もしくは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性樹脂に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマーを5重量%以上、前記モノマー及びまたはポリチオールを95重量%以下とするのが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂を硬化させるために紫外線を照射する場合には、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン、又、光重合促進剤(増感剤)としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を、更に混合して用いることができる。
三次元架橋硬化樹脂には、球状粒子が添加されていて良い。球状粒子としては、アルミナ、シリカ等の無機物、シリコン樹脂、架橋アクリル樹脂の有機物からなる球状粒子が挙げられ好適に用いられる。無機粒子は分散性を向上させる為に有機酸、界面活性剤、シランカップリング剤等で処理されていても良い。球状粒子の粒子径は特に限定されないず、通常は平均粒子径が3〜50μmの球状粒子が使用される。また、球状粒子の添加量は特に限定されず、通常は、樹脂成分100重量部に対して5〜20重量部が添加される。
三次元架橋硬化樹脂には、上記バインダー樹脂及び球状粒子以外の成分として、染料や顔料等の着色剤、その他のCaCO3、BaSO4、ナイロン樹脂ビーズ等の充填剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤などの塗料、インキに通常添加される添加剤を加えることができる。また三次元架橋硬化樹脂には、粘度を調整するために、架橋性樹脂の成分を溶解可能であり、常圧における沸点が70〜150℃の溶剤を、組成物中に30重量%以下の範囲で用いることができる。溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾燥がスムーズであり、生産スピードの大きな低下がない。
上記溶剤としては、塗料、インキ等に通常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
三次元架橋硬化樹脂層を形成する方法としては、1)塗工組成物を直接塗工する直接コーティング法、又は、2)剥離性の基材表面に樹脂層を予め形成した後、該層を転写する、転写コーティング法等が用いられる。
上記1)の直接コーティング法は、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができるが、好ましいのはグラビアコートである。
電離放射線硬化性樹脂を硬化させるために用いられる電離放射線照射装置は、紫外線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源が用いられ、又、電子線を照射する場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器等を用いる。
電子線の照射量は、通常100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を0.1〜30Mrad程度の照射量で照射する。照射量が0.1Mrad未満の場合、硬化が不十分となる恐れがあり、又、照射量が30Mradを超えると、硬化した塗膜或いは基材が損傷を受ける虞れが出てくる。又、紫外線により硬化させる場合の照射量は、好ましくは50〜1000mJ/cm2である。紫外線の照射量が50mJ/cm2未満では硬化が不十分となる恐れがあり、又、照射量が1000mJ/cm2を超えると、硬化した塗膜が黄変化する恐れがあるためである。
また、本発明に係る金属調化粧シートは、金属調の柄や模様等を付与すべく、金属箔層が金属箔をエンボス加工したものである。
このようにすると、金属箔の凹凸が少なくとも裏面から保形されるため、凹凸柄の外観を有効に維持することができる。また、このような変性ポリオレフィン樹脂層は、鋼板と金属箔層との間のクッションとして作用し得るので、鉄板に凹凸等のムラがある場合にこれを拾うことなく当該鉄板に変性ポリオレフィン樹脂層を介して金属箔を好適に接着することができる。
本発明はまた、エンボス加工を施した金属箔層の少なくとも上面に、当該エンボス加工により生じる凹凸に入り込んでこれを保形する役割を兼ねる接着層を設けることが効果的である。
このように金属箔層に対してエンボス加工を行うようにすれば、金属箔層に鮮明な凹凸を出現させることができ、フィルム層にヘアーライン加工等を施したときのような意匠性の低下を有効に回避することができる。
しかも、接着層が凹凸に対する保形の役割を兼ねるので、外圧等によって簡単に凹凸が潰れることがなく、長期に亘って凹凸柄本来の外観を有効に維持することができる。
さらに、エンボス加工は金属箔層の各部位に対して短時間に同時になされるので、ヘアーライン加工のような時間差を必要とするものに比べて処理の中断等により不具合が生じる恐れも低い。
具体的には、エンボス加工を施した金属箔層の透明フィルム側の面に、当該エンボス加工により生じる凹凸に入り込んでこれを保形する役割を兼ねる接着層を設け、この接着層上に熱可塑性フィルム層を介して透明フィルム層を設けているものが好ましい。
この場合は、上記の作用効果に加え、凹凸を深層に位置するアルミ箔のみに設け熱可塑性フィルム層及び表面コーティング層に設けないことで、意匠性が低下する事態を回避することができる。
上記において、本発明は、接着層と熱可塑性フィルム層との間に印刷コーティング層を設けるようにしてもよい。金属箔層による凹凸柄と、印刷コーティング層による柄との組み合わせにより、より多彩な意匠的効果を醸し出すことができる。透明フィルム層と熱可塑性フィルム層との間に印刷コーティング層を設けた構成もこれに準ずる。
勿論、透明フィルム層に、印刷コーティング層としての役割を兼用させると、レイヤーを1つ減らすことができるので、意匠的効果は同質であっても工程の簡素化を図るために有効となる。
本発明は、特にエンボス加工をヘアーライン調のものにした場合に特段の効果を奏する。
すなわち、従来のヘアーライン加工による不具合を解消するためには、ヘアーライン加工の対象をフィルム層から金属箔層に切り替えることが1つの手段として考えられるが、金属箔が極薄なものである場合は、金属箔層が破砕する恐れがある。これに対して、エンボス加工を利用して擬似的にヘアーライン調の凹凸を形成するようにすれば、ゴミや傷が生じることなく、金属箔が破損する恐れも少なく、ヘアーライン加工による外観と同質の外観を有効に実現することができる。
本発明の化粧金属板における基材となる金属板は、鉄、鋼、アルミニウム、銅、亜鉛、錫、ニッケル、チタン等の金属及びこれらの1種または2種以上を主成分とする合金を用いることが出来、用途に応じて適宜選択して用いられる。最も一般的に用いられる材料は鉄板、鋼板である。この際、通常は、表面に亜鉛メッキ等が施されている場合が多い。特に好適には、溶融亜鉛メッキ鋼板および電解亜鉛めっき鋼板が好適に用いられる。
金属板の厚さは0.05〜2mmが好ましく、さらに好ましくは0.15〜1.0mmである。
このように、製造された本発明の金属調化粧金属板は、意匠性が高く、住宅内装、冷蔵庫扉、キッチン扉の表面材や、ポスター・ラベル・パッケージ・ディスプレイなどに利用することができる。
以上説明したように本発明の化粧シートは、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸誘導体で変性された変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、及び変性エチレン−プロピレンラバーからなる群より選択された1種以上を主成分とし、5%伸張時の引張応力が25〜500MPaである変性ポリオレフィン樹脂層、この変性ポリオレフィン樹脂層に隣接し金属箔をエンボス加工したものである金属箔層、透明フィルム層がこの順に設けられた構成であるので、金属調があり、金属に対して優れた接着性を示す化粧シートであり、該化粧シートが積層された化粧金属板は、切断、打抜き、曲げ、深絞り等の二次加工性に優れた化粧金属板となる。また、変性ポリオレフィン樹脂を変成ポリプロピレン樹脂とすることにより、耐熱性が更に向上し、また、金属箔層にヘアライン加工を施すことにより優れたステンレス調の化粧金属板となる。
一方、アルミニウム箔などの金属箔層に対してエンボス加工によるヘアーライン調の外観等を構成しているので、金属箔層に意匠性に優れた鮮明な凹凸を容易に出現させることができ、フィルム層にヘアーライン加工等を施したときのような意匠性の低下を有効に回避することができる。しかも、接着層を有する場合には接着層が凹凸に対する保形の役割を兼ねるので、外圧等によって簡単に凹凸が潰れることがなく、長期に亘って凹凸柄本来の外観を有効に維持することができる。さらに、生産性を高めて安価に提供可能とし、密着強度にも優れた金属調化粧シートを提供することが可能となる。
次に本発明における金属調化粧金属板について実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン樹脂(変率0.8重量%、5%伸張時
の引張応力が80MPa)とポリプロピレン樹脂(5%伸張時の引張応力が120MPa)とを共押出ししてシートを作成した。変ポリプロピレンの厚さは20μm、ポリプロピレンの厚さは20μmであった。得られたシートのポリプロピレン樹脂側にコロナ処理(6KW、処理速度20m/min)を施し、表面張力を45dyne/cm以上になるように調節した後、ポリエステル系接着剤(大日精化工業製:セイカボンドE295)を用いて、50μm厚のヘアライン加工したアルミニウム箔とドライラミネートした。このアルミニウム箔上に、グラビア印刷法にて薄黒色透明なウレタン樹脂系インキをコートし、つづいて、この印刷面の上に、ポリエステル系接着剤(大日精化工業製:セイカボンドE295)を用いて、25μm厚のポリエステルフィルム(東洋紡製)をドライラミネートし透明樹脂層を設けた。
次に電離放射線硬化型樹脂塗料(組成は下記に示す)を透明樹脂層の上にリバースコーターを使用して塗布しドライヤーにて乾燥処理して膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗膜に電子線放射装置で175KV、7Mrad、酸素濃度200ppm以下の条件で電子線を照射し所望の金属調化粧シートを得た。得られた化粧シートを、200℃に加熱した電解亜鉛めっき鋼板上、熱ラミネートして化粧鋼板を得た。
(電離放射線硬化型樹脂塗料の組成)
ウレタンアクリレートオリゴマー・・・50重量部
2官能アクリレートモノマー・・・40重量部
3官能アクリレートモノマー・・・10重量部
シリコーンアクリレート・・・3重量部
球状アルミナ・・・25重量部
酢酸エチル・・・100重量部
(実施例2)
実施例1において、50μm厚のヘアライン加工したアルミニウム箔の代わりに、30μm厚のヘアライン加工したポリプロピレンフィルムに500Åのアルミニウム蒸着膜を施したポリプロピレンフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして化粧鋼板を得た。
(実施例3)
無水マレイン酸にて変性されたポリプロピレン樹脂(変率0.8重量%、5%伸張時
の引張応力が80MPa)を押出ししてシートを作成した。シートの厚さは30μmであった。得られたシートの片側にコロナ処理(6KW、処理速度20m/min)を施し、表面張力を45dyne/cm以上になるように調節した後、ポリエステル系接着剤(大日精化工業製:セイカボンドE295)を用いて、50μm厚のヘアライン加工したアルミニウム箔とドライラミネートした。このアルミニウム箔上に、グラビア印刷法にて薄黒色透明なウレタン樹脂系インキをコートし、つづいて、この印刷面の上に、ポリエステル系接着剤(大日精化工業製:セイカボンドE295)を用いて、25μm厚のポリエステルフィルム(東洋紡製)をドライラミネートし透明樹脂層を設けた。
次に電離放射線硬化型樹脂塗料(組成は下記に示す)を透明樹脂層の上にリバースコーターを使用して塗布しドライヤーにて乾燥処理して膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗膜に電子線放射装置で175KV、7Mrad、酸素濃度200ppm以下の条件で電子線を照射し所望の金属調化粧シートを得た。得られた化粧シートを、200℃に加熱した電解亜鉛めっき鋼板上、熱ラミネートして化粧鋼板を得た。
(電離放射線硬化型樹脂塗料の組成)
ウレタンアクリレートオリゴマー・・・50重量部
2官能アクリレートモノマー・・・40重量部
3官能アクリレートモノマー・・・10重量部
シリコーンアクリレート・・・3重量部
球状アルミナ・・・25重量部
酢酸エチル・・・100重量部
(比較例1)
上記実施例1において、アルミニウム箔を用いない以外は実施例1と同様にして化粧鋼板を得た。
(比較例2)
上記実施例1において、ポリプロピレン(5%引張応力が120MPa)の代わりに、延伸ポリプロピレン(5%伸張時の引張応力が800MPa)を用いる以外は、実施例1と同様にして化粧鋼板を得た。
(比較例3)
上記実施例1において、変ポリプロピレンとポリプロピレンを用いない以外は実施例1と同様にして化粧鋼板を得た。
〔評価〕
得られた各化粧鋼板を用いて下記の評価を行い、結果を表1に示した。
(エリクセン試験)
上記で得られた各化粧板鋼板の表面に3mm間隔にてクロスカットの切り込みを施したのち、該クロスカット部を、エリクセン試験を行い、押し込み距離の測定と、化粧シートの剥がれの様子の目視で観察を行った。
(外観)
各化粧鋼板の化粧面の外観を目視で観察した。
(二次加工性)
実施例1、2、3で得られた化粧鋼板を用いて、切断、曲げ、打ち抜き加工を施して冷蔵庫の扉を製作した。その結果、切断部、曲げ部、打ち抜き部に割れ、剥離等は認められず、凹凸感と深みのあるステンレス調であった。
Figure 0005250176
以上は、本発明に特有の変性ポリオレフィン樹脂層の効果を確認するために、変性ポリオレフィン樹脂層、金属箔層及び透明フィルム層からなる金属調化粧シートであって前記金属箔層にヘアーライン加工を施したものに対して効果確認試験を行った実施例であるが、以下に金属箔層にヘアライン調のエンボス加工を施した金属調化粧シートへの適用例を示す。
<第1適用例>
図1に示す金属調化粧シートAは、ポリエステル等を素材とした熱可塑性フィルム1の上面に透明フィルム層2を設け、下面に印刷コーティング層3を介して接着剤層4を設け、これをヘアーライン調にエンボス加工された金属薄膜であるアルミ箔5の上面に接着し、アルミ箔5の下面にはポリプロピレン系の合成樹脂層6を介して上記の変性ポリオレフィン樹脂層7を設けたものである。
或いは、ポリエステル等を素材とした熱可塑性フィルム1の上面に透明フィルム層2を設け、下面に接着剤層4を設け、これをヘアーライン調にエンボス加工されたアルミ箔5の上面に接着し、アルミ箔5の下面には接着剤層6aを介して変性ポリオレフィン樹脂層7を設け、印刷コーティング層3を省略した構成とすることも可能である。
詳述すると、この金属調化粧シートAは、厚さ25〜75μの熱可塑性フィルム1の上面に、2〜5μの耐薬品性、耐磨耗性、光沢、艶消し効果を有した透明フィルム層2を設けている。また、熱可塑性フィルム1の下面に、必要に応じて1〜3μの印刷コーティング層3を設けて所望の意匠性を備えた金属調化粧シートAとしても応用できる。
斯かる構成の熱可塑性フィルム1の下面には、この適用例では厚さ9〜25μのヘアーライン調にエンボス加工されたアルミ箔5を形成するのであるが、その際、アルミ箔5のエンボスによる凹凸柄を3〜10μの二液硬化型の接着剤層4にてカバーリングすることにより、安定性のある立体的な意匠性を確保する。
そして、アルミ箔5の下面に、前記二液硬化型の接着剤層6a(或いは合成樹脂層6)を介して、厚さ50〜100μの変性ポリオレフィン樹脂層7設け、鋼板9に接着あるいは熱圧着した際には、鋼板9との接着強度の向上を図るものである。
かかる構成によれば、アルミ箔5へのヘアーライン調エンボス加工を通じて、意匠性に優れ、またヘアーライン調の外観の品質が安定し、引っかき滓が発生せず生産性を高めて安価に提供可能となし、密着強度にも優れた金属調化粧シートAが得られる。従来、意匠性に富んだ鋼板を製造するには、直接、鋼板9に様々な加工を施さなければならず、意匠性の選択肢が限られたり、生産性に乏しい為、コストが割高になる等のデメリットが有った。これに対し、この実施形態では、高意匠性フィルムをロール物で製造供給し、鋼板9との接着工程の生産効率を高める事により大幅なコストダウンが実現可能となる。また、変性ポリオレフィン樹脂層7における熱圧着により鋼板9に好適に接着することができるので、この金属調化粧シートAを利用する者の接着剤の塗布作業を不要にして二次加工作業を平易化することができる。また、接着剤の塗布ムラ等の入り込む余地も排除できるため、最終製品の品質を確実に向上させることが可能となる。
<第2適用例>
図2は、鋼板に対する接着性の向上及び金属調模様等の形成を同時に実現する最小限の構成を示したものである。すなわち同図の金属調化粧シートA1は、各層2、5、7の間に必要に応じて適宜の層が介在することはあるものの、基本的にはエンボス加工されたアルミ箔5の下面側に変性ポリオレフィン樹脂層7が位置し、上面側に透明フィルム層2が位置するものである。このような位置関係を維持する限り、かつ上述したアルミ箔5へのヘアーライン調エンボス加工を行う限り、意匠性に優れ、またヘアーライン調の外観の品質が安定し、引っかき滓が発生せず生産性を高めて安価に提供可能となし、密着強度にも優れた金属調化粧シートA1が得られる。また、変性ポリオレフィン樹脂層7における熱圧着により第1適用例で示した鋼板9に好適に接着することができるので、この金属調化粧シートA1を利用する者の接着剤の塗布作業を不要にして二次加工作業を平易化することができ、接着剤の塗布ムラ等の入り込む余地も排除できるため、最終製品の品質を確実に向上させることが可能となる。
図2の構成を基本として、アルミ箔5と変性ポリオレフィン樹脂層7との間に当該アルミ箔5のエンボス加工による凹凸を充填するように合成樹脂層(好適にはポリプロピレン系樹脂層)6や接着剤層6aを設ける図3の構成、あるいは、アルミ箔5と透明フィルム層2との間に接着剤層4を設ける図4の構成、さらには、透明フィルム層2と接着剤層4の間に熱可塑性フィルム層1を設ける図5の構成など、適宜の層を組み合わせて金属調化粧シートを構成することができる。接着剤層4を設ける場合は、アルミ箔5の上面に生じているエンボス加工の凹凸を充填するように形成する。
<第3適用例>
以下、上述した図5の構成例を詳述する。
図5に示すものは、透明フィルムポリエステル等を素材とした熱可塑性フィルム1の上面に透明フィルム層2を設け、下面には接着剤層4を設け、これをヘアーライン調にエンボス加工されたアルミ箔5の上面に接着して金属調化粧シートBを構成したものである。すなわち、図1の構成と比べて、印刷コーティング層3が積極的に介在していない点が異なり、アルミ箔5よりも下層側の構成は図2の構成でも図3の構成でも構わない。
詳述すると、この金属調化粧シートBは、厚さ9〜100μの熱可塑性フィルム1の上面に、耐薬品性、耐磨耗性、光沢、艶消し効果を有した透明フィルム層2を設けている。そして、斯かる構成の熱可塑性フィルム1の下面に、ヘアーライン調にエンボス加工されたアルミ箔5を形成するのであるが、その際、アルミ箔5のエンボスによる厚みからなる凹凸柄を接着剤層4にてカバーリングしている。また、この金属調化粧シートBにおいて、アルミ箔5の厚みが9〜12μ、凹凸の厚みが1〜4μ、接着剤層4の厚みが3〜10μであれば好ましく、アルミ箔5の厚みが9〜10μ、凹凸の厚みが2〜3μ、接着剤層4の厚みが3〜10μであればより望ましいものとなる。
このような金属調化粧シートBも、アルミ箔5に対してエンボス加工を行うようにしているので、アルミ箔5に鮮明な凹凸を出現させることができ、フィルム層にヘアーライン加工等を施したときのような滓等による意匠性の低下を有効に回避することができる。また、滓が出ない上にエンボス加工で一挙に加工することから、より大きな面積の金属調化粧シートBとしても均一に仕上げることができ、品質の高いものとすることが可能である。しかも、接着剤層4が凹凸に対する保形の役割を兼ねるので、外圧等によって簡単に凹凸が潰れることがなく、長期に亘って凹凸柄本来の外観を有効に維持することができるものである。
具体的には、エンボス加工を施したアルミ箔5の少なくとも上面に、当該エンボス加工により生じる凹凸に対する保形の役割を兼ねる接着剤層4を設け、この接着剤層4の上層側に熱可塑性フィルム1及び透明フィルム層2を設けているので、上記の作用効果に加え、凹凸柄を深層に位置するアルミ箔5のみに設け、熱可塑性フィルム1及び透明フィルム層2に凹凸柄を設けず平滑な面とすることで、凹凸が表面層に位置して意匠性を低下させる事態を的確に回避することができる。
また、本適用例に係る金属調化粧シートBも、特にエンボス加工をヘアーライン調のものにすることにより従来のものに比して上記第1適用例と同様の特段の効果を奏する。すなわち、従来のヘアーライン加工による不具合を解消するためには、ヘアーライン加工の対象をフィルム層からアルミ箔5に切り替えることが1つの手段として考えられるが、アルミ箔5が極薄なものである場合は、アルミ箔5が破砕する恐れがある。これに対して、エンボス加工を利用して擬似的にヘアーライン調の凹凸を形成するようにしているので、ひっかき滓のようなゴミや傷が生じることも、アルミ箔5が破損する不具合を招くこともなく、ヘアーライン加工による外観と同質の外観を実現することができる。また、あくまでエンボス加工によるため、ヘアーライン加工が止まった場合のように処理の前後で異質のヘアーライン柄が出現するといった欠陥が起こるということもない。
かかる金属調化粧シートBにおいて、アルミ箔5の厚みは上述したごとく9〜12μ、より好適には9〜10μであることが望ましい。アルミ箔5の厚みが厚くなるほど凹凸が出難くなり、薄くなるほど破れ易くなり、何れの場合も加工性が著しく低下するからである。また、エンボス加工による凹凸の厚みは、上述したごとく1〜4μ、より好適には2〜3μであることが望ましい。5μ以上になると接着剤の着きが急激に悪化して、これを解消する為には生産性が落ち、1μ以下だと凹凸が外観に現れにくいため視認性が極端に低下するからである。さらに、接着剤層4の厚みは上述したごとく3〜10μであることが望ましい。3μ以下だと凹みへの充填、付き回りが不十分となり、10μ以上だと接着剤層4に含まれる溶媒を揮発させる時間がかかる為、製造に遅延をもたらすばかりか無闇に厚みが増大してコスト増につながるからである。
なお、上述した透明フィルム層2に代えて、各図に括弧書きで示すごとく、表面コーティング層2及び印刷コーティング層3の機能を併せ持つ表面・印刷コーティング層2aを用いるようにしてもよい。これによれば、印刷コーティング層3を別途に設けることを不要にして金属調化粧シートのレイヤーを1つ減らすことができるので、意匠的効果は同質であっても構造や製造工程の簡素化を有効に図ることができる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
参考例である第1適用例に係る金属調化粧シートを示す模式的な断面図。 本発明である第2適用例に係る金属調化粧シートを示す模式的な断面図。 参考例である図2の変形例を示す図。 参考例である図2の他の変形例を示す図。 参考例である図2の更に他の変形例であって本発明の第3適用例に係る金属調化粧シート
符号の説明
A、A1、B…金属調化粧シート
1…熱可塑性フィルム
2…透明フィルム層
2a…表面・印刷コーティング層
3…印刷コーティング層
4…接着層(接着剤層)
5…金属箔層(アルミ箔)
6…合成樹脂層
6a…接着剤層
7…変性ポリオレフィン樹脂層
9…鋼板

Claims (10)

  1. 不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸誘導体で変性された変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、及び変性エチレン−プロピレンラバーからなる群より選択された1種以上を主成分とし、5%伸張時の引張応力が25〜500MPaである変性ポリオレフィン樹脂層、この変性ポリオレフィン樹脂層に隣接し金属箔をエンボス加工したものである金属箔層、透明フィルム層がこの順に設けられた構成であるとともに、変性ポリオレフィン樹脂層が被着体である金属に直接接する層であることを特徴とする金属調化粧シート。
  2. 金属箔層の透明フィルム側の面に、接着層を設けていることを特徴とする請求項1記載の金属調化粧シート。
  3. 接着層上に熱可塑性フィルム層を介して透明フィルム層を設けていることを特徴とする請求項記載の金属調化粧シート。
  4. 接着層と熱可塑性フィルム層との間に印刷コーティング層を設けていることを特徴とする請求項記載の金属調化粧シート。
  5. 透明フィルム層と熱可塑性フィルム層との間に印刷コーティング層を設けていることを特徴とする請求項記載の金属調化粧シート。
  6. 透明フィルム層が、印刷コーティング層を兼ねたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属調化粧シート。
  7. エンボス加工がヘアライン調のものである請求項1〜項のいずれか1項に記載の金属調化粧シート。
  8. 金属箔層がアルミニウム箔であ請求項1〜項のいずれか1項記載の金属調化粧シート。
  9. 変性ポリオレフィン樹脂層が、変性率が0.05〜1重量%のマレイン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜項のいずれか1項に記載の金属調化粧シート。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属調化粧シートの変性ポリオレフィン樹脂層に金属板が積層されてなることを特徴とする化粧金属板。
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