JP5247136B2 - ケーブル式操作装置及びケーブルガイド用コイルバネ - Google Patents
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Description
バッキングプレートとパーキングレバーとの間では、パーキングケーブルがコイルバネによって案内されている。コイルバネは、パーキングレバーの動作に応じて伸縮することができるので、パーキングレバーの動作を阻害することなくパーキングケーブルを案内することができる。
この問題に対し、特許文献1には、コイルバネのガイド曲面に接触する範囲で、そのコイルピッチを小さくする技術が提案されている。コイルバネのコイルピッチを小さくすると、ケーブルがコイルバネのより多く素線と接触するようになる。ケーブルとコイルバネとの接触圧が低下することから、ケーブルの磨耗を抑制することが可能となる。
本発明は、前記した事情を鑑みてなされたものであり、コイルバネの湾曲部でのケーブルの磨耗を抑えつつ、可動部材の可動範囲を十分に確保することができる技術を提供することを目的とする。
本明細書で開示される1つの技術は、ケーブルを進退させることによってケーブルに連結された可動部材を動かすケーブル式操作装置に具現化される。このケーブル式操作装置は、可動部材と、一端が可動部材に連結され、可動部材に対して進退可能に配索されたケーブルと、前記ケーブルをその配索経路上で支持する支持部材と、一端が可動部材に固定され、他端が支持部材に固定され、その内孔に前記ケーブルが挿通されているコイルバネを備えている。前記支持部材と前記可動部材の少なくとも一方には、前記コイルバネの端部に側方から接触する湾曲したガイド曲面が形成されている。そして、前記コイルバネの中間部には、コイル径及びコイルピッチを拡大させた大径部が形成されている。
このケーブル式操作装置によると、ケーブルやコイルバネの磨耗を抑えつつ、コイルバネの最大圧縮変形量を維持して可動部材の可動範囲を十分に確保することができる。
この構成によると、ケーブルやコイルバネの磨耗をより抑制することが可能となる。
(形態1) コイルバネは、ガイド曲面が支持部材と可動部材の一方のみに形成されている場合でも、長手方向に関して対称に形成するとよい。この構成によれば、ケーブル式操作装置を組み立てる際に、コイルバネの向きを確認することなく組付けることができる。
(形態2) コイルバネの大径部では、その一部でコイルピッチを相違させることが好ましい。それにより、ケーブル式操作装置の製造現場において、コイルバネ同士が絡み合うことを防止することができる。
バックプレート12は平面視で円板形状の基部12aと、基部12aの外周端に沿った円筒形状の外周部12bを有している。ドラム(図示省略)は、外周部12bに沿って配置される。
ブレーキシューアッセンブリ14は、ブレーキシュー16,18とシリンダ20と間隔調整装置21とコイルバネ28,32とアンカー部材30を備えている。ブレーキシュー16,18は、バックプレート12の基部12aにそれぞれ支持されている。ブレーキシュー16,18は、左右対称に配置されている。ブレーキシュー16は、ライニング16aとリブ16bとウェブ16cを備えている。ウェブ16cは平板形状を有している。ウェブ16cはバックプレート12に略平行に配置されている。ウェブ16cは、シュー支持部材16dによって、基部12aに弾性的に支持されている。ウェブ16cの外側端(図1の左側の端)は円弧状に形成されている。リブ16bは、ウェブ16cの外側端に略垂直に固定されている略平板形状である。リブ16bの外側面には、ライニング16aが貼付されている。
ブレーキシュー18は、ブレーキシュー16と同様に、ライニング18aとリブ18bとウェブ18cを備えている。ウェブ18cは、シュー支持部材18dによって、基部12aに弾性的に支持されている。ブレーキシュー18は、ブレーキシュー16と略同一の構成であるため、ブレーキシュー16の説明と重複する部分については説明を省略する。ブレーキシュー18は、ブレーキシュー16と左右対称に配置されている。
本実施例のケーブル式操作装置50では、ガイド曲面58bと接触する部分である第1コイル部分56aが密着巻きとなっている。この結果、コイルバネ56の湾曲部の巻き数が多くなり、ケーブル54との接触面積を大きくすることができる。そのため、コイルバネ56とケーブル54の接触面圧を低減させることができる。また、ブレーキレバー52と支持部材58からの圧縮力によって、第1コイル部分56aが変形することを防止することができる。これにより、コイルバネ56の磨耗等を抑制することができる。また、内孔56cに挿通されたケーブル54にかかる摩擦力が低減されるため、ケーブル54の破断等を防止することができる。
また、コイルバネ56では、その両端に第1コイル部分56aが形成されている。しかしながら、ガイド曲面がブレーキレバー52と支持部材58のいずれか一方のみにガイド曲面が形成されている場合には、図5に示すように、ガイド曲面に対応する端部のみに第1コイル部分56aが形成されていてもよい。
また、第1コイル部分56aは、密着巻きでなくてもよい。この場合、第1コイル部分56aのコイルピッチは、第2コイル部分56bのコイルピッチよりも小さくする。また、図6に示すように、第2コイル部分56bの中間部に、第2コイル部分56bよりもコイルピッチの小さい第3コイル部分56dを形成してもよい。これにより、組付けされる前の多数のコイルバネ56が容器に雑然と収容されていても、コイルバネ56同士が絡み合うことを防止することができる。第3コイル部分56dのコイルピッチは、コイルバネ56の線径等によって適宜変更することができる。
例えば、支持部材58が複数あってもよい。この場合、ガイド曲面58bは、いずれかの支持部材58に形成されていてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:バックプレート
14:ブレーキシューアッセンブリ
16,18:ブレーキシュー
20:シリンダ
28:コイルバネ
30:アンカー部材
32:コイルバネ
50:ケーブル式操作装置
52:ブレーキレバー
52a:ケーブル支持部
54:ケーブル
56:コイルバネ
56a:第1コイル部分
56b:第2コイル部分
56c:内孔
58:支持部材
58b:ガイド曲面
60:ピン
Claims (3)
- 自動車用のパーキングブレーキ装置に用いられ、ケーブルを進退させることによってケーブルに連結された可動部材を動かすケーブル式操作装置であって、
可動部材と、
一端が可動部材に連結され、可動部材に対して進退可能に配索されたケーブルと、
前記ケーブルをその配索経路上で支持する支持部材と、
一端が可動部材に固定され、他端が支持部材に固定され、その内孔に前記ケーブルが挿通されているコイルバネを備え、
前記支持部材と前記可動部材の少なくとも一方には、前記コイルバネの端部に側方から接触する湾曲したガイド曲面が形成されており、
前記コイルバネの中間部のコイル径は、前記コイルバネの中間部の全長に亘って、一定であると共に、前記コイルバネの端部のコイル径よりも大きく、
前記コイルバネの中間部の少なくとも一部のコイルピッチは、前記コイルバネの端部のコイルピッチよりも大きいことを特徴とするケーブル式操作装置。 - 前記ガイド曲面に接触する前記コイルバネの端部は、密着巻きとされていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル式操作装置。
- 自動車用のパーキングブレーキ装置に用いられるケーブル式操作装置であって、可動部材と、一端が可動部材に連結され、可動部材に対して進退可能に配索されたケーブルと、前記ケーブルをその配索経路上で支持する支持部材を備え、ケーブルを進退させることによってケーブルに連結された可動部材を動かすケーブル式操作装置に用いられるケーブルガイド用コイルバネであって、
一端が可動部材に固定され、他端が支持部材に固定され、その内孔に前記ケーブルが挿通され、
少なくとも一方の端部には、前記支持部材と前記可動部材の少なくとも一方に形成された湾曲したガイド曲面が側方から接触し、
前記コイルバネの中間部のコイル径は、前記コイルバネの中間部の全長に亘って、一定であると共に、前記コイルバネの端部のコイル径よりも大きく、
前記コイルバネの中間部の少なくとも一部のコイルピッチは、前記コイルバネの端部のコイルピッチよりも大きいことを特徴とするケーブルガイド用コイルバネ。
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