JP5213577B2 - ケーブル式操作装置 - Google Patents
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Description
パーキングケーブルは、コイルバネによって案内されている。コイルバネは、パーキングレバーの動作に応じて伸縮する。
本発明は、前記した事情を鑑みてなされたものであり、コイルバネの耐久性を向上することができる技術を提供することを目的とする。
また、本明細書は、ケーブルを進退させることによってケーブルに連結された可動部材を動かす他のケーブル式操作装置を開示する。このケーブル式操作装置は、可動部材と、一端が可動部材に連結され、可動部材に対して進退可能に配索されたケーブルと、ケーブルをその配索経路上で支持する支持部材と、一端が可動部材に固定され、他端が支持部材に固定され、その内孔にケーブルが挿通されているコイルバネを備えている。支持部材と可動部材の少なくとも一方には、コイルバネに側方から接触するガイド面が形成されている。コイルバネは、少なくともガイド面が接触する範囲に、そのコイルピッチが他の部分におけるコイルピッチよりも小さい小ピッチ部を有している。そして、小ピッチ部の密着長さは、ガイド面よりも長い。
このケーブル式操作装置では、小ピッチ部の密着長さ(小ピッチ部が圧縮されて、密着巻きとなった状態での長さ)が、ガイド面よりも長くなっている。即ち、可動部材が動作して、コイルバネが最大に圧縮された状態であっても、コイルバネは小ピッチ部のみにおいてガイド面と接触し、コイルピッチが大きい他の部分において接触することがない。この結果、コイルバネが圧縮された場合においても、ガイド面に接触する範囲におけるコイルバネの巻き数を比較的に多くすることができる。これにより、コイルバネの素線に付与される接触圧が低減される。また、小ピッチ部では、コイルバネの圧縮変形量が小さくなる。以上のことから、このケーブル式操作装置によれば、コイルバネの耐久性を向上することができる。
素線間の間隔は、コイルピッチからコイル線径を差し引いた値である。コイルバネの自然状態とは、コイルバネに意図的に外力が負荷されていない状態をいう。ガイド面との接触圧を考慮すると、素線間の隙間をできるだけ小さくすることが好ましい。本発明者らは、素線間の隙間が、0.7mm以下である場合に、コイルバネの耐久性が飛躍的に向上することを見出した。
コイルバネの自然長が、セット長よりも長くなり過ぎると、可動部材の動作によってコイルバネが圧縮された場合に、コイルバネが大きく湾曲してしまう。この結果、コイルバネに不要な力が負荷され、コイルバネが折損する虞がある。そこで、コイルバネの最大のセット長さを100mmから150mmとした場合に、コイルバネの自然長を最大のセット長さから20mm以下だけ長くすることによって、コイルバネの湾曲が抑制され、コイルバネの耐久性を向上させることができる。
(特徴1) 本発明のケーブル式操作装置は、自動車のパーキングブレーキ装置に好適に用いられる。しかしながら、パーキングブレーキ装置以外でも、ケーブルを進退させることによってケーブルに連結された可動部材を動かすケーブル式操作装置に適用することができる。この結果、コイルバネの耐久性を向上させることができる。これにより、ケーブル式操作装置の耐久性を向上させることができる。
(特徴2) 支持部材は、1つでもよく、複数設けられていてもよい。また、各支持部材に、ガイド面が形成されていてもよい。また、支持部材と可動部材の両者にガイド面が形成されていてもよい。この場合、コイルバネは、ガイド面に接触する範囲の全てに、小ピッチ部を有している。
(特徴3) コイルバネには、ガイド面に接触しない範囲にも、小ピッチ部が設けられていてもよい。例えば、コイルバネの一端に小ピッチ部を設けた場合、コイルバネの他端にも同様の小ピッチ部を設けておくとよい。これにより、コイルバネをケーブル式操作装置にセットする際に、コイルバネの向きを確認する必要がなく、コイルバネの組付性が向上する。このように、コイルバネを反転させた場合でも、コイルバネの形状が相違しないように、小ピッチ部を対称に設けておくとよい。
バックプレート12は円板形状の基部12aと、基部12aの外周端に沿った円筒形状の外周部12bを有している。ドラム(図示省略)は、外周部12bに沿って配置される。
ブレーキシューアッセンブリ14は、ブレーキシュー16,18とシリンダ20と間隔調整装置21とコイルバネ28,32とアンカー部材30を備えている。ブレーキシュー16,18は、バックプレート12の基部12aにそれぞれ支持されている。ブレーキシュー16,18は、左右対称に配置されている。ブレーキシュー16は、ライニング16aとリブ16bとウェブ16cを備えている。ウェブ16cは平板形状を有している。ウェブ16cはバックプレート12に略平行に配置されている。ウェブ16cは、シュー支持部材16dによって、基部12aに弾性的に支持されている。ウェブ16cの外側端(図1の左側の端)は円弧状に形成されている。リブ16bは、ウェブ16cの外側端に略垂直に固定されている略平板形状である。リブ16bの外側面には、ライニング16aが貼付されている。
ブレーキシュー18は、ブレーキシュー16と同様に、ライニング18aとリブ18bとウェブ18cを備えている。ウェブ18cは、シュー支持部材18dによって、基部12aに弾性的に支持されている。ブレーキシュー18は、ブレーキシュー16と略同一の構成であるため、ブレーキシュー16の説明と重複する部分については説明を省略する。ブレーキシュー18は、ブレーキシュー16と左右対称に配置されている。
小ピッチ部56aが密巻き状態となったときの長さ、(密着長さ)は、ガイド面58bのコイルバネ56の軸方向における長さよりも長くなっている。詳細には、小ピッチ部56aの密着長さは、ガイド面58bの長さと比較して、コイルバネ56の線径以上に長くなっている。この結果、ケーブル式操作装置50において、コイルバネ56が最も圧縮された場合、小ピッチ部56aの大ピッチ部56b側の端は、ガイド面58bと接触しない。
また、コイルバネ56は、ケーブル式操作装置50にセットされた状態で最も圧縮された場合でも、小ピッチ部56aの長さは、ガイド面58bの長さよりも長くなっている。そのため、コイルバネ56が最も圧縮された場合でも、小ピッチ部56aがガイド面58bに接触することとなる。この結果、ガイド面58bに接触する範囲におけるコイルバネ56の巻き数を比較的に多くすることができる。これにより、コイルバネ56の素線に付与される接触圧を低減することができる。
また、小ピッチ部56aでは、全長に亘って大ピッチ部56bと同じコイルピッチで作製されたコイルバネと比較して、その圧縮変形量が小さくなる。これにより、コイルバネ56の耐久性を向上させることができる。
また、コイルバネ56では、全長に亘って大ピッチ部56bと同じコイルピッチで作製されたコイルバネと比較して、ガイド面58bに沿って湾曲された部分の素線に付与される捻り応力が小さくなる。これにより、コイルバネ56の耐久性を向上させることができる。
また、小ピッチ部56aの線間の隙間を0.1mm以上とすることによって、小ピッチ部56aの各線の表面に確実にメッキを施すことができる。これにより、コイルバネ56の耐食性を向上することができる。
例えば、コイルバネ56の小ピッチ部56aは、コイルバネ56の両端部に設けられている。しかしながら、小ピッチ部56aは、ガイド面58bに接触する範囲にのみ設けられていてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:バックプレート
14:ブレーキシューアッセンブリ
16,18:ブレーキシュー
50:ケーブル式操作装置
52:ブレーキレバー
52a:ケーブル支持部
54:ケーブル
56:コイルバネ
56a:小ピッチ部
56b:大ピッチ部
58:支持部材
58b:ガイド面
Claims (3)
- ケーブルを進退させることによってケーブルに連結された可動部材を動かすケーブル式操作装置であって、
可動部材と、
一端が可動部材に連結され、可動部材に対して進退可能に配索されたケーブルと、
前記ケーブルをその配索経路上で支持する支持部材と、
一端が可動部材に固定され、他端が支持部材に固定され、その内孔に前記ケーブルが挿通されているコイルバネ、
を備え、
前記支持部材と前記可動部材の少なくとも一方には、前記コイルバネに側方から接触するガイド面が形成されており、
前記コイルバネは、少なくとも前記ガイド面が接触する範囲に、そのコイルピッチが他の部分におけるコイルピッチよりも小さい小ピッチ部を有しており、
前記コイルバネが自然状態にある場合の前記小ピッチ部における素線間には、隙間が設けられており、
その小ピッチ部の密着長さは、前記ガイド面よりも長く、
前記コイルバネが自然状態にある場合の前記小ピッチ部における素線間の隙間は、0.7mm以下であり、
前記ケーブル式操作装置にセットされた状態で前記コイルバネが取り得る最大のセット長は、100mmから150mmであり、
前記コイルバネの自然長は、前記最大のセット長より長く、その差が20mm以下であることを特徴とするケーブル式操作装置。 - 前記コイルバネが自然状態にある場合の前記小ピッチ部における素線間の隙間は、0.1mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のケーブル式操作装置。
- 前記小ピッチ部は、前記コイルバネの両端に形成されており、
前記コイルバネの一方の端に形成されている前記小ピッチ部の長さは、前記コイルバネの他方の端に形成されている前記小ピッチ部の長さと等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル式操作装置。
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JP2008203149A JP5213577B2 (ja) | 2008-08-06 | 2008-08-06 | ケーブル式操作装置 |
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JP2008203149A JP5213577B2 (ja) | 2008-08-06 | 2008-08-06 | ケーブル式操作装置 |
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2008
- 2008-08-06 JP JP2008203149A patent/JP5213577B2/ja active Active
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