JP4813429B2 - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキシューの位置を摩耗に応じて調整する自動隙間調整装置を有したドラムブレーキ装置に関するもので、特に、車両への組付け作業を容易にできると同時に、組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にするための改良に関する。
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これらのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。
自動車に搭載されるドラムブレーキ装置の場合は、上記のいずれの形式にせよ、通常、ドラム内空間に対向配置された一対のブレーキシューの非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシューの摩耗によって増大しないように、各ブレーキシューの位置を各ブレーキシューの摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置が組み込まれる。
従来の自動隙間調整装置は、一度の制動動作時に調整できるブレーキシューの送り量を微量に制限したマイクロアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献1)と、一度の制動動作でブレーキシューとドラムの間の隙間を基準値に一気に調整するワンショットアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献2)とに、大別することができる。
ところが、従来のマイクロアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置は、車両への組み付け作業を容易にするために、車両組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していると、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、多数回の制動操作を繰り返す必要が生じ、車両組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整に手間がかかるという問題があった。
また、この問題を解消するため、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を小さくすると、車両への組付け作業が困難になるという問題が生じた。
一方、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合は、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回または少数回の制動操作を繰り返すだけで良い。従って、車両への組付け性を向上させると同時に、組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
ところが、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置の場合は、例えば、過大なブレーキ力によってドラムが変形し、そのドラムの変形によってブレーキシューの可動域が一時的に増大したような場合でも、その可動域を含めて一気にブレーキシューの位置調整が実施されてしまうため、非制動時に確保すべきドラムとブレーキシューとの間の隙間が適正隙間以下となるオーバーアジャストが発生し、ブレーキシューの引き摺りを招く虞があった。
そこで、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置における問題点を解消するドラムブレーキ装置として、オーバーアジャスト防止手段を装備することが考えられた。
そして、オーバーアジャスト防止手段として、ホイールシリンダを改良して、オーバーアジャスト防止用の側部ピストンを追加しておき、制動時にホイールシリンダから各ブレーキシューへの操作力が所定以上になるときには、側部ピストンが作動して、隙間調整動作を制限するように構成したものが提案されている(例えば、特許文献3)。
特公平1−58374号公報 特公平2−21456号公報 特開平5−1731号公報
ところが、特許文献3に開示されたオーバーアジャスト防止手段では、側部ピストンの装備のために、ホイールシリンダの構造が複雑化して大型化したり、あるいは、側部ピストンの作動によってホイールシリンダ内の容積が変化し、その側部ピストンの作動に伴うホイールシリンダ内の液量の変化のために、制動途中で制動力が変動する虞があった。
また、側部ピストンの動作で隙間調整動作を制限するために、側部ピストンの動作を隙間調整装置に伝達する部品や、側部ピストンの動作が終了した時に、隙間調整装置を元の状態に戻す部品が必要になり部品点数の増加が、コストアップを招くという問題もあった。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、車両への組付け作業を容易にできると同時に、組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にでき、且つ、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもでき、更に、ホイールシリンダの構造の単純化による小型化を実現すると同時に、制動時のホイールシリンダ内における液量の変化を抑止して、制動の安定性を向上させることのできるドラムブレーキ装置を提供することである。
上記目的は下記構成により達成される。
(1)ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置を備えるドラムブレーキ装置であって、
前記自動隙間調整装置が、一端に一方のブレーキシューに当接するシュー当接溝が設けられると共に他端に第1の歯部が設けられたストラットと、
前記シュー当接溝が前記ブレーキシューに当接した状態を維持するように前記ストラットを付勢する第1の引張りばねと、
前記ストラットの他端に回転自在かつストラットの長手方向に移動可能に支持されると共に、前記第1の歯部に噛合する第2の歯部と他方のブレーキシューに形成された係合孔内に遊嵌する係合腕部とを備えて、前記他方のブレーキシューが所定以上に拡開方向に移動する時に前記係合孔の内端縁に前記係合腕部が押されることで前記ストラット上を回動可能なアジャスタギヤと、
前記第2の歯部が前記第1の歯部に噛合する方向に前記第1の引張りばねよりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばねと、
制動時にホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに、前記アジャスタギヤの回動を規制するオーバーアジャスト防止手段と、を備え、
前記オーバーアジャスト防止手段は、前記ホイールシリンダのピストンと前記一方のブレーキシューの端部との間に介在する制御レバーであり、
前記制御レバーは、先端に前記ホイールシリンダからの操作力を受ける操作力受け部が設けられると共に、前記操作力受け部よりも内側となる中間部が前記一方のブレーキシューに回転自在に支持され、且つ、基端には、前記ストラットに係合して前記ホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときの前記中間部を支点とした回動により前記ストラットを前記第1の引張りばねの付勢力に抗してアジャスタギヤ側に移動させて前記第1の歯部と前記第2の歯部との噛合状態を堅持するストラット操作部が設けられたことを特徴とするドラムブレーキ装置。
(2)上記(1)において、前記制御レバーとパーキングレバーとが前記一方のブレーキシューのウェブを挟んで配置されると共に、前記制御レバーの中間部は前記パーキングレバーと共通の支持ピンにより前記ウェブ上に回転自在に支持され、これらの制御レバー及び一方のブレーキシューのウェブ及びパーキングレバーが前記ストラットのシュー当接溝に係合していることを特徴とするドラムブレーキ装置。
(3)上記(2)において、前記制御レバーの操作力受け部は、前記ホイールシリンダのピストンの中心が当接するように、ブレーキシューのウェブ側に折り曲げられていることを特徴とするドラムブレーキ装置。
上記に記載のドラムブレーキ装置では、各ブレーキシューのライニングの摩耗によって、ドラム内周面と各ライニングとの間の隙間が係合腕部と係合孔の内端縁との間の隙間よりも大きくなると、他方のブレーキシューがドラム内周面に押圧される拡開動作時に、係合孔の内端縁が係合腕部をドラム内周面側に押す。これにより、アジャスタギヤはストラット上をドラム内周面側に移動して、第2の歯部と第1の歯部との噛合が外れた状態になり、係合孔の内端縁から係合腕部に作用する押圧力で、アジャスタギヤはストラット上を回動する。このアジャスタギヤの回動により、第2の歯部と第1の歯部との噛合位置が変わることで、ストラット及びアジャスタギヤを介した一対のブレーキシュー間の離間距離の調整がなされ、ドラム内周面と各ライニングとの間の隙間が所定寸法以下に維持される。
このような自動隙間調整装置の動作は、各ブレーキシューがドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回の制動操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
また、制動時にホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに、オーバーアジャスト防止手段がアジャスタギヤの回動を規制することで過調整を防止するため、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもできる。
そして、本発明に係る自動隙間調整装置のオーバーアジャスト防止手段は、ホイールシリンダと一方のブレーキシューとの間に回動可能に介在させた制御レバーによって、ストラットをアジャスタギヤ側に移動させることで、アジャスタギヤの回動を規制する構成で、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要ないため、ホイールシリンダの構造の単純化により、装置の小型化を実現することができる。
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るドラムブレーキ装置の第1の実施の形態の正面図、図2は図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図、図3は図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の斜視図、図4は図3に示した一方のブレーキシューと制御レバーとパーキングレバーの取付状態を示す拡大斜視図である。
この第1の実施の形態のドラムブレーキ装置200は、図示せぬ略円筒形のドラム内の空間に対向配備される一対のブレーキシュー3,4と、これらの一対のブレーキシュー3,4の一方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4をドラムに押圧するシュー操作力を発生するホイールシリンダ5と、一対のブレーキシュー3,4の他方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4のブレーキ力を受けるアンカー部材7と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート9と、一対のブレーキシュー3,4の非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシュー3,4の摩耗によって増大しないように、各ブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置201と、ブレーキシュー4に支持ピン11aを介して回動自在に結合されて駐車時に回動操作により一対のブレーキシュー3,4を拡開して制動力を発生させるパーキングレバー11とを備えている。
なお、図示せぬドラムは、バッキングプレート9と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
ブレーキシュー3,4は、それぞれのウェブ3a,4aに貫通形成された取付穴に装着されるシュー支持軸14により、ドラムの内周に向かって移動可能にバッキングプレート9に取り付けられている。
各ブレーキシュー3,4のホイールシリンダ5側の端部は、シュートゥシュースプリング15によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がホイールシリンダ5のピストンに当接した状態に維持されている。
また、各ブレーキシュー3,4のアンカー部材7側の端部は、アンカースプリング16によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がアンカー部材7に当接した状態に維持されている。
パーキングレバー11をブレーキシュー4に連結する支持ピン11aは、該支持ピン11aに嵌合するクリップ(止め輪)12により、抜け止めされている。
本実施の形態の自動隙間調整装置201は、図4〜図7に示すように、一方のブレーキシュー4のストラット係合部4dに当接して該ブレーキシュー4を位置決めするシュー当接溝41aが一端に設けられると共に他端に第1の歯部41bが設けられたストラット41と、シュー当接溝41aがストラット係合部4dに当接した状態を維持するようにストラット41の一端を一方のブレーキシュー4側に付勢する第1の引張りばね43と、第1の歯部41bに噛合する第2の歯部45aと他方のブレーキシュー3のウェブ3aに形成された係合孔47内に遊嵌する係合腕部45bとを備えたアジャスタギヤ45と、第2の歯部45aが第1の歯部41bに噛合する方向にアジャスタギヤ45とストラット41との間に第1の引張りばね43よりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばね48と、制動時にホイールシリンダ5からの操作力が所定以上となるときに、アジャスタギヤ45の回動を規制することで過調整を防止するオーバーアジャスト防止手段51と、を備えている。
パーキングレバー11は、不図示のケーブルから伝達される牽引力で、支持ピン11aを中心に図2の矢印X方向に回動して、ストラット41をブレーキシュー3側に押圧変位させることで、一対のブレーキシュー3,4を拡開させて、制動力を発生させる。
ストラット41の一端に形成されるシュー当接溝41aは、溝の底部がストラット係合部4dとの当接面となるものであるが、図7に示すように、この溝の幅はブレーキシュー4のストラット係合部4dの板厚よりも幅寸法が大きく設定されていて、その溝の底部には、ウェブ4aとの当接部の他に、パーキングレバー11が当接するレバー当接部41cや、後述の制御レバーが当接する制御用当接部41dが確保されている。
ストラット41は、図7に示すように、一対のブレーキシュー3,4の対向方向に沿って細長いスティック状の板材である。このストラット41の他端側は、先端に第1の歯部41bが形成された第1腕部411と、この第1腕部411と略平行で第1腕部411よりも先方まで延出した第2腕部412との2本の腕部に分岐している。そして、第2腕部412の先端側には、ストラット41の長手方向に細い長穴413が形成されている。
アジャスタギヤ45は、第2腕部412の長穴413に嵌合する円柱状のピン451により、ストラット41の他端に回転自在かつストラット41の長手方向に移動可能に支持されている。
このアジャスタギヤ45の係合腕部45bが遊嵌するブレーキシュー3の係合孔47は、ホイールシリンダ5の操作力でブレーキシュー3が拡開された場合に、当該ブレーキシュー3のライニング3bの摩耗が少なくてブレーキシュー3がドラム内周面に押圧されるまでの変位量が規定量以下のときには、係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bに接触しないように、寸法が設定されている。
ブレーキシュー3のライニング3bの摩耗が進行して、ホイールシリンダ5の操作力でブレーキシュー3が拡開された場合に、ブレーキシュー3がドラム内周面に押圧されるまでの変位量が規定量以上になる場合には、変位するブレーキシュー3の係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bを押す。
この係合孔47の内端縁47aによって係合腕部45bが押されると、アジャスタギヤ45が長穴413に沿って移動することで、図8(b)に示すように第2の引張りばね48の付勢力で第2の歯部45aが第1の歯部41bに噛合している状態から、図8(a)に示すようにこれらの歯部45a,41bの噛合が解除された状態になる。
そして、さらに噛合が解除された状態で内端縁47aからの押圧力が係合腕部45bに作用すると、図8(a)に矢印Yで示すように、アジャスタギヤ45が回動する。このアジャスタギヤ45の回動により、第1の歯部41bから係合腕部45bの先端までの距離L2が増大するため、ストラット41及びアジャスタギヤ45により位置規制する一対のブレーキシュー3,4の離間距離が拡大され、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間が非制動時における係合腕部45bと係合孔47の内端縁47aとの間の隙間よりも小さい値に自動調整される。
本実施の形態の場合、オーバーアジャスト防止手段51は、図2及び図3に示すように、ホイールシリンダ5のピストンと一方のブレーキシュー4の端部との間に挟持状態に介在する制御レバーである。
このオーバーアジャスト防止手段51としての制御レバー(以下、単に制御レバー51と表記する)は、図6に示すように、先端にホイールシリンダ5からの操作力Wを受ける操作力受け部51aが設けられると共に、操作力受け部51aよりも内側(正確には、操作力Wの作用点P1よりも内側(ドラムの中心寄り))となる中間部51bがブレーキシュー4に回転自在に支持されている。また、中間部51bよりも更にドラムの中心寄りとなる制御レバー51の基端には、ストラット41に係合するストラット操作部51cが設けられている。このストラット操作部51cは、ホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以上となるときの中間部51bを支点とした回動によりストラット41を第1の引張りばね43の付勢力に抗してアジャスタギヤ45側に移動させる。このストラット操作部51cによる押圧により、第1の歯部41bと第2の歯部45aとの噛合状態が堅持される。
本実施の形態の制御レバー51は、金属板のプレス成形により形成されている。図3〜図5に示すように、制御レバー51とパーキングレバー11とが一方のブレーキシュー4のウェブ4aを挟んで配置されると共に、制御レバー51の中間部51bはパーキングレバー11と共通の支持ピン11aによりウェブ上に回転自在に支持されている。そして、図7に示したように、互いに重なり合っているこれらの制御レバー51及び一方のブレーキシュー4のウェブ4a及びパーキングレバー11が、ストラット41のシュー当接溝41aに係合している。
図6に示したように、上記の制御レバー51において、ホイールシリンダ5からの操作力Wの作用点P1から支持ピン11aの中心までの距離をS、支持ピン11aの中心からストラット操作部51cまでの距離をLとすると、L>Sとなるように、支持ピン11aの位置や制御レバー51の寸法が設定されている。
制動時には、ホイールシリンダ5からの操作力Wに応じて、ストラット操作部51cは前述のLとSの比に反比例する力Fでブレーキシュー4のシュー当接溝41aを他方のブレーキシュー3側に押す。
更に、ホイールシリンダ5からの操作力Wが、所定以下の時、ストラット操作部51cがシュー当接溝41aを押す力Fは、ストラット41をブレーキシュー4側に付勢している第1の引張りばね43の付勢力よりも小さくなるように、制御レバー51の各部の寸法が設定されている。
本実施の形態の場合、ホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以下、あるいは所定以上となる場合の閾値は、例えば高速走行中に急ブレーキをかけた場合のように、ドラム内周面への各ブレーキシュー3,4の押圧力が強すぎるために、ドラム内周面に変形が生じる時の操作力を意味している。
従って、制動操作の開始直後の各ブレーキシュー3,4がドラム内周面に接触するまでの各ブレーキシューの拡開動作時にホイールシリンダ5が出力する操作力や、通常の制動範囲で各ブレーキシュー3,4をドラム内周面に押圧する時にホイールシリンダ5が出力する操作力は、いずれも、所定以下となる。
次に、制動時における制御レバー51の動作を、図6に基づいて説明する。
ホイールシリンダ5から操作力作用点P1に操作力Wが作用すると、ウェブ4aに対する制御レバー51の回動支点c1から各作用点までの距離S,Lの比率に応じて、制御レバー51のストラット操作部51cにはストラット41上のシュー当接溝41aを押す力Fが発生する。
ホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以下の場合は、ストラット操作部51cからストラット41のシュー当接溝41aに作用する力Fが、第1の引張りばね43の引張力よりも小さいため、ストラット41は一端をブレーキシュー4に当接した状態を維持している。従って、制御レバー51のストラット操作部51cの位置は変位せず、ホイールシリンダ5からの操作力Wに応じて、中間部51bがブレーキシュー4と共にドラム内周面側に変位する動作となる。
そして、急制動等で、操作力Wが所定以上になるときは、ストラット操作部51cからストラット41のシュー当接溝41aに作用する力Fが、第1の引張りばね43の引張力よりも大きくなるため、ストラット操作部51cからの力Fにより、ストラット41は第1の引張りばね43の引張力に抗して、アジャスタギヤ45側に移動させられる。このストラット41の移動により、図8(b)に示すように、第1の歯部41bが第2の歯部45aに噛合した状態が堅持されて、係合孔47の内端縁47aにより係合腕部45bが押されてもアジャスタギヤ45が回転できない状態に保持される。
以上に説明した第1の実施の形態のドラムブレーキ装置200では、各ブレーキシュー3,4のライニング3b,4bの摩耗によって、ドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が係合腕部45bと係合孔47の内端縁47aとの間の隙間よりも大きくなると、他方のブレーキシュー3がドラム内周面に押圧される拡開動作時に、係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bをドラム内周面側に押す。
これにより、アジャスタギヤ45はストラット41上をドラム内周面側に移動して、図8(a)に示すように第2の歯部45aと第1の歯部41bとの噛合が外れた状態になり、係合孔47の内端縁47aから係合腕部45bに作用する押圧力で、アジャスタギヤ45はストラット41上を回動する。
このアジャスタギヤ45の回動により、第2の歯部45aと第1の歯部41bとの噛合位置が変わることで、ストラット41及びアジャスタギヤ45を介した一対のブレーキシュー3,4間の離間距離の調整がなされ、ドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が所定寸法以下に維持される。
そして、本実施の形態のドラムブレーキ装置200において、このような自動隙間調整装置201の動作は、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回の制動操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
また、制動時にホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以上となるときに、オーバーアジャスト防止手段51がアジャスタギヤ45の回動を規制することで過調整を防止するため、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもできる。
そして、本実施の形態の自動隙間調整装置201におけるオーバーアジャスト防止手段51は、ホイールシリンダ5と一方のブレーキシュー4との間に回動可能に介在させた制御レバー51によって、ストラット41をアジャスタギヤ45側に移動させることで、アジャスタギヤ45の回動を規制する構成で、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要ないため、ホイールシリンダ5の構造の単純化により、装置の小型化を実現することができる。
また、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要ないため、制動途中でホイールシリンダ内の容積が変動してホイールシリンダ内における液量が変化することがなく、制動の安定性を向上させることができる。
また、制動時に過調整防止のためにオーバーアジャスト防止手段51により移動させられたストラット41は、制動解除時には、第1の引張りばね43により元の位置に復帰するため、オーバーアジャスト防止手段51として復帰専用のばね部材を装備する必要がなく、部品点数の削減等により、ブレーキ装置の小型化やコストの低減を図ることができる。
更に、上記実施の形態のドラムブレーキ装置200では、オーバーアジャスト防止手段に使用する制御レバー51は、パーキングレバー11との協働で一方のブレーキシュー4のウェブ4aを挟む構成であり、しかも、パーキングレバー11と共通の支持ピン11aによりウェブ4aに回動自在に支持される構成のため、制御レバー51を回動自在に支持するための、新たな支持ピンを不要できる。
また、一方のブレーキシュー4のウェブ4aを挟むパーキングレバー11と制御レバー51は、ウェブ4aと一緒にストラット41のシュー当接溝41aに係合していて、シュー当接溝41aがパーキングレバー11や制御レバー51との係合部として共用されるため、ストラット41の端部に、個別にパーキングレバー11や制御レバー51との係合部を形成する必要がなく、ストラット端部の構造の繁雑化を防止することもできる。
なお、本発明に係るオーバーアジャスト防止手段としての制御レバー51の具体的な構造は、上記実施の形態に限らない。図9に示す形態としても良い。
図9は本発明に係るドラムブレーキ装置においてオーバーアジャスト防止手段としての制御レバーの第2の実施の形態の説明図で、(a)は制御レバーがブレーキシューに取り付けられた状態の斜視図、(b)は制御レバーの単体の斜視図である。
図9に示した制御レバー51は、ホイールシリンダ5からの操作力Wを受ける操作力受け部51aが、ホイールシリンダ5のピストンの中心が当接するように、ブレーキシュー4のウェブ4a側に折り曲げられている。
その他の構成は、第1の実施の形態と共通の構成であり、共通の構成については、同番号を付して説明を省略する。
このように改良した制御レバー51を使用するドラムブレーキ装置では、ホイールシリンダ5からの操作力Wを受ける制御レバー51の操作力受け部51aは、ホイールシリンダ5のピストンの中心が当接するため、ピストンからの作用力で制御レバー51の回動動作に拗りが発生することがなく、ピストンの作用力による制御レバー51の回動動作を円滑に維持することができる。
本発明に係るドラムブレーキ装置の第1の実施の形態の正面図である。 図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図である。 図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の斜視図である。 図3に示した一方のブレーキシューと制御レバーとパーキングレバーの取付状態を示す拡大斜視図である。 図4に示したブレーキシューと制御レバーの分解斜視図である。 図3に示した自動隙間調整装置の動作を示す拡大正面図である。 図6のA矢視図である。 アジャスタギヤの動作説明図で、(a)はアジャスタギヤが回動して隙間調整を行う時の拡大図、(b)はオーバーアジャスト防止手段の作動によりアジャスタギヤの回動が拘束された状態の拡大図である。 本発明に係る第2の実施の形態の説明図で、(a)は制御レバーがブレーキシューに取り付けられた状態の斜視図、(b)は制御レバーの単体の斜視図である。
符号の説明
3,4 ブレーキシュー
3a,4a ウェブ
3b,4b ライニング
4d ストラット係合部
5 ホイールシリンダ
7 アンカー部材
9 バッキングプレート
11 パーキングレバー
11a 支持ピン
15 シュートゥシュースプリング
16 アンカースプリング
41 ストラット
41a シュー当接溝
41b 第1の歯部
41c レバー当接部
43 第1の引張りばね
45 アジャスタギヤ
45a 第2の歯部
45b 係合腕部
47 係合孔
47a 内端縁
48 第2の引張りばね
51 制御レバー(オーバーアジャスト防止手段)
51a 操作力受け部
51b 中間部
51c ストラット操作部
200 ドラムブレーキ装置
201 自動隙間調整装置
413 長穴

Claims (3)

  1. ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置を備えるドラムブレーキ装置であって、
    前記自動隙間調整装置が、一端に一方のブレーキシューに当接するシュー当接溝が設けられると共に他端に第1の歯部が設けられたストラットと、
    前記シュー当接溝が前記ブレーキシューに当接した状態を維持するように前記ストラットを付勢する第1の引張りばねと、
    前記ストラットの他端に回転自在かつストラットの長手方向に移動可能に支持されると共に、前記第1の歯部に噛合する第2の歯部と他方のブレーキシューに形成された係合孔内に遊嵌する係合腕部とを備えて、前記他方のブレーキシューが所定以上に拡開方向に移動する時に前記係合孔の内端縁に前記係合腕部が押されることで前記ストラット上を回動可能なアジャスタギヤと、
    前記第2の歯部が前記第1の歯部に噛合する方向に前記第1の引張りばねよりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばねと、
    制動時にホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに、前記アジャスタギヤの回動を規制するオーバーアジャスト防止手段と、を備え、
    前記オーバーアジャスト防止手段は、前記ホイールシリンダのピストンと一方のブレーキシューの端部との間に介在する制御レバーであり、
    前記制御レバーは、先端に前記ホイールシリンダからの操作力を受ける操作力受け部が設けられると共に、前記操作力受け部よりも内側となる中間部が前記一方のブレーキシューに回転自在に支持され、且つ、基端には、前記ストラットに係合して前記ホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときの前記中間部を支点とした回動により前記ストラットを前記第1の引張りばねの付勢力に抗してアジャスタギヤ側に移動させて前記第1の歯部と前記第2の歯部との噛合状態を堅持するストラット操作部が設けられたことを特徴とするドラムブレーキ装置。
  2. 前記制御レバーとパーキングレバーとが前記一方のブレーキシューのウェブを挟んで配置されると共に、前記制御レバーの中間部は前記パーキングレバーと共通の支持ピンにより前記ウェブ上に回転自在に支持され、これらの制御レバー及び一方のブレーキシューのウェブ及びパーキングレバーが前記ストラットのシュー当接溝に係合していることを特徴とする請求項1に記載のドラムブレーキ装置。
  3. 前記制御レバーの操作力受け部は、前記ホイールシリンダのピストンの中心が当接するように、ブレーキシューのウェブ側に折り曲げられていることを特徴とする請求項2に記載のドラムブレーキ装置。
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