JP2008064167A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Hironori Akata
浩教 赤田
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Abstract

【課題】車両への組付けが容易にでき、しかも、オーバーアジャストの発生を防止でき、更には、ホイールシリンダの構造の単純化や液量の低減等により装置の小型化を図ることができるドラムブレーキ装置を得る。
【解決手段】ストラット41の他端に噛合する第2の歯部45aを有したアジャスタギヤ45の回転によって、非制動時におけるブレーキシューとドラム内周面との間の隙間を自動調整するドラムブレーキ装置において、制動時にホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以上となるときには、一方のブレーキシュー4を押圧するホイールシリンダ5のピストンに延長部51aを当接したパーキングレバー51が回動して、ストラット41とアジャスタギヤ45との噛合状態を堅持することで、過調整を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキシューの位置を摩耗に応じて調整する自動隙間調整装置を有したドラムブレーキ装置に関するもので、特に、車両への組付け作業を容易にできると同時に、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にでき、且つ、ホイールシリンダの構造の単純化や液量の低減によりブレーキ装置の小型化を実現するための改良に関する。
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これらのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。
自動車に搭載されるドラムブレーキ装置の場合は、上記のいずれの形式にせよ、通常、ドラム内空間に対向配置された一対のブレーキシューの非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシューの摩耗によって増大しないように、各ブレーキシューの位置を各ブレーキシューの摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置が組み込まれる。
従来の自動隙間調整装置は、一度のブレーキペダル操作時に調整できるブレーキシューの送り量を微量に制限したマイクロアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)と、一度のブレーキペダル操作でブレーキシューとドラムの間の隙間を基準値に一気に調整するワンショットアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献3、又は特許文献4、又は特許文献5参照)とに、大別することができる。
ところが、従来のマイクロアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置は、車両への組み付け作業を容易にするために、車両組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していると、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、多数回のブレーキペダル操作を繰り返す必要が生じ、車両組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整に手間がかかるという問題があった。
また、この問題を解消するため、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を小さくすると、車両への組付け作業が困難になるという問題が生じた。
一方、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合は、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回または少数回のブレーキペダル操作を繰り返すだけで良い。従って、車両への組付け性を向上させると同時に、組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
ところが、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置の場合は、例えば、過大なブレーキ力によってドラムが変形し、そのドラムの変形によってブレーキシューの可動域が一時的に増大したような場合でも、その可動域を含めて一気にブレーキシューの位置調整が実施されてしまうため、非制動時に確保すべきドラムとブレーキシューとの間の隙間が適正隙間以下となるオーバーアジャストが発生し、ブレーキシューの引き摺りを招く虞があった。
そこで、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置における問題点を解消するドラムブレーキ装置として、図9乃至図12に示すドラムブレーキ装置100が提案されている。
ここに示したドラムブレーキ装置100は、下記特許文献6に開示されたもので、図示せぬ略円筒形のドラム内の空間に対向配備される一対のブレーキシュー3,4と、一対のブレーキシュー3,4の一方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4をドラムに押圧するシュー操作力を発生するホイールシリンダ6と、一対のブレーキシュー3,4の他方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4のブレーキ力を受けるアンカー部材7と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート9と、一対のブレーキシュー3,4の非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシュー3,4の摩耗によって増大しないように、各ブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置10と、ブレーキシュー3にピン11aを介して回動自在に結合されて駐車時に回動操作により一対のブレーキシュー3,4を拡開して制動力を発生させるパーキングレバー11とを備えている。
なお、図示せぬドラムは、バッキングプレート9と同心で、車両の前進時には図9の矢印R方向に回転する。
以上のブレーキシュー3,4は、ドラムの内周に向かって移動可能に、シュー支持機構14によりバッキングプレート9に取り付けられている。
各ブレーキシュー3,4のホイールシリンダ6側の端部は、シュートゥシュースプリング15によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がホイールシリンダ6のピストン6bに当接した状態に維持されている。
また、各ブレーキシュー3,4のアンカー部材7側の端部は、アンカースプリング16によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がアンカー部材7に当接した状態に維持されている。
自動隙間調整装置10は、図10にも示すように、パーキングレバー11を介して一方のブレーキシュー3を位置決めする当接部21aが一端に設けられると共に他端に第1の歯部21bが設けられたストラット21と、当接部21aがパーキングレバー11に当接した状態を維持するようにストラット21の一端を一方のブレーキシュー3側に付勢する第1の引張りばね23と、ストラット21の他端に回転自在かつ当該ストラット21の長手方向に移動可能に支持されると共に、第1の歯部21bに噛合する第2の歯部25aと他方のブレーキシュー4のウェブ4aに形成された係合孔26内に遊嵌する係合腕部25bとを備えたアジャスタギヤ25と、第2の歯部25aが第1の歯部21bに噛合する方向にアジャスタギヤ25とストラット21との間に第1の引張りばね23よりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばね27と、制動時にホイールシリンダ6からの操作力が所定以上となるときに、アジャスタギヤ25の回動を規制することで過調整を防止するオーバーアジャスト防止手段29と、を備えている。
アジャスタギヤ25は、ストラット21の他端側を挿通する支持ピン31により、ストラット21に回転自在に支持されている。また、支持ピン31が挿通するストラット21上の取付穴は、ストラット21の長手方向に長い長穴に形成されており、これにより、アジャスタギヤ25がストラット21の長手方向に移動可能になっている。
アジャスタギヤ25がストラット21の長手方向に沿って移動可能に取り付けられていることで、アジャスタギヤ25は、図10に示すように第2の歯部25aが第1の歯部21bに噛合した噛合状態から、第2の引張りばね27の引張力に抗してドラム内周面33側に移動して、噛合が解除された状態に移行できる。
以上のドラムブレーキ装置100では、制動時には、ホイールシリンダ6のピストン6bが各ブレーキシュー3,4の端部を押すことで、各ブレーキシュー3,4が拡開し、各ブレーキシュー3,4の外周面に装備されたライニング3b,4bがドラム内周面33(図10参照)に押圧されることで、制動力を発生する。
図10に示すように、非制動時におけるドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1が所定以下で、係合孔26に遊嵌している係合腕部25bと係合孔26の内端縁との間の隙間s2よりも小さい場合には、ブレーキシュー4がドラム内周面33に押圧される拡開動作時に、係合孔26の内端縁が係合腕部25bに接触することはなく、アジャスタギヤ25は第2の引張りばね27の付勢力により第2の歯部25aが第1の歯部21bに係合した状態を維持している。従って、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1の調整はなされない。
一方、各ライニング3b,4bの摩耗によって、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1が係合腕部25bと係合孔26の内端縁との間の隙間s2よりも大きくなると、ブレーキシュー4がドラム内周面33に押圧される拡開動作時に、係合孔26の内端縁が係合腕部25をドラム内周面33側に押す。これにより、アジャスタギヤ25はストラット21上をドラム内周面33側に移動して、第2の歯部25aと第1の歯部21bとの噛合が外れた状態になる。また、係合孔26の内端縁から係合腕部25に作用する押圧力で、アジャスタギヤ25は支持ピン31を中心に、ストラット21上を図10の矢印B方向に回動する。このアジャスタギヤ25の回動により、第1の歯部21bに噛合する第2の歯部25aの位置が変わり、第1の歯部21bから係合腕部25bの先端までの距離L1が増大するため、ストラット21及びアジャスタギヤ25により位置規制する一対のブレーキシュー3,4の離間距離が拡大され、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1が係合腕部25bと係合孔26の内端縁との間の隙間s2よりも小さい値に自動調整される。
以上の自動隙間調整装置10では、ストラット21及びアジャスタギヤ25を介したブレーキシュー3,4間の離間距離の調整は、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシュー3,4との間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシュー3,4との間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回のブレーキペダル操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシュー3,4との間の隙間調整を簡単にすることができる。
自動隙間調整装置10に装備したオーバーアジャスト防止手段29は、係合孔26に連通しかつドラム内周面33から遠ざかるようにストラット21の長手方向に沿って延出する逃げ孔35と、ホイールシリンダ6の中間部に追加装備された側部ピストン6aとから構成されている。
側部ピストン6aは、図11に示すように、制動時にホイールシリンダ6から各ブレーキシュー3,4への操作力が所定以上になるとき(即ち、ホイールシリンダ6内の液圧が所定以上になるとき)、内部に装備された引張りばね6bに抗して進出するピストンである。
この側部ピストン6aは、ホイールシリンダ6内の液圧が所定以上になって進出すると、図12に示すように、ストラット21を押圧して、係合孔26に嵌合している係合腕部25bを逃げ孔35に移動させる。逃げ孔35は、係合孔26と比較して、内端縁がドラム内周面33から遠ざかる方向に延長されているため、ブレーキシュー4の移動量が大きくても、逃げ孔35の内端縁が係合腕部25bを押すことがなく、アジャスタギヤ25の回動による隙間調整動作は生じない。
即ち、上記自動隙間調整装置10では、例えば、高速走行中に急ブレーキを掛けた時のように過大なブレーキ力によってドラムが変形するような事態が生じても、その時には、オーバーアジャスト防止手段29が作動するため、ドラムの変形にブレーキシューが追従するようなアジャスト動作は生じない。従って、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することができる。
従来のパーキングレバー11は、図13に示すように、一端がホイールシリンダ6に近い位置で、ピン11aにより、ブレーキシュー3に回動自在に連結されている。なお、従来の場合、図13に示すように、パーキングレバー11の一端部は、ホイールシリンダ6のピストン6bには干渉しないように、寸法設定されている。
このパーキングレバー11には、図10に示したように、ストラット21の一端に当接するストラット当接部11bが設けられていて、パーキングブレーキ操作により図13の矢印E方向に回動させると、それに伴い、ストラット21を他方のブレーキシュー4側に移動させる。これにより、ストラット21はアジャスタギヤ25側に付勢され、第1の歯部21bが第2の歯部25aに噛合して、ストラット21とアジャスタギヤ25とが一体化した状態で他方のブレーキシュー4側に移動し、一対のブレーキシュー3,4を拡開し、駐車時の制動力を得る。
特公昭56−34733号公報 特公昭63−33567号公報 特公昭43−21822号公報 特公昭51−12782号公報 特公平2−21456号公報 特開平5−1731号公報
ところが、特許文献6に開示されたオーバーアジャスト防止手段29では、側部ピストン6aの装備のために、ホイールシリンダ6の構造が複雑化して大型化したり、あるいは、側部ピストン6aの作動によってホイールシリンダ6内の容積が変化し、その側部ピストン6aの作動に伴うホイールシリンダ6内の液量の変化のために、制動途中で制動力が変動する虞があった。
また、図12に示すように、制動解除時には、側部ピストン6aによって変位したストラット21を元の位置に戻すリターンスプリング37が必要になり、部品点数の増加が、コストアップを招くという問題もあった。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、車両への組付け作業を容易にできると同時に、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にでき、且つ、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもでき、更に、ホイールシリンダの構造の単純なドラムブレーキ装置を提供することにある。
上記目的は下記構成により達成される。
(1)ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置として、
一端を一方のブレーキシューに当接させると共に他端に第1の歯部が設けられたストラットと、
前記一方のブレーキシューが前記ストラットに当接した状態を維持するように該ストラットを前記一方のブレーキシュー側に付勢する第1の引張りばねと、
前記ストラットの他端に回転自在かつストラット長手方向に移動可能に支持されると共に、前記第1の歯部に噛合する第2の歯部と他方のブレーキシューに形成された係合孔内に遊嵌する係合腕部とを備えて、前記他方のブレーキシューが所定以上に拡開方向に移動する時に前記係合孔の内端縁に前記係合腕部が押されることで前記ストラット上を回動可能なアジャスタギヤと、
前記第2の歯部が前記第1の歯部に噛合する方向に前記アジャスタギヤと前記ストラットとの間に前記第1の引張りばねよりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばねと、
一端が前記一方のブレーキシューにピンを介して回動可能に取り付けられると共に前記ストラットに当接し、回動操作により前記ストラットを他方のブレーキシュー側に移動させて一対のブレーキシューを拡開させるパーキングレバーと、を備え、
前記パーキングレバーには、前記一方のブレーキシューを押圧するホイールシリンダのピストンに当接し、前記ピンよりも径方向外側に位置する延長部を設け、前記延長部に作用するピストン軸力が所定以上になると、前記パーキングレバーが回動して前記ストラットを他方のブレーキシュー側に移動させて、前記第1の歯部と前記第2の歯部との噛合状態を堅持することを特徴とするドラムブレーキ装置。
上記(1)に記載のドラムブレーキ装置では、各ブレーキシューのライニングの摩耗によって、ドラム内周面と各ライニングとの間の隙間が係合腕部と係合孔の内端縁との間の隙間よりも大きくなると、他方のブレーキシューがドラム内周面に押圧される拡開動作時に、係合孔の内端縁が係合腕部をドラム内周面側に押す。これにより、アジャスタギヤはストラット上をドラム内周面側に移動して、第2の歯部と第1の歯部との噛合が外れた状態になり、係合孔の内端縁から係合腕部に作用する押圧力で、アジャスタギヤはストラット上を回動する。このアジャスタギヤの回動により、第2の歯部と第1の歯部との噛合位置が変わることで、ストラット及びアジャスタギヤを介した一対のブレーキシュー間の離間距離の調整がなされ、ドラム内周面と各ライニングとの間の隙間が所定寸法以下に調整される。
また、上記(1)に記載のドラムブレーキ装置では、駐車時に制動力を発生させるためのパーキングレバーが、一方のブレーキシューに回動可能にとりつけられている。そして、このパーキングレバーには、一方のブレーキシューを押圧するホイールシリンダのピストンに当接する延長部を設けてあり、この延長部に作用するピストン軸力が所定以上になると、パーキングレバーが回動してストラットを他方のブレーキシュー側に移動させる。このストラットの移動により、ストラットの第1の歯部がアジャスタギヤの第2の歯部に噛合した状態になり、アジャスタギヤが回動できない状態に維持される。
即ち、ホイールシリンダのピストン軸力が所定以上になるときには、パーキングレバーの回動により、アジャスタギヤが回転できない状態に維持されて、過調整が防止される。従って、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもできる。
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の正面図、図2は図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図、図3は図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の斜視図、図4は図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の裏面図である。
この一実施の形態のドラムブレーキ装置200は、図示せぬ略円筒形のドラム内の空間に対向配備されるリーディングシュー3とトレーリングシュー4との一対のブレーキシュー3,4と、これら一対のブレーキシュー3,4の一方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4をドラムに押圧するシュー操作力を発生するホイールシリンダ5と、一対のブレーキシュー3,4の他方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4のブレーキ力を受けるアンカー部材7と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート9と、一対のブレーキシュー3,4の非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシュー3,4の摩耗によって増大しないように、各ブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置201と、ブレーキシュー4にピン11aを介して回動自在に結合されて駐車時にピン11aを支点とした矢印X方向への回動操作により一対のブレーキシュー3,4を拡開して制動力を発生させるパーキングレバー51とを備えている。
なお、図示せぬドラムは、バッキングプレート9と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
ブレーキシュー3,4は、それぞれ、シュー支持機構14により、ドラムの内周に向かって移動可能にバッキングプレート9に取り付けられている。
各ブレーキシュー3,4のホイールシリンダ5側の端部は、シュートゥシュースプリング15によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がホイールシリンダ5のピストンに当接した状態に維持されている。
また、各ブレーキシュー3,4のアンカー部材7側の端部は、アンカースプリング16によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がアンカー部材7に当接した状態に維持されている。
パーキングレバー51をブレーキシュー4のウェブ4aに連結するピン11aは、該ピン11aに嵌合するクリップ(止め輪)12により、抜け止めされる。
本実施の形態の自動隙間調整装置201は、図3〜図7に示すように、一方のブレーキシュー4のストラット係合部4dに当接して該ブレーキシュー4を位置決めするシュー当接部41aが一端に設けられると共に他端に第1の歯部41bが設けられたストラット41と、シュー当接部41aがストラット係合部4dに当接した状態を維持するようにストラット41の一端を一方のブレーキシュー4側に付勢する第1の引張りばね43と、第1の歯部41bに噛合する第2の歯部45aと他方のブレーキシュー3のウェブ3aに形成された係合孔47内に遊嵌する係合腕部45bとを備えたアジャスタギヤ45と、第2の歯部45aが第1の歯部41bに噛合する方向にアジャスタギヤ45とストラット41との間に第1の引張りばね43よりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばね48と、を備えている。
ストラット41の一端には、図6及び図7に示すように、シュー当接部41aに連続して、パーキングレバー51が当接するレバー当接部41cが形成されている。
パーキングレバー51は、不図示のレバー駆動ケーブルから自由端部51cに伝達される牽引力Fで、ピン11aを中心に図4の矢印X方向に回動する。パーキングレバー51が矢印X方向に回動すると、パーキングレバー51がレバー当接部41cを介してストラット41をブレーキシュー3側に押圧して変位させることで、一対のブレーキシュー3,4を拡開させて、制動力を発生させる。
パーキングレバー51の押圧によりストラット41がブレーキシュー3側に移動するとき、その押圧力で、ストラット41の第1の歯部41bはアジャスタギヤ45の第2の歯部45aに噛合した状態に堅持される。このように、第1の歯部41bと第2の歯部45aの噛合が堅持された状態では、アジャスタギヤ45はストラット41上で回転不可となり、ストラット41とアジャスタギヤ45とが一体化した状態で、ブレーキシュー3側に移動する。
ストラット41は、図6に示すように、一対のブレーキシュー3,4の対向方向に沿って細長いスティック状の板材である。このストラット41の他端側は、先端に第1の歯部41bが形成された第1腕部411と、この第1腕部411と略平行で第1腕部411よりも先方まで延出した第2腕部412との2本の腕部に分岐している。そして、第2腕部412の先端側には、ストラット41の長手方向に細い長穴413が形成されている。
アジャスタギヤ45は、第2腕部412の長穴413に嵌合する円柱状のピン451により、ストラット41の他端に回転自在かつストラット41の長手方向に移動可能に支持されている。
このアジャスタギヤ45の係合腕部45bが遊嵌するブレーキシュー3の係合孔47は、ホイールシリンダ5の操作力でブレーキシュー3が拡開された場合に、当該ブレーキシュー3のライニング3bの摩耗が少なくてブレーキシュー3がドラム内周面に押圧されるまでの変位量が規定量以下のときには、変位するブレーキシュー3の係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bに接触しないように、寸法が設定されている。
ブレーキシュー3のライニング3bの摩耗が進行して、ホイールシリンダ5の操作力でブレーキシュー3がドラム内周面に押圧されるまでの変位量が規定量以上になる場合には、変位するブレーキシュー3の係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bを押す。
この係合孔47の内端縁47aによって係合腕部45bが押されると、アジャスタギヤ45が長穴413に沿って移動することで、図7に示すように第2の引張りばね48の付勢力で第2の歯部45aが第1の歯部41bに噛合している状態から、これらの歯部45a,41bの噛合が解除された状態になる。
そして、さらに噛合が解除された状態で内端縁47aからの押圧力が係合腕部45bに作用すると、図7に矢印Yで示すように、アジャスタギヤ45が回動する。このアジャスタギヤ45の回動により、第1の歯部41bから係合腕部45bの先端までの距離L2が増大するため、ストラット41及びアジャスタギヤ45により位置規制する一対のブレーキシュー3,4の離間距離が拡大され、不図示のドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が非制動時における係合腕部45bと係合孔47の内端縁47aとの間の規定隙間よりも小さい値に自動調整される。
本実施の形態の場合、パーキングレバー51は、図8に示すように、一方のブレーキシュー4を押圧するホイールシリンダ5のピストン5aに当接する延長部51aが設けてあり、この延長部51aに作用するピストン軸力(操作力)が所定以上になると、パーキングレバー51が回動してストラット41を他方のブレーキシュー3側に移動させる。
延長部51aの先端51bは、ピストン5aから操作力を受けるブレーキシュー4のウェブ4aの先端部4xから、微細な距離sだけピストン5a側に突出するように、寸法設定されている。従って、制動時には、まず、パーキングレバー51の延長部51aに操作力が伝達され、上記の距離sの分だけパーキングレバー51が回動した後、ピストン5aがウェブ4aに当接して、ブレーキシュー4の拡開が始まる。
本実施の形態の場合、ホイールシリンダ5からの操作力(ピストン軸力)が所定以下、あるいは所定以上となる場合の閾値は、例えば高速走行中に急ブレーキをかけた場合のように、ドラム内周面への各ブレーキシュー3,4の押圧力が強すぎるために、ドラム内周面に変形が生じる時の操作力を意味している。
従って、制動操作の開始直後の各ブレーキシュー3,4がドラム内周面に接触するまでの各ブレーキシューの拡開動作時にホイールシリンダ5が出力する操作力や、通常の制動範囲で各ブレーキシュー3,4をドラム内周面に押圧する時にホイールシリンダ5が出力する操作力は、いずれも、所定以下となる。
以上に説明した一実施の形態のドラムブレーキ装置200では、各ブレーキシュー3,4のライニング3b,4bの摩耗によって、ドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が係合腕部45bと係合孔47の内端縁47aとの間の隙間よりも大きくなると、他方のブレーキシュー3がドラム内周面に押圧される拡開動作時に、係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bをドラム内周面側に押す。
これにより、アジャスタギヤ45はストラット41上をドラム内周面側に移動して、第2の歯部45aと第1の歯部41bとの噛合が外れた状態になり、係合孔47の内端縁47aから係合腕部45bに作用する押圧力で、アジャスタギヤ45はストラット41上を回動する。このアジャスタギヤ45の回動により、第2の歯部45aと第1の歯部41bとの噛合位置が変わることで、ストラット41及びアジャスタギヤ45を介した一対のブレーキシュー3,4間の離間距離の調整がなされ、ドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が所定寸法以下に調整される。
本実施の形態のドラムブレーキ装置200において、このような自動隙間調整装置201の動作は、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回のブレーキペダル操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
また、本実施の形態のドラムブレーキ装置200では、駐車時に制動力を発生させるためのパーキングレバー51が、一方のブレーキシュー4に回動可能にとりつけられている。そして、このパーキングレバー51には、一方のブレーキシュー4を押圧するホイールシリンダ5のピストン5aに当接する延長部51aを設けてあり、この延長部51aに作用するピストン5a軸力が所定以上になると、パーキングレバー51が回動してストラット41を他方のブレーキシュー3側に移動させる。このストラット41の移動により、ストラット41の第1の歯部41bがアジャスタギヤ45の第2の歯部45aに噛合した状態になり、アジャスタギヤ45が回動できない状態に維持される。
即ち、ホイールシリンダ5のピストン5a軸力が所定以上になるときには、パーキングレバー51の回動により、アジャスタギヤ45が回転できない状態に維持されて、過調整が防止される。従って、ブレーキシュー3,4の引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもできる。
そして、上記のように、パーキングレバー51にホイールシリンダ5のピストン5aに当接する延長部51aを設けたことで、パーキングレバー51が、アジャスタギヤ45の回動を規制することで過調整を防止するオーバーアジャスト防止手段を兼用することになる。
従って、自動隙間調整装置のオーバーアジャスト防止手段として、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要なく、ホイールシリンダ5の構造の単純化により、装置の小型化を実現することができる。
また、制動時に過調整防止のためにパーキングレバー51により移動させられたストラット41は、制動解除時には、第1の引張りばね43により元の位置に復帰するため、オーバーアジャスト防止手段として復帰用の専用のばね部材を装備する必要もなく、部品点数の削減等により、ブレーキ装置の小型化やコストの低減を図ることができる。
本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の正面図である。 図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図である。 図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の斜視図である。 図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の裏面図である。 図3に示した自動隙間調整装置と一対のブレーキシューとの位置関係を示す拡大正面図である。 図5のC−C断面図である。 図5のD−D断面図である。 図1に示したホイールシリンダとパーキングレバーとの位置関係を示す拡大正面図である。 自動隙間調整装置を備えた従来のドラムブレーキ装置の正面図である。 図9のA−A断面図である。 図9に示したホイールシリンダの拡大図である。 図9に示したオーバーアジャスト防止手段が作動した状態の説明図である。 図9に示したホイールシリンダとパーキングレバーとの位置関係を示す拡大正面図である。
符号の説明
3,4 ブレーキシュー
3a,4a ウェブ
3b,4b ライニング
4d ストラット係合部
5 ホイールシリンダ
7 アンカー部材
9 バッキングプレート
15 シュートゥシュースプリング
16 アンカースプリング
41 ストラット
41a シュー当接部
41b 第1の歯部
41c レバー当接部
43 第1の引張りばね
45 アジャスタギヤ
45a 第2の歯部
45b 係合腕部
47 係合孔
47a 内端縁
48 第2の引張りばね
51 パーキングレバー
51a 延長部
200 ドラムブレーキ装置
201 自動隙間調整装置

Claims (1)

  1. ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置として、
    一端を一方のブレーキシューに当接させると共に他端に第1の歯部が設けられたストラットと、
    前記一方のブレーキシューが前記ストラットに当接した状態を維持するように該ストラットを前記一方のブレーキシュー側に付勢する第1の引張りばねと、
    前記ストラットの他端に回転自在かつストラット長手方向に移動可能に支持されると共に、前記第1の歯部に噛合する第2の歯部と他方のブレーキシューに形成された係合孔内に遊嵌する係合腕部とを備えて、前記他方のブレーキシューが所定以上に拡開方向に移動する時に前記係合孔の内端縁に前記係合腕部が押されることで前記ストラット上を回動可能なアジャスタギヤと、
    前記第2の歯部が前記第1の歯部に噛合する方向に前記アジャスタギヤと前記ストラットとの間に前記第1の引張りばねよりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばねと、一端が前記一方のブレーキシューにピンを介して回動可能に取り付けられると共に前記ストラットに当接し、回動操作により前記ストラットを他方のブレーキシュー側に移動させて一対のブレーキシューを拡開させるパーキングレバーと、を備え、
    前記パーキングレバーには、前記一方のブレーキシューを押圧するホイールシリンダのピストンに当接し、前記ピンよりも径方向外側に位置する延長部を設け、前記延長部に作用するピストン軸力が所定以上になると、前記パーキングレバーが回動して前記ストラットを他方のブレーキシュー側に移動させて、前記第1の歯部と前記第2の歯部との噛合状態を堅持することを特徴とするドラムブレーキ装置。
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