JP5246784B2 - 射出成形機の同期駆動制御方法および同期駆動制御装置 - Google Patents

射出成形機の同期駆動制御方法および同期駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形機の駆動制御方法および駆動制御装置に関するものである。
射出成形機の射出装置や型締装置においては、2個以上の電動機を用いて、プッシャプレートや可動盤等の可動部を移動させる場合がある。特に大型の射出装置では電動機のトルクの問題から2個以上の電動機を使用することが行われている。また型締装置では、可動盤の両側に型開閉用の電動機とその駆動機構を設けて型開閉を行うことが行われている。そして前記のように2個以上の電動機を用いて可動部を移動させる際には、可動部の移動量が等しくなるよう各軸を駆動する電動機の同期制御を行う必要がある。
2個以上の電動機の同期制御を行う射出成形機の駆動制御装置としては、特許文献1および特許文献2に関するものが知られている。特許文献1は、複数の電動機のうちの一つの電動機の回転速度を設定速度に維持して、この一つの電動機の回転速度に同調させて他の電動機の回転速度が前記一つの電動機の回転速度と等しくなるように電気的に制御し、複数の電動機を設定回転速度で駆動するものである。しかしながらこのような制御においては、基準となる電動機に追従して他の電動機が制御されるので、他の電動機は、演算処理時間だけ遅れて制御されることになり、速度に一定の差が発生する。
上記の問題を解決するものとして特許文献2は、一つの指令値を元に、各電動機を制御する。従って追従する側の電動機の制御が遅れるという問題は生じにくい。しかしながら特許文献2の駆動制御方式でも各電動機の駆動量は常にまったく同じになるとは言えない。そのため特許文献2では、電動機各軸における許容偏差距離を電動機相互の回転角度の差として監視し、前記差が一定範囲を超えて異常となったときには電動機の運転を停止させるようにし、ボールネジやボールナット等の各部に負荷がかかり破損することを防止している。しかしながらこの方式では、射出成形機が全自動運転中に停止してしまうことになり、運転中断による作業時間のロス等が発生していた。
特開平11−58481号公報(請求項1、図1) 特開2002−370270号公報(0005、図2)
本発明では上記の問題を鑑みて、少なくとも2個以上の電動機により可動部を移動させる射出成形機において、各電動機による同期制御を良好に行うとともに、射出成形機の稼動中の停止を極力減少させることができる射出成形機を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の射出成形機の同期駆動制御方法は、少なくとも2個以上のサーボモータにより可動部を移動させる射出成形機の同期駆動制御方法において、仮想マスタ軸の速度指令部は送られてきた仮想マスタ軸の設定値から同じフィードフォーワード指令値からなる仮想マスタ軸の速度指令値を生成して前記サーボモータのサーボアンプに対してそれぞれ送信し、仮想マスタ軸の速度指令値に対して各軸を駆動するサーボモータを追従制御させるようサーボモータにより駆動される軸の実測値を用いたフィードバック制御を加算した同期駆動制御を行い、前記仮想マスタ軸の設定値または速度指令値に対する少なくとも一つのサーボモータにより駆動される軸の実測値の偏差、または各サーボモータにより駆動される軸同士の実測値の偏差が、第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を変更することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の射出成形機の同期駆動制御方法は、請求項1において、前記仮想マスタ軸の速度指令値に基づく指令位置に対して少なくとも一つの軸の実測位置が第1の偏差を超えて下回るか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を低下させることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の射出成形機の同期駆動制御方法は、請求項1において、各サーボモータにより駆動される軸同士の実測値間の偏差が第2の偏差を超えるか第2の偏差に一致した際に、各サーボモータの駆動を停止することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の射出成形機の同期駆動制御装置は、少なくとも2個以上のサーボモータにより可動部を移動させる射出成形機の同期駆動制御装置において、仮想マスタ軸の速度指令部は送られてきた仮想マスタ軸の設定値から同じフィードフォーワード指令値からなる仮想マスタ軸の速度指令値を生成して前記サーボモータのサーボアンプに対してそれぞれ送信し、仮想マスタ軸の速度指令値に対して各軸を駆動するサーボモータを追従制御させるようサーボモータにより駆動される軸の実測値を用いたフィードバック制御を加算した同期駆動制御を行い、前記仮想マスタ軸の設定値または速度指令値に対する少なくとも一つのサーボモータにより駆動される軸の実測値の偏差、または各サーボモータにより駆動される軸同士の実測値の偏差が、第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を変更することを特徴とする。
本発明の射出成形機の同期駆動制御方法および同期駆動制御装置は、少なくとも2個以上のサーボモータにより可動部を移動させる射出成形機の同期駆動制御方法および同期駆動制御装置において、仮想マスタ軸の速度指令部は送られてきた仮想マスタ軸の設定値から同じフィードフォーワード指令値からなる仮想マスタ軸の速度指令値を生成して前記サーボモータのサーボアンプに対してそれぞれ送信し、仮想マスタ軸の速度指令値に対して各軸を駆動するサーボモータを追従制御させるようサーボモータにより駆動される軸の実測値を用いたフィードバック制御を加算した同期駆動制御を行い、前記仮想マスタ軸の設定値または速度指令値に対する少なくとも一つのサーボモータにより駆動される軸の実測値の偏差、または各サーボモータにより駆動される軸同士の実測値の偏差が、第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を変更するので、各電動機による同期制御を良好に行うとともに、射出成形機の稼動中の停止を極力減少させることができる。
図1は、実施例1の射出成形機の概略説明図である。 図2は、実施例1の射出成形機の駆動制御装置のブロック図である。 図3は、実施例1の射出成形機の駆動制御方法を示すフローチャート図である。 図4は、実施例1の射出成形機の作動を示す波形図である。 図5は、実施例2の射出成形機の作動を示す波形図である。
本発明は、少なくとも2個以上の電動機を用いて射出装置のプッシャプレートや型締装置の可動盤といった可動部を移動させる射出成形機の駆動制御方法および駆動制御装置に関するものである。前記駆動制御方法および駆動制御装置においては、コントローラ内の仮想マスタ軸速度指令部から送られる仮想マスタ軸の指令値(速度指令値)に対して各軸を駆動する電動機を追従制御させるように制御を行う。そして仮想マスタ軸の設定値または指令値(速度指令値等)に対して各電動機または各電動機によって駆動される少なくとも一つの軸の実測値(パルス数等)が第1の偏差(偏差A)を超えるかまたは一致した際に、仮想マスタ軸の指令値(速度指令値等)を変更して低下させる。そして更に各軸間の実測値の差が、第1の偏差(偏差A)よりも大きい値である第2の偏差(偏差B)を超えるかまたは一致した際には、全ての電動機を停止する指令を出す。
図1に示されるように射出成形機11の図示しないベッド上には、型締装置12と射出装置22が配置されている。型締装置12は、ベッド上に固定され固定金型13が取付けられる固定盤14と、固定盤14に対して移動され可動金型15が取付けられる可動盤16(可動部)とが平行に設けられている。そして固定盤14内に設けられた型締シリンダ17のロッドがタイバ18を兼ねており、タイバ18は可動盤16に挿通されている。固定盤14の両側または固定盤14の両側位置のベッド上には型開閉機構としてサーボモータ19a,19b(電動機)がそれぞれ固定されている。また可動盤16の両側にはボールナット20a,20bがそれぞれ固定され、ボールナット20a,20bにはサーボモータ19a,19bの駆動軸に固定されたボールネジ21a,21bがそれぞれ挿通されている。なお型開閉機構のサーボモータ19a,19bの数は2個以上であれば限定されない。また可動盤に2個以上のサーボモータが固定され、固定盤またはベッド上にボールナットが固定されているものでもよい。更には型締装置の型締機構についても2個以上の電動機で行うものでもよく、トグル機構の駆動を2個以上の電動機により行うものでもよい。
射出装置22には、スクリュ23を内蔵した加熱筒24が固定されたハウジングプレート25とプッシャプレート26(可動部)の2枚のプレートが平行に設けられている。そしてスクリュ23の後端には別のスリーブ27等が接続され、前記スリーブ27はプッシャプレート26に固定された計量用のサーボモータ28の駆動軸に直結されている。またハウジングプレート25の前面の加熱筒24の両側位置には、射出用のサーボモータ29a,29b(電動機)がそれぞれ固定されている。そしてプッシャプレート26には、ボールナット30a,30bがそれぞれ固定され、ボールナット30a,30bには射出用のサーボモータ29a,29bの駆動軸に固定されたボールネジ31a,31bが挿通されている。なお射出用のサーボモータ29a,29bの数は2個以上であれば限定されず、大型機では4個の場合もある。また射出装置は、バックプレートとハウジングプレートの間にプッシャプレートを設け、バックプレートに2個以上のサーボモータが固定され、プッシャプレートにボールナットが固定されたものなど、他の配置のものでもよい。なお実施例1では、サーボモータ19a,19b,29a,29bのロータまたは駆動軸にボールネジ21a,21b,31a,31bが直結されているが、ベルトとプーリを介してモータ駆動軸の駆動を伝達してボールネジを回転するものでもよい。また電動機はインバータ制御されるモータや直動タイプのリニアモータでもよい。
図1および図2に示されるように、射出成形機11の各サーボモータ19a,19b,29a,29b,28には、サーボアンプ32a,32b,32c,32d,32eが対応して設けられ、前記サーボモータ19a,19b,29a,29b,28とサーボアンプ32a,32b,32c,32d,32eの間には、それぞれ電力線33a,33b,33c,33d,33eとサーボモータ19a,19b,29a,29b,28に取付けられたロータリエンコーダ34a,34b,34c,34d,34eの信号線35a,35b,35c,35d,35e等が接続されている。そして各サーボアンプ32a,32b,32c,32d,32eは射出成形機11に搭載されたコントローラ36と接続されている。コントローラ36は、射出成形機11の設定・表示画面37に接続されている。なお実施例1においてロータリエンコーダ34a等は、パルスを検出するインクリメンタルタイプが使用されるが、実測値をシリアル転送またはパラレル転送するアブソリュートタイプを用いてもよい。また実施例1ではサーボモータ19a等に取付けられたロータリエンコーダ34a等によりモータの駆動軸の回転角度(実測位置)を検出するが、ボールネジ等にロータリエンコーダ等の回転検出装置を設け、各軸の回転を直接検出するものでもよい。
次に図2のブロック図により型締装置12の型開閉機構の2個のサーボモータ19a,19bを制御するコントローラ36の制御ブロックについて説明する。なお射出装置22の射出用の2個のサーボモータ29a,29bを制御する制御ブロックについても基本的な構造は同じである。前記型開閉機構の制御ブロックは、設定・表示画面37に接続されてコントローラ36のデータ入力処理部38が設けられている。データ入力処理部38は、仮想マスタ軸速度指令部40の一部である比較処理部39に接続されており、仮想マスタ軸速度指令部40へ仮想マスタ軸の設定値を送信する。なお実施例1において仮想マスタ軸とは、サーボモータ19a,19bに対して等しく指令値を送るための仮想上の制御軸を指す。
そして仮想マスタ軸速度指令部40は、サーボモータ19aによって駆動される軸1の速度指令部41aと、サーボモータ19bによって駆動される軸2の速度指令部41bに接続され、各軸に同じ速度指令値(フィードフォーワード指令値)を送出する。そして前記軸1の速度指令部41aはサーボアンプ32aに接続され、PID制御によるサーボモータ19a用の速度指令値(フィードバック指令値)を送出する。そしてサーボアンプ32aは、型開閉用のサーボモータ19aに電力線33aを介して接続され、サーボモータ19aを駆動させるための制御電流が送られる。またサーボモータ19aのロータリエンコーダ34aは、サーボアンプ32aを介して制御ゲイン調整器K1に接続され、前記ロータリエンコーダ34aで検出されたパルス数が実測値として送信される。そしてコントローラ36内にゲイン調整器K1とともに設けられたカウンタにより、パルス数はカウントされゲイン定数を乗じた帰還値が、軸1の速度指令部41aへ送られ、仮想マスタ軸の速度指令値に加算されてPID制御によるフィードバック指令信号を生成される。
また前記ゲイン調整器K1またはカウンタ等からの実測値(または実測値を処理した信号)は、仮想マスタ軸速度指令部40の比較処理部39に送られ仮想マスタ軸の設定値または速度指令値(または指令値に基づく位置信号)と比較される。そして詳しくは後述するが前記指令値等と実測値の間、または各軸の実測値同士の間に偏差が生じた場合に、仮想マスタ軸の速度指令値を低下させたり、両方のサーボモータ19a,19bの作動を停止させたりする。
なお軸2を駆動するサーボモータ19bについても図示のように上記と同じ制御ブロックを有するが説明を省略する。そして前記ゲイン調整器K2またはカウンタ等から送られる実測値は、比較処理部39へ送られて指令値と比較される。またコントローラ36内には表示データ処理部42が設けられ、仮想マスタ軸速度指令部40から送られる速度指令値、ロータリエンコーダ34a,34bから送られる実測値等が送られるようになっている。そして表示データ処理部42は、設定・表示画面37に接続されている。なお本発明は前記ブロック図のものに限定されない。
次に図2ないし図4を用いて射出成形機11の型締装置12において、2個のサーボモータ19a,19bにより可動盤16および可動金型15を型開完了位置から型閉位置へ移動させる際の駆動制御方法について説明する。特には図3のフローチャートに示されるように、設定・表示画面37から設定入力され、コントローラ36内のデータ入力処理部38から送られた仮想マスタ軸の速度設定値は、仮想マスタ軸速度指令部40へ送られる。そして仮想マスタ軸速度指令部40で生成された速度指令値V1,V1により、2個のサーボモータ19a,19bをそれぞれ作動させ、可動盤16等を型閉方向へ移動させる(S1)。この際に両方のサーボモータ19a,19bは、軸1の速度指令部41aにおいて、仮想マスタ軸速度指令部40から送られる仮想マスタ軸の速度指令値V1に対して実測値が加算してクローズドループ制御(PID制御)される。またサーボモータ19a,19bの回転角度(軸1,軸2の実測値)は、ロータリエンコーダ34a,34bによりパルス数として検出され、サーボアンプ32a,32bを介してコントローラ36へ送られて処理され、比較処理部39において、仮想マスタ軸の速度指令値(速度指令値V1に基づく指令位置v1)と比較判断される(S2)。なお前記においてデータ入力処理部38から送られる仮想マスタ軸の速度設定値と各軸の実測値を比較してもよい。
そして前記指令位置v1といずれかの少なくとも一つの軸であるロータリエンコーダ34a,34bの実測位置p1,p2(実測値)の偏差がそれぞれ第1の偏差Aより小さい場合(S2がYの場合)は、そのまま仮想マスタ軸速度指令部40から当初に設定された速度指令値V1がサーボモータ19a,19bへ送られ同期制御が続行される。一方、前記指令値(速度指令値V1に基づく指令位置v1)と、例えば軸2のサーボモータ19bのロータリエンコーダ34bの実測値p2(パルス数の基づく値)の偏差が、第1の偏差Aを超えている場合(S2がNの場合)は、仮想マスタ軸速度変更制御が作動され、速度指令値V1からαを減算して更に低速のV1−αを新たな速度指令値V1として読替える(S3)。仮想マスタ軸の速度指令値をV1を新たなV1(当初のV1−α)に低下させたことにより、軸1および軸2の前進速度もそれぞれ低下するが、軸2の追従が改善されて前記偏差が減少する。または新たな速度指令値V1(当初のV1−α)に変更させることにより、偏差が完全に解消されてなくても装置の負荷が減少する。
次に偏差Aを超えた場合と超えていない場合のいずれの場合も、軸1の実測位置p1(実測値)と軸2の実測位置p2(実測値)の偏差(どちらが前進しているかは問題ではなく差の絶対値が偏差に相当する)が、第2の偏差Bを超えているかどうかが比較判断される(S4)。一般的に第2の偏差Bは第1の偏差Aよりも大きい値となっている。そして第2の偏差Bを超えていなければ(S4がYの場合)、そのまま仮想マスタ軸速度指令部40から速度指令値V1(偏差Aを超えている場合はV1=V1−α)がサーボモータ19a,19bへ送られ同期制御が続行される。そして目標位置である型閉完了位置に到達する(S5)と速度指令値V1等の送信が停止され、サーボモータ19a,19bの駆動が停止されて可動盤16は停止される(S6)。また目標位置に到達していない場合(S5がNの場合)は、S1に戻って閉ループが継続されるが、一度速度指令値V1からV1−αに読替えた場合は、V1−αを新たなV1として制御が継続される。従って、V1−αである新たな速度指令値V1と、実測位置p1または実測位置p2の偏差が再び偏差Aを超えた場合は、再度αが減算され更に低速に制御される。
また前記偏差が、第2の偏差Bを超えた場合(S4がNの場合)は、前記偏差Aを超えているかどうかに関係なく、同期異常と判断してサーボモータ19a,19bを同時に非常停止する(S7)。なお非常停止に際しては、仮想マスタ軸の速度設定値と実測値を比較し、別の第2の偏差を超えた場合に、停止するようにしてもよい。
本発明では、このように仮想マスタ軸の指令値(速度指令値に基づく指令位置)と、軸1および軸2のサーボモータ19a,19bのロータリエンコーダ34a,34bの実測値を比較する際に、制御を修正するための第1の偏差Aを用いることにより、いきなり型締装置12を停止せずに良好な同期制御を行うことができる。そしてその結果、サーボモータ19a,19b、ボールネジ21a,21b、ボールナット20a,20b、ベアリング等の駆動機構の負荷を軽減することができる。なお前記のS2、S6において第1の偏差Aや第2の偏差Bに一致したことにより、速度指令値V1からV1−αへの変更(仮想マスタ軸速度変更制御)やサーボモータ19a,19b等の停止を行うようにしてもよい。
そして前記同期制御については、表示データ処理部42から設定・表示画面へ送信されるとともにコントローラ内の図示しないメモリ部分に保存される。図4は、位置を横軸、速度を縦軸に取ったグラフであって、仮想マスタ軸の速度指令値V1に対して、軸2の速度が第1の偏差Aを超えた際に、速度指令値V1をV1−αに低下させている。そのことにより軸1および軸2の速度が低下するが、図4の例では、再度新たな速度指令値V1(V1=V1−α)が軸2との間でパルス偏差Aを生じた場合は、再び速度指令値をαだけ低下させる制御を行っている。そしてそれとは別に軸1の実測位置p1(実測値)と軸2の実測位置p2(実測値)の差が第2の偏差Bを超えると装置を停止させる。
そして仮想マスタ軸速度変更制御が作動した際には、その部分の波形がコントローラ36のメモリに自動保存され、設定・表示画面37に読み出せるようになっている。またその際に、仮想マスタ軸速度変更制御が作動した部分を拡大表示したり変色させて表示することも可能である。また仮想マスタ軸速度変更制御が作動した際にはアラーム音を発生させるようにしてもよい。
なお通常の同期制御の場合、仮想マスタ軸の指令値(速度指令値に基づく指令位置)に対して、軸1および軸2の位置(サーボモータ19a,19bの回転角度)は、遅れが発生する場合がほとんどである。しかし何らかの理由により仮想マスタ軸の指令値よりも軸1または軸2が先行して所定の偏差(偏差Aと同じ値か異なる値)を超えた場合は、一般的には所定の偏差を超えた際に装置を停止する。ただし前記についても所定範囲内で仮想マスタ軸の指令値を変更させることも考えられ、特にはトルク指令値を低下させること等が考えられる。
また図5に示されるのは実施例2の射出成形機の作動を示す波形図であって、時間を横軸、位置(パルス数)を縦軸に取っている。実施例2は、指令値(速度指令値V1に基づく指令位置v1)と、軸1,軸2の実測値を比較し、偏差が第1の偏差Aを超えているか判断し、第1の偏差Aを超えた際に速度指令値V1をV1−αに低下させる点は同じである。しかし、更に指令値(速度指令値V1−αに基づく指令位置v2)と、軸1,軸2の実測値を比較し、再び偏差A以内となったら、速度指令値を元のV1(当初の速度)に戻す点が相違している。このように制御を行うことにより、可動部の前進速度の低下を僅かなものとすることができる。なお、一度第1の偏差Aを超えたら、軸1と軸2の実測値同士が偏差Bを超えない限り、停止位置まで同じ速度指令値V1−αで仮想マスタ軸速度変更制御を行うようにしてもよい。
実施例1では、第1の偏差を超えた場合に仮想マスタ軸の速度指令値を変更する。しかし第1の偏差を超えた場合に、仮想マスタ軸(サーボモータ19a,19bの両方)のトルク指令値を低下させてもよい。そのことにより、装置の負荷が軽減され、破損等が防止できる。また実施例3についてもトルクを低下させた際に摩擦抵抗等により結果的に速度が低下し、再び仮想マスタ軸に対する全ての軸の偏差が第1の偏差内になった場合に、トルク指令値を元のように上昇させるものでもよい。
実施例1では、仮想マスタ軸と少なくとも一つの軸の実測値の偏差が、第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の指令値を変更する。しかし同期制御される各軸同士の実測値の偏差を検出し、各軸同士の偏差が第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値やトルク指令値を変更するようにしてもよい。
また射出装置の射出機構において4個のサーボモータにより4軸を同期制御する場合も、仮想マスタ軸は1本として本発明の制御が行われる。そして仮想マスタ軸と少なくとも一つの軸の偏差が一定値を超えた際に、仮想マスタ軸の指令値を変更する。この際に2軸の偏差が越えることは少ないがその場合も同様に制御が行われる。そして最も前進した軸と最も遅れた軸の実測値の差を検出し、実施例1における偏差Bを超えたら装置を停止する。また射出機構において仮想マスタ軸速度変更制御が作動した際は、成形品に影響が出る場合が多いから、実施例1の偏差Bを超えてなくても、一定期間内に複数回の前記仮想マスタ軸速度変更制御が発生した時点で装置を停止させるようにしてもよい。
本発明の射出成形機について、使用される樹脂材料は限定されず、樹脂材料以外に金属、セラミック等の各種の材料を使用したものであってもよい。また同期制御を行う機構は、型締機構、型開閉機構、射出機構、計量機構、射出装置前後進機構、エジェクタ機構等、複数の電動機で可動部を移動させる部分であれば限定されない。また射出成形機は、射出機構にプランジャを用いたものでもよい。
11 射出成形機
12 型締装置
19a,19b,28,29a,29b サーボモータ(電動機)
21a,21b ボールネジ(軸)
34a,34b,34c,34d,34e ロータリエンコーダ(軸)
36 コントローラ
39 比較処理部
40 仮想マスタ軸速度指令部
A 第1の偏差
B 第2の偏差
V1,V−1 速度指令値
v1,v2 指令位置
p1,p2 実測位置

Claims (4)

  1. 少なくとも2個以上のサーボモータにより可動部を移動させる射出成形機の同期駆動制御方法において、
    仮想マスタ軸の速度指令部は送られてきた仮想マスタ軸の設定値から同じフィードフォーワード指令値からなる仮想マスタ軸の速度指令値を生成して前記サーボモータのサーボアンプに対してそれぞれ送信し、
    仮想マスタ軸の速度指令値に対して各軸を駆動するサーボモータを追従制御させるようサーボモータにより駆動される軸の実測値を用いたフィードバック制御を加算した同期駆動制御を行い、
    前記仮想マスタ軸の設定値または速度指令値に対する少なくとも一つのサーボモータにより駆動される軸の実測値の偏差、または各サーボモータにより駆動される軸同士の実測値の偏差が、第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を変更することを特徴とする射出成形機の同期駆動制御方法。
  2. 前記仮想マスタ軸の速度指令値に基づく指令位置に対して少なくとも一つの軸の実測位置が第1の偏差を超えて下回るか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を低下させることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の同期駆動制御方法。
  3. サーボモータにより駆動される軸同士の実測値間の偏差が第2の偏差を超えるか第2の偏差に一致した際に、各サーボモータの駆動を停止することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の同期駆動制御方法。
  4. 少なくとも2個以上のサーボモータにより可動部を移動させる射出成形機の同期駆動制御装置において、
    仮想マスタ軸の速度指令部は送られてきた仮想マスタ軸の設定値から同じフィードフォーワード指令値からなる仮想マスタ軸の速度指令値を生成して前記サーボモータのサーボアンプに対してそれぞれ送信し、
    仮想マスタ軸の速度指令値に対して各軸を駆動するサーボモータを追従制御させるようサーボモータにより駆動される軸の実測値を用いたフィードバック制御を加算した同期駆動制御を行い、
    前記仮想マスタ軸の設定値または速度指令値に対する少なくとも一つのサーボモータにより駆動される軸の実測値の偏差、または各サーボモータにより駆動される軸同士の実測値の偏差が、第1の偏差を超えるか第1の偏差に一致した際に、仮想マスタ軸の速度指令値を変更することを特徴とする射出成形機の同期駆動制御装置。
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