JP4982436B2 - 射出成形機及び射出成形方法 - Google Patents

射出成形機及び射出成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、型締装置により全閉し又は所定の隙間だけ開けて型締し、かつ位置制御した金型に射出装置から樹脂を射出充填する射出成形機及び射出成形方法に関する。
一般に、射出成形機による射出成形方法は、金型に対して射出装置から溶融した樹脂を射出充填するため、樹脂がいわば金型から漏れ出さないように型締装置により金型に対して高圧を付加した型締を行っており、この場合の型締力Fは、F≧Ac×Pc(Ac:投影面積,Pc:型内平均圧力)により設定される。このような高圧を付加する理由の一つとしては、金型の面精度(品質)を補う側面がある。即ち、金型(固定型と可動型)のパーティング面に面精度を悪くする凹凸面が存在した場合、バリ等の成形不良を招くのみならず成形品質の低下要因となるが、金型を高圧で締付けることにより凹凸面を小さく或いは無くすることができるため、金型の面精度の悪さを補うことができる。
しかし、近年においては、金型を製作する加工技術(加工機械)の飛躍的な進歩により金型の加工精度が格段と高まり、内的要因による型締に対する必要性(重要性)が低下しているとともに、一方において、外的要因による省エネルギ化の要請、即ち、二酸化炭素の排出削減や資源節約等の地球環境保護の観点から産業機械の省エネルギ化が要請されるに至っている。
そこで、本出願人は、このような要請に応えるため、既に、特許文献1により開示される射出成形方法を提案した。この射出成形方法は、型開閉装置に支持された固定型と可動型を有する金型に射出装置から溶融樹脂を射出充填して射出成形を行うに際し、予め、射出成形時に溶融樹脂が侵入しない固定型と可動型間の隙間(設定間隔:0.001〜0.1〔mm〕程度)を設定し、成形時に、設定間隔に基づく隙間を空けた状態で金型を閉じ、この金型に射出装置から溶融樹脂を射出充填するとともに、少なくとも射出充填中は設定間隔が固定されるように可動型に対する位置制御を行うようにしたものである。これにより、金型に対する圧力は、必要な時に必要な量だけ付加されることになり、二酸化炭素の排出削減や資源節約等の地球環境保護の観点からの省エネルギ化の要請に応え得るとともに、成形時における金型内のガス抜きを確実かつ安定に行うことができ、もって、成形品質及び歩留まりを向上させることができる。
特開2007−118349号公報
しかし、上述した特許文献1で開示される射出成形方法をはじめ、従来の射出成形方法は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、可動型を固定型に対して僅かな隙間だけ開けた状態で樹脂を充填する場合、可動型を位置制御する必要があるため、一方向(型締方向)にのみ加圧することができない。したがって、充填初期に可動型に対して衝撃的な樹脂圧が付加された場合、可動型は型開方向に僅かながら変位する。この変位はフィードバック制御により直ちに修正されるため、通常の成形品であれば無視できるが、レンズ成形品やメディアディスク成形品のように高度の精密性(品質)が要求される成形品にとっては無視することができず、成形品質の高度化(高精密化)を図るには限界があった。
第二に、省エネルギ化を考慮した場合、できるだけ無駄な動作を排し、効率的な制御を行うことが必要となるが、射出成形機に備える射出装置と型締装置はそれぞれ独立した動作を行うため、個々の装置における省エネルギ化は進んでいるが、双方の動作内容を考慮した観点からは未知の部分も少なくない。特に、射出装置と型締装置は、成形サイクル上の動作タイミングについては十分な連携が図られているが、双方の動作内容、取り分け、省エネルギ化の観点からは更なる改善の余地も残されている。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機及び射出成形方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機Mは、上述した課題を解決するため、金型2を全閉し又は所定の隙間Lsxだけ開けて型締可能な型締装置Mcと、金型2に樹脂を射出充填可能な射出装置Miと、少なくとも金型2を全閉し又は所定の隙間Lsxだけ開けた所定の型位置Xsで位置制御を行う制御部3とを備える射出成形機であって、制御部3に、射出装置Miから射出する樹脂の圧力(樹脂圧)を検出する樹脂圧検出部4と、検出した樹脂圧Drを金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値Dsに変換する樹脂圧変換部5と、この増補値Dsを少なくとも位置制御に係わる型締方向に変位させる指令値Dcに加算する増補値加算部6とを有する指令値増補機能部Fiを設けたことを特徴とする。この場合、発明の好適な形態により、型締装置Mcには、トグルリンク式型締装置又は直圧式型締装置のいずれをも適用できる。また、樹脂圧検出部4は、射出装置Miの一又は異なる二以上の位置に設けることにより樹脂圧を直接又は間接的に検出する一又は二以上の樹脂圧センサ4s,4nを少なくとも選択して用いることができる。さらに、指令値増補機能部Fiには、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングを調整可能なタイミング調整部7を設けることができる。
一方、本発明に係る射出成形方法は、上述した課題を解決するため、型締装置Mcにより全閉し又は所定の隙間Lsxだけ開けて型締した金型2に対して、制御部3により所定の型位置Xsに対する位置制御を行うとともに、射出装置Miから金型2に樹脂を射出充填するに際し、射出装置Miから射出する樹脂の圧力(樹脂圧)を検出するとともに、検出した樹脂圧Drを、金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値Dsに変換し、この増補値Dsを、少なくとも位置制御に係わる型締方向に変位させる指令値Dcに加算するようにしたことを特徴とする。この場合、発明の好適な形態により、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングは、タイミング調整部7により調整可能である。また、制御部3では、付与される目標値Do(Dps)を入力するに際し、目標値Do(Dps)に向かって徐々に傾斜するランプ処理を行うことができる。
このような本発明に係る射出成形機M及び射出成形方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 制御部3に、射出装置Miから射出する樹脂の圧力(樹脂圧)を検出する樹脂圧検出部4と、検出した樹脂圧Drを金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値Dsに変換する樹脂圧変換部5と、この増補値Dsを少なくとも位置制御に係わる型締方向に変位させる指令値Dcに加算する増補値加算部6とを有する指令値増補機能部Fiを設けたため、樹脂圧が金型2(可動型2m)に付加される前にその大きさを検出し、かつ樹脂圧に対抗する型締力を可動型2mに反映できるため、いわば、充填初期に可動型2mに付加される衝撃的な樹脂圧を相殺することができる。したがって、制御上は、位置のフィードバック制御に対する応答遅れを解消できるとともに、成形上は、充填初期の樹脂圧により可動型2mが型開方向に僅かに変位する不具合を低減又は解消でき、特に、レンズ成形品やメディアディスク成形品等のように高度の精密性(品質)が要求される成形品であっても良好な成形を行うことができるなど、成形品質の更なる高度化(高精密化)を実現できる。
(2) 好適な態様により、型締装置Mcには、トグルリンク式型締装置又は直圧式型締装置のいずれをも適用できるため、様々なタイプの射出成形機Mに広く利用することができ、汎用性に優れる。
(3) 好適な態様により、樹脂圧検出部4に、射出装置Miの一又は異なる二以上の位置に設けることにより樹脂圧を直接又は間接的に検出する一又は二以上の樹脂圧センサ4s,4nを少なくとも選択して用いれば、射出成形機Mの動作環境等に応じて選択できる。即ち、第一樹脂圧センサ4sは、早期に検出できる点で有利になる反面、検出の正確性において不利になり、他方、第二樹脂圧センサ4nは、検出の正確性において有利になる反面、早期に検出できない点で不利になるため、これらの点を考慮して使い分けることができる。
(4) 好適な態様により、指令値増補機能部Fiに、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングを調整可能なタイミング調整部7を設ければ、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミング、即ち、樹脂が金型2に充填するタイミングと金型2(可動型2m)の位置制御に係わる型締方向に変位させるタイミングを最適化できるため、例えば、金型2に必要な型締力を実際に発生する金型2内の樹脂圧にトレースさせることができるなど、射出装置Miと型締装置Mcの双方の動作内容を連携させることにより高度の省エネルギ化を実現できる。
(5) 好適な態様により、制御部3において、付与される目標値Do(Dps)を入力するに際し、目標値Do(Dps)に向かって徐々に傾斜するランプ処理を行うようにすれば、PID制御系を構成した際におけるオーバシュート等の不安定動作を防止し、制御の安定性を高めることができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る射出成形機Mの概略構成について、図1〜図4を参照して説明する。
射出成形機Mは、図2に示す型締装置(トグル式型締装置)Mcと図3に示す射出装置Miを備える。図2に示す型締装置Mcは、離間して配した固定盤11と駆動盤12を備え、固定盤11は不図示の機台上に固定されるとともに、駆動盤12は当該機台上に進退変位可能に支持される。また、固定盤11と駆動盤12間には、四本のタイバー13…を架設する。この場合、各タイバー13…の前端は、固定盤11に固定するとともに、各タイバー13…の後端は、駆動盤12に対して挿通させ、かつ後端側に形成したねじ部14…に、駆動盤12に対するストッパを兼ねる調整ナット15…をそれぞれ螺合する。各調整ナット15…は、駆動盤12の位置を調整する型厚調整機構16を構成する。この型厚調整機構16は、さらに、各調整ナット15…に対して同軸上に一体に設けた小歯車17…と、各小歯車17…に噛合する大歯車18と、この大歯車18に噛合する駆動歯車19と、この駆動歯車19を回転シャフトに設けた型厚調整モータ20と、この型厚調整モータ20の回転数を検出するロータリエンコーダ20eを備える。
また、タイバー13…には、可動盤21をスライド自在に装填する。この可動盤21は可動型2mを支持するとともに、固定盤11は固定型2cを支持し、可動型2mと固定型2cは金型2を構成する。金型2には、固定型2cと可動型2m間の隙間Lsx、即ち、可動型2mの型位置Xsを検出する位置検出器Kを付設する。位置検出器Kは四つのセンサ部Kp…からなり、各センサ部Kp…は、金型2(可動型2m及び固定型2c)における四つの側面(上下面及び左右面)に取付ける。図6に、金型2の上面に配した一つのセンサ部Kpを示す。センサ部Kpは、可動型2mの上面に取付けることにより当該上面から直角に起立する被検出プレートKprと、固定型2cの上面に取付けることにより被検出プレートKprに対面させて配した近接センサKpsを備える。このように、金型2を構成する固定型2c及び可動型2mに付設した位置検出器Kを用いれば、隙間Lsxを直接検出できるため、位置検出器K以外の誤差要因を排除した正確な検出を行うことができる利点がある。なお、可動型2mの一部を被検出プレートとして利用すれば、例示の被検出プレートKprは省略可能である。さらに、タイバー13…には、タイバー13…の伸縮に基づく歪を利用して型締圧(型締力)を検出する歪ゲージを用いた一又は二以上の型締圧センサR…を付設する。
一方、駆動盤12と可動盤21間にはトグルリンク機構Lを配設する。トグルリンク機構Lは、駆動盤12に軸支した一対の第一リンクLa,Laと、可動盤21に軸支した一対の出力リンクLc,Lcと、第一リンクLa,Laと出力リンクLc,Lcの支軸に結合した一対の第二リンクLb,Lbを有し、この第二リンクLb,Lbはクロスヘッド22に軸支する。駆動盤12とクロスヘッド22間には型締用駆動部23を配設する。型締用駆動部23は、駆動盤12に回動自在に支持されたボールねじ部25と、このボールねじ部25に螺合し、かつクロスヘッド22に一体に設けたボールナット部26を有するボールねじ機構24を備えるとともに、ボールねじ部25を回転駆動する回転駆動機構部27を備える。回転駆動機構部27は、型締用サーボモータ28と、このサーボモータ28に付設して当該サーボモータ28の回転数を検出するロータリエンコーダ28eと、サーボモータ28のシャフトに取付けた駆動ギア29と、ボールねじ部25に取付けた被動ギア30と、この駆動ギア29と被動ギア30間に架け渡したタイミングベルト31を備えている。これにより、サーボモータ28を作動させれば、駆動ギア29が回転し、駆動ギア29の回転は、タイミングベルト31を介して被動ギア30に伝達され、ボールねじ部25が回転することによりボールナット部26が進退移動する。この結果、ボールナット部26と一体のクロスヘッド22が進退移動し、トグルリンク機構Lが短縮又は拡長し、可動盤21が型開方向(後退方向)又は型閉方向(前進方向)へ進退移動する。
さらに、70は、制御部3の中心に位置付けられる成形機コントローラであり、型締用サーボモータ28,ロータリエンコーダ28e,型厚調整モータ20,ロータリエンコーダ20e,四つの近接センサKps…(図6)及び型締圧センサR…を接続するとともに、次に説明する射出装置Miに付設した第一樹脂圧センサ4s及び第二樹脂圧センサ4nを接続する。成形機コントローラ70は、射出成形機M全体の制御を司り、各種シーケンス制御を含む制御処理及び演算処理を実行する。したがって、成形機コントローラ70はコンピュータ機能を備えており、本発明に係る射出成形方法を実行するための制御プログラム(処理プログラム)を格納する。
他方、図3に示す射出装置Miは、射出盤41とその後方に配した射出駆動盤42を備え、射出盤41と射出駆動盤42間には複数(例示は二本)のガイドシャフト43…を架設する。ガイドシャフト43…にはガイドブッシュ部44…を介して射出ブロック45をスライド自在に装填する。一方、射出駆動盤42は、伝達シャフト46を回動自在に支持する。伝達シャフト46の後端には従動プーリ47を取付け、この従動プーリ47に不図示のスクリュ進退用駆動モータ(サーボモータ)から回転伝達する。伝達シャフト46の前端にはボールねじ機構48のボールスクリュ49の後端を結合するとともに、このボールスクリュ49に螺合するボールナット50は、射出ブロック45の後端に結合する。したがって、不図示のスクリュ進退用駆動モータ及びボールねじ機構48は進退駆動部51を構成する。これにより、射出ブロック45には進退駆動部51から射出のための直進運動が伝達される。
また、射出盤41には加熱筒52の後端を取付けるとともに、この加熱筒52にはスクリュ53を挿通させる。加熱筒52は、前端に射出ノズル54を有するとともに、後部に仮想線で示す材料供給用のホッパ55を備える。射出ノズル54は、前記固定型2cにノズルタッチし、金型2のキャビティに対してこの射出ノズル54から溶融した樹脂を射出充填することができる。さらに、射出ブロック45に設けた支持孔45sの内周部によりベアリング部56を介してスクリュカップリング57を回動自在に支持し、このスクリュカップリング57の前端中心位置にスクリュ53の後端を一体に支持する。射出ブロック45の外面には支持体58を取付け、この支持体58によりスクリュ回転用駆動モータ(サーボモータ)59を支持する。そして、このサーボモータ59とスクリュカップリング57は、回転伝達機構60を介して接続する。
一方、射出ブロック45の内部であって、この射出ブロック45とスクリュカップリング57間には、ロードセルを用いた第一樹脂圧センサ4sを内蔵させる。ロードセルは、比較的肉厚の内環部及び外環部、それに比較的肉薄の中間起歪部によりワッシャ形に一体形成し、中間起歪部に複数のストレンゲージを付設して構成したものであり、射出圧力、即ち、樹脂圧Drを間接的に検出することができる。なお、61は、射出ブロック45の前端開口から内部に挿入してロードセルの外環部を固定する固定ブロックである。さらに、射出ノズル54には、射出ノズル54内の樹脂圧Drを直接検出する第二樹脂圧センサ4nを付設する。したがって、第一樹脂圧センサ4s及び第二樹脂圧センサ4nは、射出装置Miから射出する樹脂の圧力(樹脂圧Dr)を検出する樹脂圧検出部4を構成し、第一樹脂圧センサ4s及び第二樹脂圧センサ4nは成形機コントローラ70に接続する。
図1及び図4は、成形機コントローラ70に内蔵するサーボ回路、特に、本実施形態に係る射出成形方法に使用するサーボ回路70sを示し、図1は位置制御時の機能ブロック図、図4は圧力制御時の機能ブロック図をそれぞれ示す。
図1は、型締用サーボモータ28を駆動する位置制御時のサーボ回路70sを示す。71は位置補償部であり、偏差演算器72とPID制御系73により構成する。PID制御系73には、積分器73a,積分ゲイン設定部73b,積分リミッタ73c,微分器73d,微分ゲイン設定器73e,加算器73f,減算器73g,比例ゲイン設定器73hが含まれ、図1に示す系統によりPID制御が行われる。また、偏差演算器72の非反転入力部には、予め設定した可動型2mの型位置Xs(隙間Lsx:0.001〜0.1〔mm〕程度)等に対応して設定した位置目標値Doが付与されるとともに、偏差演算器72の反転入力部には、可動型2mの位置検出値Ddが付与される。この位置検出値Ddは、位置検出器K又はロータリエンコーダ28eから得られる。この場合、位置目標値Doはランプ処理部74を介して偏差演算器72に付与される。このランプ処理部74により、入力する位置目標値Doに対し、位置目標値Doに向かって徐々に傾斜するランプ処理が行われる。このようなランプ処理部74を設けることにより、PID制御系73を構成した際におけるオーバシュート等の不安定動作を防止し、制御の安定性を高めることができる。そして、型締用サーボモータ28は、偏差演算器72から得られる偏差値に基づき、PID制御系73,速度変換部75,速度リミッタ76を介して駆動制御される。
以上説明した機能ブロックは、通常のサーボ回路の構成となるが、本実施形態では、さらに、指令値増補機能部Fiを備える。この指令値増補機能部Fiは、射出装置Miから射出する樹脂の圧力(樹脂圧)を検出する樹脂圧検出部4と、検出した樹脂圧(検出値)Drを金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値Dsに変換する樹脂圧変換部5と、この増補値Dsを少なくとも型位置Xsに対する位置制御に係わる型締力の指令値Dcに加算する増補値加算部6とを備える。
この場合、樹脂圧検出部4は、前述した第一樹脂圧センサ4sと第二樹脂圧センサ4nを備え、樹脂圧選択部81により、第一樹脂圧センサ4sから得る樹脂圧Drと第二樹脂圧センサ4nから得る樹脂圧Drを選択できる。樹脂圧変換部5は、樹脂圧検出部4から得る樹脂圧Drを金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に変換する型締力変換処理部82と、この型締力変換処理部82の出力をゲイン調整するゲイン調整部83と、このゲイン調整部83の出力を速度変換する速度変換部83と、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングを調整可能なタイミング調整部7を備える。増補値加算部6は、速度変換部75と速度リミッタ76間に設けた加算器77により構成し、この加算器77により、速度変換部75から出力する指令値Dcに対して速度変換部83から出力する増補値Dsを加算することができる。また、モード選択部85により、指令値増補機能部Fi(増補値Ds)を使用するモードと使用しないモードを選択することができる。
一方、図4は、型締用サーボモータ28を駆動する圧力制御時のサーボ回路70sを示す。91は圧力補償部であり、偏差演算器92とPID制御系93により構成する。PID制御系93には、積分器93a,積分ゲイン設定部93b,積分リミッタ93c,微分器93d,微分ゲイン設定器93e,減算器93f及び93g,比例ゲイン設定器93hが含まれ、図4に示す系統によりPID制御が行われる。また、偏差演算器92の非反転入力部には、予め設定した型締圧(型締力)等に対応する圧力目標値Dpsが付与されるとともに、偏差演算器92の反転入力部には、型締圧センサR…から得る型締圧(平均値)に係わる圧力検出値Dpdが付与される。この場合、圧力目標値Dpsは前述したランプ処理部74と同様のランプ処理部94を介して偏差演算器92に付与される。そして、型締用サーボモータ28は、偏差演算器92から得られる偏差値に基づき、PID制御系93を介して駆動制御される。
次に、このような射出成形機Mを用いた本実施形態に係る射出成形方法について、型締装置Mcの動作を中心にして、図5に示すフローチャート,図1〜図4及び図6(図8及び図9)を参照して説明する。
今、型締装置Mc(金型2)は型開状態(全開位置)にあるものとする。型締工程の開始により金型2の可動型2mを閉じる型閉工程が行われる(ステップS1)。型閉工程では、最初に可動盤21が高速で前進移動する高速型閉が行われ、この後、低速低圧型閉が行われる。まず、型閉動作の開始により、型締用サーボモータ28が作動し、クロスヘッド22が前進移動するとともに、可動盤21は全開位置から型閉方向へ高速で前進移動する。そして、クロスヘッド22が予め設定した低速低圧切換点(切換位置)に達すれば、低速低圧型閉に移行して低速低圧で前進移動する。この場合、サーボ回路70sでは、図1に示す系により速度制御が行われる。即ち、位置目標値Doの代わりに速度目標値が付与され、型閉速度に対する速度制御が行われる。この際、クロスヘッド22の位置(速度)は型締用サーボモータ28の回転数を検出するロータリエンコーダ28eのエンコーダパルスを用いて検出する。例示のロータリエンコーダ28eは、インクリメンタルエンコーダであり、基準位置に対するエンコーダパルスの発生数により絶対位置(速度)の検出を行う。なお、図1に示すモード選択部85は、指令値増補機能部Fiを使用しないモードが選択される。
一方、低速低圧型閉が進行し、予め設定した近接位置、即ち、可動型2mが固定型2cに接近する近接位置に達したなら、位置(速度)の検出を上述したロータリエンコーダ28eから位置検出器Kに切換える。これにより、位置検出器Kから得られる位置検出値Ddに基づいて、可動型2mは、図6に示すように、固定型2cに対して隙間Lsxを開けた型位置Xsで停止し、これにより型閉工程が終了する(ステップS2)。また、可動型2mが型位置Xs(隙間Lsx)で停止した際には、型位置Xsに対する位置制御が行われる(ステップS3,S4)。
この場合、サーボ回路70sでは、図1に示す系により位置制御が行われる。なお、サーボ回路70sでは、図1に示すモード選択部85により指令値増補機能部Fiを使用するモードが選択される。また、樹脂圧検出部4では、樹脂圧選択部81により、射出ノズル54内の樹脂圧Drを検出する第二樹脂圧センサ4sが選択される。ところで、本実施形態では、樹脂圧検出部4に、射出装置Miの異なる位置に設けた二つの樹脂圧センサ4s,4n、即ち、射出圧力に基づいて樹脂圧Drを間接的に検出する第一樹脂圧センサ4sと射出ノズル54に付設して射出ノズル54内の樹脂圧Drを直接検出する第二樹脂圧センサ4nを備えている。したがって、第一樹脂圧センサ4sと第二樹脂圧センサ4nは、射出成形機Mの動作環境等に応じて選択できる。この場合、第一樹脂圧センサ4sは、早期に検出できる点で有利になる反面、検出の正確性において不利になり、他方、第二樹脂圧センサ4nは、検出の正確性において有利になる反面、早期に検出できない点で不利になるため、これらの点を考慮して使い分けることができる。
位置制御時には、偏差演算部72の非反転入力部に、型位置Xsに対応する位置指令値Doが付与されるとともに、偏差演算部72の反転入力部には、位置検出器Kから得る位置検出値Ddが付与される。なお、前述したように、偏差演算部72に付与される位置目標値Doは、ランプ処理部74によりランプ処理が行われる。位置検出器Kは、四つの近接センサKps…を備えるため、各近接センサKps…に基づく四つの位置指令値を平均して用いればよい。これにより、偏差演算部72からは偏差値が得られため、この偏差値に基づき、型締用サーボモータ28は、PID制御系73,速度変換部75,速度リミッタ76を介して駆動制御される。即ち、隙間Lsxを開けて停止している可動型2mの型位置Xsに対する位置制御(フィードバック制御)が行われる。したがって、位置制御時には、型締用サーボモータ28が正逆回転し、可動型2mが型締方向に変位しようとすれば、速やかに型開方向となる型位置Xsに復帰するように制御されるとともに、可動型2mが型開方向に変位しようとすれば、速やかに型締方向となる型位置Xsに復帰するように制御される。
他方、型閉工程の終了により上述した位置制御が行われるとともに、射出工程に移行する(ステップS5)。射出工程では、計量された溶融樹脂が射出装置Miから金型2に射出充填される充填工程、更には金型2に射出充填された樹脂に対して保圧を付与する保圧工程が行われる。充填工程では、スクリュ53が予め設定された射出速度で前進し、スクリュ53の前方に計量蓄積された樹脂が射出ノズル54を通って金型2のキャビティ内に射出充填される。この際、金型2には隙間Lsxが存在するため、金型2内における射出充填中の空気及びガスは、隙間Lsxから外部に排出される。
ところで、可動型2mと固定型2c間が僅かな隙間Lsxだけ開いた金型2のキャビティ内に樹脂が射出充填されるため、充填初期には可動型2mに対して衝撃的な樹脂圧が付加される。したがって、可動型2mは型開方向に僅かながら変位する問題を生じる。即ち、可動型2mが隙間Lsxで停止する場合、トグルリンク機構Lはロックアップ状態にならない。トグルリンク機構Lは、原理上、完全に伸張した状態にあれば、外部から短縮させる方向の圧力が付加されてもロックアップ状態となるが、本実施形態のように、可動型2mを固定型2cに対して隙間Lsxだけ開けて停止させた場合にはロックアップ状態にならない。このため、位置制御時の保持圧を超えた外部からの型開方向の圧力(圧開圧)が付加された場合には、可動型2mを型開方向へ変位させることが可能となる。
しかし、本実施形態に係る射出成形方法では、指令値増補機能部Fiにより、可動型2mの僅かな変位をいわば相殺する制御が行われる。即ち、充填工程が開始し、樹脂が射出ノズル54を通過する際に、樹脂圧センサ4nにより樹脂圧(検出値)Drが検出される(ステップCS11)。そして、この樹脂圧Drは、樹脂圧変換部5により、金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値Dsに変換され、この増補値Dsは、増補値加算部6により指令値Dcに加算される(ステップCS12)。
具体的には、樹脂圧Drは、型締力変換部82により、金型2内における樹脂圧に対抗する型締力に対応した大きさに変換される。この際の変換処理は、例えば、〔(樹脂圧×キャビティの投影面積)/定格型締力〕の演算式により求めることができる。次いで、型締力変換部82の出力をゲイン調整部83によりゲイン調整する。この場合、調整係数は成形環境など応じて任意に設定でき、例えば、×1であってもよいが、強すぎるため、通常は、×0.1〜×0.4程度に設定することができる。次いで、ゲイン調整部83の出力は速度変換部84に付与され、速度に対応した大きさに変換される。この後、タイミング調整部7によりタイミングが調整された増補値Dsを得る。このタイミング調整部7には、一次遅れフィルタ或いは移動平均フィルタを用いることができ、これにより、制御対象が離れていることに基づく応答時間を調整し、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングの最適化を図ることができる。そして、この増補値Dsが加算部77により速度変換部75の出力である指令値Dcに加算される。
したがって、このような指令値増補機能部Fiを用いれば、樹脂圧が金型2(可動型2m)に付加される前にその大きさを検出し、かつ樹脂圧に対抗する型締力を可動型2mに反映できるため、いわば、充填初期に可動型2mに付加される衝撃的な樹脂圧を相殺することができる。したがって、制御上は、位置のフィードバック制御に対する応答遅れを解消できるとともに、成形上は、充填初期の樹脂圧により可動型2mが型開方向に僅かに変位する不具合を低減又は解消でき、特に、レンズ成形品やメディアディスク成形品等のように高度の精密性(品質)が要求される成形品であっても良好な成形を行うことができるなど、成形品質の更なる高度化(高精密化)を実現できる。
図8及び図9は、本実施形態における指令値増補機能部Fiの作用(効果)に係わる検証データを示す。図8及び図9は、いずれも時間tに対する樹脂圧Dr(Drr)と可動型2mの変位量(型変位量Ex(Exr))の変化特性を示したものであり、図8は本実施形態における指令値増補機能部Fiを使用した場合、図9は同指令値増補機能部Fiを使用しない場合をそれぞれ示す。これらの結果から明らかにように、指令値増補機能部Fiを使用しない場合(図9)には、樹脂圧Drrの影響により型変位量Exrは、50〔μm〕程度となり、比較的大きく変位するが、指令値増補機能部Fiを使用した場合(図8)には、樹脂圧に対して対抗する型締力に係わる増補値Dsが加算され、樹脂圧に対して増補値Dsに基づく型締圧が重畳するため、型変位量Exは、20〔μm〕程度と低減される。なお、図8に示す型変位量Exの変化特性は、波形重畳による低減のため、図9に示す型変位量Exrの変化特性とは相似しない異なる波形となる。
ところで、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングは、指令値増補機能部Fiに設けたタイミング調整部7により調整できるため、増補値Dsを指令値Dcに加算するタイミングを最適化することにより、図8に示す型変位量Exを最小化(最適化)することができる。即ち、樹脂が金型2に充填するタイミングと金型2(可動型2m)の位置制御に係わる型締方向に変位させるタイミングを最適化できるため、例えば、金型2に必要な型締力を、実際に発生する金型2内の樹脂圧にトレースさせることにより型締力を最小化(最適化)するなど、射出装置Miと型締装置Mcの双方の動作内容を連携させることにより高度の省エネルギ化を実現できる。
他方、射出工程の終了により冷却工程に移行する(ステップS6,S7)。冷却工程では、予め設定された冷却時間だけ冷却が行われ、冷却時間の経過により冷却工程が終了する(ステップS8)。また、冷却工程中においても、可動型2mの型位置Xsに対するフィードバック制御(位置制御)が行われる(ステップS3,S4)。冷却工程に対して、このような位置制御を並行して行うことにより、冷却工程における成形品のヒケの発生を防止できる利点がある。さらに、冷却工程の終了により、可動型2mに対する位置制御も終了させる(ステップS9,S10)。そして、冷却工程が終了したなら、残りの工程、即ち、金型2の型開きを行う型開工程及び成形品を排出するエジェクタ工程等の残工程を行えば、一成形サイクルが終了する(ステップS11,S12)。以降は、同サイクルが繰り返される。なお、可動型2mは、型開工程により全開位置まで戻される。
一方、図7には、変更実施形態に係る射出成形方法の処理手順の一部を説明するためのフローチャートを示す。上述した実施形態では、図5に示すフローチャートに従って、圧縮を行わない通常の射出成形について説明したが、図7に示すように、射出工程(ステップS3,S6)を行った後、又はその途中で、可動型2mを隙間Lsx分だけ前進させて可動型2mを固定型2cに当接させる圧縮工程(ステップS67)を行ってもよい。この圧縮工程(ステップS67)では、可動型2mに対する位置制御は解除し、サーボ回路70sは、図4に示す圧力制御時の系により圧力制御を行うことができる。この場合、偏差演算器92の非反転入力部には、予め設定した圧力(型締圧,保圧)に対応する圧力目標値Dpsがランプ処理部94を介して付与されるとともに、偏差演算器92の反転入力部には、型締圧センサR…から得る型締圧(平均値)に係わる圧力検出値Dpdが付与される。そして、型締用サーボモータ28は、偏差演算器92から得られる偏差値に基づき、PID制御系93を介して駆動制御される。なお、このような圧力制御の代わりに、可動型2mを固定型2cに当接した位置に対する位置制御を行ってもよい。図7において、図5と同一のステップについては同一の符号を付した。このため、各ステップの説明は省略する。
以上、最良の実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,数値.手法(手順)等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、本発明に係る射出成形機M及び射出成形方法は、各種形態(各種態様)により実施することができる。上述した実施形態(変更実施形態)では、可動型2mと固定型2c間に隙間Lsxを設けた状態で樹脂を充填する場合を示したが、隙間Lsxを設けない全閉した金型2に樹脂を充填する場合であってもよい。この場合、設定した型締力が低い場合には、隙間Lsxを設けた場合と同様に可動型2mの変位を招く虞れがあるため、指令値増補機能部Fiの機能が有効に作用する。また、型締装置Mcとして、トグルリンク式型締装置を例示したが、直圧式型締装置であっても同様に適用できる。さらに、射出成形機Mとして電動式の射出成形機を例示したが、油圧式の射出成形機であっても同様に適用できる。油圧式の射出成形機の場合には、型締シリンダを使用するとともに、型締シリンダの後油室に型締力を付与するための作動油を供給する第一油圧駆動系と型締シリンダの前油室に型開力を付与するための作動油を供給する第二油圧駆動系を設け、各油圧駆動系を独立して制御すればよい。本発明に係る射出成形機M及び射出成形方法は、むしろ制御の応答性が低下する油圧式の射出成形機に適用して好適である。このように、本発明に係る射出成形機M及び射出成形方法は、様々なタイプの射出成形機Mに広く利用することができ、汎用性に優れる。
その他、指令値増補機能部Fiにおける増補値Dsについてはその大きさやタイミングを任意に調整できるように可変調整部(可変設定部)を設けてもよい。また、樹脂圧検出部4として、第一樹脂圧センサ4s又は第二樹脂圧センサ4nを選択して用いる場合を例示したが、両者の平均値を用いるなど、両者を同時に使用してもよい。
本発明の最良の実施形態に係る射出成形機の成形機コントローラに内蔵するサーボ回路の位置制御時の機能ブロック図、 同射出成形機における型締装置の構成図、 同射出成形機における射出装置の一部断面構成図、 同射出成形機の成形機コントローラに内蔵するサーボ回路の圧力制御時の機能ブロック図、 本発明の最良の実施形態に係る射出成形方法の処理手順を説明するためのフローチャート、 同射出成形機の成形機コントローラに備える可動型の位置を検出する位置検出器の一部を抽出して示す構成図、 本発明の変更実施形態に係る射出成形方法の処理手順の一部を説明するためのフローチャート、 同射出成形機に備える指令値増補機能部を使用した場合の時間に対する樹脂圧と可動型の変位量(型変位量)の変化特性図、 同射出成形機に備える指令値増補機能部を使用しない場合の時間に対する樹脂圧と可動型の変位量(型変位量)の変化特性図、
符号の説明
2:金型,3:制御部,4:樹脂圧検出部,4s:樹脂圧センサ,4n:樹脂圧センサ,5:樹脂圧変換部,6:増補値加算部,7:タイミング調整部,Dc:指令値,Dr:樹脂圧,Ds:増補値,Do(Dps):目標値,M:射出成形機,Mc:型締装置,Mi:射出装置,Lsx:所定の隙間,Xs:所定の型位置,Fi:指令値増補機能部

Claims (7)

  1. 金型を全閉し又は所定の隙間だけ開けて型締可能な型締装置と、前記金型に樹脂を射出充填可能な射出装置と、少なくとも前記金型を全閉し又は所定の隙間だけ開けた所定の型位置で位置制御を行う制御部とを備える射出成形機において、前記制御部に、前記射出装置から射出する樹脂の圧力(樹脂圧)を検出する樹脂圧検出部と、検出した樹脂圧を金型内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値に変換する樹脂圧変換部と、この増補値を少なくとも前記位置制御に係わる型締方向に変位させる指令値に加算する増補値加算部とを有する指令値増補機能部を設けたことを特徴とする射出成形機。
  2. 前記型締装置は、トグルリンク式型締装置又は直圧式型締装置であることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
  3. 前記樹脂圧検出部は、前記射出装置の一又は異なる二以上の位置に設けることにより前記樹脂圧を直接又は間接的に検出する一又は二以上の樹脂圧センサを少なくとも選択して用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
  4. 前記指令値増補機能部は、前記増補値を前記指令値に加算するタイミングを調整可能なタイミング調整部を備えることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
  5. 型締装置により全閉し又は所定の隙間だけ開けて型締した金型に対して、制御部により所定の型位置に対する位置制御を行うとともに、射出装置から金型に樹脂を射出充填する射出成形方法において、前記射出装置から射出する樹脂の圧力(樹脂圧)を検出するとともに、検出した樹脂圧を、金型内における樹脂圧に対抗する型締力に係わる増補値に変換し、この増補値を、少なくとも前記位置制御に係わる型締方向に変位させる指令値に加算することを特徴とする射出成形方法。
  6. 前記増補値を前記指令値に加算するタイミングは、タイミング調整部により調整可能であることを特徴とする請求項5記載の射出成形方法。
  7. 前記制御部は、付与される目標値を入力するに際し、前記目標値に向かって徐々に傾斜するランプ処理を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の射出成形方法。
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