以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、本発明の画像形成装置として、多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)10を例に挙げて説明する。MFP10は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種機能を有している。
<外観的構成>
本実施形態に係るMFP10の外観的構成について、図1を参照して説明する。以下の説明において、図1に示すMFP10の手前側を前側とし、矢印左右で示す方向を左右方向(主走査方向)とし、矢印前後で示す方向を前後方向(副走査方向)とし、矢印上下で示す方向を上下方向とする。
本実施形態のMFP10は、記録用紙Pの他に、例えば、Compact Disc(以下、「CD」と称す)、Digital Versatile Disc(以下、「DVD」と称す)、及び、Blu−ray Disc(登録商標)(以下、「BD」と称す)などの光ディスク媒体Dのレーベル面に画像を印刷するレーベル印刷機能を有している。レーベル印刷機能については後述する。
図1に示すように、MFP10は、主に、下部に設けられるプリンタ部20と、上部に設けられるスキャナ部30と、正面上部に設けられる操作キー40及び表示部50とを備えている。
プリンタ部20は、記録用紙Pに画像を印刷するインクジェット方式のプリンタで構成されている。プリンタ部20は、正面に開口部21が形成されたケーシング26(本発明の筐体に相当)を有する。開口部21には、給紙トレイ22及び排紙トレイ23が上下2段に設けられている。給紙トレイ22は、A4サイズ等にカットされた記録用紙Pを積載可能に構成されている。排紙トレイ23は、給紙トレイ22からプリンタ部20の内部へ給送されて記録された記録用紙Pが排出されるように構成される。プリンタ部20の内部構成については後述する。
スキャナ部30は、スキャナ機能及びコピー機能の実行時に原稿を読み取るものであり、A4サイズ、A3サイズなどの複数種類のサイズの原稿の読み取りが可能となっている。原稿カバー31は、MFP10の天板として設けられている。その原稿カバー31の下側には、原稿を載置するための載置用ガラス板33(本発明の原稿載置部に相当)が設けられている。載置用ガラス板33の下側には、載置用ガラス板33上に載置されている原稿の画像を読み取る原稿読取センサ(非図示)が設けられている。
操作キー40は、例えば、数字ボタン、スタートボタン、電源ボタンなどにより構成され、MFP10に対して各種指示を受け付ける入力インターフェースとしての機能を実現する。
表示部50は、液晶ディスプレイなどにより構成されている。表示部50は、ユーザが実行する機能を指示するための待機画面(図4(A)参照、本発明の初期画面に相当)、操作手順、及び、実行中の処理の状態など各種情報を表示する。表示部50は、後述する領域確保画面(図4(B)参照)、原稿載置画面(図4(D)参照)、及び、トレイセット画面(図4(F)参照)など、ユーザによる作業を案内する各種画面を表示する。また、表示部50は、後述する範囲設定画面(図4(B)参照)及びプレビュ画面(図4(E)参照)など、印刷に関する設定を行うための各種画面を表示する。
表示部50の上には、投影型静電容量方式のタッチパネル52(本発明の操作部に相当)が重ねられている。タッチパネル52は、その全域が格子状に細かく区分けされ、区分けされた単位領域毎に静電センサが配設されている。各単位領域には、座標情報が対応付けられている。ユーザの指などの入力媒体をタッチパネル52上に接触させると、タッチパネル52は、入力媒体の接触が検出された単位領域の座標情報を操作位置として検出し、出力する。なお、本実施形態におけるタッチパネル52は、投影型静電容量方式のタッチパネルであるが、本発明はこれに限定されず、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
次に、図2を参照して、プリンタ部20の内部構成を詳細に説明する。搬送路24は、給紙トレイ22の奥側(図2に示す後方)の上端部から上方且つMFP10の前方へ曲がって、MFP10の背面側(後方)から正面側(前方)へ延出される。そして、搬送路24は、後述する搬送ローラ対による挟持位置と、後述する排出ローラ対による挟持位置とを通過して、排紙トレイ23へ通じる。給紙トレイ22から給紙された記録用紙Pは、搬送路24により下方から上方へUターンするように案内され、後述する画像記録部25に至る。その記録用紙Pは、画像記録部25により画像記録が行われた後、MFP10の正面側(前方)へ搬送路24に沿って搬送され、排紙トレイ23に排出される。
以下、記録用紙Pまたは光ディスク媒体Dなどの被記録媒体が、装置正面側(前方)から排紙ローラ対による挟持位置及び搬送ローラ対による挟持位置を通過して装置背面側(後方)へ搬送される向きを第1搬送方向とし、第1搬送方向と逆向きを第2搬送方向とする。
画像記録部25は、記録ヘッド60を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)へ往復移動するキャリッジ61を備えている。記録ヘッド60は、その下面に設けられたノズルから各色のインク滴を吐出する。キャリッジ61が主走査方向へ往復移動することにより、記録ヘッド60が被記録媒体に対して走査され、搬送路24に沿ってプラテン63上を搬送される被記録媒体に画像が記録される。
プラテン63は、搬送路24の下側に記録ヘッド60と対向して配設されている。プラテン63は、キャリッジ61の往復移動範囲のうち、被記録媒体が通過する中央部分に亘って配設されている。
搬送ローラ対は、画像記録部25より装置背面側(後方)に設けられており、駆動ローラ73と、駆動ローラ73の下方に設けられたピンチローラ74とが一体にユニット化されたものである。排出ローラ対は、画像記録部25より装置正面側(前方)に設けられており、駆動ローラ75と、駆動ローラ75の上方に設けられた拍車ローラ76とが一体にユニット化されたものである。駆動ローラ73及び駆動ローラ75は、図示しないモータにより駆動され、その駆動により記録用紙Pまたは後述するディスクトレイ71が搬送路24に沿って搬送される。給紙トレイ22から給紙された記録用紙Pは、搬送ローラ対により挟持され、駆動ローラ73が正転駆動されることによりプラテン63上へ搬送される。そして、記録済みの記録用紙Pは、排紙ローラ対により挟持され、駆動ローラ75が正転駆動されることにより第2搬送方向へ搬送される。また、後述するディスクトレイ71は、駆動ローラ75が逆転駆動されることにより第1搬送方向へ搬送される。
MFP10は、上述したように、レーベル印刷機能(本発明の印刷機能に相当)を有している。本実施形態においては、光ディスク媒体Dのレーベル面上に画像が印刷される場合、光ディスク媒体Dはディスクトレイ71(本発明の支持部に相当)に載置されて、ディスクトレイ71がMFP10の開口部21から第1搬送方向に挿入される。排出ローラ対の第1搬送方向下流側には、センサ67が設けられ、このセンサ67がディスクトレイ71の挿入を検知する。なお、センサ67の位置は、排出ローラ対の第1搬送方向下流側に限定されることなく、ディスクトレイ71の挿入を検知可能な位置であれば種々の態様を採ることができる。
ディスクトレイ71の上面には、円形状の凹みであって光ディスク媒体Dが装着されるディスク装着部(非図示)が設けられている。ディスクトレイ71が第1搬送方向に、すなわち、開口部21から搬送路24の直線部分(図2に示す前後方向に平行な部分)に向けて挿入されると、駆動ローラ75が逆転駆動され、ディスクトレイ71が第1搬送方向に所定位置Sまで搬送される。
所定位置Sは、ディスクトレイ71の第1搬送方向先端が、ケーシング26、すなわち、装置背面28から距離L1分突出した位置である。そのため、ディスクトレイ71を搬送して光ディスク媒体Dのレーベル面に画像を印刷する場合、MFP10が設置される部屋の壁Wから少なくとも距離L1分だけ、MFP10を離して設置する必要がある。
ディスクトレイ71が所定位置Sまで搬送されると、駆動ローラ75の駆動が一旦停止された後、正転駆動に切り換えられる。これにより、ディスクトレイ71が第2搬送方向に搬送され、ディスクトレイ71に載置された光ディスク媒体Dが第2搬送方向に搬送されながらプラテン63上を通る。プラテン63上に搬送された光ディスク媒体Dに対して、画像記録部25によりレーベル面上に画像が印刷される。その後、ディスクトレイ71が排紙トレイ23側から排出される。
<電気的構成>
本実施形態に係るMFP10の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、MFP10は、主に、CPU11と、ROM12と、RAM13と、フラッシュメモリ14と、プリンタ部20と、スキャナ部30と、操作キー40と、表示部50と、タッチパネル52と、ネットワークインターフェース(以下、「ネットワークI/F」と称す)80とを備えている。各構成要素は、バスライン19を介して互いに接続されている。
CPU11は、ROM12、RAM13、または、フラッシュメモリ14に記憶される固定値及びプログラムに従って、MFP10が有している各機能を制御し、また、バスライン19と接続された各部を制御するものである。CPU11は、タッチパネル52により出力された接触位置の座標情報を取得し、その座標情報に関連付けられた処理を実行する。また、CPU11は、各種画面に表示される操作ボタンまたは操作キー40の押下が検出された時点からの経過時間を計測する。経過時間の計測については後述する。
ROM12は、MFP10において実行される制御プログラム120などを格納する書き換え不能なメモリである。CPU11は、制御プログラム120に従い、図5に示すフローチャートに従うレーベル印刷処理を実行する。
RAM13は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、各種データを一時的に記憶するためのメモリである。RAM13には、例えば、後述する範囲設定画面(図4(C)参照)において設定された第1設定情報及びプレビュ画面(図4(E)参照)において設定された第2設定情報など、ユーザ操作により入力された各種情報が記憶される。また、RAM13には、現在表示部50に表示中の画面に基づく画面データを示す画面識別情報が記憶されている。本実施形態における第1設定情報及び第2設定情報は本発明の設定情報の一例であり、範囲設定画面及びプレビュ画面は本発明の印刷設定画面の一例である。第1及び第2設定情報については後述する。
RAM13は、印刷データメモリ130(本発明の印刷データ記憶部に相当)を有している。印刷データメモリ130は、スキャナ部30により読み取られた印刷データが記憶されるメモリ領域である。印刷データメモリ130には、後述するプレビュ画面(図4(E)参照)に表示されるプレビュ画像49に基づくプレビュ印刷データ(本発明の画像データに相当)と、後述するレーベル印刷処理(図5参照)において光ディスク媒体Dのレーベル面に印刷される画像に基づく印刷データとが記憶されている。
フラッシュメモリ14は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。コピー機能、スキャン機能、及び、プリンタ機能などの各種機能に関するパラメータなどがフラッシュメモリ14に記憶されている。
フラッシュメモリ14は、画面データメモリ140を有している。画面データメモリ140は、表示部50に表示される各種画面に基づく画面データが記憶されるメモリ領域である。表示部50に表示される各種画面は、例えば、待機画面(図4(A)参照)、領域確保画面(図4(B)参照)、範囲設定画面(図4(C)参照)、原稿載置画面(図4(D)参照)、プレビュ画面(図4(E)参照)、及び、トレイセット画面(図4(F)参照)である。各画面の詳細は後述する。画面データメモリ140には、各画面データと、各画面に表示される各種操作ボタンの座標情報と、そのボタンに関連付けられた処理とが、各画面識別情報に関連付けて記憶されている。なお、各種操作ボタンに関連付けられた処理とは、各機能の実行に必要な設定値を入力または変更する処理、または、MFP10が有する各種機能を実行する処理などである。例えば、図4(B)に示す領域確保画面の場合、OKボタン45及びキャンセルボタン47の座標情報と、OKボタン45及びキャンセルボタン47に関連付けられた処理とが、それぞれ領域確保画面に基づく画面データ(以下、「領域確保画面データ」と称す)とその画面識別情報とに関連付けられてフラッシュメモリ14に記憶されている。
ネットワークI/F80は、MFP10をLAN(Local Area Network)4に接続し、例えば、PC90との間で種々のデータの送受信を実行する。なお、MFP10とPC90などとの接続方法は、LAN4に限定されるものではなく、USB接続やパラレル接続であってもよい。
<実施形態の動作>
本実施形態に係るMFP10の動作について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。本実施形態におけるMFP10は、給紙トレイ22に積載された記録用紙Pに画像を印刷する通常印刷機能と、光ディスク媒体Dのレーベル面に画像を印刷するレーベル印刷機能とを有している。本実施形態では、MFP10の電源投入時または各種機能の実行終了時などにおいて、図4(A)に示す待機画面が表示部50に表示されている。待機画面(本発明の初期画面に相当)は、図4(A)に示すように、コピーボタン41、スキャンボタン42、及び、レーベル印刷ボタン43を有している。待機画面が表示部50に表示された状態において、各操作ボタン41〜43への入力媒体による接触が検出されると、各操作ボタン41〜43に対応する機能が実行される。
(通常印刷処理)
通常印刷機能に基づく印刷に係る通常印刷処理について説明する。本実施形態では、通常印刷処理として、ユーザが載置用ガラス板33上に載置した原稿に基づく画像を記録用紙Pに印刷する場合を例に挙げて説明する。すなわち、コピー機能の実行により、給紙トレイ22に積載された記録用紙Pに画像を印刷する通常印刷処理を例に挙げて説明する。
CPU11は、待機画面(図4(A)参照)においてユーザによるコピーボタン41の押下、すなわち、入力媒体によるコピーボタン41への接触が検出された場合に、原稿載置画面(図4(D)参照)を表示部50に表示する。原稿載置画面(本発明の載置情報に相当)は、図4(D)に示すように、原稿を載置用ガラス板33上に載置してOKボタン45を押下することをユーザに案内する画面である。原稿載置画面は、OKボタン45とキャンセルボタン47とを有している。CPU11は、原稿載置画面を表示したときに、RAM13に記憶されている画面識別情報を、原稿載置画面に基づく画面データ(以下、「原稿載置画面データ」と称す)の画面識別情報に更新する。
原稿載置画面のOKボタン45が押下されたと判断された場合、CPU11は、載置用ガラス板33上に載置された原稿を読み取り、その原稿に基づく印刷データを作成して、印刷データメモリ130に記憶する。
そして、CPU11は、給紙トレイ22から給紙した記録用紙Pを、搬送路24により下方から上方へUターンするように案内して、画像記録部25まで搬送する。CPU11は、搬送路24に沿って第2搬送方向へ搬送しつつ、印刷データメモリ130に記憶されている印刷データに基づいて、画像記録部25まで搬送された記録用紙Pに対して画像を印刷する。そして、CPU11は、印刷された記録用紙Pを搬送路24に沿って第2搬送方向へ搬送し、排紙トレイ23に排出して、通常印刷処理を終了する。この通常印刷処理においては、記録用紙Pが装置背面28から後方に突出して搬送されることはない。
(レーベル印刷処理)
図5を参照して、CPU11により実行されるレーベル印刷処理について説明する。このレーベル印刷処理は、レーベル印刷機能に基づく印刷に係る処理である。本実施形態では、レーベル印刷処理として、ユーザが載置用ガラス板33上に載置した原稿に基づく画像を光ディスク媒体Dのレーベル面に印刷する場合を例に挙げて説明する。レーベル印刷処理は、CPU11が、ユーザによる操作に従って、レーベル印刷機能の実行指示を受け付けた(本発明の実行指示受付手段に相当)ときに開始される処理である。具体的には、CPU11が、表示部50に待機画面(図4(A)参照)が表示された状態において、ユーザによりレーベル印刷ボタン43が押下されたと判断した場合に開始される。
本実施形態において、各種画面に表示される操作ボタンまたは操作キー40の押下が検出されると、CPU11は、その時点からの経過時間の計測を開始する。そして、新たに操作ボタンまたは操作キー40の押下が検出されると、CPU11は、計測中の経過時間をリセットし、新たに押下を検出した時点からの経過時間の計測を開始する。計測された経過時間はRAM13に記憶され、随時更新される。したがって、レーベル印刷処理開始時には、レーベル印刷ボタン43の押下に伴い、その時点からの経過時間の計測が開始される。
CPU11は、図4(B)に示す領域確保画面(本発明の領域確保情報に相当)を表示部50に表示する(ステップ500、以下、ステップをSと記す)。具体的には、CPU11は、領域確保画面に基づく画面データ(以下、「領域確保画面データ」と称す)を画面データメモリ140から読み出し、領域確保画面データに基づいて領域確保画面を表示部50に表示する。領域確保画面は、図4(B)に示すように、装置背面28から後方に距離L1以上の領域(本発明の所定の領域に相当、以下、「背面スペース」と称す)を確保してOKボタン45を押下することをユーザに案内する画面である。領域確保画面は、OKボタン45とキャンセルボタン47とを有している。S500において、CPU11は、RAM13に記憶されている画面識別情報を、領域確保画面データの画面識別情報に更新する。
CPU11は、領域確保画面の操作ボタンが押下されたか否かを判断する(S502)。すなわち、CPU11は、領域確保画面に表示されているOKボタン45またはキャンセルボタン47への入力媒体による接触が検出されたか否かを判断する。領域確保画面の操作ボタンが押下されていないと判断された場合(S502:NO)、CPU11は、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過したか否かを判断する(S504)。具体的に、CPU11は、操作ボタンの押下が検出されてからの経過時間をRAM13から読み出し、読み出した経過時間が所定時間以上か否かを判断する。S504において、RAM13から読み出された経過時間は、レーベル印刷処理開始時に計測開始された、レーベル印刷ボタン43の押下からの経過時間である。操作ボタンの押下から所定時間経過していないと判断された場合(S504:NO)、CPU11はステップ処理をS502へ移行する。操作ボタンの押下から所定時間経過したと判断された場合(S504:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
領域確保画面の操作ボタンが押下されたと判断された場合(S502:YES)、CPU11は、押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であるか否かを判断する(S506)。具体的に、CPU11は、接触が検出された接触位置の座標情報が、領域確保画面データに関連付けて画面データメモリ140に記憶されているOKボタン45の座標情報に一致するか否かを判断する。本実施形態において、操作ボタンの座標情報に一致するとは、接触が検出された接触位置の座標情報が、操作ボタンの座標領域に含まれることを意味する。押下が検出された操作ボタンがOKボタン45でない、すなわち、キャンセルボタン47であると判断された場合(S506:NO)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であると判断された場合(S506:YES)、CPU11は、S500と同様にして、図4(C)に示す範囲設定画面(本発明の第1印刷設定画面に相当)を表示部50に表示する(S508)。本実施形態では、領域確保画面が表示されると、ユーザによりMFP10を移動させるなどの操作が行われる。そして、ユーザが目視などにより背面スペースを確保したと判断した場合に、ユーザにより、領域確保画面に表示されているOKボタン45が押下される。すなわち、S506において、OKボタン45の押下を検出した場合(S506:YES)に、CPU11は、背面スペースが確保されたと判断する。
範囲設定画面は、図4(C)に示すように、光ディスク媒体Dのレーベル面における印刷範囲を設定するための画面である。具体的には、ユーザにより光ディスク媒体Dの外径及び内径の大きさ(図4(C)に示す数値)が設定される画面である。範囲設定画面に表示される矢印ボタン(図4(C)参照)をユーザが押下することにより、光ディスク媒体Dの外径及び内径の大きさが増減する。光ディスク媒体Dには、種々の規定サイズ(例えば直径120mmまたは80mm)がある。また、同一規定サイズであっても印刷範囲の大きさが異なる光ディスク媒体Dも多い。よって、レーベル印刷機能に基づく印刷を実行するためには、ユーザが印刷を所望する光ディスク媒体Dの印刷範囲を設定する必要がある。本実施形態では、範囲設定画面において、ユーザが印刷を所望する光ディスク媒体Dの印刷範囲が設定される。範囲設定画面は、矢印ボタンの他に、OKボタン45とキャンセルボタン47とを有している。S508において、CPU11は、RAM13に記憶されている画面識別情報を、範囲設定画面に基づく画面データの画面識別情報に更新する。
CPU11は、範囲設定画面の操作ボタンが押下されたか否かを判断する(S510)。すなわち、CPU11は、範囲設定画面に表示されているOKボタン45、キャンセルボタン47、または、矢印ボタンへの入力媒体による接触が検出されたか否かを判断する。範囲設定画面の操作ボタンが押下されていないと判断された場合(S510:NO)、CPU11は、S504と同様に、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過したか否かを判断する(S512)。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過していないと判断された場合(S512:NO)、CPU11はステップ処理をS510へ移行する。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過したと判断された場合(S512:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
範囲設定画面の操作ボタンが押下されたと判断された場合(S510:YES)、CPU11は、S506と同様に、押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であるか否かを判断する(S514)。押下が検出された操作ボタンがOKボタン45でないと判断された場合(S514:NO)、CPU11は、押下が検出された操作ボタンがキャンセルボタン47であるか否かを判断する(S516)。押下が検出された操作ボタンがキャンセルボタン47でない、すなわち、矢印ボタンであると判断された場合(S516:NO)、CPU11は、その矢印ボタンに応じて、範囲設定画面に表示される光ディスク媒体Dの外径または内径の大きさを増減する。そして、CPU11は、ステップ処理をS510へ移行する。押下が検出された操作ボタンがキャンセルボタン47であると判断された場合(S516:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であると判断された場合(S514:YES)、CPU11は、S500と同様にして、原稿載置画面(図4(D)参照)を表示部50に表示する(S518)。本実施形態では、S518において、OKボタン45の押下を検出した場合(S518:YES)、CPU11は、ユーザによる光ディスク媒体Dの印刷範囲の設定が完了した判断する。S518において、CPU11は、OKボタン45の押下が検出された時点で範囲設定画面に表示されている光ディスク媒体Dの外径及び内径の大きさを取得し、光ディスク媒体Dに関する第1設定情報としてRAM13に記憶する。S518において、CPU11は、RAM13に記憶されている画面識別情報を、原稿載置画面データの画面識別情報に更新する。
CPU11は、S502と同様に、原稿載置画面の操作ボタンが押下されたか否かを判断する(S520)。原稿載置画面の操作ボタンが押下されていないと判断された場合(S520:NO)、CPU11は、S504と同様に、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過したか否かを判断する(S522)。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過していないと判断された場合(S522:NO)、CPU11はステップ処理をS520へ移行する。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過したと判断された場合(S522:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
原稿載置画面の操作ボタンが押下されたと判断された場合(S520:YES)、CPU11は、S506と同様に、押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であるか否かを判断する(S524)。押下が検出された操作ボタンがOKボタン45でないと判断された場合(S524:NO)、CPU11はステップ処理をS508へ移行する。原稿載置画面に表示されているキャンセルボタン47が押下された場合は、ユーザが範囲設定画面における光ディスク媒体Dの印刷範囲の設定を誤った場合であることが多い。本実施形態では、原稿載置画面に表示されているキャンセルボタン47の押下が検出された場合に、再度、範囲設定画面が表示されるため(S508)、レーベル印刷処理の実行におけるユーザの利便性を向上させることができる。
押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であると判断された場合(S524:YES)、CPU11は、載置用ガラス板33上に載置された原稿を読み取り、プレビュ印刷データを作成して印刷データメモリ130に記憶する(S526)。プレビュ印刷データは、現在の印刷設定に基づいて印刷を行った場合の印刷イメージを示す画像データであり、後述するS526において読み取られた画像データより低い解像度の画像データである。本実施形態において、現在の印刷設定は、前回のレーベル印刷処理において設定された設定情報である。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、予めフラッシュメモリ14に記憶されている設定情報など、種々の態様を採用できる。プレビュ印刷データに基づくプレビュ画像49は、後述するプレビュ画面(図4(E)参照)に表示される。本実施形態では、S524において、OKボタン45の押下を検出した場合(S524:YES)、CPU11は、原稿が載置用ガラス板33に載置されたと判断する。
CPU11は、S500と同様にして、図4(E)に示すプレビュ画面(本発明の第2印刷設定画面に相当)を表示部50に表示する(S528)。プレビュ画面は、S526で作成されたプレビュ画像49が表示される画面である。図4(E)に示すように、プレビュ画面に表示されるプレビュ画像49内には、光ディスク媒体Dを示す円形の図形が表示される。プレビュ画像49のうち、この円形の図形内に表示される領域が、実際に光ディスク媒体Dのレーベル面に印刷される範囲である。プレビュ画面に表示される4つの矢印ボタン(図4(E)参照)をユーザが押下することにより、プレビュ画像49が上下左右方向に移動される。これにより、ユーザは、プレビュ画像49のうち、印刷を所望する領域を印刷範囲として設定できる。プレビュ画面は、矢印ボタンの他に、OKボタン45とキャンセルボタン47とを有している。S528において、CPU11は、RAM13に記憶されている画面識別情報を、プレビュ画面に基づく画面データの画面識別情報に更新する。
CPU11は、プレビュ画面の操作ボタンが押下されたか否かを判断する(S530)。すなわち、CPU11は、プレビュ画面に表示されているOKボタン45、キャンセルボタン47、または、矢印ボタンへの入力媒体による接触が検出されたか否かを判断する。プレビュ画面の操作ボタンが押下されていないと判断された場合(S530:NO)、CPU11は、S504と同様に、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過したか否かを判断する(S532)。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過していないと判断された場合(S532:NO)、CPU11はステップ処理をS530へ移行する。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過したと判断された場合(S532:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
プレビュ画面の操作ボタンが押下されたと判断された場合(S530:YES)、CPU11は、S506と同様に、押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であるか否かを判断する(S534)。押下が検出された操作ボタンがOKボタン45でないと判断された場合(S534:NO)、CPU11は、S516と同様に、押下が検出された操作ボタンがキャンセルボタン47であるか否かを判断する(S536)。押下が検出された操作ボタンがキャンセルボタン47でないと判断された場合(S536:NO)、CPU11は、押下が検出された矢印ボタンに応じて、プレビュ画面に表示される円形の図形に対してプレビュ画像49の位置を移動する。そして、CPU11はステップ処理をS530へ移行する。押下が検出された操作ボタンがキャンセルボタン47であると判断された場合(S536:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であると判断された場合(S534:YES)、CPU11は、S500と同様にして、トレイセット画面(図4(F)参照)を表示部50に表示する(S538)。本実施形態では、S538において、OKボタン45の押下を検出した場合(S538:YES)、CPU11は、ユーザによるプレビュ画像49に基づく印刷範囲の設定が完了したと判断する。S538において、CPU11は、OKボタン45の押下が検出された時点でプレビュ画面に表示されているプレビュ画像49に対する円形の図形の位置の座標情報を取得し、プレビュ印刷データから後述する印刷データを生成するための第2設定情報としてRAM13に記憶する。
トレイセット画面は、図4(F)に示すように、光ディスク媒体Dをディスクトレイ71に装着し、そのディスクトレイ71を開口部21から挿入して、OKボタン45を押下することをユーザに案内する画面である。トレイセット画面は、OKボタン45とキャンセルボタン47とを有している。S538において、CPU11は、RAM13に記憶されている画面識別情報を、トレイセット画面に基づく画面データの画面識別情報に更新する。
CPU11は、S502と同様に、トレイセット画面の操作ボタンが押下されたか否かを判断する(S540)。トレイセット画面の操作ボタンが押下されていないと判断された場合(S540:NO)、CPU11は、S504と同様に、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過したか否かを判断する(S542)。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過していないと判断された場合(S542:NO)、CPU11はステップ処理をS540へ移行する。最近の操作ボタンの押下から所定時間経過したと判断された場合(S542:YES)、CPU11はステップ処理をS548へ移行する。
トレイセット画面の操作ボタンが押下されたと判断された場合(S540:YES)、CPU11は、S506と同様に、押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であるか否かを判断する(S544)。押下が検出された操作ボタンがOKボタン45でないと判断された場合(S544:NO)、CPU11はステップ処理をS528へ移行する。トレイセット画面に表示されているキャンセルボタン47が押下された場合は、プレビュ画面において、ユーザがプレビュ画像49に基づく印刷範囲の設定を誤った場合であることが多い。本実施形態では、トレイセット画面に表示されているキャンセルボタン47の押下が検出された場合に、再度プレビュ画面が表示されるため(S528)、レーベル印刷処理の実行におけるユーザの利便性を向上させることができる。
押下が検出された操作ボタンがOKボタン45であると判断された場合(S544:YES)、CPU11は、第2設定情報に基づいて、載置用ガラス板33上に載置された原稿を再度読み取って作成した印刷データに従う印刷を実行する(S546)。本実施形態では、S544において、OKボタン45の押下を検出した場合(S544:YES)、CPU11は、光ディスク媒体Dが装着されたディスクトレイ71が開口部21から挿入されたと判断する。S546において、具体的に、まず、CPU11は、第2設定情報に基づいて、載置用ガラス板33上に載置された原稿を再度読み取る。そして、CPU11は、第1設定情報及び第2設定情報に基づいて、読み取った画像データから印刷データを作成して印刷データメモリ130に記憶する。そして、CPU11は、所定位置Sまで搬送したディスクトレイ71を第2搬送方向へ搬送しながら、作成した印刷データに基づいて、ディスクトレイ71に載置された光ディスク媒体Dのレーベル面に画像を印刷する。そして、CPU11は、ディスクトレイ71を排紙トレイ23側へ排出する。
CPU11は、S500と同様にして、待機画面(図4(A)参照)を表示部50に表示し(S548)、レーベル印刷処理を終了する。S548において、CPU11は、RAM13に記憶されている画面識別情報を、待機画面に基づく画面データの画面識別情報に更新する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ケーシング26、すなわち、装置背面28からディスクトレイ71を突出させて実行されるレーベル印刷機能の実行指示を受け付けた場合、印刷の実行に必要な背面スペースの確保を案内する領域確保画面(図4(B)参照)が表示部50に表示される(図5に示すS500参照)。領域確保画面に表示されるOKボタン45の押下が検出された場合(S506:YES)、第1設定情報及び第2設定情報を設定するための範囲設定画面(図4(C)参照)及びプレビュ画面(図4(E)参照)が表示される(図5に示すS508及びS528参照)。そして、範囲設定画面及びプレビュ画面に表示されるOKボタン45の押下が検出された場合(S514:YES,S534:YES)、印刷データに従う印刷が実行される(図5に示すS546参照)。
一般に、光ディスク媒体のレーベル面への印刷に関する設定情報の設定は、記録用紙への印刷に関する設定情報の設定に比べて、ユーザ操作が複雑であり、ユーザに係る負荷が大きい。本実施形態では、領域確保画面が表示されて背面スペースが確保された後に、第1及び第2設定情報が設定されるため、背面スペースが確保できない事態により印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、第1及び第2設定情報を設定するためのユーザ操作が無駄になることを抑制できる。なお、印刷ジョブは、CPU11が受け付けたレーベル印刷機能の実行指示に基づくレーベル印刷処理である。したがって、光ディスク媒体Dを支持するディスクトレイ71をケーシング26から突出させて印刷する場合におけるユーザの利便性を向上させることができる。
操作キー40または表示部50に表示される操作ボタンからの入力が検出されてから所定時間以内に新たな入力が検出されない場合、待機画面(図4(A)参照)が表示部50に表示される(図5に示すS504、S512、S522、S532、S542参照)。このように構成されることにより、例えば、複数人により1台のMFP10が使用されている場合などにおいて、ユーザの利便性を向上させることができる。具体的に、本実施形態では、例えば、ユーザがMFP10の前から離れた場合など、あるユーザにより入力操作がなされてから所定時間以内に入力操作がなされない場合に待機画面が表示される。これにより、別のユーザがMFP10を使用する際に、待機画面が表示された状態において操作を行うことができるため、ユーザの利便性が高くなる。
また、本実施形態では、レーベル印刷の実行指示を受け付けてから、装置を移動させるなどして、背面スペースを確保させるまでに所定時間を超えた場合、表示部50の表示が領域確保画面(図4(B)参照)から待機画面に遷移する(図5に示すS504参照)。係る場合であっても、領域確保画面が表示されて背面スペースが確保されてから第1及び第2設定情報が設定されるため、第1及び第2設定情報を設定するためのユーザ操作が無駄になることを抑制できる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
領域確保画面に表示されるOKボタン45の押下が検出された場合(S506:YES)、背面スペースが確保されたと判断された場合、原稿載置画面(図4(D)参照)が表示部50に表示される(図5に示すS518参照)。そして、原稿載置画面に表示されるOKボタン45の押下が検出された場合(S524:YES)、その原稿を読み取り、読み取った原稿に基づいて印刷データが生成される(図5に示すS546参照)。
これにより、例えば、原稿の読み取りが実行された後に、背面スペースが確保できない事態により印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、原稿の載置に関するユーザ操作及び原稿の読み取りに係る処理が無駄になることを抑制できる。したがって、光ディスク媒体Dを支持するディスクトレイ71をケーシング26から突出させて印刷する場合におけるユーザの利便性をさらに向上させることができる。
印刷に関する設定情報には、光ディスク媒体Dに関する第1設定情報と、プレビュ印刷データから印刷データを生成するための第2設定情報とがある。領域確保画面に表示されるOKボタン45の押下が検出された場合(S506:YES)、第1設定情報を設定するための範囲設定画面(図4(C)参照)が表示部50に表示される(図5に示すS508参照)。範囲設定画面に表示されるOKボタン45の押下が検出された場合(S514:YES)、原稿載置画面が表示部50に表示される(図5に示すS518参照)。そして、原稿が読み取られた場合に、第2設定情報を設定するためのプレビュ画面(図4(E)参照)が表示部50に表示される(図5に示すS526〜S528参照)。
一般に、プレビュ印刷データから印刷データを生成するための第2設定情報の設定は、光ディスク媒体Dに関する第1設定情報の設定に比べて、ユーザ操作が複雑であり、ユーザに係る負荷が大きい。本実施形態では、領域確保画面及び原稿載置画面が表示された後にプレビュ画面が表示されるので、背面スペースの確保または原稿の載置の際に印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、第2設定情報を設定するための複雑なユーザ操作が無駄になることを抑制できる。また、領域確保画面の表示及び第1設定情報の設定後に原稿載置画面が表示されるので、背面スペースの確保または第1設定情報の設定の際に印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、原稿の載置に関するユーザ操作及び原稿の読み取りに係る処理が無駄になることを抑制できる。したがって、光ディスク媒体Dを支持するディスクトレイ71をケーシング26から突出させて印刷する場合におけるユーザの利便性をより向上させることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様を採ることができる。
本実施形態では、本発明の支持部を筐体から突出させて印刷する印刷機能として、装置背面28から後方に距離L1分突出した所定位置Sまでディスクトレイ71の第1搬送方向先端を突出させて光ディスク媒体Dへの印刷を実行するレーベル印刷機能を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の態様を採用できる。例えば、MFP10の前後方向に平行に設けられた搬送路であるストレートパスを使用し、厚紙などの被記録媒体に対して印刷する機能(以下、「ストレートパス印刷機能」と称す)などに基づく印刷を実行可能なMFP10にも適用可能である。本実施形態では、通常印刷機能は装置背面28から後方に距離L1分の間隔を必要としない印刷機能であるが、この通常印刷機能に代えて、後述のストレートパス印刷機能を採用してもよい。係る場合、レーベル印刷機能及びストレートパス印刷機能の両機能が、装置背面28から後方に距離L1分の突出動作を必要とする。
(ストレートパス印刷機能)
ストレートパス印刷機能に基づく印刷は、開口部21から被記録媒体が挿入されると、装置背面28に設けられたストレートパスの排紙口までストレートパスに沿って搬送されながら印刷が行われる。すなわち、MFP10が部屋の壁Wに接している場合、排紙口から印刷済みの被記録媒体を取り出すことは困難である。一般に、ストレートパスの排紙口はカバーなどで覆われており、カバーを開いた状態において、そのカバーが排紙トレイ(本発明の支持部に相当)の役割を担うように構成されているものが多い。なお、以下で説明するストレートパス印刷機能に基づく印刷を実行可能なMFP10は、排紙口を覆うカバーを備えているとする。
ストレートパス印刷機能に基づく印刷を実行可能なMFP10に本発明が適用される場合、例えば、操作キー40または表示部50にストレートパス印刷機能の実行指示を受け付けるボタンを設け、CPU11は、そのボタンの押下を検出した場合に、図5に示すレーベル印刷処理と同様のストレートパス印刷処理を開始すればよい。CPU11は、範囲設定画面(図4(C)参照)及びプレビュ画面(図4(E)参照)を表示させなくてもよく、図5のS508〜S516及びS528〜S536の処理をスキップする。そして、図5に示すS538において、トレイセット画面の代わりに、例えば、「被記録媒体を開口部21から挿入してください」のような被記録媒体の挿入を案内する画面を表示部50に表示すればよい。
これにより、領域確保画面が表示されて背面スペースが確保された後に、第1及び第2設定情報が設定されるため、背面スペースが確保できない事態により印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、第1及び第2設定情報を設定するためのユーザ操作が無駄になることを抑制できる。また、領域確保画面が表示されて背面スペースが確保された後に、原稿載置画面が表示されるため、原稿の読み取りの実行後に、背面スペースが確保できない事態により印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、原稿の載置に関するユーザ操作及び原稿の読み取りに係る処理が無駄になることを抑制できる。したがって、光ディスク媒体Dを支持するディスクトレイ71をケーシング26から突出させて印刷する場合におけるユーザの利便性を向上させることができる。
(その他の変形例)
本実施形態では、本発明の画像形成装置としてMFP10を例に挙げて説明した。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、レーベル印刷機能、ストレートパス印刷機能など、被記録媒体を支持する支持部を筐体から突出させて印刷する印刷機能を実行可能な装置であれば、種々の態様を採用することができる。
本実施形態では、図5に示すレーベル印刷処理において、領域確保画面(図4(B)参照)が表示部50に表示された後、原稿載置画面(図4(D)参照)が表示され、その後、トレイセット画面(図4(F)参照)が表示されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、種々の態様を採ることができる。例えば、領域確保画面が表示された後に、トレイセット画面が表示され、その後、原稿載置画面が表示されてもよい。係る場合、CPU11は、図5に示すS506の処理を実行した後にS538〜S544の処理を実行し、S508以降の処理を実行すればよい。このとき、トレイセット画面に表示されるOKボタン45の押下を検出されていないと判断された場合(S544:NO)、CPU11はS548へステップ処理を移行する。
すなわち、CPU11が待機画面(図4(A)参照)においてレーベル印刷機能の実行指示を受け付けた場合、領域確保画面(図4(B)参照)、トレイセット画面(図4(F)参照)、範囲設定画面(図4(C)参照)、原稿載置画面(図4(D)参照)、プレビュ画面(図4(E)参照)の順に表示部50に表示される。これにより、領域確保画面、トレイセット画面、及び、原稿載置画面が表示された後にプレビュ画面が表示されるので、背面スペースの確保、ディスクトレイ71の挿入、または、原稿の載置の際に印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、第2設定情報を設定するための複雑なユーザ操作が無駄になることを抑制できる。また、領域確保画面及びトレイセット画面が表示された後に範囲設定画面及び原稿載置画面が表示される。これにより、背面スペースの確保またはディスクトレイ71の挿入時に印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、第1設定情報の設定及び原稿の載置に関するユーザ操作や原稿の読み取りに係る処理が無駄になることを抑制できる。なお、範囲設定画面が表示された後にトレイセット画面が表示されてもよい。
本実施形態では、レーベル印刷処理(図5参照)として、ユーザが載置用ガラス板33上に載置した原稿に基づく画像を光ディスク媒体Dのレーベル面に印刷する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、種々の態様を採用できる。例えば、メディアカードに記憶された画像データに基づく画像をレーベル面に印刷するレーベル印刷処理(以下、「メディア−レーベル印刷処理」と称す)にも本発明を適用することができる。
(メディア−レーベル印刷処理)
メディア−レーベル印刷処理は、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)やSDメモリカード(登録商標)など、MFP10に着脱可能なメディアカードに記憶されている画像データに基づいて作成された印刷データをレーベル面に印刷する処理である。例えば、待機画面(図4(A)参照)にメディアーレーベル印刷機能の実行指示を受け付けるボタンを設けておく。係る場合、CPU11は、そのボタンの押下を検出したときに、図5に示すレーベル印刷処理と同様のメディア−レーベル印刷処理を開始する。そして、CPU11は、S518〜S524の処理をスキップし、S526において、原稿を読み取る代わりに、メディアカードに記憶されている画像データを読み出す。そして、ユーザ所望の画像データに基づくプレビュ印刷データをプレビュ画面(図4(E)参照)に表示する(S528)。CPU11は、S546において、第1設定情報及び第2設定情報に基づいて、ユーザ所望の画像データから印刷データを作成し、光ディスク媒体Dのレーベル面に印刷データに基づく画像を印刷する。なお、メディア−レーベル印刷処理の場合、トレイセット画面(図4(F)参照)が表示された後に、範囲設定画面(図4(C)参照)及びプレビュ画面(図4(E)参照)が表示されてもよい。
よって、メディア−レーベル印刷処理の場合にも、領域確保画面が表示されて背面スペースが確保された後に、第1及び第2設定情報が設定される。これにより、背面スペースが確保できない事態により印刷ジョブがキャンセルされた場合であっても、第1及び第2設定情報を設定するためのユーザ操作が無駄になることを抑制できる。したがって、光ディスク媒体Dを支持するディスクトレイ71をケーシング26から突出させて印刷する場合におけるユーザの利便性を向上させることができる。
本実施形態では、通常印刷処理として、コピー機能の実行により、給紙トレイ22に積載された記録用紙Pに画像を印刷する通常印刷処理を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、種々の態様を採用できる。例えば、PC90から受信した印刷データに基づく画像を記録用紙Pに印刷する通常印刷処理、または、メディアカードに記憶された画像データに基づく画像を記録用紙Pに印刷する通常印刷処理にも本発明を適用することができる。
本実施形態では、図5に示すS544において、CPU11は、OKボタン45の押下を検出した場合に(S544:YES)、光ディスク媒体Dが装着されたディスクトレイ71が開口部21から挿入されたと判断していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の態様を採用できる。例えば、センサ67(図2参照)によりディスクトレイ71が挿入されたことが検知された場合に、CPU11は、光ディスク媒体Dが装着されたディスクトレイ71が開口部21から挿入されたと判断してもよい。
また、図5に示すS506において、CPU11は、OKボタン45の押下を検出した場合に(S506:YES)、背面スペースが確保されたと判断していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の態様を採用できる。例えば、装置背面28にセンサ(非図示)が設けられている場合、そのセンサにより装置背面28から壁Wまでの距離がL1以上であることが検知された場合、CPU11は、背面スペースが確保されたと判断してもよい。
本実施形態では、図5に示すS524において、原稿載置画面(図4(D)参照)に表示されるキャンセルボタン47の押下が検出された場合(S524:NO)、CPU11は、範囲設定画面(図4(C)参照)を表示していた(S508)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、原稿載置画面に表示されるキャンセルボタン47の押下が検出された場合(S524:NO)、CPU11は、ステップ処理をS548へ移行し、待機画面(図4(A)参照)を表示してもよい。
また、図5に示すS544において、トレイセット画面(図4(F)参照)に表示されるキャンセルボタン47の押下が検出された場合(S544:NO)、CPU11は、プレビュ画面(図4(E)参照)を表示していた(S528)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、トレイセット画面に表示されるキャンセルボタン47の押下が検出された場合(S544:NO)、CPU11は、ステップ処理をS548へ移行し、待機画面(図4(A)参照)を表示してもよい。
本実施形態では、範囲設定画面(図4(C)参照)及びプレビュ画面(図4(E)参照)に表示されるキャンセルボタン47の押下が検出された場合(図5に示すS516:NO、S536:NO)、CPU11は、待機画面(図4(A)参照)を表示していた(S548)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、表示部50に現在表示されている画面が表示される直前に表示部50に表示されていた画面、すなわち、領域確保画面(図4(B)参照)または原稿載置画面(図4(D)参照)を表示してもよい。
本実施形態では、領域確保画面(図4(B)参照)、原稿載置画面(図4(D)参照)、及び、トレイセット画面(図4(F)参照)において、ユーザによる各種作業を案内するメッセージを表示していた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ユーザによる各種作業を案内する静止画像または動画像など、種々の態様を採用できる。
本実施形態では、表示部50の上にタッチパネル52が重ねられており、図4に示す各種画面に基づく入力指示は、入力媒体によるタッチパネルへの接触により検出されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、タッチパネル52を設けず、操作キー40にOKボタン45及びキャンセルボタン47と同等の意義を有するキーを設けてもよい。係る場合、CPU11は、図4に示す各種画面に基づく入力指示として、操作キー40からの入力を受け付ければよい。
本実施形態におけるレーベル印刷処理(図5参照)において、CPU11は、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過した場合に、表示部50に表示されている画面を他の画面へ切り換えていた(S504、S512、S522、S532、S542参照)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過したか否かに関わらず、表示部50に表示中の画面を表示し続けてもよい。しかしながら、一般に、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過するまでに操作ボタンの押下が検出されない場合とは、ユーザが操作を中断した場合などであると考えられる。このため、本実施形態のように、最近の操作ボタンの押下から所定時間が経過した場合に画面を切り換える方が、新たに機能の実行などの操作を行う場合におけるユーザの利便性が高くなり、好適である。特に、複数人により使用されるMFP10において、ユーザが操作を中断してMFP10から離れた後に別のユーザがMFP10を使用する場合に好適である。
図5に示すフローチャートにおいて、S500は本発明の領域確保表示手段、S506は本発明の領域判断手段、S518は本発明の載置表示手段、S524は本発明の載置判断手段に相当する。S508及びS528は本発明の設定表示手段の一例であり、S508は本発明の第1設定表示手段、S528は本発明の第2設定表示手段に相当する。S514及びS534は本発明の設定判断手段の一例であり、S514は本発明の第1設定判断手段に相当する。S526は本発明の取得手段、S546は本発明の記憶制御手段及び印刷手段に相当する。S502、S510、S520、S530、及び、S540は本発明の検出手段に相当する。S504、S512、S522、S532、及び、S542は本発明の表示制御手段に相当する。