JP5243723B2 - ノズル及びそのノズルを使用した光学ガラス塊の製造方法 - Google Patents

ノズル及びそのノズルを使用した光学ガラス塊の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定量の光学ガラス塊を製造する技術に関する。
近年、デジタルカメラやプロジェクタなどの光学機器の分野においては、小型化、軽量化が要求され、それに伴い、使用レンズ枚数を減らすことができる非球面レンズの需要が増加している。
通常、光学系を構成するレンズには一般に球面レンズと非球面レンズがある。多くの球面レンズは、ガラス材料をリヒートプレス成形して得られたガラス成形品を研削研磨することによって製造される。一方、非球面レンズは、加熱軟化したプリフォームを、高精度な成形面をもつ金型でプレス成形し、金型の高精度な成形面の形状をプリフォーム材に転写して得る方法、すなわち、精密プレス成形によって製造されることが主流となっている。
精密プレス成形用プリフォームとしては、球形、楕円球又は扁平状ガラス成形体(ガラスゴブ)が使用されることが多いが、これらは、原料ガラスを坩堝等の溶融装置で溶融した後、溶融装置に連結されたノズル等から成形型上に流出させ、板状ガラスや棒状ガラス等に成形し、それらをさらに冷間加工することにより製造することができる。また、近年では、ノズル等から流出する溶融ガラスを、シャーにより切断して、或いは表面張力を利用して分離し、例えばガスを噴出する多孔質型上に流下(滴下)させ、浮上成形させることにより、適当な大きさ及び形状のガラスゴブに調整する技術が用いられる。ただし前者ではシャーによる切断の痕跡がガラスゴブに残ることがあるため、近年ではもっぱら後者が用いられることが多い。
上記のいずれの手段においても、ノズルからガラスを流出させる場合、そのガラス流の温度、流出量を制御するため、或いは成形の際に生じる脈理、失透等の不良発生を防ぐため、そのノズルについては様々な形状が考案されてきた。近年、光学ガラスの高屈折率化に伴う液相温度の高温化及び/又は粘性の低粘性化、あるいは低Tg化に伴う粘性の低粘性化に対応すべく様々な手法が考案されてきたが、十分には対応し切れていないのが現状である。
特許文献1には、ノズル本体の径よりも流出口の径を大きくすることにより、例えばノズル末端の溶融ガラス流出口をテーパー状に開くことにより、溶融ガラス流をノズル流出口により長い時間滞留させ、ガラスの流下のタイミングを遅延制御することができるノズルが記載されている。
特許文献2には、溶融ガラスが溶融装置から流れ始めて、パイプを通過し、流出口から流出する際に、内部に絞りを加えることにより流速分布を一様にさせ、成分が揮発した変質ガラスの滞留を抑え、脈理の発生を防ぐ方法が記載されている。また、絞りによる流量低下を防止するために、絞り部の温度を絞り部以外よりも高温に制御することが記載されている。
特許文献3には、ノズルの内部に抵抗部材を設けてノズル断面の中央を流れるガラス流の流速を低減させ、取得できるガラスゴブの最大重量を増加させる方法が記載されている。
特許文献4には、溶融ガラス収容槽接続部と流出先端部との間に先端部よりも断面積の大きな拡張部を有し、各部を温度制御することで小型の装置で流量を制御する構造が記載されている。
特開平10−36123号公報 特開2003−306334号公報 特開平8−26737号公報 特公平8−25750号公報
しかし、上記従来の方法は以下のような問題点を有していた。
一般的には、溶融ガラスを、ノズルを介して溶融槽から流出させ、成形型にて成形する場合には、溶融槽から流出口まで暫時低下させた温度制御を行い、成形に適した温度まで溶融ガラス温度を下げる必要がある。ここで、例えば流出後に、ガラス成分の揮発に由来する脈理が発生することがあるが、この場合にはノズル制御温度を下げることで対応しなければならない。しかしながら、溶融ガラス流は、すなわち高温側から低温側への高粘性流体の流れであり、ノズル内の温度は内壁近傍が低く、断面重心付近が高くなる。また、流速分布は内壁面近傍では低く、断面重心付近では高い値を示す。
ノズルの温度測定に基づく制御を行った場合、ノズルでの測定温度は内壁面近傍のガラス温度をほぼ正確に表しているものの、ガラス流中心温度(すなわちノズル内の流路断面重心付近を通過するガラス流の温度)とは乖離した低い温度を示す。そのため、液相温度が高いガラスでは、ガラス流中心が揮発を生じない温度に低下する以前に、ノズル温度(ノズル内壁近傍のガラス温度)は結晶を成長する温度、いわゆる失透温度まで低下してしまい、失透の発生を招くことがある。
特許文献1に記載されるノズルでは、流出口がテーパー状に開き内径が大きくなっているため、内壁面とガラス流中心との温度差および流速差が増大し、上述の傾向がより顕著となる。
特許文献2のような絞りを有するノズルを使用した場合、ガラス流の流出速度分布の一様化の効果はあるが、ノズル断面重心付近の高温のガラス流を取り出すことになるため、流出時に揮発由来の脈理を防止することは困難である。揮発を抑えようと制御温度を下げると、直ちに失透発生・成長を生じやすく、これにより絞り部の流路を塞いでしまい、流出そのものが停止しやすい。実施例では、絞りによる流量低下を抑制するために、絞り部の温度を絞り部以外よりも高温に設定しており、近年の高屈折率ガラスの製造に適した方法ではないことが明らかである。
特許文献3に記載されるノズルは、内部の中央に設けた抵抗部材によって中央部の溶融ガラスの流下速度を遅延させており、流出速度の速度分布の一様化は成されるものの、熱容量の小さい貴金属を主成分とする小さな抵抗部材では、直ちに高温のガラス流中心温度になってしまう。そのため、ガラス流中心温度を下げる効果は得られず、揮発由来の脈理の抑制効果はない。また、特許文献3中の図3のように支持部材を用いて抵抗部材を固定する必要があり、白金等の貴金属を主成分とするガラス流出用ノズルとして加工するのは極めて困難である。また、特許文献3の請求項4にはルツボ底部に複数のノズルが設けられ、当該複数のノズルの各々の先端部は、互いに連結されることにより一つのノズル口を構成していることを特徴としているが、複数ノズルの各々の中心で高温のガラス流が発生し、流下するガラス流中心温度を低下させる効果は得られない。これらのような複雑な構造を適用すると、ガラスの温度、粘度、濡れ、密度及び液圧に適応するための構造の変更が極めて困難なため、流速や温度分布も複雑化するため、その点においても、より単純な構造が求められていた。
特許文献4に記載される構造は、拡張部よりも流出口の温度を高くすることが流量制御の前提となっている。しかしながら、近年の高屈折率ガラスは成形に適する温度が液相温度と近接しており、流出口温度(流出される溶融ガラス流)を成形温度とするならば、それより低い拡張部の温度は液相温度を下回ることになり、拡張部で失透の発生を生じ、光学的品質を著しく低下させる。
本発明では、成形温度(又は流出口温度)と液相温度が近接あるいは逆転しているような近年の高屈折ガラスあるいは低Tgガラスのガラス塊を、簡単かつ高品質に得るためのノズルを提供するものである。さらに、従来のガラスにおいても、簡単かつ短距離での制御を可能とし、装置の小型化が可能なノズルを提供することを目的とする。
本発明者は高温のガラス流中心が直接流出口から流れ出すことがなく、十分に制御・計測された流路内壁近傍のガラスを取り出すことで、温度・流速分布を一様化させるに加え、所望の温度・流速分布が得られ、結果として脈理等の不利益を抑えることができることを見出し、上記課題を解決するに至った。
本発明の第1の構成は、溶融ガラス槽に接続され、溶融ガラスを流出させるノズルであり、前記ノズル内における流路の溶融ガラス流出方向に対して垂直な断面重心が、上流側の断面重心に対してずれている部位を有することを特徴とする前記ノズルである。
上述のように、本発明の第1の構成は、ノズル内の溶融ガラス流路の(溶融ガラス流出方向に対して)垂直な方向の断面をとり、その地点より上流の部位における当該断面と比較した場合に、その流路の断面の重心がずれている部分を有するようなノズルをいう。このような構成を採用することにより、ノズル内の一部位の断面中央付近を流れている高温のガラス流は、急激にその進路を曲げられ、ノズル内壁近傍の比較的温度の低いガラス流と混合され、当該部位では、比較的均一な温度分布を有することとなる。この後、適当な径、長さ、形状、温度制御方法を有する流出部(流出口)を構成することで、所望の温度・流速分布を得ることができる。これにより、ガラス成形体を得る際に脈理や失透などの不良が起こりにくくなる。
本明細中において「ノズル」とは、溶融ガラスを溶融及び/又は保持する溶融槽に接続され、溶融ガラスを型に流出させる際の、ガラス流が通過する流路全体及び流出口を含む概念である。つまりいわゆるパイプ、オリフィスは「ノズル」に含まれることとなる。
本明細中において「断面重心がずれる」とは、ノズル内の流路の流出方向に垂直な断面重心を、流出方向沿って比較した場合に、所定の部位において断面重心がその位置を変えることを意味する。例えば、円筒状の流路内の一部位において邪魔板が設置されているような構造を想定している。
本発明の第2の構成は、流路の断面重心がずれる部位を複数有する前記ノズルである。
本発明の第2の構成のノズルは、ガラス流の進路を変更しうる部位を複数箇所有している。このような部位を複数箇所有することにより、流れ方向の緩やかな温度傾斜、小さなずれ量、或いは、低いずれ精度でもガラス流速の差異が効果的に減少し、ノズル内のガラスの温度をより均一にすることができるため、ガラス流の所望の温度分布を実現しやすくなる。ただし、当該部位の数が過剰であると却ってガラス流のスムーズな進行を妨げ、またノズル自体の構造も複雑化し実現し難くなる。したがって、当該箇所はノズル全体において、好ましくは10箇所以下、より好ましくは8箇所以下、最も好ましくは6箇所以下である。
本発明の第3の構成は、前記構成1又は2のノズルにおいて、前記断面重心がずれる部位の1以上が、上流側の流路の90%以下の断面積であることを特徴とする前記ノズルである。
本発明の第3の構成のノズルは、前記構成1及び2のように流路断面重心のずれを有するようなノズル構造において、その具体的態様を規定したものである。すなわち構成3のノズルでは、ノズル内の流路において急激に流路が狭まる部位が存在し、その狭まった部分の断面積が、そうでない部分の90%以下となる部位が1箇所以上存在することを規定するものである。本構成においても当該部位はその上流の断面重心をずらすことが要件であるため、前記特許文献2のようなパイプ内の流路を中心とした絞りとは、明らかに違う構成を採用するものである。
ここで、前記狭まった部分、すなわちガラス流の進路を変更しうる部位の断面積を90%以下としたのは、ガラスの流動状態にほとんど影響を与えないような構造だと、本発明で求める前記効果が得られないことがあるからである。すなわち、本発明者は、ノズル内壁近傍にはガラスの移動量が非常に小さくガラス流中心からの温度低下の大きい境膜が存在すると考え、この影響によりガラス流全体として(特に断面重心付近を流れるガラス流も含む)の正確な温度の把握及び制御が困難になっているものと考えた。
したがってこの影響を排除し、よりガラス流中心に近い部分の温度を計測及び制御することが必要となる。断面積を90%以下に狭める部分を備えることにより、従来のノズルで制御困難であったガラス流中心に近い部分の温度制御が可能となるとともに、ガラス流中心と内壁近傍を流れるガラス流との熱交換も期待できる。
前述の境膜の影響を排除し、ガラス流中心の温度制御を容易にするためには、より好ましくは80%以下、最も好ましくは70%以下である。他方、当該断面積があまりに狭いとガラス流の進行を不当に妨げ、流量を必要以上に減少させやすくなる。したがって、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上、もっとも好ましくは1.0%以上である。
本発明の第4の構成は、前記複数の断面重心がずれる部位が、ノズル全長の下流側50%までの範囲に2以上存在することを特徴とする前記構成2及び3のノズルである。
複数の断面重心がずれる部位を存在させても有効な作用を得ることができる。例えば、断面重心がずれる部位が1箇所では2箇所ある場合よりもその効果が弱くなりやすく、当該断面積を狭くすると流量が必要以上に減少してしまう、あるいは、急激な流路断面積の減少により,泡および脈理等の欠陥を生じてしまう、などの場合に、複数の緩やかに断面重心がずれる部位を配設することで、前記問題点を解決しつつ、優れた品質のガラス成形体を得ることができる。
前記複数の断面重心がずれる部位の各位置は、ガラスの熱伝導率、熱容量、流路径、流量、所望の温度/温度分布等を勘案しながら決定される。ノズルの全長にも当然に依存するが、光学ガラスの分野において通常使用されるノズルにおいては、好ましくは下流側50%、より好ましくは下流側45%、最も好ましくは下流側40%までの範囲に、前記複数の断面重心がずれる箇所を2以上有する。
本発明の第5の構成は、前記複数の断面重心がずれる部位の一部又は全部が、ノズル内壁に邪魔板を設けることにより形成されるものであり、邪魔板の厚さが、断面重心がずれる部位の流路径の0.1〜10倍であることを特徴とする前記構成2〜4のノズルである。
前述のように本発明においては、断面重心がずれる箇所を形成するために邪魔板を利用することができ、この方法はノズルの加工が簡易で、温度均一化等の効果が大きく有利な手段である。この場合、邪魔板の厚さが厚すぎるとガラス流の流れを停滞させやすくなり、かえって失透や脈理の原因となりやすい。また薄すぎるとガラス流の熱と圧力に耐え切れずに破損、変形しやすくなる。
上述のような現象の有無はノズルの径、ガラス流量、流速、ガラス粘度等の要素にも当然に依存するが、光学ガラスの分野において通常使用されるノズルにおいては、邪魔板の厚さが、断面重心がずれる部位の流路径の好ましくは0.1倍、より好ましくは0.15倍、最も好ましくは0.2倍を下限とし、好ましくは10倍、より好ましくは9倍、最も好ましくは8倍を上限とする。なお、本明細書中における「流路径」とは、流路が円形の場合はその直径を意味し、円形でない場合は流路面積を円の面積と仮定し換算した直径、すなわち、流路面積を円周率で除した値の平方根の2倍を意味する。
本発明の第6の構成は、ガラス原料を溶融ガラス槽にて溶融し、溶融ガラス槽に接続されたノズルを介して溶融ガラスを成形型へ流出させガラス成形体を成形することを含むガラス成形体の製造方法であって、前記ノズルが前記構成1〜3に記載のノズルであることを特徴とする前記製造方法である。
本発明の第6の構成によれば、一連の光学ガラス製造工程において、前述の特徴を有するノズルを使用するので、脈理などの不良が生じにくいガラスを製造することができる。
本明細書中において、「ノズル全長」とは、溶融ガラス槽に接続された部分がその始点であり、ガラスが流出する地点がその終点である。もちろん、ノズル全長は生産量に伴う溶融ガラス槽の大きさ、ガラスの種類、成形形状などにより適宜変更される。
本発明は、ノズルの内部構造を規定するものであるから、その外部構造を制限するものではない。すなわち、ノズルの外観については一切限定しないため、例えばそれが直線、曲線、円形、折れ曲がり形等をしていても差し支えない。
本発明のノズルは、ノズル自体及び/又は外部からの付加手段による加熱及び/又は冷却を妨げるものではない。ノズル自体の加熱としては、ノズルに直接通電させることによる公知の加熱方法が使用できるし、外部からの付加手段としてはガスバーナー、電熱式ヒーター、赤外線放射、高周波加熱などの公知の手法を適宜使用してよい。さらに、ガラス流出口付近をリングバーナー等で覆い、保温することにより、失透、脈理等の不良をいっそう抑えることができる。
本発明のノズルを使用したガラスの成形手段は特に制限されるものではない。光学ガラスの成形としては、成形型にガラス流として連続的に流出させ、板状或いは棒状ガラス等に連続成形してもよいし、シャー又は表面張力によりガラスゴブを分離し、多孔質型上にて浮上成形させることによりガラスゴブを成形するものでもよい。
本発明のノズルの材質は、通常、ガラスの溶融工程に使用される材質を使用することができ、例えば白金、強化白金、金、強化金、ロジウム、その他貴金属及びそれらの合金、或いは石英が使用できる。また、公知の手法によりメッキされた材質、例えば内面を金メッキ、あるいはSiCなどのセラミックを成膜した白金を使用しても良い。
本発明は、ノズルの内部構造を規定するものであるから、ノズル流出口付近の雰囲気を適宜変更しても良い。例えば窒素雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気にしてもよい。また場合によっては、加熱雰囲気にてノズル流出口を覆ってもよい。
本発明のノズルを使用すれば、脈理等の光学欠陥の無い高品質の光学ガラス塊を製造することができる。また、本発明によれば、従来のパイプ径や長さによる流量制御以外に前記断面重心がずれる部位における流量制御が可能となるため従来装置の簡易化および小型化が可能である。
本発明の実施態様を、図1〜6に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明のノズルを使用するようなガラス製造装置の全体図である。ガラス製造装置は溶融装置、流出装置(ノズル)及び成形装置を含む。通常、ガラス原料は溶融装置内の坩堝内に投入され、加熱され、所定の温度にて溶融され溶融ガラスを作製する。流出装置は、通常、耐熱性金属製ノズルであり、溶融ガラスは流出装置を通り、或いは適宜清澄、脱泡、攪拌等の処置が施された後、他端から成形装置内の成形型へ流出される。成形型は作成するプリフォームにより様々な形態をとることができる。例えば板状ガラスを作る場合には略四角形の成形型上に連続流として流下されるし、浮上成形をする場合には円形の窪みを有する多孔質の成形型上に滴下等されるのが一般的である。
図2は従来のノズルの断面図を表すものである。1は溶融ガラス、2はノズル、3は滴下中のガラスゴブ、4は滴下されるガラスゴブを受け止める成形型を表している。溶融ガラス内の複数の矢印は、溶融ガラスの温度を矢印の長さに反映させて表現したものである。
図2中に示すように、通常溶融ガラスはノズル中央部に近いほど温度が高く、ノズル内壁に近いほど温度が下がり粘度が大きくなるため、ガラスゴブとして流下するのは主として中央付近から流れ落ちる温度の高い部分である。このような分布となるのは、従来のノズル形状では、温度が高い部分と低い部分を混合等されにくいため、熱交換する機会が与えられないためである。また、従来のノズルでは、ガラス流中心の温度を正確に計測し、それらを制御することが困難である。そうしてできたガラスゴブを形成したガラスも、適切な温度分布に制御されていないため、脈理が生じやすくなる。
図3は本発明のノズルの一態様における断面図を表すものである。図3のノズルはノズル内部の一部位において、流路の一部を塞ぎ、流れ方向を急速に変更させる邪魔板5を設けている。従って、そのこの邪魔板5がある部位において流路は非連続的に狭くなっており、当該部位の流路中心は、その上流部分の流路中心からずれている。
このような構造を採用することにより、ノズル上流部において中央付近を流れてきた高温ガラス流は、当該邪魔板5により、その進路をノズル内壁近傍に変えざるを得ず、その際に、もともとノズル内壁近傍を流れてきた低温のガラス流との流速の差異が減少され、その結果、ノズル内のガラスの温度がより均一になる。当該邪魔板5を通過する際に、当該ガラス流はその温度分布が均一化され、かつより精度良く温度の計測及び制御が可能となるため、流下されるガラスゴブ内において、脈理の原因となるような高温ガラス流の流出や不適切な温度を生じないものとなる。なお、図3において、ガラス流は邪魔板5により形成される狭い流路を通過しているが、前記流路のずれの効果を適切に生じるものであれば、1枚の邪魔板5により形成される流路は1箇所に限定されるものではない。
図4および図5は本発明のノズルの別の態様における断面図を表すものである。前述の図3で示した態様では、ガラス流の進路が変わる部位の上流及び下流において、その断面重心はもとに戻るような態様であったが、図4および図5では、いったん流路が変更された後は、もとに戻らずに別の流路を通過するが、本発明の実施形態としては、いずれを採用してもよい。また、この場合においても流路のずれにより生じる狭い流路は1箇所に限定されるものではない。
図6はノズル内に邪魔板5を複数個有する場合の一態様であり、2つの邪魔板によりガラス流の攪拌効果が増し、温度分布の均一化が促進化されることとなる。ここで邪魔板の向きはそれぞれ同じであっても、異なっていてもさしつかえない。
以下、本発明の具体的な実施例を示す
(実施例1)本実施例においては、光学ガラスを坩堝にて溶融させ、坩堝に接続されたノズルを介して溶融ガラスをその末端の流出口から流出させ、ガスを噴出する多孔質ステンレス製の成形型上にて浮上成形させ、精密プレス成形用プリフォームとして使用するためのガラスゴブを取得した。
ノズルとしては前述の図3と同じ形状の白金製ノズルを使用した。ここで、邪魔板5がない場合のノズル内径は3mm(断面積7.07mm)で、流出口は6mmまで拡開している。ノズル全長、すなわち坩堝の出口からノズル末端の流出口までの長さは2mであった。
ノズル内の邪魔板は、流出口から47mmの地点に取り付けられ、邪魔板の厚さは1mmであった。邪魔板を取り付けた部分のガラス流路の面積は0.79mmであった。すなわち当該邪魔板が設置された場所の流路断面積は、そうでない場所の約11%であった。
受け型は、多孔質ステンレスで作られ、その受面から空気を噴出している状態で、溶融ガラスを受けることにより、受け型から浮上した状態で溶融ガラスを受け、ガラスゴブを得た。
使用したガラスは、酸化ホウ素及び酸化ランタンを主成分とする光学ガラスを溶融した。坩堝は約1200℃に保たれ、流出パイプは通電加熱により約1100℃に保たれた。流出口からは、溶融ガラスを液滴状に分離している状態にした。この時の溶融ガラスの流出量は毎分80gであった。
このガラスゴブには、失透及び脈理などの光学欠陥を目視で観察したところ、そのような不良は発見できず、光学素子成形用プリフォームとして使用できる高品質のガラスゴブであった。
(比較例)実施例に対する比較例を示す。実施例と同様の方法であるが、ノズル内部に前記邪魔板を設けないで、ガラスゴブを取得した。このガラスゴブについて失透及び脈理などの光学欠陥を目視で観察したところ、目視で脈理が存在することが確認でき、光学素子成形用素材として適さない品質のガラスゴブであった。
(実施例2)ノズル内の邪魔板を、流出口から30mmおよび90mmの地点の2箇所に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてガラスゴブを取得した。邪魔板の厚さは各1mmであった。得られたガラスゴブは、実施例1同様、高品質のガラスゴブであり、失透及び脈理などの光学欠陥を目視で観察することはできなかった。
ガラス成形品を製造する装置の全体図 従来のノズル断面図 本発明のノズル断面図 本発明のノズル断面図 本発明のノズル断面図 本発明のノズル断面図
符号の説明
1 溶融ガラス流
2 ノズル
3 滴下中のガラスゴブ
4 成形型
5 邪魔板

Claims (5)

  1. 溶融ガラス槽に接続され、溶融ガラスを成形型に流出させるノズルであり、前記ノズル内における流路の溶融ガラス流出方向に対して垂直な断面重心が、上流側の断面重心に対してずれている部位を複数有し、これら複数の断面重心がずれる部位の一部又は全部が、ノズル内壁に邪魔板を設けることにより形成されるものであり、前記邪魔板の厚さが、前記断面重心がずれる部位の流路径の0.1〜10倍であり、かつ、ノズル自体及び/又は外部からの付加手段による加熱及び/又は冷却がされることを特徴とする前記ノズル(前記断面重心に対してずれている部位が可動するものを除く。)
  2. 請求項に記載のノズルにおいて、前記断面重心がずれる部位の1以上が、上流側の流路の90%以下の断面積であることを特徴とする前記ノズル。
  3. 前記複数の断面重心がずれる部位が、ノズル全長の下流側50%までの範囲に2以上存在することを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル。
  4. ガラス原料が溶融される溶融装置と、この溶融装置から流出された溶融ガラスを受ける成形型と、前記溶融装置及び前記成形型の間を介在するノズルとを備える光学ガラス製造装置であって、
    前記ノズルは、そのノズルの内部における流路の溶融ガラス流出方向に対して垂直な断面重心が、上流側の断面重心に対してずれている部位を複数し、これら複数の断面重心がずれる部位の一部又は全部が、ノズル内壁に邪魔板を設けることにより形成されるものであり、前記邪魔板の厚さが、前記断面重心がずれる部位の流路径の0.1〜10倍である光学ガラス製造装置(前記断面重心に対してずれている部位が可動するものを除く。)
  5. ガラス原料を溶融ガラス槽にて溶融し、溶融ガラス槽に接続されたノズルを介して溶融ガラスを成形型へ流出させガラス成形体を成形することを含む光学ガラス成形体の製造方法であって、前記ノズルが請求項1〜のいずれかに記載のノズルであることを特徴とする前記製造方法。
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