JP4162562B2 - ガラス成形体の製造方法、プレス成形用ガラス素材の製造方法、および光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体の製造方法、プレス成形用ガラス素材の製造方法、および光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熔融ガラスから中実状の棒状ガラスおよび板状ガラスを成形する方法、およびその方法を用いてプレス成形用ガラス素材を製造する方法、ならびにこのプレス成形用素材を加熱、軟化してプレス成形する光学素子の製造方法に関する。
棒状あるいは板状のガラスを成形する方法としては、熔融ガラスを連続して鋳型に鋳込み、一方の開口部から成形されたガラスを引き出す方法が知られている。例えば、特開昭52−6719号公報(特許文献1)および特開昭52−6720号公報(特許文献2)には、鋳込まれたガラスの流路が水平になるように配置された鋳型に熔融ガラスを流し込み、一方の開口部から成形されたガラスを引き出して、光学ガラスを連続的に成形する方法が開示されている。
ところが、本発明者らの検討によれば、特許文献1および2に開示されている方法で棒状あるいは板状のガラスを成形すると、ガラス内に不均質性が発生し、脈理と呼ばれる欠陥になってしまうことが判明した。特許文献1および2に開示されている方法では、熔融ガラスは、上方に配置された熔融ガラス流出管から、水平に配置された鋳型に対してほぼ直角に流し込まれる。そのため、鋳込まれたガラスは、鋳型の中でほぼ直角に曲がった後にガラス棒やガラス板に成形される。熔融ガラス流が直角に曲げられる鋳型のコーナー部分では、コーナーの内側を流れる熔融ガラスよりもコーナーの外側を流れる熔融ガラスのほうがより長い経路を通ることになる。そのため、この方法で得られたガラス棒では、鋳型内で異なる経路を経たガラス同士が、流れ方向に対して同じ垂直断面上に位置することになる。このように、鋳型内で冷却、成形される過程で、異なる経路を経たガラス同士が同一断面上に位置することは、ガラス内に不均質性が発生する原因となると考えられる。一般的なガラスでは、このような不均質性は問題にならないが、光学ガラスでは、このような不均質性は、脈理と呼ばれる欠陥になってしまう。上記の問題は、鋳込まれる熔融ガラスの粘度が低い場合や、板状ガラスを成形する際、厚みに対する幅の比(幅/厚み)が大きい場合に特に顕著であった。
一方、特開昭60−251136号公報(特許文献3)には、パイプ状の型に鋳込まれた熔融ガラスを、垂直または45°に傾けて引き出して棒状ガラスを成形する方法が開示されている。しかるに、熔融ガラスを垂直に引き出して棒状ガラスを成形する方法では、成形後のアニール等の後工程のスペースを確保することが困難である。そのため、特許文献3に記載の方法は、連続的にガラスを量産する方法としては適当ではない。また、特許文献3では、ガラス粘度が102〜103Pa・s程度の熔融ガラスを成形しているが、近年使用されているガラスは、熔融ガラスの粘度がより低く、上記方法では、良好に棒状ガラスを成形することはできなかった。
特開昭52−6719号公報 特開昭52−6720号公報 特開昭60−251136号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、アニール等の後工程のスペースを容易に確保しつつ、熔融ガラスから光学的に均質な棒状ガラス成形体または板状ガラス成形体を製造する方法を提供すること、および前記ガラス成形体からプレス成形に供するためのプレス成形用ガラス素材を製造する方法を提供すること、ならびに前記プレス成形用ガラス素材を使用してプレス成形する光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の通りである。
[請求項1] 熔融ガラスを、貫通孔を有する鋳型の貫通孔に流し込みながら中実状の棒状ガラスに成形するガラス成形体の製造方法において、
前記貫通孔は、2つの開口部が直線的に連絡しており、
前記鋳型を、前記貫通孔の中心軸が傾斜した状態になるように配置し、
前記貫通孔の高位置側にある開口部から粘度1dPa・S以上102dPa・S未満の熔融ガラスを連続的に流し込み、前記貫通孔の低位置側にある開口部から棒状ガラスを連続的に引き出し、かつ前記熔融ガラスの流し込みを、前記高位置側にある開口部における熔融ガラス液面を所定の高さに維持しつつ行い、
貫通孔から引き出されたガラスを、搬送経路を変更した後にアニールすることを含み、かつ搬送経路変更前にガラスの表面温度がガラス屈伏点以上になるように、ガラスを加熱することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
[請求項2] 熔融ガラスを、貫通孔を有する鋳型の貫通孔に流し込みながら板状ガラスに成形するガラス成形体の製造方法において、
前記貫通孔は、2つの開口部が直線的に連絡しており、
前記鋳型を、前記貫通孔の中心軸が傾斜し、かつ板状ガラスの厚みよりも熔融ガラス液面の短辺の長さが長くなるように傾斜した状態になるように配置し、
前記貫通孔の高位置側にある開口部から熔融ガラスを連続的に流し込み、前記貫通孔の低位置側にある開口部から板状ガラスを連続的に引き出し、かつ前記熔融ガラスの流し込みを、前記高位置側にある開口部における熔融ガラス液面を所定の高さに維持しつつ行い、
貫通孔から引き出されたガラスを、搬送経路を変更した後にアニールすることを含み、かつ搬送経路変更前にガラスの表面温度がガラス屈伏点以上になるように、ガラスを加熱することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
[請求項3] 貫通孔から引き出されるガラスの表面温度が、ガラス屈伏点以下になるように鋳型の温度を制御する請求項2に記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項4] 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によりガラス成形体を製造し、該ガラス成形体を、その中心軸を横切るように切断する工程を含む、プレス成形用ガラス素材の製造方法。
[請求項5] 前記切断されたガラスに機械加工を施し、プレス成形用ガラス素材を作製する工程をさらに含む、請求項4に記載のプレス成形用ガラス素材の製造方法。
[請求項6] 請求項4または5に記載の方法によりプレス成形用ガラス素材を作製し、該プレス成形用ガラス素材を加熱、軟化した後にプレス成形してプレス成形品を得ることを含む光学素子の製造方法。
[請求項7] プレス成形品を研削および/または研磨する工程をさらに含む、請求項6に記載の光学素子の製造方法。
本発明によれば、熔融ガラスから光学的に均質な中実状の棒状ガラス成形体および板状ガラス成形体を製造することができる。本発明によれば、アニール等の後工程のスペースの確保が容易であり、連続的にガラスを量産することができる。また、前記ガラス成形体からプレス成形に供するための均質なプレス成形用ガラス素材を製造することができ、前記プレス成形用ガラス素材を使用してプレス成形することにより、脈理などの欠陥のない良好な光学素子を生産性よく製造することができる。
本発明の第一の態様は、熔融ガラスから中実状の棒状ガラス(以下、単に「棒状ガラス」ともいう)を成形するガラス成形体の製造方法に関し、本発明の第二の態様は、熔融ガラスから板状ガラスを成形するガラス成形体の製造方法に関する。本明細書において、「棒状ガラス」とは、円、楕円、正方形、短辺長に対する長辺長の比(長辺長/短辺長)が2以下の長方形、多角形等の断面形状を有するガラス成形体をいう。また、本発明において、「板状ガラス」とは、厚みに対する幅の比(幅/厚み)が2を超えるガラス板をいう。
(第一の態様)
本発明の第一の態様は、熔融ガラスを、貫通孔を有する鋳型に流し込みながら棒状ガラスに成形するガラス成形体の製造方法に関する。第一の態様の製造方法では、前記貫通孔は、2つの開口部が直線的に連絡しており、前記鋳型を、前記貫通孔の中心軸が傾斜した状態になるように配置し、前記貫通孔の高位置側にある開口部から粘度1dPa・以上102dPa・未満の熔融ガラスを連続的に流し込み、前記貫通孔の低位置側にある開口部から棒状ガラスを連続的に引き出し、かつ前記熔融ガラスの流し込みを、前記高位置側にある開口部における熔融ガラス液面を所定の高さに維持しつつ行い、ガラス成形体を製造する。以下、第一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一の態様の一例を示したものであり、熔融ガラスが鋳込まれ棒状ガラスに成形される様子を真横から見た模式図である。鋳型の部分は、内部の様子がわかるように、垂直断面で示してある。
まず、鋳型11を、貫通孔の中心軸が傾斜した状態になるように配置する。ここで、貫通孔の中心軸と水平面のなす角をθとすると、θは、30〜60°の範囲にすることが好ましい。尚、図1ではθを45°にしている。の熔融ガラスの貫通孔内における経路長を、中心軸からの距離によらず一定に揃えるためには、θは大きい方が好ましいが、θを大きくすると、後述するように、貫通孔から引き出されたガラスの搬送経路をアニール前に変更する場合、ガラスを大きく曲げなければならず、一方、θが小さすぎると、熔融ガラスの貫通孔内における経路長が場所によって異なるため、脈理が発生しやすくなる。以上の観点から、θは、30〜60°の範囲にすることが好ましく、40〜50°の範囲にすることがより好ましい。但し、ガラスの種類によっては、脈理が入りにくいガラスもあり、そのようなガラスを用いる場合は、θを、例えば5〜10°の範囲にすることも可能である。角度θは、流出する熔融ガラスの粘度、目的とするガラス成形体の形状や寸法などを考慮して決めることが好ましい。
次いで、鋳型の貫通孔の中心軸を傾斜させた状態で、貫通孔両端の開口部のうち高位置にある開口部(以下、「鋳込み口」という)13から、熔融ガラスを連続的に流し込む。ここで、鋳込み口13が、熔融ガラスを流下する流出パイプ12の真下に位置するように鋳型11を配置し、貫通孔内の熔融ガラス液位面の中央に、熔融ガラスを流し込むことが好ましい。このようにすることで、鋳型内でのガラスの移動経路の長さを一定に揃えることができ、脈理を効果的に防止することができる。
流出パイプ12の上部には、熔融、清澄、均質化された熔融ガラスが蓄積されている熔融ガラス槽(図示せず)を配置し、そこから、熔融ガラスを、流出パイプ12を通して、好ましくは一定の流量で連続して流下させる。流下した熔融ガラスを、鋳型の鋳込み口から貫通孔内に流し込み、図1に示すように、流出パイプ12から連続して途切れずに直線状にガラスが流出するように、貫通孔内の所定の高さまで熔融ガラスを満たす。
第一の態様において、流出パイプから流出する熔融ガラスの粘度は、1dPa・以上102dPa・未満である。第一の態様の製造方法によれば、上記範囲の粘度を有する熔融ガラスの成形において、優れた脈理防止効果を得ることができる。上記粘度は、2dPa・以上102dPa・未満の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2〜90dPa・の範囲である。前記粘性範囲とすることにより、成形を容易に行うことができる。
貫通孔内に流し込まれた熔融ガラスは、貫通孔内壁と接触し、概ね貫通孔の中心軸方向に沿って斜め下方に移動しながら冷えていく。鋳型によって熱を奪われ粘度が上昇したガラスを、鋳型貫通孔の低位置にある開口部(以下、「引出し口」という)14から引き出し、棒状のガラス(以下、「ガラス棒」ともいう)に成形することができる。ガラス棒を引出し口14から引き出すまで、熔融ガラスの粘度や流入量、引出し速度を調整して、熔融ガラスを、貫通孔内壁と隙間なく接触した状態で貫通孔内を移動させることが望ましい。 貫通孔内壁と熔融ガラスとの間に隙間がないように成形を行うことにより、高温状態のガラスが外気に触れる面積を最小限にすることができる。これにより、ガラス中の揮発性成分の揮発を低減することができるため、外気と触れた部分の変質を防止することができ、揮発によって生じる脈理を防止することもできる。
本発明で用いる鋳型では、2つの開口部が直線的に連絡している。2つの開口部が直線的に連絡していることにより、貫通孔中心軸に沿って流れるガラスの移動経路の長さと貫通孔内壁に沿って流れるガラスの移動経路の長さとに大きな差が生じなくなる。そのため、鋳型内で熔融ガラスが垂直に曲げられる成形方法と異なり、脈理発生を効果的に防止することができる。
更に、本発明では、熔融ガラスを流出パイプから流出させる速度(即ち、熔融ガラスの鋳型への流入速度)と、ガラス棒を引出し口から引き出す速度を、ともに一定に保つことが望ましい。また、貫通孔内において、熔融ガラス液面が所定の高さに維持されるように、鋳型に流し込む熔融ガラスの液量と、ガラス棒の引出し速度を制御することが好ましい。ガラス棒の鋳型からの引出し速度が大きかったり、熔融ガラスの流入速度が小さすぎると、貫通孔内壁とガラス棒の間に隙間ができ、ガラス棒の外径が安定しない。また引出し速度が遅かったり、流入速度が大きすぎる場合は、熔融ガラスが鋳型から溢れ出したり、ガラス棒の形状が不良になってしまう。鋳型に流し込む熔融ガラスの液量と、ガラス棒の引出し速度を、貫通孔内において熔融ガラス液面が所定の高さに維持されるように制御すれば、貫通孔内壁と熔融ガラスとの間、またはガラス棒との間に隙間がないように成形を行うことができる。これにより、高温状態のガラスが外気に触れる面積を最小限にすることができ、ガラス中の揮発性成分の揮発を低減することができるため、ガラス棒側面の変質を防止することができ、揮発によって生じる脈理を防止することもできる。
鋳型の温度は、(1)ガラスが融着しない、(2)カンワレと呼ばれるガラスの破損が発生しない、(3)熔融ガラスが鋳型貫通孔内に隙間なく広がる、等の点を考慮して決定することが好ましい。鋳型には、温度制御のために、必要に応じてヒーターを設けたり、冷却器を設けてもよい。また、引出し口におけるガラス棒表面の温度は、ガラス屈伏点以下の温度であることが好ましい。引出し口でのガラス棒表面の温度が、ガラス屈伏点以下の温度であれば、鋳型から引き出す際にガラス棒が変形することを防止することができる。また、ガラスは、屈伏点以上の温度であれば、外力によって変形させることができるため、後述するように、引出し口から引き出したガラス棒を後工程を行いやすい方向に曲げる場合には、引出し口でのガラス棒表面の温度は、屈伏点以上の温度であることが好ましい。引出し口でのガラス棒表面の温度は、温度が高すぎる場合には、鋳型を空冷したり、水冷板を設ける等して冷却することにより、また、温度が低すぎる場合には、ヒーターにより加熱することにより、調整することができる。
鋳型の温度は、鋳込み口付近において、ガラス転移温度よりも20〜50℃低い温度とすることができ、引き出し口付近において、ガラス転移温度よりも0〜30℃低い温度とし、鋳込み口と引き出し口の中間部において、鋳込み口付近の温度以下であって、引出し口付近の温度以上とすることができる。
ガラスの融着、カンワレ、広がり、曲がり等を防止するという観点から、貫通孔の内径と長さとの比は、1/50〜1/1の範囲にすることが好ましい。より好ましくは1/20〜1/5の範囲である。また貫通孔内径は、得ようとするガラス棒の外径を考慮して決定すべきであり、例えば、10〜100mmとすることができる。その際、貫通孔の長さは、100〜500mmの範囲にすることが好ましい。ここで、「貫通孔の長さ」とは、図3に示すように、鋳込み口を含む面の中心から、引出し口を含む面の中心までの、中心軸に沿った長さをいう。
本発明では、必要に応じて、貫通孔から引き出された棒状ガラスの搬送経路を、アニール前に変更するため、貫通孔から引き出されたガラス棒を、図1に示すように、アニール等の後工程を行いやすい方向に曲げてもよい。図1では、水平方向に曲げてからアニールを行う態様が示されている。なお、ガラス棒の搬送経路を変更する前に、破損やひずみが生じることを防ぐため、引出し口から引き出されたガラス棒を、表面温度がガラス転移点以上の温度になるように、再度加熱して軟化させてもよい。但し、過度の加熱は、ガラス棒の形状を悪化させたり、ガラス棒側面を変質させることになるため、加熱を行う場合は、この点を考慮して加熱温度を決定すべきである。加熱は、例えば、図1に示す従動ローラー15の近傍に、ヒーターを設けて行うことができる。
図1には、従動ローラー15と駆動ローラー16が示されている。図1に示すような装置では、ガラス棒を引き出す力は駆動ローラー15の回転によって得ることができ、従動ローラーの間および駆動ローラーの間にガラス棒を通すことによって、ガラス棒を、所望の方向(図1では水平方向)に曲げることができる。ガラス棒を安定に引き出すためには、従動ローラー15と駆動ローラー16の位置は固定されていることが好ましい。従動ローラーおよび駆動ローラーの数は、ガラス棒を引き出して所望の方向に曲げることができれば特に制限はない。引出し口から引き出されたガラス棒は、従動ローラーおよび駆動ローラーを経て、後工程に付される。後工程としては、アニール工程、一定長さに切断する工程、梱包工程等が挙げられ、アニール等の後工程を経て、均質な棒状ガラス成形体を得ることができる。アニール工程後のガラスを、適当な長さのガラス棒に切断することもでき、または、プレス成形用ガラス素材として用いるため、所望の寸法のガラスブロックに切断することもできる。
図2は、本発明の第一の態様の別の一例を示したものであり、熔融ガラスが鋳込まれ棒状ガラスに成形される様子を真横から見た模式図である。図1と同様に、鋳型11’の部分は、内部の様子がわかるように、垂直断面で示してある。なお、鋳込まれる熔融ガラスの粘度については、先に説明した通りである。
図2に示す態様は、従動ローラーがなく、引出し口を出たガラス棒の搬送経路を変更せずに、駆動ローラー16で真直ぐ引出し、アニールを含む後工程へと移送するものである。その他の点については図1に示す態様と同様である。
本発明では、図1および図2に示されているように、液面監視装置17を用いて、鋳型貫通孔内の熔融ガラス液位を監視し、流出パイプ12から熔融ガラスを流出させる速度を一定に保つとともに、貫通孔内の熔融ガラスの液位が一定になるように、駆動ローラー16の回転スピードに、フィードバックすることもできる。液面監視装置は、液位を監視して駆動ローラーにフィードバックさせることができるものであれば、特に制限はなく、液位の監視は、例えば、温度計やレーザーセンサー等によって行うことができる。
本発明において用いられる鋳型の材質としては、カーボン、鋳物、ニッケルなどの耐熱性金属が好ましい。温度制御をしない場合、成形中は、鋳込み口側の温度が引出し口側の温度よりも高温になるため、室温において鋳型貫通孔を一定の内径で形成すると、熱膨張のため、成形時には貫通孔内径が一定にならなくなる。本発明では、鋳込み口から引出し口に行くにつれて、貫通孔内径を大きくし、成形時に貫通孔の内径が一定になるように、熱膨張を考慮して貫通孔の加工形状を決めることが好ましい。また、本発明において、熔融ガラスからガラス棒を作製する工程は、鋳型の劣化を防止するという観点から、不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明の方法を用いて成形するガラス棒の形状には特に制限はなく、円柱、楕円柱、角柱などを例示することができる。所望の断面形状を有する均質なガラス棒を得るためには、ガラス棒の中心軸に垂直な断面形状と、鋳型貫通孔の中心軸に垂直な断面形状が一致するように、鋳型を設計することが好ましい。なお、本発明の第一の態様の製造方法は、前記断面における長短比、例えば、長径と短径の比(長径/短径)が1〜2の棒状ガラスの成形に、より適している。前記断面における長径と短径の比が1〜2のガラス棒を成形する場合、貫通孔の中心軸と水平面とのなす角θは、特に、30〜60°の範囲にすることが好ましい。
本発明の方法を用いて、光ファイバーのクラッド用ガラスでできた中実状のガラス円柱体を成形し、円柱軸に相当する部分に穴をあけて中空状ガラスとした後、その穴に光ファイバーのコア用ガラスでできたガラス円柱体を嵌めこんでガラスファイバーのプリフォームを作ることもできる。また、中心に穴があけられたクラッド用ガラス製のガラス円柱体に本発明の方法を用いて成形したコア用ガラス製のガラス円柱体を嵌めこみ、ガラスファイバーのプリフォームを作ることもできるし、上記2つの方法を組合せることもできる。このようなプリフォームを線引きして光ファイバーを作製することもできる。
なお、鋳型貫通孔の中心軸に耐熱性材料からなる円柱状のシャフトを配置し、熔融ガラスを流し込んで中心軸に穴を有する中空状のガラス成形体を成形することも考えられるが、上記シャフトによって流し込まれた熔融ガラスの流れが乱され、脈理が発生するおそれがあるため、本発明の方法は、中実柱状(中空を有さない)のガラスを得るために適用すべきである。
先に説明したように、ガラス成形体の成形時に脈理が発生しやすい状況には、低粘度の熔融ガラスを流し込みガラスを成形する場合と、板状ガラスを成形する場合とがある。前記第一の態様の製造方法によれば、1dPa・以上102dPa・未満の低粘度の熔融ガラスから、脈理のないガラスを製造することができる。
次に、板状ガラスを成形する本発明の第二の態様について説明する。
(第二の態様)
本発明の第二の態様は、
熔融ガラスを、貫通孔を有する鋳型の貫通孔に流し込みながら板状ガラスに成形するガラス成形体の製造方法において、
前記貫通孔は、2つの開口部が直線的に連絡しており、
前記鋳型を、前記貫通孔の中心軸が傾斜した状態になるように配置し、
前記貫通孔の高位置側にある開口部から熔融ガラスを連続的に流し込み、前記貫通孔の低位置側にある開口部から板状ガラスを連続的に引き出し、かつ前記熔融ガラスの流し込みを、前記高位置側にある開口部における熔融ガラス液面を所定の高さに維持しつつ行うことを特徴とするガラス成形体の製造方法
である。
第二の態様の製造方法によれば、高温のガラスで外気に晒されるのは鋳型内の熔融ガラス液面のみなので、高温のガラスからの揮発により生じる脈理を低減することができる。また、鋳型内における熔融ガラスの流動方向が急激に曲げられることがないことからも、ガラス内部の脈理を低減することができる。
板状ガラスは、互いに対向する2つの主表面を有する。第二の態様の製造方法において、前記貫通孔の中心軸に対して垂直な断面において、板状ガラスの主表面を成形する2つの成形面は、中心軸に対して対称に配置されるとともに、水平方向に対する前記中心軸の傾斜角と、水平方向に対する上記各成形面の傾斜角が等しくなるようにすることが好ましい。
以下、図4を参照して、本発明の第二の態様について説明する。
本発明の第二の態様では、鋳型を、貫通孔の中心軸が傾斜した状態になるように配置する際に、鉛直上方から見たときの溶融ガラス液面の短辺に接する鋳型貫通孔の内壁面が、水平面に対して垂直になるように、つまり、図4に示すように、板状ガラスの厚みtよりも、熔融ガラス液面の短辺aの長さが長くなるように、鋳型を傾斜させることが好ましい。鋳型をこのように配置することにより、鋳型内の熔融ガラス液面を鉛直上方から見たときの長辺に対する短辺の比(短辺/長辺)は、水平方向に対する中心軸の傾斜角が増加するにつれて増加する。つまり、鋳型貫通孔中心軸を傾斜させることにより、熔融ガラス液面の上記(短辺/長辺)の比率を、成形される板状ガラスの幅に対する厚みの比(厚み/幅)よりも大きくすることができる。本発明の第二の態様によれば、厚みに対する幅の比(幅/厚み)が2を超える長方形の断面形状を有する板状ガラスを製造する場合に、このようにして熔融ガラス液面の上記(短辺/長辺)の比率を大きくすることにより、鋳込まれたガラスを短辺方向にも長辺方向にもほぼ均等に広げることができ、鋳型内のガラスの流れに大きな偏りができないので、脈理を低減することができる。
前記中心軸の傾斜角は、前記第一の態様と同じ範囲にすればよく、特に、第二の態様では、前記範囲内で、熔融ガラス液面の上記(短辺/長辺)の比率が1に近くなるようにすることが好ましい。なお、中心軸の傾斜角をθとし、板状ガラスの厚みをtとし、幅をwとすると、上記熔融ガラス液面の短辺aはt/sinθで表すことができ、長辺はwであることから、短辺/長辺の比率はt/(w・sinθ)となる。そして、上記比率が1になるときとは、傾斜角θがsin-1(t/w)のときである。
第二の態様の製造方法は、幅に対する厚みの比(厚み/幅)が0.5以下の板状ガラスの成形に好適である。前記比率(厚み/幅)のより好ましい範囲は、0.05〜0.5である。
また、流し込まれる熔融ガラスの粘度は1dPa・s以上102dPa・s未満とすることが好ましい。また、第二の態様においても、前記第一の態様と同様に、熔融ガラスを流し込む位置は、鋳型内の熔融ガラス液面を真上から見たときの中央にすることが、鋳型内でガラスを均等に広げて脈理を防止する上から好ましい。
その他の点については、前記第一の態様と同様にすることができる。
前記第一および第二の態様において、鋳型の固定は鋳型上部を保持することが好ましい。その理由は、鋳型を保持した部分から熱が奪われ、鋳型が収縮するからである。鋳型が収縮すると貫通孔の寸法も減少する。貫通孔の高位置側の内側寸法(棒状ガラスの場合は内径)が僅かに減少しても成形されたガラスの引出しは妨げられないが、低位置側の内側寸法が減少するとガラスの引出しが妨げられるおそれが生じるからである。
本発明において、ガラス成形体を得るための原料となるガラスは、特に限定されない。本発明の製造方法によれば、脈理を発生せずに、均質性の高いガラスを得ることができるため、本発明の製造方法は、極めて高い品質が求められる光学ガラスから、ガラス成形体を得るために好適に用いることができる。そのようなガラスとしては、SiO2−TiO2含有ガラス、SiO2−R2O(RはLi、Na、Kの少なくとも一種または複数種のアルカリ金属)、B23−R2O(RはLi、Na、Kの少なくとも一種または複数種のアルカリ金属)、P25−R2O(RはLi、Na、Kの少なくとも一種または複数種のアルカリ金属)、P25−TiO2含有ガラス、P25−Nb25含有ガラス、B23−La23含有ガラス、弗燐酸ガラスなどの光学ガラスを例示することができる。
本発明は、本発明のガラス成形体の製造方法によって得られたガラス成形体を、その中心軸を横切るように切断する工程を含む、プレス成形用ガラス素材の製造方法にも関する。
本発明のプレス成形用ガラス素材の製造方法では、前述の本発明のガラス成形体の製造方法によって得られた棒状のガラスまたは板状のガラスを、例えば、ワイヤー、砥石等を用いて、その中心軸を横切るように切断し、ガラスブロックを得ることができる。所望のプレス成形用ガラス素材の形状、寸法を考慮して、成形するガラス棒の外径や成形するガラス板の幅と厚みを決めることが好ましい。ガラス棒やガラス板を切断する幅は、得ようとするプレス成形品や光学素子の厚さに応じて適宜設定することができる。得られたガラスブロックを、そのまま加熱、軟化した後にプレス成形してプレス成形品を得ることもでき、または、ガラスブロックに研削加工や研磨加工を加えたものを、加熱、軟化した後にプレス成形してプレス成形品を得ることもできる。本明細書では、このように、加熱、軟化すればプレス成形可能なガラス物品を、「プレス成形用ガラス素材」と呼ぶ。このようにして作製したプレス成形用ガラス素材を加熱、軟化した後にプレス成形してプレス成形品を得る。プレス成形は、公知の方法で行うことができる。プレス成形によって作製した成形品をそのまま光学素子として使用することもできるし、プレス成形品に研削、研磨加工を施して光学素子に仕上げることもできる。また、プレス成形用ガラス素材を、プレス成形せずに研削、研磨加工を施してレンズなどの光学素子を作ることもできる。この場合は、得ようとする光学素子の外径と等しいか、または前記外径に加工代を加えた外径を有するガラス棒を成形することが好ましい。また、スライス加工の幅は、光学素子の肉厚または肉厚に加工代を加えたものとすることができる。このようにスライスされたガラスに、更に研削、研磨加工を施せば、レンズやプリズムなどの光学素子を作製することができる。
レンズなどの軸対称形状の光学素子をプレス成形によって作製する場合、円柱状のガラス棒を成形し、ガラス棒の中心軸に対し垂直に切断することが好ましい。その他の場合でも、所望の光学素子の形状からプレス成形に適したプレス成形用ガラス素材の形状を決め、その素材を容易に作製できるような形状のガラス棒を成形することが好ましい。ガラス棒を切断して得られるプレス成形用ガラス素材の重量は、得ようとする光学素子の重量と等しくなるようにすることができる。または、切断後に機械加工を行い、目的とするプレス成形品の重量を有するプレス成形用ガラス素材を得ることもできる。
光学素子の光学機能面(制御対象の光線を屈折させたり、反射させたり、回折させたりするための面)をプレス成形によって形成する精密プレス成形により光学素子を製造する場合、研磨加工等により、プレス成形用ガラス素材の表面を平滑に仕上げることが望ましい。また、酸化性雰囲気中でプレス成形を行うと、離型膜(例えばカーボン製)が劣化するおそれがあるため、プレス成形は、非酸化性雰囲気中にて行うことが好ましい。
精密プレス成形を行った場合、得られたプレス成形品は、徐冷した後、そのまま、非球面レンズ、球面レンズ、マイクロレンズ、レンズアレイなどの各種レンズ、プリズム、ポリゴンミラー、回折格子、フィルタなどの各種光学素子として用いることができる。なお、必要に応じて、光学機能面の周囲にある表面に機械加工を施して光学素子に仕上げてもよい。
また、別の態様としては、プレス成形用ガラス素材を、例えば大気中で加熱、軟化した後にプレス成形してプレス成形品とし、そのプレス成形品に研削、研磨を施して各種レンズやプリズムなどの光学素子を作製することもできる。
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。

(実施例1)
十分清澄、均質化した熔融ガラス(ガラス粘度10dPa・s)を、流出パイプから一定の流出速度(106ml/min)で連続流下し、図1に示す位置に配置されたカーボン製の鋳型に設けられた貫通孔の鋳込み口中央に流し込んだ。鋳型貫通孔の内径はφ30mm、貫通孔中心軸と水平面のなす角θを45°とした。鋳型貫通孔の長さは250mmとし、良好な成形ができるように、鋳型の周囲に図示しないバンドヒータを巻いて加熱した。駆動ローラーの回転速度は、ガラス棒の引出し速度が15cm/minになるよう設定し、φ30mmのガラス棒(丸棒)を引き出した。このガラス棒を、従動ローラーおよび駆動ローラーによって水平方向に曲げた後、アニールして歪みを除去した。
このようにして、SiO2、TiO2およびアルカリ金属酸化物を含む光学ガラスよりなるガラス棒を作製した。得られた中実柱状のガラス棒は、均質かつ透明であり、脈理などの欠陥は認められなかった。
参考例1
図2に示すような鋳型を、θが10°になるように配置し、φ20mmのガラス棒(丸棒)を成形した。このとき、熔融ガラス(ガラス粘度5Pa・s)の流出速度を47ml/min、ガラス棒の引出し速度を15cm/minとした。本参考例1では、引き出した中実柱状のガラス棒は、曲げずにそのままアニールした。
このようにして、SiO2、TiO2およびアルカリ金属酸化物を含む光学ガラスよりなるガラス棒を作製した。得られたガラス棒は均質かつ透明であり、脈理などの欠陥は認められなかった。
なお、実施例1、参考例1において、SiO2、TiO2およびアルカリ金属酸化物を含む光学ガラス以外の光学ガラスを用いても、良好な成形が可能である。
(実施例3)
実施例1、参考例1で成形したガラス棒を、中心軸に対して垂直方向に切断し、厚み10mmの円柱ブロックとした。さらに円柱ブロックに研削または研磨加工を施して、軸対称形状のプレス成形用ガラス素材を作製した。このようにして作られたプレス成形用ガラス素材には、脈理などの欠陥は認められなかった。
また、得られた円柱ブロックをプレス成形せずに研削、研磨加工を施してレンズなどの光学素子を作ることもできる。こうして得られた光学素子には、脈理などの欠陥は認められなかった。
(実施例4)
実施例3において作製した表面が滑らかなプレス成形用ガラス素材を、加熱、軟化し、窒素に水素を混ぜた混合ガス雰囲気中でプレス成形型を用いて精密プレス成形し、アニールして非球面レンズを得た。得られたレンズは、脈理などの欠陥のない良好なものであった。
(実施例5)
実施例3において作製したプレス成形用ガラス素材を、素材を加熱、軟化し、大気中でプレス成形型を用いてプレス成形し、アニールして球面レンズを得た。実施例5で作製されたレンズは、脈理などの欠陥のない良好なものであった。
(実施例6)
実施例1で使用した鋳型を貫通孔の中心軸に対する垂直断面の形状が長方形(縦20mm、横200mm)のものに替え、貫通孔中心軸と水平面のなす角θを30°にして、高位置側の開口部が流出パイプの真下になるように鋳型を設置した。このとき、貫通孔の上記垂直断面の長辺が水平になるようにする。そして、前記開口部に流出パイプから一定の流出速度(150ml/min)で熔融ガラス(ガラス粘度10dPa・s)を連続流下し、厚み20mm、幅200mmの板状ガラスに成形して鋳型低位置側の開口部から引き出した。板状ガラスを実施例1と同様にして従動ローラーおよび駆動ローラーによって水平方向に曲げた後、アニールして歪みを除去した。なお、使用したガラスは実施例1と同じものである。
このようにして均質かつ透明であり、脈理などの欠陥がない光学ガラスからなるガラス板を作製することができた。
参考例2
参考例1で使用した鋳型を貫通孔の中心軸に対する垂直断面の形状が長方形(縦10mm、横100mm)のものに変え、貫通孔中心軸と水平面のなす角θを45°にして、高位置側の開口部が流出パイプの真下になるように鋳型を設置した。このとき、貫通孔の上記垂直断面の長辺が水平になるようにする。そして、前記開口部に流出パイプから一定の流出速度(50cc/min)で熔融ガラスを連続流下し、厚み10mm、幅100mmの板状ガラスに成形して鋳型低位置側の開口部から引き出し、参考例1と同様にして曲げずにそのままアニールして歪みを除去した。なお、使用したガラスは実施例2と同じものであり、鋳型に流し込む際の熔融ガラスの粘度は5dPa・sとした。
このようにして均質かつ透明であり、脈理などの欠陥がない光学ガラスからなるガラス板を作製することができた。
(実施例8)
実施例6、7で成形した板状ガラスを、ガラス板の主表面に対して垂直に縦横方向に切断し、カットピースと呼ばれるガラス片を作り、バレル研磨して面取り及び重量調整をしてプレス成形用ガラス素材とした。そして、大気中において前記素材を加熱、軟化し、プレス成形してレンズブランクを作製した。次に、レンズブランク表面を研削、研磨してレンズに仕上げた。
また、前記カットピースを研磨して滑らかな表面をもつプレス成形用ガラス素材とした。そして、前記ガラス素材を、実施例4と同様の方法で精密プレス成形し、非球面レンズを得た。
本実施例のいずれのレンズとも、脈理などの欠陥のない良好なものであった。
本発明によれば、脈理のない、あるいは極めて少ないガラス成形体を生産性よく製造することができる。本発明の製造方法は、各種光学ガラスからなるガラス成形体を製造、保管し、需要に応じて所定の寸法に切断等の機械加工を行ってプレス成形用ガラス素材を作るか、または、そのガラス素材をプレス成形して光学素子を製造することにより、需要に柔軟かつ迅速に対応することができる。
本発明のガラス成形体の製造方法の一態様である。 本発明のガラス成形体の製造方法の一態様である。 鋳型の長さの説明図である。 本発明の第二の態様の説明図である。

Claims (7)

  1. 熔融ガラスを、貫通孔を有する鋳型の貫通孔に流し込みながら中実状の棒状ガラスに成形するガラス成形体の製造方法において、
    前記貫通孔は、2つの開口部が直線的に連絡しており、
    前記鋳型を、前記貫通孔の中心軸が傾斜した状態になるように配置し、
    前記貫通孔の高位置側にある開口部から粘度1dPa・s以上102dPa・s未満の熔融ガラスを連続的に流し込み、前記貫通孔の低位置側にある開口部から棒状ガラスを連続的に引き出し、かつ前記熔融ガラスの流し込みを、前記高位置側にある開口部における熔融ガラス液面を所定の高さに維持しつつ行い、
    貫通孔から引き出されたガラスを、搬送経路を変更した後にアニールすることを含み、かつ搬送経路変更前にガラスの表面温度がガラス屈伏点以上になるように、ガラスを加熱することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 熔融ガラスを、貫通孔を有する鋳型の貫通孔に流し込みながら板状ガラスに成形するガラス成形体の製造方法において、
    前記貫通孔は、2つの開口部が直線的に連絡しており、
    前記鋳型を、前記貫通孔の中心軸が傾斜し、かつ板状ガラスの厚みよりも熔融ガラス液面の短辺の長さが長くなるように傾斜した状態になるように配置し、
    前記貫通孔の高位置側にある開口部から熔融ガラスを連続的に流し込み、前記貫通孔の低位置側にある開口部から板状ガラスを連続的に引き出し、かつ前記熔融ガラスの流し込みを、前記高位置側にある開口部における熔融ガラス液面を所定の高さに維持しつつ行い、
    貫通孔から引き出されたガラスを、搬送経路を変更した後にアニールすることを含み、かつ搬送経路変更前にガラスの表面温度がガラス屈伏点以上になるように、ガラスを加熱することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  3. 貫通孔から引き出されるガラスの表面温度が、ガラス屈伏点以下になるように鋳型の温度を制御する請求項2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によりガラス成形体を製造し、該ガラス成形体を、その中心軸を横切るように切断する工程を含む、プレス成形用ガラス素材の製造方法。
  5. 前記切断されたガラスに機械加工を施し、プレス成形用ガラス素材を作製する工程をさらに含む、請求項4に記載のプレス成形用ガラス素材の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の方法によりプレス成形用ガラス素材を作製し、該プレス成形用ガラス素材を加熱、軟化した後にプレス成形してプレス成形品を得ることを含む光学素子の製造方法。
  7. プレス成形品を研削および/または研磨する工程をさらに含む、請求項6に記載の光学素子の製造方法。
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