JP5242927B2 - コンテンツ配信装置 - Google Patents

Description

本発明は、サーバに蓄積されている所定のコンテンツデータをクライアントに配信するコンテンツ配信装置に関する。更に詳しくは、コンテンツデータの視聴者に対する視聴制限を行なう技術分野に関する。

従来から、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）に格納されている映像コンテンツやテレビ番組の映像コンテンツにおいて、未成年者に悪影響を与えるような不適切なシーン（暴力的・残虐的なシーンなど）に対して、映像コンテンツの視聴を制限する様々な技術が知られている。

例えば、ＤＶＤやテレビ番組の録画データを再生機により視聴する場合、ディスク単位や番組単位で視聴制限レベル（ペアレンタルロック）を設定し、再生機側のレベルに応じて視聴を禁止することが行なわれている。

特許文献１に、ＤＶＤなどの光ディスクを再生中に字幕データを解析し、音声無視単語を検出した場合は音声をミュートする装置が開示されているように、字幕や音声を解析して不適切な単語を検出した場合に該当部分を無音化したり、スキップしたりすることも行なわれている。

また、特許文献２には、事前にサーバ側でデータパケット内部に再生出力制限情報を埋め込んでからストリーミング配信し、クライアント側で再生出力制限情報が埋め込まれたデータパケットを解析し、映像や音声などの再生出力を制限するコンテンツデータ配信装置が開示されている。

特開２００６−３３９７２２号公報 特開２００６−８６５７６号公報

近年、ＤＬＮＡ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｌｉｖｉｎｇ Ｎｅｔｗｏｒｋ Ａｌｌｉａｎｃｅ）によって、パーソナルコンピュータやデジタル家電などの電子機器（デジタル機器）の相互接続性を確保するためのガイドラインが策定されており、このＤＬＮＡのガイドラインに準拠して、電子機器同士や、電子機器とコントローラ（制御機器）などをホームネットワークに接続したシステムが構築されるようになってきている。このようなホームネットワークにおいては、ＤＴＣＰ−ＩＰ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｃｏｎｔｅｎｔ Ｐｒｏｔｅｃｔｉｏｎ ｏｖｅｒ Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）のような規格により、やりとりされるコンテンツを暗号化する等のコンテンツ保護がなされている。

しかしながら、ＤＶＤ再生機で行なわれているような視聴制限をホームネットワークにおいて実現する方法が存在しておらず、サーバに蓄積されているコンテンツをクライアントに配信して再生するときに、不適切なシーンの視聴を制限する方法が求められている。

そこで、本発明は、ホームネットワークにおいて、サーバに蓄積されているコンテンツを、ネットワークに接続されているクライアントに配信するときに、不適切なシーンの視聴を制限するコンテンツ配信装置を提供することを目的とする。

本発明のコンテンツ配信装置は、データパケット中にビットエラーが発生しているときにエラーフラグがセットされるエラーインジケータを有するパケットヘッダと実際のデータ部分であるペイロードデータとをそれぞれ有する複数のデータパケットから構成される前記コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、あらかじめ定められた再生制限情報に基づいて、前記複数のデータパケットを解析し、前記複数のデータパケットのうち、再生を制限するデータパケットを決定するデータパケット解析部と、前記データパケットのエラーインジケータにエラーフラグをセットし、前記データパケットのペイロードデータを全て再生不可データに置換するデータパケット置換部と、前記コンテンツを配信するコンテンツ配信部とを備えたことを特徴とする。

本発明によれば、ホームネットワーク内のコンテンツ配信視聴において、不適切なシーンの視聴を制限することができる。また、クライアント側で視聴制限のためにプログラム変更や機器改造を行なう必要がない。

以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。

図１は、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムの構成を説明するためのブロック図である。図１を参照すると、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムは、サーバ１０とクライアント２０を備え、それぞれはネットワーク３０、例えば無線ＬＡＮを介して接続されている。なお、サーバ１０およびクライアント２０が複数接続されるような構成としてもよい。

サーバ１０は、デジタル放送録画番組などの様々なコンテンツを格納しており、コンテンツをクライアント２０に配信するときに、コンテンツの字幕データを解析して不適切な単語が含まれていないかどうかを判別し、不適切な単語が含まれている場合は、エラーデータとなるようなパケット置換を行ない、パケット置換されたコンテンツをネットワーク３０を介してクライアント２０に配信する。

クライアント２０は、サーバ１０から配信されたコンテンツをネットワーク３０を介して受信すると、該当コンテンツをデコードして再生表示する。ユーザは、再生表示されたコンテンツを視聴することができる。

サーバ１０は、サーバ制御部１１、コンテンツ蓄積部１２、チューナー１３およびネットワークインターフェース１４を備え、パーソナルコンピュータ等により構成される。チューナー１３は、テレビ局から送信される放送波を受信するためのものであり、ネットワークインターフェース１４は、サーバ１０とネットワーク３０とを接続するためのものである。コンテンツ蓄積部１２は、チューナー１３により受信されたテレビ放送番組を録画したコンテンツ等を格納するものであり、ハードディスクやメモリ等の記憶媒体で構成される。

サーバ制御部１１は、コンテンツ配信部１１１、禁止ワードテーブル管理部１１２、字幕データ解析部１１３およびパケット置換部１１４を備える。なお、サーバ制御部１１の各部の機能および動作については後述する。

クライアント２０は、クライアント制御部２１、表示部２２およびネットワークインターフェース２３を備え、パーソナルコンピュータ等により構成される。ネットワークインターフェース２３は、クライアント２０とネットワーク３０とを接続するためのものである。表示部２２は、クライアント制御部２１の制御により、デコードされたコンテンツを表示する等、各種表示データを表示するものであり、ＬＣＤ等の表示装置により構成される。

クライアント制御部２１は、コンテンツ受信部２１１およびコンテンツデコード部２１２を備える。なお、クライアント制御部２１の各部の機能および動作については後述する。

図２ないし図６の図面を参照して、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムの動作について説明する。図２は、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムの動作を説明するための流れ図である。図３は、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムにおける禁止ワードテーブルに含まれるデータについて説明するための図である。

図４は、コンテンツデータを構成する、ＭＰＥＧ２トランスポートストリーム方式（以下、ＴＳとする）のデータパケットの構成を説明するための図である。図５は、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムにおける置換データパケットの構成を説明するための図である。図６は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの禁止ワード検索およびパケット置換を説明するための図である。

まず、図２を参照して、サーバ１０のコンテンツ蓄積部１２に格納されているコンテンツがクライアント２０に配信されるときに、コンテンツの視聴制限を行なう流れを説明する。

あらかじめ、サーバ１０において、禁止ワードテーブル管理部１１２は、視聴制限する禁止ワードを設定するための禁止ワードテーブルを生成しておく（ステップＳ３０１）。図３を参照すると、禁止ワードテーブルには、ＭＡＣアドレスやＩＰアドレス等のクライアントを識別するためのクライアント情報、各クライアントに適用される禁止ワードの文字列、各禁止ワードにおける再生禁止時間、等のデータが含まれている。禁止ワードは、１つのクライアントに対して複数設定されていてもよい。再生禁止時間が設定されていない場合は、初期値（例えば１０秒）を再生禁止時間として設定するようにしてもよい。

まず、コンテンツ配信部１１１は、コンテンツ蓄積部１２にどのようなコンテンツが格納されているかを示すコンテンツリストを生成し、クライアント２０に送信する（ステップＳ３０２）。コンテンツ受信部２１１は、サーバ１０から送信されたコンテンツリストを受信し（ステップＳ３０３）、コンテンツリストを参照して、視聴したいコンテンツを選択して、コンテンツの配信を要求する（ステップＳ３０４）。

字幕データ解析部１１３は、クライアント２０からコンテンツの配信要求を受信すると（ステップＳ３０５）、禁止ワードテーブルを参照して、該コンテンツに含まれる字幕データの解析を行なう（ステップＳ３０６）。

ステップＳ３０６において、字幕データ解析部１１３が字幕データを解析した結果、字幕データに禁止ワードが含まれていなかったとき（ステップＳ３０７でＮｏ）、コンテンツ配信部１１１は、配信要求されたコンテンツのデータパケットを順次クライアント２０に配信する（ステップＳ３０９）。

一方、字幕データ解析部１１３が字幕データを解析した結果、字幕データに禁止ワードが含まれていたとき（ステップＳ３０７でＹｅｓ）、パケット置換部１１４は、図６に示されるように、禁止ワードが含まれていた字幕データ以降のデータパケットについて、禁止ワードテーブルに設定された再生禁止時間分のデータパケットをエラーパケットに置換する（ステップＳ３０８）。

パケット置換部１１４は、ＴＳパケットヘッダのエラーインジケータにエラーフラグ（“１”）をセットし、ＴＳパケットのペイロード部分を全て再生不可とするデータ（例えば、“０ｘＦＦ”のようなパディングデータ）に置換する。ＴＳパケットは、図４に示されるようなデータ構成になっているが、このパケット置換により、図５に示されるようなデータ構成をもつエラーパケットに置換される。

ここで、ＴＳパケットヘッダのエラーインジケータとは、図４に示すようなＭＰＥＧ２規格で定められたＭＰＥＧ２トランスポートストリーム方式で用いられるものであり、例えば、受信状態の悪化により、受信機側でＴＳパケットが正しく受信できなかった場合等に、このエラーインジケータにＴＳパケット中にビットエラーが発生していることを示すエラーフラグ（“１”）をセットしておき、ＴＳパケットをデコードして再生するときに、エラーフラグがセットされているＴＳパケットを再生しない等、適切なエラー処理を行なうために用いられるものである。

なお、音声データだけを無音化する等再生できないようにする場合は、Ａｕｄｉｏパケットに対してのみ、上述のパケット置換処理を行なうようにすればよい。

次に、コンテンツ配信部１１１は、エラーパケットに置換されたコンテンツのデータパケットを順次クライアントに配信する（ステップＳ３０９）。

クライアント２０において、コンテンツ受信部２１１は、サーバ１０から配信されてくるコンテンツのデータパケットを受信し（ステップＳ３１０）、コンテンツデコード部２１２は、ＴＳパケットのデコードを行なう（ステップＳ３１１）。デコードされたコンテンツデータは、表示部２２において再生表示される（ステップＳ３１２）。

ステップＳ３１１において、エラーパケットに置換されたデータパケットの場合、コンテンツデコード部２１２は、エラーパケットをデコードできないため、エラーパケット直前の映像データを表示したまま一時停止の状態となる。再生禁止時間（エラーパケットに置換されたデータパケットの再生時間）が経過した後、正常なデータパケット部分からデコードが再開され、再生表示される。

次に、コンテンツの途中から視聴したり、コンテンツの視聴中に早送りや早戻し、ジャンプといったコンテンツのシーク処理をしたりする場合について、図２および図７を用いて説明する。図７は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの禁止ワード検索およびパケット置換を説明するための図である。

ステップＳ３０４において、クライアント２０は、コンテンツの配信要求のときにコンテンツの再生開始の位置を指定したり、コンテンツの再生中に早送りや早戻し、ジャンプといったシーク処理により、新たな再生開始位置を指定したりすることができる。

ステップＳ３０６において、字幕データ解析部１１３は、禁止ワードテーブルを参照して、クライアント２０に対して設定された再生禁止時間分だけ、指定された再生開始位置から遡った位置から字幕データの解析を行なう。

字幕データに禁止ワードが含まれていなかったとき（ステップＳ３０７でＮｏ）、コンテンツ配信部１１１は、配信要求されたコンテンツのデータパケットを順次クライアントに配信する（ステップＳ３０９）。

一方、字幕データに禁止ワードが含まれていたとき（ステップＳ３０７でＹＥＳ）、パケット置換部１１４は、図７に示されるように、禁止ワードが含まれていた字幕データ以降のデータパケットについて、禁止ワードテーブルに設定された再生禁止時間分のデータパケットのうち、再生開始の位置以降のデータパケットをエラーパケットに置換する（ステップＳ３０８）。

次に、コンテンツ配信部１１１は、エラーパケットに置換されたコンテンツのデータパケットを順次クライアントに配信する（ステップＳ３０９）。

クライアント２０において、コンテンツ受信部２１１は、サーバ１０から配信されてくるコンテンツのデータパケットを受信し（ステップＳ３１０）、コンテンツデコード部２１２は、ＴＳパケットのデコードを行なう（ステップＳ３１１）。デコードされたコンテンツデータは、表示部２２において再生表示される（ステップＳ３１２）。

このように、本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムによれば、上述したように、本来は、ＴＳパケット中にエラービットが存在しているか否かを示す、ＭＰＥＧ２トランスポートストリーム方式におけるエラーインジケータを、コンテンツを配信するサーバ側で使用することにより、クライアント側は視聴制限のためにプログラム変更や機器改造を行なうことなく、ホームネットワーク内のコンテンツ配信視聴において不適切なシーンの視聴を制限することができる。

本発明の実施の形態のコンテンツ配信システムの構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの動作を説明するための流れ図である 本発明の実施の形態における禁止ワードデータテーブルを説明するための図である。 ＭＰＥＧ２−ＴＳパケットのデータ構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの置換パケットのデータ構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの禁止ワード検索およびパケット置換を説明するための図である。 本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの禁止ワード検索およびパケット置換を説明するための図である。

符号の説明

１０ サーバ
２０ クライアント
３０ ネットワーク
１１ サーバ制御部
１１１ コンテンツ配信部
１１２ 禁止ワードテーブル管理部
１１３ 字幕データ解析部
１１４ パケット置換部
１２ コンテンツ蓄積部
１３ チューナー
１４ ネットワークインターフェース
２１ クライアント制御部
２１１ コンテンツ受信部
２１２ コンテンツデコード部
２２ 表示部
２３ ネットワークインターフェース

Claims (5)

1. コンテンツ配信装置に蓄積されたコンテンツをネットワークを介して端末に配信するコンテンツ配信システムを構成する前記コンテンツ配信装置であって、
   データパケット中にビットエラーが発生しているときにエラーフラグがセットされるエラーインジケータを有するパケットヘッダと実際のデータ部分であるペイロードデータとをそれぞれ有する複数のデータパケットから構成される前記コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
   あらかじめ定められた再生制限情報に基づいて、前記複数のデータパケットを解析し、前記複数のデータパケットのうち、再生を制限するデータパケットを決定するデータパケット解析部と、
   前記データパケットのエラーインジケータにエラーフラグをセットし、前記データパケットのペイロードデータを全て再生不可データに置換するデータパケット置換部と、
   前記コンテンツを配信するコンテンツ配信部とを備えたことを特徴とするコンテンツ配信装置。
2. 前記再生制限情報は、再生不可とする文字情報および再生不可とする再生不可時間を含むことを特徴とする請求項１記載のコンテンツ配信装置。
3. 前記データパケット解析部は、前記コンテンツを構成する複数のデータパケットのうち、字幕データパケットについて、前記再生不可とする文字情報が含まれているか否かを解析することを特徴とする請求項２記載のコンテンツ配信装置。
4. 前記データパケット解析部は、前記再生不可とする文字情報が含まれているときは、前記字幕パケットから前記再生不可時間内に含まれているデータパケットについて再生を制限することを特徴とする請求項３記載のコンテンツ配信装置。
5. 前記データパケット置換部は、前記データパケットのペイロードデータをパディングデータに置換することを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載のコンテンツ配信装置。

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