JP5239255B2 - ポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルム - Google Patents
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Description
このフイルムは偽造防止・真贋判定必要な有価証券等の用途に好適である。
本発明におけるポリプロピレン樹脂系空洞含有フィルムの発泡層に使用されるベースポリマーは、特に制限されるものではないが、加熱・加圧によりボイドを消失させパール光沢を発現させるという本発明の趣旨から、融点のひくいポリオレフィン系ポリマーが有用である。特にプロピレンを主たるモノマー単位として含む樹脂が耐熱性とのバランスという観点から特にふさわしいものであり、プロピレンの単独重合体のほか、プロピレンと共重合可能なα―オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1などを共重合せしめた共重合体を使用することができる。該共重合体においてはプロピレンが90モル%以上の重合体であることが好ましい。
また上記ポリプロピレン樹脂はメルトフローインデックス(MI、JIS−K−7210;230℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分、さらに1〜15g/10分のものが好ましい。特に1〜7g/10分のものが好ましい。
また融点は一般的に120〜180℃、好ましくは150〜170℃である。
前記ボイド含有率が20%より少ない場合、ボイド量不足により、加温・加圧しなくとも干渉性反射光沢が発現されていまい、本願の目的とする偽造防止機能が損なわれる。また50%以上ではボイド率が高すぎ、層間強度が悪化する。
なお、ボイド含有率に関しては、以下の方法で算出した。
空洞含有率(体積%)=100×(1−真比容積/身かけ比容積)
ただし、
真比容積=x1/d1+x2/d2+x3/d3+…+xi/di+…
見かけ比容積=1/フィルムの見かけ比重
上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の値は、ポリプロピレン0.92、金属酸化物を被覆した板状無機物3.1、炭酸カルシウム2.6を用いた。
粒径としては1μm〜10μmが好ましく、特に1.5μm〜5μmが好ましい。1μm以下ではボイドが発生しにくく、10μm以上では凝集物による外観不良が発生する。粒子径はマイクロトラック HRA X−100にて測定した。
干渉性光沢発色顔料としては、二酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物を雲母や板状シリカに被覆したものが好ましい。具体的には、メルク社製金属酸化物被覆雲母「Iriodin223:粒度10〜60μm」が挙げられる。
このとき、干渉性光沢発色顔料はフイルム層中に均一分散させることが必要である。
また、通常樹脂フイルムに配合される公知の安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、可塑剤も適宜配合できる。
延伸工程では、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法、インフレーション法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
このとき、延伸温度は100〜140℃の低温で行なうことが好ましい。
フィルムの表面から削り取ったポリオレフィン樹脂約5mgを秤量し、アルミパンに入れてアルミ蓋をした状態で、株式会社島津製作所製の示差走査熱量計(DSC−60)を使用して、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、再度10℃/分で200℃まで昇温した時の融点(融解ピーク温度)を求める。
ホットプレスにより加熱・加圧実施し干渉性反射光沢の発現を目視評価した。
また加熱・加圧した領域としていない領域のコントラストについても目視評価した。
加熱温度範囲;30℃〜200℃
圧力;0.16MPa〜0.98MPa
加圧時間;1秒〜15秒
パール光沢感:極めて良好、良好、不良
コントラスト:極めて良好、良好、不良
サンプルを280mm×400mmのサイズにカットし、化学天秤にて重さを測定する。その後ダイヤルゲージを用いて厚みを測定する。それらの結果を以下の式に当てはめ算出する。
見かけ比重(g/cm3)=重さ(g)/(面積(cm2)×厚み(μm))
空洞含有率(体積%)=100×(1−真比容積/身かけ比容積)
ただし、
真比容積=x1/d1+x2/d2+x3/d3+…+xi/di+…
見かけ比容積=1/フィルムの見かけ比重
上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の値は、ポリプロピレン0.92、金属酸化物を被覆した板状無機物3.1、炭酸カルシウム2.6を用いた。
押し出し機よりポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、融点=158℃)60重量部、炭酸カルシウム含有マスターバッチ(ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分)40wt%、炭酸カルシウム(備北粉化工業PO150B−10、平均粒径=1.5μm)60wt%)15重量部、金属酸化物被覆雲母マスターバッチ(ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、融点=158℃)60wt%、メルク社製金属酸化物被覆雲母 Iriodin223 40wt%、粒度10〜60μm)25重量部を混合後、250℃の樹脂温度で溶融押し出しし、50℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。引き続き、120℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用してタテ方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、ヨコ方向に9.5倍の延伸を行った上で、30μmのフイルムを得た。
本フイルムは、潜在的にパール調光沢を有したフイルムであった。フイルムの特性値を表1に示す。
実施例1において、金属酸化物被覆雲母を大日本インキ化学工業製二酸化チタンマスターバッチ L−11145M(チタン含量60wt%、平均粒径200nm)とした以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系ポリプロピレン樹脂系空洞含有フィルムを得た。本フイルムは加熱・加温後のパール光沢感が発現しなかった。フイルムの特性値を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、融点=158℃)79重量部、金属酸化物被覆雲母マスターバッチ(ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分)60wt%、メルク社製金属酸化物被覆雲母 Iriodin22340wt%、粒度10〜60μm)を6重量部とした以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系ポリプロピレン樹脂系空洞含有フィルムを得た。本フイルムは加熱・加温してもパール光沢感が良好であった。フイルムの特性値を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、融点=158℃)75重量部とした以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系ポリプロピレン樹脂系空洞含有フィルムを得た。本フイルムは加熱・加温してもコントラストが得られなかった。フイルムの特性値を表1に示す。
Claims (3)
- ポリプロピレン系樹脂、ボイド発現剤および干渉性光沢発色顔料からなるポリプロピレン樹脂系空洞含有フィルムであって、前記フィルム中のボイド発現剤の含有量が5重量%以上、18重量%以下であること、及び前記フィルム中の干渉性光沢発色顔料の含有量が2重量%以上、20重量%以下であることを特徴とするポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルム。
- 請求項1記載のポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルムであって、前記干渉性光沢発色顔料が金属酸化物被覆雲母あるいは金属酸化物被覆板状シリカであることを特徴とするポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルム。
- 請求項1記載のポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルムであって、前記フィルム中のボイド含有率が20%以上、50%未満であることを特徴とするポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルム。
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JP2007217915A JP5239255B2 (ja) | 2007-08-24 | 2007-08-24 | ポリプロピレン樹脂系空洞含有フイルム |
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