以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。図1は、本実施の形態におけるコンテナ管理システムの構成図である。
図1において、本実施の形態におけるコンテナ管理システムは、廃棄物用のコンテナCを運搬する複数台のコンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4と、この車載装置4が無線で通信する通信ネットワーク5及びインターネット6を介して接続されるコンテナ管理センタ30に備えられたセンタ装置31とで構成されている。
上記コンテナCは、廃棄物回収用コンテナやリサイクル資源回収用コンテナであり、傾斜させることで内部の積載物を外部に排出可能な独立したコンテナである。このコンテナCとしては、上面が開放された開放式のものや、上面も閉じられた密閉式のもの等が用いられ、コンテナCを傾斜させたときに、コンテナCの内部の積載物が排出可能なように、後壁は開閉自在に構成されている。
図2は、このコンテナCを搭載した状態のコンテナ運搬車両1の外観図であり、図3は、コンテナ運搬車両1にコンテナCを搭載しない状態の概略的な外観図である。
図2で示すように、コンテナCの前壁上部には係合ピンC1が設けられていると共に、底面前部には支持脚C2が、底面後部には支持ローラC3がそれぞれ設けられている。
コンテナ運搬車両1には、荷役装置2が備えられており、この荷役装置2により、コンテナCに対するコンテナ操作を行うことができる。このコンテナ操作としては、積込、積降、チルトアップ及びチルトダウンが可能である。
この荷役装置2は、車体3の後端部に回動自在に枢結されたスウィングフレーム2Aと、スウィングフレーム2Aの前端部に回動自在に枢結された荷役フレーム2Bとを備えている。
荷役フレーム2Bは、コンテナCが搭載された状態(図2)において水平に配置されるアウタアーム21(図3)と、全体としてL字状に形成された伸縮アーム22とを備えている。
即ち、伸縮アーム22は、アウタアーム21内に挿入された水平部22aと、同状態において水平部22aの前端部から立設された垂直部22bとで略L字状に形成され、水平部22aが図示しない伸縮シリンダによりアウタアーム21に対して長手方向に伸縮自在に構成されている。垂直部22bには、その先端にコンテナCに設けられた係合ピンC1と係脱自在なフック23が設けられている。
アウタアーム21と車体3との間には、起伏シリンダ(図略)が連設されており、この起伏シリンダの伸縮動作によりアウタアーム21の後端部を中心にして前後方向に回動自在に構成されている。車体3の後端部には、コンテナCを当該車体3と地上との間で円滑に積降しするためのローラ25が設けられている。
この荷役装置2によるコンテナCの積降動作は、図2に示すようにコンテナCを搭載した状態で、前述の伸縮シリンダ(図略)により伸縮アーム22の水平部22a(図3)をアウタアーム21に対して縮退させ、車体3上のコンテナC(図2)を後方に所定長さスライドさせる。その後、前記起伏シリンダによりアウタアーム21を伸縮アーム22と共に上方に回動させてコンテナCを傾動させる。これにより、コンテナCを車体3上から地上に積降すことができる。上述の場合とは逆の動作により、地上のコンテナCを車体3上に積込むことができる。
一方、コンテナC内に積載された積載物の排出を行うチルトアップ動作は、コンテナCを車体3上に積込んだ状態で、図示しない固縛装置によりアウタアーム21とスウィングフレーム2Aとを一体的に固縛し、伸縮アーム22をアウタアーム21に対して縮退させることなく、スウィングフレーム2A、アウタアーム21、伸縮アーム22を全体的に上方に回動させてコンテナCを傾動させることにより、コンテナC内の積載物を開放した後壁から外部に排出することができる。上述の場合とは逆の動作により、チルトダウン動作を行うことができる。
なお、このコンテナ運搬車両1におけるコンテナCの積込、積降、チルトアップ及びチルトダウン動作に関するコンテナ操作は公知であるから、その詳しい説明を省略する。
コンテナCには、コンテナCの係合ピンC1が備えられている前壁の表面に、このコンテナCを識別するためのコンテナIDコードC4が表示されている。このコンテナIDコードC4が、前述のコンテナ識別子に相当する。
このコンテナIDコードC4が表示されている位置は、コンテナCがコンテナ運搬車両1に積載されているときに、後述する照明装置19で光照射して、デジタルカメラ12で写真撮影が可能な位置である。
図4は、このコンテナIDコードC4の一例を示したものである。
コンテナIDコードC4は、5桁の数字が上下2段に配列された数字コードで構成されており、この数字コードの周囲の4隅には、鉤カッコのマーク26が表示されている。この鉤カッコのマーク26は、このコンテナIDコードC4が存在する範囲を示すために表示されている。即ち、この鉤カッコのマーク26で囲まれるエリア内に、コンテナIDコードC4が存在していることを示している。
このコンテナIDコードC4が存在する範囲を示すためのマーク26としては、上記鉤カッコのマーク26には限られず、他のマークであってもよい。
図5は、他のマークとして、矩形状の枠26Aが用いられたコンテナIDコードC4の例を示したものである。
図5の例では、コンテナIDコードC4は、図4に示した例と同様、5桁の数字が上下2段に配列された数字コードで構成されており、この数字コードの周囲に矩形状の枠26Aが表示されている。即ち、この矩形状の枠26Aで囲まれるエリア内に、コンテナIDコードC4が存在していることを示している。
廃棄物回収用コンテナやリサイクル資源回収用コンテナにおいて、コンテナ本体の汚れや、表面の突起物、或いはコンテナに被せるシート等の影響で、後述するデジタルカメラ12により写真撮影されて得られる画像データには、屋外環境によるノイズが重畳されることがある。そのため、一般的に用いられている数字コードの先頭に設けられた開始マーカよりも、上記コンテナIDコードC4が存在する範囲を示すマーク26、26Aの方が、後述する電子画像データの解析では、好結果をもたらす。
上記コンテナIDコードC4において、コンテナIDコードC4の末尾2桁、即ち、下段の列の末尾2桁は、誤検出符号である。この誤検出符号は、コンテナIDコードC4を判読する際の誤訂正に用いられる。この誤検出の方法としては、サムチェック方式等が用いられる。
このように、開始マーカや誤検出符号を備えることにより、画像解析によるコンテナIDコードC4の抽出を正確に行うことができる。この誤検出符号が配置される位置は、コンテナIDコードC4の末尾には限られず、別の位置に配置されていてもよい。
上記コンテナIDコードC4としては、数字と文字、及び記号が用いられているが、数字のみ、若しくは文字のみを使用するようにしてもよい。又は、バーコード等を用いることもでき、或いはコンテナIDコードC4として、OCRフォント文字を用いると、目視で認識可能であるのみならず、後述する画像解析によりコンテナIDコードC4を抽出するのに、既成の技術が利用しやすい利点がある。
次に、上記コンテナ管理システムを構成する重要な要素であるコンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4と、コンテナ管理センタ30に備えられたセンタ装置31について説明する。
図6は、コンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4の構成を示すブロック図であり、図7は、コンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4における夜間照明手段の構成を示すブロック図であり、図8は、コンテナ管理センタ30に備えられたセンタ装置31の構成を示すブロック図である。
コンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4は、図6に示すように、CPU10、時計部11、デジタルカメラ12、無線通信用アダプタ13、GPS受信部14、EEPROM17、RAM18、照明装置19、及び遅延回路20で構成されている。この照明装置19は、前述の照明手段に相当する。
CPU10は、マイクロコンピュータ等で構成され、EEPROM17には、CPU10が処理を行うのに必要なOSやアプリケーションプログラム等のソフトウエアが保持されている。
EEPROM17及びRAM18には、車載装置4が備えられているコンテナ運搬車両1の車両番号を示す車両番号データが保持され、RAM18は、各種データ等の記憶に用いられる。
CPU10、EEPROM17、RAM18、及び無線通信アダプタ13は、これらを合わせた全体で、車載制御部21(前述の車載制御手段に相当)を構成する。
時計部11は、時計機能を備えており、時刻を出力する。この時計部11は、CPU10と接続されており、CPU10は、任意の時点における時刻を取得することができる。
デジタルカメラ12は、図2で示すコンテナ運搬車両1における運転席の後方の車体3に立設された支柱2aに装着されている。このデジタルカメラ12が装着されている位置は、図9で示すように、コンテナCがコンテナ運搬車両1に積載されているときに、照明装置19でコンテナCの前壁の表面に表示されているコンテナIDコードC4を光照射して、デジタルカメラ12で写真撮影が可能な位置である。即ち、デジタルカメラ12は、支柱2aの上部に水平方向後方へ突設された第1ブラケット2bの下方にレンズをコンテナIDコードC4に差し向けて固定されている。
このデジタルカメラ12は、CPU10と接続されており、CPU10からの写真撮影指示により、コンテナCの前壁の表面に表示されているコンテナIDコードC4の撮影を行い、電子画像データを出力する。このデジタルカメラ12は前述の写真撮影手段に相当する。
無線通信用アダプタ13は、CPU10と接続されており、CPU10の指示に基づいて、コンテナ管理センタに備えられたセンタ装置31と通信を行い、デジタルカメラ12が出力する電子画像データ等の各種データをセンタ装置31へ送信する機能を有している。
この機能を実現するため、無線通信用アダプタ13は、携帯電話やPHS等を用いる通信用のアダプタで構成されており、携帯電話通信網やPHS通信網、無線LAN通信網等の無線通信網5と接続される。
この無線通信網5はインターネット6に接続され、このインターネット6にはコンテナ管理センタ30のセンタ装置31が接続されており、この無線通信用アダプタ13を用いることにより、車載装置4は、コンテナ管理センタ30のセンタ装置31と通信することができる。
GPS受信部14は、コンテナ運搬車両1の所在位置を検出して車両位置データを出力する装置であり、このGPS受信部14が出力する車両位置データには、緯度及び経度とその他の情報が含まれている。GPS受信部14は、CPU10と接続されており、CPU10は、GPS受信部14が出力する車両位置データを取得することができる。
荷役装置制御部15は、荷役装置2を駆動制御するように接続されている。この荷役装置制御部15では、荷役装置2が動作している間、荷役装置2のコンテナ操作の種類である積込及び積降等の操作種類信号が出力される。この荷役装置制御部15は、CPU10とも接続されており、CPU10は、荷役装置制御部15が出力する操作種類信号のON時点やOFF時点を把握することができる。
荷役装置操作端末29は、荷役装置2を動作させるための操作端末であり、荷役装置制御部15と接続されている。この荷役装置操作端末29には、積込、積降、チルトアップ、及びチルトダウンのそれぞれに対応する図示省略のスイッチが設けられており、いずれかのスイッチがONされている間、それに対応して荷役装置2が動作される。
PTO装置24は、荷役装置2を動作させるための駆動力を図示省略の車両走行用エンジンから取り出す装置である。このPTO装置24は、図10で示すように、コンテナ運搬車両1における運転席1Aの前部に設置され、作業者の手動で押ボタン16Aを押すことによりON信号が出力されてON状態となる。また、作業者の手動で押ボタン16Bを押すことにより、OFF信号が出力されてOFF状態となる。
照明装置19は、図9で示すように、デジタルカメラ12が装着されている支柱2aに、第1ブラケット2bの上方に位置して水平方向後方へ突設された第2ブラケット2cの下方に固定されている。
照明装置19は、図12で示すように、合成樹脂製のベース19Aに固定されたプリント配線基板に発光素子としてのLED(図略)を複数個電気的に接続し、透光性のカバー19Bをねじ体19Cでベース19Aに固定して構成されている。カバー19Bは、光透過部に多数の微小な凹凸を形成することにより、図13で示すように、光照射部Dの輝度及び照度を低減して、淡い光を照射するように構成されている。
この照明装置19は、図9で示すように、第2ブラケット2cの下方から第1ブラケット2bの表面2dに光照射した場合、その照射光が薄明りとなって、間接的にコンテナIDコードC4を光照射することができる。
この照明装置19は、上記CPU10等から構成される車載制御部21と接続されている。
車載制御部21は、デジタルカメラ12のON―OFFタイミング及び照明装置19のON―OFFタイミングを制御するものである。
即ち、車載制御部21は、図7で示すように、PTO装置24のON―OFF動作に連動して照明装置19を点灯及び消灯させると共に、照明装置19の点灯時における所定時期にデジタルカメラ12を始動して写真撮影させ、これによって得られた画像データをセンタ装置31に送信する。
また、コンテナ運搬車両1には、スモールランプ及びヘッドランプ27と、これらを点灯または消灯させるイルミネイションスイッチ28が備わっているが、本実施形態では、このイルミネイションスイッチ28が上記車載制御部21と接続されている。
ここで、照明装置19が点灯されるのは夜間または屋内の暗い場所が適しているから、その点灯の判断は、図7で示すように、PTO装置24のON信号(PTO信号)またはコンテナ操作信号の他に、コンテナ運搬車両1のスモールランプ及びヘッドランプ27のイルミネイションスイッチ28に連動させて発生されるイルミネイション信号を車載制御部21が受けることにより、前記照明装置19を点灯させるのも好ましい。
これによれば、照明装置19は、夜間または屋内等の暗い場所においてのみ点灯され、昼間に(または明るい場所で)不用意に点灯されるおそれはない。
図11に示すように、車載制御部21は、PTO装置24のON信号が出力された時点t1と同時に照明装置19に点灯指令信号aを出力し、照明装置19が点灯されてから遅延回路20(図5)で決定される所定時間T1後(例えば0.5秒後)の時点t2において、デジタルカメラ12に撮影指令信号bを出力する。この後、PTO装置24がON状態の間は、照明装置19が点灯状態になる。
また、車載制御部21は、PTO装置24のOFF信号が出力された時点t5と同時にデジタルカメラ12に撮影指令信号cを出力し、デジタルカメラ12に撮影指令信号cが出力されてから遅延回路20(図5)で決定される所定時間T2後(例えば1秒後)の時点t6において、照明装置19に消灯信号を出力する。
上記時点t2から時点t5までの間では、荷役操作端末29の積込等所定の操作ボタン(図示省略)をONにした時点とOFFにした時点(例えば、t3、t4の時点)において、車載制御部21がデジタルカメラ12に撮影指令信号d、eを出力する。
これによれば、デジタルカメラ12に撮影指令信号b、c、d、eが出力される際には照明装置19が確実に点灯した状態にでき、夜間または屋内等の暗い場所においても確実にコンテナ識別を行うことができる。
次に、図8に示すように、コンテナ管理センタ30に備えられたセンタ装置31には、サーバやパソコンが用いられており、このセンタ装置31は、CPU32、メモリ33、キーボード34、マウス35、LCD36、プリンタ37、及びゲートウエイ38で構成されている。
CPU32は、マイクロコンピュータ等で構成され、メモリ33には、CPU32が処理を行うのに必要なOSやアプリケーションプログラム等のソフトウエアが保持されている。このソフトウエアには、電子画像データの解析用のプログラムも含まれている。メモリ33は、各種データを記憶するのにも用いられる。キーボード34やマウス35は、コンテナ管理センタ30において、コンテナ管理を行う際に、CPU32に対して必要な各種入力を行うのに用いられる。LCD36は、CPU32が処理した結果等を表示するのに用いられ、プリンタ37は、この結果等を印刷するのに用いられる。
ゲートウエイ38は、センタ装置31が、インターネット6と接続するために備えられており、ルータ等で構成されている。センタ装置31は、このゲートウエイ38を介して、コンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4と通信を行う。CPU32は、このゲートウエイ38と接続されており、コンテナ運搬車両1の車載装置4から送信される電子画像データ等の各種データを受信することができる。
次に、上記コンテナ管理システムの動作について説明する。
図14〜図16は、コンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4の動作を示したフローチャートである。
図17〜図19は、コンテナ管理センタ30に備えられたセンタ装置31の動作を示したフローチャートである。
図11、図14〜図19において、まず、作業現場において作業を開始する際、作業者は、コンテナ運搬車両1における運転席1Aに設置されたPTO操作スイッチ16の押ボタン16A(図10参照)を押して、PTO装置24をON状態とする。この際、CPU10へPTO信号が出力される(S1)。CPU10は、PTO装置24からのPTO信号を認識すると同時に、照明装置19に点灯指令信号を出力して点灯させる(S2)。照明装置19に点灯指令信号が出力されて、照明装置19が点灯されてから所定時間T1経過後(例えば0.5秒経過後)、CPU10は、デジタルカメラ12に撮影指令信号bを出力する(S3)。
そして、CPU10は、デジタルカメラ12から出力される電子画像データを取得する。さらに、PTO信号のON時点における時刻である作業開始時刻を示す作業開始時刻データを、時計部11から取得すると共に、PTO信号のON時点におけるコンテナ運搬車両1が存在している位置を示す車両位置データを、GPS受信部14から取得する(S4)。そして、EEPROM17又はRAM18に保持されているコンテナ運搬車両1の車両番号データ、上記電子画像データ、作業開始時刻データ、車両位置データ、及びPTO操作データを合わせて、作業開始報告データを作成し、この作業開始報告データを、RAM18に記憶すると共に、無線通信用アダプタ13を介してコンテナ管理センタ30のセンタ装置31へ送信する(S5)。
図17において、コンテナ管理センタ30では、センタ装置31のCPU32が、ゲートウエイ38を介して作業開始報告データを受信すると共に(S22)、この作業開始報告データをメモリ33に記憶する(S23)。
ここで、作業開始報告データ(後述の操作開始報告データ、操作終了報告データ、作業終了報告データも同様)に含まれる電子画像データがセンタ装置31により解析されて、コンテナCのコンテナIDコードC4が抽出されるが、この電子画像データを含む報告データがメモリ33に記憶されるので、電子画像データのノイズ等で、たとえ電子画像データの解析が適切に行えなかったとしても、メモリ33に記憶されている電子画像データから得られる画像を、人が目視することにより、コンテナIDコードC4を判読することができる。
次に、図14に戻って、作業者は、荷役装置操作端末29により荷役装置2の操作を開始する。荷役装置操作端末29のいずれかのスイッチがON操作されると、荷役装置制御部15により荷役装置2が駆動されて、積込、積降、チルトアップ、及びチルトダウンのいずれかを示す操作種類信号がCPU10へ出力される(S6)。コンテナ運搬車両1に備えられた車載装置4のCPU10は、この操作種類信号に対応した操作種類データを作成する(S7)。
図15において、CPU10は、荷役装置制御部15からのONの操作種類信号を認識すると同時に、デジタルカメラ12に撮影指令信号を出力する(S8)。
そして、CPU10は、デジタルカメラ12から出力される電子画像データを取得する。さらに、CPU10は、操作種類信号のON時点における時刻である操作開始時刻を示す操作開始時刻データを、時計部11から取得すると共に、操作種類信号のON時点におけるコンテナ運搬車両1が存在している位置を示す車両位置データを、GPS受信部14から取得する(S9)。そして、EEPROM17又はRAM18に保持されているコンテナ運搬車両1の車両番号データと、上記電子画像データ、操作開始時刻データ、車両位置データ、及び操作種類データを合わせて、操作開始報告データを作成し、この操作開始報告データを、RAM18に記憶すると共に、無線通信用アダプタ13を介してコンテナ管理センタ30のセンタ装置31へ送信する(S10)。
図17において、コンテナ管理センタ30では、センタ装置31のCPU32が、ゲートウエイ38を介して操作開始報告データを受信すると共に(S24)、この操作開始報告データをメモリ33に記憶する(S25)。
次に、図15に戻って、作業者は、荷役装置操作端末29のスイッチをOFF操作する。すると操作種類信号がOFFとなる(S11)。CPU10は、操作種類信号がOFFになったことを認識すると同時に、デジタルカメラ12に撮影指令信号を出力する(S12)。
そして、CPU10は、デジタルカメラ12から出力される電子画像データを取得する。さらに、操作種類信号のOFF時点における時刻である操作終了時刻を示す操作終了時刻データを、時計部11から取得すると共に、操作種類信号のOFF時点におけるコンテナ運搬車両1が存在している位置を示す車両位置データを、GPS受信部14から取得する(S13)。そして、上記車両番号データ、上記電子画像データ、上記操作終了時刻データ、車両位置データ、及び操作種類データを合わせて、操作終了報告データを作成する(S13)。この操作終了報告データを、RAM18に記憶すると共に、無線通信用アダプタ13からコンテナ管理センタ30のセンタ装置31へ送信する(S14)。
図17において、コンテナ管理センタ30では、センタ装置31のCPU32が、ゲートウエイ38を介して操作終了報告データを受信すると共に(S26)、この操作終了報告データをメモリ33に記憶する(S27)。
上述のように、荷役装置操作端末29に設けられた積込、積降、チルトアップ、及びチルトダウンのいずれかのスイッチをONすると、操作の開始となり、そのスイッチをOFFすると、操作の終了となる。作業現場では、PTO装置24をONにしたまま、荷役装置2の操作の開始、終了を連続して複数回行うことがある。つまり、操作終了報告データが作成されても、その後、PTO装置24がOFFにならずに、再び操作種類信号がONされることもあり、その場合、図14及び図15のS7に戻って、再びS7〜S14の処理が繰り返される(S15、S16)。
次に、作業現場における一連の作業が終了すると、作業者は、コンテナ運搬車両1における運転席1Aに設置されたPTO操作スイッチ16の押ボタン16B(図10参照)を押して、PTO装置24をOFF状態とする。この際、CPU10へOFF信号が出力される(S15)。CPU10は、PTO装置24からのOFF信号を認識すると同時に、デジタルカメラ12に撮影指令信号cを出力する(S17)。デジタルカメラ12に撮影指令信号cが出力されて、デジタルカメラ12により写真撮影されてから所定時間T2経過後(例えば1秒後)、図16において、CPU10は、照明装置19に消灯指令信号を出力して消灯させる(S18)。
そして、CPU10は、デジタルカメラ12から出力される電子画像データを取得する。さらに、PTO信号のOFF時点における時刻である作業終了時刻を示す作業終了時刻データを、時計部11から取得すると共に、PTO信号のOFF時点におけるコンテナ運搬車両1が存在している位置を示す車両位置データを、GPS受信部14から取得する(S19)。そして、EEPROM17又はRAM18に保持されているコンテナ運搬車両1の車両番号データと、上記電子画像データ、作業終了時刻データ、車両位置データ、及びPTO操作データを合わせて、作業終了報告データを作成し、この作業終了報告データを、RAM18に記憶すると共に、無線通信用アダプタ13を介してコンテナ管理センタ30のセンタ装置31へ送信する(S20)。
図18において、コンテナ管理センタ30では、センタ装置31のCPU32が、ゲートウエイ38を介して作業終了報告データを受信すると共に(S31)、この作業終了報告データをメモリ33に記憶する(S33)。
図16において、CPU10は、コンテナ運搬車両1の車両運行が終了していない限り(S21)、図14のS1に戻って、上記の処理を繰り返す。コンテナ運搬車両1の車両運行が終了すると(S21)、車載装置4は、処理を終了する。
一方、図17〜図19において、コンテナ管理センタ30のセンタ装置31では、CPU10を介して車載装置4から送信され、メモリ33に記憶されている、作業開始報告データ、操作開始報告データ、操作終了報告データ、及び作業終了報告データを用いて、次の処理を行う。
まず、図18において、操作開始報告データに含まれている操作開始時刻と、操作終了報告データに含まれている操作終了時刻とを比較し、その差が所定時間より短いか否かをチェックする(S28)。この所定時間は、メモリ33に予め記憶されている。その差が所定時間より短い場合は、即ち、前述した操作終了報告データに含まれている操作終了時刻が、操作開始報告データに含まれている操作開始時刻から、予め設定された所定時間が経過する前の時刻である場合に相当するが、この場合は、操作開始報告データ及び操作終了報告データ、即ち、図17のS25、S27で記憶された報告データを、図18において、全て無効とする(S30)。そうでなければ、無効とはしない(S29)。
ここで、上述のように、作業現場では、荷役装置2の操作の開始、終了を連続して複数回行うことがある。従って、操作終了報告データを受信しても、その後、作業終了報告データが受信されずに再び操作開始報告データが受信されることもある。その場合、図17のS25に戻って、再び図17及び図18のS25〜S30の処理が繰り返される(S31、S32)。
一方、操作終了報告データを受信後、作業終了報告データが受信されれば(S31)、作業終了報告データが記憶されることとなる(S33)。
図19において、作業終了報告データが記憶された後、図17のS25、S27で記憶された報告データの中で無効でないものが存在するか否かをチェックし(S34)、存在すれば(S35)、その報告データに含まれる電子画像データを解析して、この電子画像データに含まれるコンテナ運搬車両1に積載されているコンテナCのコンテナIDコードC4を抽出する(S36)。この解析には、センタ装置31のメモリ33に保持されているソフトウエアに含まれる電子画像データの解析用のプログラムが用いられる。この抽出されたコンテナIDコードC4により、コンテナ識別を行うことができる。
電子画像データからコンテナIDコードC4が抽出されると(S36)、このコンテナIDコードC4と、このコンテナIDコードC4が抽出された電子画像データが含まれている報告データ(作業開始報告データ、操作開始報告データ、操作終了報告データ、及び作業終了報告データ)に含まれている車両番号データ、撮影時刻データ、車両位置データ、操作種類データ、及びPTO操作データとで、コンテナ運搬車両1のコンテナ運搬履歴データを作成する(S37)。
コンテナ管理センタにおける業務が終了していない限り(S38)、S22に戻って、上記の処理を繰り返す。コンテナ管理センタ30の業務が終了すると、センタ装置31は、処理を終了する(S38)。
上記コンテナ管理システムによれば、荷役装置2を備えたコンテナ運搬車両1において、上述したように、PTO装置24のON―OFF動作、コンテナの積込、積降等の動作が行われると、その動作毎に、当該動作がなされたコンテナCの前壁に備えられているコンテナIDコードC4が写真撮影される。この写真撮影により得られた電子画像データが、コンテナ運搬車両1に備えられている車載装置4により、コンテナ運搬車両1の車両位置データ、写真撮影時の時刻データ、PTO操作データ、及びコンテナ操作の操作種類データと共に報告データ(作業開始報告データ、操作開始報告データ、操作終了報告データ、及び作業終了報告データ)として構成され、この報告データが通信ネットワーク5,6を介してセンタ装置31に提供される。そして、センタ装置31に提供された報告データは、このセンタ装置31で記憶されると共に、報告データに含まれる電子画像データが解析されてコンテナ識別が行われる。
従って、コンテナ運搬車両1の荷役装置2がコンテナCを操作したときのコンテナ識別を自動的に行うことができる。又、コンテナ運搬車両1における荷役装置2によるコンテナ操作の履歴の記録を、人手に頼ることなく自動的に行うことができる。この報告データと共に上記コンテナ識別により、コンテナ管理を行うことができる。
また、このコンテナ管理システムによれば、運転席1Aの前面に設置されたPTO操作スイッチ16Aを作業者が操作することにより荷役装置に対する駆動力の供給がONされると、コンテナの表面に設けられた識別子を照明手段で光照射することができるために、昼間はもとより、例え夜間であっても、コンテナ識別子C4をデジタルカメラ12により写真撮影することが可能であり、コンテナ運搬車両1で運搬されるコンテナCを昼夜に亘って的確に管理することができる。
また、PTO操作スイッチ16は、作業現場において、コンテナCの積込操作及び積降操作やチルトアップ操作及びチルトダウン操作を行う前に必ず操作するものである。従って、PTO操作スイッチ16によるPTO装置16のON動作に連動して照明装置19を点灯させることにより、その後のコンテナCの積込動作等に合わせて写真撮影が行われる際には、確実にコンテナ識別子C4が照明装置19にて照射されている状態にできる。また、照明装置19が点灯されてから所定時間T1後にデジタルカメラ12に自動的に撮影信号が出力されるので、コンテナ積込動作等が行われる前の写真を、コンテナ識別子C4が照明装置19にて確実に照射されている状態で得ることができる。即ち、照明装置19の点灯及び写真撮影を忘れるおそれがない。
ところで、コンテナ識別子C4を照明装置19により直射光で照射すると、照度及び輝度が強過ぎて、その反射光でもって鮮明な撮影写真の画像データを得ることができない場合がある。その場合、前述のとおり、照明装置19は、コンテナ識別子C4を間接的に光照射することにより、デジタルカメラ12は、鮮明な撮影写真の画像データを得ることができる。
さらに、PTO装置16のOFF動作と同時にデジタルカメラ12に対し撮影指令信号を出力し、デジタルカメラ12による写真撮影の所定時間T2後に、照明装置19に消灯指令信号を出力する構成としたから、コンテナ積込動作等が行われた後の写真を、コンテナ識別子C4が照明装置19にて確実に照射されている状態で得ることができる。また、デジタルカメラ12に対する照明装置19の消灯を忘れるおそれがない。