JP6410896B1 - 生コンクリート量推定装置、生コンクリート量推定方法及びミキサ車 - Google Patents

生コンクリート量推定装置、生コンクリート量推定方法及びミキサ車 Download PDF

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Abstract

【課題】ミキサドラム内の生コンクリート量の推定精度を向上させる。【解決手段】生コンクリート量推定装置100,200は、カメラ20と、カメラ20が撮像した撮像画像60から露出領域61を抽出する画像処理部31と、画像処理部31が抽出した露出領域61に基づきミキサドラム2内の生コン量を推定する推定部32と、を備える。画像処理部31は、ミキサドラム2の底部に設けられる円錐状のカバー部材8をカメラ20の撮像方向に投影した投影円8c内の領域を、撮像画像60から露出領域61として抽出する。【選択図】図5

Description

本発明は、ミキサドラム内の生コンクリート量を推定する装置、これを備えたミキサ車、及び、ミキサドラム内の生コンクリート量を推定する方法に関するものである。
特許文献1には、モルタルやレディミクストコンクリート等のいわゆる生コンクリートを内容物として積載可能なミキサドラムを備えるミキサ車において、ミキサドラム内の生コンクリート量を推定する生コンクリート量推定装置が開示されている。この生コンクリート量推定装置では、ミキサドラム内を撮像した撮像画像において生コンクリートが占める面積やブレードが占める面積に基づいて生コンクリート量が推定される。
特開2016−68530号公報
しかしながら、特許文献1に記載の生コンクリート量推定装置では、撮像画像における生コンクリートの形状やブレードの形状は、複数の曲線が入り組んだ幾何学的に複雑な形状となる。このため、生コンクリートが占める領域やブレードが占める領域を識別することが難しく、領域の面積を演算する際に誤差が生じ、結果として、生コンクリート量の推定精度が低下するおそれがある。
また、幾何学的に複雑な形状を認識するには、撮像画像の画素数を高くし、領域を識別する処理能力を向上させることが考えられる。しかしながら、このような処理を行うには、解像度が高い撮像装置を用いるとともに、高い処理能力を有するマイクロコンピュータを用いる必要があるため、結果として、生コンクリート量推定装置の製造コストを上昇させるおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストを上昇させることなく、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定精度を向上させることを目的とする。
第1の発明は、ミキサドラム内を撮像可能な撮像部と、撮像部が撮像した撮像画像からミキサドラム内の生コンクリート量を推定するための推定領域を画像処理によって抽出する画像処理部と、画像処理部が抽出した推定領域に基づきミキサドラム内の生コンクリート量を推定する推定部と、を備え、画像処理部は、中心軸がミキサドラムの回転軸と同軸となるようにミキサドラムの底部に設けられる円錐状のカバー部材の円錐面を撮像部の撮像方向に投影した投影面内の領域を、撮像画像から推定領域として抽出することを特徴とする。
第1の発明では、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定が、円錐状のカバー部材の円錐面を撮像部の撮像方向に投影した投影面における推定領域に基づいて行われる。このように、第1の発明では、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定に用いられる推定領域として、幾何学的に単純な形状であり画像処理において認識されやすい円形の領域が採用される。このため、推定領域を識別する画像処理時に生じる誤差が低減されるとともに、比較的低い処理能力を有するマイクロコンピュータであっても十分に推定領域を識別することが可能である。
第2の発明は、推定領域の大きさとミキサドラム内の生コンクリート量との相関性を示すマップが記憶された記憶部をさらに備え、推定部は、マップを用いてミキサドラム内の生コンクリート量を推定することを特徴とする。
第2の発明では、推定領域の大きさとミキサドラム内の生コンクリート量との相関性を示すマップを用いてミキサドラム内の生コンクリート量が推定される。このように、円錐状のカバー部材の投影面における推定領域の大きさが演算されれば、予め設定されたマップを用いて容易に生コンクリート量を推定することができる。
第3の発明は、ミキサドラム内に投入された生コンクリート量が入力される入力部をさらに備え、マップは、入力部に生コンクリート量が入力されたときに撮像部により撮像された撮像画像から画像処理部により抽出された推定領域の大きさと、入力部に入力された生コンクリート量と、に基づき更新されることを特徴とする。
第3の発明では、マップは、入力された生コンクリート量と、生コンクリート量が入力された時の推定領域の大きさと、に基づき更新される。このように、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定に用いられるマップは、ミキサ車毎に更新可能である。このため、ミキサドラムの個体差に起因する推定量の誤差が低減され、結果として、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定精度を向上させることができる。
第4の発明は、ミキサドラム内に光を照射する光源部をさらに備えることを特徴とする。
第4の発明では、光源部によってミキサドラム内に光が照射される。このため、ミキサドラム内に明暗が生じ、推定領域を容易に識別することが可能となる。この結果、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定精度を向上させることができる。
第5の発明は、ミキサ車が第1から第4の発明の生コンクリート量推定装置を備えることを特徴とする。
第5の発明では、ミキサ車が、生コンクリート量推定装置を備える。このため、ミキサ車のミキサドラム内の生コンクリート量を低コストで精度よく把握することができる。
第6の発明は、撮像部により撮像されたミキサドラム内の撮像画像を取り込む取り込みステップと、取り込まれた撮像画像からミキサドラム内の生コンクリート量を推定するための推定領域を画像処理によって抽出する抽出ステップと、抽出された推定領域からミキサドラム内の生コンクリート量を推定する推定ステップと、を含み、抽出ステップでは、中心軸がミキサドラムの回転軸と同軸となるようにミキサドラムの底部に設けられる円錐状のカバー部材の円錐面を撮像部の撮像方向に投影した投影面内の領域が、撮像画像から推定領域として抽出されることを特徴とする。
第6の発明では、抽出ステップにおいて、円錐状のカバー部材の円錐面を撮像部の撮像方向に投影した投影面内の領域が推定領域として抽出される。このように、第6の発明では、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定に用いられる推定領域として、幾何学的に単純な形状であり画像処理において認識されやすい円形の領域が採用される。このため、推定領域を識別する画像処理時に生じる誤差が低減されるとともに、比較的低い処理能力を有するマイクロコンピュータであっても十分に推定領域を識別することが可能である。
本発明によれば、製造コストを上昇させることなく、ミキサドラム内の生コンクリート量の推定精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置を搭載したミキサ車の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置を搭載したミキサ車のミキサドラムを部分的に拡大して示した図である。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置を搭載したミキサ車のホッパー部分を拡大した図である。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置の撮像部がミキサドラム内を撮像した撮像画像を示す図である。 推定領域の面積と生コンクリート量との関係を表すマップである。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置において生コンクリート量を推定する際のフローチャートである。 推定領域の面積と生コンクリート量との関係を表すマップの更新方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置の撮像部がミキサドラム内を撮像した撮像画像を示す図である。 スランプ値に応じた推定領域の面積と生コンクリート量との関係を表すマップである。 本発明の第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置を利用した生コンクリート配送システムの概念図である。 本発明の第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置が適用されるミキサ車の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置及び生コンクリート量推定装置の撮像部がミキサドラム内を撮像した撮像画像を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る生コンクリート量推定装置について説明する。
<第1実施形態>
まず、図1を参照して、生コンクリート量推定装置100を備えるミキサ車10の全体構成について説明する。
ミキサ車10は、ミキサドラム2内に投入されたモルタルやレディミクストコンクリート等のいわゆる生コンクリート(以下、「生コン」と称する。)を運搬する車両である。以下の説明では、ミキサ車10が積載物として生コンを積載する場合について説明する。
図1に示すように、ミキサ車10は、車両の前後方向に延びる架台1と、架台1上に回転自在に搭載されるミキサドラム2と、ミキサドラム2を回転駆動するドラム駆動装置7と、外部から投入される生コンをミキサドラム2内へと導くホッパー4と、ミキサドラム2から排出される生コンを所定位置に誘導するシュート5と、を備える。
ミキサドラム2は、回転軸C1を中心として回転する円筒状容器であり、車両後方側の後端部には生コンの投入と排出とが行われる開口部2aが設けられ、車両前方側の前端部には回転軸C1に沿って外部に向かって延在する駆動軸9が設けられる。ミキサドラム2は、開口部2aが設けられる後端部側が前端部側よりも上方に持ち上げられた状態で架台1に支持される。
ミキサドラム2の駆動軸9は、ドラム駆動装置7内に設けられる油圧モータ(図示省略)にギアボックス(図示省略)を介して連結される。このため、ミキサドラム2は、油圧モータによって正回転方向又は逆回転方向に回転駆動される。なお、ミキサドラム2の駆動軸9は、ギアボックスを介してミキサ車10の走行用エンジン(図示省略)に連結されてもよく、この場合、ミキサドラム2は走行用エンジンによって回転駆動される。
ミキサドラム2内には、一対のブレード3a,3bがミキサドラム2の内壁面に沿って螺旋状に配設されている。一対のブレード3a,3bがミキサドラム2とともに回転することによって、ミキサドラム2内に投入された生コンの攪拌等が行われる。
また、ミキサドラム2の前端部の内側である底部には、図2に示すように、駆動軸9の端部を覆うように円錐状のカバー部材8が設けられる。カバー部材8は、その頂部8aがミキサドラム2内に向かって突出するとともに、その中心軸C2がミキサドラム2の回転軸C1と同軸となるようにミキサドラム2の内壁面に固定される。なお、カバー部材8の中心軸C2とミキサドラム2の回転軸C1とは、厳密に一致している必要はなく、これらは互いにわずかにずれていてもよい。また、カバー部材8の円錐面8bの傾きは頂部8aに向かって一定である必要はなく、頂部8aに向かって徐々に緩やかになっていてもよい。つまり、カバー部材8の頂部8aは尖っている必要はなく、丸みを帯びた形状となっていてもよい。
ホッパー4は、ミキサ車10の上方から投入される生コンをミキサドラム2内へと導くためにミキサドラム2の開口部2aの上方に配置される。ホッパー4の上部には、ホッパー4の開口を覆うホッパーカバー6がヒンジ6aを介して回動自在に設けられる。一方で、ミキサドラム2の開口部2aの下方には、ミキサドラム2から排出される生コンを所定位置に誘導するために、シュート5が配置される。
上記構成のミキサ車10において、ミキサドラム2が車両後方から見て左回転である正回転方向に回転駆動されると、ブレード3a,3bは、ミキサドラム2内の生コンを攪拌しながらミキサドラム2の前方へと移動させる。一方、ミキサドラム2が逆回転方向に回転駆動されると、ブレード3a,3bは、生コンを攪拌しながらミキサドラム2の後方へと移動させる。このようにミキサドラム2を逆回転させることで、ミキサドラム2の開口部2aから生コンを排出させることができる。ミキサドラム2の開口部2aから排出された生コンは、シュート5を介して所定位置に誘導される。
また、ホッパー4を介してミキサドラム2内に生コンが投入される際には、攪拌時よりもミキサドラム2を高速で正回転させて、投入された生コンを速やかにミキサドラム2の前方へと移動させる。なお、車両後方から見て右方向への回転が正回転方向となるようにブレード3a,3bを配置してもよい。
次に、ミキサドラム2内の生コン量を推定する生コンクリート量推定装置100について説明する。
図3に示すように、生コンクリート量推定装置100は、ミキサドラム2内を撮像可能な撮像部としてのカメラ20と、カメラ20が撮像した撮像画像60から生コン量を推定するコントローラ30と、コントローラ30が推定した生コン量を表示する表示部40と、ミキサドラム2内に投入された生コン量を入力する入力部50と、を備える。
カメラ20は、図4に示すように、ホッパーカバー6がホッパー4の開口を閉じた状態においてホッパー4内に収容されるように、支持部材21を介してホッパーカバー6に取り付けられる。つまり、カメラ20は、ホッパーカバー6がホッパー4の開口を閉じた状態において、ミキサドラム2の開口部2aを通じてミキサドラム2の内部を撮像することが可能となる。このため、ホッパーカバー6の開閉を検知する図示しない開閉検知センサを設けることで、カメラ20が撮像可能な状態にあるか否かが検知される。
このようにホッパーカバー6に設けられたカメラ20によって、図5に示すようなミキサドラム2内の撮像画像60が撮像される。カメラ20によって撮像された撮像画像60は、有線又は無線の通信手段によって、コントローラ30へ送信される。なお、カメラ20で撮像される撮像画像60は、静止画であってもよいし、動画の中から抜き出された一つのフレームを静止画としたものであってもよい。
また、カメラ20の近くには、光を照射する光源部としての光源22が設けられる。光源22は、カメラ20と共にホッパーカバー6に取り付けられ、開口部2aを通じてミキサドラム2内に光を照射する。このため、ミキサドラム2内に明暗が生じ、生コンの表面やミキサドラム2の内壁面、ミキサドラム2の底部に設けられたカバー部材8を視認することができる。特に、光源22側から見るとカバー部材8の円錐面8bは傾いており、光源22からカバー部材8へ照射された光は正反射することがないため、カバー部材8は周囲と比較し暗部となる。光源22としては、例えばLEDライトなどを使用することができる。なお、光源22はカメラ20と一体化されていてもよい。
コントローラ30は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成され、運転席等の浸水のおそれが低い箇所に配置される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。コントローラ30は、複数のマイクロコンピュータで構成されていてもよい。
コントローラ30は、図3に示すように、生コン量を推定するための推定領域をカメラ20が撮像した撮像画像60から画像処理によって抽出する画像処理部31と、画像処理部31が抽出した推定領域からミキサドラム2内の生コン量を推定する推定部32と、生コン量を推定するためのマップ等の情報を記憶する記憶部としての情報記憶部33と、情報記憶部33に記憶されるマップ等の情報を作成及び更新する作成更新部34と、を有する。なお、画像処理部31,推定部32,情報記憶部33及び作成更新部34は、コントローラ30の各機能を、仮想的なユニットとして示したものであり、物理的に存在することを意味するものではない。
画像処理部31は、回転軸C1方向とほぼ一致するカメラ20の撮像方向にカバー部材8の円錐面8bを投影した投影面である投影円8c内の領域のうち生コン表面62から露出している露出領域61を推定領域として撮像画像60から抽出する。
ここで、生コン表面62から露出するカバー部材8の円錐面8bは、上述のように、光源22からの光を正反射しないため、カバー部材8の円錐面8bを投影した投影面である投影円8cは撮像画像60において比較的暗部となる。一方で、生コン表面62は乱反射が生じることによって撮像画像60において比較的明部となる。また、カバー部材8がミキサドラム2の内面に接合される部分には、わずかながら光源22の照射方向に対して直交する面が形成されるため、投影円8cの周囲には撮像画像60において明部となる部分が生じる。
このため、画像処理部31では、撮像画像60を輝度によって二値化処理することで、投影円8cのうち生コン表面62から露出した露出領域61を暗部として抽出することが可能である。具体的には、図5に示される撮像画像60では、投影円8cの外縁の一部である円弧状の露出外縁8dを含む暗部が露出領域61として画像処理部31により抽出される。なお、カバー部材8が生コン表面62から完全に露出している場合には、露出外縁8dは円弧状ではなく円形状となるため、露出外縁8dを含む露出領域61は画像処理部31により略円形状の領域として抽出される。
また、カバー部材8の頂部8aが生コン表面62から露出している場合、頂部8a付近は光源22からの光を正反射し、露出領域61に含まれるにも関わらず明部となる。このため、画像処理部31は、露出外縁8dと生コン表面62とに囲まれる領域、すなわち、露出領域61である可能性が高い領域内に明部がある場合、この部分を暗部に置き換えて処理する。
推定部32は、画像処理部31が抽出した露出領域61の撮像画像60における面積を演算するとともに、情報記憶部33に格納されたマップを用いて、演算された露出領域61の面積に相当するミキサドラム2内の生コンの量を求める。このように、推定部32では、画像処理部31が抽出した露出領域61に基づきミキサドラム2内の生コン量が推定される。
情報記憶部33には、図6に示されるような、露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップが格納される。図6のマップによれば、露出領域61の面積が小さいほどミキサドラム2内の生コンの量は多く、露出領域61の面積が大きいほどミキサドラム2内の生コンの量は少なくなる。情報記憶部33には、この他にも、画像処理部31において二値化された画像等が記憶される。
作成更新部34は、情報記憶部33に記憶される露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップを後述の作成方法によって作成するとともに、後述の更新方法によって更新する機能を有する。
表示部40は、運転席等に設けられたモニタであり、コントローラ30の推定部32で推定された生コン量を表示する。推定部32で推定された生コン量は、有線又は無線の通信手段によって表示部40に送信され、作業者は、表示部40を介してミキサドラム2内の生コン量を確認することができる。
入力部50は、作業者が生コン量や生コンのスランプ値といった生コンの情報を入力する端末であり、表示部40とともに運転席等に設けられる。入力部50を介して入力された生コン量等の情報は、有線又は無線の通信手段によってコントローラ30に送信される。特に入力された生コン量は、作成更新部34において露出領域61の面積と生コン量との相関性を示すマップを作成または更新する際に用いられる。なお、入力部50への生コン量等の入力は、ミキサドラム2内に投入された生コンの情報が既知である場合、例えば、コンクリート工場においてミキサ車10に投入される生コン量が正確に測定される場合などに行われる。
次に、図7を参照して、生コンクリート量推定装置100の生コン量推定方法について説明する。
まず、ステップS11において、カメラ20により撮像された撮像画像60がコントローラ30に取り込まれる。カメラ20がホッパー4内に収容された状態、すなわち、ホッパー4の開口がホッパーカバー6により閉じられた状態であることが開閉検知センサにより検知されると、カメラ20による撮像が行われる。カメラ20により撮像が行われるタイミングとしては、ホッパーカバー6が閉じられたことが開閉検知センサにより検知されたタイミングであってもよいし、ホッパーカバー6が閉じられた状態において、さらに図示しない撮像開始スイッチ等が作業者により操作されたタイミングであってもよい。
次に、ステップS12では、取り込まれた撮像画像60において生コン表面62から露出する露出領域61が推定領域として画像処理部31により抽出される。抽出された露出領域61に関するデータは、情報記憶部33に記録されるとともに、推定部に32に送られる。
続くステップS13では、推定部32によって、画像処理部31が抽出した露出領域61の撮像画像60における面積が演算される。さらに、このステップでは、情報記憶部33に格納された露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップが推定部32に読み込まれ、演算された露出領域61の面積に相当するミキサドラム2内の生コンの量がこのマップを用いて求められる。
ここで、ミキサドラム2内の生コン量の推定に用いられる露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップの作成について説明する。このマップは、作成更新部34によって予め作成される。
まず、図示しない初期設定スイッチが作業者により操作されると、コントローラ30は、露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップを作成する状態となる。
続いて、カバー部材8が生コン表面62から完全に露出した状態が維持される範囲で、または、カバー部材8の極一部が生コンに覆われる程度にミキサドラム2内に生コンを投入したときの生コン量が入力部50を介して作業者により入力される。
コントローラ30は、入力部50を介して生コン量が入力されると、カメラ20によりミキサドラム2内を撮像させ、画像処理部31により撮像された撮像画像60から露出領域61を抽出するとともに、推定部32によって露出領域61の撮像画像60における面積を演算させる。
このときの露出領域61の面積は、ほぼ最大の大きさとなることから、入力された生コン量と露出領域61の面積とから、図6に示される最大面積点P1が設定される。
最大面積点P1が設定されると、続いて、最小面積点P2の設定が行われる。
最小面積点P2の設定では、カバー部材8が生コンに完全に覆われるように、または、カバー部材8の極一部が生コン表面62から露出する程度にミキサドラム2内に生コンを投入したときの生コン量が入力部50を介して作業者により入力される。
この場合もコントローラ30は、入力部50を介して生コン量が入力されると、カメラ20によりミキサドラム2内を撮像させ、画像処理部31により撮像された撮像画像60から露出領域61を抽出するとともに、推定部32によって露出領域61の撮像画像60における面積を演算させる。
このときの露出領域61の面積は、ほぼ最小の大きさとなることから、入力された生コン量と露出領域61の面積とから、図6に示される最小面積点P2が設定される。
このように、最大面積点P1と最小面積点P2とが設定されると、作成更新部34は、二点間を補間し、図6に示されるようなマップを作成する。作成されたマップは、情報記憶部33に格納される。
マップの作成は、ミキサ車10ごとに行われてもよいし、同じ型式のミキサドラム2を有するミキサ車10のうちの1台において行い、マップを流用してもよい。また、最大面積点P1と最小面積点P2との2点ではなく、3点以上の複数点において露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量と相関性を演算することによってより精度の高いマップを作成してもよい。
このように作成されたマップを用いることで、ステップS13において演算された露出領域61の面積が、例えば、演算面積S1であった場合、推定部32では、図6に示すように、演算面積S1相当する推定生コン量V1をマップから読み取り、推定生コン量V1をミキサドラム2内の生コンの量として推定する。推定部32で推定された推定生コン量V1は、表示部40にミキサドラム2内の生コンの残量として表示される。
続いて、作成更新部34によるマップの更新について説明する。
例えば、他のミキサ車10で設定されたマップを流用した場合には、ミキサドラム2の個体差により推定される生コンの量に誤差が生じるおそれがある。また、最大面積点P1と最小面積点P2との2点のみでマップを作成した場合、これらの中間点において推定される生コンの量に誤差が生じるおそれがある。このような誤差を低減するため、ミキサドラム2内に投入された生コン量が正確に把握できる場合、例えば、コンクリート工場においてミキサ車10に投入される生コン量が正確に測定される場合に、マップの更新が行われる。
具体的には、図示しないマップ更新スイッチが作業者により操作されると、コントローラ30は、露出領域61の面積とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップを更新する状態となる。
この状態において、ミキサドラム2内に投入された生コン量が入力部50を介して作業者により入力されると、コントローラ30は、カメラ20によりミキサドラム2内を撮像させ、画像処理部31により撮像された撮像画像60から露出領域61を抽出するとともに、推定部32によって露出領域61の撮像画像60における面積を演算させる。
演算された露出領域61の更新面積Srと、入力された計測生コン量Vrと、に基づき作成更新部34は、情報記憶部33に格納されたマップを更新する。具体的には、図8に示されるように、計測生コン量Vrに相当する露出領域61の面積を更新面積Srに変更し、最大面積点P1と最小面積点P2との間に更新点P3を設ける。そして、これらの間を補間して、図8に破線で示されるようにマップを更新する。更新されたマップは、情報記憶部33に格納され、それ以降の生コンの推定に用いられる。
このように、ミキサドラム2内に投入された生コン量が正確に把握できる場合にマップの更新を随時行うことで、ミキサドラム2内の生コン量の推定をより正確に行うことが可能となる。
なお、更新点P3としては、最大面積点P1と最小面積点P2との間に限定されず、最大面積点P1や最小面積点P2を更新するものであってもよい。また、計測生コン量Vrが、最大面積点P1に相当する生コン量よりも少ない場合、カバー部材8が生コン表面62から完全に露出した状態よりも生コン量が少ないおそれがあるため、マップの更新は行われない。同様に、計測生コン量Vrが、最小面積点P2に相当する生コン量よりも多い場合、カバー部材8が生コンに完全に覆われた状態よりも生コン量が多いおそれがあるため、マップの更新は行われない。
上述の生コンクリート量推定装置100による生コン量の推定は、ミキサドラム2の回転を停止させた状態で行うことが測定精度の観点からは好ましい。しかしながら、生コンの撹拌及び固化防止のためには、ミキサドラム2を回転させた状態で生コン量の推定を行うことが望ましい。
ここで、ミキサドラム2を回転させた場合、ミキサドラム2内の生コンはミキサドラム2の内周面に沿って持ち上げられ、この傾向は生コンのスランプ値が小さいほど顕著となる。このため、比較的スランプ値が小さい生コンが投入されたミキサドラム2を回転させた状態でカメラ20により撮像すると、図9に示されるように、撮像画像60中の生コンは、カバー部材8が設けられるミキサドラム2の中心側よりもミキサドラム2の内周面側に偏り、結果として露出領域61の面積が大きくなる。つまり、ミキサドラム2内の生コン量が同じ場合であっても生コンのスランプ値が小さいほど露出領域61の面積は大きくなる。反対に、生コンのスランプ値が大きいとミキサドラム2内の生コンはミキサドラム2の内周面に沿って持ち上げられにくくなる。このため、ミキサドラム2内の生コン量が同じ場合であっても生コンのスランプ値が大きいほど露出領域61の面積が小さくなる。
このようなスランプ値の違いによる露出領域61の面積の変化に対応するため、情報記憶部33には、図10に示されるように、スランプ値に応じたマップが格納される。図10において一点鎖線で示されるマップはスランプ値が比較的小さい場合であり、二点鎖線で示されるマップはスランプ値が比較的大きい場合である。
このようにスランプ値に応じて異なるマップを有することによって、演算面積S1が同じであってもスランプ値の違いによって推定される推定生コン量V11,V12が異なる。この結果、ミキサドラム2を回転させた状態で生コン量の推定が行われる場合であってもミキサドラム2内の生コン量の推定をより精度よく推定することができる。
なお、スランプ値に応じたマップをそれぞれ情報記憶部33に格納するのに代えて、スランプ値に応じた補正係数を情報記憶部33に格納してもよい。この場合、図10において実線で示される基準マップに基づいて推定された推定生コン量を、スランプ値に応じた補正係数によって補正することによりスランプ値に応じた推定生コン量が求められる。なお、演算に用いられるスランプ値は、入力部50を介して作業者により入力された値であってもよいし、他の手法により演算されたスランプ値であってもよい。
続いて、図11を参照し、生コンクリート量推定装置100を用いた生コンクリート配送システム110について説明する。
生コンクリート配送システム110は、上述の生コンクリート量推定装置100を備える複数のミキサ車10A〜10Cを用いて、ミキサ車10A〜10Cに生コンを投入する生コン工場120を起点として、複数の作業現場へ生コンを配送するシステムである。
生コン工場120には、各ミキサ車10A〜10Cの生コンクリート量推定装置100により推定された生コン推定量を受信する配送コントロール部122が設置されている。
配送コントロール部122は、予め入力された各作業現場における生コンの要求量と、各ミキサ車10A〜10Cから送信される生コン推定量と、に基づき、各作業現場での生コン量の過不足を判定し、生コンが足りないと判定された作業現場へ生コンが余っているミキサ車を向かわせる指示や、不足分の生コンが投入されたミキサ車を新たに作業現場へ向かわせる指示を行う。
具体的には、第1作業現場に生コンを配送した第1ミキサ車10Aから送信された生コン推定量が第1作業現場の要求量に満たないと判定された場合であって、第2作業現場に生コンを配送した第2ミキサ車10Bから送信された生コン推定量が第2作業現場の要求量よりも多く第1作業現場における不足分を充足可能と判定された場合には、第2ミキサ車10Bを第1作業現場へ向かわせる指示を行う。
しかしながら、生コン工場120において第2ミキサ車10Bに生コンが投入されてから第2ミキサ車10Bが第1作業現場で生コンを排出するまでの時間がJIS(日本工業規格)で規定された時間(90分)を超えることが予想される場合には、不足分の生コンが投入された第3ミキサ車10Cを第1作業現場へ向かわせる指示を行う。
このように、生コンクリート量推定装置100によって各ミキサ車10A〜10Cの生コン量が正確に把握されていれば、生コンを無駄なく各作業現場へと配送させることが可能となる。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
生コンクリート量推定装置100では、ミキサドラム2内の生コン量の推定が、円錐状のカバー部材8の円錐面8bをカメラ20の撮像方向に投影した投影円8cにおける露出領域61の大きさに基づいて行われる。このように、生コンクリート量推定装置100では、ミキサドラム2内の生コン量の推定に用いられる推定領域として、幾何学的に単純な形状であり画像処理において認識されやすい円形の領域が採用される。このため、推定領域を識別する画像処理時に生じる誤差が低減されるとともに、比較的低い処理能力を有するマイクロコンピュータであっても十分に推定領域を識別することが可能である。この結果、生コンクリート量推定装置100の製造コストを上昇させることなく、ミキサドラム2内の生コン量の推定精度を向上させることができる。
また、複数のミキサ車10のミキサドラム2内の生コン量を正確にすることにより、作業現場へ過不足なく効率的に生コンを配送することが可能となる。この結果、生コンの廃棄量が低減されるとともに、ミキサ車10の配送効率が向上することで、生コンの製造コスト及び配送コストを低減させることができる。
<第2実施形態>
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
上記第1実施形態では、撮像部は、ホッパーカバー6に取り付けられたカメラ20であった。これに対して、第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置200では、撮像部が携帯型端末210に内蔵されたカメラ20である点において、第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100と相違する。
携帯型端末210は、図13に示すように、背面に設けられた図示しないカメラ20と、カメラ20の撮像方向に光を照射する図示しない光源22と、内部に設けられた図示しないコントローラ30と、表示部40と入力部50とを兼ねる画面220と、を有する。携帯型端末210は、これらの機能を有するとともに、データ通信機能をさらに有する、いわゆるスマートフォンである。
携帯型端末210のカメラ20,光源22,コントローラ30,表示部40及び入力部50は、上記第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100のものと同様に作動するものであるため、その説明を省略する。なお、生コン量の推定やマップの作成及び更新を行うプログラムは、アプリケーションプログラムとして携帯型端末210に保存されている。また、携帯型端末210は、スマートフォンに限定されず、携帯電話やタブレット端末といった通信機能を有する種々の端末であってもよく、通信機能を有するカメラであってもよい。
携帯型端末210によってミキサドラム2の内部の撮像することにより、上記第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100と同様にして、撮像画像60からミキサドラム2内の生コン量を推定することができる。生コン量の推定結果は、携帯型端末210の画面220に表示されるとともに、生コン工場等へ送信される。また、携帯型端末210の画面220は、カメラ20のファインダを兼ねており、画面220には、カメラ20により撮像された撮像画像60が表示される。
ここで、携帯型端末210によるミキサドラム2の内部の撮像は、作業者によって行われる。このため、上記第1実施形態に係る生コンクリート量推定装置100のようにカメラ20が固定されている場合と比較し、撮像画像60に占めるカバー部材8、すなわち投影円8cの割合が撮像毎に変化してしまうおそれがある。このように、撮像画像60に占める投影円8cの割合が変化してしまうと、露出領域61の面積に基づき生コン量を推定することが困難となる。
このため、携帯型端末210によりミキサドラム2の内部を撮像する場合、画像処理部31によって露出外縁8dから投影円8cと露出領域61とを抽出し、推定部32によって露出領域61の面積を演算するとともに投影円8cの面積を演算する。推定部32は、投影円8cの面積に対する露出領域61の面積の割合である露出割合をさらに演算し、露出割合に相当するミキサドラム2内の生コンの量を求める。なお、この場合、情報記憶部33には、露出領域61の面積ではなく、上述の露出割合とミキサドラム2内の生コンの量との相関性を示すマップが予め格納される。
また、携帯型端末210のカメラ20によりミキサドラム2の内部を撮像する場合、撮像画像60に占める投影円8cの割合が小さすぎると、画像処理部31による露出領域61等の抽出が困難となる。このため、携帯型端末210のカメラ20により撮像する際には、携帯型端末210の画面220に、投影円8cに相当するガイド円222を表示し、撮像画像60に占める投影円8cの割合が所定の割合以上となるようにすることが好ましい。
以上の第2実施形態に係る生コンクリート量推定装置200によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、生コンクリート量推定装置200では、ミキサドラム2内の撮像からミキサドラム2内の生コン量の表示までのミキサドラム2内の生コン量の推定において必要な一連の工程が携帯型端末210により行われる。このように、生コンクリート量推定装置200では、カメラ20や表示部40等をミキサ車10に組み付けることなく、携帯型端末210だけでミキサドラム2内の生コン量を容易に把握することができる。
また、携帯型端末210は、外部への通信機能も有しているため、生コン工場等において、各ミキサ車10の生コン量及び位置を容易に把握することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、上述の異なる実施形態で説明した構成同士を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせることも可能である。
上記第1実施形態では、カメラ20は、ホッパーカバー6に設けられ、ホッパーカバー6がホッパー4を閉じた状態において、ホッパー4内に収容されるものである。カメラ20と生コンとの接触を防止するためには、カメラ20はホッパーカバー6の裏側に設けられることが好ましいが、ミキサドラム2内を撮像可能であれば、その他の場所に設けられてもよい。
また、上記各実施形態では、画像処理部31は、撮像画像60を二値化処理した結果から推定領域を抽出している。これに対し、画像処理部31は、撮像画像60と、生コンが投入される前の空の状態のミキサドラム2内を撮像した画像(以下、「基準画像」と称する。)と、を比較した結果から推定領域を抽出してもよい。
具体的には、二値化処理された撮像画像60と二値化処理された基準画像を比較して、2つの画像の差、特に投影円8c内の暗部の差を露出領域61として抽出することができる。基準画像は、予め空のミキサドラム2内を撮像し、情報記憶部33に格納しておけばよい。
また、上記各実施形態では、カメラ20が撮像した単一の撮像画像60から生コン量を推定している。これに対し、カメラ20により連続して撮像された複数の撮像画像60から生コン量を推定してもよい。例えば、複数の撮像画像60それぞれから推定された生コン量を平均して、この平均値を推定結果として表示部40に表示してもよい。また、複数の撮像画像60それぞれから算出された露出領域61の面積を平均して、平均した面積からマップを使用して生コン量を推定してもよい。このように、複数の撮像画像60から生コン量を推定することにより、生コン量推定の精度を向上させることができる。
また、上記各実施形態では、撮像画像60を輝度によって二値化処理して推定領域を抽出している。これに代えて、例えば明度によって二値化処理するなど、その他の画像処理方法によって撮像画像60から推定領域を抽出してもよい。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
生コンクリート量推定装置100,200は、ミキサドラム2内を撮像可能なカメラ20と、カメラ20が撮像した撮像画像60からミキサドラム2内の生コン量を推定するための露出領域61を画像処理によって抽出する画像処理部31と、画像処理部31が抽出した露出領域61に基づきミキサドラム2内の生コン量を推定する推定部32と、を備え、画像処理部31は、中心軸C2がミキサドラム2の回転軸C1と同軸となるようにミキサドラム2の底部に設けられる円錐状のカバー部材8の円錐面8bをカメラ20の撮像方向に投影した投影円8c内の領域を、撮像画像60から露出領域61として抽出する。
この構成では、ミキサドラム2内の生コン量の推定が、円錐状のカバー部材8の円錐面8bをカメラ20の撮像方向に投影した投影円8cにおける露出領域61の大きさに基づいて行われる。このように、生コンクリート量推定装置100では、ミキサドラム2内の生コン量の推定に用いられる推定領域として、幾何学的に単純な形状であり画像処理において認識されやすい円形の領域が採用される。このため、推定領域を識別する画像処理時に生じる誤差が低減されるとともに、比較的低い処理能力を有するマイクロコンピュータであっても十分に推定領域を識別することが可能である。この結果、生コンクリート量推定装置100の製造コストを上昇させることなく、ミキサドラム2内の生コン量の推定精度を向上させることができる。
生コンクリート量推定装置100,200は、露出領域61の大きさとミキサドラム2内の生コン量との相関性を示すマップが記憶された情報記憶部33をさらに備え、推定部32は、マップを用いてミキサドラム2内の生コン量を推定する。
この構成では、露出領域61の大きさとミキサドラム2内の生コン量との相関性を示すマップを用いてミキサドラム2内の生コン量が推定される。このように、投影円8cにおける露出領域61の大きさが演算されれば、予め設定されたマップを用いて容易に生コン量を推定することができる。
また、生コンクリート量推定装置100,200は、ミキサドラム2内に投入された生コン量が入力される入力部50をさらに備え、マップは、入力部50に生コン量が入力されたときにカメラ20により撮像された撮像画像60から画像処理部31により抽出された露出領域61の大きさと、入力部50に入力された生コン量と、に基づき更新される。
この構成では、露出領域61の大きさとミキサドラム2内の生コン量との相関性を示すマップは、入力された生コン量と、生コン量が入力された時の露出領域61の大きさと、に基づき更新される。このように、ミキサドラム2内の生コン量の推定に用いられるマップは、ミキサ車10毎に更新可能である。このため、ミキサドラム2の個体差に起因する誤差が低減され、結果として、ミキサドラム2内の生コン量の推定精度を向上させることができる。
また、生コンクリート量推定装置100,200は、ミキサドラム2内に光を照射する光源22をさらに備える。
この構成では、光源22によってミキサドラム2内に光が照射される。このため、ミキサドラム2内に明暗が生じ、露出領域61を容易に識別することが可能となる。この結果、ミキサドラム2内の生コン量の推定精度を向上させることができる。
また、ミキサ車10は、生コンクリート量推定装置100を備える。
この構成では、ミキサ車10が、上記構成の生コンクリート量推定装置100を備える。このため、ミキサ車10のミキサドラム2内の生コン量を低コストで精度よく容易に把握することができる。
また、生コンクリート量推定方法は、カメラ20により撮像されたミキサドラム2内の撮像画像60を取り込む取り込みステップS11と、取り込まれた撮像画像60からミキサドラム2内の生コン量を推定するための露出領域61を画像処理によって抽出する抽出ステップS12と、抽出された露出領域61からミキサドラム2内の生コン量を推定する推定ステップS13と、を含み、抽出ステップS12では、中心軸C2がミキサドラム2の回転軸C1と同軸となるようにミキサドラム2の底部に設けられる円錐状のカバー部材8の円錐面8bをカメラ20の撮像方向に投影した投影円8c内の領域が、撮像画像60から露出領域61として抽出される。
生コンクリート量推定方法の抽出ステップS12では、円錐状のカバー部材8の円錐面8bをカメラ20の撮像方向に投影した投影円8c内の領域が露出領域61として抽出される。このように、生コンクリート量推定方法では、ミキサドラム2内の生コン量の推定に用いられる推定領域として、幾何学的に単純な形状であり画像処理において認識されやすい円形の領域が採用される。このため、推定領域を識別する画像処理時に生じる誤差が低減されるとともに、比較的低い処理能力を有するマイクロコンピュータであっても十分に推定領域を識別することが可能である。この結果、高価な画像処理システム等を用いることなく、ミキサドラム2内の生コン量の推定精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100,200・・・生コンクリート量推定装置、2・・・ミキサドラム、8・・・カバー部材、8b・・・円錐面、8c・・・投影円(投影面)、10・・・ミキサ車、20・・・カメラ(撮像部)、22・・・光源(光源部)、31・・・画像処理部、32・・・推定部、33・・・情報記憶部、34・・・作成更新部、40・・・表示部、50・・・入力部、60・・・撮像画像、61・・・露出領域(推定領域)、C1・・・回転軸、C2・・・中心軸

Claims (6)

  1. ミキサ車に回転可能に搭載されるミキサドラム内の生コンクリート量を推定する生コンクリート量推定装置であって、
    前記ミキサドラム内を撮像可能な撮像部と、
    前記撮像部が撮像した撮像画像から前記ミキサドラム内の生コンクリート量を推定するための推定領域を画像処理によって抽出する画像処理部と、
    前記画像処理部が抽出した前記推定領域に基づき前記ミキサドラム内の生コンクリート量を推定する推定部と、を備え、
    前記画像処理部は、中心軸が前記ミキサドラムの回転軸と同軸となるように前記ミキサドラムの底部に設けられる円錐状のカバー部材の円錐面を前記撮像部の撮像方向に投影した投影面内の領域を、前記撮像画像から前記推定領域として抽出することを特徴とする生コンクリート量推定装置。
  2. 前記推定領域の大きさと前記ミキサドラム内の生コンクリート量との相関性を示すマップが記憶された記憶部をさらに備え、
    前記推定部は、前記マップを用いて前記ミキサドラム内の生コンクリート量を推定することを特徴とする請求項1に記載の生コンクリート量推定装置。
  3. 前記ミキサドラム内に投入された生コンクリート量が入力される入力部をさらに備え、
    前記マップは、前記入力部に生コンクリート量が入力されたときに前記撮像部により撮像された撮像画像から前記画像処理部により抽出された前記推定領域の大きさと、前記入力部に入力された生コンクリート量と、に基づき更新されることを特徴とする請求項2に記載の生コンクリート量推定装置。
  4. 前記ミキサドラム内に光を照射する光源部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の生コンクリート量推定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の生コンクリート量推定装置を備えることを特徴とするミキサ車。
  6. ミキサ車に回転可能に搭載されるミキサドラム内の生コンクリート量を推定する生コンクリート量推定方法であって、
    撮像部により撮像された前記ミキサドラム内の撮像画像を取り込む取り込みステップと、
    取り込まれた前記撮像画像から前記ミキサドラム内の生コンクリート量を推定するための推定領域を画像処理によって抽出する抽出ステップと、
    抽出された前記推定領域から前記ミキサドラム内の生コンクリート量を推定する推定ステップと、を含み、
    前記抽出ステップでは、中心軸が前記ミキサドラムの回転軸と同軸となるように前記ミキサドラムの底部に設けられる円錐状のカバー部材の円錐面を前記撮像部の撮像方向に投影した投影面内の領域が、前記撮像画像から前記推定領域として抽出されることを特徴とする生コンクリート量推定方法。
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