JP5237703B2 - 害虫忌避剤 - Google Patents

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この発明は、ゴキブリなどの不快害虫または衛生害虫などの害虫を忌避するための害虫忌避剤およびそれを用いた害虫忌避方法、並びに同害虫忌避剤を配合した害虫忌避性樹脂組成物に関するものである。
一般に、ヒトの生活環境には、ゴキブリの他、ダニ、アリ、チャタテムシ、タバコシバンムシなどのような不快害虫または衛生害虫と称される害虫類が生息している。
これらの害虫は、住居内の各所に生息し、特に食品や食器類の収納庫、衣類などの繊維製品、本などの紙製品その他の日用品が代表的な生息域であり、病原菌を拡散させ、糞や死骸が粉塵となって空気中に漂うことなどによるアレルギーの原因ともなり、また生息・活動域がヒトの生活域と重複するために不快であり、ゴキブリ等では家電品、特に電子部品などへの侵入や食害などにより被害を及ぼす場合もある。
このような不快害虫または衛生害虫などの害虫を駆除するため、周知の殺虫剤(有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系など)が使用されている。
また、上記したような害虫がヒトの生活環境に近づかないようにする対処法として、例えば害虫忌避剤が使用され、ディート(化学名:N,N-ジエチル−3−メチルベンズアミド)、安息香酸(特許文献1)、または二塩基酸エステル(特許文献2)などが知られている。
上記特許文献2には、二塩基酸エステルとして、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアミル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチルが開示されている。
特開平2−200603号公報 特開2007−230894号公報
しかし、上記した従来技術における殺虫剤を用いた害虫防除方法や忌避方法では、日常使用する防除対象物に殺虫成分を付着させるから、そのような殺虫成分に長期間曝されるヒトの健康が損なわれないかという安全性が懸念される。
また、従来の害虫忌避剤のうち、殺虫性はないディート(N,N-ジエチル−3−メチルベンズアミド)は、揮発性が高く、効果の持続性が充分でない。そのためにディートを樹脂や塗料に混入させて長期間作用を発揮させることは困難であった。さらにまた、近年ではディートの安全性に対して疑問を呈する研究報告もある。
また、公知の害虫忌避剤である二塩基酸エステルは、合成樹脂の可塑剤と類似した分子構造のエステル化合物であるが、エステル化されていない二塩基酸が偶発的に相溶化剤として使用された場合には害虫忌避性があるかどうかは公知でなく特許文献2にも記載がない。
因みに、エステル化された二塩基酸は、合成樹脂、特に極性基を有する合成樹脂中で均一に分散して保持されるが、そのような保持状態は比較的良く安定しているので、表面へ滲み出す速度が遅く、常温で害虫に忌避作用を発揮できるものではなかった。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、ヒトの健康上にも安全であり、かつ安定した害虫忌避作用が長時間持続して発揮される新規な害虫忌避剤とし、さらにそのような害虫忌避剤を樹脂や塗料に混入させて実用的に広い用途で使用可能であり、その際に害虫に忌避作用を発揮する表面への滲み出し速度が適当にあり、優れた忌避効果を長時間に亘って発揮できる害虫忌避性樹脂組成物とし、またそのような利点のある害虫忌避性樹脂組成物を用いて優れた害虫忌避方法を可能にすることである。
上記の課題を解決するため、本願の発明者らは鋭意検討し、その結果、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸からなる群から選ばれる一種以上のイタコン酸系化合物を有効成分として含有してなる害虫忌避剤を用いることにより上記課題を解決できることを見出したのである。
上記したように構成されるこの発明の害虫忌避剤は、所定のイタコン酸系化合物を有効成分として含有することにより、比較的安全性が高く、しかもゴキブリなどの害虫に対して忌避率の高い害虫忌避剤になる。
このような害虫忌避剤の製剤形態としては、簡易に施用しやすいものが好ましく、例えば液状であれば適当であり、また塗布剤または噴霧剤も好ましい。
有効濃度としては、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸からなる群から選ばれる一種以上のイタコン酸系化合物を0.1〜1.0g/m2の濃度で付着するよう対象物に塗布する害虫忌避方法を採用することが好ましい。
このような所定濃度未満の付着量では、多くの害虫の種類について忌避性が充分に得られなくなり、また所定濃度を超える高濃度の付着量とした場合には、それ以上に忌避性の改善が認められず、実用性の観点からみても好ましくないからである。
上記のような害虫忌避剤を樹脂に混合して汎用性のある製剤とするには、1種のみの単量体を重合させて得られる単独重合体、複数種類の単量体を重合させて得られる共重合体、または相溶化剤を含まない複数種類の重合体からなるポリマーブレンドを基材とし、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸からなる群から選ばれる一種以上のイタコン酸系化合物を害虫忌避性の有効成分として含有してなる害虫忌避性樹脂組成物とすることが好ましい。
このような所定のイタコン酸系化合物を含有する樹脂組成物は、イタコン酸系化合物が合成樹脂中で所要程度に均一に分散して保持され、害虫に忌避作用を発揮するように安定した適当な速度で表面へ滲み出すため、後述の実験結果からも明らかなように、他の不飽和二塩基酸に比べて忌避作用の持続性が高いものであり、単独重合体、共重合体、またはポリマーブレンドに混合して高い忌避率が持続的に得られる。
上記のような作用をより確実に発揮させるためには、害虫忌避成分が、0.1〜10重量%のイタコン酸系化合物である上記の害虫忌避性樹脂組成物とすることが好ましい。
害虫忌避成分の配合量が、上記の所定配合量未満の少量では、樹脂の表面への滲み出し量が少ないため、充分な忌避作用が得られ難く、上記の所定配合量を超える多量では、樹脂組成物の物理的強度が低下し、成型物として好ましいものが得られないからである。
この発明の害虫忌避剤は、所定の不飽和二塩基酸などのイタコン酸系化合物を有効成分として含有しているが、イタコン酸は食品添加物として使用できることからも明らかなようにヒトの健康上安全性の高い害虫忌避剤であって、比較的長時間の安定した害虫忌避作用が発揮される新規な害虫忌避剤またはこれを用いた害虫忌避方法になるという利点がある。
また、この発明の害虫忌避性樹脂組成物は、樹脂や塗料に混入させて使用することも可能であり、その際に害虫には忌避作用を発揮するような表面への適当な滲み出し速度があり、長時間に亘って優れた忌避効果を発揮でき、また汎用性のある樹脂製品の素材になるという利点がある。
この発明の害虫忌避剤に有効成分として用いるイタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸は、下記の順に化1〜化4に示される化学式に示されるものであり、これらはイタコン酸およびその誘導体からなるイタコン酸系化合物であるといえる。
イタコン酸は、麹菌(Aspergillus terreus)IFO6365等による澱粉または粗糖(サトウキビ培地など)発酵物より分離して得ることができるメチレンコハク酸とも別称される物質であり、例えば市販の磐田化学社製品を用いることができる。
Figure 0005237703
イタコン酸無水物(無水イタコン酸とも称される)は、クエン酸の蒸留などにより得られるものであり、これを水で加水処理すればイタコン酸になる。
Figure 0005237703
シトラコン酸無水物は、イタコン酸を加熱し、熱分解することにより得られるイタコン酸誘導体である。
Figure 0005237703
ポリイタコン酸としては、下記の化4に示される重合度n=100以下の化合物を使用することが好ましい。重合度n=100を超えると溶解させ難くなったり、溶融粘度が高くなったりし、取り扱いが難しくなるので好ましくない。
Figure 0005237703
上記のようなイタコン酸およびその誘導体は、一種以上を0.1〜1.0g/m2の濃度で付着するよう対象物に塗布することにより、害虫忌避剤を構成することができる。すなわち、その有効濃度は、対象物に0.1〜1.0g/m2の濃度で付着できる濃度であればよく、同濃度またはそれ以下の適当な濃度のものを塗り重ねればよいため、害虫忌避剤そのものの有効濃度の特定はあまり意味を持たない。
そして、害虫忌避剤の製剤形態は、例えば塗布剤または噴霧剤として施用が簡便であり、好ましい製剤形態であるといえる。
具体的には、エアゾール、水性剤、乳剤、油剤等にした形態で直接噴霧処理したり、カーペットや畳に含浸させたり、塗料に入れたり、樹脂に練り混んでフィルム等に成形するなど、家庭用噴霧剤、家電材料、食品包装材料等の様々な形態で用いることができる。
すなわち、上記のようなイタコン酸およびその誘導体は、水その他の溶剤に溶かし、塗布剤や塗料として用いることができる他に、固体担体、ゲル状担体、液体担体、ガス状担体等の担体に担持させたり、界面活性剤や塗膜成形剤等と混合させたりすることにより、乳剤、粉剤、油剤、エアゾール、塗布剤等に製剤化して用いることができる。また、樹脂に混練して製剤化して用いたりすることができる。
上記固体担体としては、ゼオライト、ベントナイト、珪藻土、活性炭、石川ライト、その他建築資材、農業資材に用いられる担体等が挙げられる。
液体担体としては、水、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類等が挙げられる。ゲル状担体としては、寒天ゲル、ゼラチンゲル、キサンタンガムゲルなどが挙げられる。さらに、ガス状担体としては、ジメチルエーテル、LPG(液化天然ガス)等が挙げられる。
また界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アリルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
前記した塗膜形成剤としては、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
イタコン酸およびその誘導体からなるイタコン酸系化合物を樹脂に混練する場合、使用される樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、メタクリル酸メチル等のビニル系ポリマーの単独重合体又は共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
上記した樹脂は、フィルム、成型品等に成形されて使用される他、繊維化して各種の繊維製品や合成樹脂系綿等を製造することができる。
このような成形に好適な熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂やポリオレフィン樹脂が挙げられる。
また、上記のようなイタコン酸およびその誘導体は、次のような成分と併用することができる。併用できる成分に特に制限はないが、ピレスロイド系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤、フッ素系殺虫剤、ホウ酸、ホウ砂、昆虫成長撹乱剤、その他の忌避及び殺虫作用を有する化合物、天然物及びその抽出物などである。
例えば、ピレスロイド系殺虫剤として、アレスリン、テトラメスリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、シフルトリン、フラメトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンなどを挙げることができる。
カーバメート系殺虫剤としては、メトキサジアゾン、プロポクスル、フェノブカルブなどを挙げることができる。
有機リン系殺虫剤としては、ジクロルボス、フェニトロチオンなどを挙げることができる。ネオニコチノイド系殺虫剤としては、イミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフランなどを挙げることができる。その他の化合物としては、ディート、MG K326 、安息香酸、シトロネラール、メントール、ヒノキチオールなどを挙げることができる。天然物及びその抽出物としてはヨモギ、ドクダミ、チャ、ササ、朝鮮人参、サンショウ、ヒノキ、ショウブ、ビワ、月桂樹、カキヅカイブキ、トべラ、イチョウ、月桃、センブリ、ウイキョウ、タデ、ショウガ、ワサビ、除虫菊、ニーム、ユーカリ、コパイバオイルなどの植物そのもの及びその抽出物を挙げることができる。
これらの殺虫成分及び忌避成分の1種または2種以上を併用することができるが、好ましくは、安全性等に優れている安息香酸、天然物として、ヨモギやドクダミの抽出エキス、コパイバオイルなどがよい。さらに必要に応じて抗菌剤、防力ビ剤、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着香料、消臭剤、分散剤、滑剤等を併用してもよい。
このような原材料を配合して得られる害虫忌避剤は、極めて優れた忌避効果を長時間安定して発揮し、対象害虫の種類は広いが、特にゴキブリ類についても高い効果が奏される。
[実施例1〜4、比較例1〜18]
イタコン酸のアセトン希釈液をイタコン酸が0.5g/m2に保持されるようにろ紙に塗布して浸み込ませ、室温で1時間風乾させて実施例1(紙材に担持させた害虫忌避剤)を得た。同様にイタコン酸無水物、シトラコン酸無水物についても紙材に担持させて実施例2、3を得た。
また、ポリイタコン酸の水希釈液を、ポリイタコン酸(重合度n=50〜100、磐田化学工業社製)が0.5g/m2に保持されるようにろ紙に塗布して浸み込ませ、室温で24時間風乾させて実施例4を得た。
比較例としては、表1に示すカルボキシル基を有する化学物質を用いて同様に紙材に担持させた害虫忌避剤を作製した。すなわち、表1に示すように、飽和脂肪族トリカルボン酸であるクエン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸であるシトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、芳香族ジカルボン酸であるフタル酸、飽和脂肪族ジカルボン酸であるマロン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、アジピン酸、セバシン酸、飽和脂肪族モノカルボン酸であるプロピオン酸、芳香族モノカルボン酸であるサリチル酸、安息香酸、没食子酸水和物、芳香族トリカルボン酸であるo,m,p−トルイル酸を用いた比較例1〜18である。
得られた実施例と比較例について、以下の忌避効力試験および忌避効力持続性試験を行ない、その結果を表1または表2中に併記した。
[ゴキブリに対する忌避効力試験]
実施例1〜4と、比較例1〜18の害虫忌避剤(各成分のアセトン希釈液を0.5g/m2に保持されるように直径9cmのろ紙に塗布して浸み込ませ、風乾させたもの)を試験シェルターとして、各々についてチャバネゴキブリの雌雄幼虫の各10匹を入れた容器内に置いた。また、比較のため、直径9cmのろ紙にアセトンのみを塗布して浸み込ませ、風乾させたものを無処理シェルターとして同じ容器中に併置した。
そして、容器内で試験シェルターと無処理シェルターを一対で併置した状態にし、1日(24時間)後の生息場所別の虫数を計測し、以下の計算式によって忌避率を算出し、表1中に併記した。なお、試験シェルター内の生息数が無処理シェルター内の生息数より多い場合は、忌避効果のないものとして忌避率0%と評価した。
忌避率(%)={(無処理シェルター内の生息数−試験シェルター内の生息数)/無処理シェルター内の生息数}×100
Figure 0005237703
表1の結果からも明らかなように、比較例1〜18の有機酸類は、忌避率が0〜75%であったのに対して、実施例1〜4は90.9〜96.9%の忌避率という極めて有利な忌避効果であることが確認できた。
[比較例19〜21]
[忌避効力持続性試験]
実施例1の試験シェルターについて、上記の忌避効力試験において試験時間を5日間としたこと以外は同様にして行ない、その結果を表2に示した。
また、比較のために周知の忌避成分であるディートまたは害虫駆除成分であるプロポクスルおよびフェニトロチオンのアセトン希釈液を、各成分が0.5g/m2保持されるように直径9cmのろ紙に塗布して浸み込ませ、風乾させたものを比較例19〜21とし、これらを上記の忌避効力試験において試験時間を5日間としたこと以外は同様にして行ない、その結果を表2中に併記した。
Figure 0005237703
表2の結果からも明らかなように、比較例19〜21の忌避率は、5日後には1日後の45〜80%程度にまで低下したが、実施例1は、5日後にも殆ど低下なく高い忌避率を維持できるものであると確認された。
[実施例5、6、比較例22、23]
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製:ノバテック)に対し、忌避有効成分としてイタコン酸を1%または2%配合および混合し、押し出し成形によりシート(実施例5、6)を成形した。また、イタコン酸に代えて周知の忌避有効成分としてのディートを用いたこと以外は、全く同様にしてシート(比較例22、23)を成形した。
得られた実施例5、6、比較例22、23のシートについて、前記同様に忌避効力試験を行ない、その結果を表3中に示した。
なお、忌避効力試験においては、ろ紙に代えて成形された直径9cmのシートを用いて試験シェルターとし、ブランクとして忌避有効成分を含まないポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製:ノバテック)製の直径9cmのシートを用いた。
Figure 0005237703
表3の結果からも明らかなように、イタコン酸を配合した害虫忌避性樹脂組成物である実施例5、6は、従来の忌避剤であるディートを配合した樹脂組成物に比べて、ゴキブリ類に対する高い忌避効率を示すことがわかる。
[実施例7]
イタコン酸のアセトン希釈液をイタコン酸が0.5g/m2に保持されるように10cm四方の厚紙に塗布して浸み込ませ、室温で1時間風乾させて実施例7(紙材に担持させた害虫忌避剤)を得た。
[比較例24]
周知の忌避成分であるディートのアセトン希釈液を、忌避成分が0.5g/m2保持されるように10cm四方の厚紙に塗布して浸み込ませ、風乾させて比較例24の試験片を得た。
[アリに対する忌避効力試験]
得られた実施例7の試験片のそれぞれ2枚を塗布面が1cmの空隙を空けて向き合うようにしたものを試験シェルターとし、各試験シェルターをアミメアリの職蟻100匹を入れた容器内に置き、また比較のためにアセトンのみを塗布して浸み込ませて風乾させたもの(ブランク)を無処理シェルターとして同じ容器中に併置した。
そして、容器内で試験シェルターと無処理シェルターとを一対で併置した状態で2日間経過(48時間)後の生息場所別の虫数を計測し、以下の計算式によって忌避率を算出し、表4中に記した。なお、試験シェルター内の生息数が、無処理シェルター内の生息数より多い場合は、忌避効果のないものとして忌避率0%と評価した。
忌避率(%)={(無処理シェルター内の生息数−試験シェルター内の生息数)/無処理シェルター内の生息数}×100
また、比較例24の試験片についても上記試験と全く同様にして忌避率を測定し、表4中にその結果を併記した。
Figure 0005237703
表4の結果からも明らかなように、実施例7は、アリ類についても従来の忌避剤を用いた比較例24に比べて高い忌避効率を示すことがわかる。
以上の結果からみて、イタコン酸およびその所定の誘導体は、害虫忌避性について従来の忌避剤やその他の有機カルボン酸類にはみられない高い特性を示し、樹脂成形体においても同様な効果があり、また忌避効果の持続性にも優れていることがわかる。

Claims (5)

  1. イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸からなる群から選ばれる一種以上のイタコン酸系化合物を有効成分として含有してなる害虫忌避剤。
  2. 害虫忌避剤の製剤形態が、塗布剤または噴霧剤である請求項1に記載の害虫忌避剤。
  3. イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸からなる群から選ばれる一種以上のイタコン酸系化合物を0.1〜1.0g/m2の濃度で付着するよう対象物に塗布する害虫忌避方法。
  4. 1種のみの単量体を重合させて得られる単独重合体、複数種類の単量体を重合させて得られる共重合体、または相溶化剤を含まない複数種類の重合体からなるポリマーブレンドを基材とし、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびポリイタコン酸からなる群から選ばれる一種以上のイタコン酸系化合物を害虫忌避性の有効成分として含有してなる害虫忌避性樹脂組成物。
  5. イタコン酸系化合物の含有量が、0.1〜10重量%である請求項4に記載の害虫忌避性樹脂組成物。
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