JP5237017B2 - 保護部材付き感光体ドラム、感光体ドラムの梱包方法、および感光体ドラム用保護部材 - Google Patents
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Description
特に、感光体ドラムを製造する上での使用時の搬送性に優れ、かつ、保護部材に起因した感光体ドラムの損傷発生が少なく、製造上の歩留まりが高い保護部材付き感光体ドラム、感光体ドラムの梱包方法、および感光体ドラム用保護部材に関する。
しかしながら、かかる有機感光体の感光層における表面硬度は、比較的軟らかいために、外部要因によって、傷が付きやすいという問題が見られた。
また、感光体ドラムは、外光に晒されることによって、感光特性に疲労現象が生じやすいといった問題が見られた。
より具体的には、図9に示すように、感光体ドラム101に対して、厚さ0.06〜0.12mmの比較的薄い遮光保護部材103を、感光体ドラム101の外周の2周分以上巻き付け、それを粘着テープ104で固定する梱包方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
この梱包方法によれば、遮光保護部材の厚さが薄いために、それを取り外す際に、感光体ドラムを傷つけにくく、一方、感光体ドラムの外周の2周分以上巻き付けてあることから、優れた機械的保護性や遮光性を得ることができる。
また、従来の感光体ドラムの梱包方法では、一般に、黒色の遮光保護部材を用いているため、カーボン等の黒色材料を含んでおり、それに起因して、感光体ドラムの表面に移行して、電気特性等に悪影響を及ぼす場合が見られた。
すなわち、本発明の目的は、製造上の歩留まりが高い上に、保護部材付き感光体ドラム及び保護部材付き感光体ドラムの製造方法を提供することにある。
保護部材が、白色紙であって、保護部材の可視光透過率を30〜80%の範囲内の値とし、
感光体ドラムの円周方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、感光体ドラムの軸方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とすることを特徴とする保護部材付き感光体ドラムが提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、感光体ドラムの円周方向および軸方向において、それぞれ所定のクラーク剛度(S1、S2)を有する保護部材を用いることにより、製造時に、優れた搬送性が得られるとともに、保護部材に起因した感光体における傷の発生が低下し、高い歩留まりで、保護部材付き感光体ドラムを得ることができる。
また、このように構成することにより、外光を適度に反射し、感光体ドラムに対する外光の影響を定量的に調整することができる。
また、保護部材が、白色紙であれば、その表面に着色マーキングすることができ、さらには、装飾性を高めるべき、印刷を施すこともできる。
なお、従来は遮光性のみを考慮して、カーボン等を含む黒色紙のみが使用されていたが、白色紙であれば、カーボン等の添加を省略することができ、感光体ドラムへのカーボン移行に伴う問題点を解消できるとともに、極めて経済的である。
このように構成することにより、保護部材の機械的強度を高めることにより、保護部材の搬送性を向上することができるのみならず、クッション性も高まって、感光体における傷の発生についても、さらに低下させることができる。
感光体ドラムを所定位置に配置する工程と、
感光体ドラムの円周に沿って、白色紙であって、可視光透過率が30〜80%の範囲内の値である所定形状の保護部材を、その端部同士が一部重なる状態で巻き付ける工程と、
保護部材の重なり部分に、締結部材を設けて固定する工程と、を含むとともに、
感光体ドラムの円周方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、感光体ドラムの軸方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とした保護部材を用いることを特徴とする感光体ドラムの梱包方法である。
すなわち、感光体ドラムの梱包方法を実施する際に、感光体ドラムの円周方向および軸方向において、それぞれ所定のクラーク剛度(S1、S2)を有する保護部材を用いることにより、製造時に、優れた搬送性が得られるとともに、保護部材に起因した感光体における傷の発生が低下し、保護部材付き感光体ドラムを効率的に製造することができる。
保護部材が、白色紙であって、保護部材の可視光透過率を30〜80%の範囲内の値とし、
感光体ドラムの円周方向におけるクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、感光体ドラムの軸方向におけるクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とすることを特徴とする感光体ドラムを梱包するための保護部材である。
すなわち、感光体ドラムの梱包方法を実施する際に、所定のクラーク剛度(S1、S2)を有する保護部材を用いることにより、製造時に、優れた搬送性が得られるとともに、保護部材に起因した感光体における傷の発生が低下し、保護部材付き感光体ドラムを効率的に製造することができる。
本発明の第1の実施形態は、図1に例示するように、感光体ドラム1の円周に沿って、所定形状の保護部材10を、その端部同士が一部重なる状態で巻き付けるとともに、当該保護部材10の重なり部分に、締結部材14を設けて固定してなる保護部材10付き感光体ドラム1である。
そして、感光体ドラムの円周方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、かつ、感光体ドラムの軸方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とし、保護部材が、白色紙であって、保護部材の可視光透過率を30〜80%の範囲内の値とすることを特徴とする保護部材付き感光体ドラムである。
なお、図1中、クラーク剛度(S1)が問題となる保護部材の円周方向、およびクラーク剛度(S2)が問題となる保護部材の軸方向を、それぞれ矢印で示してある。
また、図1において、感光体ドラム1の両端に、フランジ4が設けてある例を示している。
以下、各構成要件に分けて、保護部材付き感光体ドラムを具体的に説明する。
(1)クラーク剛度
まず、感光体ドラムの円周方向における保護部材のクラーク剛度S1(JIS P8143準拠測定)を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、かつ、感光体ドラムの軸方向における保護部材のクラーク剛度S2(JIS P8143準拠測定)を45〜60cm3/100の範囲内の値とする。
すなわち、感光体ドラムの円周方向および軸方向において、それぞれ所定のクラーク剛度(S1、S2)を有する保護部材を用いることにより、製造時に、優れた搬送性が得られるとともに、保護部材に起因した感光体における傷の発生が低下し、歩留まりが高い保護部材付き感光体ドラムとすることができる。
すなわち、図2は、後述する実施例1〜4および比較例1〜3(比較例4は、黒色紙であることから省略)に基づき、感光体ドラムの円周方向におけるクラーク剛度(S1)と、感光体ドラムの損傷性および搬送性との関係を示した図である。
横軸に、S1の値を採って示してあり、左縦軸に、感光体ドラムの損傷性の指標となる傷発生頻度を採って示してあり、右縦軸に、搬送性の指標となる実施例1等に記載した紙詰まり発生頻度を採って示してある。そして、ラインAが、クラーク剛度(S1)と、感光体ドラムの損傷性との関係を示す特性曲線であって、ラインBが、クラーク剛度(S1)と、感光体ドラムの搬送性との関係を示す特性曲線である。
よって、かかる図2に示す特性曲線から理解されるように、感光体表面に傷を発生させず、かつ安定した紙搬送性を設定するには好適なS1剛度域(66〜120cm3/100)の設定が必要であることが理解できる。
横軸に、S2の値を採って示してあり、左縦軸に、感光体ドラムの損傷性の指標となる傷発生頻度を採って示してあり、右縦軸に、搬送性の指標となる実施例1等に記載した紙詰まり発生頻度を採って示してある。そして、ラインAが、クラーク剛度(S2)と、感光体ドラムの損傷性との関係を示す特性曲線であって、ラインBが、クラーク剛度(S2)と、感光体ドラムの搬送性との関係を示す特性曲線である。
かかる図3に示す特性曲線から理解されるように、感光体表面に傷を発生させず、かつ安定した紙搬送性を設定するには好適なS2剛度域(45〜60cm3/100)の設定が必要であることが理解できる。
なお、S1およびS2の値を設定するにあたり、S1/S2の比率を2.0以下の値とすることが好ましく、1.1〜1.8の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、このように構成することにより、保護部材の搬送性と、感光体ドラムに対する損傷防止のバランスをさらに良好なものとすることができるためである。
また、保護部材が、白色紙であることを特徴とする。
この理由は、白色紙であることから、外光を適度に反射し、感光体ドラムに対する外光の影響を排除することができるためである。
また、保護部材が、白色紙であれば、その表面に着色マーキングすることができ、さらには、装飾性を高めるべき、印刷を容易に施すことができるためである。
さらに、従来は遮光性のみを考慮して、カーボン等を含む黒色紙のみが使用されていたが、白色紙であれば、カーボン等の添加を省略することができ、感光体ドラムへのカーボン移行に伴う問題点を解消できるとともに、極めて経済的であるためである。
なお、白色の紙である指標として、例えば、視感明度(L値)を採用することができる。
すなわち、白色程度として、かかる視感明度(L値)が70度以上であれば好ましく、80〜99の範囲であればより好ましく、85〜95の範囲であればさらに好ましい。
また、保護部材の可視光透過率は、当該保護部材が、波長400〜780nmの可視光(通常、波長550nmの入射光量:100%)をカットして、どの程度の透過光量とするかの数値を意味しているが、かかる可視光透過率を30〜80%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる可視光透過率が30%未満になると、保護部材が過度の厚さとなったり、使用可能な保護部材の構成材料が過度に制限されたり、さらには、保護部材の特性として、過剰スペックとなる場合があるためである。
一方、かかる可視光透過率が80%を超えると、感光体ドラムに対する外光の影響を排除することが困難となる場合があるためである。
したがって、保護部材の可視光透過率を35〜75%の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜60%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、保護部材の可視光透過率は、可視光透過率測定器(日立製作所製、U−3200)を用いて測定することができる。
また、保護部材の坪量を50〜100g/m2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる保護部材の坪量が、50g/m2未満となると、機械的強度が低下したり、感光体ドラムに対する外光の影響を排除することが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる保護部材の坪量が、100g/m2を超えると、保護部材が過度の厚さとなったり、使用可能な保護部材の構成材料が過度に制限されたり、さらには、保護部材の特性として、過剰スペックとなる場合があるためである。
したがって、保護部材の坪量を50〜90g/m2の範囲内の値とすることがより好ましく、55〜80g/m2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、保護部材の坪量は、単位面積あたりの質量であることから、天秤等を用いて、測定することができる。
したがって、保護部材の厚さを0.05〜0.2mmの範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる保護部材の厚さが0.05mm未満の値となると、感光体ドラムに対する機械的性や、遮光性を十分に発揮することが困難となる場合があるためである。一方、かかる保護部材の厚さが0.2mmを超えると、保護部材の破断性が低下するばかりか、取り扱い性が困難となって、梱包性が低下する場合があるためである。
したがって、かかる保護部材の厚さを0.08〜0.15mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.1〜0.13mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、図4(a)〜(d)に示すように、保護部材10の表面、すなわち、少なくとも、電子写真感光との接触面に、エンボス処理が施してあることが好ましい。
この理由は、このようにエンボス処理を施すことにより、保護部材の搬送性を向上することができるのみならず、感光体における傷の発生についても、さらに低下させることができるためである。
また、保護部材の横方向長さ、すなわち横幅は、梱包されるフランジ付きの感光体ドラムの感光層部分を全て覆うことができ、かつ、フランジ部分については露出させる程度の長さであることが好ましい。
この理由は、感光層が傷付くことや、外光に晒されることを防ぐとともに、感光体ドラムを梱包された状態のままで画像形成装置に対して組み付けることが容易となるためである。
したがって、保護部材の横幅を、例えば、横幅254mmの感光体ドラムにおいて、幅240〜250mmの範囲内の値とすることが好ましい。
したがって、通常、直径30mmの感光体ドラムにおいては、保護部材10の縦方向長さを100〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、120〜180mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、図1に示すように、締結部材14としては、手軽である一方、比較的安価であることから、粘着テープ等が代表的であるが、基本的に、基材と、粘着剤層とから構成されていることが好ましい。
また、かかる粘着テープにおける粘着剤として、粘着付与剤を含んだゴム系粘着剤を用いることが好ましい。
この理由は、粘着付与剤を含んだゴム系粘着剤として、熱可塑性エラストマー等のゴム成分に対して、石油系炭化水素樹脂や、テルペンフェノールなどの粘着付与剤を含んだ粘着剤を用いることにより、保護部材を確実に固定することができるためである。
すなわち、粘着剤における主成分をゴム成分とした粘着テープであれば、優れた粘着力や凝集力を有するため、保護部材を感光体ドラムに対して強固に固定することができるためである。
一方で、本発明としての感光体ドラムの梱包方法であれば、粘着剤の粘着力が過度に高い場合であっても、問題が生じることがないためである。
したがって、粘着テープにおける粘着力(JIS Z 0237に準拠して測定)を、一般的には7〜13N/25cmの範囲内の値とすることが好ましい。また、粘着テープの大きさを、例えば、2cm×5cmとすることが好ましい。
本発明の第2の実施形態は、図5(a)〜(d)に示すように、保護部材付き感光体ドラムの梱包方法であって、
感光体ドラムを所定位置に配置する工程(以下、配置工程と称する場合がある。)と、
感光体ドラムの円周に沿って、白色紙であって、可視光透過率が30〜80%の範囲内の値である所定形状の保護部材を一部重ねた状態で巻き付ける工程(以下、梱包工程と称する場合がある。)と、
保護部材の重なり部分に、締結部材を設けて固定する工程(以下、固定工程と称する場合がある。)と、を含むとともに、
感光体ドラムの円周方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、感光体ドラムの軸方向における、保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とした保護部材を用いることを特徴とする感光体ドラムの梱包方法である。
配置工程は、感光体ドラムを、梱包装置等において、その所定位置に配置する工程である。
すなわち、図5(a)に示すように、所定形状の保護部材10を一部重ねた状態で巻き付けられるように、梱包装置において、感光体ドラム1を所定位置に配置する工程である。その際、保護部材10を巻き付けやすいように、概ね半円形の台座等の支持台12の上に、所定スペースを設けた状態で、感光体ドラム1を配置することが好ましい。
一方、支持台12の右端部には、感光体ドラム1と一部接触した後、保護部材10がさらに円滑に進行するように、湾曲部としての第2の折り返し部12bが設けてある。
図5(a)の例では、ロール状の保護部材10´を、感光体ドラム1と実質的に同一平面であって、その左側方に配置してある。
次いで、感光体ドラムの梱包方法における梱包工程を実施し、保護部材10を感光体ドラム1に対して巻き付ける工程である。
また、かかる梱包工程は、手作業で行うこともできるが、図5(b)に示すように、駆動ロール14a、14bによって、矢印Aの方向に、保護部材10を移送させながら、感光体ドラム1と、支持台12との間に挿入し、感光体ドラム1の周囲に、保護部材10を自動的に梱包させることが好ましい。
この理由は、このように梱包することにより、連続して大量に、かつ、外光を遮りつつ梱包作業をすることができるばかりか、感光体ドラム表面が、指油等によって汚染されることを、有効に防止することができるためである。
固定工程は、感光体ドラムを席巻した保護部材の端部同士の重なり部分に、締結部材を設けて、それらを固定する工程である。
すなわち、図5(c)に示すように、保護部材10における所定箇所を、カッター等の切断冶具15を用いて切断した後、図5(d)に示すように、かかる切断箇所と、重なる保護部材10の端部と、を粘着テープ14によって固定する工程である。
なお、上述した端部同士が重なる幅を、例えば、10〜70mmの範囲内の値とすることが好ましい。
次いで、このように梱包された感光体ドラム1を運搬する際には、感光体ドラムに傷がつかないように、図6に示すような緩衝部材で成型されたトレー状の保護容器30に収納することが好ましい。
この理由は、感光体ドラムを、かかるトレー状の保護容器を用いて収納することによって、振動等が激しい運搬時であっても、あるいは、長期間保管する場合であっても、保護部材と感光体ドラム表面との面接触による傷や圧接痕の発生を、有効に防止することができるためである。
すなわち、このような緩衝部材で成型されたトレー状の保護容器であれば、感光体ドラムの両端部に装着されたフランジ部分のみを支持し、感光層部分とは非接触の状態で、感光体ドラムを収納することができるためである。
次いで、裏返しにした別のトレー状の保護容器30を、上部から重ねることで、それぞれのトレー状保護容器における凹凸が噛み合うため、梱包された感光体ドラムを、完全に固定することができる。
このようにして複数段積み重ねられたトレー状の保護容器30は、保護部材10付き感光体ドラム1を収納した状態で、図7に示すように、外装箱40に収納することで、さらに安定的に運搬及び保管することができる。
1.感光体ドラムの製造
電荷発生物質として、X型無金属フタロシアニン2.7重量部と、正孔輸送剤として、スチルベンアミン化合物50重量部と、電子輸送剤として、アゾキノン系化合物35重量部と、結着樹脂として、平均分子量30000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂100重量部と、テトラヒドロフラン700重量部と、を攪拌容器内に収容した後、ボールミルで50時間混合分散し、塗布液を作成した。
次いで、得られた塗布液を軸長さ220mm、直径30mmのアルマイト素管からなる導電性支持体上にディップコート法にて塗布した後、130℃、45分間の条件で熱風乾燥し、膜厚30μmの単層型感光体ドラムを得た。
(1)保護部材の準備
次いで、厚さ0.1mm、横幅254mm、長さ150mmの、白色遮光保護紙(視感明度(L)=90、可視光透過率:50%)を準備し、実施例1の保護部材とした。
次いで、京セラミタ内作の感光体ドラム紙巻機(図示せず)を用いて、保護部材を、製造した感光体ドラムに対して、粘着テープによる固定箇所が20mmの重なりとなるように、緩みなく巻きつけた。
次いで、保護部材における該当箇所に、12mm×40mmの大きさの粘着テープ(積水化学(株)製、フィクスロンテープ#816)を貼り付けて固定し、梱包された感光体ドラムとして、一旦トレー状の保護容器に収容した。
次いで、トレー状の保護容器から梱包された感光体ドラムを取り出し、梱包された感光体ドラムにおける保護部材の該当箇所を指で摘んで、該当箇所を粘着テープと一緒に引き剥がし、保護部材を取り外した。
次いで、保護部材を取り外した感光体ドラムを、画像形成装置(京セラミタ(株)製、FS−1010)の画像ユニットに組み込んだ。
(1)クラーク剛度測定
クラーク剛度は、JIS P8143の自重曲げ法によるこわさ試験方法(クラーク法)」に準拠して、図8に示す測定装置を用いて測定した。
より具体的には、テスター産業社製のクラーク剛度測定装置50は、基本的に、指針52、測定試料54をつかむための一対のロール56と、巻き出し長さ調節用ねじ58と、角度目盛り板59と、試験片回転ハンドル60と、台座62と、から構成されている。
そして、測定試料54を、温度25℃、湿度55%Rhの環境下に、ロール56に対して、30分間放置した後、縦方向および横方向のクラーク剛度(S1、S2)を測定した。
また、感光体表面の損傷性は、京セラミタ内作の感光体ドラム紙巻機(図示せず。)を用いて、感光体ドラム100本に対して、それぞれ保護部材(白色紙)を巻きつける際に、何本の感光体において傷が発生しているか否かを測定した。
保護部材の搬送性は、京セラミタ内作の感光体ドラム紙巻機(図示せず。)を用いて、感光体ドラム100本に対して、それぞれ保護部材を巻きつける際に、何本の感光体において、紙送り不良や紙巻き緩みが発生するか否かを測定した。
上述した損傷性評価および搬送性評価の結果から、以下の総合評価を行った。
○:損傷性評価および搬送性評価の両方において、不良結果が見られなかった場合。
×:損傷性評価および搬送性評価の少なくとも一方で、不良結果が見られた場合。
実施例2では、白色紙の種類(可視光透過率:48%)を変え、紙の円周方向のクラーク剛度(S1)を大きくするとともに、白色紙の軸方向のクラーク剛度(S2)の値はほとんど同一としたほかは、実施例1と同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例3では、白色紙の種類(可視光透過率:52%)を変え、白色紙の円周方向のクラーク剛度(S1)をさらに大きくする一方、白色紙の軸方向のクラーク剛度(S2)を若干低下させたほかは、実施例1と同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例4では、白色紙の種類(可視光透過率:45%)を変え、紙の円周方向のクラーク剛度(S1)を若干大きくするとともに、白色紙の軸方向のクラーク剛度(S2)の値はほとんど同一としたほかは、実施例1と同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例1では、白色紙の種類(可視光透過率:60%)を変え、紙の円周方向のクラーク剛度(S1)を若干低下させるとともに、白色紙の軸方向のクラーク剛度(S2)の値を大きく低下させたほかは、実施例1と同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例2では、白色紙の種類(可視光透過率:45%)を変え、紙の円周方向のクラーク剛度(S1)をほとんど同一にするとともに、白色紙の軸方向のクラーク剛度(S2)の値を低下させたほかは、実施例1と同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例3では、白色紙の種類(可視光透過率:35%)を変え、白色紙の円周方向のクラーク剛度(S1)を相当大きくする一方、白色紙の軸方向のクラーク剛度(S2)を大きくしたほかは、実施例1と同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例4では、市販の黒色紙(リンテック社製、可視光透過率:0%)を用いたほかは、実施例1同様に、感光体ドラムを製造及び梱包して、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、保護部材が白色紙の場合、黒色紙と比較して、感光体ドラムの画像ユニット内部での視認性が向上したため、保護部材付き感光体ドラムの収容が容易になるばかりか、画像ユニット内部において、保護部材を取り外す作業性も向上した。
4:フランジ部分
10:保護部材
10a〜10e:エンボス形状
10´:ロール状の保護部材
12:支持台
12a:第1の折り返し部
12b:第2の折り返し部
14:締結部材(粘着テープ)
14a、b:駆動ロール
15:切断冶具
30:トレー状の保護容器
30a:収納部
30b:支持部
40:外装箱
50:クラーク剛度の測定装置
Claims (4)
- 感光体ドラムの円周に沿って、所定形状の保護部材を、その端部同士が一部重なる状態で巻き付けるとともに、当該保護部材の重なり部分に、締結部材を設けて固定してなる保護部材付き感光体ドラムであって、
前記保護部材が、白色紙であって、前記保護部材の可視光透過率を30〜80%の範囲内の値とし、
前記感光体ドラムの円周方向における、前記保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、前記感光体ドラムの軸方向における、前記保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とすることを特徴とする保護部材付き感光体ドラム。 - 前記保護部材の表面に、エンボス処理が施してあることを特徴とする請求項1に記載の保護部材付き感光体ドラム。
- 感光体ドラムの梱包方法であって、
前記感光体ドラムを所定位置に配置する工程と、
前記感光体ドラムの円周に沿って、白色紙であって、可視光透過率が30〜80%の範囲内の値である所定形状の保護部材を、その端部同士が一部重なる状態で巻き付ける工程と、
前記保護部材の重なり部分に、締結部材を設けて固定する工程と、を含むとともに、
前記感光体ドラムの円周方向における、前記保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、前記感光体ドラムの軸方向における、前記保護部材のクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とした保護部材を用いることを特徴とする感光体ドラムの梱包方法。 - 感光体ドラムの円周に沿って、当該感光体ドラムを梱包するための感光体ドラム用保護部材であって、
前記保護部材が、白色紙であって、前記保護部材の可視光透過率を30〜80%の範囲内の値とし、
前記感光体ドラムの円周方向におけるクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS1としたときに、当該S1を66〜120cm3/100の範囲内の値とし、
かつ、前記感光体ドラムの軸方向におけるクラーク剛度(JIS P8143準拠測定)をS2としたときに、当該S2を45〜60cm3/100の範囲内の値とすることを特徴とする感光体ドラム用保護部材。
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