JP5233804B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5233804B2
JP5233804B2 JP2009089912A JP2009089912A JP5233804B2 JP 5233804 B2 JP5233804 B2 JP 5233804B2 JP 2009089912 A JP2009089912 A JP 2009089912A JP 2009089912 A JP2009089912 A JP 2009089912A JP 5233804 B2 JP5233804 B2 JP 5233804B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal resistance
resistance sheet
press
pressing
pressurizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009089912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010245151A (ja
Inventor
雄一 阿部
剛 尾籠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009089912A priority Critical patent/JP5233804B2/ja
Publication of JP2010245151A publication Critical patent/JP2010245151A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5233804B2 publication Critical patent/JP5233804B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、複数のセラミックグリーンシートを加圧し圧着して積層する積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品は、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートと内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを所定の順序で積み重ね被加圧体を形成した後、上下の加圧部で被加圧体を挟み込んで加圧し圧着するプレス工程を行って積層体を形成していた。
このセラミックグリーンシートの積層体の下層は加圧の圧力を繰り返し受けて変形が生じるため、例えば特許文献1には積層回数の増加に伴ってプレス工程での被加圧体の温度を段階的に下げることにより積層体の変形を防ぎ焼結時の密度差による構造欠陥を抑制し信頼性を向上する方法が開示されている。
特開2005−302979号公報
しかしながら、このような従来の製造方法は被加圧体の温度が異なるプレス工程を行うときは加圧部の温度の異なるプレス装置を複数台用意しプレス装置を被加圧体の温度に応じて適宜変えていた。そのため1台当りのプレス装置の生産性が低く生産スペースも多く必要とする課題があった。
一方1台のプレス装置で行うとすると加圧部の温度を下げる必要があり、そのため加圧部の温度が切り替わるまでの待機時間が長くなり積層体の形成工程の作業効率が低下する課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決し、プレス工程において加圧時の被加圧体の温度を変更する際の時間的損失を抑え積層体の形成工程の作業効率を高めることができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、セラミックグリーンシートを積層して被加圧体を形成する工程と、下加圧部に載置された前記被加圧体を上加圧部と前記下加圧部とで加圧しセラミックグリーンシートを圧着するプレス工程とを備える積層セラミック電子部品の製造方法であって、前記プレス工程は第1プレス工程と第2プレス工程を有し、第1プレス工程は前記下加圧部と前記上加圧部の少なくともいずれか一方の加圧部と前記被加圧体間に熱抵抗シートを配設して前記加圧を行い、第2プレス工程は前記加圧部と前記被加圧体間に前記熱抵抗シートを配設せずに前記加圧を行うものであり、第1プレス工程と第2プレス工程は前記上加圧部の温度を前記下加圧部より高温に設け、第1プレス工程と第2プレス工程の工程間で前記熱抵抗シートを着脱することにより第1プレス工程における前記加圧時の前記被加圧体の温度と第2プレス工程における前記温度とを異ならせる積層セラミック電子部品の製造方法である。
以上のように本発明によれば、1台のプレス装置を用いて加圧・圧着するプレス工程を行う際に下加圧部と上加圧部の温度を変えずに被加圧体の温度を短時間で変更することができるため積層体の形成工程の作業効率を高めることができる。
本発明の実施の形態の積層セラミック電子部品の製造方法について、積層セラミックコンデンサを用いて説明する。
図2は本発明の実施の形態における積層セラミックコンデンサの斜視図、図3は同内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの断面図である。
積層セラミックコンデンサは、図2に示すように実効層53を保護層52間に挟んだセラミック焼結体51の両端部に外部電極56a、56bを設けたものであり、実効層53はセラミック層54を介して内部電極層55が交互に積層されたものであり、内部電極層55はセラミック焼結体51の両側の端面に交互に夫々露出し外部電極56a、56bと導通している。
積層セラミックコンデンサの形成は、まずBaTiO3等を主成分とするセラミック粉末とバインダとを溶剤で混合してセラミックスラリーを作成する。次にポリエチレンテレフタレート(PET)のベースフィルム12表面にセラミックスラリーを印刷し乾燥してセラミックグリーンシート11を形成する。
さらに図3に示すようにベースフィルム12に設けたセラミックグリーンシート11の表面にニッケル等の金属粉末とバインダとを含有する内部電極パターン13を転写又はスクリーン印刷やグラビア印刷等により形成する。
次にセラミックグリーンシート11を積み重ねて圧着した積層体を形成する。
積層体の形成は、内部電極パターン13を形成していないセラミックグリーンシート11を複数枚積層して保護層52となる保護層部を形成し、この保護層部の上に内部電極パターン13を形成したセラミックグリーンシート11を複数枚積層してセラミックグリーンシート11と内部電極パターン13とを交互に積層し実効層53となる実効層部を形成し、さらに実効層部の上に内部電極パターン13を形成していないセラミックグリーンシート11を複数枚積層して保護層部を形成するものである。
このようにセラミックグリーンシート11と内部電極パターン13とを有する積層体を形成した後、積層体を切断して焼成することによりセラミック焼結体51を得る。続いてセラミック焼結体51の端面に導電ペーストを塗布し焼成することにより外部電極56を形成し積層セラミックコンデンサを得る。
以下に実効層部の形成について説明する。
図1は本発明の実施の形態における積層セラミックコンデンサの積層体の形成工程の一部分を示すフローチャート、図4は同被加圧体の断面図、図7は同プレス部の動作を示す概略側面図、図8は同他のプレス部の動作を示す概略断面図である。
実効層部18の形成は図1に示すように第1積層工程と第2積層工程を有している。第1積層工程及び第2積層工程は、まず図4に示すようにベースフィルム12上に内部電極パターン13が形成されたセラミックグリーンシート11を設けた状態でセラミックグリーンシート11を積層体の最上層に対向させて積層して被加圧体16を形成する工程を行う(被加圧体形成工程)。
次に第1積層工程では第1プレス工程を行い、第2積層工程では第2プレス工程を行う。第1プレス工程及び第2プレス工程のプレス工程は図7、図8に示すようにセラミックグリーンシート11を少なくとも1枚積層する毎に下加圧部21に載置した被加圧体16を下加圧部21と上加圧部23とで加圧・加熱しセラミックグリーンシート11同士を圧着するものである。
さらに図7(d)、図8(c)に示すように第1プレス工程は加圧する際に下加圧部21と上加圧部23の少なくともいずれか一方の加圧部と被加圧体16間に熱抵抗シート25を配設して加圧するものであり、第2プレス工程は前記加圧部と被加圧体16間に熱抵抗シート25を配設せずに加圧するものである。
熱抵抗シート25は、熱抵抗シート25を挿入して配設した前記加圧部と被加圧体16間の熱伝導を加圧時において低下させるものである。
続いて第1積層工程及び第2積層工程で被加圧体16の最上層のセラミックグリーンシート11からベースフィルム12を剥離する工程を行って積層体15を得る(剥離工程)。
そして被加圧体形成工程とプレス工程と剥離工程を順次行う積層工程を第1積層工程及び第2積層工程において夫々少なくとも1回以上行う。
さらに図1(b)に示すように第2積層工程と第1積層工程を順次行う場合は、第1積層工程において下加圧部21と上加圧部23の少なくともいずれか一方の加圧部と被加圧体16間に熱抵抗シート25を配設するために、図7、図8に示すように第2積層工程と第1積層工程の工程間で熱抵抗シート25を前記加圧部に取り付ける(熱抵抗シート取付け工程)。
図1(a)に示すように第1積層工程と第2積層工程を順次行う場合は第1積層工程と第2積層工程の工程間で下加圧部21と上加圧部23間から熱抵抗シート25を取り外す(熱抵抗シート取外し工程)。
さらに第1プレス工程及び第2プレス工程において上加圧部23の温度を下加圧部21より高温に設けている。これによって上加圧部23から下加圧部21に向かう積層方向に被加圧体16を通じて熱が伝導する。
そして第1プレス工程と第2プレス工程で下加圧部21及び上加圧部23の温度を一定に保持すると、熱抵抗シート25を上加圧部23と被加圧体16間に配設して第1プレス工程を行う場合には熱抵抗シート25の配設しない第2プレス工程に比較し加圧時の被加圧体16の温度を下げることができる。一方、下加圧部21と被加圧体16間に熱抵抗シート25を配設して第1プレス工程を行う場合には第2プレス工程に比較し加圧時の被加圧体16の温度を上げることができる。
したがって積層工程の回数の増加に伴って被加圧体16の温度を段階的に下げるためには、例えば第2積層工程を行った後、上加圧部23と被加圧体16間に熱抵抗シート25を配設する第1プレス工程を有する第1積層工程を行う。または下加圧部21と被加圧体16間に熱抵抗シート25を配設する第1プレス工程を有する第1積層工程を行った後、第2積層工程を行ってもよい。また第1積層工程と第2積層工程の順序を逆にすることにより被加圧体16の温度を段階的に上げることができる。
下加圧部21の温度は10℃〜30℃に保持され上加圧部23の温度は70℃〜150℃に保持されることが好ましく、繰り返し加圧・圧着される被加圧体16の下層が低温側となるため積層体の下層のセラミックグリーンシートの変形が小さくなるので被加圧体16の上層と下層の密度差を小さくでき構造欠陥を低減することができる。
また上加圧部23の温度が70℃未満ではセラミックグリーンシートの接着力が不足して積層体の密着力が不十分となりセラミック焼結体の構造欠陥が生じ、上加圧部23の温度が150℃を超えるとセラミックグリーンシートの変形が大きくなりセラミックグリーンシートの厚みのバラツキが大きくなって特性不良を生じ易くなる。
熱抵抗シート25の熱抵抗は3×10-42K/W〜3×10-32K/Wとすることが好ましく、熱抵抗シート25の着脱前後の第1プレス工程と第2プレス工程における加圧時の被加圧体16の最上層のセラミックグリーンシートの温度差を15℃〜30℃とすることができ、積層工程の回数の増加に応じて熱抵抗シート取付け工程又は熱抵抗シート取外し工程を行って被加圧体16の温度を段階的に下げると積層体の変形を防止し構造欠陥を低減することができる。
ここで熱抵抗は熱抵抗シートのシート厚み(m)/熱伝導率(W/mK)である。
熱抵抗シート25の材料はポリエチレンテレフタレート、シリコーン、フッ素樹脂、ポリイミド等の樹脂を用いることが好ましく、熱伝導率が0.15W/mK〜1.0W/mKと小さく前記温度差を得るために軽量で取り扱いが容易であり繰り返して加圧できる耐久性を有するシート厚みとすることができる。
また熱抵抗シート25はシリコーンゴム等の弾性体を用いることが好ましく下加圧部21・上加圧部23や被加圧体16等の熱抵抗シート25を挟み込む部材に密着し易くなるので熱伝導のばらつきを抑制でき加圧時の被加圧体16の温度を安定にすることができる。
このようにプレス工程において上加圧部の温度を下加圧部より高温に設け、第1プレス工程と第2プレス工程の工程間で下加圧部と上加圧部の少なくともいずれか一方の加圧部に熱抵抗シートを着脱することにより、第1プレス工程における加圧時の被加圧体の温度と第2プレス工程における前記温度とを短時間で容易に異ならせることができる。
次に本発明の実施の形態の積層セラミック電子部品の実効層部の積層工程における製造装置について説明する。
図5は本発明の実施の形態における積層装置の模式平面図、図6は同プレス部の概略正面図である。
実効層部の積層工程に用いる積層装置は、図5に示すように被加圧体を形成する工程を行う積層部31とプレス工程を行うプレス部32とベースフィルムを剥離する工程を行う剥離部33と積層体15の供給・取出部30とを備えている。さらにプレス部32において熱抵抗シート取付け工程と熱抵抗シート取外し工程を行う。
積層装置は搬送パレット34上に粘着シート(図示せず)を介して積層体15を載置した後、積層部31とプレス部32と剥離部33の順序で積層したセラミックグリーンシートを搬送経路36上で移送し循環させることにより積層工程を所定回数繰り返して実効層部を有する積層体15を形成するものである。
供給・取出部30では前工程の保護層部形成工程から搬送された積層体15を積層工程に投入するため積層装置への積層体15の供給と、実効層部を形成した積層体15を次工程に搬送するため積層装置から積層体15の取り出しとを行う。
積層部31では内部電極パターン13を形成したセラミックグリーンシート11を一定形状に切断した状態で積層体15に積み重ね被加圧体16を形成する。
プレス部32では図6に示すように1対の剛体のプレス金型である下加圧部21と上加圧部23を1台のプレス装置に設け、下加圧部21の上に搬送パレット34と共に被加圧体16を載置し、下加圧部21と上加圧部23によって被加圧体16を積層方向に加圧し加熱しながら圧着する。
プレス部32は下加圧部21が上下に移動して下加圧部21と上加圧部23の開閉を行うものであるが上加圧部23が上下に移動して開閉を行ってもよい。
下加圧部21と上加圧部23はプレス金型として鉄系合金の合金工具鋼材が好適に用いられる。
さらに下加圧部21の温度は下加圧部21の内部に埋め込んだパイプ38に冷却水を循環されることによって制御され、上加圧部23の温度は上加圧部23の内部に埋め込んだヒータ39をON・OFFすることによって制御されている。
プレス部32は上加圧部23の加圧面24に熱抵抗シート25を取り付けるものであり、図6、図7に示すように水平駆動部41と垂直駆動部45とを設けている。
水平駆動部41は空気圧または油圧によって水平方向に伸縮するシリンダ42又はボールねじ駆動等の電動アクチュエータと、ロッド43の先端に連結されて熱抵抗シート25の上面を真空吸着して保持する吸着ノズル44と、を備えたもので、熱抵抗シート25を加圧面22、24に沿う方向に直線状に往復動させて下加圧部21と上加圧部23間に出し入れする。
また水平駆動部41の代わりに熱抵抗シート25を手で保持して手作業で下加圧部21と上加圧部23間に熱抵抗シート25を出し入れしてもよい。
垂直駆動部45は熱抵抗シート25の下面を支持する薄膜の樹脂又は金属で構成される可撓性部材46と、この可撓性部材46の少なくとも一端側を巻回する可逆ロール47と、を備え、熱抵抗シート25を上下動させて上加圧部23の加圧面24に熱抵抗シート25の取り付けと取り外しをするものである。
可撓性部材46の両端部は、熱抵抗シート25を取り付ける方の上加圧部23の加圧面24に対し上下に相対的に移動しないように上加圧部23の側方で可逆ロール47に保持され、可撓性部材46が下加圧部21と上加圧部23間を横切ってロッド43が移動する方向と直交するように帯状に架設され、この架設された部分は可逆ロール47の巻き取り・巻き出しにより上加圧部23の加圧面24に対し上下動可能に設けられている。
プレス部32での熱抵抗シート取付け工程において熱抵抗シート25を上加圧部23に取り付ける動作は、図7(a)に示すように下加圧部21に被加圧体16が載置され下加圧部21と上加圧部23が開いた状態で行われる。この状態で可逆ロール47によって可撓性部材46を巻き出すことにより図6に示すように可撓性部材46における下加圧部21と上加圧部23間に配置する部分を加圧方向に円弧状に垂れ下がった湾曲状態にたわませ上加圧部23の加圧面24と可撓性部材46間に間隔を設ける。
さらに図7(b)に示すようにロッド43を可逆ロール47間に伸ばして熱抵抗シート25を上加圧部23の加圧面24と可撓性部材46間の間隔に搬送して挿入し、熱抵抗シート25を吸着ノズル44から下方に離脱させて可撓性部材46で下面を支持させる。
続いて図7(c)に示すように可逆ロール47によって可撓性部材46を巻き取ることにより可撓性部材46を上加圧部23の加圧面24に対し平行に平坦状態に張り渡して上加圧部23の加圧面24に熱抵抗シート25を押し当てる。このように下加圧部21と上加圧部23間に上下動可能に設けた可撓性部材46で熱抵抗シート25を支持することによって加圧部の加圧面に短時間で取り付けができる。
可撓性部材46は熱抵抗シート25の下面全体を保持している。そのため可撓性部材46が熱抵抗シート25と被加圧体16間に介在しているので、熱抵抗シート25による被加圧体16の温度変更の作用効果を阻害しないように可撓性部材46の熱抵抗を熱抵抗シート25より小さく設けることが望ましい。また可撓性部材46が被加圧体16に直接当接しないように可撓性部材46が熱抵抗シート25の外周縁部等の一部を保持してもよい。
そして図7(d)に示すように熱抵抗シート25を可撓性部材46で支持しながら上加圧部23の加圧面24に取り付けた状態で下加圧部21を上方に移動させ上加圧部23と被加圧体16間に熱抵抗シート25を設けて第1プレス工程を行う。
なお上加圧部23と被加圧体16間に熱抵抗シート25に設けない第2プレス工程を行う際は可逆ロール47によって可撓性部材46を巻き取って上加圧部23の加圧面24に可撓性部材46を押し当てた状態で行う。
また図8は他のプレス部32aを示し、プレス部32aは下加圧部21の加圧面22に熱抵抗シート25を取り付けるものであり、プレス部32aは前述したプレス部32における可撓性部材46を用いずに垂直駆動部45を下加圧部21で代用して行うことと水平駆動部41の高さを下方に変更したこと以外はプレス部32と同じ構成とするものである。
プレス部32aでの熱抵抗シート取付け工程において熱抵抗シート25を下加圧部21に取り付ける動作は、図8(a)に示すように水平駆動部41のロッド43を伸ばして吸着ノズル44から熱抵抗シート25を離脱させて熱抵抗シート25を下加圧部21の加圧面22に置く。次に図8(b)に示すように被加圧体16を載置した搬送パレット34を搬送経路36上で移送し搬送パレット34を熱抵抗シート25の上に置き、搬送パレット34によって熱抵抗シート25が上加圧部23の加圧面24に押し当てられるものである。そして図8(c)に示すように下加圧部21を上方に移動させて第1プレス工程を行う。
また熱抵抗シート取外し工程において熱抵抗シート25を上加圧部23又は下加圧部21から取り出すときは、上加圧部23又は下加圧部21に取り付ける時と逆の動作を行って熱抵抗シート25を取り出す。下加圧部21から熱抵抗シート25を取り出す場合は被加圧体16を載置した搬送パレット34をプレス部32から移送させて取り除いた後、取り出す。
なお熱抵抗シート25の取り付け・取り出しを行う際は熱抵抗シート25の移動が容易になるように熱抵抗シート25を支持する可撓性部材46や下加圧部21の上下位置の調整を行うことが好ましい。
以上のように下加圧部又は上加圧部への熱抵抗シートの取り付け・取り出しを短時間で行うことができ、第1プレス工程と第2プレス工程の工程間で加圧時の被加圧体の温度を変更する積層体の形成工程の作業効率を高めることができる。
また前述したように内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層するときに熱抵抗シートの着脱を行う以外に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層するときに熱抵抗シートの着脱を行うことができる。
(実施例)
最初にBaTiO3の粉末とポリビニールブチラール樹脂とを含有する厚み1.6μmのセラミックグリーンシートをPETベースフィルム上に形成しセラミックグリーンシートを用意した。
また前記PETベースフィルムに設けたセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷によりニッケル粉末を主成分とする厚み1.3μmの内部電極パターンを印刷し内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを用意した。
次にセラミックグリーンシートを40枚積層し保護層部の積層体を形成し、さらに内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを一枚積層する毎に被加圧体の加圧・圧着を1回行う積層工程を行って積層体の実効層部を形成した。
実効層部の形成は、まず熱抵抗シートを配設しない第2プレス工程を用いて積層工程を350回繰り返し行って第2積層工程により実効層部の下層を形成した。
次に上加圧部側に設けた厚み20μmのPETフィルムの可撓性部材に手作業で熱抵抗シートを載せ、可撓性部材で熱抵抗シートの下面全体を支持させて上加圧部の加圧面に熱抵抗シートを取り付けた。熱抵抗シートの取り付けに要した作業時間は10秒であった。
また、この可撓性部材は実効層部の下層を形成する第2プレス工程においては上加圧部の加圧面に当接して用いた。
続いて上加圧部と被加圧体間に前記熱抵抗シートを配設した第1プレス工程を用いて積層工程を350回繰り返し行って第1積層工程により実効層部の上層を形成し、内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを総計で700層積層し実効層部を形成した。
実効層部の第1プレス工程と第2プレス工程では1台のプレス装置に取り付けた1対の下加圧部と上加圧部とを用いた。下加圧部と上加圧部の温度は夫々20℃と110℃に保った。また加圧の圧力は25MPaの一定で行った。
熱抵抗シートは厚みが400μm、熱抵抗が2.0×10-32K/Wのシリコーンゴムを用い、被加圧部の被加圧面より大きい面形状とした。
ここで上加圧部が被加圧体を加圧しているとき被加圧体の最上層のセラミックグリーンシートの温度は、実効層部の下層を形成する第2プレス工程では70℃であり上層を形成する第1プレス工程では50℃であった。
次に実効層部を形成した積層体にさらにセラミックグリーンシートを40枚積層して保護層部を形成し積層体を得た。この積層体を1.6mm×0.8mmの大きさに切断して焼成を行った後、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを作製した。
(比較例)
比較例は、実施例の実効層部の上層を形成する際に第1プレス工程の代わりに熱抵抗シートを用いない第2プレス工程を行い上加圧部の温度を変更した以外は実施例と同様に作製した。
実効層部の下層を形成する第2プレス工程では下加圧部の温度を20℃、上加圧部の温度を110℃に一定に保って積層工程を350回行った。
次に下加圧部の温度を20℃に保持したまま、上加圧部のヒータをOFFにして自然放熱によって上加圧部の温度を110℃から70℃に降下させた。上加圧部の温度の切り替えに要した時間は50分であった。
続いて下加圧部と上加圧部の温度を一定にして第2プレス工程を用いて実効層部の上層の積層工程を350回行い、積層セラミックコンデンサを作製した。
ここで上加圧部が被加圧体を加圧しているとき被加圧体の最上層のセラミックグリーンシートの温度は実効層部の下層を形成する第2プレス工程では70℃であり上層を形成する第2プレス工程では50℃であり実施例と同じ温度であった。
以上のように実施例は比較例に比べ積層セラミックコンデンサのプレス工程における加圧時の被加圧体の温度を変更する時間を著しく短縮することができ積層体の形成工程の作業効率を高めることができる。
次に作製した積層セラミックコンデンサについて初期電気特性、信頼性および構造欠陥を評価し、その評価結果を(表1)に示す。
ここで初期電気特性は実施例と比較例の各試料50個についての静電容量とショート率であり、静電容量は周波数1kHzにおいて1Vrmsで測定した静電容量の平均値を示し、ショート率は絶縁抵抗値が103Ω以下の試料をショート品として算出した。
信頼性は高温負荷試験後の絶縁抵抗劣化の有無を示し、高温負荷試験は実施例と比較例の各試料50個について温度85℃にて定格電圧の1倍の直流電圧を1000時間連続印加するもので高温負荷試験後の絶縁抵抗値が1MΩ未満の試料を絶縁抵抗劣化品とし絶縁抵抗劣化品がない場合は○とし1個以上ある場合は×とした。
構造欠陥は外観および断面観察による焼結体のデラミネーションやクラック等の有無を示し、実施例と比較例の各試料100個について構造欠陥を評価し構造欠陥品がない場合は○とし構造欠陥品が1個以上ある場合は×とした。
Figure 0005233804
(表1)に示すように、実施例は積層回数の増加に従ってプレス工程において被加圧体の温度を段階的に下げることにより積層体の変形を防ぎ、比較例と同様に積層セラミックコンデンサの構造欠陥を発生することなく同等の初期電気特性、信頼性を得ることができている。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法はプレス工程において被加圧体の温度を短時間で変更することができ積層体の形成工程の作業効率を高める効果を有し、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、積層バリスタ、積層サーミスタ、積層セラミック回路基板等の積層セラミック電子部品に有用である。
(a)本発明の実施の形態における積層セラミックコンデンサの積層体の形成工程の一部分を示すフローチャート、(b)同他の積層体の形成工程の一部分を示すフローチャート 本発明の実施の形態における積層セラミックコンデンサの斜視図 本発明の実施の形態における内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの断面図 本発明の実施の形態における被加圧体の断面図 本発明の実施の形態における積層装置の模式平面図 本発明の実施の形態におけるプレス部の概略正面図 本発明の実施の形態におけるプレス部の動作を示す概略側面図 本発明の実施の形態における他のプレス部の動作を示す概略側面図
11 セラミックグリーンシート
12 ベースフィルム
13 内部電極パターン
15 積層体
16 被加圧体
18 実効層部
21 下加圧部
22 加圧面
23 上加圧部
24 加圧面
25 熱抵抗シート
31 積層部
32、32a プレス部
34 搬送パレット
41 水平駆動部
43 ロッド
44 吸着ノズル
45 垂直駆動部
46 可撓性部材
47 可逆ロール

Claims (3)

  1. セラミックグリーンシートを積層して被加圧体を形成する工程と、下加圧部に載置された前記被加圧体を上加圧部と前記下加圧部とで加圧しセラミックグリーンシートを圧着するプレス工程とを備える積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記プレス工程は第1プレス工程と第2プレス工程を有し、第1プレス工程は前記下加圧部と前記上加圧部の少なくともいずれか一方の加圧部と前記被加圧体間に熱抵抗シートを配設して前記加圧を行い、第2プレス工程は前記加圧部と前記被加圧体間に前記熱抵抗シートを配設せずに前記加圧を行うものであり、
    第1プレス工程と第2プレス工程は前記上加圧部の温度を前記下加圧部より高温に設け、第1プレス工程と第2プレス工程の工程間で前記熱抵抗シートを着脱することにより第1プレス工程における前記加圧時の前記被加圧体の温度と第2プレス工程における前記温度とを異ならせる積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記熱抵抗シートは熱抵抗が3×10-42K/W〜3×10-32K/Wである請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記熱抵抗シートを着脱する際に、前記下加圧部と前記上加圧部間に上下動可能に設けた可撓性部材によって前記熱抵抗シートを支持する請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
JP2009089912A 2009-04-02 2009-04-02 積層セラミック電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP5233804B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009089912A JP5233804B2 (ja) 2009-04-02 2009-04-02 積層セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009089912A JP5233804B2 (ja) 2009-04-02 2009-04-02 積層セラミック電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010245151A JP2010245151A (ja) 2010-10-28
JP5233804B2 true JP5233804B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=43097877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009089912A Expired - Fee Related JP5233804B2 (ja) 2009-04-02 2009-04-02 積層セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5233804B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0230109A (ja) * 1988-07-20 1990-01-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd フィルムコンデンサの製造方法
JP2007173715A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Kyocera Corp 熱圧着装置及びそれを用いた熱圧着方法
JP4044953B2 (ja) * 2006-03-06 2008-02-06 京セラ株式会社 積層セラミック部品の製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010245151A (ja) 2010-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI552180B (zh) 多層式陶瓷電容器及製造該多層式陶瓷電容器的方法
JP4035988B2 (ja) セラミック積層体及びその製造方法
JP6402829B2 (ja) 多層セラミック基板および多層セラミック基板の製造方法
KR20120062238A (ko) 적층 세라믹 전자부품 및 적층 세라믹 전자부품 제조방법
JP2003022930A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP5169316B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP5233804B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4577951B2 (ja) 積層型電子部品
JP7298384B2 (ja) 電子部品の製造方法および電子部品製造装置
JP3042464B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP2018113300A (ja) 積層電子部品の製造方法
EP1158549A1 (en) Laminated body manufacturing method and laminated body pressurizing device
JP5370396B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP4044953B2 (ja) 積層セラミック部品の製造装置
JP4275914B2 (ja) 積層型電子部品の製法
JP4347858B2 (ja) セラミックグリーンシート積層体のプレス方法及びプレス装置
JP4050485B2 (ja) 積層部品の製造方法および積層部品製造用シート
JP2019197845A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4289054B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004014668A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2023057998A (ja) 積層体の圧着方法及びこれを含むセラミック電子部品の製造方法
JP2007019253A (ja) 積層型電子部品の製造方法及び製造装置
KR101141430B1 (ko) 유전체 시트 압착장치 및 이를 이용한 유전체 시트 압착방법
JP4539148B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2009246102A (ja) 積層電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120330

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130311

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees