JP5233164B2 - 樹脂組成物、接着フィルムおよび受光装置 - Google Patents
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そして、透明基板と、ベース基板との間には、受光部の周囲を取り囲む接着材が設けられている(例えば、特許文献1)。
このような受光装置を製造する際には、受光部が設けられたベース基板(あるいは透明基板)上に、接着材を構成する樹脂組成物を塗布し、所定の部分を露光する。そして、樹脂組成物を選択的に除去した後、ベース基板および透明基板を接着する。
受光装置を製造する際に、前記樹脂組成物の所定の部分を露光するが、この際、樹脂組成物上方に露光装置のマスクを設置する必要がある。
このマスクを設置する際には、ベース基板あるいは透明基板に形成された位置合わせマークを基準に、マスクの位置と、ベース基板あるいは透明基板の位置とを調整するが、樹脂組成物の光透過性が悪い場合には、位置合わせマークを検出することができず、位置合わせが困難となる。
この発明によれば、シリカの平均粒径を0.4μm以下とすることで光透過性のよい樹脂組成物とすることができる。
また、シリカの含有量を40wt%以下含有することで、光透過性のよい樹脂組成物とすることができる。
これにより、ベース基板等とマスクとの位置合わせを容易にすることができる。
なお、シリカの平均粒径を0.03μm以上とすることで、樹脂組成物を作製する際、シリカを比較的分散させやすいという効果がある。
また、シリカの含有量を0.1wt%以上とすることで樹脂組成物の耐熱性、耐湿性を向上させることができる。さらには、樹脂組成物をベース基板と、透明基板との間に配置した際の強度を確保することができる。
また、当該樹脂組成物を厚み50μmのフィルム状に形成した場合、波長750nmにおける透過率が20%以上、95%以下であってもよい。
ベース基板等に形成された位置合わせマークの検出は、一般に、可視光領域で行われる。
従って、波長600nmにおける透過率を7%以上、95%以下、あるいは、波長750nmにおける透過率を20%以上、95%以下とすることで、ベース基板等とマスクとの位置合わせを容易にすることができる。
シリカの最大粒径を1.0μm以下とすることで、樹脂組成物の光透過性を確実に向上させることができる。また、シリカの最大粒径を0.1μm以上とすることで樹脂組成物を作製する際、シリカを比較的分散させやすいという効果がある。
このようなシリカを使用することで樹脂成分とシリカ界面の密着力が増し、樹脂組成物の強度が高くなるという効果がある。
このようにすることで、透明基板と、ベース基板とを熱圧着する際に、樹脂組成物がつぶれてしまうことを防止することができる。
また、本発明によれば、受光部が設けられたベース基板と、前記ベース基板に対し対向配置された透明基板とを備える受光装置であって、前記透明基板と、前記ベース基板との間には、前記ベース基板および前記透明基板間の隙間を保持するとともに、前記受光部を囲む枠材が配置され、前記枠材は、上述した樹脂組成物、あるいは、上述した接着フィルムである受光装置も提供することができる。
本実施形態の樹脂組成物(図2の符号14に該当)は、受光部11が設けられたベース基板12と、透明基板13との間に配置され、ベース基板12および透明基板13間の隙間を保持するために使用される光硬化性の樹脂組成物である(図2参照)。樹脂組成物は、光硬化性樹脂と、シリカとを含有し、前記シリカの含有量が、0.1wt%以上、40wt%以下であり、前記シリカの平均粒径が0.03μm以上、0.4μm以下である樹脂組成物である。
樹脂組成物は、光硬化性樹脂とシリカとを含む。
シリカの含有量は、0.1wt%以上、好ましくは、10wt%以上である。
シリカの含有量を0.1wt%以上、特に10wt%以上とすることで、樹脂組成物の耐熱性、耐湿性を向上させることができる。また、樹脂組成物をベース基板12と、透明基板13との間に配置した際の強度を確保することができる。
また、シリカの含有量は、40wt%以下、好ましくは、35wt%以下である。
シリカの含有量を40wt%以下、特に35wt%以下とすることで、光硬化前、および光硬化後の樹脂組成物の光透過性を確保することができる。
シリカの平均粒径を0.03μm以上、特に、0.01μm以上とすることで、樹脂組成物を作製する際、シリカを比較的分散させやすいという効果がある。
また、シリカの平均粒径は、0.4μm以下、好ましくは、0.3μm以下である。
シリカの平均粒径を、0.4μm以下、特に、0.3μm以下とすることで、光硬化前、および光硬化後の樹脂組成物の光透過性を確実に確保することができる。
レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて、水中にシリカを1分間超音波処理することにより分散させ、測定を行う。D50値を平均粒径とする。
シリカの最大粒径を0.1μm以上とすることで、樹脂組成物を作製する際、シリカを比較的分散させやすいという効果がある。
また、シリカの最大粒径を1.0μm以下とすることで、樹脂組成物の光透過性の低下を防止することができる。
シリカの最大粒径は、以下のようにして計測することができる。
レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて、水中にシリカを1分間超音波処理することにより分散させ、測定を行う。D100値を最大粒径とする。
このようなシリカを使用することで樹脂成分とシリカ界面の密着力が増し、樹脂組成物の強度が高くなるという効果がある。
これらの中でもアクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。アクリル系化合物は光を照射した際の硬化速度が速く、これにより、比較的少量の露光量で樹脂をパターニングすることができる。
これにより、光重合により樹脂組成物を効率良くパターニングすることができる。
前記光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチルなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の0.5wt%以上、5wt%以下が好ましく、特に0.8wt%以上、2.5wt%が好ましい。含有量が0.5wt%未満であると光重合開始する効果が低下する場合があり、5wt%を超えると反応性が高くなりすぎ保存性や解像性が低下する場合がある。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。これらの中でもエポキシ樹脂が特に好ましい。これにより、耐熱性および密着性をより向上することができる。
透過率を20%以上とすることで、樹脂組成物の光透過性が確保され、樹脂組成物を塗布したベース基板12と、露光装置のマスクとの位置合わせを容易に行うことができる。
透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(膜厚25μm)上に、樹脂組成物を膜厚50μmのフィルム状に形成する。
その後、透明PETフィルムがついたままの樹脂組成物を、紫外可視分光光度計UV−160A(島津製作所製)にセットし、波長750nmの透過率を測定する。
なお、この樹脂組成物の透過率は、樹脂組成物を光硬化させる前の透過率である。
ただし、樹脂組成物を硬化した後の波長750nmにおける透過率も20%以上、95%以下であることが好ましい。このようにすることで、後述するベース基板12と透明基板13との位置合わせを容易に行うことができる。
なかでも、前記最低溶融粘度は、500pa・s以上であることがより好ましく、また、前記最低溶融粘度は、50000pa・s以下であることが好ましい。最低溶融粘度を50000pa・s以下とすることで、露光、現像によるパターニング後に、樹脂組成物の流動性を確保することができるため、透明基板13と受光部11が設けられたベース基板12とを熱圧着した際に確実に接着することができる。
PET製のフィルム上に、樹脂組成物を膜厚50μmのフィルム状に形成する。その後、30mm角にカットしたサンプルを3枚準備する。前記各サンプルにブロードバンドの光を照射する。光量は、波長365nmの光で700mJ/cm2とする。フィルム状の樹脂組成物をPET製のフィルムから剥がし、3枚重ねて動的粘弾性測定装置Rheo Stress RS150(HAAKE製)にセットする。プレート間ギャップは100μm、周波数1Hz、昇温速度10℃/分にて、室温〜250℃まで測定する。
図1(A)、(B)に示すように、受光部11が複数設けられたベース基板12上に、ベース基板12を覆うように接着フィルム14を貼り付ける。ここで、接着フィルム14の厚みは5μm以上、100μm以下である。
次に、接着フィルム14が貼り付けられたベース基板12と、図示しない露光装置との位置あわせを行う。
このとき、ベース基板12の接着フィルム14が貼り付けられた面には、図示しない位置合わせマークが形成されている。この位置合わせマークを基準として、露光装置のマスクと、ベース基板12との位置合わせを行う。位置合わせは、可視光領域で行われる。
このとき、ベース基板12に形成された位置合わせマークを基準に透明基板13を設置する。
このような工程により、図2に示す受光装置1を得ることができる。すなわち、受光装置1は、受光部11が設けられたベース基板12と、ベース基板12に対し対向配置された透明基板13とを備える受光装置であって、透明基板13と、ベース基板12との間には、ベース基板12および前記透明基板13間の隙間を保持するとともに、受光部11を囲む枠材が配置される。この枠材は接着フィルム14である。
本実施形態の樹脂組成物は、平均粒径が0.03μm以上、0.4μm以下であるシリカを、0.1wt%以上、40wt%以下含有している。
シリカの平均粒径を0.4μm以下とすることで少なくとも可視光領域における光透過性のよい樹脂組成物とすることができる。
また、シリカの含有量を40wt%以下とすることで、少なくとも可視光領域における光透過性のよい樹脂組成物とすることができる。
これにより、ベース基板12と露光装置のマスクとの位置合わせを容易に行うことができる。また、樹脂組成物を硬化した後のベース基板12と透明基板13との位置合わせも容易に行うことができる。
さらに、シリカの平均粒径を0.03μm以上とすることで、樹脂組成物を作製する際、シリカを比較的分散させやすいという効果がある。また、シリカの含有量を0.1wt%以上とすることで樹脂組成物の耐熱性、耐湿性を向上させることができる。また、樹脂組成物をベース基板12と、透明基板13との間に配置した際の強度を確保することができる。
また、樹脂組成物をフィルム状に形成し、UV照射(700mJ/cm2)後、80℃〜180℃の温度範囲での最低溶融粘度が100Pa・s以上とすることで、透明基板13と、ベース基板12とを熱圧着する際に、樹脂組成物(接着フィルム14)がつぶれたり、溶融して流れてしまうことを防止することができる。
前記実施形態では、樹脂組成物を厚み50μmのフィルム状に形成した場合、波長750nmにおける透過率が20%以上、95%以下あるとしたが、さらに、樹脂組成物を厚み50μmのフィルム状に形成した場合、波長600nmにおける透過率が7%以上、95%以下であってもよい。
このようにすることで、樹脂組成物の光透過性を高め、可視光領域において、ベース基板12と透明基板13との位置あわせをより、容易に行うことができる。
波長600nmにおける透過率を7%以上、95%以下とした場合であってもベース基板12と透明基板13との位置あわせを容易に行うことができる。
透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(膜厚25μm)上に、樹脂組成物を膜厚50μmのフィルム状に形成する。
その後、透明PETフィルムがついたままの樹脂組成物を、紫外可視分光光度計UV−160A(島津製作所製)にセットし、波長600nmの透過率を測定する。
ここでの透過率は、樹脂組成物を硬化する前の透過率である。
また、前記実施形態では、ベース基板12に接着フィルム14を貼り付け、接着フィルム14により透明基板13を貼り合わせた後、ダイシングを行ったが、これに限らず、接着フィルム14をベース基板12に貼り付けた後、受光部単位にベース基板12をダイシングし、その後、透明基板13を貼り付けてもよい。
また、前記実施形態では、樹脂組成物をフィルム状に形成した接着フィルム14をベース基板12に貼り付けたが、これに限らず、ワニス状の樹脂組成物をベース基板12に塗布してもよい。ワニス状の樹脂組成物をベース基板12に塗布した後、乾燥させ、露光、現像する。その後、前記実施形態と同様にして、透明基板13を貼り付け、受光装置1を構成すればよい。このとき、乾燥後のワニス状の樹脂組成物の厚みは、前記実施形態の接着フィルムと同程度の厚みであればよい。
さらに、接着フィルム14は、フィルム状に形成した樹脂組成物上に保護フィルム等が貼り付けられているものであってもよい。
(実施例1〜4,比較例1,2)
(メタクリル変性ビスフェノールAノボラック樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂)の合成)
ビスフェノールAノボラック樹脂(フェノライトLF−4871、大日本インキ化学(株)製)の固形分60%MEK(メチルエチルケトン)溶液500gを、2Lフラスコ中に投入し、これに触媒としてトリブチルアミン1.5g、および重合禁止剤としてハイドロキノン0.15gを添加し、100℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート180.9gを30分間で滴下し、100℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分74%のメタクリル変性ビスフェノールAノボラック樹脂(メタクリロイル変性率50%)を得た。
表1に示す配合により樹脂組成物を作製した。
具体的には、メタクリル変性ビスフェノールAノボラック樹脂(不揮発分74%)、エピクロンN−865(ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製)、BY16−115(シリコーン変性エポキシ樹脂、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、シリカ、NKエステル3G(トリエチレングリコールジメタクリレート、新中村化学工業(株)製)をMEK(メチルエチルケトン、大伸化学(株)製)に溶解し固形分濃度71%になるように調整した。次に、ビーズミル(ビーズ直径400μm、処理速度、6g/s、5パス)を用いて、シリカを分散させ、さらに、感光剤を添加し、攪拌羽根(450rpm)にて、1時間攪拌することにより、樹脂組成物を作製した。
その後、樹脂組成物を透明PET(膜厚25μm)上に塗布し、80℃で15分間乾燥させることにより、フィルム状(接着フィルム)とした。接着フィルム(フィルム状の樹脂組成物)の厚みは50μmである。
このような各実施例の接着フィルムをベース基板に貼り付けた後、露光を行った。このとき、ベース基板の位置あわせマークを可視光で容易に検出することができ、ベース基板とマスクとの位置あわせを容易に行うことができた(表1に示すようにアライメント性が良好となった)。
一方、各比較例の接着フィルムをベース基板に貼り付けた後、露光を行ったところ、ベース基板の位置あわせマークの可視光での検出が困難であった。そのため、ベース基板とマスクとの位置あわせが困難となった(表1に示すようにアライメント性が不良であった)。
11 受光部
12 ベース基板
13 透明基板
14 接着フィルム
Claims (11)
- 受光部が設けられたベース基板と、透明基板との間に配置され、前記受光部を取り囲むとともに、前記ベース基板および前記透明基板間の隙間を保持するための枠材に使用される光硬化性の樹脂組成物であって、
光硬化性樹脂と、
シリカとを含有し、
前記シリカの含有量が、0.1wt%以上、40wt%以下であり、
前記シリカの平均粒径が0.03μm以上、0.4μm以下である樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物において、
当該樹脂組成物を厚み50μmのフィルム状に形成した場合、波長600nmにおける透過率が7%以上、95%以下である樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の樹脂組成物において、
当該樹脂組成物を厚み50μmのフィルム状に形成した場合、波長750nmにおける透過率が20%以上、95%以下である樹脂組成物。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物において、
前記シリカの最大粒径が0.1μm以上、1.0μm以下である樹脂組成物。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物において、
前記シリカは、カップリング処理されているものである樹脂組成物。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物において、
フィルム状に形成し、UV照射(700mJ/cm2)後、80℃〜180℃の温度範囲での最低溶融粘度が100Pa・s以上である樹脂組成物。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂組成物において、
光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を含むものである樹脂組成物。 - 請求項7に記載の樹脂組成物において、
光および熱の両方で硬化可能な前記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂または(メタ)アクリロイル基含有(メタ)アクリル酸重合体を含むものである樹脂組成物。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の樹脂組成物において、
熱硬化性樹脂としてシリコーン変性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物。 - フィルム状に形成した請求項1乃至9のいずれかに記載の樹脂組成物を有する接着フィルム。
- 受光部が設けられたベース基板と、
前記ベース基板に対し対向配置された透明基板とを備える受光装置であって、
前記透明基板と、前記ベース基板との間には、前記ベース基板および前記透明基板間の隙間を保持するとともに、前記受光部を囲む枠材が配置され、
前記枠材は、請求項1乃至9のいずれかに記載の樹脂組成物、あるいは、請求項10に記載の接着フィルムである受光装置。
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