JPWO2008155895A1 - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

電子装置の製造方法は、対向配置された電子部品(受光部11および受光部11が設けられたベース基板12)および基板(透明基板13)と、電子部品および基板を接着し、光硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を含む接着層15とを備える電子装置の製造方法であって、基板あるいは電子部品上に接着層を構成する樹脂組成物を設ける工程と、樹脂組成物に対し、光を選択的に照射し、現像して所定の領域に枠状の接着層を形成する工程と、電子部品および基板間に接着層を配置する工程と、電子部品、基板および接着層を所定の温度まで昇温し、この昇温過程において、前記接着層を介して電子部品および基板を圧着する工程と、前記所定の温度で電子部品、基板および接着層を圧着した状態を維持する工程と、電子部品、基板、接着層を冷却する工程とを含む。

Description

本発明は、電子部品と基板とを有する電子装置の製造方法に関する。
従来、熱硬化性樹脂、たとえば、BCB(ベンゾシクロブテン)樹脂を主成分とする接着層を介して、基板と電子部品とを接着し、電子装置を構成することがある。
このような接着層を介し、基板と電子部品とを接着するためには、接着層を、熱硬化が十分に促進されるような比較的高い所定の温度に保つ必要がある。そのため、プレスヒータを前記所定の温度まで加熱し、プレスヒータの温度が安定した後、プレスヒータを基板および電子部品に当接させると同時にプレスヒータにより、基板、接着層、電子部品を圧着させていた。
これに対し、近年、光硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を含んだ接着層が開発されている(たとえば、特許文献1)。
このような光硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を含んだ接着層を使用する場合には、従来のBCB(ベンゾシクロブテン)樹脂を主成分とする接着層を使用する場合に比べ、高温に加熱する必要がないため、電子部品と基板とを接着する際には、室温で、電子部品と基板とを接着層を介して圧接した後、電子部品、基板、接着層を加熱している。
特開2006−70053号公報
しかしながら、従来の電子装置の製造方法では、電子装置の製造安定性に欠けるという課題がある。
本発明の目的は、製造安定性を向上させることができる電子装置の製造方法を提供することである。
本発明者が検討した結果、以下のような理由により、電子装置の製造安定性が低下していると考えられる。
従来の電子装置の製造方法では、前述したように、電子部品と基板とを接着する際には、室温で、電子部品と基板とを接着層を介して圧接した後、電子部品、基板、接着層を加熱している。
室温で電子部品と基板とを接着層を介して圧接しているため、接着層の電子部品および基板に対する密着性が良好でなく、接着層に歪みが生じる状態となる。このような状態で、電子部品、基板、接着層を加熱すると、接着層に残留応力がかかり、接着層が電子部品や、基板からはがれやすくなる。
そのため、基板と電子部品との接着性が悪くなり、電子装置の製造安定性が低いものとなっていたと考えられる。
本発明は、以上のような知見推測に基づいて発案されたものあり、
本発明によれば、対向配置された電子部品および基板と、前記電子部品および基板を接着し、光硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を含む枠状の接着層とを備える電子装置の製造方法であって、前記基板あるいは前記電子部品上に前記接着層を構成する樹脂組成物を設ける工程と、前記樹脂組成物に対し、光を選択的に照射し、現像して所定の領域に枠状の前記接着層を形成する工程と、前記接着層を介して、前記電子部品および前記基板を対向配置する工程と、前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温し、この昇温過程において、前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する工程と、前記所定の温度で前記電子部品、前記基板および前記接着層を圧着した状態を維持する工程と、前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する工程とを含む電子装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、電子部品、接着層、基板を所定の温度まで昇温する際に、電子部品、接着層、基板を圧着している。接着層が加熱により、粘度が低くなり、柔らかくなった状態において、電子部品、接着層、基板を圧着することができるので、接着層と電子部品との密着性、接着層と基板との密着性を高めることができる。
これにより、基板と電子部品との接着性を高めることができ、電子装置の製造安定性を向上させることができる。
この際、前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温する前記工程において、前記接着層を構成する前記樹脂組成物の粘度が、25℃における前記樹脂組成物の粘度の80%になる温度T1以上で前記電子部品、前記接着層、前記基板の圧着を開始することが好ましい。
接着層を構成する樹脂組成物の粘度が、25℃における樹脂組成物の粘度の80%になる温度T1以上で電子部品、接着層、基板の圧着を開始することで、加熱により接着層の粘度が十分に低くなった状態において、電子部品、接着層、基板を圧着することができる。これにより、接着層の電子部品および基板に対する濡れ性を向上させることができる。
また、接着層を構成する樹脂組成物の粘度が、25℃における樹脂組成物の粘度の80%になる温度T1以上では、接着層の粘度が低くなるため、接着層中の気泡がある程度排除された状態となる。これにより、接着層と電子部品との界面、接着層と基板との界面に空気が入り込んでしまうことを抑制できる。
以上により、接着層と電子部品との密着性、接着層と基板との密着性を確実に高めることができる。
さらに、前記樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含有し、前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温する前記工程において、前記接着層を構成する前記樹脂組成物を25℃から10℃/分の昇温速度で250℃まで昇温したとき、最低溶融粘度を示す温度T2以下で前記電子部品、前記接着層、前記基板の圧着を開始することが好ましい。
このように、最低溶融粘度を示す温度T2以下で前記電子部品、前記基板、前記接着層の圧着を開始することで、接着層の樹脂組成物が熱硬化を開始する前段で、電子部品、接着層、基板を圧着することができる。これにより、接着層と電子部品との密着性、接着層と基板との密着性を確実に高めることができる。
前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する前記工程では、前記電子部品、前記基板、前記接着層の降温過程において、前記電子部品、前記基板、前記接着層に加わる圧力を開放することが好ましい。
さらには、前記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含み、前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する前記工程では、前記所定の温度よりも低く、かつ、前記樹脂組成物の貯蔵弾性率G´が0.03MPaとなる温度T3以下で、前記電子部品、前記基板、前記接着層に加わる圧力を開放することが好ましい。
このようにすることで、接着層に気泡が混入してしまうことを防止できる。
また、前記樹脂組成物は、(i)エポキシ樹脂(ii)光硬化性樹脂(ii)光重合開始剤を含むものであることが好ましい。
さらに、本発明では、前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する前記工程では、前記電子部品、前記基板および前記接着層の温度が40℃以上、100℃以下となった際に前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する(圧着を開始する)ことが好ましい。
さらには、本発明では、前記基板は、透明基板であり、前記電子部品は、受光部と、この受光部が設けられたベース基板とを備え、当該電子装置は受光装置であることが好ましい。
本発明によれば、製造安定性を向上させることができる電子装置を製造することができる電子装置の製造方法が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態の受光装置の製造工程を示す図である。 受光装置の透明基板と、ベース基板とを圧着させる装置を示す図である。 本実施形態の受光装置の製造工程を示す図である。 本実施形態の受光装置の製造工程における温度プロファイルおよび圧力プロファイルを示す図である。 本実施形態の受光装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本実施形態の電子装置である受光装置1(図5参照)の製造工程を示す図である。
本実施形態の製造方法は、対向配置された電子部品(受光部11および受光部11が設けられたベース基板12)および基板(透明基板13)と、電子部品および基板を接着し、光硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を含み、枠状に形成された接着層15とを備える受光装置1の製造方法である。
この受光装置1の製造方法は、前記基板あるいは前記電子部品上に前記接着層を構成する樹脂組成物を設ける工程と、前記樹脂組成物に対し、光を選択的に照射し、現像して所定の領域に枠状の前記接着層を形成する工程と、前記電子部品および基板間に前記接着層を配置する工程と、前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温し、この昇温過程において、前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する工程と、前記所定の温度で前記電子部品、前記基板および前記接着層を圧着した状態を維持する工程と、前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する工程とを含む。
以下に、本実施形態の受光装置の製造方法について、詳細に説明する。
はじめに、図1(A)に示すように、複数の受光部11が設けられたベース基板12を用意する。具体的には、ベース基板12上にマイクロレンズアレイを形成する。
このマイクロレンズアレイの下面、すなわち、ベース基板には、図示しない光電変換部が形成されており、受光部11で受光した光が電気信号に変換されることとなる。
次に、図1(B)に示すように、このベース基板12の表面(受光部11が設けられた面)を覆うように、光硬化性の接着フィルム14を貼り付ける。
接着フィルム14は、前述した接着層15を構成するものである。この接着フィルム14は、光硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されている。
前記光硬化性樹脂としては、例えばアクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂、ウレタンアクリレートオリゴマーまたはポリエステルウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とする紫外線硬化性樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルフェノール系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
これらの中でもアクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。アクリル系化合物は光を照射した際の硬化速度が速く、これにより、比較的少量の露光量で樹脂をパターニングすることができる。
前記アクリル系化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有するものであれば、特に制限されるものはなく、例えば、(メタ)アクリロイル基を1個有する1官能(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリロイル基を2個有する2官能(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが挙げられ、更に具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,10デカンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。また、前記アクリル系化合物には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートも含まれる。また、アクリル系化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も挙げられる。
前記アクリル系化合物の中でも、光硬化反応性と感光性接着剤樹脂組成物の靭性のバランスに優れる点で、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート類が好ましく、その中でも、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが、特に好ましい。
光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)の含有量は、特に限定されないが、接着フィルム14を構成する樹脂組成物全体の5重量%以上、60重量%以下が好ましく、特に8重量%以上、30重量%以下が好ましい。含有量が5重量%未満であると紫外線照射による接着フィルム14のパターニングができない場合があり、60重量%を超えると樹脂が軟らかくなりすぎ、紫外線照射前のシート特性が低下する場合がある。
さらに、接着フィルム14は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
これにより、光重合により接着フィルム14を効率良くパターニングすることができる。
前記光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチルなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の0.5重量%以上、5重量%以下が好ましく、特に0.8重量%以上、2.5重量%以下が好ましい。含有量が0.5重量%未満であると光重合を開始する効果が低下する場合があり、5重量%を超えると反応性が高くなりすぎ保存性や解像性が低下する場合がある。
さらに、接着フィルム14は、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。これらの中でもエポキシ樹脂が特に好ましい。これにより、耐熱性および密着性をより向上することができる。
また、さらに前記エポキシ樹脂として室温で固形のエポキシ樹脂(特にビスフェノール型エポキシ樹脂)と、室温で液状のエポキシ樹脂(特に室温で液状のシリコーン変性エポキシ樹脂)とを併用することが好ましい。これにより、耐熱性を維持しつつ、可とう性と解像性との両方に優れる接着フィルム14とすることができる。
前記熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、接着フィルム14を構成する樹脂組成物全体の10重量%以上、40重量%以下が好ましく、特に15重量%以上、35重量%以下が好ましい。含有量が前記10重量%未満であると耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、40重量%を超えると接着フィルム14の靭性を向上する効果が低下する場合がある。
さらに、接着フィルム14は、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を含むことが好ましい。これにより、前記光硬化性樹脂と前記熱硬化性樹脂との相溶性を向上することができ、それによって硬化(光硬化および熱硬化)した後の接着フィルム14の強度を高めることができる。
前記光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の光反応基を有する熱硬化性樹脂や、エポキシ基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、シアネート基等の熱反応基を有する光硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂、側鎖にカルボキシル基と(メタ)アクリル基を有するアクリル共重合樹脂、(メタ)アクリロイル基含有(メタ)アクリル酸重合体、カルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル変性フェノール樹脂が好ましい。これにより、現像液に有機溶剤ではなく、環境に対する負荷の少ないアルカリ水溶液を適用できると共に、耐熱性を維持することができる。
前記光反応基を有する熱硬化性樹脂の場合、前記光反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、前記光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂の反応基全体(光反応基と熱反応基の合計)の20%以上、80%以下が好ましく、特に30%以上、70%以下が好ましい。変性量が前記範囲内であると、特に解像性に優れる。
前記熱反応基を有する光硬化性樹脂の場合、前記熱反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、前記光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂の反応基全体(光反応基と熱反応基の合計)の20%以上、80%以下が好ましく、特に30%以上、70%以下が好ましい。変性量が前記範囲内であると、特に解像性に優れる。
前記光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、接着フィルム14を構成する樹脂組成物全体の15重量%以上50重量%以下が好ましく、特に20重量%以上40重量%以下が好ましい。含有量が15重量%未満であると相溶性を向上する効果が低下する場合があり、50重量%を超えると現像性または解像性が低下する場合がある。
接着フィルム14は、充填材を含むことが好ましい。充填材は、接着フィルム14の透湿率を制御することが可能な重要な成分である。
前記充填材としては、例えばアルミナ繊維、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、アルミニウムボレート、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー等の針状充填材、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、鱗片状黒鉛、板状炭酸カルシウム等の板状充填材、炭酸カルシウム、シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、未焼成クレー等の球状(粒状)充填材、ゼオライト、シリカゲル等の多孔質充填材等が挙げられる。これらを1種又は2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、シリカ、多孔質充填材が好ましい。
接着フィルム14を構成する前記樹脂組成物は、上述した硬化性樹脂、充填材に加え、本発明の目的を損なわない範囲で可塑性樹脂、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有することができる。
以上のような樹脂組成物は、たとえば、
(i)エポキシ樹脂
(ii)光硬化性樹脂
(iii)光重合開始剤
を含むものとすることができる。
さらに、樹脂組成物は、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を含むものとすることもできる。
次に、フォトマスクを用いて、接着フィルム14に光(例えば、紫外線)を選択的に照射する。これにより、接着フィルム14のうち光照射された部分が光硬化する。露光後の接着フィルム14を現像液(例えば、アルカリ水溶液、有機溶剤等)で現像すると、光照射された部分が現像液に溶解せずに、残ることとなる。ベース基板12上の各受光部11以外の領域に、受光部11を囲むように接着フィルム14を残す(図1(C)参照)。具体的には、接着フィルム14を枠状(ここでは、複数の枠状部分が連なった形状であり、格子状)に残す。これにより、枠状(格子状)の接着層15が形成されることとなる。
その後、接着層15により、受光部11が設けられたベース基板12と、透明基板13とを接着する。
接着層15が設けられたベース基板12、透明基板13を図示しないチャンバ内に設置する。
チャンバ内には、図2に示すように、ベース基板12の周縁部、透明基板13の周縁部を保持する保持部材3が設置されている。この保持部材3は、リング状の枠部31と、この枠部31からリングの中心に向かって突出した爪部32,33とを備える。爪部32は、爪部33よりも上方に位置する。
爪部32上に、透明基板13の周縁部が設置され、爪部33上にベース基板12の周縁部が配置される。そして、保持部材3は、ベース基板12と透明基板13とを対向配置した状態で保持する。
保持部材3に保持されたベース基板12の裏面側および透明基板13の裏面側にはベース基板12および透明基板13を圧着させるための圧着部材4がそれぞれ配置されている。この圧着部材4の内部にはヒータ(図示略)が配置され、圧着部材4がベース基板12,透明基板13に当接した状態で、ベース基板12、接着層15,透明基板13を加熱する。
図4に、受光部11が設けられたベース基板12と、透明基板13とを接着層15により接着する際の温度プロファイル、圧力プロファイルを示す。温度プロファイルは、ベース基板12、接着層15,透明基板13の温度を示し、圧力プロファイルは、ベース基板12、接着層15,透明基板13にかかる圧力を示している。なお、図4のAが圧力プロファイルであり、Bが温度プロファイルである。
はじめに、保持部材3にベース基板12,透明基板13を保持させた状態で、ベース基板12の裏面側および透明基板13の裏面側に圧着部材4を当接させ、ベース基板12と、透明基板13と、接着層15とを所定の温度(たとえば、120℃)まで加熱する。
ここで、所定の温度(たとえば、120℃)まで加熱する工程では、昇温速度を10℃/分以上とすることが好ましい。このようにすることで、受光装置の製造にかかる時間を短くすることができる。また、圧着が開始される前に接着層15にかかる熱履歴を少なくすることで、圧着前の熱硬化の進行を抑制し、貼り付け不良を防ぐという効果もある。
なお、受光装置の製造において、1度目に受光装置を製造する際には、圧着部材4は未加熱であるため、圧着部材4を室温から昇温させていくこととなるが、2度目以降に受光装置を製造する際には、圧着部材4を室温まで冷却しないで、たとえば、60℃程度から昇温させてもよい。
このベース基板12、透明基板13、接着層15を前記所定の温度まで、昇温する過程において、ベース基板12、透明基板13、接着層15を圧着する。
具体的には、たとえば、ベース基板12、透明基板13、接着層15の温度が、接着層15を構成する樹脂組成物の粘度が、室温(25℃)における樹脂組成物の粘度の80%になる温度T1以上となった際に、圧着を開始する。
より好ましくは、樹脂組成物の粘度が、室温(25℃)における樹脂組成物の粘度の70%になる温度T4以上で圧着を開始する。
ここで、T1は以下のようにして求めることができる。
PET製のフィルム上に膜厚50μmの接着フィルム14を形成する。その後、30mm角にカットしたサンプルを3枚準備する。前記各サンプルにブロードバンドの光を照射する。光量は、波長365nmの光で700mJ/cmとする。接着フィルム14をPET製のフィルムから剥がし、3枚重ねて動的粘弾性測定装置Rheo Stress RS150(HAAKE製)にセットする。プレート間ギャップは50um、周波数1Hz、昇温速度10℃/分にて、25℃〜250℃まで測定することにより、粘度Etaを求める。
そして、粘度と、温度との関係を示すデータから、25℃での粘度を0.8倍した粘度になる温度を読み取り、この温度をT1とする。T4も同様の方法で計測できる。
なお、圧着部材4のヒータの温度と、透明基板13、ベース基板12、接着層15の温度とは等しいと考えられる。
また、ベース基板12、透明基板13、接着層15の温度が、接着層15を構成する前記樹脂組成物を室温(25℃)から10℃/分の昇温速度で250℃まで昇温したとき、最低溶融粘度を示す温度T2以下の状態で、圧着を開始する。
ここで、T2は、以下のようにして求めることができる。
T1を求めた際の粘度測定方法により、粘度の温度依存性データを取得する。得られた粘度データで粘度が最も低い温度を最低溶融粘度温度T2とする。
なお、より好ましくは、T2−10℃以下で圧着を開始する。
また、具体的には、40℃以上、100℃以下で圧着を開始することが好ましい。
圧着を開始する際には、ベース基板12側の圧着部材4が透明基板13側に上昇する。また、保持部材3の爪部32が、枠部31側に移動し、透明基板13が圧着部材4に押されて、ベース基板12側に下降する。そして、一対の圧着部材4により、ベース基板12、透明基板13、接着層15が挟持されるとともに、所定の圧力が加えられ、ベース基板12、透明基板13が接着層15を介して圧着される。
その後、圧着部材4により、ベース基板12、透明基板13、接着層15が圧着された状態で、ベース基板12、透明基板13が所定の温度に達するまで加熱される。
なお、真空引きは、ベース基板12、透明基板13、接着層15の加熱を開始する前に開始することが好ましい。
次に、前記所定の温度でベース基板12、透明基板13、接着層15を圧着した状態を所定時間維持する。
その後、ベース基板12、透明基板13、接着層15の冷却を開始する。
ここで、ベース基板12、透明基板13、接着層15の降温過程において、圧着部材4によるベース基板12、透明基板13、接着層15の挟圧が解除される。
この降温過程では、所定の温度(たとえば、室温)まで、降温するが、降温速度は、10℃/分以上とすることが好ましい。このようにすることで受光装置の製造にかかる時間を短くすることができる。なお、降温する際には、室温まで降温せずに、たとえば、60℃程度まで降温し、ベース基板12、透明基板13、接着層15を圧着部材4から取り外してもよい。
ベース基板12、透明基板13、接着層15を圧着した状態を維持した前記所定の温度よりも低く、かつ、接着層15を構成する樹脂組成物の貯蔵弾性率G´が0.03MPaとなる温度T3以下で、ベース基板12、透明基板13、接着層15に加わる圧力を開放することが好ましい。
温度T3は、以下のようにして求めることができる。
PET製のフィルム上に膜厚50μmの接着フィルム14を形成する。その後、30mm角にカットしたサンプルを3枚準備する。前記各サンプルにブロードバンドの光を照射する。光量は、波長365nmの光で700mJ/cmとする。接着フィルム14をPET製のフィルムから剥がし、3枚重ねて動的粘弾性測定装置Rheo Stress RS150(HAAKE製)にセットする。プレート間ギャップは50um、周波数1Hz、昇温速度10℃/分にて、25℃〜250℃まで測定することにより貯蔵弾性率G´を求める。
そして、貯蔵弾性率G´の温度依存性データを取得する。所定の温度(加熱維持温度)よりも低く、かつ、得られた貯蔵弾性率G´データで0.03MPaとなる温度をT3とする。
なお、ベース基板12、透明基板13、接着層15の冷却を開始すると同時に、あるいは、冷却を開始した後、5分程度経過したら、チャンバ内の真空引きを解除することが好ましい。
ベース基板12、透明基板13、接着層15の冷却が終了したら、接着層15の硬化を完了させるためにポストキュアを行う。前述した冷却工程が終了した段階では、接着層15の熱硬化反応率は、たとえば10%程度である。
ポストキュアは、具体的には、たとえば、ベース基板12、透明基板13、接着層15を、温度100〜200℃、時間30分〜180分で加熱する。これにより、接着層15の熱硬化反応率が90%以上となる。
次に、接着したベース基板12および透明基板13を受光部単位に応じて分割する(図3参照)。
具体的には、まず、ベース基板12に対し、給水しながら、ベース基板12にダイシングソーにより切り込みを入れ、溝12Bを形成する。
次に、溝12Bの側面およびベース基板12の底面を覆うように、スパッタリング等により金属膜(図示略)を形成する。
その後、透明基板13側からダイシングソーにより、切込みを入れ、ベース基板12および透明基板13を受光部単位に応じて分割する。この際にも、ベース基板12、透明基板13、接着層15に対し、給水しながら、ダイシングを行なう。
露光後の接着層15は、受光部11以外の領域に残っている状態となっているので、ベース基板12および透明基板13を受光部単位に応じて分割する際には、接着層15もダイシングすることとなる。
以上の工程により、図5に示すような受光装置1を得ることができる。
受光装置1は、受光部11が設けられたベース基板12と、ベース基板12に対し対向配置された透明基板13とを備える受光装置であって、透明基板13と、ベース基板12との間には、ベース基板12および前記透明基板13間の隙間を保持するとともに、受光部11を囲む枠状の接着層15が配置されている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
透明基板13、受光部11が設けられたベース基板12、接着層15を所定の温度まで昇温する際に、昇温工程にて、透明基板13、受光部11が設けられたベース基板12、接着層15を圧着している。接着層15が加熱により、粘度が低くなり、柔らかくなった状態において、透明基板13、受光部11が設けられたベース基板12、接着層15を圧着しているので、接着層15とベース基板12との密着性、接着層15と透明基板13との密着性を高めることができる。
これにより、透明基板13とベース基板12との接着性を高めることができ、受光装置1の製造安定性を向上させることができる。
また、本実施形態では、接着層15の粘度が、室温(25℃)における接着フィルム14の粘度の80%になる温度T1以上で透明基板13、接着層15、ベース基板12の圧着を開始している。
このような温度T1以上で圧着を開始することで、加熱により接着層15の粘度が低くなった状態において、透明基板13、接着層15、ベース基板12を圧着することができる。これにより、接着層15のベース基板12に対する濡れ性、接着層15の透明基板13に対する濡れ性を向上させることができる。
さらに、温度T1以上では、接着層15の粘度が低くなるため、接着層15中の気泡がある程度排除された状態となる。これにより、接着層15とベース基板12との界面、接着層15と透明基板13との界面に空気が入り込んでしまうことを抑制できる。
以上より、接着層15とベース基板12との密着性、接着層15と透明基板13との密着性を確実に高めることができ、接着層15とベース基板12、接着層15と透明基板13を確実に接着することができる。
特に、樹脂組成物の粘度が、室温(25℃)における樹脂組成物の粘度の70%になる温度T4以上で圧着を開始すれば、接着層15とベース基板12との密着性、接着層15と透明基板13との密着性を確実に高めることができる。
さらには、本実施形態では、接着層15が最低溶融粘度を示す温度T2以下で透明基板13、接着層15、ベース基板12の圧着を開始することで接着層15の樹脂組成物が硬化を開始する前段で、透明基板13、接着層15、ベース基板12を圧着することができる。これにより、接着層15とベース基板12との密着性、接着層15と透明基板13との密着性を確実に高めることができる。
特に、T2−10℃以下で、圧着を開始すれば、接着層15とベース基板12との密着性、接着層15と透明基板13との密着性を確実に高めることができる。
さらに、本実施形態では、透明基板13、接着層15、ベース基板12の温度が、接着層15を構成する樹脂組成物の貯蔵弾性率G´が0.03MPaとなる温度T3以下で、透明基板13、接着層15、ベース基板12に加わる圧力を開放している。これにより、接着層15に気泡が混入してしまうことを防止できる。
なお、接着層15の樹脂組成物の構成を(i)エポキシ樹脂、(ii)光硬化性樹脂、(iii)光重合開始剤を含むものとしているが、このような構成の樹脂組成物を使用した場合、従来の製造方法では、気泡が入りやすく、また、接着力が低下しやすかった。これに対し、本実施形態の製造方法を採用することで、気泡の混入を防止し、さらに、接着力の低下も防止できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記実施形態では、樹脂組成物をフィルム状に形成した接着フィルム14をベース基板12に貼り付け、ベース基板12と、透明基板13とを接着していたが、これに限らず、透明基板13に接着フィルム14を貼り付けてもよい。
また、前記実施形態では、ベース基板12に接着フィルム14を貼り付け、接着フィルム14により透明基板13を貼り合わせた後、ダイシングを行ったが、これに限らず、接着フィルム14をベース基板12に貼り付けた後、受光部単位にベース基板12をダイシングし、その後、透明基板13を貼り付けてもよい。
前記実施形態では、樹脂組成物をフィルム状に形成した接着フィルム14をベース基板12に貼り付けたが、これに限らず、ワニス状の樹脂組成物をベース基板12に塗布してもよい。ワニス状の樹脂組成物をベース基板12に塗布した後、乾燥させ、露光、現像する。その後、前記実施形態と同様にして、透明基板13を貼り付け、受光装置1を構成すればよい。
たとえば、樹脂組成物を以下のような組成とすることができる。
樹脂組成物は、光反応性官能基を有する環状オレフィン系樹脂(A)、酸発生剤(B)、酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)を含む。
光反応性官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)を構成する環状オレフィン系樹脂は、特に制限されるものではないが、シクロヘキセン系、シクロオクテン系等の単環体オレフィン系モノマーの重合体、ノルボルネン系、ノルボルナジエン系、ジシクロペンタジエン系、ジヒドロジシクロペンタジエン系、テトラシクロドデセン系、トリシクロペンタジエン系、ジヒドロトリシクロペンタジエン系、テトラシクロペンタジエン系、ジヒドロテトラシクロペンタジエン系等の多環体オレフィン系モノマーの重合体等が挙げられる。これらの中でも、耐湿性や耐薬品性に優れる多環体オレフィンモノマーの重合体が好ましく、その中でも、硬化後の感光性樹脂組成物の耐熱性や機械強度の観点からノルボルネン系モノマーが特に好ましい。
前記ノルボルネン系モノマーとしては、特に制限されるものではなく、2−ノルボルネン、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ノニル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、ジメチルビス((5−ノルボルネン−2−イル)メトキシ))シランなど、シリル基を有するものとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジメチルビス((2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル)トリシロキサンなど、アリール基を有するものとしては、5−フェニルー2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニルメタン−2−ノルボルネン、5−(2−ペンタフルオロフェニルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−ペンタフルオロフェニルプロピル)−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシプロピル)−2−ノルボルネン、5−(4−トリメトキシブチル)−2−ノルボルネン、5ートリメチルシリルメチルエーテル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
光反応性官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)の光反応性官能基は、特に制限されるものではなく、光解像性や硬化後の機械強度の観点から、エポキシ基、オキセタニル基、などが挙げられる。なかでも、光反応性官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)として、エポキシ基を有するノルボルネン系樹脂を含むことが好ましい。エポキシ基を有するノルボルネン系樹脂を適用することにより、硬化後の樹脂組成物の耐熱性、機械強度を確保することが可能となる。
光反応性官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)は、光反応性官能基を有する環状オレフィン系モノマーの単量体だけではなく、光反応性官能基を有する環状オレフィン系モノマーと他のモノマーとの重合体でもよい。光解像性や硬化後の機械強度の観点から、光反応性官能基を有する環状オレフィン系モノマーの重合割合は、20〜80mol%が好ましく、30〜70mol%が特に好ましい。
また、前記他のモノマーは、特に制限されるものではないが、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ノニル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、ジメチルビス((5−ノルボルネン−2−イル)メトキシ))シランなど、シリル基を有するものとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジメチルビス((2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル)トリシロキサンなど、アリール基を有するものとしては、5−フェニルー2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニルメタン−2−ノルボルネン、5−(2−ペンタフルオロフェニルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−ペンタフルオロフェニルプロピル)−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシプロピル)−2−ノルボルネン、5−(4−トリメトキシブチル)−2−ノルボルネン、5ートリメチルシリルメチルエーテル−2−ノルボルネンなど、ヒドロキシル基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものとしては、5−ノルボルネン−2−メタノール、及びこのアルキルエーテル、酢酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、プロピオン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、酪酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、吉草酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプロン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ラウリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ステアリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、オレイン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、リノレン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸i−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸イソボルニルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシエチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸メチルエステル、ケイ皮酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチルエチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルn−ブチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルt−ブチルカルボネート、5−メトキシ−2−ノルボルネン、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−エチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n―プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−デシルエステルなど、エポキシ基を有するものとしては、5−[(2,3−エポキシプロポキシ)メチル]−2−ノルボルネンなど、またテトラシクロ環から成るものとして、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−i−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(4'−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(4'−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(メトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(エトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(i−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(t−ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(シクロへキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(フェノキシロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(テトラヒドロフラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒドロピラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.01,6]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,101,6]ドデック−3−エンなどが挙げられる。
前記環状オレフィン系モノマーの重合形態は、特に制限されるものではなく、ランダム重合、ブロック重合等の公知の形態を適用することができ、また、重合方法は、付加重合法や開環重合法等が挙げられる。具体的に重合体としては、ノルボルネン系モノマ−の(共)重合体、ノルボルネン系モノマ−とα−オレフィン類などの共重合可能な他のモノマ−との共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物などが挙げられ、樹脂の耐熱性の観点から付加重合体が好ましい。
光反応性官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)の重量平均分子量は、特に制限されるわけではないが、溶剤に対する溶解性や樹脂組成物の流動性の観点から5,000〜500,000が好ましく、7,000〜200,000が特に好ましい。重量平均分子量は、標準ポリノルボルネンを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。(ASTMDS3635−91準拠)
光反応性官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)の重量平均分子量は、重合開始剤とモノマーの比を変えたり、重合時間を変えたりすることにより制御することができる。
酸発生剤(B)は、光照射や熱によりブレンステッド酸あるいはルイス酸を発生するものであれば特に制限されるものではなく、前記酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)を重合する機能を有する。前記酸発生剤(B)としては、特に制限されるものではなく、オニウム塩、ハロゲン化合物、硫酸塩やそれらの混合物等が挙げられる。例えばオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、リン酸塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられ、前記のオニウム塩とカウンターアニオンを作ることができる化合物である限り、カウンターアニオンの制限はない。カウンターアニオンの例としては、ホウ酸、アルソニウム酸、リン酸、アンチモニック酸、硫酸塩、カルボン酸とそれらのハロゲン置換体等が挙げられる。
前記オニウム塩の酸発生剤としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロアルセナート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロサルフェート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアーセナート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロスルフォネート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロスルフォニウム、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオロフォスフォネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオスルフォネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロボレート、4,4',4"−トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアーセネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルフォスフェート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロスルフォネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオアンチモネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオフォスフェート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロスフォネート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルヨードニウムトリフルオロスルフォネート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4'−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4'−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、(4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられ、これらを単独で使用しても混合して使用しても良い。
ハロゲンを含有している酸発生剤としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2−アリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、α,β,α−トリブロモメチルフェニルスルフォン、α、α―2,3,5,6−ヘキサクロロキシレン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロキシレン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられ、これらを単独で使用しても混合して使用しても良い。
スルフォネート系の酸発生剤としては、具体的に2−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート、2−ニトロベンジルメチルスフォネート、2−ニトロベンジルアセテート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネート、1,2,3−トリス(メタンスルフォニルロキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(エタンスルフォニルロキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(プロパンスルフォニルロキシ)ベンゼン等が挙げられ、これらを単独で使用しても混合して使用しても良い。
前述のような酸発生剤の中でも、4,4'−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4',4"−トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4'−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート単体またはそれらの混合物の中から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)の架橋を行うと共に基板との密着性を向上することができる。
前記酸発生剤(B)の含有量は、特に限定されないが、前記官能基を有する環状オレフィン系化合物(A)と酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、特に0.5〜10重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に光解像後の開口形状、および感度に優れる。
酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)は、酸発生剤の作用により硬化反応するものであれば制限されるものではないが、光反応性官能基を有する環状オレフィン系樹脂(A)は除かれる。
酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)は、特に制限されるものではないが、室温で液状であるものが好ましい。室温で液状であると粘着性が発現し、被接着部材に対する濡れ性が向上するため、樹脂組成物を光硬化した後の接着性をさらに向上することが可能となる。
酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、1,000以下であることが好ましく、特に100〜600であることが好ましい。重量平均分子量を前記範囲とすることで、特に加熱時の流動性に優れる。
酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)の配合量は、特に制限されるものではないが、光反応性官能基を有する環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、10〜40重量部が特に好ましい。上記範囲とすることで、樹脂組成物が光硬化した後の接着性と適度な流動性を両立することが可能となる。
酸発生剤の作用により硬化反応可能な化合物(C)としては、特に制限されるものではなく、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニル化合物、アクリル化合物、ポリオール、フェノール化合物等が挙げられるが、硬化性、耐熱性、耐湿性、硬化後の感光性樹脂組成物の機械特性の観点から、エポキシ化合物、オキセタン化合物が好ましく、その中でもエポキシ化合物、オキセタニル化合物が好ましい。
前記エポキシ化合物としては、特に制限されるものではないが、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタンジメタノール型等のシクロアルカン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等(シロキサン例示追加)が挙げられ、単独あるいは2種以上混合して用いてよい。
これらの中でも、樹脂との相溶性や光解像性の観点からシクロアルカン型、ビスフェノール型、シロキサン型のいずれかを有するエポキシ化合物が好ましく、シクロアルカン型が特に好ましい。
また、前記エポキシ化合物が単官能であると、架橋密度が低くなり、耐熱性が低下するため2官能以上であることが好ましい。
前記オキセタン化合物としては、特に制限されるものではないが、一般式(1)で示されるオキセタン化合物が挙げられ、単独でも2種以上混合して用いても良い。
Figure 2008155895
としては、特に制限されるものはないが、水素(n=0の時のみ)、フェニル基、ベンジル基、2-エチルヘキシル基、トリエトキシシリルプロピル基などが挙げられる。
一般式(1)で示されるオキセタン化合物の中でも、樹脂との相溶性や光解像性の観点から1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、4,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、3−エチル−3−[(2−エチルヘキシロキシ)メチル]オキセタンが好ましく、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼンが特に好ましい。
前記一般式(1)で示されるオキセタン化合物のmは、0〜10の整数であり、nは0または1である。(但し、m=0の時、n=1でありn=0の時、m=1である。)
mを0〜10とすることで、流動性と硬化性を両立することが可能となる。また、nを0または1とすることで、樹脂組成物が架橋過多になることを抑制できるため、接着性と機械強度を両立することが可能となる。
樹脂組成物は、酸発生剤(B)の感度を向上させる目的で増感剤(D)を含んでいても良い。増感剤としては、特に制限されるものではないが、2−イソプロピル−9H―チオキサンテン−9−エン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4−プロポキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、フェノチアジン等のシクロ芳香族系が挙げられ、単独でも2種以上混合して用いても良い。これらの中でも、酸発生剤のi線に対する感度を向上させる観点から、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4−プロポキシ−9H−チオキサンテン−9−オンが好ましく、1−クロロ−4−プロポキシ−9H−チオキサンテン−9−オンが特に好ましい。
樹脂組成物は、樹脂組成物の未露光部へ拡散する酸を吸収することで解像度を向上させる目的で、酸拡散防止剤(E)を含んでいても良い。酸拡散防止剤としては、特に制限されるものではないが、ピリジン、ルチジン、フェノチアジン、トリ−n−プロピルアミンとトリエチルアミンなどの第二、第三アミン等が挙げられ、単独でも2種以上混合して用いても良い。これらの中でも、解像度向上の観点からフェノチアジンが特に好ましい。
樹脂組成物は、樹脂組成物の熱による酸化を防止する目的で、酸化防止剤(F)を含んでいても良い。酸化防止剤としては、特に制限されるものではないが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられ、単独でも2種以上混合して用いても良い。これらの中でも、樹脂組成物の機械的強度の観点からヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
樹脂組成物は、上述の成分以外に、レベリング剤、難燃剤、可塑剤、シランカップリング剤等を含んでいても良い。
なお、以上のような樹脂組成物を使用する場合には、圧着を維持する温度は200℃前後となる。
さらに、前記実施形態では、透明基板13と、受光部11が設けられたベース基板12とを接着したが、これに限らず、本発明は、基板と、電子部品とを接着するものであれば、特に限られない。
さらに、前記実施形態では、接着層15を構成する樹脂組成物は、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂を含有するとしたが、これに限らず、たとえば、光硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含有するものとしてもよい。
(実施例1)
前記実施形態と同様の方法で受光装置を製造した。
<メタアクリロイル変性ノボラック型ビスフェノールA樹脂MPN001の合成>
ノボラック型ビスフェノールA樹脂(フェノライトLF−4871、大日本インキ化学(株)製)の固形分60%MEK(メチルエチルケトン)溶液500gを、2Lフラスコ中に投入し、これに触媒としてトリブチルアミン1.5g、および重合禁止剤としてハイドロキノン0.15gを添加し、100℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート180.9gを30分間で滴下し、100℃で5時間攪拌反応させることにより、固形分74%のメタクリロイル変性ノボラック型ビスフェノールA樹脂MPN001(メタクリロイル変性率50%)を得た。
<樹脂組成物ワニスの作製>
光および熱の両方で硬化可能な樹脂として、メタアクリロイル変性ノボラック型ビスフェノールA樹脂MPN001を31.8質量%と、熱硬化性樹脂として、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:N865)15.0質量%と、シリコーン変性エポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:BY16−115)3.6質量%と、光硬化性樹脂として、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステル3G)14.7質量%とを、MEK(メチルエチルケトン、大伸化学(株)製)に溶解し、固形分濃度71%になるように樹脂組成物ワニスを得た。
次に、フィラーとしてシリカ(アドマテックス(株)製、SO−E2、平均粒子径:0.5μm、最大粒径:2.0μm)33.7質量%を分散させた。
そして、さらに、光重合開始剤として、2,2ジメトキシ−1,2ジフェニルエタンー1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)1.2質量%を添加し、攪拌羽根(450rpm)にて、1時間攪拌することにより、樹脂組成物ワニスを得た。なお、上記樹脂組成物ワニス中のメタクリロイル変性ノボラック型ビスフェノールA樹脂MPN001の含有量は、固形分の値である。
<接着フィルムの作製>
その後、樹脂組成物ワニスを透明PET(膜厚25μm)上に塗布し、80℃で15分間乾燥させることにより、50μm厚の接着層を形成し、接着フィルムを得た。
<受光装置の製造方法>
受光部搭載8インチ半導体ウエハ(ベース基板)(厚み:300μm)に、上記接着フィルムをロールラミネーター(ロール温度:60℃、速度:0.3m/分、シリンジ圧:2.0kgf/cm)の条件でラミネートし、その後、接着層付き受光部搭載8インチ半導体ウエハを得た。次に、フォトマスクと接着層付き受光部搭載8インチ半導体ウエハを位置合わせし、波長365nmの光を700mJ/cm照射し、透明PETフィルムを引き剥がした。さらに、2.38%TMAHを用いて、現像液圧:0.3MPa、時間:90秒で現像を行い、5mm角、幅0.6mmの形状の接着層からなる枠部(枠状の接着層)を形成した。
次に、サブストレート・ボンダ(ズース・マイクロテック(株)製、SB8e)に上記枠部を有する受光部搭載8インチ半導体ウエハおよび8インチ透明基板をセットし、表1に示す条件で受光部搭載8インチ半導体ウエハと8インチ透明基板の圧着を行った。具体的には、実施例1では、25℃(表1のa.昇温開始温度)で受光部搭載8インチ半導体ウエハ、8インチ透明基板、接着層の昇温を開始し、120℃まで昇温した(表1のe.ピーク温度)。昇温速度は30℃/分とした(表1のb.昇温速度)。この昇温過程において、36℃に達した段階で、圧着を開始した(表1のc.圧着開始温度)。圧着圧力は1.1MPaとした(表1のd.圧着圧力)。圧着開始温度における接着層の樹脂組成物の粘度は72120Pa・sであり、圧着開始温度は、接着層を構成する樹脂組成物の粘度が、25℃における樹脂組成物の粘度の95%となる温度であった。
その後、120℃で300秒で圧着を維持し(表1のe.ピーク温度、f.加熱維持時間)、受光部搭載8インチ半導体ウエハ、8インチ透明基板、接着層に圧力をかけた状態で冷却を開始し、冷却過程において、圧力を開放した。
圧力開放時の温度60℃(表1のh.圧力開放温度)における貯蔵弾性率は、0.11MPaであった。
その後、150℃、90分の条件でポストキュアを行った。得られた受光部搭載8インチ半導体ウエハと8インチ透明基板の接着物を、ダイシングソーを用い、所定の大きさにダイシングし、受光装置を得た。
(実施例2〜9)
製造条件を表1に示すようにした点以外は、実施例1と同様の方法で受光装置を製造した。いずれの実施例でも、昇温過程において、圧着している。
(比較例1)
製造条件を表1に示すようにした。
比較例1では、室温、すなわち、昇温開始温度において、受光部搭載8インチ半導体ウエハ、8インチ透明基板、接着層を圧接させた。
他の点においては、実施例1と同じである。
<樹脂組成物のT1,T2,T3の算出>
実施例、比較例で得られた接着フィルムに、波長365nmの光を700mJ/cm照射し露光を行った。次いで、接着フィルムから透明PETを剥がし接着層を3枚重ねて、動的粘弾性測定装置Rheo Stress RS150(HAAKE社製、測定周波数:1Hz、ギャップ間隔:100μm、測定温度範囲:25〜200℃、昇温速度10℃/分)で粘度Etaおよび貯蔵弾性率G´を測定した。実施例、比較例で得られた接着フィルムの25℃における粘度Etaは76000Pa・sであり、その80%である60800Pa・sになる温度は41℃(T1)であった。また、最低溶融粘度は0.03MPaであり、その時の温度は100℃(T2)であった。
さらに、貯蔵弾性率が0.03MPaとなる温度T3は80℃であった。
<圧着温度における粘度比>
圧着開始温度における粘度を、上記測定で得られたチャートより読み取り、下記式により算出した。
粘度比(%)={(圧着開始温度における粘度)/(25℃における粘度)}×100
<圧力開放温度における弾性率>
圧力開放温度における貯蔵弾性率を、上記測定で得られたチャートより読み取った。
<密着性評価>
得られた受光装置の密着性(n=10)をダイシェア強度により測定した。
<ボイド評価>
得られた受光装置の接着層のボイド(n=10)を、下記の通り判断した。接着層のボイドは、光学顕微鏡により観察した。
◎:ボイドも微小ボイドも無く、貼りつけられている。
○:微小ボイド(200μm未満)が20個〜1個存在する。
×:ボイド(200μm以上)が存在する。
<信頼性評価>
得られた受光装置(n=10)を85℃/85%の環境下で72時間処理した後、最高到達温度245℃のリフロー処理を3回行った。その後、接着層の剥離、クラックを顕微鏡で観察し、結果を以下のように判断した。
○:全サンプル(n=10)全て剥離、クラックはない。
×:1個以上のサンプルで、剥離もしくはクラックが発生する。
<結果>
実施例1〜8では、密着性が高く、接着層のボイドがほとんどなく、信頼性の高いものとなった。これに対し、比較例では、密着性が低く、接着層のボイドが多く、信頼性に劣るものとなった。
また、実施例1と、実施例2〜7、9とを比較すると、圧着開始温度は、接着層を構成する樹脂組成物の粘度が、25℃における樹脂組成物の粘度の80%になる温度T1以上であることが好ましいことがわかる。
さらに、実施例8と、実施例5とを比較すると、圧力開放温度はT3以下であることが好ましいことがわかる。
Figure 2008155895

Claims (8)

  1. 対向配置された電子部品および基板と、
    前記電子部品および前記基板を接着し、光硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を含む枠状の接着層とを備える電子装置の製造方法であって、
    前記基板あるいは前記電子部品上に前記接着層を構成する樹脂組成物を設ける工程と、
    前記樹脂組成物に対し、光を選択的に照射し、現像して所定の領域に枠状の前記接着層を形成する工程と、
    前記接着層を介して、前記電子部品および前記基板を対向配置する工程と、
    前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温し、この昇温過程において、前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する工程と、
    前記所定の温度で前記電子部品、前記基板および前記接着層を圧着した状態を維持する工程と、
    前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する工程とを含む電子装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
    前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温する前記工程において、
    前記接着層を構成する前記樹脂組成物の粘度が、25℃における前記樹脂組成物の粘度の80%になる温度T1以上
    で前記電子部品、前記接着層、前記基板の圧着を開始する電子装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の電子装置の製造方法において、
    前記樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含有し、
    前記電子部品、前記基板および前記接着層を所定の温度まで昇温する前記工程において、
    前記接着層を構成する前記樹脂組成物を25℃から10℃/分の昇温速度で250℃まで昇温したとき、最低溶融粘度を示す温度T2以下
    で前記電子部品、前記接着層、前記基板の圧着を開始する電子装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の電子装置の製造方法において、
    前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する前記工程では、前記電子部品、前記基板、前記接着層の降温過程において、前記電子部品、前記基板、前記接着層に加わる圧力を開放する電子装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の電子装置の製造方法において、
    前記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含み、
    前記電子部品、前記基板、前記接着層を冷却する前記工程では、前記所定の温度よりも低く、かつ、前記樹脂組成物の貯蔵弾性率G´が0.03MPaとなる温度T3以下で、前記電子部品、前記基板、前記接着層に加わる圧力を開放する電子装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の電子装置の製造方法において、
    前記樹脂組成物は、
    (i)エポキシ樹脂
    (ii)光硬化性樹脂
    (iii)光重合開始剤
    を含む電子装置の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する前記工程では、前記電子部品、前記基板および前記接着層の温度が40℃以上、100℃以下となった際に前記接着層を介して前記電子部品および前記基板を圧着する電子装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記基板は、透明基板であり、
    前記電子部品は、受光部と、この受光部が設けられたベース基板とを備え、
    当該電子装置は受光装置である電子装置の製造方法。
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