JP2010192628A - 半導体ウエハー接合体、半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体ウエハー接合体、半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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正洋 米山
Masakazu Kawada
政和 川田
Toyosei Takahashi
高橋  豊誠
Hirohisa Dejima
裕久 出島
Fumihiro Shiraishi
史広 白石
Toshihiro Sato
敏寛 佐藤
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Abstract

【課題】1つの半導体装置に対応する個別回路が設けられた半導体ウエハーと、透明基板と、これら同士を部分的に接合するスペーサとを有する半導体ウエハー接合体を、ダイシングソーを用いて個別回路毎に個片化して半導体装置を得る際に、ダイシングソーの劣化が早期に生じてしまうのを的確に防止または抑制された半導体ウエハー接合体、かかる半導体ウエハー接合体を用いた半導体装置の製造方法、および、かかる半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を提供すること。
【解決手段】本発明の半導体ウエハー接合体1000は、半導体ウエハーと、透明基板と、スペーサ104とを有する半導体ウエハー接合体1000であり、スペーサ104は、この半導体ウエハー接合体1000をダイシングソーを用いて個片化して半導体装置を得る際に、ダイシングソーで切断するダイシングラインA、B上に、その少なくとも一部が欠損した欠損部107を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体ウエハー接合体、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
CMOSイメージセンサーやCCDセンサー等に代表される半導体装置であって、受光部と回路とを備えた半導体基板と、半導体基板上に設けられたスペーサと、該スペーサを介して半導体基板に接合された透明基板とを有する半導体装置が知られている。
このような半導体装置の製造方法として、半導体装置の生産性の向上を図るために、感光性フィルムを用いた方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この感光性フィルムを用いて、半導体装置は、例えば、下記のようにして複数のものが一括して製造される。
まず、複数の受光部と回路とを備えた半導体ウエハー上に、この半導体ウエハーを覆うように感光性フィルム(スペーサ形成層)を貼り付ける。
次に、感光性フィルムに対して、光を選択的に照射(露光)した後、現像することにより、半導体ウエハー上の各受光部を囲む領域に、感光性フィルムを選択的に残存させてスペーサを格子状に形成する。
次に、スペーサが形成された半導体ウエハーと透明基板とを、スペーサが介在するようにして対向配置させた後、これらを圧着することにより、半導体ウエハーと透明基板とがスペーサを介して接合された半導体ウエハー接合体を得る。
次に、この半導体ウエハー接合体を、半導体ウエハーが備える受光部と回路とを含むチップ単位に応じて個片化することにより、複数の前記半導体装置が一括して製造される。
以上のようにして、半導体装置は、半導体ウエハーと透明基板とがスペーサを介して接合された半導体ウエハー接合体を個片化することにより製造されるが、この個片化は、ダイシングソーを用いて、前記半導体ウエハー接合体を平面視でスペーサが存在する位置で切断することにより行われる。
したがって、ダイシングソーは、この個片化の際に、半導体ウエハー、スペーサおよび透明基板の何れをも切断することとなる。
ここで、一般的に、透明基板はシリカのような酸化シリコン系材料で構成され、半導体ウエハーはシリコンで構成されるため、これらの材料を好適に切断し得るものをダイシングソーとして選択される。しかしながら、このようなダイシングソーを、樹脂材料で構成されるスペーサの切断にも適用すると、ダイシングソーの刃に目詰まり等が生じその劣化が早期に生じてしまうという問題がある。
さらに、個片化の際に、上記のように、ダイシングソーでスペーサが切断される構成となっているため、スペーサに負荷がかかり、スペーサと半導体ウエハーおよび透明基板との双方の界面に亀裂が生じてしまうという問題もある。
特開2008−91399号公報
本発明の目的は、1つの半導体装置に対応する個別回路が設けられた半導体ウエハーと、透明基板と、これら同士を部分的に接合するスペーサとを有する半導体ウエハー接合体を、ダイシングソーを用いて個別回路毎に個片化して半導体装置を得る際に、ダイシングソーの劣化が早期に生じてしまうこと、および、スペーサと半導体ウエハーおよび透明基板との双方の界面に亀裂が生じてしまうのを的確に防止または抑制された半導体ウエハー接合体、かかる半導体ウエハー接合体を用いた半導体装置の製造方法、および、かかる半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)に記載の本発明により達成される。
(1) 1つの半導体装置に対応する個別回路が設けられた半導体ウエハーと、透明基板と、前記半導体ウエハーおよび前記透明基板同士を部分的に接合するスペーサとを有する半導体ウエハー接合体であって、
前記スペーサは、当該半導体ウエハー接合体をダイシングソーを用いて前記個別回路毎に個片化して半導体装置を得る際に、前記ダイシングソーで切断するダイシングライン上に、その少なくとも一部が欠損した欠損部を有していることを特徴とする半導体ウエハー接合体。
(2) 前記スペーサは、前記個別回路の上部に空隙部を形成するようなパターンで形成される上記(1)に記載の半導体ウエハー接合体。
(3) 前記スペーサは、複数の互いに平行な第1の線状部と、前記第1の線状部に直交する複数の互いに平行な第2の線状部とを有する上記(1)または(2)に記載の半導体ウエハー接合体。
(4) 前記欠損部は、前記第1の線状部および前記第2の線状部の少なくとも一方のほぼ中央に設けられる上記(3)に記載の半導体ウエハー接合体。
(5) 前記欠損部は、前記第1の線状部および前記第2の線状部の少なくとも一方に、その長手方向に沿って、線状に設けられる上記(3)または(4)に記載の半導体ウエハー接合体。
(6) 前記欠損部は、前記第1の線状部および前記第2の線状部の少なくとも一方に、その長手方向に沿って、点線状に設けられる上記(3)または(4)に記載の半導体ウエハー接合体。
(7) 前記スペーサは、アルカリ可溶性樹脂と、熱硬化性樹脂と、光重合開始剤とを含む構成材料で構成される上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体。
(8) 前記アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂である上記(7)に記載の半導体ウエハー接合体。
(9) 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である上記(7)または(8)に記載の半導体ウエハー接合体。
(10) 前記構成材料として、さらに、光重合性樹脂を含有する上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体。
(11) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体を用意する工程と、
前記ダイシングライン上に沿って前記ダイシングソーを用いて前記半導体ウエハー接合体を個片化することにより半導体装置を得る工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(12) 上記(11)に記載の半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、ダイシングソーを用いて半導体ウエハー接合体を個片化して半導体装置を得る際に、ダイシングソーでスペーサを切断する部分を効果的に少なくすることができるので、スペーサを切断することに起因するダイシングソーの劣化を的確に抑制または防止することができる。
本発明の半導体装置の一例を示す断面図である。 半導体装置の製造方法の一例を示す工程図である。 半導体装置の製造方法の一例を示す工程図である。 第1の構成のスペーサを備える半導体ウエハー接合体の平面視での模式図である。 第2の構成のスペーサを備える半導体ウエハー接合体の平面視での模式図である。 第3の構成のスペーサを備える半導体ウエハー接合体の平面視での模式図である。
以下、本発明の半導体ウエハー接合体、半導体装置の製造方法および半導体装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<半導体装置(イメージセンサ)>
まず、本発明の半導体ウエハー接合体および半導体装置の製造方法を説明するのに先立って、本発明の半導体装置について説明する。
図1は、本発明の半導体装置の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すように、半導体装置(受光装置)100は、ベース基板101と、ベース基板101に対向配置された透明基板102と、ベース基板101上に形成された受光部を含む個別回路103と、受光部を含む個別回路103の縁部に形成されたスペーサ104と、ベース基板101の下面に形成された半田バンプ106とを有する。
ベース基板101は、半導体基板であり、この半導体基板には図示しない回路(後述する半導体ウエハーが備える個別回路)が設けられている。
ベース基板101上には、受光部を含む個別回路103が設けられている。受光部を含む個別回路103は、例えば、ベース基板101側から受光素子とマイクロレンズアレイとがこの順に積層された構成となっている。
透明基板102は、ベース基板101に対向配置されており、ベース基板101の平面寸法と略同じ平面寸法となっている。透明基板102は、透明性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、シリカ(水晶)等の酸化シリコン系材料等で構成される。
スペーサ104は、受光部を含む個別回路103が備えるマイクロレンズアレイと透明基板102とを、これらの縁部において直接接着されており、ベース基板101および透明基板102を接着するものである。そして、このスペーサ104は、受光部(マイクロレンズアレイ)を含む個別回路103と透明基板102との間に空隙部105を形成している。
なお、受光部を含む個別回路103が備える受光素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等が挙げられ、この受光素子において、受光した光が電気信号に変換されることとなる。
半田バンプ106は、導電性を有し、ベース基板101の下面において、このベース基板101に設けられた配線と電気的に接続されている。これにより、受光部を含む個別回路103で光から変換された電気信号が、半田バンプ106に伝達される。
このような半導体装置100は、半導体ウエハ接合体を製造した後、このものを個片化することにより製造することができる。
以下、かかる構成の半導体装置の製造方法について説明する。
図2および図3は、半導体装置の製造方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図2および図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]まず、受光部を含む個別回路103が設けられ、1つの半導体装置(半導体素子)に対応する個別回路(図示せず)が複数形成された半導体ウエハー101’を用意する。
本実施形態では、図2(a)に示すように、半導体ウエハー101’に設けられた個別回路に電気的に接続して形成される受光部を含む個別回路103が一体的に形成されている。
また、半導体ウエハー101’は、通常、シリコンで構成される。
[2]次に、半導体ウエハー101’の上面側、すなわち受光部を含む個別回路103が設けられている側に、接着性を有するスペーサ形成層12を形成する。
このスペーサ形成層12の形成方法としては、特に限定されず、例えば、I:支持基材(フィルム)11上に形成されたスペーサ形成層12を半導体ウエハー101’上に転写する方法、II:スペーサ形成層12の構成材料を含有するワニス(液状材料)を塗布した後、乾燥してスペーサ形成層12を形成する方法、III:スペーサ形成層12の構成材料を直接描画する方法等が挙げられるが、これらの中でも、Iの方法を用いるのが好ましい。Iの方法において、後述するスペーサ形成層12の露光を、支持基材11を介して行う構成とすれば、スペーサ形成層12に不本意に塵等が付着するのを効果的に防止することができる。
さらに、スペーサ形成層12の露光の際に、支持基材11を取り外していると、スペーサ形成層12がマスク20に付着してしまい、これに起因して、スペーサ形成層12の表面が平坦でなくなったり、次に露光する半導体ウエハー101’が備えるスペーサ形成層12に、この付着したスペーサ形成層12が再付着してしまうことがあるが、スペーサ形成層12の露光を支持基材11を介して行う構成であれば、かかる問題点を効果的に防止することができるという利点も得られる。
以下では、Iの方法を用いてスペーサ形成層12を半導体ウエハー101’に形成する場合を一例に説明する。
[2−1]まず、図2(b)に示すように、支持基材11上にスペーサ形成層12が設けられたスペーサ形成用フィルム1を用意する。
本実施形態では、スペーサ形成層12は、アルカリ可溶性樹脂と、熱硬化性樹脂と、光重合開始剤とを構成材料として含む樹脂組成物で構成されるものである。
かかる構成のスペーサ形成層12は、光が照射された部分が硬化する光硬化性、光が照射されていない部分がアルカリ現像液に対して溶解するアルカリ現像性、および、光が照射された部分が加熱によりさらに硬化する熱硬化性の何れの特性をも備えるものである。
ここで、本発明では、この樹脂組成物の構成材料は、各種特性を好適に発揮しつつ、特に、アルカリ現像性に優れるものが好適に選択される。
以下、この樹脂組成物の各構成材料について詳述する。
(アルカリ可溶性樹脂)
スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含んでいる。これにより、スペーサ形成層12は、アルカリ現像性を有するものとなる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばクレゾール型、フェノール型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、カテコール型、レゾルシノール型、ピロガロール型等のノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、水酸基およびカルボキシル基等を含む環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂(具体的には、ポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらアルカリ可溶性樹脂の中でも、アルカリ現像に寄与するアルカリ可溶性基および二重結合の双方を有するものを用いるのが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。このアルカリ可溶性基は、アルカリ現像に寄与することができるとともに、熱硬化反応に寄与することもできる。また、アルカリ可溶性樹脂は、二重結合を有していることにより、光硬化反応に寄与することができる。
このようなアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂としては、例えば、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を挙げることができ、具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基およびビニル基等の光反応基を有する熱硬化性樹脂や、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の熱反応基を有する光硬化性樹脂等が挙げられる。
なお、熱反応基を有する光硬化性樹脂は、さらに、エポキシ基、アミノ基、シアネート基等の他の熱反応基を有していてもよい。かかる構成の光硬化性樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂、(メタ)アクリロイル基含有アクリル酸重合体およびカルボキシル基含有(エポキシ)アクリレート等が挙げられる。また、カルボキシル基含有アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂であっても構わない。
以上のようなアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂)の中でも、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いるのが好ましい。(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いれば、アルカリ可溶性基を含有することから、現像処理により未反応の樹脂を除去する際に、現像液として通常用いられる有機溶剤の代わりに、環境に対する負荷のより少ないアルカリ液を適用することができる。さらに、二重結合を含有することにより、この二重結合が硬化反応に寄与することとなり、その結果として、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。また、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いることにより、アルカリ現像液による現像処理により未反応の樹脂を除去してスペーサ104を形成する際に、アンダーカットを生じさせることなくスペーサ104を形成できるので、微細な形状のスペーサ104をも優れた寸法精度で形成することができる。
(メタ)アクリル変性フェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノール類が備える水酸基と、エポキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のエポキシ基とを反応させて得られた、(メタ)アクリロイル変性ビスフェノール樹脂が挙げられる。
具体的には、このような(メタ)アクリロイル変性ビスフェノール樹脂としては、例えば、下記化1に示すようなものが挙げられる。
Figure 2010192628
また、その他、エポキシ樹脂の両末端に(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂の分子鎖中に、この(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂の分子鎖中の水酸基と、二塩基酸中の一つのカルボキシル基とがエステル結合で結合することにより、二塩基酸が導入されている化合物(なお、この化合物中のエポキシ樹脂の繰り返し単位は1以上、分子鎖中に導入されている二塩基酸の数は1以上)が挙げられる。なお、かかる化合物は、例えば、先ず、エピクロルヒドリンと多価アルコールとを重合させて得られるエポキシ樹脂の両末端のエポキシ基と、(メタ)アクリル酸とを反応させることにより、エポキシ樹脂の両末端に(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂を得、次いで、得られた(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂の分子鎖中の水酸基と、二塩基酸の無水物を反応させることにより、この二塩基酸の一方のカルボキシル基とエステル結合を形成させることにより得られる。
ここで、光反応基を有する熱硬化性樹脂を用いる場合、この光反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20〜80%程度であるのが好ましく、30〜70%程度であるのがより好ましい。光反応基の変性量を上記の範囲とすることで、特に解像性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
一方、熱反応基を有する光硬化性樹脂を用いる場合、この熱反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20〜80%程度であるのが好ましく、30〜70%程度であるのがより好ましい。熱反応基の変性量を上記の範囲とすることで、特に解像性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
また、アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂を用いる場合、この樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、30000以下であることが好ましく、5000〜150000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、フィルム上にスペーサ形成層を形成する際の成膜性に特に優れるものとなる。
ここで、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、例えばGPC(ゲル浸透クロマトグラフ)を用いて評価でき、予め、スチレン標準物質を用いて作成された検量線により重量平均分子量を算出することができる。なお、測定溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、40℃の温度条件下で測定した。
また、樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体において、15〜50重量%程度であるのが好ましく、20〜40重量%程度であるのがより好ましい。なお、樹脂組成物が後述する充填材を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、樹脂組成物の樹脂成分(充填材を除く全部の成分)のうち、10〜80重量%程度であってもよく、好ましくは15〜70重量%程度であってもよい。アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記下限値未満であると、樹脂組成物中の他の成分(例えば、後述する光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂)との相溶性を向上させる効果が低下するおそれがあり、前記上限値を超えると現像性またはフォトリソグラフィ技術により形成されるスペーサのパターニングの解像性が低下するおそれがある。換言すれば、アルカリ可溶性樹脂の含有量を上記の範囲とすることで、フォトリソグラフィ法により樹脂をパターニングしたあと、熱圧着できるという機能をより確実に発揮し得るものとすることができる。
(熱硬化性樹脂)
また、スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含んでいる。これにより、スペーサ形成層12は、露光、現像した後でも、その硬化により接着性を発揮するものとなる。すなわち、スペーサ形成層12と半導体ウエハーとを接合して、露光、現像した後、透明基板102をスペーサ形成層12に熱圧着することができる。
なお、この熱硬化性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂として、熱で硬化可能な硬化性樹脂を用いた場合には、この樹脂とは異なるものが選択される。
具体的には、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、エポキシ変性シロキサン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。これにより、耐熱性および透明基板102との密着性をより向上させることができる。
さらに、エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂としては、室温で固形のエポキシ樹脂(特にビスフェノール型エポキシ樹脂)と、室温で液状のエポキシ樹脂(特に室温で液状のシリコーン変性エポキシ樹脂)とを併用することが好ましい。これにより、耐熱性を維持しつつ、可撓性と解像性との両方に優れるスペーサ形成層12とすることができる。
樹脂組成物における熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体において、10〜40重量%程度であるのが好ましく、15〜35重量%程度であるのがより好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が前記下限値未満であると、得られるスペーサ形成層12の耐熱性を向上させる効果が低下するおそれがある。また、熱硬化性樹脂の含有量が前記上限値を超えると、スペーサ形成層12の靭性を向上する効果が低下するおそれがある。
また、熱硬化性樹脂には、上述したようなエポキシ樹脂を用いる場合、このエポキシ樹脂の他に、フェノールノボラック樹脂をさらに含んでいるのが好ましい。フェノールノボラック樹脂を添加することにより、得られるスペーサ形成層12の現像性を向上させることができる。さらに、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との双方を含ませることにより、エポキシ樹脂の熱硬化性がより向上し、形成されるスペーサ104の強度をさらに向上させることができるという利点も得られる。
(光重合開始剤)
スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物は、光重合開始剤を含んでいる。これにより、光重合によりスペーサ形成層12を効率良くパターニングすることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル等が挙げられる。
樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体において、0.5〜5重量%程度であるのが好ましく、0.8〜3.0重量%程度であるのがより好ましい。光重合開始剤の含有量が下限値未満であると、光重合開始する効果が十分に得られないおそれがある。また、光重合開始剤の含有量が前記上限値を超えると、反応性が高くなり、保存性や解像性が低下するおそれがある。
(光重合性樹脂)
スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物は、上記成分の他、光重合性樹脂を含んでいるのが好ましい。これにより、前述したアルカリ可溶性樹脂と共に樹脂組成物中に含まれることとなり、得られるスペーサ形成層12のパターニング性をより向上させることができるため、スペーサ形成層12をパターニングして得られるスペーサ104がより微細な形状を有するものであったとしても、このものを優れた寸法精度で形成することができる。さらに、光重合性樹脂を含んでいることにより、光硬化後のスペーサ104の硬度を高めることができるため、半導体ウエハー101’と透明基板102とを貼り合せる際に、スペーサ104を、その形状保持性に優れるものとすることができる。
なお、この光重合性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂として、光で硬化可能な硬化性樹脂を用いた場合には、この樹脂とは異なるものが選択される。
光重合性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステル、アクリロイル基またはメタクリロイル基を、一分子中に少なくとも1個以上有するアクリル系モノマーやオリゴマー等のアクリル系化合物、スチレン等のビニル系化合物等が挙げられ、これらは単独で用いることも可能であり、また、2種類以上を混合して用いることもできる。
これらの中でも、アクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。アクリル系化合物は、光を照射した際の硬化速度が速く、これにより、比較的少量の露光量で樹脂をパターニングすることができるから好ましく用いられる。
このアクリル系化合物としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマー等が挙げられ、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートのような2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような三官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのような四官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのような六官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのアクリル系化合物の中でも、アクリル系多官能モノマーを用いるのが好ましい。これにより、スペーサ形成層12から得られるスペーサ104をより優れた硬度を発揮するものとすることができる。そのため、半導体ウエハー101’と透明基板102とを貼り合せる際に、スペーサ104は、その形状保持性に特に優れるものとなる。
また、アクリル系多官能モノマーは、得られるスペーサ形成層12のパターニング性を特に優れたものとすることができる。
なお、本明細書中において、アクリル系多官能モノマーとは、3官能以上のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルのモノマーのことを言うこととする。
さらに、アクリル系多官能モノマーの中でも、特に、三官能(メタ)アクリレートまたは四官能(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、光重合性樹脂として、アクリル系多官能モノマーを用いる場合、さらに、エポキシビニルエステル樹脂を含有するのが好ましい。これにより、スペーサ形成層12の露光時には、アクリル系多官能モノマーとエポキシビニルエステル樹脂とがラジカル重合するため、形成されるスペーサ104の強度をより効果的に高めることができる。また、現像時には、スペーサ形成層12の露光していない部分のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができるため、現像後の残渣を低減することができる。
エポキシビニルエステル樹脂としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エポライト40Eメタクリル付加物、エポライト70Pアクリル酸付加物、エポライト200Pアクリル酸付加物、エポライト80MFアクリル酸付加物、エポライト3002メタクリル酸付加物、エポライト3002アクリル酸付加物、エポライト1600アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、エポライト200Eアクリル酸付加物、エポライト400Eアクリル酸付加物等が挙げられる。
光重合性樹脂にアクリル系多官能ポリマーが含まれる場合、樹脂組成物におけるアクリル系多官能ポリマーの含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体において、1〜50重量%程度であるのが好ましく、5%〜25重量%程度であるのがより好ましい。これにより、露光後のスペーサ形成層12すなわちスペーサ104の強度をより効果的に向上させることができ、半導体ウエハー101’と透明基板102とを貼り合せる際の形状保持性をより効果的に向上させることができる。
さらに、光重合性樹脂に、アクリル系多官能ポリマーの他にエポキシビニルエステル樹脂を含有する場合、エポキシビニルエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体において、3〜30重量%程度であるのが好ましく、5%〜15重量%程度であるのがより好ましい。これにより、半導体ウエハーと透明基板との貼り付け後における、半導体ウエハーおよび透明基板の各表面に残存する異物の残存率をより効果的に低減させることができる。
また、以上のような光重合性樹脂は、常温で液状であることが好ましい。これにより、光照射(例えば、紫外線照射)による硬化反応性をより向上させることができる。また、他の配合成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂)との混合作業を容易にすることができる。常温で液状の光重合性樹脂としては、例えば、前述したアクリル化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
なお、光重合性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000以下であるのが好ましく、150〜3000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、スペーサ形成層12の感度に特に優れる。さらに、スペーサ形成層12の解像性にも優れる。
ここで、光重合性樹脂の重量平均分子量は、例えばGPC(ゲル浸透クロマトグラフ)を用いて評価でき、前述したのと同様の方法を用いて算出することができる。
(無機充填材)
なお、スペーサ形成層12を形成するために用いられる樹脂組成物中は、無機充填材を含有していてもよい。これにより、スペーサ形成層12により形成されるスペーサ104の強度をより向上させることができる。
ただし、樹脂組成物中における無機充填材の含有量が大きくなり過ぎると、スペーサ形成層12の現像後に半導体ウエハー101’上に無機充填材に起因する異物が付着したり、アンダーカットが発生してしまうという問題が生じる。そのため、樹脂組成物における無機充填材の含有量は、この樹脂組成物全体において、9重量%以下とするのが好ましい。
また、光重合性樹脂として、アクリル系多官能モノマーを含有する場合には、アクリル系多官能モノマーの添加により、スペーサ形成層12により形成されるスペーサ104の強度を十分に向上させることができるので、樹脂組成物中への無機充填材の添加を省略することができる。
無機充填材としては、例えば、アルミナ繊維、ガラス繊維のような繊維状充填材、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、アルミニウムボレート、針状水酸化マグネシウム、ウィスカーのような針状充填材、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、鱗片状黒鉛、板状炭酸カルシウムのような板状充填材、炭酸カルシウム、シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、未焼成クレーのような球状(粒状)充填材、ゼオライト、シリカゲルのような多孔質充填材等が挙げられる。これらを1種または2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、特に、多孔質充填材を用いるのが好ましい。
無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜90μm程度であるのが好ましく、0.1〜40μm程度であるのがより好ましい。平均粒子径が前記上限値を超えると、スペーサ形成層12の外観異常や解像性不良となるおそれがある。また、平均粒子径が前記下限値未満であると、スペーサ104の透明基板102に対する加熱貼り付け時の接着不良となるおそれがある。
なお、平均粒子径は、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000((株)島津製作所製)を用いて評価することができる。
また、無機充填材として多孔質充填材を用いる場合、この多孔質充填材の平均空孔径は、0.1〜5nm程度であるのが好ましく、0.3〜1nm程度であるのがより好ましい。
なお、上記のような樹脂組成物では、他の構成材料が含まれていてもよく、このような他の構成材料としては、例えば、可塑性樹脂、レベリング剤、消泡剤およびカップリング剤等が挙げられる。
支持基材(フィルム)11は、シート状の基材で、スペーサ形成層12を支持する機能を備えている。
この支持基材11は、後述するスペーサ形成層12の露光(露光工程[4])を、支持基材11を介して行う構成とする場合、光透過性を有する材料で構成される。支持基材11をかかる構成のものとしてスペーサ形成層12の露光をすることにより、半導体装置100の製造において、スペーサ形成層12に不本意に塵等が付着するのを効果的に防止しつつ、スペーサ形成層12を確実に露光することができる。
さらに、スペーサ形成層12の露光の際に、支持基材11を取り外していると、スペーサ形成層12がマスク20に付着してしまい、これに起因して、スペーサ形成層12の表面が平坦でなくなったり、次に露光する半導体ウエハー101’が備えるスペーサ形成層12に、この付着したスペーサ形成層12が再付着してしまうことがあるが、スペーサ形成層12の露光を支持基材11を介して行う構成であれば、かかる問題点を効果的に防止することができるという利点も得られる。
このような支持基材11を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が挙げられる。これらの中でも、光透過性と破断強度のバランスに優れる点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いるのが好ましい。
なお、このようなスペーサ形成用フィルム1は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、熱硬化性樹脂および光重合開始剤と、必要に応じて、光重合性樹脂や、その他の成分とを溶媒中に溶解させてスペーサ形成層形成用材料(液状材料)を調製し、その後、この液状材料を、支持基材11上に塗布し、所定の温度で、溶媒を除去して乾燥させることにより得ることができる。
ここで用いられる溶媒としては、特に限定されず、スペーサ形成層(樹脂組成物)12の構成材料に対して、不活性なものが好適に用いられる。
具体的には、溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、BCSA(ブチロセルソルブアセテート)等のセロソルブ系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DBE(ニ塩基酸エステル)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、DMC(ジメチルカーボネート)等が挙げられる。
また、スペーサ形成層形成用材料(液状材料)中における、溶媒の含有量は、溶媒に混合した固形成分(スペーサ形成層12の構成材料)の含有量が10〜60重量%程度となる範囲に設定されているのが好ましい。
[2−2]次に、図2(c)に示すように、半導体ウエハー101’の受光部を含む個別回路103側の面と、スペーサ形成用フィルム1のスペーサ形成層12(接着面)とを貼り合わせる(ラミネート工程)。これにより、半導体ウエハー101’の受光部を含む個別回路103側にスペーサ形成層12が、半導体ウエハー101’の反対側に支持基材11を備えた状態で、半導体ウエハー101’にスペーサ形成層12が貼り合わされる。
なお、半導体ウエハー101’の受光部を含む個別回路103側の面(上面)へのスペーサ形成層12の貼り合わせは、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、スペーサ形成用フィルム1と半導体ウエハー101’とを位置合わして、一端側において、スペーサ形成用フィルム1の下面と半導体ウエハー101’の上面とを接触させる。
次に、この状態で、スペーサ形成用フィルム1および半導体ウエハー101’を、スペーサ形成用フィルム1の下面と半導体ウエハー101’の上面とを接触させた箇所において、一対のローラ間に挟持されるように接合装置に設置する。これにより、スペーサ形成用フィルム1と半導体ウエハー101’とが加圧される。
次に、一対のローラを一端側から他端側に向かって移動させる。これにより、一対のローラ間で挟持された部分において、受光部を含む個別回路103にスペーサ形成層12が順次接合され、その結果、スペーサ形成用フィルム1と半導体ウエハー101’とが貼り合わされる。
スペーサ形成用フィルム1および半導体ウエハー101’を一対のローラ間で挾持する際の加圧の圧力は、特に限定されないが、0.1〜10kgf/cm程度であるのが好ましく、0.2〜5kgf/cm程度であるのがより好ましい。これにより、受光部を含む個別回路103に対して確実にスペーサ形成層12を貼り付けることができる。
各ローラの移動速度は、特に限定されないが、0.1〜1.0m/分程度であるのが好ましく、0.2〜0.6m/分程度であるのがより好ましい。
また、各ローラには、それぞれ、例えばヒータのような加熱手段が設置されており、スペーサ形成用フィルム1および半導体ウエハー101’は、一対のローラで挟持された部分において加熱される。加熱する温度は、0〜120℃程度であるのが好ましく、40〜100℃程度であるのがより好ましい。
[3]次に、半導体ウエハー101’上に形成されたスペーサ形成層12を加熱する(PLB(ポストラミネートベーク)工程)。
これにより、受光部を含む個別回路103にある段差上に形成されたスペーサ形成層12を流動させ、スペーサ形成層12の表面をより平坦なものとすることができる。
スペーサ形成層12を加熱する温度は、20〜120℃程度であるのが好ましく、30〜100℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱する時間は、1〜10分程度であるのが好ましく、2〜7分程度であるのがより好ましい。
[4]次に、スペーサ形成層12のスペーサ104とすべき部分に、光(紫外線)を照射し、露光する(露光工程)。
これにより、スペーサ形成層12において、スペーサ104とすべき部分が選択的に光硬化する。
このようなスペーサ形成層12のスペーサ104とすべき部分への光の照射は、例えば、図2(d)に示すように、スペーサ104とすべき部分に対応した開口部201を備えるマスク20を介して、光を照射することにより行われる。
ここで、本発明では、スペーサ形成層12を露光することなく、スペーサ104とすべきでない部分には、後工程[6]において、スペーサ形成層12を現像することにより、空隙部105および欠損部107が形成される。
なお、本実施形態では、スペーサ形成層12の露光は、支持基材11を介して行われる。スペーサ形成層12の露光をかかる構成とすれば、スペーサ形成層12に不本意に塵等が付着するのを効果的に防止しつつ、スペーサ形成層12を確実に露光することができる。さらに、スペーサ形成層12の露光の際に、支持基材11を取り外していると、スペーサ形成層12がマスク20に付着してしまい、これに起因して、スペーサ形成層12の表面が平坦でなくなったり、次に露光する半導体ウエハー101’が備えるスペーサ形成層12に、この付着したスペーサ形成層12が再付着してしまうことがあるが、スペーサ形成層12の露光を支持基材11を介して行う構成であれば、かかる問題点を効果的に防止することができるという利点も得られる。
スペーサ形成層12に照射する光の波長は、150〜700nm程度であるのが好ましく、170〜450nm程度であるのがより好ましい。
また、照射する光の積算光量は、200〜3000J/cm程度であるのが好ましく、300〜2500J/cm程度であるのがより好ましい。
[5]次に、露光後のスペーサ形成層12を加熱する(PEB(ポストエクスプロージャーベーク)工程)。
これにより、スペーサ形成層12のスペーサ104とすべき部分をより強固に硬化させるとともに、スペーサ形成層12のスペーサ104とすべき部分をより強固に受光部を含む個別回路103に接着させることができる。さらに、スペーサ形成層12に残存する残留応力を緩和させることができる。
スペーサ形成層12を加熱する温度は、20〜120℃程度であるのが好ましく、30〜100℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱する時間は、1〜10分程度であるのが好ましく、2〜7分程度であるのがより好ましい。
[6]次に、露光後のスペーサ形成層12を、アルカリ現像液を用いて現像する(現像工程)。
これにより、図2(f)に示すように、スペーサ形成層12の露光されていない部分が除去(エッチング)されて、この除去された部分で空隙部105および欠損部107が構成されるスペーサ104を得ることができる。すなわち、露光された部分で構成されたスペーサ104を得ることができる。
なお、アルカリ可溶性樹脂と、熱硬化性樹脂と、光重合開始剤とを含む構成材料で構成されるスペーサ形成層12は、前記工程[4]における光に対する感度が高く、パターンニング性に優れている。そのため、本工程において、所望の形状のスペーサ104を優れた寸法精度で容易に形成することができる。
また、本実施形態では、スペーサ形成層12上には支持基材11が設けられているので、このスペーサ形成層12の現像に先立って、支持基材11をスペーサ形成層12から取り剥がしておく。
用いるアルカリ液のpHは、9.5以上であるのが好ましく、11.0〜14.0程度であるのがより好ましい。これにより、スペーサ形成層12の効率のよい除去が可能となる。
このようなアルカリ液としては、例えば、NaOH、KOHのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液、Mg(OH)のようなアルカリ土類金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系有機溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
ここで、前述したように、半導体ウエハー101’上のスペーサ104が設けられていない領域により、空隙部105および欠損部107が構成される。
この空隙部105は、半導体ウエハー101’に設けられた受光部を含む個別回路103に対応するように、受光部を含む個別回路103の上部に設けられる。また、欠損部107は、後工程[11]において、半導体ウエハー接合体1000を、ダイシングソーを用いて個片化する際に、このダイシングソーで切断するダイシングライン上に対応するように設けられる。
[7]次に、図3(a)に示すように、半導体ウエハー101’上に形成されたスペーサ104に対して、透明基板102を貼り合わせる。すなわち、半導体ウエハー101’に、スペーサ104を介して透明基板102を貼り合わせる(貼り合わせ工程)。
なお、この半導体ウエハー101’と透明基板102との貼り合わせは、例えば、半導体ウエハー101’に形成されたスペーサ104上に透明基板102を重ねたものを、貼り合せ装置が備えるホルダーに載置した状態で、貼り合せ装置の上下に設けられたプレートで、そのホルダーを加熱・加圧することにより行われる。
貼り合わせの際の温度は30〜200℃程度であるのが好ましく、50〜170℃程度であるのがより好ましい。
また、この際の圧力は、2〜30kN程度であるのが好ましく、5〜20kN程度であるのがより好ましい。
さらに、貼り合わせる時間は、1秒〜30分程度であるのが好ましく、10秒〜15分程度であるのがより好ましい。
貼り合わせの際の温度、圧力および時間を上記範囲とすることで、スペーサ104を介して半導体ウエハー101’と透明基板102を確実に接着させることができる。
[8]次に、半導体ウエハー101’と透明基板102とをスペーサ104を介して貼り合わせた状態で、加熱することにより、スペーサ104を熱硬化させる(熱硬化工程)。
これにより、スペーサ104と透明基板102とが物理的に接合される。その結果、
半導体ウエハー101’と透明基板102とがスペーサ104を介して接合された半導体ウエハー接合体1000、すなわち、半導体ウエハー101’と透明基板102との間に複数の空隙部105を備えた半導体ウエハー接合体1000が得られる(図4参照)。
スペーサ104を加熱する温度は、90〜210℃程度であるのが好ましく、110〜190℃程度であるのがより好ましい。これにより、形成されたスペーサ104強固なものにし、半導体ウエハー101’と透明基板102との接合も良好なものとすることができる。
[9]次に、図3(b)に示すように、半導体ウエハー101’の透明基板102を接合したのと反対側の下面(裏面)111を研削および研磨のうちの少なくとも一方の加工を施す(バックグラインド工程)。
この下面111は、例えば、研削装置(グラインダー)が備える研削盤により研削される。
かかる下面111の加工(研削および/または研磨)により、半導体ウエハー101’の厚さは、半導体装置100が適用される電子機器によっても異なるが、通常、100〜600μm程度に設定され、より小型の電子機器に適用する場合には、10〜50μm程度に設定される。
なお、半導体ウエハー接合体1000の下面111を研削する本工程[9]は、前記熱硬化工程[8]に先立って行うようにしてもよい。
[10]次に、研削された半導体ウエハー101’の下面(裏面)111に加工を施す(裏面加工工程)。
かかる加工としては、例えば、下面111に対する配線の形成や、図3(c)に示すような、半田ボール106の接続等が挙げられる。
なお、半導体ウエハー接合体1000の下面111に加工を施さずに、半導体ウエハー101’の上面に形成された配線パッド部分から、パターニングされた配線を備える支持基板に金ワイヤー等で電気的に接続される場合もある。
[11] 次に、半導体ウエハー101’に形成された、1つの半導体装置に対応する個別回路、すなわち、スペーサ104が備える各空隙部105に対応するように、半導体ウエハー接合体1000を個片化することにより、複数の半導体装置100を得る(ダイシング工程)。
半導体ウエハー接合体1000の個片化は、例えば、図3(d)に示すように、透明基板102’側からダイシングソーにより、欠損部107が形成されている位置すなわちダイシングライン上に対応してするように切込み22を入れ、さらに、この切込み22を半導体ウエハー101’にまで到達させることにより行われる。
なお、半導体ウエハー接合体1000の個片化は、透明基板102’側から切り込みを入れる場合に限定されず、半導体ウエハー101’側から切り込みを入れるようにしてもよいし、半導体ウエハー101’側および透明基板102’側の双方から切り込みを入れるようにしてもよい。
さらに、この切込みを入れる際に用いるダイシング装置としては、半導体ウエハー101’側および透明基板102’側から切り込みを入れる際にそれぞれ別の装置を用いてもよいし、同一の装置を用いるようにしてもよい。
ここで、前述したように、通常、透明基板102としては、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、シリカ(水晶)等の酸化シリコン系材料で構成されるもの、半導体ウエハー101’としては、シリコンで構成されるものが用いられるため、これらの材料を好適に切断し得るものがダイシングソーとして選択される。
ところが、このようなダイシングソーで、上述したような樹脂組成物で構成されるスペーサ104を切断すると、ダイシングソーの刃の目詰まり等に起因して、その劣化が早期に生じてしまうという問題がある。
さらに、半導体ウエハー接合体の個片化の際に、ダイシングソーでスペーサを切断する構成とすると、スペーサに負荷がかかり、スペーサと半導体ウエハーおよび透明基板との双方の界面に亀裂が生じてしまうという問題もある。
かかる問題点を解決することを目的に、本発明では、半導体ウエハー接合体1000をダイシングソーで切断するダイシングライン上に対応するように、スペーサ104は、その少なくとも一部が欠損した欠損部107を有している。スペーサ104をこのような欠損部107を有する構成とすることにより、ダイシングソーで半導体ウエハー接合体1000を個片化(切断)する際に、ダイシングソーでスペーサ104を切断しなければならない部分を確実に減少させることができる。その結果、樹脂組成物で構成されるものを切断することに起因するダイシングソーの劣化を的確に抑制または防止することができる。
さらに、半導体ウエハー接合体1000の個片化の際に、ダイシングソーでスペーサ104を切断しなければならない部分を確実に減少させることができ、スペーサ104にかかる負荷を確実に低減させることができるので、スペーサ104と半導体ウエハー101’および透明基板102との双方の界面において、亀裂が生じてしまうのを的確に防止または抑制することができる。
なお、本明細書中で、ダイシングラインとは、半導体ウエハー接合体1000を個別回路毎に個片化して半導体装置100を得る際に、ダイシングソーで半導体ウエハー接合体1000を切断する仮想線のことを言う。
このような欠損部107は、ダイシングソーで半導体ウエハー接合体1000を個片化するダイシングライン上に位置し、かつ、スペーサ104の少なくとも一部が欠損していればいかなる構成のものであってもよいが、例えば、以下に示すような第1の構成〜第3の構成のものが挙げられる。
(第1の構成)
図4は、第1の構成のスペーサを備える半導体ウエハー接合体の平面視での模式図である。なお、図4中では、見易くするために、半導体ウエハー101’と透明基板102との間に設けられるスペーサ104にハッチングを付けて示す。また、図4中では、ダイシングラインと欠損部との関係を判り易くするために、半導体ウエハー101’においてこれらを大きく記載したが、実際の半導体ウエハー101’では、より多くの空隙部105およびこれに対応する欠損部107が形成されており、半導体ウエハー101の外周部に位置するスペーサ104の占有面積は、図4中の記載よりも小さくなっている。
スペーサ104は、上述したように、半導体ウエハー101’と透明基板102との間に設けられ、複数の空隙部105および欠損部107を備え、半導体ウエハー101’および透明基板102同士を部分的に接合するものである。
各空隙部105は、それぞれ、半導体ウエハー101’に設けられた各受光部を含む個別回路に対応して、受光部を含む個別回路の上部をスペーサ104で取り囲むように設けられている。換言すれば、スペーサ104は、個別回路の上部に空隙部105を形成するようなパターンで形成されている。
ここで、受光部を含む個別回路は、半導体ウエハー101’上に、図4中に示すX軸方向およびY軸方向ともにほぼ等間隔に設けられる。そのため、この個別回路の上部を取り囲むように設けられるスペーサ104は、平面視で格子状をなしている。すなわち、スペーサ104は、X軸方向に、複数の互いに平行な第1の線状部114と、Y軸方向に、第1の線状部114に直交する複数の互いに平行な第2の線状部115とを有する構成となっている。
かかる構成のスペーサ104において、本構成では、欠損部107は、第1の線状部114および第2の線状部115の双方のほぼ中央に、その長手方向に沿って線状に設けられている。スペーサ104を欠損部107としてかかる構成のものを備える構成とすることにより、スペーサ104は、空隙部105を取り囲むように個別に設けられた島状部116を備えるものとなる。
以上のような第1の構成のスペーサ104を備える半導体ウエハー接合体1000では、図4に示したように、ダイシングソーを用いて、まず、X軸方向には、第1の線状部114に形成された欠損部107に対応するダイシングラインAに沿って順次半導体ウエハー接合体1000を切断し、次いで、Y軸方向には、第2の線状部115に形成された欠損部107に対応するダイシングラインBに沿って順次半導体ウエハー接合体1000を切断する。これにより、個片化された複数の半導体装置100が一括して形成される。
このようなダイシングラインAまたはダイシングラインBに沿った半導体ウエハー接合体1000の切断では、ダイシングソーによりスペーサ104が切断される部分は、半導体ウエハー101の外周部に位置する部分に限定される。
その結果、スペーサ104を切断することに起因するダイシングソーの劣化を的確に抑制または防止することができる。
さらに、スペーサ104と半導体ウエハー101’および透明基板102との双方の界面において、亀裂が生じてしまうのを的確に防止または抑制することができる。
なお、欠損部107は、その幅が厚み方向で一定のものであってもよいし、薄くなっているものであってもよい。
(第2の構成)
次に、スペーサ104の第2の構成について説明する。
図5は、第2の構成のスペーサを備える半導体ウエハー接合体の平面視での模式図である。
以下、第2の構成のスペーサについて、前記第1の構成のスペーサとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2の構成のスペーサ104では、このものが備える欠損部107の形状が異なること以外は、前記第1の構成のスペーサ104と同様の構成となっている。
すなわち、本構成のスペーサ104では、欠損部107は、第1の線状部114および第2の線状部115の双方のほぼ中央に、その長手方向に沿って点線状に設けられていること、換言すれば、第1の構成のスペーサ104が備える欠損部107の途中に複数の梁117が第1の線状部114および第2の線状部115の双方に設けられていること以外は、前記第1の構成のスペーサ104と同様の構成となっている。
このような梁117が欠損部107に設けられている構成とすることにより、ダイシングラインすなわち欠損部107に沿ってダイシングソーを用いて半導体ウエハー接合体1000を切断する際に、梁117がダイシングソーを通過させる位置の目印となることから、ダイシングソーの位置ズレを的確に防止することができる。
(第3の構成)
次に、スペーサ104の第3の構成について説明する。
図6は、第3の構成のスペーサを備える半導体ウエハー接合体の平面視での模式図である。なお、以下の説明では、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第3の構成のスペーサについて、前記第1の構成のスペーサとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3の構成のスペーサ104では、このものが備える欠損部107の形状が異なること以外は、前記第1の構成のスペーサ104と同様の構成となっている。
すなわち、本構成のスペーサ104では、欠損部107は、第1の線状部114のほぼ中央において、その長手方向に沿って点線状に設けられ、第2の線状部115のほぼ中央において、その長手方向に沿って線状に設けられていること、換言すれば、第1の構成のスペーサ104が備える欠損部107の途中に、第1の線状部114(X軸方向)に対して選択的に複数の梁117が設けられていること以外は、前記第1の構成のスペーサ104と同様の構成となっている。
かかる構成のスペーサ104を備える半導体ウエハー接合体1000では、第1の線状部114に梁117が選択的に設けられているため、この梁117をダイシングする際のマーキングとして用いることができるため、X軸方向およびY軸方向に切断する順番に誤りが生じるのを確実に防止することができる。
さらに、かかる構成のスペーサ104を備える半導体ウエハー接合体1000を、ダイシングソーを用いてダイシングラインすなわち欠損部107に沿って切断して個片化すると、梁117の一部が残存した状態で半導体装置100が得られることとなる。
本構成では、梁117は、X軸方向に延びる欠損部107に対して選択的に設けられているため、梁117の残存物は、半導体装置100の上下において選択的に残存することとなる。そのため、得られた半導体装置100を搭載基板上に搭載する際に、この半導体装置100が縦横方向を誤って搭載されるのを確実に防止することができる。
なお、第1の構成〜第3の構成のスペーサ104を備える半導体ウエハー接合体1000では、それぞれ、第1の構成のスペーサ104において、欠損部107は、第1の線状部114および第2の線状部115の双方で線状をなし、第2の構成のスペーサ104において、欠損部107は、第1の線状部114および第2の線状部115の双方で点線状をなし、第3の構成のスペーサ104において、欠損部107は、第1の線状部114で点線状をなし、第2の線状部115で線状をなしている場合について説明したが、このような場合に限定されるものではない。すなわち、第1の線状部114および第2の線状部115に形成される、線状または点線状の欠損部は、これら線状部のうち少なくとも一方に設けられていれば良く、第1の構成〜第3の構成のスペーサ104を含めて、表1に示すような線状および点線状の組み合わせが挙げられる。
Figure 2010192628
以上のような工程を経ることにより、半導体装置100を製造することができる。
また、半導体ウエハー101’の下面111を研削するバックグラインド工程[9]の後に半導体ウエハー接合体1000を加熱するようにしてもよい。バックグラインド工程[9]の後に半導体ウエハー接合体1000を加熱する構成とすれば、スペーサ104に残存する残留応力を確実に緩和させることができる。
このように、半導体ウエハー接合体1000を個片化して、一括して複数の半導体装置100を得る構成とすることにより、半導体装置100を大量生産することができ、生産性の効率化を図ることができる。
なお、半導体装置100は、例えば、半田ボール106を介して、パターニングされた配線を備える支持基板上に搭載され、これにより、支持基板が備える配線と、ベース基板101の下面に形成された配線とが半田ボール106を介して電気的に接続されることとなる。
また、半導体装置が半導体装置100とは異なり、半田ボール106を有さず、ベース基板101の上面に形成された配線パッド部分を備える構成のものである場合には、この配線パッド部分と、支持基板が備える配線とを、金ワイヤー等によりワイヤーボンディングすることにより電気的に接続することができる。
また、半導体装置100は、前記支持基板に搭載された状態で、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、小型カメラ等の電子機器に広く適用することができる。
なお、本実施形態では、スペーサ形成層12の形成の後に加熱するPLB工程[3]、および、スペーサ形成層12の露光の後に加熱するPEB工程[5]を行う場合について説明したが、これらの工程は、スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物の種類によっては省略することができる。
以上、本発明の半導体ウエハー接合体、半導体装置の製造方法および半導体装置について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、スペーサを半導体ウエハー側に形成した後に透明基板を接合することにより半導体ウエハー接合体を得る場合について説明したが、かかる場合に限定されず、スペーサを透明基板側に形成した後に半導体ウエハーに接合することにより半導体ウエハー接合体を得るようにしてもよい。
また、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置は、前記実施形態で説明したように、支持基板のほぼ全面を覆うように、受光部を含む個別回路が形成されているような構成のものに限定されず、例えば、支持基板の縁部には個別回路が形成されておらず、個別回路と支持基板の双方にスペーサが接着するように形成されているような構成のものであってもよい。
1 スペーサ形成用フィルム
11 支持基材
12 スペーサ形成層
100 半導体装置
101 ベース基板
101’ 半導体ウエハー
102 透明基板
103 受光部を含む個別回路
104 スペーサ
105 空隙部
106 半田バンプ
107 欠損部
111 下面
114 第1の線状部
115 第2の線状部
116 島状部
20 マスク
201 開口部
22 切込み
1000 半導体ウエハー接合体

Claims (12)

  1. 1つの半導体装置に対応する個別回路が設けられた半導体ウエハーと、透明基板と、前記半導体ウエハーおよび前記透明基板同士を部分的に接合するスペーサとを有する半導体ウエハー接合体であって、
    前記スペーサは、当該半導体ウエハー接合体をダイシングソーを用いて前記個別回路毎に個片化して半導体装置を得る際に、前記ダイシングソーで切断するダイシングライン上に、その少なくとも一部が欠損した欠損部を有していることを特徴とする半導体ウエハー接合体。
  2. 前記スペーサは、前記個別回路の上部に空隙部を形成するようなパターンで形成される請求項1に記載の半導体ウエハー接合体。
  3. 前記スペーサは、複数の互いに平行な第1の線状部と、前記第1の線状部に直交する複数の互いに平行な第2の線状部とを有する請求項1または2に記載の半導体ウエハー接合体。
  4. 前記欠損部は、前記第1の線状部および前記第2の線状部の少なくとも一方のほぼ中央に設けられる請求項3に記載の半導体ウエハー接合体。
  5. 前記欠損部は、前記第1の線状部および前記第2の線状部の少なくとも一方に、その長手方向に沿って、線状に設けられる請求項3または4に記載の半導体ウエハー接合体。
  6. 前記欠損部は、前記第1の線状部および前記第2の線状部の少なくとも一方に、その長手方向に沿って、点線状に設けられる請求項3または4に記載の半導体ウエハー接合体。
  7. 前記スペーサは、アルカリ可溶性樹脂と、熱硬化性樹脂と、光重合開始剤とを含む構成材料で構成される請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体。
  8. 前記アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂である請求項7に記載の半導体ウエハー接合体。
  9. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である請求項7または8に記載の半導体ウエハー接合体。
  10. 前記構成材料として、さらに、光重合性樹脂を含有する請求項7ないし9のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体を用意する工程と、
    前記ダイシングライン上に沿って前記ダイシングソーを用いて前記半導体ウエハー接合体を個片化することにより半導体装置を得る工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102738013A (zh) * 2011-04-13 2012-10-17 精材科技股份有限公司 晶片封装体及其制作方法
JP2014175343A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Seiko Instruments Inc ウェハレベルパッケージとその製造方法および半導体装置

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