JP2010008639A - 感光性樹脂組成物、接着フィルムおよび受光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、形状保持性に優れ、かつ優れた現像性を有する感光性樹脂組成物およびそれを用いた接着フィルム、受光装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、親水性基を有する第1光重合性化合物と、第1光重合性化合物と異なる第2光重合性化合物と、熱硬化性樹脂と、を含むことを特徴とする。また、本発明の接着フィルムは、上記に記載の感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする。また、本発明の受光装置は、半導体素子搭載基板と、前記半導体素子搭載基板と対向する位置に配置される透明基板と、前記半導体素子基板と前記透明基板との間に形成される間隙を規定するためのスペーサーとを備え、前記スペーサーが、上記に記載の感光性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、接着フィルムおよび受光装置に関する。
近年、半導体ウエハ等に感光性フィルムを接着し、露光、現像によりパターンを形成した後、ガラス等の透明基板と圧着できるような感光性フィルムの要求がある(例えば、特許文献1参照)。このような感光性フィルムを用いた場合、パターンニング後の感光性フィルムは半導体ウエハと透明基板との間のスペーサーの作用を有することになる。
このスペーサー用の樹脂組成物には、フォトリソグラフィ法によりパターニングできることに加え、スペーサーとして形状保持が可能であることが求められている。
また、上述したようにスペーサー用樹脂組成物は、露光、現像の工程を経るために、優れた現像性も要求されている。
特開2006−323089号公報
本発明の目的は、形状保持性に優れ、かつ優れた現像性を有する感光性樹脂組成物およびそれを用いた接着フィルム、受光装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1)アルカリ可溶性樹脂と、親水性基を有する第1光重合性化合物と、第1光重合性化合物と異なる第2光重合性化合物と、熱硬化性樹脂と、を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
(2)前記第1光重合性化合物は、エポキシ化合物の(メタ)アクリル酸付加物を含むものである上記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3)前記エポキシ化合物は、芳香環を有するエポキシ化合物を含むものである上記(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4)前記第1光重合性化合物は、下記式下記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)の中から選ばれる1種以上である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(5)前記第2光重合性化合物は、2官能以上のアクリル系化合物を含むものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(6)前記第1光重合性化合物の含有量は、前記感光性樹脂組成物全体の1〜20重量%であり上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(7)前記感光性樹脂組成物は、無機充填剤を含有しないまたは無機充填剤の含有量が前記感光性樹脂組成物全体の5重量%以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(8)半導体素子搭載基板と、前記半導体素子搭載基板と対向する位置に配置される透明基板と、前記半導体素子と前記透明基板との間に形成される間隙を規定するためのスペーサーと、を備える受光装置のスペーサーを構成するために用いられるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(9)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする接着フィルム。
(10)半導体素子搭載基板と、前記半導体素子搭載基板と対向する位置に配置される透明基板と、前記半導体素子基板と前記透明基板との間に形成される間隙を規定するためのスペーサーとを備え、前記スペーサーが、上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする受光装置。
本発明によれば、形状保持性に優れ、かつ現像性に優れた感光性樹脂組成物およびそれを用いた接着フィルムを得ることができる。
また、本発明によれば信頼性に優れた受光装置を得ることができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物、接着フィルムおよび受光装置について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、親水性基を有する第1光重合性化合物と、第1光重合性化合物と異なる第2光重合性化合物と、熱硬化性樹脂と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の接着フィルムは、上記に記載の感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする。
また、本発明の受光装置は、半導体素子搭載基板と、前記半導体素子搭載基板と対向する位置に配置される透明基板と、前記半導体素子基板と前記透明基板との間に形成される間隙を規定するためのスペーサーとを備え、前記スペーサーが、上記に記載の感光性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
以下、本発明の感光性樹脂組成物、接着フィルムおよび受光装置の好適実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(受光装置)
図1は、本発明の受光装置の一例を示す断面図である。
図1に示すように受光装置100は、半導体素子11を搭載する半導体素子搭載基板1と、半導体素子搭載基板1と、対向する位置に配置される透明基板2とを有し、この半導体素子搭載基板1と透明基板2との間に形成される間隙3を規定するためのスペーサー4を備えている。半導体素子11は、受光部111を有しており、半導体素子11と半導体素子搭載基板1とは、ボンディングワイヤ13で電気的に接続されている。
(感光性樹脂組成物)
このスペーサー4は、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている。
前記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含む。これにより、光照射により選択的にパターニングすることが可能となる。
前記アルカリ可溶性樹脂としては、例えばクレゾール型、フェノール型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、カテコール型、レゾルシノール型、ピロガロール型等のノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、水酸基、カルボキシル基等を含む環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂(具体的には、ポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等)等が挙げられる。
また、前記アルカリ可溶性樹脂としては、より好ましくはアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂が挙げられる。
前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂としては、例えば光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を挙げることができる。
前記アルカリ可溶性基としては、例えば水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。このアルカリ可溶性基は熱硬化反応に寄与することもできる。
このような樹脂としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の光反応基を有する熱硬化性樹脂や、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の熱反応基を有する光硬化性樹脂等が挙げられる。なお、光硬化性樹脂は、さらにエポキシ基、アミノ基、シアネート基等の熱反応基を有していてもよい。具体的には、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂、(メタ)アクリロイル基含有アクリル酸重合体、カルボキシル基含有(エポキシ)アクリレート等が挙げられる。また、カルボキシル基含有アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂であっても構わない。
これらの中でも(メタ)アクリル変性フェノール樹脂が好ましい。アルカリ可溶性基を含む樹脂を用いることにより、現像処理時に二重結合部分が未反応の樹脂を除去する際に、現像液として通常用いられる有機溶剤の代わりに、環境に対する負荷のより少ないアルカリ水溶液を適用することができると共に、二重結合部分が硬化反応に寄与することから感光性樹脂組成物の耐熱性を維持することができる。
ここで、光反応基を有する熱硬化性樹脂を用いる場合、前記光反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20〜80%が好ましく、特に30〜70%が好ましい。光反応基の変性量を上記の範囲とすることで、特に解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。
一方、熱反応基を有する光硬化性樹脂を用いる場合、前記熱反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20〜80%が好ましく、特に30〜70%が好ましい。熱反応基の変性量を上記の範囲とすることで、特に解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。
前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、30,000以下であることが好ましく、特に5,000〜150,000が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、スペーサー4を形成する際の製膜性に特に優れる。
ここで、重量平均分子量は、例えばG.P.C.を用いて評価でき、予め、スチレン標準物質を用いて作成された検量線により重量平均分子量を算出することができる。なお、測定溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、40℃の温度条件下で測定した。
ここで、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記感光性樹脂組成物全体の15〜50重量%が好ましく、特に20〜40重量%が好ましい。特に、感光性樹脂組成物の樹脂成分(無機充填剤を除く全部の成分)のうち、10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%であってもよい。アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記下限値未満であると光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂との相溶性を向上させる効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると現像性またはフォトリソグラフィ技術による接着層のパターニングの解像性が低下する場合がある。アルカリ可溶性樹脂の含有量または感光性樹脂組成物中の液状成分量を上記の範囲とすることで、フォトリソグラフィ法により樹脂をパターニングしたあと、熱圧着できるという機能を有することができる。
前記感光性樹脂組成物は、親水性基を有する第1光重合性化合物を含む。これにより、パターンニング処理した後の残渣を低減することができる。
このように、親水性基を有する第1光重合性化合物を有することにより、パターニング後の残渣を低減できる理由は、親水性基を付与することで水との親和性が上がる為、感光性樹脂組成物がアルカリ現像液に溶解しやすくなると考えられる。
前記親水性基を有する第1光重合性化合物としては、例えば水酸基を有するアクリル系化合物、エチレングリコールを有するアクリル系化合物等が挙げられる。これらの中でも水酸基を有するアクリル系化合物が好ましい。これにより、パターニング性(現像性)を向上することができる。
前記水酸基を有するアクリル系化合物としては、エポキシ化合物の(メタ)アクリル酸系付加物が好ましい。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物等が挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、芳香環を有するエポキシ化合物を含むものであることが好ましい。これにより、形状保持性も優れる。これらの中でも下記式(1)の中から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。これにより、残渣の低減効果に加えて、スペーサー4としての形状保持性にも優れる。
前記親水性基を有する第1光重合性化合物の含有量は、特に限定されないが、前記感光性樹脂組成物全体の1〜20重量%が好ましく、特に2〜8重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に残渣の低減効果と、スペーサー4の形状保持性の両立効果に優れる。
前記感光性樹脂組成物は、前記第1光重合性化合物と異なる第2光重合性化合物を含む。これにより、前述したアルカリ可溶性樹脂と共にパターニング性をより向上することができる。ここで、前記第1光重合性化合物と異なるとは、構造、分子量等が異なることを意味する。
前記第2光重合性化合物としては、例えばグリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等が挙げられる。
このような第2光重合性化合物の中でも、2官能以上の第2光重合性化合物が好ましく、特に3官能以上の第2光重合性化合物が特に好ましい。これにより、フィラーを実質的に含まない場合であってもスペーサー4の形状保持性に優れる。
このような3官能以上の第2光重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート等が挙げられる。
このように、特に3官能以上の第2光重合性化合物を用いると、フィラーを実質的に含まない場合であってもスペーサー4の形状保持性に優れる理由は、3次元的に光架橋が起こり、光架橋密度が高くなり、熱時弾性率が低くならないためと考えられる。
ここで、前記第2光重合性化合物の含有量は、特に限定されないが、前記感光性樹脂組成物全体の5〜50重量%が好ましく、特に10〜40重量%が好ましい。含有量が前記上限値を超えると密着強度が低下する場合があり、前記下限値未満であると形状保持性が低下する場合がある。
特に、前記親水性基を有する第1光重合性化合物と、前記第2光重合性化合物(特に、3官能以上の第2光重合性化合物)とを併用することにより、スペーサー4を形成する際の残渣の低減効果およびスペーサー4の形状保持性効果の両方に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。
前記第1光重合性化合物と、前記第2光重合性化合物との併用割合は、特に限定されないが、0.05〜1.5(第1光重合性化合物の含有量/第2光重合性化合物の含有量)が好ましく、特に0.1〜1.0が好ましい。併用割合が前記範囲内であると、上述の残渣低減効果および形状保持性効果に加えて、作業性、微細加工性、信頼性にも優れる。
前記感光性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。これにより、耐熱性(具体的には、240℃での耐リフロー性)を向上することができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。これらの中でもエポキシ樹脂が特に好ましい。これにより、耐熱性および密着性をより向上することができる。
ここで、熱硬化性樹脂として、室温で固形のエポキシ樹脂、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂と、可撓性エポキシ樹脂、例えば室温で液状のエポキシ樹脂、例えば室温で液状であるシリコーン変性エポキシ樹脂とを併用してもよい。これにより、耐熱性を維持しつつ、感光性樹脂組成物の可撓性およびフォトリソグラフィ技術による接着層のパターニングの解像性と、接着性のバランスに優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。
前記熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記感光性樹脂組成物全体の10〜40重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が前記下限値未満であると耐熱性を向上させる効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると靭性を向上させる効果が低下する場合がある。したがって、熱硬化性樹脂の含有量を上記の範囲とすることで、両者のバランスに優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。
前記感光性樹脂組成物は、特に限定されないが、光重合開始剤を含んでいても良い。これにより、パターニング性をより向上することができる。
このような光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチルなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、前記感光性樹脂組成物全体の0.5〜5重量%が好ましく、特に1〜3重量%が好ましい。光重合開始剤の含有量が前記下限値未満であると光重合を開始する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると反応性が高くなりすぎ、使用前における感光性樹脂組成物の保存性や上記のパターニング後の解像性が低下する場合がある。したがって、光重合開始剤を上記の範囲とすることで、両者のバランスに優れた感光性樹脂組成物を提供することができる。
また、前記感光性樹脂組成物は、特に限定されないが、アルカリ現像性を向上させるアルカリ現像助剤を含んでいても良い。
前記アルカリ現像助剤としては、例えばフェノール樹脂を挙げることができる。
前記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、α−ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、β−ナフトールアラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でもフェノールノボラック樹脂が好ましい。これにより、残渣低減効果を向上することができる。
前記アルカリ現像性助剤の含有量は、特に限定されないが、前記感光性樹脂組成物全体の1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、アルカリ現像性の向上と、他の特性とのバランスに特に優れる。
前記感光性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で紫外線吸収剤、レベリング剤等の添加剤を添加することができる。
また、特にパターニング処理後の残渣の低減が要求される場合には、本発明の感光性樹脂組成物は、無機充填材を含有しないまたは無機充填材の含有量が前記感光性樹脂組成物全体の5重量%以下であることが好ましい。
一方、耐熱性や、寸法安定性、耐湿性等の特性が特に要求される場合には、前記感光性樹脂組成物に、さらに無機充填材を含有しても良い。また、後述する接着フィルムとして用いた場合の保護フィルムに対する剥離性を向上させることができる。
このような無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、結晶シリカ等のシリカ粉末等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。これら無機充填材は、単独でも混合して使用しても良い。これらの中でも溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末が好ましく、特に球状溶融シリカが好ましい。
無機充填剤を前記感光性樹脂組成物に含めることにより、感光性樹脂組成物を硬化させた後の耐熱性、耐湿性、強度等を向上させることができ、また接着フィルムとして用いた場合の保護フィルムに対する剥離性を向上させることができる。なお、無機充填材の形状は、特に限定されないが、真球状であることが好ましく、これにより、特性に異方性の無い接着フィルムの接着層として好適な感光性樹脂組成物を提供することができる。
また、無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、5〜50nmが好ましく、特に10〜30nmが好ましい。この平均粒子径が前記下限値未満であると無機充填材が凝集しやすくなった結果、強度が低下する場合があり、前記上限値を超えると露光およびフォトリソグラフィ技術による接着層のパターニングの解像性が低下する場合がある。
このように、本発明の感光性樹脂組成物は、図1で示すような受光装置100のスペーサー4を構成するために用いられることが好ましい。このスペーサー4の要求特性の一つである光硬化後の熱接着性を有するからである。
(接着フィルム)
上述したような感光性樹脂組成物を、例えばスペーサー4として用いる場合、ペースト状の感光性樹脂組成物を塗布する方法、フィルム状の感光性樹脂組成物をラミネートする方法等が挙げられる。これらの中でもフィルム状の感光性樹脂組成物をラミネートする方法が好ましい。これにより、微細加工性に優れる。さらに、スペーサー4の厚さを一定に保持することが容易となる。
例えば、上述の感光性樹脂組成物を適当な有機溶剤(例えばN-メチル-2-ピロリドン、アニソール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等)の中で混合して、例えば支持フィルム等に塗布・乾燥して接着フィルムを得ることができる。
このような感光性樹脂組成物を用いて、図1に示すような受光装置100のスペーサー4を形成した場合、スペーサー4が寸法安定性(Z方向の高さの安定性)に優れているので、撮像性(画像のゆがみ)に優れる受光装置100を得ることができる。また、スペーサー4は、気密性(中空内部に埃、ゴミなどの異物が入り込まない)にも優れているので、撮像性(画像の欠点(黒点))にも優れる受光装置100を得ることができる。
上述したような受光装置100は、例えばCCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、圧力センサー、圧電センサー、加速度センサー等に好適に用いられるものである。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
1.アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂:メタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂:MPN)の合成
ビスフェノールA型ノボラック樹脂(フェノライトLF−4871、大日本インキ化学社製)の固形分60%MEK溶液500gを、2Lフラスコ中に投入し、これに触媒としてトリブチルアミン1.5g、および重合禁止剤としてハイドロキノン0.15gを添加し、100℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート180.9gを30分間で滴下し、100℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分74%のメタクリル変性ビスフェノールA型ノボラック樹脂(メタクリル変性率50%)を得た。
2.樹脂ワニスの調製
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)55.1重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)5.1重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)13.6重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)15.1重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)5.0重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.5重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.6重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
3.接着フィルムの調製
上述の樹脂ワニスをコンマコーターで支持基材ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製、RL−07、厚さ38μm)に塗布し、70℃、10分間乾燥して膜厚50μmの接着フィルムを得た。
4.受光装置の製造
マイクロレンズアレイが形成されたベース基板を用い、60℃に設定されたラミネータを使用して、この6インチウエハー上に上記接着フィルムを貼り付けた。そして、ネガ型のマスクと露光機を用いて、露光し、現像することによりパターニングサンプルを作製した。パターニング形状ならびに配置は各個体撮像素子上の受光部を幅100μmでフレーム状に囲う配置とした。なお、露光は、波長365nmの光が700mJ/cm照射されるように露光し、現像は、3%TMAH(テトラアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて、スプレー圧0.2MPa、60秒間の条件で行った。得られたパターニングサンプルを個片化し、ガラス基板(5mm×4mm×0.5mm)を加熱圧着(温度80℃、時間5秒、圧力0.2MPa)により貼り合せた。このサンプルを180℃で2時間硬化し、評価用基板にのせ、接続することにより評価用サンプル(受光装置)を得た。
(実施例2)
親水性基を有する第1光重合性化合物の量を減らして、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)57.0重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)1.8重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)14.1重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)15.6重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)5.2重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.6重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.7重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
(実施例3)
親水性基を有する第1光重合性化合物の量を増やして、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)52.0重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)10.3重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)12.9重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)14.2重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)4.8重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.3重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.5重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
(実施例4)
親水性基を有する第1光重合性化合物と、第2光重合性化合物の併用割合を変え、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)54.2重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)10.1重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)10.1重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)14.7重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)4.9重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.4重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.6重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
(実施例5)
親水性基を有する第1光重合性化合物と、第2光重合性化合物の併用割合を変え、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)52.4重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)3.2重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)19.4重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)14.3重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)4.8重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.3重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.6重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
(実施例6)
親水性基を有する第1光重合性化合物として、以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
親水性基を有する第1光重合性化合物として、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとアクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002A)を用いた。
(実施例7)
第2光重合性化合物として、以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
第2光重合性化合物として、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学(株)製、NKエステル3G)を用いた。
(実施例8)
無機充填材を含有し、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)51.8重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)4.8重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)12.8重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)14.3重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)4.5重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.3重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.5重量%と、をメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解させた。次に、ビーズミル(ビーズ直径400μm、処理速度6g/s、5パス)を用いて無機充填材としてシリカ((株)トクヤマ製、CP−102,1次粒子径5〜50nm)6.0重量%を分散させた。
(比較例1)
親水性基を有する第1光重合性化合物を含まず、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)58.1重量%と、第2光重合性化合物として3官能の光重合性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)14.4重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)15.7重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)5.3重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)3.7重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.8重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
(比較例2)
第2光重合性化合物を含まず、配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂として上記のメタクリル変性ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂(MPN)63.8重量%と、親水性基を有する第1光重合性化合物としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物のジグリシジルエーテルとメタクリル酸付加物(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)5.9重量%と、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロンN−865)17.5重量%と、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY16−115)5.8重量%と、フェノール樹脂としてフェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、品番PR53647)4.0重量%と、硬化剤(感光剤)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)3.0重量%とをメチルエチルケトン(MEK、大伸化学社製)に溶解して、樹脂ワニスを得た。
各実施例および比較例で得られた受光装置について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を、表1に示す。
1.形状保持性
形状保持性は、受光部搭載8インチウエハーと8インチ透明基板を熱圧着した際の枠材のフロー(つぶれ度合い)を電子顕微鏡(×5000倍)で観察し、変形、剥離の有無を評価した。
◎:熱圧着前後の枠材の寸法に変化が無かった。
○:熱圧着後の枠材が多少フローし、その寸法が多少変化しているものの、形状に大きな変化は無かった
△:熱圧着後の枠材がフローし、寸法変化が発生した。
×:熱圧着後の枠材が非常に大きくフローし、寸法、形状とも大きく変化していた。
2.現像性
現像性は、半導体ウエハ上に接着フィルムをラミネート(温度60℃、速度0.3m/分)し、パターンマスクを用いて格子状に樹脂スペーサーが残るように露光(露光量:700mJ/cm)し、2.3%TMAHを用いて現像(現像圧力:0.2MPa、現像時間:150秒間)した。得られた格子パターン部分を光学顕微鏡で観察(×1,000)し、残渣の有無を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:残渣が全く確認されず、実用上全く問題無かった。
○:残渣が若干確認できるが、実用上問題ないレベルであった。
△:残渣が若干確認され、実用不可のレベルであった。
×:残渣が多数確認され、実用レベルでは無かった。
なお、パターンマスクは、樹脂幅1.2mm、間隔5mmの格子状とした。
3.アンダーカット
アンダーカットを評価するために枠部材を裁断し、その断面を走査顕微鏡で観察した。その結果の例を図2に示す。各符号は、以下の通りである。
◎:アンダーカットが、5μm未満であった。
○:アンダーカットが、5μm以上10μm未満であった。
△:アンダーカットが、10μm以上15μm未満であった
×:アンダーカットが、15μmであった
4.受光装置信頼性
得られた受光装置を、−55℃で1時間、125度で1時間処理するサイクルを繰り返す温度サイクル試験を1000サイクル行い(n=10)、クラックおよび剥離の観察を電子顕微鏡(×5000倍)で実施した。各符号は以下の通りである。
○:全サンプルでクラックおよび剥離が無く、実用上全く問題無かった。
×:3個以上のサンプルでクラックおよび剥離が観察され、実用レベルでは無かった。
5.信頼性評価
得られた受光装置(n=10)を85℃/85%の環境下で168時間熱処理した後、最高到達温度260℃のリフロー処理を3回行った。その後、接着層の剥離、クラックの観察を電子顕微鏡(×5000倍)で実施した。各符号は以下の通りである。
○:全サンプルでクラックおよび剥離が無く、実用上全く問題無かった。
×:3個以上のサンプルでクラックおよび剥離が観察され、実用レベルでは無かった。
表1から明らかなように、実施例1〜8では、形状保持性に優れ、かつ現像性にも優れていた。
また、特に実施例1、2、5および6では、アンダーカットも少なくなっていた。
また、特に実施例1〜8では、信頼性にも優れていた。
本発明の受光装置の一例を示す断面図である。 アンダーカットを評価した一例を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
1 半導体素子搭載基板
11 半導体素子
111 受光部
13 ボンディングワイヤ
2 透明基板
3 間隙
4 スペーサー
100 受光装置

Claims (10)

  1. アルカリ可溶性樹脂と、
    親水性基を有する第1光重合性化合物と、
    第1光重合性化合物と異なる第2光重合性化合物と、
    熱硬化性樹脂と、を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記第1光重合性化合物は、エポキシ化合物の(メタ)アクリル酸付加物を含むものである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ化合物は、芳香環を有するエポキシ化合物を含むものである請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記第1光重合性化合物は、下記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)の中から選ばれる1種以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記第2光重合性化合物は、2官能以上のアクリル系化合物を含むものである請求項1ないし4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記第1光重合性化合物の含有量は、前記感光性樹脂組成物全体の1〜20重量%であり請求項1ないし5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記感光性樹脂組成物は、無機充填剤を含有しないまたは無機充填剤の含有量が前記感光性樹脂組成物全体の5重量%以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  8. 半導体素子搭載基板と、
    前記半導体素子搭載基板と対向する位置に配置される透明基板と、
    前記半導体素子と前記透明基板との間に形成される間隙を規定するためのスペーサーと、を備える受光装置のスペーサーを構成するために用いられるものである請求項1ないし7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする接着フィルム。
  10. 半導体素子搭載基板と、
    前記半導体素子搭載基板と対向する位置に配置される透明基板と、
    前記半導体素子基板と前記透明基板との間に形成される間隙を規定するためのスペーサーとを備え、
    前記スペーサーが、請求項1ないし7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする受光装置。
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