JP5232087B2 - まくら木及びまくら木の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は鉄道用のレールの下側に配置されるまくら木、特に埋込栓を有したまくら木、及びまくら木の製造方法に関するものである。
従来より、鉄道用のレールは、まくら木に取り付けられたタイプレート(鉄製の板)の上に配置され、タイプレートに付属された締結金具で固定される。
まくら木とタイプレートは、ボルト等により締結されており、まくら木にはめねじを有した埋込栓を埋設することが知られている。
特許文献1には、めねじを有した埋込栓と一体化された合成まくら木が開示されている。
特開2002−161501号公報
特許文献1に記載の発明は、鍔を有した埋込栓を合成まくら木に埋め込み、且つ固定することで、列車からの横圧力及びふく進力に対する強度が向上し、引抜抵抗力を大きくできるとされている。特許文献1に記載の合成まくら木の構成について詳しく説明すると、合成まくら木の孔の略中央に、めねじを有した埋込栓が配置され、前記埋込栓の周囲及び埋込栓の底面側に樹脂を流し込むことで、前記埋込栓を合成まくら木に固着させている。
しかし、特許文献1に開示された合成まくら木は、前記埋込栓の周囲及び埋込栓の底面側に樹脂(固定剤)を流し込んだ際に、合成まくら木の孔の略中央に配置した前記埋込栓の位置がずれることや、前記埋込栓の周囲に樹脂(固定剤)が上手く入らないことがあった。
さらに、合成まくら木の上面から埋込栓の一部が突出することがあり、その場合には、突出した部位を削り取らなければならず、製造上で手間が掛かることがあった。
そこで本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、まくら木内に埋込栓を正確に固定でき、また、作業性が良いまくら木の製造方法、及びまくら木内における埋込栓の埋設位置の精度が高いまくら木を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、まくら木に埋込栓を埋設し、前記埋込栓にボルトを螺合してレールをまくら木に固定するまくら木の製造方法であって、前記埋込栓は、めねじを有する筒部と、筒部の一端に形成された突出部と、を有し、まくら木に、上面側に開口するボルト用孔と、ボルト用孔から段部をもって拡径状となる収容空間と、前記収容空間に連続し下面側に開口する凹部と、を形成し、前記埋込栓の筒部を、その他端が前記まくら木の段部に当接するように、収容空間に収容し、埋込栓のめねじに螺合する位置決め部材で、前記突出部を収容空間から離間させた状態で埋込栓をまくら木内に位置固定し、前記収容空間及び凹部に固定剤を充填することを特徴とするまくら木の製造方法である。
本発明におけるまくら木の製造方法では、埋込栓のめねじに螺合する位置決め部材で、埋込栓をまくら木内に位置固定し、埋込栓が収容された収容空間及び凹部に固定剤を充填することにより、埋込栓を適切な位置に固定することができる。つまり、樹脂を充填した際に埋込栓の位置がずれることがない。
また、埋込栓の筒部の他端がまくら木の段部に当接するように、収容空間に収容されているため、樹脂を流し込んだ際に、樹脂がボルト用孔に流れ込むことを防止すると共に、固定剤が位置決め部材に接触することを防止できる。すなわち、固定剤が位置決め部材に接触し、固定剤が固まった後、位置決め部材が固定されて抜けなくなることを防止する。
さらに、埋込栓の筒部の他端がまくら木の段部に当接することにより、埋込栓が収容空間から抜け出ることがなく、非常に強固なレールの抜止め構造となる。すなわち、列車からボルト等を介して埋込栓が横圧力及びふく進力を受けても、埋込栓が段部に当接しているため、埋込栓がまくら木内から抜け出る心配はない。
なお、位置決め部材によって、埋込栓がまくら木内に収まることにより、埋込栓がまくら木の上面から突出する事態が生ずることがなく、従来のように、埋込栓の突出した部位を削り取る必要がない。よって、作業性が良い。
また、本発明におけるまくら木の製造方法では、収容空間は埋込栓よりも大きいことにより、埋込栓を挿通すると、収容空間と埋込栓との間には、隙間ができる。
また、埋込栓の突出部が収容空間から離間していることにより、埋込栓と収容空間の壁の間への固定剤の充填を確実に行うことができる。
よって、埋込栓をまくら木内に強固に固着させることができ、埋込栓の引抜抵抗力を大きくできる。
請求項2に記載の発明は、前記ボルト用孔に位置決め部材を挿通し、且つ、埋込栓のめねじに螺合させた状態で、固定剤を収容空間及び凹部に充填することを特徴とする請求項1に記載のまくら木の製造方法である。
本発明のまくら木の製造方法では、前記ボルト用孔に位置決め部材を挿通することにより、位置決め部材をしっかりとボルト用孔に固定することができる。すなわち、まくら木に対する位置決め部材の位置決め精度を高くすることができる。
そして、位置決め部材を埋込栓のめねじに螺合させた状態で、固定剤を収容空間及び凹部に充填することにより、まくら木内における埋込栓の埋設位置の精度を高くすることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部とを、各々同心状の円柱形の空間に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のまくら木の製造方法である。
本発明のまくら木の製造方法では、前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部とを、各々同心状の円柱形の空間に形成することにより、埋込栓を収容空間の略中央に配置することができる。このことにより、埋込栓の周囲に、均等に固定剤を充填することが可能となり、強固に埋込栓をまくら木内に固着することが可能となる。
また、前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部とを、各々同心状にすることにより、まくら木の穿孔加工が容易となる。つまり、製造現場において、作業性が良い。
請求項4に記載の発明は、埋込栓の外側表面に凹部及び/又は凸部を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のまくら木の製造方法である。
本発明のまくら木の製造方法では、埋込栓の外側表面に凹部及び/又は凸部を設けることにより、固定剤が埋込栓に固着する面積を大きくすることができる。よって、強固に埋込栓をまくら木内に固着することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載のまくら木の製造方法で製造することを特徴とするまくら木である。
本発明のまくら木では、請求項1〜4に記載のまくら木の製造方法で製造することにより、まくら木内における埋込栓の埋設位置の精度が高いまくら木を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、まくら木に埋込栓が埋設されて、且つ、前記埋込栓にボルトが螺合してレールをまくら木に固定するまくら木であって、前記埋込栓は、めねじを有する筒部と、筒部の一端に形成された突出部と、を有し、まくら木には、上面側に開口するボルト用孔と、ボルト用孔から段部をもって拡径状となる収容空間と、前記収容空間に連続し下面側に開口する凹部と、が設けてあり、前記埋込栓の筒部が、その他端が前記まくら木の段部に当接するように、収容空間に収容され、突出部が凹部内の収容空間から離間した位置に配置され、収容空間を仕切る壁と埋込栓の間と、凹部内には固定剤が充填されていることを特徴とするまくら木である。
本発明のまくら木では、ボルト用孔と収容空間との間に段部を設け、埋込栓の筒部の他端が前記段部に当接していることにより、埋込栓が収容空間から抜け出ることがなく、非常に強固なレールの抜止め構造となる。すなわち、列車からボルト等を介して埋込栓が横圧力及びふく進力を受けても、埋込栓が段部に当接しているため、埋込栓がまくら木内から抜け出る心配はない。
また、本発明のまくら木では、突出部が凹部内の収容空間から離間した位置に配置され、収容空間を仕切る壁と埋込栓の間と、凹部内には固定剤が充填されていることにより、埋込栓はまくら木内に強固に固着し、埋込栓の引抜抵抗力は大きい。
請求項7に記載の発明は、前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部は、各々同心状の円柱形の空間であることを特徴とする請求項6に記載のまくら木である。
本発明のまくら木では、前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部とが、各々同心状の円柱形の空間であることにより、埋込栓が収容空間の略中央に配置される。このことにより、埋込栓の周囲に、均等に固定剤が充填される。よって、より強固に、埋込栓がまくら木内に固着する。
さらに、前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部とを、同心状にすることにより、まくら木の穿孔加工が容易となる。つまり、製造現場において、作業性が良い。
請求項8に記載の発明は、埋込栓の外側表面に凹部及び/又は凸部を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載のまくら木である。
本発明のまくら木では、埋込栓の外側表面に凹部及び/又は凸部を設けたことにより、固定剤が埋込栓に固着する面積を大きくすることができる。よって、強固に埋込栓をまくら木内に固着することが可能となる。
本発明によれば、まくら木内に埋込栓を正確に固定し、且つ埋込栓の周囲に均等に固定剤を充填でき、また、作業性の良いまくら木の製造方法、及びまくら木内における埋込栓の埋設位置の精度が高いまくら木を提供することができる。
本発明の実施形態に係るまくら木の斜視図である。 図1のまくら木に埋込栓を設けた状態の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第1工程を示すまくら木の部分拡大断面図であって、ボルト用孔(穴)が形成された状態を示す。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第2工程を示すまくら木の部分拡大断面図であって、図3のボルト用孔(穴)と反対側からボルト用孔(穴)に連通する孔を設け、段部が形成された状態を示す。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第3工程を示すまくら木の部分拡大断面図であって、図4の孔と同心に鍔部用孔を設けた状態を示す。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第4工程を示すまくら木の部分拡大断面図であって、図5のまくら木内に埋込栓を配置した状態を示す。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第5工程を示すまくら木の部分拡大断面図であって、図6の埋込栓に位置決め治具を螺合し、まくら木に埋込栓を固定した状態を示す。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第6工程を示すまくら木の部分拡大断面図であって、図7のまくら木の鍔部用孔及び孔に樹脂を充填した状態を示す。 本発明の実施形態に係るまくら木の製造方法の第7工程を示すまくらの部分拡大断面図であって、図8のまくら木から位置決め治具を取り外した状態を示す。 埋込栓の斜視図である。 位置決め部材の斜視図である。 本発明の実施形態の変形例を示す、まくら木に埋込栓を設けた状態の部分拡大断面図であり、埋込栓用孔を構成する埋込栓係止壁に凹部を形成した状態を示す。
本発明の実施形態のまくら木の製造方法、及びまくら木の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本願発明が制限して理解されるべきではない。
なお、本発明において、まくら木の上下方向について、まくら木を軌道に設置した状態でレールが載置される側が上面であり、その反対面が下面である。
本発明の実施形態のまくら木1の製造方法について説明する。
まくら木1は、まくら木本体2と埋込栓3とで構成されている。埋込栓3は、まくら木本体2内に設けられる。すなわち、まくら木本体2には、筒部7と鍔部4を備えた埋込栓3を収容する貫通孔10が設けられている。貫通孔10は、次の手順で形成する。
まず、第1工程では、図3に示すように、まくら木本体2の上面30側から、ボルト用孔11を形成する。ボルト用孔11は、後述する位置決め治具40(位置決め部材)を丁度挿通可能な直径を有している。
また、ボルト用孔11の深さは、後述する位置決め治具40の座金部43が上面30に当接して、位置決め治具40でまくら木本体2に対するボルト用孔11の芯方向の、埋込栓3の位置決めができるような寸法である。
ここで位置決め治具40は、図12に示すようにストレート部45とおねじ44とから成る柱部42と、座金部43と、頭部41とを有しており、おねじ44には埋込栓3のめねじ5が螺合する。
すなわち、位置決め治具40の頭部41(座金部43)がまくら木本体2の上面30に当接すると、位置決め治具40は、まくら木本体2に対してボルト用孔11の芯方向及び芯方向と直交する方向の移動が規制される。よって、位置決め治具40のおねじ44と螺合するめねじ5を備えた埋込栓3は、まくら木本体2内で位置決めされる。
図4及び図5は、図3とは天地逆にまくら木本体2を描写している。
第2工程では、図4に示すように、まくら木本体2の下面31側から、ボルト用孔11と同心状に、埋込栓3の筒部7(図11)の径より大きい孔50を、ボルト用孔11と繋がる深さまで開ける。この結果、埋込栓当接段部16が形成される。
さらに、第3工程では、図5に示すように、まくら木本体2の下面31側から孔50と同心に、埋込栓3の鍔部4の径より大きい鍔部用孔13を、ざぐり加工等により形成する。
ここで、孔50のうち鍔部用孔13の部位を除いた部分が、埋込栓用孔12(収容空間)を構成する。よって、ボルト用孔11と、埋込栓用孔12と、鍔部用孔13が、各々同心状に連通することによって、貫通孔10が形成される。
なお、埋込栓用孔12(収容空間)は、埋込栓係止壁35(収容空間を仕切る壁)で仕切られた空間である。
以上で、まくら木本体2の加工は終了し、次に貫通孔10に埋込栓3を配置し、固定する手順を説明する。
まず、埋込栓3の構成について説明する。図10に示すように、埋込栓3は、本体である筒部7と鍔部4(突出部材)とで構成されている。筒部7は有底の円筒状であり、一端に鍔部4が溶接又は一体成形されている。また、他端部は開口しており、内部にめねじ5が設けられている。
埋込栓3の筒部7の外径は、まくら木本体2のボルト用孔11の径より大きく、埋込栓用孔12(収容空間)の径より小さい。
筒部7の外側には、複数箇所に環状の凸部6が設けられている。このことにより、樹脂20(固定剤)が埋込栓3に固着する面積(表面積)を大きくすることができる。
よって、凸部6を設けない場合と比較して、より強固に、埋込栓3をまくら木1(まくら木本体2)内に固着することが可能となる。
なお、筒部7の外側に凸部6の代わりに凹部を設けたり、凸部6と凹部の両方を設けてもよい。
また、鍔部4は平面視(すなわち貫通孔10方向から見て)で長方形を成し、埋込栓用孔12(収容空間)に挿通できない形状及び/又は大きさであり、鍔部用孔13(凹部)よりは小さい。
ここで鍔部用孔13は、鍔部4よりも一回り大きい長孔状に形成され、鍔部4が収容可能である。すなわち、鍔部4の長辺は、鍔部用孔13の長手方向の長さよりも短く、短手方向の長さよりも長い。
このように鍔部4を構成すると、埋込栓3と位置決め治具40を螺合する際に、位置決め治具40の頭部41を回転させても埋込栓3は追従して回転しない。
よって、埋込栓3側を支持しなくても、位置決め治具40を回転させるだけで、位置決め治具40と埋込栓3を一体固着できる。
第4工程では、前述のように構成された埋込栓3は、図6に示すように、まくら木本体2の下面31側の鍔部用孔13から挿入される。
すなわち、詳しくは後述するが、埋込栓3の開口側の端部である上端部8が、埋込栓当接段部16と隙間無く当接するまで挿入する。
次に、位置決め治具40について詳述する。位置決め治具40は、図11に示すように、六角状の頭部41と、円柱状の柱部42と、座金部43を有している。柱部42は、おねじ44とストレート部45により構成され、柱部42の先端側におねじ44が形成されている。柱部42の長さは、頭部41(座金部43)がまくら木本体2の上面30に当接した状態で、おねじ44の先端が埋込栓用孔12の略真ん中にまで達する長さであり、ストレート部45の径は、ボルト用孔11の径と略同一である。
すなわち、位置決め治具40は、おねじ44がボルト用孔11を通過して埋込栓用孔12内に配置され、さらに、ストレート部45がボルト用孔11に嵌って径方向の移動が規制される。
次にまくら木1の製造手順を説明する。
第5工程では、図7に示すように、まくら木本体2の上面30側のボルト用孔11から位置決め治具40を挿入し、位置決め治具40のおねじ44と、埋込栓3のめねじ5を螺合させる。
すなわち、埋込栓3の上端部8が、埋込栓当接段部16に隙間無く当接し、且つ、位置決め治具40の座金部43が上面30に当接するまで、位置決め治具40のおねじ44と埋込栓3のめねじ5を螺合させる。
これにより、貫通孔10の中で埋込栓3の芯方向(上下方向)への移動が規制され、まくら木本体2に対して埋込栓3が固定される。
また、位置決め治具40のストレート部45の径が、ボルト用孔11の径と略同一であるため、位置決め治具40は、しっかりとボルト用孔11に固定される。
すなわち、まくら木本体2に対して、位置決め治具40による埋込栓3の位置決め精度が高くなり、まくら木本体2内の所定の位置で埋込栓3が固定される。
その結果、位置決め治具40に締結された埋込栓3の筒部7は、埋込栓用孔12の略中央に配置される。つまり、まくら木本体2において、埋込栓3が適切に埋設される。
さらに、埋込栓3の上端部8が、埋込栓当接段部16と当接し、位置決め治具40の座金部43がまくら木本体2の上面30に当接し、埋込栓3と位置決め治具40は、まくら木本体2を挟持しており、埋込栓3と位置決め治具40は、まくら木本体2に堅固に固定される。この時、埋込栓3の鍔部4は、埋込栓用孔12から離間している。
すなわち、埋込栓3(筒部7)と埋込栓用孔12の間に形成された隙間は、鍔部用孔13と連通している。
そして、第6工程では、図8に示すように、まくら木本体2の下面31側の鍔部用孔13から樹脂20を充填する。
樹脂20は、埋込栓3の鍔部4の周囲に流れ込み、さらに、埋込栓3の筒部7と埋込栓係止壁35(収容空間の壁)の間にも流れ込む。
従って、前述のように、鍔部用凹部13から樹脂20を入れた場合、樹脂20は、「埋込栓3の筒部7と埋込栓用孔12の間」には満たされるが、「ボルト用孔11」へ漏れ出ることがない。
図9は、図8とは天地逆にまくら木本体2を描写している。
第7工程では、図9に示すように、樹脂20が固まった後、位置決め治具40を取り外す。まくら木本体2の上面30側のボルト用孔11に、キャップ22を嵌め、据付現場でレールを固定するまでの間、異物の侵入を阻止するのが好ましい。
本発明におけるまくら木1の製造方法では、埋込栓3のめねじ5に螺合する位置決め治具40(位置決め部材)で、埋込栓3をまくら木1(まくら木本体2)内に位置固定し、埋込栓3が収容された埋込栓用孔12(収容空間)及び鍔部用孔13(凹部)に樹脂20(固定剤)を充填し、固化することにより、位置決め治具40を取り外した後においても埋込栓3を適切な位置に固定することができる。つまり、樹脂20を流し込んだ際に、埋込栓3の位置がずれることがない。
また、位置決め治具40(位置決め部材)によって、埋込栓3が、まくら木1(まくら木本体2)内に適切に固定されることにより、埋込栓3がまくら木1の上面30から突出する事態が生ずることがなく、従来のように、埋込栓3の突出した部位を削り取る必要がない。
さらに、本発明におけるまくら木1の製造方法では、埋込栓用孔12(収容空間)を埋込栓3よりも大きく形成することにより、埋込栓3を挿通すると、埋込栓用孔12と埋込栓3との間には、隙間ができる。
また、埋込栓3の鍔部4(突出部)が埋込栓用孔12(収容空間)から離間していることにより、埋込栓3と埋込栓係止壁35(収容空間の壁)の間への樹脂20(固定剤)の充填を確実に行うことができる。
よって、埋込栓3をまくら木1(まくら木本体2)内に強固に固着させることができ、埋込栓3の引抜抵抗力を大きくできる。
続いて、本発明の実施形態のまくら木1の構成に基づく特徴について詳述する。
まくら木1(まくら木本体2)の貫通孔10は、ボルト用孔11と、埋込栓用孔12(収容空間)と、鍔部用孔13(凹部)から構成され、各々同心状に連通し、円柱形の空間を形成している。
よって、埋込栓3の周囲に、均等に、樹脂20(固定剤)を充填することが可能となり、強固に埋込栓3をまくら木1(まくら木本体2)内に固着することが可能となる。
また、ボルト用孔11と、埋込栓用孔12(収容空間)と、鍔部用孔13(凹部)とを、各々同心状にすることで、まくら木1の穿孔加工が容易となる。
ボルト用孔11は、レール固定用のボルトを挿通させる孔であり、埋込栓用孔12(収容空間)と連通している。ボルト用孔11には、キャップ22が嵌められている。キャップ22の径はボルト用孔11の径と略同一に形成されることが望ましく、異物が埋込栓3の内部に入り込むことを防止し、レール等をまくら木1に取り付ける際に、手で簡単に取り外せるものとする。
埋込栓用孔12(収容空間)は、埋込栓係止壁35(収容空間を仕切る壁)で仕切られた空間である。埋込栓係止壁35(収容空間を仕切る壁)には、例えば図12の本発明の実施形態の変形例のまくら木60に示すように、上下方向のタップ加工等により、凹部及び/又は凸部を形成しても構わない。
埋込栓用孔12(収容空間)とボルト用孔11(孔)の間には、埋込栓当接段部16(段部)が設けられており、埋込栓当接段部16(段部)に、埋込栓3の上端部8が当接している。
このことにより、埋込栓3が埋込栓用孔12(収容空間)から、より抜けにくい構造となる。すなわち、埋込栓3が列車(図示せず)から横圧力及びふく進力を受けても、埋込栓当接段部16(段部)に、埋込栓3の上端部8が当接しているため、埋込栓3がまくら木本体2内から抜け出ることがなく、非常に強固なレールの抜止め構造となる。
樹脂20(固定剤)の種類としては、まくら木本体2と同様に、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂であって硬質のものが好適に使用され、30℃程度に暖めて粘度を下げることで充填しやすくなる。
まくら木本体2は、繊維強化硬質樹脂発泡体を素材とする合成木材で構成されることが好ましい。
発泡樹脂の種類としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂であって硬質のものが好適に使用される。
なお、発泡樹脂中に、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレーなどの無機充填材や、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材が添加されても良い。板材の硬質樹脂発泡材を補強する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などの無機質繊維や、芳香族ポリアミド繊維等の合成繊維や天然繊維等の有機質繊維の何れかであればよいが、強度や経済性の面からガラス繊維が適している。
繊維の形態は、ヤーン、クロス、ロービング、ロービングクロス、クロスマット等の長繊維形態のものが好適であり、必要に応じてチップ、ミドルファイバー等の短繊維やシラスバルーン等の中空充填材を併用しても良い。ガラス繊維としては、ガラスロービング、ガラスロービングクロス、ガラスマット、コンティニュアスストランドマット等の形態のものが挙げられる。
この繊維は単独で使用しても良いし、2層以上積層して使用しても良く、また、長繊維と短繊維を混ぜて使用しても良い。最も好適な材料としては硬質ウレタン樹脂を長手方向へ引き揃えられたガラス長繊維で補強した発泡体である(例えば、商品名「エスロンネオランバー FFU」積水化学工業株式会社製)。
本実施形態では、ボルト用孔11と、位置決め治具40(位置決め部材)のストレート部45の径とが略同一である例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボルト用孔11の開口の部分や、ボルト用孔11の途中が、位置決め治具40(位置決め部材)の大きさと相違していても構わない。つまり、位置決め治具40(位置決め部材)を固定できれば良い。
1 まくら木
2 まくら木本体
3 埋込栓
4 鍔部(突出部)
5 めねじ
6 凸部
7 筒部
8 上端部
10 貫通孔
11 ボルト用孔
12 埋込栓用孔(収容空間)
13 鍔部用孔(凹部)
16 埋込栓当接段部(段部)
20 樹脂(固定剤)
22 キャップ
30 上面
31 下面
35 埋込栓係止壁
40 位置決め治具(位置決め部材)
50 孔

Claims (8)

  1. まくら木に埋込栓を埋設し、前記埋込栓にボルトを螺合してレールをまくら木に固定するまくら木の製造方法であって、
    前記埋込栓は、めねじを有する筒部と、筒部の一端に形成された突出部と、を有し、
    まくら木に、上面側に開口するボルト用孔と、ボルト用孔から段部をもって拡径状となる収容空間と、前記収容空間に連続し下面側に開口する凹部と、を形成し、
    前記埋込栓の筒部を、その他端が前記まくら木の段部に当接するように、収容空間に収容し、
    埋込栓のめねじに螺合する位置決め部材で、前記突出部を収容空間から離間させた状態で埋込栓をまくら木内に位置固定し、
    前記収容空間及び凹部に固定剤を充填することを特徴とするまくら木の製造方法。
  2. 前記ボルト用孔に位置決め部材を挿通し、且つ、埋込栓のめねじに螺合させた状態で、固定剤を収容空間及び凹部に充填することを特徴とする請求項1に記載のまくら木の製造方法。
  3. 前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部とを、各々同心状の円柱形の空間に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のまくら木の製造方法。
  4. 埋込栓の外側表面に凹部及び/又は凸部を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のまくら木の製造方法。
  5. 請求項1〜4に記載のまくら木の製造方法で製造することを特徴とするまくら木。
  6. まくら木に埋込栓が埋設されて、且つ、前記埋込栓にボルトが螺合してレールをまくら木に固定するまくら木であって、
    前記埋込栓は、めねじを有する筒部と、筒部の一端に形成された突出部と、を有し、
    まくら木には、上面側に開口するボルト用孔と、ボルト用孔から段部をもって拡径状となる収容空間と、前記収容空間に連続し下面側に開口する凹部と、が設けてあり、
    前記埋込栓の筒部が、その他端が前記まくら木の段部に当接するように、収容空間に収容され、
    突出部が凹部内の収容空間から離間した位置に配置され、
    収容空間を仕切る壁と埋込栓の間と、凹部内には固定剤が充填されていることを特徴とするまくら木。
  7. 前記ボルト用孔と、収容空間と、凹部は、各々同心状の円柱形の空間であることを特徴とする請求項6に記載のまくら木。
  8. 埋込栓の外側表面に凹部及び/又は凸部を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載のまくら木。
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