JP3122689U - レール締結装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軌道スラブ30上にレール10をばね部材5を介して固定するタイプレート1を、軌道スラブの埋込栓31に対して平面位置調整可能に締結ボルト32で固定するようにしたレール締結装置において、タイプレート1に締結ボルト32を中心に偏心回転可能なカム部材40を設け、カム部材40を介してタイプレート1を平面調整可能に固定してなるレール締結装置。
【選択図】 図2
Description
従来のタイプレート式レール締結装置では、レール下面とタイプレートとの間に、軌道パッドが介装され、タイプレートに装架されたボルト及びナットによって、レール締結用板ばねを介してレールがタイプレートに締結するのが基本である。
また、タイプレートと軌道スラブとは、軌道スラブに埋設された合成樹脂製の埋込栓内の鋼製雌ねじ部にタイプレートを貫通して締結ボルトを螺着して、タイプレートを軌道スラブに締結するのが基本である(特許文献1参照)。
また、その性能は、左右方向最大荷重49kN(5ton)に対して、変位量0の抗力を有すると共に、軌道スラブ敷設時に生じた残留通り狂いを連続的に調整することができる構造であることが要求されている。
そこで、本考案は、タイプレートの左右滑動を防止するために締結ボルトの強力な締め付けによる摩擦力によらずに、車輪からの横圧を受け止める手段を提供し、保守点検を少なくするようにするものである。
また、本考案は、請求項3に記載のように、請求項2に記載のレール締結装置において、カム部材の外周カム形状部を、締結ボルトの軸心に直交する断面においてほぼ円形になるように設けてなるレール締結装置を提供するものである。
また、本考案は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載のレール締結装置において、埋込栓の筒体内部が雌ねじ部を含めて合成樹脂からなるレール締結装置を提供するものである。
また、本考案は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のレール締結装置において、レールとタイプレートの間に可変パッドを挿入してなるレール締結装置を提供するものである。
また、本考案は、請求項11に記載のように、請求項1乃至10のいずれかに記載のレール締結装置において、タイプレートと軌道スラブの間に可変パッドを挿入してなるレール締結装置を提供するものである。
また、本考案は、請求項13に記載のように、請求項11又は12に記載のレール締結装置において、可変パッドの型枠に締結ボルトの挿通孔枠を設けてなるレール締結装置を提供するものである。
また、本考案は、請求項8に記載のように、請求項7に記載のレール締結装置において、埋込栓が合成樹脂の一体成形品からなる構成を有することにより、絶縁性のある埋込栓を容易に提供することができる効果がある。
可変パッド20は、袋体に合成樹脂を注入してレール10とタイプレート1の間に生じた隙間を埋め、レール面の高さ調整をすることができるように構成してある。
タイプレート1と軌道スラブ30とは、軌道スラブ30の埋込栓31に螺着する締結ボルト32によって固定される。締結ボルト32は、上から六角頭部34、軸部35及び雄ねじ部を具備し、図では省略したが、下端部の雄ねじ部が埋込栓31内の下端部に設けた雌ねじ部に螺合することによって、タイプレート1を軌道スラブ30上に固定することができる。
この構成により、円形のタイプレート1のカム受け孔45と、カム部材40のカム形状部とが密着して嵌合するから、締結ボルト32で埋込栓31に固定したカム部材40とタイプレート1との間に強力な抵抗力を得ることができる。
従って、カム部材40の回転に伴ってタイプレート1をプラスマイナス10mm(合計最大20mm)移動させるには、偏心距離Lを10mmに設定すればよいこととなる。
この構成を有することにより、円錐台形状の楔作用効果によって締結ボルト32を埋込栓31に締め付けることによって、カム部材40と共にタイプレート1を強力に締め付け固定することができると共に、カム部材とカム受け孔が互いに密着してガタを生じ難くすることとなる。
なお、図3の実施例において、カム部材40の厚さtは約20mmで、タイプレート1の厚さとほぼ一致して設けてある。
また、埋込栓31の周囲に設けたスパイラル鉄線36は、埋込栓31の軌道スラブ30への埋込強度を補強するものである。
図4及び図5の実施例2では、可変パッド20は、袋体に合成樹脂を注入してタイプレート1と軌道スラブ30の間に生じた隙間を埋める形式とは異なる。
このことにより、平箱体22の中に合成樹脂の充填材23を介してタイプレート1を一体に保持するから、施工を簡単、確実にすることができる効果がある。
また、実施例2において、カム部材40等の構成は、図1乃至図3に記載の実施例1と同一であり、図4及び図5において同一の部材には、図1と図2と同じ符号を付して、その説明は、既に実施例1でしたものと重複するため、ここでは省略する。
従来の横方向長軸40mmの長孔式のレール締結装置では、締め付けトルク350N・mでないと、横圧49kNに対する変位1mm以内に耐えられないが、本考案装置における上記実施例のカム式の締結装置では、図7又は図8に記載のように、締め付けトルクが100N・m以上であれば、横圧49kNが加わっても1mm以上変位することはない。
締め付けトルク350N・mで実験装置設置直後の1回目の横圧が加わった場合が、変位0.95mmで最大となったが、2回目以降は、締め付けトルクが100N・mでも変位は0.23mmであり、横圧49kNに十分に対抗することができる。
従来の鋼製ねじ部及び鉄筋入りの埋込栓の締め付けトルク350N・mにおける480時間後の締め付けボルトのゆがみの変化に対する保持率は94%である。
締結ボルトの締め付けトルクを200N・m、180N・m、170N・m、150N・m、120N・m、100N・m、70N・m、50N・mとした場合のボルトのゆがみ(軸力)の変化を480時間と180時間で計測した結果を表1に示す。
しかし、前述の横圧試験の結果から、締め付けトルクは最小50N・mでも横圧に耐えられることから、締め付けトルクを200N・mにすれば、480時間後には163N・mまで低下はするが、横圧には充分耐えられると判断でき、PPS材料のみからなる埋込栓が使用可能と判断される。
2 軌道パッド
3 ボルト
4 ナット
5 板ばね
10 レール
20 可変パッド
21 絶縁板
22 箱形体
23 充填剤
24 挿通孔枠
30 軌道スラブ
31 埋込栓
32 締結ボルト
34 六角頭部
35 軸部
36 スパイラル鉄線
40 カム部材
41 上面
42 下面
43 カム軸孔
45 カム受け孔
Claims (13)
- 軌道スラブ上にレールをばね部材を介して固定するためのタイプレートを、軌道スラブの埋込栓に対して平面位置調整可能に締結ボルトで固定するようにしたレール締結装置において、タイプレートに締結ボルトを中心に偏心回転可能なカム部材を設け、カム部材を介してタイプレートを平面調整可能に固定してなるレール締結装置。
- 請求項1に記載のレール締結装置において、タイプレートにカム部材の嵌合するカム受け孔を設けてなるレール締結装置。
- 請求項2に記載のレール締結装置において、カム部材の外周カム形状部を、締結ボルトの軸心に直交する断面においてほぼ円形になるように設けてなるレール締結装置。
- 請求項3に記載のレール締結装置において、タイプレートのカム受け孔を、カム部材のカム形状部が密着して嵌合するように、締結ボルトの軸心に直交する断面においてほぼ円形になるように設けてなるレール締結装置。
- 請求項2乃至4のいずれかに記載のレール締結装置において、締結ボルトによりカム部材に加えた締め付け力がカム受け孔を介してタイプレートに及ぶようにカム部材とカム受け孔を係合せしめてなるレール締結装置。
- 請求項5に記載のレール締結装置において、カム部材とカム受け孔が互いに円錐台形状の密着面で密着するように設けてあるレール締結装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のレール締結装置において、埋込栓の筒体内部が雌ねじ部を含めて合成樹脂からなるレール締結装置。
- 請求項7に記載のレール締結装置において、埋込栓が同一合成樹脂の一体成形品からなるレール締結装置。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のレール締結装置において、レールとタイプレートの間に可変パッドを挿入してなるレール締結装置。
- 請求項9に記載のレール締結装置において、レールの下に敷設した軌道パッドとタイプレートの間に可変パッドを挿入してなるレール締結装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載のレール締結装置において、タイプレートと軌道スラブの間に可変パッドを挿入してなるレール締結装置。
- 請求項11に記載のレール締結装置において、可変パッドがタイプレートの底面と側面を囲むように軌道スラブ上に載置した平箱形状の型枠と充填剤からなり、軌道スラブ上に載置した型枠に充填剤を注いでタイプレートと軌道スラブとの隙間を埋めると共にレール平面の高低を整正するようにしてなるレール締結装置。
- 請求項11又は12に記載のレール締結装置において、可変パッドの型枠に締結ボルトの挿通孔枠を設けてなるレール締結装置。
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