JP2010138663A - 浮上がり防止付マンホール - Google Patents

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Abstract

【課題】 浮上がり防止部材を、比較的に強度を有しながら、安価で製作可能なものとし、マンホールに安定して確実に固定し、マンホール内からの設置が容易な浮上がり防止付マンホールを提供する。
【解決手段】 マンホール外周面から放射方向に突出する複数本の浮上がり防止部材2を備えた浮上がり防止付マンホールにおいて、浮上がり防止部材が、合成樹脂製のスリーブ3と、該スリーブ内に内蔵される補強材入りコンクリート4と、マンホール内壁5にアンカーボルト6により固定された固定フランジ7とにより構成され、前記スリーブ内に補強材10が配置され固定フランジにスリーブが螺着され、該固定フランジの中心部に生コンクリート注入口15が形成され、該スリーブの外周とマンホール壁との間に水膨張パッキン9が接着剤で固定された浮上がり防止付マンホール。
【選択図】 図8

Description

本発明は、マンホール外周面から放射方向に突出する複数本の浮上がり防止部材を備えた浮上がり防止付マンホールに関するものである。
従来,浮上がり防止付マンホールとして、マンホール壁の複数箇所の外周面に固定金具を設置し、該固定金具にマンホールの外壁から放射方向に突出させる複数本の鋼製の浮上がり防止部材を取り付けたものがある(例えば特許文献1参照。)。
特開2007−132072号公報
ところで、前記従来技術の浮上がり防止付マンホールでは、浮上がり防止部材が形鋼材を使用していることから高価なものであると共に浮上がり防止部材がマンホール壁の外周面の固定金具に取り付けられていることから浮上がり防止部材の固定が不安定になる虞がある。
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浮上がり防止部材を、比較的に強度を有しながら、安価で製作可能なものとし、マンホールに安定して確実に固定し、マンホール内からの設置が容易な浮上がり防止付マンホールを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明における浮上がり防止付マンホールは、浮上がり防止部材を、合成樹脂製のスリーブと、該スリーブ内に内蔵される補強材入りコンクリートと、マンホール内壁にアンカーボルトにより固定された固定フランジとにより構成し、前記スリーブ内に補強材を配置して固定フランジにスリーブを螺着し、該固定フランジの中心部に生コンクリート注入口を形成し、該スリーブの外周とマンホール壁との間に水膨張パッキンを接着剤で固定したものである。
また、前記補強材を固定スぺーサーで固定した鉄筋で構成したものである。
また、足掛具の芯材を該足掛具の脚部から延長させ、該延長部を前記補強材としたものである。
本発明の請求項1においては、浮上がり防止部材を比較的に強度を有しながら、安価で製作可能なものとし、マンホールに安定して確実に固定し、マンホール内からの設置が容易であると共に防水効果も有する浮上がり防止付マンホールとなる。
また、本発明の請求項2においては、前記請求項1の効果に加えて、浮上がり防止部材がより強度なものとなる浮上がり防止付マンホールとなる。
また、本発明の請求項3においては、前記請求項1の効果に加えて浮上がり防止部材がより容易に設置できると共に浮上がり防止部材設置後のマンホール内壁の見栄えを良くする浮上がり防止付マンホールとなる。
マンホール外周面から放射方向に突出する複数本の浮上がり防止部材を備えた浮上がり防止付マンホールにおいて、浮上がり防止部材を、合成樹脂製のスリーブと、該スリーブ内に内蔵される補強材入りコンクリートと、マンホール内壁にアンカーボルトにより固定された固定フランジとにより構成し、前記スリーブ内に補強材を配置して固定フランジにスリーブを螺着し、該固定フランジの中心部に生コンクリート注入口を形成し、該スリーブの外周とマンホール壁との間に水膨張パッキンを接着剤で固定した浮上がり防止付マンホールである。
足掛具の芯材を該足掛具の脚部から延長させ、該延長部を前記補強材とした浮上がり防止付マンホールである。
図1ないし図8は本発明の実施例に関するものであり、図1は浮上がり防止付マンホールの正面断面説明図、図2は浮上がり防止部材をマンホールに取り付けた平面説明図、図3はスリーブの正面図、図4は固定スぺーサーに鉄筋を挿着した正面図、図5は固定スぺーサーの側面図、図6は固定フランジの平面図、図7は固定フランジの正面図、図8は浮上がり防止部材をマンホールに取り付ける拡大断面説明図である。
図において、1はマンホールであり、該マンホール1の外周面から放射方向に複数本の浮上がり防止部材2,2,…が突出されている。
なお、浮上がり防止部材2の突出寸法は、マンホール1から約400mmから600mmであり、コスト,強度等からみて好適な寸法であり、長い方が浮上防止効果は向上する。
前記浮上がり防止部材2は図1,図2,図8に示すような、スリーブ3と、該スリーブ3内に内蔵される補強材入りコンクリート4と、マンホール内壁5にアンカーボルト6により固定される固定フランジ7とにより構成されている。
前記スリーブ3は図3に示すように、一端側に開口部を有し、他端側が有底中空円柱体であり、例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロン等の合成樹脂製である。そして、スリーブ3の外周面全域にはねじ8が形成され、スリーブ3の開口部外周近傍には水膨張パッキン9が挿着されている。
前記補強材入りコンクリート4は後述する手法により、スリーブ3内全域に内蔵され、浮上がり防止部材2を強固なものにする。
なお、10は例えば鉄材,鋼材,強化プラスチック等のいずれかからなる補強材であり、この補強材10はスリーブ3内に配置させて、生コンクリート11をスリーブ3内に注入することにより補強材入りコンクリート4を構成するものである。
前記固定フランジ7は図6,図7に示すように、マンホール内壁5に当接される正面視円形状の固定部12と前記スリーブ3の開口部外周側が螺着される接合部13とが合成樹脂により一体成形により構成されるものである。
そして、固定部12の外周近傍には前記マンホール内壁5に固定フランジ7を固定するためのアンカーボルト6を挿入する複数の孔14,14,…が穿設され、固定部12の中心部には前記生コンクリート11をスリーブ3内に注入するための生コンクリート注入口15が穿設されている。
また、接合部13の内周全域には前記スリーブ3の外周面に形成されたねじ8が螺着されるねじ孔16が形成されている。
以上のような構成からなる浮上がり防止付マンホールは、新設のマンホール,既存のマンホールを問わずに浮上がり防止部材2の設置が可能であるが、特に既存のマンホールにおいてマンホール内で簡単,容易に設置できるものである。
先ず、図5,図8に示すような、予め例えば丸棒状の補強材10を複数の固定スペーサー17を使用してスリーブ3内の中心近傍に配置し、固定フランジ7の接合部13にスリーブ3の開口部側を螺着させて固定フランジ7とスリーブ3とを接合させる。
そして、マンホール1の外周面から放射方向に浮上がり防止部材2を突出させたい箇所でマンホール内壁5に接合部13の直径の大きさに対応した孔18を穿設し、さらにマンホール1の外周の土にスリーブ3の直径の大きさに対応し、且つ略スリーブ3の長さに対応した孔19を穿設する。
次に、予め固定フランジ7とスリーブ3とを接合させたものをマンホール1内に搬入し、前記孔18の内周に接着剤を塗布して、スリーブ3を孔19に配置し、接合部13を孔18に装着させ、固定部12をマンホール内壁5に当接させる。さらに固定部12の複数の孔14,14,…にアンカーボルト6,6,…を挿入させて固定フランジ7はマンホール内壁5に安定した確実な固定をすることができる。またさらに、孔18の内周に接着剤を塗布したことにより、スリーブ3の開口部外周近傍に挿着された水膨張パッキン9がスリーブ3の外周とマンホール壁間に確実に固定されて防水効果が発揮される。この際、スリーブ3内にまだコンクリートが注入されていないので、軽量で簡単に固定フランジ7とスリーブ3とを接合させたものを孔19に設置することができる。
そして、前記固定フランジ7の固定部12の中心部の生コンクリート注入口15から生コンクリート11をスリーブ3内に注入することにより浮上がり防止部材2を容易に完成させることができる。
このように、合成樹脂製のスリーブ3内に補強材入りコンクリート4を納めたので、浮上がり防止部材2の外周は錆びることがないと共に浮上がり防止部材2は比較的に強度を有しながら、安価で製作可能なものとなる。
この実施例は上記実施例における補強材10として固定スペーサ17付き鉄筋を特に採用したものである。
図5に示すように、固定スペーサ17は合成樹脂製の側面視円形状のであり、その中心部及び外周近傍には複数の鉄筋10,10,…を挿通する孔20,20,…が形成され、各孔20は格子状のリブ21,21,…で接続されている。
また、図4及び図8に示すように、固定スペーサ17を間隔をあけて複数個(例えば三個)配置し、該固定スペーサ17の孔20,20,…に鉄筋10,10,…を挿通させ鉄筋10,10,…を固定させる。
そして、固定された鉄筋をスリーブ3内に配置し、上述の手法と同様に、固定フランジ7とスリーブ3とを接合させたものをマンホール1内に搬入し、前記孔18の内周に接着剤を塗布して、スリーブ3を孔19に配置し、接合部13を孔18に装着させ、固定部12をマンホール内壁5に当接させる。さらに固定部12の複数の孔14,14,…にアンカーボルト6,6,…挿入させて固定フランジ7はマンホール内壁5に安定した確実な固定をすることができ、前記固定フランジ7の固定部12の中心部の生コンクリート注入口15から生コンクリート11をスリーブ3内に注入することにより浮上がり防止部材2を容易に完成させることができる。
この浮上がり防止部材2は、鉄筋10,10,…がスリーブ3内の全域を補強することからより強度のある補強材入りコンクリート4となり、浮上がり防止部材2としての効果も向上させる。
この実施例は上記実施例における補強材10として芯材を延長させた足掛具の延長部を特に採用したものである。
図9ないし図12は本発明の実施例に関するものであり、図9は浮上がり防止付マンホールの正面断面説明図、図10は浮上がり防止部材をマンホールに取り付けた平面説明図、図11は芯材を延長させた足掛具の拡大平面図、図12は浮上がり防止部材をマンホールに取り付ける拡大断面説明図である。
図において、31はマンホールであり、該マンホール31の外周面から放射方向に突出する二本の平行部材からなる浮上がり防止部材32,32が、上下複数段にわたってそれぞれ三方向に配置されている。
なお、浮上がり防止部材32の突出寸法は、マンホール31から約300mmから600mmであり、二本が組みとなっており、コスト,強度等からみて好適な寸法であり、長い方が浮上防止効果は向上する。
前記浮上がり防止部材32は図9,図12に示すような、スリーブ33と、該スリーブ33内に内蔵される補強材入りコンクリート34と、マンホール内壁35にアンカーボルト36により固定される固定フランジ37と、補強材40となる脚部から延長される芯材50を設けた足掛具30とにより構成されている。
前記スリーブ33は一端側に開口部を有し、他端側が有底中空円柱体であり、該スリーブ33の他端側には円錐体54が尖端となるように設けられ、該円錐体54は例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロン等の合成樹脂でスリーブ33と一体成形されている。
また、スリーブ33の外周面には多数のねじ38が形成され、スリーブ33の外周中間部近傍には水膨張パッキン39が挿着されている。
前記補強材入りコンクリート34は実施例1と同様に、スリーブ33内全域に内蔵され、浮上がり防止部材32を強固なものにする。
そして、補強材40としては足掛具30の芯材50が利用され、この芯材50は例えば鉄材,鋼材,強化プラスチック等が使用可能で、スリーブ33内に配置して、生コンクリート41をスリーブ33内に注入して補強材入りコンクリート34を構成するものである。
前記固定フランジ37はマンホール内壁35に当接される正面視円形状の固定部42と前記スリーブ33の開口部外周側が螺着される接合部43とが合成樹脂により一体成形により構成されるものである。
そして、固定部42の外周近傍には前記マンホール内壁35に固定フランジ37を固定するためのアンカーボルト36を挿入する複数の孔44,44,…が穿設され、固定部42の中心部には前記生コンクリート41をスリーブ43内に注入し前記足掛具30の脚部49から延長させる芯材からなる補強材40を挿入するための注挿入口45が穿設されている。
また、接合部43の内周全域には前記スリーブ33の外周面に形成されたねじ38が螺着されるねじ孔46が形成されている。
前記足掛具30は図11に示すように、足踏部47とその両側に位置する側部48,48と脚部49,49とで構成され、これら足踏部47と側部48と脚部49とは平面視コ字状をした芯材50にプロピレン等の合成樹脂51を被覆してなり、脚部49,49から芯材50が延長され、該延長部が補強材40となっている。
また、側部48,48と脚部49,49の境界部近傍には自在ワッシャー52,52が設けられている。
以上のような構成からなる浮上がり防止付マンホールも、新設のマンホール,既存のマンホールを問わずに浮上がり防止部材32の設置が可能であるが、特に既存のマンホールにおいてマンホール内で簡単,容易に設置できるものである。
先ず、マンホール31の外周面から放射方向に浮上がり防止部材32を突出させたい箇所でマンホール内壁35に固定フランジ37の接合部43の直径の大きさに対応した孔53を足掛具30の脚部49,49の間隔で平行に二つ穿設する。
そして、各孔53に対して用意したドリル(図示せず。)にスリーブ33の開口部を接続し、ドリルの回転力とスリーブ33の円錐体54及び外周面に形成されたねじ38により、マンホール31の外周の土をかき出し、スリーブ33の直径の大きさに対応し、且つ略スリーブ33の長さに対応した孔55が容易に穿設される。
次に、ドリルからスリーブ33を取り外し、固定フランジ37の接合部43にスリーブ33の開口側を螺着させて固定フランジ37とスリーブ33とを接合させる。そして、マンホール内壁35に穿設した孔53の内周に接着剤を塗布して、固定フランジ37とスリーブ33とを接合させたものを挿入し、スリーブ33を孔55に配置し、接合部43を孔53に装着させ、固定部42をマンホール内壁35に当接させる。さらに固定部42の複数の孔44,44,…にアンカーボルト36,36,…を挿入させて固定フランジ37はマンホール内壁35に安定した確実な固定をすることができる。またさらに、孔53の内周に接着剤を塗布したことにより、スリーブ33の開口部外周近傍に挿着された水膨張パッキン39がスリーブ33の外周とマンホール壁間に確実に固定されて防水効果が発揮される。
なお、固定フランジ37の接合部43に水膨張パッキン56を装着させた場合には、より防水効果は発揮されるものとなる。
そして、前記固定フランジ37の固定部42の中心部の注挿入口45から生コンクリート41をスリーブ33内に注入し、次いで足掛具30の芯材50の延長部である補強材40を注挿入口45から挿入する。
このように足掛具30の芯材50の延長部がスリーブ33内に挿入されて生コンクリート41の補強材40となり、足掛具30の側部48と脚部49の境界部近傍に設けられた自在ワッシャー52が固定フランジ37の固定部42に当接され、浮上がり防止部材32は容易に完成させることができる。また、自在ワッシャー52が固定部42に当接させることにより注挿入口45を隠すことができるので、浮上がり防止部材32の設置後のマンホール内壁35は見栄えの良いものとなる。
また、足掛具30を使用することで、二本の浮上がり防止部材32を容易に設置できると共にマンホール31内に設置されている通常の足掛具57の補助として足乗せ,手すり等の役割をすることも可能となる。
なお、本実施例では足掛具30の脚部49をマンホール内壁35に横に平行に装着したがマンホールに応じて縦,斜め等に装着することも可能である。
本発明に係る浮上がり防止付マンホールの正面断面説明図である。 浮上がり防止部材をマンホールに取り付けた平面説明図である。 スリーブの正面図である。 固定スぺーサーに鉄筋を挿着した正面図である。 固定スぺーサーの側面図である。 固定フランジの平面図である。 固定フランジの正面図である。 浮上がり防止部材をマンホールに取り付ける拡大断面説明図である。 本発明の他の実施例に係る浮上がり防止付マンホールの正面断面説明図である。 他の実施例の浮上がり防止部材をマンホールに取り付けた平面説明図である。 芯材を延長させた足掛具の拡大平面図である。 他の実施例の浮上がり防止部材をマンホールに取り付ける拡大断面説明図である。
符号の説明
1,31 マンホール
2,32 浮上がり防止部材
3,33 スリーブ
4,34 補強材入りコンクリート
5,35 マンホール内壁
6,36 アンカーボルト
7,37 固定フランジ
9,39 水膨張パッキン
10,40 補強材
11,41 生コンクリート
15 生コンクリート注入口
17 固定スぺーサー
30 足掛具
49 脚部
50 芯材

Claims (3)

  1. マンホール外周面から放射方向に突出する複数本の浮上がり防止部材を備えた浮上がり防止付マンホールにおいて、浮上がり防止部材を、合成樹脂製のスリーブと、該スリーブ内に内蔵される補強材入りコンクリートと、マンホール内壁にアンカーボルトにより固定された固定フランジとにより構成し、前記スリーブ内に補強材を配置して固定フランジにスリーブを螺着し、該固定フランジの中心部に生コンクリート注入口を形成し、該スリーブの外周とマンホール壁との間に水膨張パッキンを接着剤で固定したことを特徴とする浮上がり防止付マンホール。
  2. 前記補強材を固定スぺーサーで固定した鉄筋で構成したことを特徴とする請求項1に記載の浮上がり防止付マンホール。
  3. 足掛具の芯材を該足掛具の脚部から延長させ、該延長部を前記補強材としたことを特徴とする請求項1に記載の浮上がり防止付マンホール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014125823A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Zenitaka Corp ケーソンの浮き防止部材及び、ケーソンの浮き防止部材の設置方法
JP2014156766A (ja) * 2013-01-15 2014-08-28 Toa Grout Kogyo Co Ltd マンホールの浮上防止構造及び工法
JP2016050400A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社錢高組 浮き防止部材、浮き防止部材を備える立坑及び立坑における浮き防止部材の設置方法

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