JP5230931B2 - 浮選濾過ケーキの改質処理方法 - Google Patents

浮選濾過ケーキの改質処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5230931B2
JP5230931B2 JP2006352033A JP2006352033A JP5230931B2 JP 5230931 B2 JP5230931 B2 JP 5230931B2 JP 2006352033 A JP2006352033 A JP 2006352033A JP 2006352033 A JP2006352033 A JP 2006352033A JP 5230931 B2 JP5230931 B2 JP 5230931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
coal
filter cake
hydrogen
pulverized coal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006352033A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008163103A (ja
Inventor
真彦 渡辺
逞詮 村田
斎 小山
準之介 玉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Zosen Plant Engineering Inc
Original Assignee
Mitsui Zosen Plant Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Zosen Plant Engineering Inc filed Critical Mitsui Zosen Plant Engineering Inc
Priority to JP2006352033A priority Critical patent/JP5230931B2/ja
Publication of JP2008163103A publication Critical patent/JP2008163103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5230931B2 publication Critical patent/JP5230931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Description

本発明は、浮選濾過ケーキの改質処理方法に関する。すなわち、微粉炭の浮選工程において気泡に付着して回収された濾過ケーキを改質し、もって改質ガス中の水素を石炭液化に利用する、改質処理方法に関するものである。
《技術的背景》
石炭の選炭過程で発生する微粉炭は、水に懸濁されたスラリー状をなしている。
そして、この微粉体のスラリーは、浮選工程において、捕集油や気泡剤が添加され、もって微粉炭が生じた気泡に付着して浮上し、浮揚したものが濾過され、石炭浮選濾過ケーキ(以下単に濾過ケーキと言う)となって回収されている。
《先行技術文献情報》
このような濾過ケーキについては、例えば、次の特許文献1,特許文献2中に示されている。
特開2004−141797号公報 特開2005−28249号公報
《従来技術》
このように、石炭の選炭過程において、浮選工程で得られた微粉炭の濾過ケーキは、付着水分を保有している。
そして、濾過状態が良好な場合でも、20wt%を越える付着水分を保有しているので、従来は、まず乾燥処理してから使用に供されていた。すなわち、ベルトコンベア上での気乾処理や熱風乾燥処理の後、微粉炭が燃料等として使用に供されていた。
ところで、このような従来例については、次の課題が指摘されていた。
《第1の課題について》
第1に、濾過ケーキは、上述したように付着水分を保有しており、乾燥処理が必要とされていた。すなわち、濾過ケーキの微粉炭を、直接そのまま燃料等として使用していたこの種従来例では、乾燥処理用の工程,設備を要していた。
他方、この種従来例については、濾過ケーキの微粉炭のよりエネルギー効率の高い利用、より効率的な燃料化等が、切望されていた。
《第2の課題について》
第2に、ところで石炭に関しては、石炭液化利用が1つのテーマとなっており、液化石炭は、発熱量が高く取扱いも容易な燃料として、注目を集めている。すなわち水素添加により、高分子構造の石炭を低分子化した液化炭化水素とする、石炭液化の実用化が進展している。
そして従来は、石炭の液化現場(工場)に、別途生成,準備された水素をボンベ等で搬送して、石炭液化作業が行なわれていたが、もしも石炭液化現場近くで、つまり代表的には炭鉱エリアにある石炭液化工場近くで、水素を直接生成,供給出来れば極めて効率的である、との要望が強かった。
《本発明について》
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、濾過ケーキの効率的燃料化等が、コスト面にも優れつつ実現でき、第2に、石炭液化促進に寄与可能な、浮選濾過ケーキの改質処理方法を提案することを、目的とする。
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次の請求項1のとおりである。
この浮選濾過ケーキの改質処理方法は、微粉炭の浮選工程において該微粉炭が気泡に付着して回収された濾過ケーキを、改質処理し、もって改質により生成された改質ガス中の水素を、石炭液化に利用する。
そしてまず、石炭の選炭過程で発生した該微粉炭は、水に懸濁されたスラリー状をなしているが、浮選工程において気泡に付着して浮上した後に濾過され、もって付着水分を保有した略ケーキ状の該濾過ケーキとなる。
そして、回収された該濾過ケーキは、内部が高温加熱された改質反応器に供給されると共に、該改質反応器に水蒸気供給手段から加熱水蒸気が圧入供給される。
もって、該濾過ケーキは、該加熱水蒸気にてそれまでの略ケーキ状から破砕,粉砕され、該加熱水蒸気によって破砕,粉砕された微粉炭が、熱の作用と内部充填された反応促進用の触媒の作用とに基づき水蒸気と反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素を主成分とする該改質ガスに水蒸気改質される。
このような水蒸気改質に際し、必要な水分量つまり水蒸気量は、水蒸気改質される微粉炭重量の2倍以上〜3倍以下であり、水蒸気化した該濾過ケーキの付着水分では不足するので、その不足分が、該水蒸気供給手段から供給される加熱水蒸気にて補充されるようになっている。
上述により生成された該改質ガスの水素は、石炭液化に利用され、高分子構造の該石炭を低分子化された液化炭化水素とするために使用されること、を特徴とする。

《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)浮選工程において回収された濾過ケーキは、改質反応器に供給される。
(2)この微粉炭の濾過ケーキは、付着水分を保有しており、微粉炭は、酸素を含む炭化水素を主成分とする。改質反応器は、650℃以上例えば800℃程度に維持されている。
(3)又、改質反応器には、水蒸気供給手段から加熱水蒸気が供給され、もって濾過ケーキが破砕され、微粉炭がガス化される。
(4)そこで、濾過ケーキの微粉炭は、熱の作用と、内部充填された触媒の作用とに基づき、水蒸気と反応して改質される。水蒸気としては、水蒸気化した付着水分と加熱水蒸気が使用される。
(5)すなわち、濾過ケーキの微粉炭の酸素を含む炭化水素は、水蒸気と反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素の改質ガスに、水蒸気改質させる。
(6)改質,生成された水素等の改質ガスは、燃料,その他の用途に広く使用可能である。
(7)そして水素は、石炭液化に使用され、高分子構造の石炭を低分子化した液体燃料とするために、利用される。
(8)さてそこで、本発明は、次の第1,第2の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、濾過ケーキの効率的燃料化等が、コスト面にも優れつつ実現される。すなわち、本発明では、濾過ケーキを、その付着水分も活用しつつ水蒸気改質し、もって生成された水素等の改質ガスを、燃料等として提供可能である。
そこで、前述したこの種従来例、つまり濾過ケーキの微粉炭を直接そのまま燃料等として利用していたこの種従来例に比し、より効率的な燃料化、エネルギー効率の良い利用が実現される。
更に、改質反応器等の構成も簡単容易であり、付着水分も積極的に活用される等、設備コスト面やランニングコスト面にも優れている。又、前述したこの種従来例に比し、乾燥処理用の工程,設備も不要化される。
《第2の効果》
第2に、石炭液化促進に寄与可能である。すなわち、本発明では、濾過ケーキを水素等に水蒸気改質するので、得られた水素を石炭液化に即使用可能である。
周知のごとく、石炭を水素化分解して得られる液化石炭は、発熱量が高く取り扱いも容易な液体燃料として注目されているが、この石炭液化に必要な水素を、石炭液化現場(工場)で直接供給することが可能となる。
従来のように、別途生成,準備された水素を石炭液化現場(工場)にボンベ等で搬送するようなことはなく、現場で浮選ケーキを水蒸気改質することにより、現場で必要な水素を即供給可能となり、石炭液化が大幅に効率化され促進される。つまり、石炭液化現場(工場)は炭鉱エリアにあることが多いが、同一地域の炭鉱エリア内で生成される浮選ケーキそして水素を使用できるので、非常に効率的である。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《図面について》
以下、本発明の浮選濾過ケーキの改質処理方法を、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供し、構成フロー図である。
《濾過ケーキ1について》
本発明は、浮選濾過ケーキ1の改質処理方法に関する。そこで、まず濾過ケーキ1について説明する。
石炭の選炭過程で発生する微粉炭2は、80wt%程度の水に懸濁され、スラリー状をなしている。そして、例えば径が0.5mm以下程度の微粉炭2のスラリーは、浮選工程において、捕集剤の油滴や気泡剤の液滴が添加された後、エアーが導入されて生じた気泡に、微粉炭2が付着して浮上する。そして、浮揚分が回収,濾過されたものが、濾過ケーキ1であり、ケーキ貯蔵部4に一旦貯留される。
この微粉炭2の濾過ケーキ1は、20wt%〜30wt%程度の付着水分3を保有しており、略ケーキ状をなす。
微粉炭2つまり石炭は、酸素Oを含む炭化水素HCを主成分としている。その具体的な元素組成や炭質は、炭種により種々変化するが、その有機構造の骨格となる炭素C原子100(100個の炭素C原子)当たりの水素H原子数と酸素O原子数で、これらは把握される。例えば、炭素C原子100当たり、水素H原子65〜90程度、酸素O原子3〜9程度である。
このように、微粉炭2つまり石炭有機質は特定の分子式を持たないので、炭素C原子100当たりの要部抜粋実験式をもって、分子式の代替とされている。例えば、ある炭種については、C10066.67.9として表わされる。
濾過ケーキ1は、このようになっている。
《改質反応器5等について》
次に、改質反応器5等について説明する。この改質処理方法では、濾過ケーキ1が、高温加熱下において触媒6のもとで、改質される。
すなわち、改質反応器5内において、濾過ケーキ1の微粉炭2は、ガス化されると共に水蒸気と反応して、改質ガス7に水蒸気改質される。
これらについて、更に詳述する。この改質処理方法では、改質反応器5と水蒸気供給手段8とが用いられており、水蒸気供給手段8は、改質反応器5に対し加熱水蒸気9を供給する。
改質反応器5は、内部が650℃以上例えば800℃程度に高温加熱されており、ケーキ貯蔵部4から、濾過ケーキ1が供給されると共に、水蒸気供給手段8から多量の加熱水蒸気9が圧入される。
供給された濾過ケーキ1は、このような改質反応器5内において、まず、加熱水蒸気9にて略ケーキ状から破砕,粉砕される共に、高温加熱下で微粉炭2がガス化され、付着水分3が水蒸気化される。
そして微粉炭2は、熱の作用と、内部充填された触媒6の作用とに基づき、水蒸気をガス化剤として反応し、もって水素と、一酸化炭素,二酸化炭素等とを主成分とする改質ガス7に、水蒸気改質される。生成された改質ガス7は、貯蔵タンク10へと排出,貯留された後、使用に供される。
このようにガス化剤として使用される水蒸気としては、濾過ケーキ1の付着水分3が水蒸気化した分と、水蒸気供給手段8からの加熱水蒸気9とが、使用される。
又、反応促進用の改質触媒6としては、ニッケル系のものが代表的に使用され、例えば、ニッケル担持アルミナ粒状触媒(粒度60〜80mesh)が使用されるが、その他、シリカ系,ロジウム系,ゼオライト系のものも使用可能である。触媒6は、例えば粒子固定反応層として、改質反応器5内に充填される。
改質反応器5等は、このようになっている。
《水蒸気改質反応:その1について》
次に、濾過ケーキ1の水蒸気改質反応について、説明する。このような改質反応器5内では、まず、次の化1,化2の化学反応式により、濾過ケーキ1の微粉炭2が水蒸気改質される。
これらの反応式において、微粉炭2の実験式(分子式代替)は、その1例として、C10066.67.9とした(以下の各反応式においても同様とする)。この例は、後述する実施例中の中国大同炭の平均値に基づくが、他の炭種についても、数値が若干相違するものの、勿論この例に準じた水蒸気改質反応となる。
Figure 0005230931
Figure 0005230931
化1の反応式において、微粉炭C10066.67.9は、水蒸気HOと反応すると共に、石炭中の酸素Oが水蒸気改質で生じつつある一酸化炭素COを部分燃焼することにより生じる二酸化炭素COを含め、水素H,一酸化炭素CO,二酸化炭素COに水蒸気改質される。
すなわち化1の反応式において、微粉炭C10066.67.9と水蒸気HOとの系は、高温付与により系のエンタルピーが上がり、吸熱反応により水素Hと一酸化炭素COと二酸化炭素COとの混合ガスが、改質ガス7として生成されるが、生成水素H量(水素H収率)は最小である。
これに対し化2の反応式では、微粉炭C10066.67.9は、水蒸気HOと反応すると共に、石炭中の酸素Oが水蒸気改質で生じつつある一酸化炭素COを部分燃焼することにより生じる二酸化炭素COを含め、水素H,二酸化炭素COに水蒸気改質される。
この化2の反応式は、化1の反応式より多量の水蒸気HOが作用すると共に、化1の反応式の一酸化炭素COも完全に改質された場合であり、吸熱反応により水素H,二酸化炭素COの混合ガスが、改質ガス7として生成され、生成水素H量(水素H収率)は最大となる。
すなわち、この化2の反応式では、化1の反応式で生成された一酸化炭素COが、発熱反応である次の化3のシフト反応により、水蒸気HOと反応して、水素Hと二酸化炭素COに改質,変換される。化2の反応式は、化1の反応式に化3の反応式を加えたものである。
Figure 0005230931
《水蒸気改質反応:その2について》
改質反応器5内では、更に、次の化4,化5の反応式により、濾過ケーキ1の微粉炭2が、水蒸気改質されることも考えられる。
すなわち、前述した化1,化2の反応式は、生じる酸素Oが生じる一酸化炭素COを部分燃焼する場合に関するが、これに対し、この化4,化5の反応式は、生じる酸素Oが生じる水素Hを部分燃焼する場合に関する。
Figure 0005230931
Figure 0005230931
化4の反応式において、微粉炭C10066.67.9は、水蒸気HOと反応すると共に、石炭中の酸素Oが水蒸気改質で生じつつある水素Hを部分燃焼することにより生ずる水分HOを含め、水素H,一酸化炭素CO,水分HOに水蒸気改質される。
すなわち化4の反応式において、微粉炭C10066.67.9と水蒸気HOとの系は、高温付与により系のエンタルピーが上がり、吸熱反応により水素Hと一酸化炭素COと水蒸気HOとの混合ガスが、改質ガス7として生成されるが、生成水素H量(水素H収率)は最小である。
これに対し化5の反応式では、微粉炭C10066.67.9は、水蒸気HOと反応すると共に、石炭中の酸素Oが水蒸気改質で生じつつある水素Hを部分燃焼することにより生ずる水分HOを含め、水素H,二酸化炭素COに水蒸気改質される。
この化5の反応式は、化4の反応式より多量の水蒸気HOが作用すると共に、化4の反応式の一酸化炭素COも完全に改質された場合であり、吸熱反応により水素H,二酸化炭素COの混合ガスが、改質ガス7として生成され、生成水素H量(水素H収率)は最大となる。
すなわち、この化5の反応式では、化4の反応式で生成された一酸化炭素COが、発熱反応である次の化6のシフト反応により、水蒸気HOと反応して、水素Hと二酸化炭素COに改質,変換される。化5の反応式は、化4の反応式に化6の反応式を加えたものであると共に、結果的に、前述した化2の反応式と同一になる。
Figure 0005230931
《水蒸気改質反応の進行等について》
次に、このような水蒸気改質反応の進行等について説明する。前述により、シフト反応が0%の場合は化1(又は化4)の反応式により、シフト反応が100%の場合は化2(又は化5)の反応式により、濾過ケーキ1の微粉炭2の水蒸気改質が進行する。
しかしこれは、理論上,リミット上であり、実際上は、一酸化炭素CO濃度を低減する化3(又は化6)のシフト反応の発生程度等に従い、化1と化2の中間の反応式により(又は化4と化5の中間の反応式により)、水蒸気改質が進行する可能性が高く、この場合は、一酸化炭素COと二酸化炭素COと水素Hの混合ガスが、改質ガス7として生成される。
すなわち、熱の供給が十分で、微粉炭2が、一酸化炭素COと二酸化炭素COと水素Hの3ガスの改質ガス7に、完全分解されれば、得られる水素Hのモル分率は、最低の化1(又は化4)の反応式の状態から、最高の化2(又は化5)の反応式の状態まで推移する。
従って、生成された改質ガス8中の水素H比(vol%)は、50%を遥に越えており、水素Hが改質ガス7の主成分となっている。勿論これは、炭種の1例に過ぎない微粉炭2、つまりC10066.67.9の例の微粉炭2に限らず、他の炭種についてもほぼ共通する。
水蒸気改質反応は、このように進行する。
《必要な水蒸気量について》
このような水蒸気改質に際し、必要な水蒸気量については、次のとおり。すなわち、この炭種の微粉炭2、つまりC10066.67.9の1モル(1393.0g)に対し、理論上必要な水蒸気量は、化1と化2の反応式(および化4と化5の反応式)により、100〜192.1モル(1800gから3457.8g)である。
もって、微粉炭2の1gに対する必要水蒸気量は、1.29g〜2.48g(水分56.3wt%〜71.3wtg%)として算出される。
勿論これは、この炭種の微粉炭2、つまりC10066.67.9の例に限らず、他の炭種についてもほぼ共通しており、結局、この種の水蒸気改質に必要な理論上の水蒸気量,水分量は、微粉炭2重量の約50wt%〜75wt%程度として把握される。
このような理論上の必要量に対し、実際上の必要量については次のとおり。すなわち微粉炭2の場合は、含有灰分の影響,その他のロス分を勘定すると、実際上必要な水蒸気量,水分量は、上述した理論上の必要量の約1.3倍〜2.6倍、そして更に、その1.3倍程度見込む必要がある。
従って、実際上必要な水蒸気量,水分量は、微粉炭2重量の約2倍〜3倍強程度として把握される。そして、このような多量の水分は、濾過ケーキ1の付着水分3(微粉炭2重量の20wt%〜30wt%程度)では不足するので、その不足分が、水蒸気供給手段8からの加熱水蒸気9で補充される。
必要な水蒸気量は、このようになっている。
《作用等》
本発明の濾過ケーキ1の改質処理方法は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)石炭の選炭過程の浮選工程において、浮上回収された微粉炭2の濾過ケーキ1は、ケーキ貯蔵部4を介し改質反応器5に供給される。
(2)この濾過ケーキ1は、付着水分3を保有している。又、その微粉炭2は、酸素Oを含む炭化水素HCを主成分とする。改質反応器5は、内部が650℃以上例えば800℃程度に、維持されている。
(3)そして改質反応器5には、水蒸気供給手段8から加熱水蒸気9が供給され、もって濾過ケーキ1が破砕され、微粉炭2がガス化される。
(4)そこで、供給された濾過ケーキ1のガス化された微粉炭2は、改質反応器5内において、熱の作用と、内部充填された触媒6の作用とに基づき、水蒸気HOと反応して改質される。
この水蒸気HOとしては、水蒸気化した付着水分3が使用されると共に、水蒸気供給手段8からの加熱水蒸気9が補充使用される。
(5)すなわち、改質反応器5内において、濾過ケーキ1の微粉炭2の酸素Oを含む炭化水素HCは、前述した化1,化2や化4,化5の反応式により、水蒸気HOと反応して、水素Hと、一酸化炭素CO,二酸化炭素CO,水分HO等の改質ガス7に、水蒸気改質される。
(6)このように改質,生成された改質ガス7は、貯蔵タンク10へと供給された後、燃料,エネルギー源として提供,使用可能である。
(7)すなわち、このように生成された水素Hは、石炭液化に使用される。すなわち水素Hは、例えば微粉状石炭に油が添加されたスラリーに、高温,高圧下で添加され、もって高分子構造の石炭を低分子化した液体燃料とするために使用される。
石炭は、多核芳香環(クラスターユニット)を、短い鎖状炭化水素で繋いだ高分子構造よりなるが、このような高分子構造を、水素原子の添加により切断,分解して、低分子化された液体炭化水素とするために使用される。
(8)さて、この濾過ケーキ1の改質処理方法では、以上説明したように、濾過ケーキ1の微粉炭2を、付着水分3を活用しつつ水蒸気改質し、もって、生成された水素や一酸化炭素等の改質ガス7を、燃料等として提供可能である。
つまり、濾過ケーキ1の微粉炭2を、直接そのまま燃料等として使用するよりも、遥かに優れたエネルギー源を提供可能となる。
(9)そして、改質ガス7として得られた水素は、その場で、石炭液化に使用される。
すなわち、浮選工程で発生する濾過ケーキ1を、水蒸気改質することにより、石炭液化の現場で、必要とされる水素を即供給可能となる。同一炭鉱エリア内に立地する石炭液化工場に対し、水素を直接供給可能となる。
(10)又、この濾過ケーキ1の改質処理方法では、濾過ケーキ1が付着水分3を保有することに着目し、このように保有された付着水分3を、濾過ケーキ1の水蒸気改質の必要成分として積極活用する。
更に、改質反応器5を中心に貯蔵タンク10や水蒸気供給手段8等の設備構成よりなり、構成が簡単容易である。そこで、ランニングコストや設備コスト面にも優れている。
微粉炭2について、炭種毎の組成の計測データは、次のとおり。すなわち、このデータは、各炭種毎に、炭素C原子100当たりの水素H原子数と酸素O原子数とを実側した値、および、炭素Cのwt%を実測した値である。

《C》
《H》 《O》 《Cwt%》
・中国大同炭 : 100 66.1 8.7 83.8
・中国大同炭 : 100 67.0 8.3 84.3
・中国大同炭 : 100 67.6 7.4 84.4
・中国大同炭 : 100 65.7 7.3 85.5
・中国大同炭平均: 100 66.6 7.9 84.5
・三 池 炭 : 100 89.0 6.5 82.5
・三 池 炭 : 100 89.0 7.0 82.9
・三 池 炭 : 100 88.0 6.1 84.2
・三 池 炭平均: 100 88.7 6.5 83.2
・南大夕張炭 : 100 85.0 5.6 85.7
・夕張新鉱炭 : 100 85.3 4.0 87.2
・夕張新鉱炭 : 100 85.5 3.6 87.6
・夕張新鉱炭平均: 100 85.4 3.8 87.4
本発明に係る浮選濾過ケーキの改質処理方法について、発明を実施するための最良の形態の説明に供し、構成フロー図である。
1 濾過ケーキ
2 微粉炭
3 付着水分
4 ケーキ貯臓部
5 改質反応器
6 触媒
7 改質ガス
8 水蒸気供給手段
9 加熱水蒸気
10 貯蔵タンク

Claims (1)

  1. 微粉炭の浮選工程において該微粉炭が気泡に付着して回収された濾過ケーキを、改質処理し、もって改質により生成された改質ガス中の水素を、石炭液化に利用する、浮選濾過ケーキの改質処理方法であって、
    まず、石炭の選炭過程で発生した該微粉炭は、水に懸濁されたスラリー状をなしているが、浮選工程において気泡に付着して浮上した後に濾過され、もって付着水分を保有した略ケーキ状の該濾過ケーキとなり、
    そして、回収された該濾過ケーキは、内部が高温加熱された改質反応器に供給されると共に、該改質反応器に水蒸気供給手段から加熱水蒸気が圧入供給され、
    もって、該濾過ケーキは、該加熱水蒸気にてそれまでの略ケーキ状から破砕,粉砕され、該加熱水蒸気によって破砕,粉砕された微粉炭が、熱の作用と内部充填された反応促進用の触媒の作用とに基づき水蒸気と反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素を主成分とする該改質ガスに水蒸気改質され、
    このような水蒸気改質に際し、必要な水分量つまり水蒸気量は、水蒸気改質される微粉炭重量の2倍以上〜3倍以下であり、水蒸気化した該濾過ケーキの付着水分では不足するので、その不足分が、該水蒸気供給手段から供給される加熱水蒸気にて補充されるようになっており、
    上述により生成された該改質ガスの水素は、石炭液化に利用され、高分子構造の該石炭を低分子化された液化炭化水素とするために使用されること、を特徴とする、浮選濾過ケーキの改質処理方法。
JP2006352033A 2006-12-27 2006-12-27 浮選濾過ケーキの改質処理方法 Active JP5230931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006352033A JP5230931B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 浮選濾過ケーキの改質処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006352033A JP5230931B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 浮選濾過ケーキの改質処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008163103A JP2008163103A (ja) 2008-07-17
JP5230931B2 true JP5230931B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=39693014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006352033A Active JP5230931B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 浮選濾過ケーキの改質処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5230931B2 (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5670093A (en) * 1979-11-09 1981-06-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Heat-treating method of coal
JPS5821482A (ja) * 1981-07-31 1983-02-08 Electric Power Dev Co Ltd 石炭ガス化炉への原料スラリ−の供給方法及びその装置
JPS6128582A (ja) * 1984-07-18 1986-02-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd 液化用石炭の前処理方法
JPS6250393A (ja) * 1985-08-28 1987-03-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 石炭の熱処理法
JPH0749589B2 (ja) * 1990-09-21 1995-05-31 宇部興産株式会社 炭素質燃料の部分酸化方法
JP2855874B2 (ja) * 1991-04-11 1999-02-10 石川島播磨重工業株式会社 高温cwm供給装置
JP2575084B2 (ja) * 1993-09-02 1997-01-22 日本コム株式会社 石炭の改質方法
JP2002155288A (ja) * 2000-11-21 2002-05-28 Yukuo Katayama 石炭ガス化方法
JP4588268B2 (ja) * 2001-08-20 2010-11-24 新日本製鐵株式会社 粗コークス炉ガスの処理方法及び処理システム
JP4346299B2 (ja) * 2002-10-25 2009-10-21 三井造船株式会社 微粉炭の浮選方法、微粉炭表面改質装置及び微粉炭の浮選システム
JP4969764B2 (ja) * 2003-07-09 2012-07-04 三井造船株式会社 微粉炭の回収方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008163103A (ja) 2008-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4977826B2 (ja) バイオマスからメタンおよび/またはメタンハイドレートを生成する方法
KR101424941B1 (ko) 탄소질 공급원료의 히드로메탄화
KR101468768B1 (ko) 탄소질 공급원료의 히드로메탄화 방법
US8217210B2 (en) Integrated gasification—pyrolysis process
RU2544666C2 (ru) Регулирование состава синтез-газа в установке парового риформинга метана
CN105308154B (zh) 液体燃料生产方法中的酸性气体处理
US20150147261A1 (en) Carbonaceous feedstocks for forming carbon allotropes
KR20130109173A (ko) 탄소질 공급원료의 히드로메탄화
KR20130084685A (ko) 탄소질 공급원료의 히드로메탄화
JP5659537B2 (ja) タール含有ガスの改質用触媒及びその製造方法、並びにタール含有ガスの改質方法
WO2008067221A1 (en) Improved synthetic fuel production methods and apparatuses
US20080016756A1 (en) Conversion of carbonaceous materials to synthetic natural gas by reforming and methanation
TW200813209A (en) Operation of a steam methane reformer by direct feeding of steam rich producer gas from steam hydro-gasification
JP5659536B2 (ja) タール含有ガスの改質用触媒及びその製造方法、並びにタール含有ガスの改質方法
JP2021138562A (ja) 水素の製造方法
CN104937078A (zh) 用于液体燃料生产的混合装置以及当所述混合装置中的气化单元在小于它的设计生产能力下运行或不运行时运行所述混合装置的方法
US20210140054A1 (en) Methods and systems for the generation of high purity hydrogen with co2 capture from biomass and biogenic wastes
JP2009132746A (ja) 炭素担持体、炭素担持体の製造方法、炭素担持体の製造装置、ガス生成方法、発電方法、及び発電装置
Rattanaamonkulchai et al. Simultaneous production of hydrogen and carbon nanotubes from biogas: On the design of combined process
JP5511169B2 (ja) タール含有ガスの改質方法
JP5535818B2 (ja) バイオマスガス化ガス精製システム及び方法、メタノール製造システム及び方法
JP4537666B2 (ja) 燃料電池システム用燃料および燃料電池システム
JP5230931B2 (ja) 浮選濾過ケーキの改質処理方法
Tahir et al. Integrated approach for H2-Rich syngas production from wastes using carbon-based catalysts and subsequent CO2 adsorption by carbon-based adsorbents: A review
JP5659532B2 (ja) タール含有ガスの改質用触媒及びその製造方法、並びにタール含有ガスの改質方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5230931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250