JP5659536B2 - タール含有ガスの改質用触媒及びその製造方法、並びにタール含有ガスの改質方法 - Google Patents
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(式中、aは質量%であり、触媒全体に対して0.01%〜20%、b、c、dは、モル比であり、b+c=1、0.01≦b≦0.99、0.01≦c≦0.99、dは、酸素が陽性元素と電気的中性を保つのに必要な数、Mは、白金族であり、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種類の元素である。)
で表される白金族元素を担持してなるニッケルとマグネシウムの固溶体酸化物であることを特徴とするタール含有ガスの改質用触媒である。また、
(2)前記固溶体酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えて複合酸化物としたことを特徴とする(1)記載のタール含有ガスの改質用触媒である。また、
(3)(1)又は(2)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質用触媒を用いることを特徴とするタール含有ガスの改質方法である。また、
(4)前記タール含有ガス改質用触媒の存在下又は還元後の前記触媒の存在下において、炭素質原料を熱分解した際に発生するタール含有ガス中の水素、二酸化炭素、及び、水蒸気を接触させて、前記タール含有ガス中のタールを改質してガス化することを特徴とする(3)に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(5)前記タール含有ガス改質用触媒の存在下又は還元後の前記触媒の存在下において、炭素質原料を熱分解した際に発生するタール含有ガスに、外部から水素、二酸化炭素、水蒸気の少なくともいずれかを接触させて、前記タール含有ガスを改質してガス化することを特徴とする(3)又は(4)に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(6)前記水素、二酸化炭素、水蒸気の少なくともいずれかに、さらに酸素含有ガスを加えて、タール含有ガスに接触させることを特徴とする(4)又は(5)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(7)前記タール含有ガスが、硫化水素を含むタール含有ガスであることを特徴とする(3)〜(6)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(8)前記タール含有ガスが、石炭を乾留したときに発生する乾留ガスであることを特徴とする(3)〜(7)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(9)前記タール含有ガスが、コークス炉から排出されるコークス炉ガスであることを特徴とする(3)〜(8)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(10)前記タール含有ガスが、木質系バイオマス、食品廃棄物系バイオマスの少なくともいずれかを乾留したときに発生する乾留ガスであることを特徴とする(3)〜(7)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法である。また、
(11)(1)に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物、マグネシウム化合物を含む混合溶液から共沈により沈殿物を生成し、当該沈殿物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法である。また、
(12)(2)に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物、マグネシウム化合物を含む混合溶液から共沈により沈殿物を生成し、当該共沈時又は前記沈殿物の生成後に、ケイ素又はアルミニウム成分を加えて、ニッケル、マグネシウム、及び、ケイ素又はアルミニウムを含有した混合物とし、当該混合物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法である。また、
(13)(2)に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物及びマグネシウム化合物の混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケル及びマグネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を乾燥及び焼成してニッケル及びマグネシウムの酸化物を生成し、当該酸化物に、シリカ粉末と水、又は、シリカゾル、又は、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾル、又は、ゼオライト粉末と水を加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法である。また、
(14)白金族元素の溶液を担持する前の前記混合物を、乾燥、粉砕及び焼成、又は、乾燥、か焼、粉砕、成型及び焼成して触媒を製造することを特徴とする(12)記載のタール含有ガスの改質用触媒の製造方法である。また、
(15)(2)に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物及びマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケル及びマグネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物に、シリカ粉末と水、又は、シリカゾル、又は、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾル、又は、ゼオライト粉末と水を加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を、少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法である。また、
(16)白金族元素の溶液を担持する前の、前記混合物を乾燥、粉砕及び焼成、又は、乾燥、か焼、粉砕、成型及び焼成して触媒を製造することを特徴とする(15)記載のタール含有ガスの改質用触媒の製造方法である。また、
(17)(2)に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、ニッケル化合物、マグネシウム化合物、及び、ケイ素化合物又はアルミニウム化合物の混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケル、マグネシウム、及び、ケイ素又はアルミニウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法である。また、
(18)白金族元素の溶液を担持する前の、前記沈殿物を乾燥、粉砕及び焼成、又は、乾燥、か焼、粉砕、成型及び焼成して触媒を製造することを特徴とする(17)記載のタール含有ガスの改質用触媒の製造方法である。また、
(19)(3)〜(10)のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法を実施した後、炭素析出、硫黄被毒の少なくともいずれかにより性能劣化した前記触媒に、水蒸気又は空気の少なくともいずれかを接触させて、前記触媒を再生し、再び前記タール改質用触媒として用いることを特徴とするタール含有ガスの改質方法である。
改質反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを100mL/min流しながら30分間還元処理を行った。
1. 15分間の改質試験後、バイオマスの供給を停止し、反応器にN2を添加することで、反応器内のガスを追い払う。
2. O2を反応器1の上部より添加し、改質用触媒に発生したチャーの燃焼時に発生するCO、CO2の発生量をガスクロマトグラフで測定する。
3. CO、CO2発生量からチャー中のC原子量を算出する。
1. コーク中のC量の測定完了後、反応器の上部からのO2の添加を停止し、反応器の下部からのO2を添加する。
2. コーク中C量測定と同様に、チャーの燃焼時に発生するCO、CO2の発生量をガスクロマトグラフで測定する。
3. CO、CO2発生量からチャー中のC原子量を算出する。
実施例1と同じ実験手法で表2のNo.6の条件で触媒として工業触媒の一つであるズードケミー製ナフサ一次リフォーミング触媒(SC11NK;Ni−20質量%担持アルミナ)で改質試験を行ったところ、メタン選択率が2.5%、CO選択率が4.2%、CO2選択率が5.9%、炭素析出率が32.8%、分解率45.4%、水素増幅率が1.3倍となった。
実施例11と同じ試験設備を用い、同一条件で、比較例1で用いた工業触媒(SC11NK)を反応管に設置して評価を行った。その結果、タール分解率は22%に止まり、水素増幅率も約1.5倍となり、工業触媒は、実コークス炉ガス、実タール下での評価でも、タール分解率が低いことが判明した。
1200℃で3時間かけて予備焼成したアルミナ(表面積:143m2/g)に、酸化ニッケル、酸化マグネシウムの前駆体である硝酸ニッケル、硝酸マグネシウムの混合水溶液をニッケル、マグネシウムの金属元素の原子比が実施例2と同じ1:9になるように調製し、さらに、アセチルアセトナートルテニウムを溶液としたものを加え、それら混合溶液をアルミナとして80質量%となるように含浸後、110℃で12時間かけて乾燥させ、その後500℃で3時間かけて焼成を行って触媒成型体を調製した。
2 安水
3 コークス炉
4 ドライメーン
Claims (19)
- aM・bNi・cMg・dO
(式中、aは質量%であり、触媒全体に対して0.01%〜20%、b、c、dは、モル比であり、b+c=1、0.01≦b≦0.99、0.01≦c≦0.99、dは、酸素が陽性元素と電気的中性を保つのに必要な数、Mは、白金族であり、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種類の元素である。)
で表される白金族元素を担持してなるニッケルとマグネシウムの固溶体酸化物であることを特徴とするタール含有ガスの改質用触媒。 - 前記固溶体酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えて複合酸化物としたことを特徴とする請求項1記載のタール含有ガスの改質用触媒。
- 請求項1又は2のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質用触媒を用いることを特徴とするタール含有ガスの改質方法。
- 前記タール含有ガス改質用触媒の存在下又は還元後の前記触媒の存在下において、炭素質原料を熱分解した際に発生するタール含有ガス中の水素、二酸化炭素、及び、水蒸気を接触させて、前記タール含有ガス中のタールを改質してガス化することを特徴とする請求項3に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 前記タール含有ガス改質用触媒の存在下又は還元後の前記触媒の存在下において、炭素質原料を熱分解した際に発生するタール含有ガスに、外部から水素、二酸化炭素、水蒸気の少なくともいずれかを接触させて、前記タール含有ガスを改質してガス化することを特徴とする請求項3又は4に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 前記水素、二酸化炭素、水蒸気の少なくともいずれかに、更に酸素含有ガスを加えて、タール含有ガスに接触させることを特徴とする請求項4又は5のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 前記タール含有ガスが、硫化水素を含むタール含有ガスであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 前記タール含有ガスが、石炭を乾留したときに発生する乾留ガスであることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 前記タール含有ガスが、コークス炉から排出されるコークス炉ガスであることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 前記タール含有ガスが、木質系バイオマス、食品廃棄物系バイオマスの少なくともいずれかを乾留したときに発生する乾留ガスであることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法。
- 請求項1に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物、マグネシウム化合物を含む混合溶液から共沈により沈殿物を生成し、当該沈殿物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法。 - 請求項2に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物、マグネシウム化合物を含む混合溶液から共沈により沈殿物を生成し、当該共沈時又は前記沈殿物の生成後に、ケイ素又はアルミニウム成分を加えて、ニッケル、マグネシウム、及び、ケイ素又はアルミニウムを含有した混合物とし、当該混合物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法。 - 請求項2に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物及びマグネシウム化合物の混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケル及びマグネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を乾燥及び焼成してニッケル及びマグネシウムの酸化物を生成し、当該酸化物に、シリカ粉末と水、又は、シリカゾル、又は、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾル、又は、ゼオライト粉末と水を加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法。 - 白金族元素の溶液を担持する前の前記混合物を、乾燥、粉砕及び焼成、又は、乾燥、か焼、粉砕、成型及び焼成して触媒を製造することを特徴とする請求項12記載のタール含有ガスの改質用触媒の製造方法。
- 請求項2に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物及びマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケル及びマグネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物に、シリカ粉末と水、又は、シリカゾル、又は、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾル、又は、ゼオライト粉末と水を加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を、少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法。 - 白金族元素の溶液を担持する前の、前記混合物を乾燥、粉砕及び焼成、又は、乾燥、か焼、粉砕、成型及び焼成して触媒を製造することを特徴とする請求項15記載のタール含有ガスの改質用触媒の製造方法。
- 請求項2に記載のタール含有ガス改質用触媒の製造方法であって、
ニッケル化合物、マグネシウム化合物、及び、ケイ素化合物又はアルミニウム化合物の混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケル、マグネシウム、及び、ケイ素又はアルミニウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を少なくとも乾燥及び焼成した後、白金族元素を含んだ溶液を担持し、乾燥、焼成して改質用触媒を製造することを特徴とするタール含有ガスの改質に用いられる触媒の製造方法。 - 白金族元素の溶液を担持する前の、前記沈殿物を乾燥、粉砕及び焼成、又は、乾燥、か焼、粉砕、成型及び焼成して触媒を製造することを特徴とする請求項17記載のタール含有ガスの改質用触媒の製造方法。
- 請求項3〜10のいずれか1項に記載のタール含有ガスの改質方法を実施した後、炭素析出、硫黄被毒の少なくともいずれかにより性能劣化した前記触媒に、水蒸気又は空気の少なくともいずれかを接触させて、前記触媒を再生し、再び前記タール改質用触媒として用いることを特徴とするタール含有ガスの改質方法。
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