JP5230338B2 - ポリエステル繊維用均染剤 - Google Patents

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本発明は、ポリエステル系繊維の染色助剤に関する。特には、ポリエステル系繊維を分散染料で高温染色するときに使用する均染剤に関する。
ポリエステル繊維の染色は、分散染料、及び密閉型耐圧性の高温染色機を用いて染色する方法(高温染色法)が主流となっている。染浴には、通常、酢酸や酢酸緩衝塩を加えてpHを4.5〜5に調整し染色再現性の向上、色調の鮮明性保持を図っている。このような染浴を約60℃に加温した状態で染色対象の素材をセットした後、30〜60分かけて徐々に昇温し、120〜135℃(レギュラータイプのポリエステル繊維では通常130℃)で30〜90分、一般には約60分の高温染色処理を行っている。このような染色処理では、原理上、拡散の遅い染料や濃色染色の場合に、染色処理時間をかなり長くとる必要がある。
染浴には、染料の凝集を防ぎ、斑なく均一に染色するために、均染剤を必ず染色浴に添加している。このような均染剤としては、脂肪族アルコール、モノ〜トリ(α−メチルベンジル)フェノール、アルキルフェノール等にエチレンオキシドを付加した化合物をベースとして末端アルコールをエステルとした化合物と、安息香酸ベンジル等とを含む均染剤が用いられている(例えば、特許文献1〜2)。ここで、エステルは、脂肪族カルボン酸とのエステル、または、リン酸エステルまたは硫酸エステルである。
特開平2−242981 特開2007−100284
しかし、高密度のポリエステル布帛の様な織編密度の高い素材や、ナイロン繊維やポリウレタン繊維と混紡して得られるポリエステル複合素材では、染色工程上昇温スピードを上げると染めムラが生じやすく、染料を複数使用する染色および淡色の染色においては均染性が不十分であった。すなわち、短時間で均染が得られるような染色加工を実現できなかった。
また、ラピッド(高速連続染色工程)染色を行う場合に、従来の染色助剤では泡立ちが高く、高速、連続処理が困難であるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものでありポリエステル繊維用均染剤において、高密度の布帛や複合繊維素材についても短時間で均染が得られ、ラピッド染色による連続処理に適したものを提供しようとする。
本発明のポリエステル繊維用均染剤は、下記の成分A〜Cを含有することを特徴とする。
・成分A:安息香酸ベンジル及びジベンジルエーテルから選択される1種又は2種以上。
・成分B:下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコール脂肪酸ジエステル。
Figure 0005230338
一般式(1)において、R1は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを表し、アルキレンオキサイド鎖の数平均重合度「n」は1〜1000である。また、アルキレンオキサイド鎖は、単独重合鎖、ブロック共重合鎖またはランダム共重合鎖である。
・成分C:下記一般式(2)で表される化合物。
Figure 0005230338
一般式(2)において、R2は水素原子又はメチル基、kは1〜5の数、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを表し、アルキレンオキサイド鎖の数平均重合度「l」は1〜200である。アルキレンオキサイド鎖は、単独重合鎖、ブロック共重合鎖またはランダム共重合鎖である。また、Xは下記一般式(3)又は(4)で表されるアニオン性親水基の群から選ばれた1種又は2種以上を示す。
Figure 0005230338
一般式(3)及び(4)において、M及びM’は水素原子、金属原子、又はアンモニウムを表し、MとM’は異なるものでも同一のものでも良い。
本発明のポリエステル繊維用均染剤によれば、染色加工時の昇温スピードが上げられない均染を得るのに困難な高密度ポリエステル等の密度の高い素材や、ポリアミド(Nylon)繊維、ポリウレタン(PU)繊維などとの複合素材において、染料を複数使用する染色および淡色の染色においてラピッド染色で均一な染色が可能となった。
また、染色工程の短縮が可能となり、また泡立ちが少なく高速の連続処理であるラピッド染色が可能となった。
<成分A> 安息香酸エステル並びにジベンジルエーテルから選択された1種又は2種以上の化合物(成分A)は、染色工程において、ポリエステル繊維等の結晶領域を拡張し、染料がポリエステル繊維内に進入しやすくする擬似キャリヤーとして作用する。具体的には安息香酸ベンジル、安息香酸フェニル、安息香酸ナフチル、ジベンジルエーテル等が挙げられるが、安息香酸ベンジル又はジベンジルエーテルが好ましく、安息香酸ベンジルが特に好ましい。
<成分B> 一般式(1)で表される化合物(成分B)は、ラピッド染色工程での低泡化と成分Aの乳化・分散を主目的として配合されるが、成分Aの乳化分散性、及び染料分散性を付与する効果が高いのみならず、均染剤製品の水に対する即溶性を付与する効果も高い。一般式(1)におけるR1、すなわち脂肪酸ジエステルを形成するための脂肪酸としては、イソステアリン酸、ステアリン酸、ハートール脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられるが、好ましくはハートール脂肪酸、オレイン酸及びリノール酸、またはこれらの混合物であり、より好ましくはオレイン酸である。ここで、ハートール脂肪酸とは、松材由来の粗トール油を精製する際に得られる脂肪酸であって、オレイン酸及びリノール酸を主成分とする。ハートール脂肪酸(トール油脂肪酸)の市販品としては、ハリマ化成(株)の「ハートールFA-1」、「ハートールFA-1P」、「ハートールFA-3S」等が挙げられる。一方、一般式(1)の「n」、すなわちアルキレンオキシド鎖の数平均重合度は、1〜1000であり、好ましくは5〜100、さらに好ましくは5〜20である。このアルキレンオキシド鎖(一般式(1)のAO)は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの単独重合鎖、ブロック重合鎖、またはランダム重合鎖であるが、エチレンオキサイドの単独重合鎖、または、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック付加重合物であるのが好ましい。したがって、例えば、ポリエチレングリコールまたはオキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合体のオレイン酸ジエステルが好ましい。
<成分C> 一般式(2)で表される化合物(成分C)は、上記成分Aを乳化・分散する作用を有すると共に、高速染色工程(ラピッド染色)において必須項目である低泡性を有し、染料分散効果も兼ね備える。一般式(2)においてkは1〜5であり、1〜3がより好ましい。一般式(2)におけるアルキレンオキシド鎖の重合度、すなわち「l」は1〜200が好ましく、1〜30がより好ましい。一般式(2)におけるアルキレンオキシド鎖は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの単独重合鎖、ブロック重合鎖、またはランダム重合鎖である。成分Cは、アルキレンオキサイドの重合形態が互いに異なる2種以上のものを混合したものであってもかまわない。このように混合して用いる場合、一般式(2)におけるアルキレンオキシド鎖がエチレンオキシドの単独重合鎖である化合物(成分C1)と、一般式(2)におけるアルキレンオキシド鎖がエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック重合鎖である化合物(成分C2)との混合物であるのが好ましい。成分C1と成分C2との配合比率は、重量比で95:5〜20:80が好ましく、より好ましくは70:30〜30:70である。一般式(2)で表される化合物としては、具体的には、ポリオキシアルキレン・スチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン・スチレン化フェニルエーテル・リン酸エステル塩、ポリオキシアルキレン・ベンジル化フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン・ベンジル化フェニルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられるが、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。なお、アニオン化反応率は70%以上であれば好適に使用できるが、好ましくは80%以上である。このとき、未反応物として、アニオン化されていない原料非イオン界面活性剤が含まれていても良い。
<成分A〜Cの配合比> 上記成分A〜Cの配合割合としては、成分Aが5〜80重量部である場合に、成分Bが1〜50重量部、成分Cが1〜50重量部であるのが好ましい。より好ましくは、成分Aが20〜70重量部である場合に、成分Bが2〜20重量部、成分Cが2〜20重量部である。配合比率がこの範囲を外れた場合は、上記成分Aをうまく乳化できず製品安定性が不良になったり、緩染力が低下し染色トラブルが発生したり、泡の問題でラピッド染色に使用できなかったりと不具合が発生する。
<他の成分> 本発明のポリエステル繊維用均染剤は、上記化合物B以外の非イオン界面活性剤、または、製品長期安定化の目的及び染色浴中における染料分散性向上の目的で、必要に応じて上記化合物C以外のアニオン性界面活性剤を含んでも良く、適宜に、溶剤や水を添加することが出来る。
・追加的な非イオン界面活性剤: 追加的に含有可能な非イオン界面活性剤としては、一般的に使用される非イオン界面活性剤であればいずれでも良いが、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。これらのうちポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを好ましいものとして挙げることができる。このような追加的な非イオン界面活性剤の配合量は、上記成分A〜Cの合計100重量部に対し5〜15重量部であるのが好ましい。配合量が15重量部を超える場合は、過度の泡立ち(高泡)が生じ、また、5重量部未満であれば乳化分散性を向上させる効果が得られない。
・追加的なアニオン界面活性剤: 追加的に含有可能なアニオン界面活性剤としては一般的に使用されるアニオン界面活性剤であればいずれでも良いが、具体的には、上記成分C以外のポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。このような追加的なアニオン界面活性剤の配合量は、上記成分A〜Cの合計100重量部に対し1〜30重量部であるのが好ましい。配合量が30重量部を超える場合は高泡でラピッド染色工程において支障があり、1重量部未満であれば乳化分散性を向上させる効果が得られない。
・溶剤: 溶剤としてはイソプロピルアルコール、メタノール、ブチルセロソルブ等が使用できるが、好ましくはイソプロピルアルコールである。溶剤の配合量は上記成分A〜Cの合計100重量部に対し1〜20重量部が好ましい。配合量が20重量部を超える場合は製品の引火点が低くなり危険物対応の設備をとる必要がでてくる。一方、1重量部未満であれば粘度を低減させて製品流動性を向上させる効果が得られない。本発明のポリエステル繊維用均染剤は機械乳化、転相乳化、液晶乳化、転相温度乳化、D(界面活性剤)相乳化等の既存の乳化方法により調製することが出来る。また必要に応じて乳化後に他の成分を混合することができる。本発明のポリエステル繊維用均染剤のエマルション形態は水中油滴(O/W型)エマルションまたは油中水滴(W/O型)エマルションのいずれの構成であっても構わない。
<染色処理>
・染色対象の素材: 本発明のポリエステル繊維用の染色方法において、対象とするポリエステル繊維としてはレギュラーポリエステル、カチオン可染ポリエステル、高密度ポリエステルタフタ等があげられるが、特に高密度ポリエステル繊維に有効である。また、ナイロン、ポリウレタン等の複合素材にも対応できる。
・染料: 本発明のポリエステル繊維用の染色方法において、使用される染料としては特に限定されず分散染料、カチオン染料等が使用できる。これらのうち、分散染料等が有効である。
・他の加工剤の配合: 本発明のポリエステル繊維用の染色方法において、他の加工剤を併用することができる。難燃処理を行う場合に、後述の実施例の染浴組成に難燃剤5%owfを配合しておき同浴処理することができる。また、耐光堅牢度を付与するときは、実施例の染浴組成に紫外線吸収剤5%owfを配合して同浴処理することができる。
・高温染色後のキャリヤーの除去: 染料のキャリヤーとなる成分Aは、染料を繊維内部に入れ込みやすい環境にする役割だけを果たすものであり、染色後には不必要である。繊維上に残留があると耐光堅牢度、摩擦堅牢度低下の原因となるため、十分に除去されなければならない。そのためには、染色上りのソーピング工程で未固着の染料を還元洗浄し、更にはヒートセットで170℃以上の熱をかけることにより、揮発させ取り除く(ヒートクリーニングと言っている)。
以下に、本発明の実施例及び比較例について、表1〜3及び図1を用いて説明する。
<均染剤処方、及び均染剤そのものの評価> 表1に、各実施例及び各比較例における均染剤の組成を示す。また、表2に、各均染剤について、粘度、製品安定性、起泡性・消泡性、及び染色性を評価した結果を示す。
表1に示すように、実施例の均染剤においては、成分Aとして、安息香酸ベンジル又はジベンジルエーテルを用いた。また、成分Bとして、数平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG#600)の両末端、または、数平均分子量800のオキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合体(EO/PO モル比8/2)の両末端に、オレイン酸を反応させた形の、ポリアルキレングリコール脂肪酸ジエステルを用いた。成分Cとしては、下記のC1-1〜C1-3のいずれか一つと、下記C2-1〜C2-2のいずれかとを組み合わせて用いた。
<C1-1>スチレン化フェノールEOPO硫酸エステルNa塩:スチレン化フェノール(重量比 モノ:ジ:トリ=15:50:35)に、平均付加モル数3のオキシエチレン鎖及び平均付加モル数7のオキシプロピレン鎖をこの順で付加してオキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合鎖(EO: 3モル、PO: 7モル)を形成した上で、末端水酸基を硫酸エステルとし、さらにナトリウム塩としたもの。末端水酸基のアニオン化率95%。
<C1-2>スチレン化フェノールEOPOリン酸エステルNa:ポリアルキレン鎖の末端水酸基をリン酸エステルとした点を除き、上記C1-1と全く同一のもの。末端水酸基のアニオン化率90%。
<C1-3>ベンジル化フェニルエーテルEOPOリン酸エステルNa塩: スチレン化フェノールに代えて、ベンジル化フェノール(重量比 モノ:ジ:トリ=35:15:50)を用いた点を除き、上記C1-2と全く同一のもの。末端水酸基のアニオン化率95%。
<C2-1>スチレン化フェノールEO硫酸エステルNH4塩: 末端硫酸エステルをアンモニウム塩とした点を除き、上記C1-1と全く同一のもの。末端水酸基のアニオン化率95%。
<C2-2>スチレン化フェノールEOリン酸エステルNH4塩: 末端リン酸エステルをアンモニウム塩とした点を除き、上記C1-2と全く同一のもの。末端水酸基のアニオン化率90%。
また、表1に示すように、全ての実施例及び比較例において、成分Dとしてポリオキシエチレン(EO: 25モル)・スチレン化フェニルエーテル(重量比 モノ:ジ:トリ=15:50:35)を配合した。また、実施例4以外は、粘度を低下させるためにイソプロピルアルコール(IPA)またはブチルセロソルブを添加した。
均染剤の粘度は、均染剤をトールビーカーにとって蓋をし25℃の恒温水槽中に保持した後、BH型粘度計のNo.1等のローターで測定した。製品安定性の評価は、サンプル瓶にとって25℃の恒温水槽中、及び、氷点下5℃の塩水浴に1日以上放置した後、肉眼観察により分離が生じていないかを評価した。均染剤の起泡性及び消泡性の評価は、JIS K 2518石油製品−潤滑油−泡立ち試験方法のシーケンス1の方法に準じて、25℃の条件で、起泡に必要な空気導入量(cc/分)を求めるとともに、空気導入終了後の消泡の様子を観察することにより行った。また、染色性の評価は、後述する染色試験において、135℃×30分の染色処理及び還元洗浄(RC)により得られたポリエステル染色布について、染めムラの有無、及び染料凝集スポットやキャリヤー(成分A)の凝集スポットの有無を、肉眼観察で判定することにより行った。
表2の左端部に示すように、全ての実施例(実施例1〜4)の均染剤において、粘度が20〜40mPa・sの好適な値であり、製品安定性、起泡性及び消泡性のいずれにおいても良好な結果が得られた。これに対して、各比較例では、少なくとも一つの項目で不良となった。各比較例についての詳細な評価結果及び考察を表2の後に記載する。
Figure 0005230338
比較例2: キャリヤー(成分A)の量が少なければ、本来期待すべき性能が発現されない。すなわち、ポリエステル繊維の緻密構造を広げて、結晶領域に対する非結晶領域の割合を変え、染着座席を増加させて染料の浸透や染色性を高める、もしくは繊維の膨潤剤として作用し大きな分子量の染料を繊維中に迅速に拡散させるという性能が発現されない。
比較例3: キャリヤー(成分A)の量が多すぎると製品乳化性が悪くなり製品安定性が低下し、製品としての形態を保持しきれない。
比較例4: 製品は低温で凍結を起こし、経時的に製品が分離を起こす。また仮に繊維に処理できても染料との親和性に欠けるため、染料分散性に欠け染色ムラ等のトラブルを引き起こす。
比較例5: 製品が高粘度になり、助剤供給の設備面において実用性に欠ける。また仮に繊維に処理できても染料親和性が良すぎるためにターリング等のトラブルを起す。
比較例6: 製品は低温で凍結を起こし、経時的に製品が分離を起こす。分散性は不良で染料凝集をおこす。
比較例7: 製品が高粘度になり、加工工程において実用性に欠ける。また緩染力が強すぎて色価を低下させる。非常に高泡になり工程上トラブルが起こる場合がある。
<染色試験> 染色試験の条件は、下記のとおりである。
・染浴組成: 下記に示す配合組成にて染浴液を調製した。すなわち、DyStar社(DyStar Textilfarben GmbH)の黄色及び赤色の染料、及び住化ケムテックス(株)の青色染料を混合して用い、実施例及び比較例の各均染剤、及び酢酸を添加した。
DyStar社のMiketon Polyester Orange SF; 0.6%owf、
DyStar社のDianix Red KB-SE; 0.2%owf 、
住化ケムテックス(株)のSumikalon Blue E-FBL;0.3%owf、
酢酸; 0.3g/L、
均染剤(表1に示す組成); 0.5g/L。
・供試布:ポリエステルジャージ
・使用機械:ミニ・カラー試験機(テクサム技研(株)製)
・浴比: 1:10 (10g/100cc)
・処理手順:供試布を60℃で試験機の染浴中にセット。→染浴を3℃/min.で昇温。→135℃×30分で密閉下に高温染色処理。→80℃に降温してから染浴より取り出し。→RCソーピング80℃×10分→ピンテンターによるヒートセット(ヒートクリーニングを兼ねる)180℃×30秒〜1分。RCソーピングには、次の組成の浴液を用い、浴比を1:30とした。ソーダ灰1.0g/L+ハイドロサルファイトナトリウム1.0g/L+「トライポールTK」(第一工業製薬(株)の繊維用界面活性剤製品)1.0g/L。
・染着率の測定:上記の135℃×30分の染色処理及び還元洗浄(RC)により得られたポリエステル染色布について分光色差計SPECTRO COLOR METER SE2000(日本電色工業(株)製)によりΔEを求めた。また、80〜130℃の10℃刻みの各温度で30分間、同様に染色処理し、還元洗浄(RC)することで得られた染色布について同様にΔEを求めた。そして、各温度の染色布について求めたΔEを、135℃×30分の染色で得られたΔEの値で割った百分率を算出し、各温度での染着率とした。
<染着曲線> 表3及び図1に、経時的な染着率増大の様子を測定した結果を示す。すなわち、実施例1〜4の均染剤を用いた場合、比較例1の均染剤を用いた場合、及び、均染剤を加えなかった場合のブランクについて、上記染色試験の際に得られた染着曲線及びその元になるデータを示す。図1に示されるように、実施例1〜4の均染剤を用いた場合、80℃の低温付近からの染着率の立ち上がりが見られ、全般に良好な結果が得られた。これに対して、均染剤を加えなかった場合のブランクでは、染着率の立ち上がりが顕著に遅かった。また、比較例1の組成では、均染剤を加えなかった場合のブランクよりも、さらに遅かった。
Figure 0005230338
実施例及び比較例の均染剤を用いた場合の経時的な染着率増大を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 安息香酸ベンジル及びジベンジルエーテルから選択された1種又は2種以上(成分A)5〜80重量部と、下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコール脂肪酸ジエステル(成分B)1〜50重量部と、下記一般式(2)で表される化合物(成分C)1〜50重量部とを含有することを特徴とするポリエステル繊維用均染剤。
    Figure 0005230338
    一般式(1)において、R1は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを表し、アルキレンオキサイド鎖の数平均重合度「n」は1〜1000である。
    Figure 0005230338
    一般式(2)において、R2は水素原子又はメチル基、kは1〜5の数、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを表し、アルキレンオキサイド鎖の数平均重合度「l」は1〜200である。また、Xは下記一般式(3)又は(4)で表されるアニオン性親水基の群から選ばれた1種又は2種以上を示す。
    Figure 0005230338
    一般式(3)及び(4)において、M及びM’は水素原子、金属原子、又はアンモニウムを表し、MとM’は異なるものでも同一のものでも良い。
  2. 請求項1に記載のポリエステル繊維用均染剤を用いてポリエステル繊維を染色する工程を含むことを特徴とするポリエステル繊維の染色方法。
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