JP5230155B2 - 燃料電池スタック - Google Patents
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Description
。セルの温度が低下すると、アノード側プレートまたはカソード側プレートの流路を流れる反応ガス中の水蒸気が流路内で凝縮することがあり、水蒸気が凝縮してできた凝縮水は、反応ガスの流れを阻害し、電池性能の低下を引き起こす。
本発明のある態様は、燃料電池スタックである。当該燃料電池スタックは、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜が設けられた単電池が複数積層された積層体と、前記単電池が発電した電流を外部へ導くために、前記積層体の両端部に位置する前記単電池にそれぞれ接する一対の集電体と、前記積層体を締め付ける締め付け力がかかる一対の端板と、前記一対の集電体のうち少なくとも一方の集電体と前記端板との間に配置され、前記集電体と前記端板との間を絶縁する絶縁体と、を備え、前記絶縁体は、前記端板に面する側および前記集電体に面する側の両方に設けられた凹部を有し、前記凹部に、断熱部材が充填されていることを特徴とする。
上記いずれかの態様において、断熱部材が発泡体であってもよい。また、断熱部材が独立発泡体であってもよい。
図1は、第1の実施の形態に係る燃料電池システム10の全体構成を示す概略図である。なお、図1の概略図は、主に各構成の機能やつながりを模式的に示した図であり、各構成の位置関係または配置を限定するものではない。
次に、燃料電池スタック50について詳述する。図2は、燃料電池スタック50の概観を示す斜視図である。図3は、図2の燃料電池スタック50をA1方向からみたときの側面図である。図4は、図2の燃料電池スタック50をA2方向からみたときの側面図である。図5は、図2の燃料電池スタック50をA3方向からみたときの側面図である。
更に、絶縁体55aについて説明する。図6は、本実施の形態に係る絶縁体55aを集電体が配置される側から見た正面図である。図7は、図6のB−B’断面図である。図8は、本実施の形態に係る絶縁体55aの側面図である。図9は、本実施の形態に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た背面図である。図10は、本実施の形態に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た斜視図である。図11は、本実施の形態に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た要部斜視図である。図12は、本実施の形態に係る絶縁体55と集電板の間に形成された空間に断熱部材が充填されていることを示す模式図である。
る酸化剤流入口120と、冷却水のエア抜きを行う冷却水エア抜き口122と、水素ガスが流入する燃料流入口124と、冷却水が排出される冷却水排出口126とが形成されている。絶縁体55aと端板110aは、絶縁体55aに形成された各流路が端板110aに設けられた貫通穴から突出するように重ね合わされて、締め付けられている。
、好ましくは、絶縁体55aの長手方向における一列の凹部144aの中心に一致している。なお、各凹部144の縦リブ140および横リブ142における連通溝150、160の設置位置は本実施の形態に限られず、ゲート170から任意の経路を通っていずれの凹部144にも連通可能になるように設けられていればよい。
図13は、上記実施の形態の燃料電池スタックにおける端部セルの保温効果を示すグラフである。具体的には、上記実施の形態の燃料電池スタックの構成(絶縁体の凹部に絶縁体の凹部に断熱部材がある構成)および当該燃料電池スタックから断熱部材を除去した構成のそれぞれについて、集電体付近の温度および端板最外部(空気と接する部分)の温度についてシミュレーション計算を行った。シミュレーション計算において、外気温を室温(25℃)とし、端部セルから一定の発熱量(5W)があるという条件を設定した。この結果、図13に示すように、絶縁体の凹部に断熱部材を設けた構成の方が、絶縁体の凹部に断熱部材を設けない構成に比べて、集電体付近の温度と端板最外部の温度との差が大きいことがわかる。すなわち、絶縁体の凹部に断熱部材を設けることにより、燃料電池スタックの端部セルの温度低下がさらに抑制され、燃料電池スタックの端部セルがより高い温度に保持されることが確認された。
図14は、変形例1に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た要部斜視図である。変形例1では、縦リブ240と横リブ242とが交差する部分に連通溝250aが設けられている。これにより、連通溝250aを通じて4つの凹部244を連通させることができるので、断熱部材を注入する際に、断熱部材の流動を容易にさせることができる。また、第1の実施の形態に比べて連通溝の数を少なくすることができるので、絶縁体55aの金型加工をさらに容易にすることができる。なお、絶縁体55aの集電体53aと接する側の面の構造にも、同様な連通溝を設けることができる。
図15は、変形例2に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た要部斜視図である。変形例2では、連通溝に代えて縦リブ240および横リブ242の側面を貫通する連通穴252が設けられている。連通穴252の形状は、円形でも矩形状でもよい。なお、絶縁体55aの集電体53aと接する側の面の構造にも、同様な連通穴を設けることが
できる。
図16は、変形例3に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た要部斜視図である。変形例3では、凹部244と凹部144とを連通する連通穴254が設けられている。これにより、ゲート270から断熱部材を注入することにより、凹部244だけでなく、凹部144にも一度に断熱部材を充填することができ、製造工程を簡略化することができる。また、ゲート170が不要となるため、絶縁体55aの構造をより簡略化することができる。
本実施の形態の燃料電池スタックの基本構成は、第1の実施の形態と同様である。以下、本実施の形態における第1の実施の形態と異なる構成について説明する。図17は、本実施の形態に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た要部斜視図である。本実施の形態では、縦リブおよび横リブに代えて柱状のボス300が用いられている。ボス300は、所定の間隔で、絶縁体55aの両面に設けられている。ボス300の隙間に、上述した絶縁部材を充填することにより、安価に燃料電池スタックの端部に位置するセルの温度低下を抑制し、燃料電池スタックを安定的に動作させることができる。なお、絶縁体55aの集電体53aと接する側の面の構造にも、同様なボスを設けることができる。
本実施の形態の燃料電池スタックの基本構成は、第1の実施の形態と同様である。以下、本実施の形態における第1の実施の形態と異なる構成について説明する。図18は、本実施の形態に係る絶縁体55aを端板110aと接する側から見た要部斜視図である。本実施の形態では、リブおよびボスが省略された状態で、絶縁体55aの両面に設けられている。本実施の形態で用いられる断熱部材190、192として剛性を有する発泡体または独立発泡体が用いられる。これにより、断熱部材が190、192がそれぞれ端板110a、集電体53aを支える構造体を兼ねている。これにより、絶縁体55aをより簡便な構造にし、加工を容易にすることができる。
56 カソード、 110 端板、 140 縦リブ、 142 横リブ、 144凹部、240 縦リブ、242 横リブ、244 凹部
Claims (11)
- 燃料極と酸化剤極との間に電解質膜が設けられた単電池が複数積層された積層体と、
前記単電池が発電した電流を外部へ導くために、前記積層体の両端部に位置する前記単
電池にそれぞれ接する一対の集電体と、
前記積層体を締め付ける締め付け力がかかる一対の端板と、
前記一対の集電体のうち少なくとも一方の集電体と前記端板との間に配置され、前記集電体と前記端板との間を絶縁する絶縁体と、
を備え、
前記絶縁体は、前記端板に面する側および前記集電体に面する側の両方に設けられた凹部を有し、
前記凹部に、断熱部材が充填されていることを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記端板に面する側の凹部が複数の区画に分割され、各区画に前記断熱部材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 隣接する区画を仕切る仕切り部材に隣接する区画同士を連通させる連通溝が形成され、前記連通溝に前記断熱部材が充填されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタック。
- 前記端板に面する側に設けられた凹部に前記端板を支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 前記集電体に面する側の凹部が複数の区画に分割され、各区画に前記断熱部材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 隣接する区画を仕切る仕切り部材に隣接する区画同士を連通させる連通溝が形成され、前記連通溝に前記断熱部材が充填されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池スタック。
- 前記端板に面する側に設けられた凹部が複数の区画に分割され、各区画に前記断熱部材
が充填されているとともに、前記集電体に面する側に設けられた凹部が複数の区画に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記端板に面する側に設けられた凹部において、隣接する区画を仕切る仕切り部材に隣接する区画同士を連通させる連通溝が形成され、前記連通溝に前記断熱部材が充填されているとともに、前記集電体に面する側に設けられた凹部において、隣接する区画を仕切る仕切り部材に隣接する区画同士を連通させる連通溝が形成され、前記連通溝に前記断熱部材が充填されていることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池スタック。
- 前記断熱部材が剛性を有し、
前記端板に面する側に設けられた前記断熱部材が前記端板を支持する構造体を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記断熱部材が剛性を有し、
前記集電体に面する側に設けられた前記断熱部材が前記集電体を支持する構造体を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記断熱部材が発泡体からなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
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