以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る車両用灯具の点灯制御装置の第1実施例を示すブロック構成図、図2は、本発明に係る車両用灯具の点灯制御装置の第1実施例を示す回路図、図3は、第1の温度および第2の温度と供給電流との関係を示す特性図、図4は、本発明の第2実施例に係る電流調整部の回路図、図5は、第1の温度と第2の温度および第3の温度と供給電流との関係を示す特性図、図6は、本発明の第3実施例に係る電流調整部の回路図、図7は、本発明の第4実施例に係る電流調整部の回路図、図8は、点灯時間と消灯時間の変化に伴うLED温度と装置温度の特性図、図9は、本発明の第5実施例であって、レギュレータ部に負極性出力のものを用いたときの実施例を示すブロック構成図である。
図1において、車両用灯具の点灯制御装置10は、入力端子12、14と、出力端子16、18と、レギュレータ部20と、電流検出部22と、制御回路部24と、電流調整部26を備えている。
入力端子12は、電源スイッチ28を介して車載バッテリ(直流電源)30のプラス端子に接続され、入力端子14は、接地されているとともに、車載バッテリ30のマイナス端子に接続されている。出力端子16、18間には、負荷として、半導体光源を構成するLED32が接続されている。
なお、半導体光源としては、2個以上のLEDを互いに直列に接続したもの、あるいは直列接続された複数個のLEDを光源ブロックとし、光源ブロックを複数個並列接続したものを用いることもできる。また、各半導体光源は、ヘッドランプ、ストップ&テールランプ、フォグランプ、ターンシグナルランプなど各種車両用灯具の光源として構成することができる。
レギュレータ部20は、電流供給制御手段の一要素として、図2に示すように、コンデンサC1、C2と、ダイオードD1と、トランスT1と、NMOSトランジスタ34を備えている。コンデンサC1の両端はそれぞれ入力端子12、14に接続され、ダイオードD1とコンデンサC2との接続点は出力端子16に接続されている。トランスT1は、一次巻線の一端が入力端子12に接続され、一次巻線の他端がNMOSトランジスタ34を介して接地され、二次巻線の一端がダイオードD1を介して出力端子16に接続され、二次巻線の他端が接地されている。
NMOSトランジスタ34は、制御回路部24からのクロック信号(制御信号)に応答してオンオフするスイッチング素子として構成されている。NMOSトランジスタ34が、制御回路部24からのクロック信号に応答してオンすると、トランスT1の一次巻線にエネルギーが蓄積される。この後、NMOSトランジスタ34が、制御回路部24からのクロック信号に応答してオフすると、トランスT1の一次巻線に蓄積されたエネルギーが二次巻線から放出され、LED32に電流が供給される。すなわち、NMOSトランジスタ34のオンオフ動作に従ってLED32への電流の供給が制御される。
電流検出部22は、電流供給制御手段の一要素として、シャント抵抗Rsと、抵抗R1、R2、R3と、非反転増幅器36を備えている。シャント抵抗Rsは、接地点と出力端子18との間に挿入され、その一端が抵抗R1を介して非反転増幅器36のプラス入力端子に接続されている。非反転増幅器36のプラス入力端子は、電流調整部26からの電流が作用する作用点aとして、電流調整部26の出力側に接続されている。
この電流検出部22は、LED32とシャント抵抗Rsに流れるフォワード電流を、シャント抵抗Rsの電圧降下で検出し、検出した電圧を非反転増幅器36で増幅し、増幅した電圧を制御回路部24に出力する。
この際、フォワード電流が増加すると、電流検出部22の出力電圧は高くなり、フォワード電流が減少すると、電流検出部22の出力電圧は低くなる。また、電流調整部26から作用点aに供給される電流が増加すると、シャント抵抗Rsの両端電圧が高くなったように検出されるので(シャント抵抗Rsの抵抗値<抵抗R1の抵抗値)、電流検出部22の出力電圧は高くなる。逆に、電流調整部26から作用点aに供給される電流が減少すると、シャント抵抗Rsの両端電圧が低くなったように検出されるので、電流検出部22の出力電圧は低くなる。
制御回路部24は、電流供給制御手段の一要素として、抵抗R4、R5、R6と、コンデンサC3と、誤差増幅器38と、PWM(Pulse Width Modulaton)コンパレータ40を備えている。誤差増幅器38は、マイナス入力端子が、抵抗R4を介して基準電圧V1に接続されているとともに、抵抗R5を介して非反転増幅器36の出力端子に接続され、プラス入力端子が、基準電圧V2に接続され、出力端子が、PWM(Pulse Width Modulation)コンパレータ40のプラス入力端子に接続されている。
この誤差増幅器38は、電流検出部22の出力電圧を抵抗R5を介して入力し、入力した電圧と基準電圧V2との差に応じた電圧を誤差電圧VeとしてPWMコンパレータ40に出力する。PWMコンパレータ40は、誤差電圧Veと、鋸波または三角波による比較電圧Voとを比較し、比較結果に応じて、オンデューティが変化するクロック信号(制御信号)をNMOSトランジスタ34に出力する。
この際、フォワード電流の増加に伴って、電流検出部22の出力電圧が高くなると、誤差電圧Veは、低くなり、PWMコンパレータ40からは、オンデューティが小さくなったクロック信号がNMOSトランジスタ34に出力される。オンデューティが小さくなったクロック信号に従ってNMOSトランジスタ34がオンオフ動作すると、レギュレータ部20からLED32に供給されるフォワード電流が減少する。
一方、フォワード電流の減少に伴って、電流検出部22の出力電圧が低くなると、誤差電圧Veは、高くなり、PWMコンパレータ40からは、オンデューティが大きくなったクロック信号がNMOSトランジスタ34に出力される。オンデューティが大きくなったクロック信号に従ってNMOSトランジスタ34がオンオフ動作すると、レギュレータ部20からLED32に供給されるフォワード電流が増加する。
すなわち、制御回路部24は、電流検出部22で検出されたフォワード電流を基にオンデューティが変化するクロック信号を生成し、生成したクロック信号に従ってNMOSトランジスタ34のオンオフ動作を制御し、LED32に供給されるフォワード電流をフィードバック制御する。この際、誤差増幅器38のマイナス入力端子に印加される電圧が基準電圧V2と同じになるように、フォワード電流が制御される。
電流調整部26は、電流調整手段として、例えば、正特性回路用に、サーミスタTH1と、抵抗R7〜R14と、ショットキーバリアダイオードSDB1と、差動増幅器42を備え、負特性回路用に、サーミスタTH2と、抵抗R15〜R22と、ショットキーバリアダイオードSDB2と、差動増幅器44を備えている。
正特性回路の場合、差動増幅器42は、マイナス入力端子が抵抗R10、R8を介してVrefに接続され、プラス入力端子が抵抗R12、サーミスタTH1を介してVrefに接続されている。この差動増幅器42のプラス入力端子には、基準電圧VrefをサーミスタTH1と抵抗R7で分圧し、この分圧で得られた電圧が抵抗R12を介して、電圧Vaとして入力されている。差動増幅器42のマイナス入力端子には、基準電圧Vrefを抵抗R8と抵抗R9で分圧し、この分圧で得られた電圧が抵抗R10を介して、電圧Vbとして入力されている。
負特性回路の場合、差動増幅器44は、マイナス入力端子が抵抗R18、R16を介してVrefに接続され、プラス入力端子が抵抗R20、抵抗R15を介してVrefに接続されている。この差動増幅器44のプラス入力端子には、基準電圧Vrefを抵抗R15とサーミスタTH2で分圧し、この分圧で得られた電圧が抵抗R20を介して、電圧Vcとして入力されている。差動増幅器44のマイナス入力端子には、基準電圧Vrefを抵抗R16と抵抗R17で分圧し、この分圧で得られた電圧が抵抗R18を介して、電圧Vdとして入力されている。
サーミスタTH1、TH2は、温度上昇に対してリニアに抵抗値が増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)温度検出素子であって、LED(半導体光源)32の温度と相関がある、検出対象、例えば、点灯制御装置10の温度を検出する温度検出手段として構成されている。
なお、サーミスタTH1、TH2としては、PTCのものを用いる代わりに、温度上昇に対してリニアに抵抗値が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)のものを用いることができる。
また、サーミスタTH1、TH2の代わりに、半導体(集積回路内半導体)の温度特性を利用することもできる。
正特性回路の差動増幅器42は、電圧Vaと電圧Vbとの差に応じた電圧を、ショットキーバリアダイオードSDB1と抵抗R14を介して作用点aに出力する。
この際、作用点aの電圧が低いことを考慮し、抵抗R7の抵抗値=抵抗R9の抵抗値とし、抵抗R8の抵抗値>第1の温度以下のときのサーミスタTH1の抵抗値で、第1の温度T1(例えば、25℃よりも高い温度)におけるサーミスタTH1の抵抗値=抵抗R8の抵抗値とする。但し、ショットキーバリアダイオードSDB1の順方向電圧Vfは無視できるものとする。
サーミスタTH1の検出温度が第1の温度T1以下のときには、抵抗R8の抵抗値>サーミスタTH1の抵抗値であるので、電圧Vb<電圧Vaの関係にある。
電圧Vaは、サーミスタTH1の抵抗値が温度の上昇に応じて増加するので、温度の上昇に応じて低くなる。このため、温度の上昇に応じて電圧Vaが低くなると、差動増幅器42から作用点aに供給される電流は順次減少する。そして、サーミスタTH1の検出温度が第1の温度T1と等しくなると、電圧Va=電圧Vbとなり、差動増幅器42から作用点aに供給される電流は0になる。
サーミスタTH1の検出温度が第1の温度T1まで上昇する過程では、温度の上昇に応じて電圧Vaが低くなるとともに、差動増幅器42から作用点aに供給される電流が順次減少し、電流検出部36の出力電圧が順次低くなる。この結果、誤差増幅器38の出力による誤差電圧Veが順次高くなり、PWMコンパレータ40からNMOSトランジスタ34に対して、オンデューティが順次大きくなるクロック信号が出力される。この場合、差動増幅器42から作用点aに供給される電流は、LED32に供給される電流を増加させるための調整信号として作用することになる。
これにより、図3に示すように、サーミスタTH1の検出温度が、例えば、25℃から第1の温度T1まで上昇する過程では、温度の上昇に応じて、LED32に供給されるフォワード電流がリニアに増加する。このため、温度の上昇に伴ってLED32の光量が低下するのを防止することができる。
なお、作用点aの代わりに、誤差増幅器38のマイナス入力端子を作用点bとし、この作用点bに電流調整部26からの電流を供給することもできる。
また、非反転増幅器36の代わりに、非反転差動増幅器を用いることもでき、シャント抵抗Rsの電圧降下が大きい場合、あるいは誤差増幅器38の基準電圧V2が低い場合には、非反転増幅器36を省略することもできる。この場合、抵抗R5は、抵抗1で代用することができ、作用点aの電圧=作用点bの電圧となる。
さらに、フォワード電流の調整要素として、抵抗R4を用いているが、シャント抵抗Rsの電圧降下×非反転増幅器36の増幅度が誤差増幅器38の基準電圧V2と等しくなるときには、抵抗R4は不要である。
電流調整部26の差動増幅器42の出力電流を作用点bに供給する場合、サーミスタTH1の検出温度が第1の温度T1になったときに、差動増幅器42の出力電圧=誤差増幅器38の基準電圧V2となるように、抵抗R7〜R9の抵抗値や差動増幅器42の増幅率を調整することで対応することができる。
一方、差動増幅器44は、電圧Vcと電圧Vdとの差に応じた電圧を、ショットキーバリアダイオードSDB2と抵抗R22を介して作用点aに出力する。
この際、作用点aの電圧が低いことを考慮し、抵抗R15の抵抗値=抵抗R16の抵抗値とし、抵抗R17の抵抗値<第1の温度T1よりも高い第2の温度T2以上のときのサーミスタTH2の抵抗値で、第2の温度T2におけるサーミスタTH2の抵抗値=抵抗R17の抵抗値とする。但し、ショットキーバリアダイオードSDB2の順方向電圧Vfは無視できるものとする。
サーミスタTH2の検出温度が第2の温度T2以上のときには、抵抗R17の抵抗値<サーミスタTH2の抵抗値であるので、電圧Vc>電圧Vdの関係にある。
電圧Vcは、サーミスタTH2の抵抗値が温度の上昇に応じて増加するので、温度の上昇に応じて高くなる。このため、温度の上昇に応じて電圧Vcが低くなると、差動増幅器44から作用点aに供給される電流は順次増加する。一方、サーミスタTH2の検出温度が第2の温度T2と等しいときには、電圧Vc=電圧Vdとなり、差動増幅器44から作用点aに供給される電流は0になる。
サーミスタTH2の検出温度が第2の温度T2以上に上昇する過程では、温度の上昇に応じて電圧Vcが高くなるとともに、差動増幅器44から作用点aに供給される電流が順次増加し、電流検出部36の出力電圧が順次高くなる。この結果、誤差増幅器38の出力による誤差電圧Veが順次低くなり、PWMコンパレータ40からNMOSトランジスタ34に対して、オンデューティが順次小さくなるクロック信号が出力される。この場合、差動増幅器44から作用点aに供給される電流は、LED32に供給される電流を減少させるための調整信号として作用することになる。
これにより、図3に示すように、サーミスタTH2の検出温度が第2の温度T1以上に上昇する過程では、温度の上昇に応じて、LED32に供給されるフォワード電流がリニアに減少する。このため、LED32や点灯制御装置10が高温になり過ぎることによる、LED32や点灯制御装置10の故障を防止することができる。
なお、作用点aの代わりに、電流調整部26の差動増幅器44の出力電流を作用点bに供給する場合、サーミスタTH2の検出温度が第2の温度T2になったときに、差動増幅器44の出力電圧=誤差増幅器38の基準電圧V2となるように、抵抗R15〜R17の抵抗値や差動増幅器44の増幅率を調整する。
また、温度変化に伴うフォワード電流の変化量(傾き)は、抵抗R14および抵抗R22と、抵抗R1、R4、R5との比率で調整できる。この場合、抵抗R1、R4、R5に対して、抵抗R14および抵抗R22の抵抗値を小さくすれば、作用点aまたはbに供給する電流(流し込む電流)が増加し、ファワード電流の傾きは急峻となる。
本実施例によれば、温度が第1の温度T1に達するまでは、温度の上昇に応じてLED32に供給するフォワード電流をリニアに増加させ、温度が第1の温度T1を超えて、第2に温度T2に達した後は、温度の上昇に応じてLED32に供給するフォワード電流をリニアに減少させるようにしたため、温度の上昇に応じてLED32の光量が低下するのを防止することができるとともに、LED32や点灯制御装置10が高温になり過ぎることによる、LED32や点灯制御装置10の故障を防止することができる。
次に、本発明の第2実施例を図4に基づいて説明する。本実施例は、電流調整部26をトランジスタのカレントミラー回路で構成したものであり、他の構成は第1実施例と同様であるので、電流調整部26の構成のみを示す。
図4において、電流調整部26は、正特性回路として、抵抗R23、R24と、PTCのサーミスタTH3と、ダイオードD2と、PNPトランジスタ46、48と、NPNトランジスタ50、52を備え、負特性回路として、抵抗R25、R26と、PTCのサーミスタTH4と、ダイオードD3と、PNPトランジスタ54、56と、NPNトランジスタ58、60を備えている。
PNPトランジスタ46、48は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが電源V3に接続され、各ベースがサーミスタTH3を介して接地されている。PNPトランジスタ46のコレクタはダイオードD2と抵抗R24を介して作用点aまたはbに接続されている。NPNトランジスタ50、52は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが接地され、各ベースが抵抗R23を介して電源V3に接続されている。
PNPトランジスタ54、56は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが電源V3に接続され、各ベースが抵抗R26を介して接地されている。PNPトランジスタ54のコレクタはダイオードD3と抵抗R25を介して作用点aまたはbに接続されている。NPNトランジスタ58、60は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが接地され、各ベースがサーミスタTH4を介して電源V3に接続されている。
次に、電流調整部26のうち正特性回路の出力電流が作用点aに供給されるときの作用について述べる。
ここで、抵抗R23の抵抗値>第1の温度T1以下のときのサーミスタTH3の抵抗値で、第1の温度T1(例えば、50℃)におけるサーミスタTH3の抵抗値=抵抗R23の抵抗値とする。また、非反転増幅器36の出力電圧=2×If(フォワード電流)とし、シャント抵抗Rs=0.2Ω、抵抗R1=390Ω、第1の温度T1におけるフォワード電流If=0.7Aに制御することとする。
この場合、非反転増幅器36の出力電圧=1.4Vとして、抵抗R5=3.9kΩ、抵抗R4=6.5kΩに設定すれば、誤差増幅器38のマイナス入力端子(負入力端子)の電圧は、2.0Vとなり、基準電圧V2と等しくなる。このため、抵抗R5=3.9kΩ、抵抗R4=6.5kΩに設定することで、フォワード電流If=0.7Aに制御することが可能になる。
ここで、例えば、サーミスタTH3として、 抵抗値の変化率が+0.4%/℃で、温度25℃における抵抗値が20kΩのものを用い、抵抗R23=22kΩに設定する。25℃の温度上昇で、サーミスタTH3の抵抗値は+10%になるので、50℃におけるサーミスタTH3の抵抗値=22kΩとなる。すなわち、50℃がサーミスタTH3の第1の温度T1となり、第1の温度T1におけるサーミスタTH3の抵抗値=抵抗R23の抵抗値となる。
サーミスタTH3の検出温度が第1の温度T1の50℃まで上昇する過程では、PNPトランジスタ46、48とNPNトランジスタ50、52のVBEがそれぞれ等しいと仮定すると、抵抗R23の抵抗値>サーミスタTH3の抵抗値であるので、PNPトランジスタ48の電流は、NPNトランジスタ50の電流よりも、温度上昇に応じて小さくなる。このため、PNPトランジスタ48とカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ46の電流と、NPNトランジスタ50とカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ52の電流との差の電流(ダイオードD2の電流)が作用点aに流れ込む。
例えば、PNPトランジスタ46、48とNPNトランジスタ50、52のVBEをそれぞれVBE=0.5Vと仮定すると、温度が25℃のときに、PNPトランジスタ48の電流−NPNトランジスタ50の電流=0.025mAであり、この電流が作用点aに流れ込む。
温度が25℃より上昇すると、サーミスタTH3の抵抗値が増加するに伴ってPNPトランジスタ48に流れる電流が減少し、PNPトランジスタ46の電流とNPNトランジスタ52の電流との差の電流(ダイオードD2の電流)は、0.025mAから徐々に減少する。そして、温度が50℃になると、PNPトランジスタ46の電流とNPNトランジスタ52の電流との差の電流が0となり、作用点aに流れ込む電流は0となる。このとき、非反転増幅器36の出力電圧=1.4Vとなる。
一方、温度が25℃のときに、0.025mAの電流が作用点aに流れ込むと、この電流は、抵抗R1を介してシャント抵抗Rs側に流れ、抵抗R1の電圧降下が、0.025mA×390Ω=約0.01Vだけ増加する。
これにより、シャント抵抗Rsの電圧降下は、温度が25℃のときに、0.13Vであるが、温度上昇に応じてリニアに増加し、温度が50℃になると、0.14Vになる。この場合、温度が25℃では、フォワード電流If=0.65Aとなるようにフィードバック制御される。
すなわち、温度が25℃から50℃(第1の温度T1)に変化する過程では、PNPトランジスタ48の電流>NPNトランジスタ50の電流となり、PNPトランジスタ48とカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ46の電流と、NPNトランジスタ50とカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ52の電流との差の電流(ダイオードD2の電流)が温度上昇に応じてリニアに減少し、この差の電流が作用点aに流れ込む。作用点aに流れ込む電流は、LED32に供給される電流を増加させるための調整信号として作用し、フォワード電流Ifが抵抗R1の電圧降下分だけリニアに増加することになる。
これにより、図3に示すように、サーミスタTH3の検出温度が第1の温度T1(50℃)まで上昇する過程では、温度の上昇に応じて、LED32に供給されるフォワード電流がリニアに増加する。このため、温度の上昇に伴ってLED32の光量が低下するのを防止することができる。
次に、電流調整部26のうち正特性回路の出力電流が作用点bに供給されるときの作用について述べる。
ここで、抵抗R23の抵抗値>第1の温度T1以下のときのサーミスタTH3の抵抗値で、第1の温度T1(例えば、50℃)におけるサーミスタTH3の抵抗値=抵抗R23の抵抗値とする。また、非反転増幅器36の出力電圧=2×If(フォワード電流)とし、第1の温度T1でフォワード電流If=0.7Aに制御することとする。
この場合、非反転増幅器36の出力電圧=1.4Vであり、抵抗R5=3.9kΩとして、抵抗R4=6.5kΩに設定すれば、誤差増幅器38のマイナス入力端子(負入力端子)の電圧は、2.0Vとなり、基準電圧V2と等しくなる。このため、抵抗R5=3.9kΩとし、抵抗R4=6.5kΩに設定することで、フォワード電流If=0.7Aに制御することが可能なる。
ここで、例えば、サーミスタTH3として、抵抗値の変化率が+0.4%/℃で、温度25℃における抵抗値が20kΩのものを用い、抵抗R23=22kΩに設定する。25℃の温度上昇で、サーミスタTH3の抵抗値は+10%になるので、50℃におけるサーミスタTH3の抵抗値=22kΩとなる。すなわち、50℃がサーミスタTH3の第1の温度T1となり、第1の温度T1におけるサーミスタTH3の抵抗値=抵抗R23の抵抗値となる。
サーミスタTH3の検出温度が、例えば、25℃から第1の温度T1の50℃まで上昇する過程では、PNPトランジスタ46、48とNPNトランジスタ50、52のVBEがそれぞれ等しいと仮定すると、抵抗R23の抵抗値>サーミスタTH3の抵抗値であるので、PNPトランジスタ48の電流は、NPNトランジスタ50の電流よりも、温度上昇に応じて小さくなる。このため、PNPトランジスタ48とカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ46の電流と、NPNトランジスタ50とカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ52の電流との差の電流(ダイオードD2の電流)が作用点bに流れ込む。
例えば、PNPトランジスタ46、48とNPNトランジスタ50、52のVBEをそれぞれVBE=0.5Vと仮定すると、温度が25℃のときに、PNPトランジスタ48の電流−NPNトランジスタ50の電流=0.025mAであり、この電流が作用点bに流れ込む。
温度が25℃より上昇すると、サーミスタTH3の抵抗値が増加するに伴ってPNPトランジスタ48に流れる電流が減少し、PNPトランジスタ46の電流とNPNトランジスタ52の電流との差の電流は、0.025mAから徐々に減少する。そして、温度が50℃になると、PNPトランジスタ46の電流とNPNトランジスタ52の電流との差の電流が0となり、作用点bに流れる込む電流が0となる。このとき、非反転増幅器36の出力電圧=1.4Vとなる。
一方、温度が25℃のときに、0.025mAの電流が作用点bに流れ込むと、この電流は、抵抗R5を介して非反転増幅器36側に流れ、抵抗R5の電圧降下が、0.025mA×3.9kΩ=約0.1Vだけ増加する。
これにより、非反転増幅器36の出力電圧は、温度が25℃のときに、1.3Vであるが、温度上昇に応じてリニアに増加し、温度が50℃になると、1.4Vになる。この場合、温度が25℃では、フォワード電流If=0.65Aとなるようにフィードバック制御される。
すなわち、温度が25℃から50℃(第1の温度T1)に変化する過程では、PNPトランジスタ48の電流>NPNトランジスタ50の電流となり、PNPトランジスタ46の電流とNPNトランジスタ52の電流との差の電流が温度上昇に応じてリニアに減少し、この差の電流が作用点bに流れ込む。作用点bに流れ込む電流は、LED32に供給される電流を増加させるための調整信号として作用し、フォワード電流Ifが抵抗R5の電圧降下分だけリニアに増加することになる。
これにより、図3に示すように、サーミスタTH3の検出温度が第1の温度T1(50℃)まで上昇する過程では、温度の上昇に応じて、LED32に供給されるフォワード電流がリニアに増加する。このため、温度の上昇に伴ってLED32の光量が低下するのを防止することができる。
次に、電流調整部26のうち負特性回路の出力電流を作用点aまたは作用点bに供給するに際しては、抵抗R26の抵抗値<第1の温度T1よりも高い第2の温度T2以上のときのサーミスタTH4の抵抗値で、第2の温度T2におけるサーミスタTH4の抵抗値=抵抗R26の抵抗値とし、第2の温度T2=75℃としたときには、抵抗R26の抵抗値=24kΩとすることで、正特性回路の出力電流を作用点aまたは作用点bに供給するときと同様に行うことができる。
この場合、電流調整部26のうち負特性回路の出力電流を作用点aに供給するに際しては、温度が75℃(第2の温度T2)から上昇する過程では、PNPトランジスタ56の電流>NPNトランジスタ58の電流となり、PNPトランジスタとカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ54の電流と、NPNトランジスタ58とカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ60の電流との差の電流(ダイオードD3の電流)が温度上昇に応じてリニアに増加し、この差の電流が作用点aに流れ込む。作用点aに流れ込む電流は、LED32に供給される電流を減少させるための調整信号として作用し、フォワード電流Ifが抵抗R1の電圧降下分だけリニアに減少することになる。
また、電流調整部26のうち負特性回路の出力電流を作用点bに供給するに際しては、温度が75℃(第2の温度T2)から上昇する過程では、PNPトランジスタ56の電流>NPNトランジスタ58の電流となり、PNPトランジスタとカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ54の電流と、NPNトランジスタ58とカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ60の電流との差の電流(ダイオードD3の電流)が温度上昇に応じてリニアに増加し、この差の電流が作用点bに流れ込む。作用点bに流れ込む電流は、LED32に供給される電流を減少させるための調整信号として作用し、フォワード電流Ifが抵抗R5の電圧降下分だけリニアに減少することになる。
これにより、図3に示すように、サーミスタTH4の検出温度が75℃(第2の温度T2)以上に上昇する過程では、温度の上昇に応じて、LED32に供給されるフォワード電流がリニアに減少する。このため、温度の上昇に伴ってLED32や点灯制御装置10の高温になり過ぎるのを防止することができ、結果として、LED32や点灯制御装置10の故障を防止することができる。
本実施例によれば、温度が第1の温度T1に達するまでは、温度の上昇に応じてLED32に供給するフォワード電流をリニアに増加させ、温度が第1の温度T1を超えて、第2の温度T2に達した後は、温度の上昇に応じてLED32に供給するフォワード電流をリニアに減少させるようにしたため、温度の上昇に応じてLED32の光量が低下するのを防止することができるとともに、LED32や点灯制御装置10が高温になり過ぎることによる、LED32や点灯制御装置10の故障を防止することができる。
また、本実施例によれば、トランジスタによるカレントミラー回路を用いたため、演算用オペアンプによる差動増幅器を用いたものよりも、安価で簡単な回路構成とすることができ、開発コストの低減を図ることができる。
また、電流調整部26として、差動増幅器42、44を用いた回路とカレントミラー回路を用いた回路を別々に示したが、電流調整部26としては、正特性回路に差動増幅器を用い、負特性回路にカレントミラー回路を用いたり、あるいは、正特性回路にカレントミラー回路を用い、負特性回路に半導体の温度特性を利用した回路を用いたりすることもできる。
また、前記各実施例においては、第1の温度T1を、車両用灯具の周りの温度がエンジンなどの影響を受けない環境温度、例えば、25℃よりも高い温度として、50℃に設定してあるが、第1の温度T1を50℃よりも高くする設定することもできる。これは、半導体光源(LED32)や点灯制御装置10の発熱を要因として上昇する車両用灯具内の飽和環境温度よりも高くするためである。
すなわち、飽和環境温度は、車両用灯具(発光装置)のランプ製品(車両)毎に異なり、例えば、コンパクトなランプの場合は、環境飽和温度は高くなる。このため、環境飽和温度=75℃のランプに対して、第1の温度T1を50℃に設定しても、光量低下を抑制する効果は小さくなる。
これに対して、各ランプ(車両)の第1の温度T1>環境飽和温度に設定することで、光量低下を抑制する効果を極力引き出すことができる。また、第1の温度T1は、トランジスタのカレントミラー回路を用いたときには、抵抗R23とサーミスタTH3のみがパラメータなので、容易に設定が可能になる。
また、各実施例においては、第1の温度T1を50℃に設定し、第2の温度T2を75℃に設定しているが、第1の温度T1と第2の温度T2を同一として、例えば、T1=T2=75℃に設定することもできる。
具体的には、環境飽和温度=75℃のコンパクトなランプを用いる場合、第1の温度T1を50℃よりも高くする必要がある。また、エンジンからの熱の影響を受け易い車両では、LED32や点灯制御装置10が高温になり過ぎる虞があるので、第2の温度T2を低く設定して、発熱を抑えて車両用灯具(発光装置)内の温度をできるだけ低くする必要がある。
これらのことを考慮すると、第1の温度T1と第2の温度T2を同一として、例えば、T1=T2=75℃に設定することで、光量低下の抑制と高温になり過ぎることの回避を両立させることができる。
この場合、電流調整部26として、トランジスタのカレントミラー回路を用いたときには、抵抗R23=R26=24kΩに設定することで、第1の温度T1=第2の温度T2=75℃となる。
この方式を採用すると、温度が第1の温度T1=第2の温度T2=75℃に達するまでは、温度の上昇に応じてLED32に供給するフォワード電流をリニアに増加させ、温度が第1の温度T1=第2の温度T2=75℃に達した後は、温度の上昇に応じてLED32に供給するフォワード電流をリニアに減少させることになり、温度の上昇に応じてLED32の光量が低下するのを防止することができるとともに、LED32や点灯制御装置10が高温になり過ぎることによる、LED32や点灯制御装置10の故障を防止することができる。
次に、本発明の第3実施例を図5および図6に基づいて説明する。本実施例は、第1の温度T1よりも低く、例えば、25℃よりも低い第3の温度T3を設け、温度が第3の温度T3以下のときには、温度に対する、フォワード電流(供給電流)の特性をフラットにするようにしたものであり、他の構成は、第1実施例または第2実施例と同様であるので、電流調整部26の構成のみを示す。
温度に対するLED32の光量変化は、常温〜高温と比較して、低温では大きくない。従って、25℃〜第1の温度T1の傾きをそのまま低温まで適用すると、−40℃ではフォワード電流が小さくなり過ぎ、十分な発光が得られなくなる。
そこで、本実施例では、温度が第3の温度T3以下のときには、フォワード電流を一定、例えば、配光規格を満たす電流値にして、十分な発光を確保するようにしたものである。
ここで、電流調整部26の正特性回路として、トランジスタのカレントミラー回路で構成したものを図6に示す。
図6において、電流調整部26は、抵抗R23、R24と、PTCのサーミスタTH3と、ダイオードD2と、PNPトランジスタ46、48と、NPNトランジスタ50、52を備えている。
PNPトランジスタ46、48は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが電源V3に接続され、各ベースがサーミスタTH3を介して接地されている。PNPトランジスタ46のコレクタはダイオードD2と抵抗R24を介して作用点aまたはbに接続されている。NPNトランジスタ50、52は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが接地され、各ベースが抵抗R23を介して電源V3に接続されている。
温度が第3の温度T3以下のときには、温度に対する、フォワード電流(供給電流)の特性をフラットにするに際しては、抵抗R24の抵抗値が活用されている。
具体的には、ダイオードD2のカソード電圧は、電源V3=6Vとした場合、PNPトランジスタ46のVBE=0.5VとダイオードD2の順方向電圧Vf=0.5Vのドロップにより、概ね、最大5V(6V−0.5V−0.5V=5V)である。
すなわち、温度の低下に伴って、サーミスタTH3の抵抗値がどんなに小さくなっても、ダイオードD2のカソード電圧は5V以上にはならない。
この際、図6における電流調整部26の出力電流を制御回路部24の作用点bに供給した場合、誤差増幅器38の基準電圧V2=2Vであるから、抵抗R24の両端の電位差は、最大で3Vになる。
抵抗R24=120kΩに設定すると、電流調整部26から作用点bに供給できる電流は、最大で0.025mA(3V÷120kオーム=0.025mA)となる。これは、第2実施例と同様に、サーミスタTH3として、抵抗値の変化率が+0.4%/℃のサーミスタを用い、温度25℃におけるサーミスタTH3=20kΩ、抵抗R23=22kΩとした場合、第3の温度T3=25℃に相当することになる。なお、第3の温度T3以下のときのフォワード電流は、0.65Aで一定となる。
また、第3の温度T3や第3の温度T3以下のときのフォワード電流値を下げるときには、抵抗R24の抵抗値を小さくする。例えば、抵抗R24=100kΩにすると、概ね、第3の温度T3=0℃で、第3の温度T3以下のときのフォワード電流は、0.60Aで一定となる。
一方、温度が第3の温度T3以下になったときに、フォワード電流を一定にする代わりに、フォワード電流を漸次減少させることもできる。この場合、例えば、温度が25℃から第1の温度T1(50℃)に変化するときに採用される電流変化率(フォワード電流をリニアに増加させるときの電流変化率)よりも穏やかな電流変化率でフォワード電流を漸次減少させることで、低温時に、LED32の発光量が低下するのを防止することができる。
本実施例によれば、第1実施例や第2実施例と同様な効果を奏することができるとともに、温度が第3の温度T3以下に低下しても、LED32による発光を十分に確保することができる。
次に、本発明の第4実施例を図7に基づいて説明する。本実施例は、温度に対するフォワード電流の増加と減少の電流調整を単一の温度検出素子を用いて行うようにしたものであり、他の構成は、第1実施例または第2実施例と同様であるので、電流調整部26の構成のみを示す。
図7において、電流調整部26は、正特性回路と負特性回路共通のトランジスタとして、PNPトランジスタ62を備え、正特性回路と負特性回路共通の温度検出素子として、PTCのサーミスタTH5を備え、正特性回路として、PNPトランジスタ64と、NPNトランジスタ66、68と、抵抗R27、R28と、ダイオードD4を備え、負特性回路として、PNPトランジスタ70、72、74と、NPNトランジスタ76、78と、抵抗R29、R30と、ダイオードD5を備えている。
PNPトランジスタ62、64、74は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが電源V3に接続され、各ベースがサーミスタTH5を介して接地されている。PNPトランジスタ64のコレクタはダイオードD4と抵抗R27を介して作用点aまたはbに接続されている。NPNトランジスタ66、68は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが接地され、各ベースが抵抗R28を介して電源V3に接続されている。
PNPトランジスタ70、72は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが電源V3に接続され、各ベースが抵抗R30を介して接地されている。PNPトランジスタ72のコレクタはダイオードD5と抵抗R29を介して作用点aまたはbに接続されている。NPNトランジスタ76、78は、カレントミラー回路を構成し、各エミッタが接地され、各ベースがPNPトランジスタ74のコレクタに接続されている。
本実施例において、サーミスタTH5として、抵抗値の変化率が+0.4%/℃のサーミスタを用い、温度50℃におけるサーミスタTH5=20kΩ、抵抗R28=22kΩ、抵抗R30=24kΩ、抵抗R27=120kΩに設定し、電流調整部26の出力電流を制御回路部24の作用点aに供給した場合、第1の温度T1=50℃、第2の温度T2=75℃、第3の温度T3=25℃となる。
具体的には、サーミスタTH5を負荷とするPNPトランジスタ(第1のトランジスタ)62は、PNPトランジスタ(第2のトランジスタ)と第1のカレントミラー回路を構成する。
サーミスタTH5の第1の温度(50℃)における抵抗値=22kΩを有する抵抗(第1の抵抗素子)R28を負荷とするNPNトランジスタ(第3のトランジスタ)66は、NPNトランジスタ(第4のトランジスタ)と第2のカレントミラー回路を構成する。
サーミスタTH5の第2の温度(75℃)における抵抗値=24kΩを有する抵抗(第2の抵抗素子)R30を負荷とするPNPトランジスタ(第5のトランジスタ)70は、PNPトランジスタ(第6のトランジスタ)と第3のカレントミラー回路を構成する。
PNPトランジスタ64の電流に相当する電流がPNPトランジスタ74から供給されるNPNトランジスタ(第7のトランジスタ)78は、PNPトランジスタからの電流が供給されるNPNトランジスタ(第8のトランジスタ)と第4のカレントミラー回路を構成する。
この際、サーミスタTH5の検出温度が25℃から50℃に上昇する過程では、PNPトランジスタ64からNPNトランジスタ68に供給される電流の一部が、ダイオードD4と抵抗R27を取り出される。この電流は、LED32に供給される電流を増加させるための調整信号として作用点aに供給される。
また、サーミスタTH5の検出温度が50℃に達した後、75℃以上に上昇する過程では、PNPトランジスタ72からNPNトランジスタ76に供給される電流の一部が、ダイオードD5と抵抗R29を取り出される。この電流は、LED32に供給される電流を減少させるための調整信号として作用点aに供給される。
一方、サーミスタTH5の検出温度が25℃以下になったときには、PNPトランジスタ64からNPNトランジスタ68に供給される電流の一部が、ダイオードD4と抵抗R27を取り出される。この電流は、LED32に供給される電流を一定にするための調整信号として作用点aに供給される。
本実施例によれば、第1実施例、第2実施例あるいは第3実施例と同様な効果を奏することができるとともに、温度に対するフォワード電流の増加(上昇)と減少(低下)の電流調整を単一のサーミスタTH5の検出温度を基に行うことができ、装置のコストダウンを図ることができる。
次に、前記各実施例による装置を用いて、電源スイッチ28をオンまたはオフして、LED32を点灯または消灯したところ、図8に示すような特性が得られた。
具体的には、環境温度が特性X1に従って変化する過程で、LED32に対する点灯(ON)または消灯(OFF)を繰り返すと、LED32の温度が特性X2に従って変化するのに対して、各サーミスタTH1〜TH5の検出による装置温度は、特定X2に近似した特性X3に従って変化する。
すなわち、各サーミスタTH1〜TH5でLED32の温度を間接的に検出し、この検出温度を装置温度として用いても、装置温度とLED32の実際の温度との間には、その温度の過渡状態中でも相関関係があるので、装置温度を基にフォワード電流を制御することが可能になる。このため、装置外のLED32近傍に温度検出素子を配置してLED32の温度を直接検出する必要がなく、温度検出素子の配線や素子の固定のための作業が不要となり、コスト低減を図ることができる。
また、車両用灯具の点灯制御装置10としては、図9に示すように、正極性出力のレギュレータ部20の代わりに、負極性出力のレギュレータ部21を用いることができる。
この場合も、電流調整部26として、第1実施例から第4実施例のものを用いることができる。
従って、本実施例においても、第1実施例から第4実施例のものと同様な効果を奏することができる。