JP5229819B2 - 除塵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークの表面に付着した塵埃を除去する除塵装置に関する。
従来から、電子部品が実装されるプリント基板や液晶パネル等の各種の基板あるいは基板の原材料となるシート状部材等のワークの表面に付着した塵埃を除去する除塵装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている除塵装置では、粘着ロールを回転駆動させて、ワークの表面に付着した塵埃を除去しており、該粘着ロールへの動力の伝達はモータとの間に配置される伝達機構を介して行われる。図9に示すように、この伝達機構は、モータに連結される大径の駆動側磁気板70と、上側に配置される2本の粘着ロールに連結される2つの小径の従動側磁気板71と、下側に配置される2本の粘着ロールに連結される2つの小径の従動側磁気板72とを有している。従動側磁気板71は、駆動側磁気板70と外接噛み合いするように、該駆動側磁気板70と所定の隙間を有して対向配置され、従動側磁気板72は、駆動側磁気板70と内接噛み合いするように、該駆動側磁気板70と所定の隙間を有して対向配置されている。さらに、駆動側磁気板70と従動側磁気板71,72とには、インボリュート曲線状に形成された永久磁石のS極とN極が円周方向に沿って交互に着磁されている。このため、対向する永久磁石のN極とS極との間の吸引力と、N極とN極およびS極とS極との間の反発力とによって、駆動側磁気板70側から従動側磁気板71,72側に非接触でモータの回転トルクが伝達される。
例えば、図9に示すように、駆動側磁気板70を反時計方向に回転させると、駆動側磁気板70と従動側磁気板71,72との間に働く磁石の吸引力および反発力によって、従動側磁気板71,72は、駆動側磁気板70の回転に追従して動く。すなわち、駆動側磁気板70が反時計方向に回転すると、駆動側磁気板70と内接噛み合いするように配置された従動側磁気板72は、図9に示すように反時計方向に回転する一方、駆動側磁気板70と外接噛み合いするように配置された従動側磁気板71は、図9に示すように時計周りに回転する。すなわち、駆動側磁気板70の駆動力は、従動側磁気板71および従動側磁気板72に、該従動側磁気板71と従動側磁気板72の回転方向が逆方向になるように伝達される。
特開2008−289961号公報(要約書)
しかしながら、特許文献1に開示されている除塵装置では、対向方向から見て駆動側磁気板70と従動側磁気板71,72とがそれぞれ重なり合う範囲は、図9に示す領域Rおよび領域Sといった小さな範囲となっている。また、駆動側磁気板70と従動側磁気板71,72とが回転した場合、N極とS極とが重なる領域が変動する。このため、駆動側磁気板70と従動側磁気板71,72との間には充分な磁石が作用せず、駆動側磁気板70と従動側磁気板71,72との間に作用する磁気吸引力も不安定なものとなる。このため、粘着ロールへ伝達される動力は不安定なものとなり、その大きさも小さいものとなってしまう。その結果、ワークやテープ等の条件によっては、塵埃を除去するために必要なトルクを得ることができない場合がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従動側に伝達される駆動力の向上を図ると共に、該駆動力の安定化を図ることが可能な除塵装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、ワークを搬送しながらワークの表面に付着した塵埃を除去する除塵装置において、ワークの表面に当接してワークの表面に付着している塵埃を吸着する粘着ロールと、粘着ロールを回転駆動する駆動モータと、駆動モータの動力を粘着ロールへ伝達する伝達機構とを備え、伝達機構は、駆動モータに連結される駆動側磁気部材と、駆動側磁気部材と一対をなすと共に、該駆動側磁気部材と所定の間隔をあけて対向配置される従動側磁気部材とから構成され、駆動側磁気部材は、駆動側磁気部材の回転中心を中心として円板状または円環状に形成される駆動側着磁部を備え、従動側磁気部材は、従動側磁気部材の回転中心を中心として円板状または円環状に形成される従動側着磁部を備え、駆動側磁気部材と従動側磁気部材とは、駆動側磁気部材と従動側磁気部材とを対向方向から見たとき、駆動側着磁部と従動側着磁部との回転中心が一致すると共に該駆動側着磁部と従動側着磁部とが同心円上で重なり合うように配置されているものである。
また、駆動側着磁部および従動着磁部のそれぞれには、永久磁石のN極とS極とが円周方向に沿って交互に異極配列されており、該永久磁石の磁力を利用して、駆動側磁気部材から従動側磁気部材へ動力を伝達させるのが好ましい。
また、粘着ロールはワークのいずれか一方の表面に当接するように単数もしくは複数設けられており、伝達機構による動力の伝達は、1つの粘着ロールに対して行われるものとするのが好ましい。
また、粘着ロールが複数設けられている場合、動力が伝達された粘着ロールからそれ以外の粘着ロールへの動力の伝達はギアを介して行われるものとするのが好ましい。
また、ギアを円筒状の永久磁石から構成し、互いに隣接する該永久磁石同士の磁気吸引力を利用して動力の伝達を行うのが好ましい。
また、粘着ロールに付着した塵埃を転写する粘着テープロールを保持するテープ保持部を備えており、粘着テープロールは、隣接する2つの粘着ロールの双方に外接するように配置され、動力が伝達された粘着ロールからそれ以外の粘着ロールへの動力の伝達は粘着テープロールを介して行うのが好ましい。
本発明によると、除塵装置の従動側に伝達される駆動力の向上を図ると共に、該駆動力の安定化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る除塵装置の概略構成を透過的に示す側面図である。 図1中の要部の概略構成を正面から透過的に見た図である。 図2に示す回転駆動伝達機構部の構成を上面から透過的に見た図である。 図3に示す伝達機構の周辺の構成を上面から透過的に見た図である。 図2のA−A方向から回転駆動伝達機構部の一部の構成を透過的に見た図である。 図4に示す駆動側磁気カップリング部材もしくは従動側磁気カップリング部材を対向方向から見たときの着磁構成を示す図である。 図3中の可動フレームが押し込まれた状態における衝撃吸収機構の構成を示す図である。 図3中の可動フレームが引き抜かれて押出ロッドが飛び出している状態における衝撃吸収機構の構成を示す図である。 従来の除塵装置の駆動側磁気板と従動側磁気板との配置関係を説明するための図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る除塵装置1について、図面を参照しながら説明する。
(除塵装置の概略構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る除塵装置1の概略構成を透過的に示す側面図である。図2は、図1中の要部の概略構成を正面から透過的に見た図である。なお、以下の説明では、図1の左を「後(後ろ)」、図1の右を「前」、図1の上を「上」、図1の下を「下」、図1の紙面手前を「左」、図1の紙面奥を「右」とそれぞれ規定する。
本実施の形態に係る除塵装置1は、電子部品が実装されるプリント基板や液晶パネル等の各種の基板あるいは基板の原材料となるシート状部材等のワーク2の表面に付着した塵埃を除去するための装置である。具体的には、除塵装置1は、ワーク2を前方から後方に向かって搬送しながら、ワーク2の表面に付着した塵埃を除去するための装置である。
この除塵装置1は、図1および図2に示すように、ワーク2の上面に当接して塵埃を吸着する2本の第1粘着ロール4と、ワーク2の下面に当接して塵埃を吸着する2本の第2粘着ロール5と、粘着テープが巻回されるとともに2本の第1粘着ロール4に当接して第1粘着ロール4に付着した塵埃を取り除く第1粘着テープロール6と、粘着テープが巻回されるとともに2本の第2粘着ロール5に当接して第2粘着ロール5に付着した塵埃を取り除く第2粘着テープロール7と、ワーク2を搬送する2つの搬送ローラ8と、ワーク2を安定した状態で搬送するために第1粘着ロール4と搬送ローラ8との間に配置されるローラ部材9と、第1粘着ロール4および第2粘着ロール5等を回転駆動するための回転駆動伝達機構部10(図2参照)とを備えている。本実施の形態に係る除塵装置1では、ワーク2の上下両面の塵埃の除去が行われる。なお、以下では、第1粘着ロール4および第2粘着ロール5をまとめて表す場合には、粘着ロール4,5と表記する。
また、除塵装置1は、第1粘着ロール4が外周面に固定された回転軸11と、回転軸11の端部側を回転可能に支持する軸受ブロック12(図1および図2参照)と、第2粘着ロール5が外周面に固定された回転軸13と、回転軸13の端部側を回転可能に支持する軸受ブロック14(図2参照)と、第1粘着テープロール6が外周面に固定された回転軸15と、回転軸15の端部を回転可能に支持するテープ保持部となる軸受ブロック16と、第2粘着テープロール7が外周面に固定された回転軸17と、回転軸17の端部を回転可能に支持するテープ保持部となる軸受ブロック18と、搬送ローラ8が外周面に固定された回転軸19と、ローラ部材9が外周面に固定された回転軸21と、第1粘着テープロール6の上方の位置において、左右方向(図1の紙面手前奥方向)に伸びるように軸受ブロック16に固定される支持板22(図1および図2参照)と、支持板22に固定されるロッド23aを介して軸受ブロック16を上下方向へ移動させるシリンダ部材23と、第2粘着テープロール7の下方の位置において、左右方向(図1の紙面手前奥方向)に伸びるように軸受ブロック18に固定される支持板25(図1参照)と、支持板25に固定されるロッド26aを介して軸受ブロック18を上下方向へ移動させるシリンダ部材26と、左右方向(図1の紙面手前奥方向)の両面側に配置される本体フレーム30と、本体フレーム30に対して出し入れ可能な可動フレーム31とを備えている。
粘着ロール4,5は、表面に粘着力を有するシリコンゴム等のゴム部材によって形成されている。第1粘着ロール4と第2粘着ロール5とは上下方向で対向するように配置されており、第1粘着ロール4と第2粘着ロール5との間をワーク2が通過するように構成されている。図1に示すように、本実施の形態では、2本の第1粘着ロール4が所定の間隔をあけた状態で前後方向に隣接するように配置されている。同様に、2本の第2粘着ロール5が前後方向に所定の間隔をあけた状態で隣接するように配置されている。
第1粘着ロール4の回転軸11を支持する軸受ブロック12、および、第2粘着ロール5の回転軸13を支持する軸受ブロック14は、図2に示すように、左右方向の側面側に配置されている。軸受ブロック14は、可動フレーム31に固定されている。また、軸受ブロック12は、図2に示すように、後述のリニア機構32に案内されて軸受ブロック14に対して上下方向に相対移動可能となっている。軸受ブロック12の詳細な構成については後述する。
第1粘着テープロール6および第2粘着テープロール7には、粘着テープの粘着面が表側を向くように粘着テープが巻回されている。第1粘着テープロール6、第2粘着テープロール7はそれぞれ、第1粘着ロール4、第2粘着ロール5に当接して、第1粘着ロール4、第2粘着ロール5に付着した塵埃を取り除くように構成されており、第1粘着テープロール6、第2粘着テープロール7の粘着力が低下すると、粘着テープが順次剥がされていく。なお、第1粘着ロール4および第2粘着ロール5の粘着力よりも第1粘着テープロール6および第2粘着テープロール7の粘着力の方が大きいものとされている。
第1粘着テープロール6は第1粘着ロール4よりも上側に配置され、第2粘着テープロール7は第2粘着ロール5よりも下側に配置されている。また、前後方向では、2本の第1粘着ロール4の軸中心間の略中心位置と第1粘着テープロール6の軸中心とが一致するように、第1粘着テープロール6が配置され、2本の第2粘着ロール5の軸中心間の略中心位置と第2粘着テープロール7の軸中心とが一致するように、第2粘着テープロール7が配置されている。
軸受ブロック16,18は、左右方向の両面側に配置されている。また、スライド機構23,26も左右方向の両面側に配置されている。上述したように、支持板22の端部には、ロッド23aの一端が固定されている。また、支持板22には、軸受ブロック16の上端部が固定されている(図2参照)。さらに、図2に示すように、シリンダ部材23には下方に向かって延出する案内軸27が固定されている。この案内軸27の外側には、該案内軸27に対して上下方向に相対移動可能な保持部材28が配設されており、この保持部材28には支持板22の端部が上下方向に相対移動不能に挿通されている。
このため、シリンダ部材23への空気の供給にともない、ロッド23aが上昇もしくは下降すると、それに伴って支持板22も上下動する。保持部材28は案内軸27の軸方向に沿って上下方向に相対移動可能に固定されているため、保持部材28も支持板22と共に案内軸27に沿って上下動することになる。したがって、シリンダ部材23に空気が供給されると、支持板22および軸受ブロック16が上下動し、第2粘着テープロール6が上下方向に移動する。一方、シリンダ部材26にも、シリンダ部材23の場合と同様、上方に向かって延出する不図示の案内軸が固定されており、この案内軸の外側には、上下方向に相対移動可能な不図示の保持部材が配設されている。すなわち、第2粘着テープロール7を上下動させる機構の構成は、第1粘着テープロール6と第2粘着ロール5の中心軸線の略中心位置を軸として、第1粘着テープロール6を上下動させる機構の構成と対称構造を有している。
ワーク2の表面に付着した塵埃の除去を行う際には、シリンダ部材23に空気を供給し、ロッド23aおよび支持板22を下降させる。やがて、図1に破線で示すように、第1粘着テープロール6が第1粘着ロール4に当接して、第1粘着ロール4は、第1粘着テープロール6とともに、第2粘着ロール5に当接するまで下降する。
また、この際には、シリンダ部材26にも空気が供給され、ロッド26aおよび支持板25が上方向へ移動する。すると、図1に破線で示すように、第2粘着テープロール7は、第2粘着ロール5に当接するまで、軸受ブロック18とともに上昇する。
このように、第1粘着テープロール6が第1粘着ロール4に当接するとともに第1粘着ロール4が第2粘着ロール5に当接し、かつ、第2粘着テープロール7が第2粘着ロール5に当接した状態で、ワーク2の表面に付着した塵埃が除去される。具体的には、回転駆動伝達機構部10によって粘着ロール4,5が駆動されるとともに、搬送ローラ8が駆動され、第1粘着ロール4と第2粘着ロール5との間をワーク2が通過することで、ワーク2の表面に付着した塵埃が除去される。このとき、第1粘着ロール4および第1粘着テープロール6は、ワーク2の厚さに応じて上方向に移動する。
また、このときには、シリンダ部材23,26からの押圧力により、第1粘着テープロール6は所定の力をもって第1粘着ロール4に当接し、第2粘着テープロール7も所定の力をもって第2粘着ロール5に当接している。したがって、回転駆動伝達機構部10によって回転する第1粘着ロール4、第2粘着ロール5の回転に伴って、第1粘着テープロール6、第2粘着テープロール7も回転する。第1粘着テープロール6、第2粘着テープロール7が回転すると、第1粘着ロール4、第2粘着ロール5に付着した塵埃が第1粘着テープロール6、第2粘着テープロール7によって取り除かれる。
一方、ワーク2の表面に付着した塵埃の除去が終了すると、シリンダ部材23への空気の供給方向が切り替わり、ロッド23aおよび支持板22が上昇する。支持板22が上昇すると、軸受ブロック16とともに第1粘着テープロール6が上昇する(図1の実線参照)。第1粘着テープロール6が上昇すると、第1粘着ロール4は、後述するリニア機構32から受ける付勢力により上昇する。また、シリンダ部材26への空気の供給方向が切り替わり、ロッド26aおよび支持板25が下降する。支持板25が下降すると、軸受ブロック18とともに第2粘着テープロール7が下降する(図1の実線参照)。
搬送ローラ8は、ワーク2の下面に当接するように、除塵装置1の前端側および後端側に配置されている。この搬送ローラ8は、上述したように、回転駆動伝達機構部10によって回転駆動される。なお、搬送ローラ8の回転軸19は、本体フレーム30に固定される後述の固定フレーム33に取り付けられた軸受34によって回転可能に支持されている(図3参照)。ローラ部材9は、ワーク2の下面に当接するように、第2粘着ロール5と搬送ローラ8との間に上下方向に沿った軸を中心にして前後対称に一対に配置されている。なお、ローラ部材9の回転軸21は、可動フレーム31に取り付けられた軸受35によって回転可能に支持されている(図3参照)。
図2に示すように、回転駆動伝達機構部10は、除塵装置1の右端側に配置されている。この回転駆動伝達機構部10の構成および回転駆動伝達機構部10の周辺の構成の詳細を以下に説明する。
(回転駆動伝達機構部およびその周辺の構成)
図3は、図2に示す回転駆動伝達機構部10の構成を上面から透過的に見た図である。図4は、図3に示す伝達機構37の周辺の構成を上面から透過的に見た図である。図5は、図2のA−A方向から回転駆動伝達機構部10の一部の構成を透過的に見た図である。図6は、図4に示す駆動側磁気カップリング部材41もしくは従動側磁気カップリング部材42を対向方向から見たときの着磁構成を示す図である。図7は、可動フレーム31が押し込まれた状態における衝撃吸収機構40の構成を示す図である。図8は、可動フレーム31が引き抜かれて押出ロッド40bが飛び出している状態における衝撃吸収機構40の構成を示す図である。なお、図3では、第1粘着ロール4等の図示が省略されている。また、図5では、マグネットギア56,57および中間マグネットギア58の図示が省略されている。
回転駆動伝達機構部10は、図2および図3に示すように、粘着ロール4,5を回転駆動させる駆動モータ36と、駆動モータ36の動力を粘着ロール4,5へ伝達する伝達機構37と、駆動モータ36の動力を搬送ローラ8へ伝達するローラ伝達機構38と、本体フレーム30に固定される固定フレーム33と可動フレーム31との間に配置される2個の衝撃吸収機構40とを備えている。また、上述したように、除塵装置1は、回転駆動伝達機構部10の周辺の構成として、回転軸11の軸方向に直交する上下方向へ第1粘着ロール4を案内するためのリニア機構32を備えている。さらに、除塵装置1は、伝達機構37を構成する後述の駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42との間隔を調整するための不図示の間隔調整機構を備えている。
図3および図5に示すように、可動フレーム31は、左右方向に長手状に伸びる2つの長手フレーム部43と、第1粘着ロール4を軸支する軸受ブロック12と、第2粘着ロール5を軸支する軸受ブロック14が固定される可動フレーム部44とを有する。図5に示すように、可動フレーム部44は、側面視して、略矩形状の形態を有しており、前後の両端部近傍には下方に向かって三角状に突出する突出部44a,44aが形成されている。図5に示すように、可動フレーム部44の上方にはリニア機構32を介して軸受ブロック12が配設されている。このため、軸受ブロック12は、長手フレーム部43および可動フレーム部44とともに、固定フレーム33に対して引き出し可能となっている。
固定フレーム33は、略逆U字状の形態を有するU字フレーム部33a(図3参照)と、U字フレーム部33aのU字の内側において前後方向に架け渡される短手フレーム部33b(図3参照)とを有する。駆動モータ36は、図2および図3に示すように、出力軸36aが粘着ロール4側に向かって突出するように、固定フレーム33に固定されている。出力軸36aは円筒状の継手45を介して駆動軸46と連結されている。この駆動軸46は短手フレーム部33bに配置されるベアリング47に支持されながら短手フレーム部33bを左右方向に貫通している。
ローラ伝達機構38は、複数の歯車を備えた歯車輪列から構成されている。具体的には、駆動軸46に嵌め込まれた小径の駆動歯車50と、駆動歯車50と噛み合うように、駆動歯車50の前方に配置される中径歯車51と、駆動歯車50と噛み合うように、駆動歯車50の後方に配置される大径の大径歯車52と、中径歯車51と噛み合うように、中径歯車51の前方に配置される前ローラ歯車53と、大径歯車52と噛み合うように、大径歯車52の後方に配置される後ローラ歯車54と、から構成される。また、前ローラ歯車53および後ローラ歯車54は、搬送ローラ8の回転軸19に連結されている。なお、中径歯車51、大径歯車52、前ローラ歯車53および後ローラ歯車54のそれぞれは、短手フレーム部33bに軸支されている。
このような構成により、駆動モータ36の駆動力は、駆動軸46に固定された駆動歯車50を介して、中径歯車51および大径歯車52に伝達される。その後、中径歯車51および大径歯車52を介して、前ローラ歯車53および後ローラ歯車54にそれぞれ伝達される。その結果、回転軸19に駆動モータ36の駆動力が伝達され、搬送ローラ8が回転する。ここで、駆動歯車50と前ローラ歯車53との間には中径歯車51のみが介在されているため、駆動歯車50が固定されている駆動軸46の回転方向と、前ローラ歯車53に連結されている前側の回転軸19の回転方向は同方向となる。また、駆動歯車50と後ローラ歯車54との間には大径歯車52のみが介在されているため、駆動軸46の回転方向と、後ローラ歯車54に連結されている後側の回転軸19の回転方向は同方向となる。すなわち、駆動モータ36の駆動によって、駆動軸46と、前後方向側方に配置されている2つの搬送ローラ9は同方向に回転駆動される。
伝達機構37は、駆動モータ36に連結される駆動側磁気部材としての駆動側磁気カップリング部材41と、前方に配置される第2粘着ロール4に連結される従動側磁気部材としての従動側磁気カップリング部材42とから構成されている(図2〜図5参照)。この伝達機構37では、従動側磁気カップリング部材42と駆動側磁気カップリング部材41との間に生じる磁力(磁気吸引力)によって、駆動側磁気カップリング部材41側の動力が従動側磁気カップリング部材42側へ伝達される。
本実施の形態では、駆動側磁気カップリング部材41は、駆動モータ36の出力軸36aに連結される駆動軸46の左端部に固定されている。また、従動側磁気カップリング部材42は、前方に配置される第2粘着ロール5の回転軸13の右端に固定されている。なお、伝達機構37を構成する一対の駆動側磁気カップリング部材41および従動側磁気カップリング部材42は、共に略同一の継手状の形態を有している。
駆動側磁気カップリング部材41は、左端側の端面に磁極が形成された駆動側着磁部41aを備えている。駆動側着磁部41aは、図6に示すように、駆動側磁気カップリング部材41の回転中心を中心とする円環状に形成されている。具体的には、駆動側着磁部41aは、駆動側磁気カップリング部材41の径方向の端部側から中心に向かって所定の範囲に配置されるように形成されている。図6に示すように、本実施の形態では、駆動側着磁部41aは、周方向に沿って10分割されており、分割することによって形成された略台形状のそれぞれの領域に、S極とN極が円周方向に沿って交互に着磁されている。また、駆動側着磁部41aは、駆動側磁気カップリング部材41の中心軸線から径方向外方に向かって略放射状に着磁されている。なお、駆動側着磁部41aは、磁性部材からなる駆動側磁気カップリング部材41の表面に直接、着磁されることで形成されても良いし、着磁された板状部材を駆動側磁気カップリング部材41の左端側の面に固定して、駆動側着磁部41aとしても良い。
従動側磁気カップリング部材42は、右端側の端面に磁極が形成された従動側着磁部42aを備えている。従動側着磁部42aは、図6に示すように、従動側磁気カップリング部材42の回転中心を中心とする円環状に形成されている。すなわち、駆動側着磁部41aと同形状に形成されている。このため、従動側着磁部42aは、周方向に沿って10分割された略台形状のそれぞれの領域を有しており、該領域にS極とN極が円周方向に沿って交互に着磁されている。また、駆動側着磁部42aは、駆動側磁気カップリング部材42の中心軸線から径方向外方に向かって略放射状に着磁されている。なお、従動側着磁部42aは、磁性部材からなる従動側磁気カップリング部材42の表面に直接、着磁されることで形成されても良いし、着磁された板状部材を従動側磁気カップリング部材42の右端側の面に固定して、従動側着磁部42aとしても良い。
従動側磁気カップリング部材42と駆動側磁気カップリング部材41とは、所定の隙間を介して(たとえば、1cm等の比較的小さな間隔をあけて)互いに対向するように配置されている(図4参照)。具体的には、従動側磁気カップリング部材42および駆動側磁気カップリング部材41は、該従動側磁気カップリング部材42と駆動側磁気カップリング部材41とを対向方向(すなわち、左右方向)から見たとき、従動側着磁部42aと駆動側着磁部41aとが全範囲で重なるように配置されている。また、従動側磁気カップリング部材42および駆動側磁気カップリング部材41は、従動側着磁部42aおよび駆動側着磁部41aのそれぞれのN極とS極との領域が対向するように配置される。なお、従動側着磁部42aおよび駆動側着磁部41aを構成する永久磁石としては、たとえば、ネオジウム磁石を採用することができる。
このような配置構成により、駆動側着磁部41aと従動側着磁部42aとのN極とS極との間の磁気吸引力によって、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側に非接触でモータの回転トルクが伝達される。また、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aにおいて、N極およびS極に着磁された領域は、同じ略台形状を呈しているため、各N極とS極との領域を対向させることができる。このため、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側に向かって、大きな磁気吸引力を作用させることができる。その結果、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側へ効率良く駆動力を伝達することができる。
また、前方に配置される第2粘着ロール5の回転軸13には、略円筒形状のギアとなるマグネットギア56が配置されている。具体的には、該マグネットギア56は、回転軸13において従動側磁気カップリング部材42の左側に隣接するように配置されている。マグネットギア56は、永久磁石から形成されており、その外周面56aは滑らかな円周状の面に形成されている。一方、後方に配置される第2粘着ロール5の回転軸13にも、マグネットギア56と同形状のマグネットギア57が配置されている。具体的には、該マグネットギア57は、回転軸13の右端側に配置されている。マグネットギア57も、永久磁石から形成されており、その外周面57aは滑らかな円周状の面に形成されている。
図2および図4に示すように、マグネットギア56,57の間には、略円筒形状の中間マグネットギア58が介在されている。中間マグネットギア58は永久磁石から形成されており、その外周面58aは滑らかな円周状の面に形成されている。この中間マグネットギア58は、可動フレーム31に固定された支軸59(図4等参照)に回転可能に軸支されている。中間マグネットギア58は、マグネットギア56,57よりも下側に配置されている。また、前後方向では、マグネットギア56,57の軸中心間の略中心位置と中間マグネットギア58の軸中心とが一致するように、中間マグネットギア58が配置されている。このように、中間マグネットギア58はマグネットギア56,57よりも下方の位置において支軸59に軸支されている。なお、マグネットギア56,57および中間マグネットギア58を構成する永久磁石としては、たとえば、ネオジウム磁石を採用することができる。
また、中間マグネットギア58の外周面58aとマグネットギア56,57の外周面56a,56bとは近接しており、これらの間には磁気吸引力が作用している。このため、駆動軸46の駆動力が駆動側磁気カップリング部材41および従動側磁気カップリング部材42を介して前方側の回転軸13に伝達されると、その駆動力は、互いの磁気吸引力によって、マグネットギア56から中間マグネットギア58を介してマグネットギア57に伝達される。そして、マグネットギア57の回転とともに後ろ側の回転軸13も回転する。後ろ側の回転軸13には、前側の回転軸13の駆動力が、マグネットギア56,57の間に配置される1つの中間マグネットギア58を介して伝達される。このため、後ろ側の第2粘着ロール5は前側の第2粘着ロール5と同方向に回転することになる。
また、ワーク2を搬送させる際は、2本の第2粘着ロール5は第2粘着テープロール7によって下方から押圧されるため、第2粘着ロール5の双方の外周面と第2粘着テープロール7の外周面との間には摩擦力が作用する。したがって、前側の第2粘着ロール5を回転駆動させると、その駆動力は第2粘着テープロール7を介して後ろ側の第2粘着ロール5に伝達される。この第2粘着ロール5へ伝達される駆動力は、マグネットギア56,57との間に中間マグネットギア58を介して行われるものよりも大きなものとされている。
図5に示すように、リニア機構32は、可動フレーム部44に固定されるリニアシャフト60と、リニアシャフト60が挿通されることで図5における上下方向へ第1粘着ロール4を案内するリニアブッシュ61とを備えている。
リニアシャフト60は、たとえば、円柱状に形成された金属製のシャフトであり、可動フレーム部44に図5における上下方向を長手方向として固定されている。リニアブッシュ61は、たとえば、円筒状に形成された金属部材であり、内周側にボールを有するいわゆるリニアボールベアリングである。このリニアブッシュ61の内周側には、リニアシャフト60が挿通されている。また、このリニアブッシュ61は、軸受ブロック12の右方側(図5における紙面手前側)に固定されている。なお、リニアブッシュ61は、潤滑性を有する金属部材によって円筒状に形成された摺動ベアリングであっても良い。
図5に示すように、リニアブッシュ61は軸受ブロック12の右方に固定されると共に、リニアブッシュ61の内周側にリニアシャフト60が挿通されている。これより、軸受ブロック12はリニア機構32を介して、可動フレーム部44の上方に取り付けられていることになる。このため、軸受ブロック12は、リニア機構32に案内されて上下方向に移動可能となっている。
図5に示すように、軸受ブロック14は可動フレーム部44の上端部近傍における前後方向の略中央に固定されている。この軸受ブロック14には、上述したように、第2粘着ロール5の回転軸13が回転可能に支持されている。
上述したように、リニアブッシュ61の内側には、該リニアブッシュ61の内周面と隙間を有した状態でリニアシャフト60が挿通されている。リニアシャフト60の下端は可動フレーム部44に固定されている。一方、リニアシャフト60の上端部には大径の円盤状をした当接部60aが設けられている。該当接部60aはリニアブッシュ61の上端面に当接可能となっている。これにより、リニアブッシュ61が案内される上限位置が決められる。すなわち、当接部60aの位置により第1粘着ロール4の移動可能な上限位置が決められる。
さらに、リニアブッシュ61の下方には、圧縮バネ等に代表される弾性部材63がリニアシャフト60の外側を覆うように配設されている。すなわち、弾性部材63は、リニアシャフト60の外側を覆うようにリニアブッシュ61と可動フレーム部44との間に配設されている。このため、第1粘着テープロール6が第1粘着ロール4に当接していない状態では、弾性部材63の上側への付勢力により、リニアブッシュ61がリニアシャフト60の当接部61aと当接する上限位置まで移動した状態となる。また、リニアブッシュ61と共に移動する軸受ブロック12も上限位置まで移動した状態となる。このため、第1粘着テープロール6が第1粘着ロール4に当接していない状態では、第1粘着ロール4はリニアブッシュ61の案内可能な上限位置に位置保持される。
一方、第1粘着テープロール6を下降させて、該第1粘着テープロール6を第1粘着ロール4と当接させると、第1粘着ロール4および軸受ブロック12はリニア機構32によって下方向へ案内される。すると、第1粘着ロール4はワーク2の表面に当接し、その当接状態が維持される。このように、ワーク2の表面の塵埃を除去する際に、ワーク2の厚さに応じて第1粘着ロール4を上下方向へ円滑に移動させることができる。
図3、図7および図8に示すように、2個の衝撃吸収機構40は、シリンダ40aと、押出ロッド40bとを具備している。このうち、シリンダ40aは、図示省略の筒状部を有し、エア等の流体によって、押出ロッド40bに所定の押出力を及ぼす、いわゆるアクチュエータ(ショックアブソーバまたはダンパー)である。なお、シリンダ40aの内部では、エア以外の流体(例えばオイル等)を用いるようにしても良い。
本実施の形態では、図3に示すように、シリンダ40aが固定フレーム33に固定され、押出ロッド40bの先端が可動フレーム31の長手フレーム部43の他端部に当接可能となっている。また、図7に示すように、シリンダ40aの外周縁部は、可動フレーム31の他端部に当接可能となっていて、位置決めとしての機能を有している。以下、かかる位置決めとしての機能を有するシリンダの外周縁部を、位置決め部40cと称呼する。
軸受ブロック12,14等を介して可動フレーム31に取り付けられる粘着ロール4,5のメンテナンスを行うため、上述のように、可動フレーム31は、本体フレーム30に対して出し入れ可能となっている。すなわち、可動フレーム31は、本体フレーム30に固定された固定フレーム33に対して出し入れ可能となっている。具体的には、除塵装置1は、可動フレーム31を引き出すための引出レールやガイドローラ等を備えており、可動フレーム31は、左端側に向かって引き出すことができるように構成されている。
なお、可動フレーム31に対して、第1粘着ロール4,4が外周面に固定された回転軸11,11を支持する軸受ブロック12、回転軸13の端部に固定される従動側磁気カップリング部材42、第2粘着ロール5,5が外周面に固定された回転軸13,13を支持する軸受ブロック14、軸受ブロック12と軸受ブロック14が固定される可動フレーム部44との間に介在するリニア機構32が一体的に設けられている。そのため、可動フレーム31を引き出す場合、これらも一緒に引き出される。なお、以下の説明においては、必要に応じて、可動フレーム31と共に引き出されるものを、ロールユニットRYと称呼する。また、除塵装置1のうち、ロールユニットRY以外の部分は、装置本体に対応する。
この衝撃吸収機構40は、不図示のスイッチ等を押下することにより作動するような構成となっている。衝撃吸収機構40を作動させると、衝撃吸収機構40の押出ロッド40bは、可動フレーム31の他端部を押し出す。その押し出しにより、ロールユニットRYの引き出しを補助する力(アシスト力)が与えられる。すなわち、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42との間には、磁力による大きな吸着力が作用しており、ロールユニットRYを引き出す場合、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とを引き離す必要があるので、大きな引き出し力が必要となる。これに対して、押出ロッド40bが可動フレーム31の他端側を押し込むと、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とを引き離すのが補助されるので、作業者は、ロールユニットRYを引き出す際に、より少ない力で、当該ロールユニットRYを引き出すことが可能となる。
また、ロールユニットRYを差し込む場合、不図示の差込検出センサを介して、制御部が指令を与えると衝撃吸収機構40が作動する。なお、このように構成せずに、除塵装置1の電源オンの状態であって、駆動モータ36の停止状態において所定時間が経過したときに、衝撃吸収機構40を自動的に作動させるようにしても良い。
この衝撃吸収機構40が作動すると、衝撃吸収機構40の押出ロッド40bは、所定の押圧力を受けて、図8に示すように飛び出している状態となる。この状態で、作業者がロールユニットRYを差し込むと、いずれ可動フレーム31の他端部に対して、押出ロッド40bの先端が衝突する。このとき、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とは、十分に近接した状態となるので、両者の間には、磁力による吸着力が作用し始める。
その状態でも、さらに作業者がロールユニットRYを差し込むと、可動フレーム31の他端部は、押出ロッド40bを押し込んでいく。すると、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とは、徐々に近接していくので、両者の間の磁力による吸着力は、徐々に増大していく。一方、押出ロッド40bを押し込んでいくと、シリンダ40aの内部でエアが圧縮されていくが、押し込みに対する反力(圧縮力)は、一定圧力で維持される。そのため、エアの圧縮力によって、磁力による吸着力が軽減される状態となる。
このような衝撃吸収機構40の作用により、ロールユニットRYを差し込む際に、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42との間の磁力により、ロールユニットRYが急激に引き込まれ、除塵装置1に衝撃を及ぼさせる状態となるのを防止できる。
以上のように構成された回転駆動伝達機構部10では、駆動モータ36が回転して、駆動側磁気カップリング部材41が、たとえば、図6の時計方向に回転すると、従動側磁気カップリング部材42との間に生じる磁気吸引力によって、従動側磁気カップリング部材42が駆動側磁気カップリング部材41と同じ回転速度で図6の時計方向(図1の反時計方向)に回転して、駆動モータ36の動力が第2粘着ロール5へ伝達される。具体的には、従動側磁気カップリング部材42が回転すると、従動側磁気カップリング部材42とともにマグネットギア56および前側の回転軸13も回転する。また、前側の回転軸13ととともに前側の第2粘着ロール5が回転する。さらに、マグネットギア56と中間マグネットギア57との間に発生する磁気吸引力によって中間マグネットギア58は、マグネットギア56の回転方向と逆方向(図1の時計方向)に回転する。また、中間マグネットギア58が回転すると、中間マグネットギア58とマグネットギア57との間の磁気吸引力によってマグネットギア58は、中間マグネットギア57の回転方向と逆方向(図1の反時計方向)、すなわちマグネットギア56と同方向に回転する。このため、後側の回転軸13ととともに後側の第2粘着ロール5が前側の第2粘着ロール5と同方向(図1の反時計方向)に回転する。また、マグネットギア56,58は同じ形状とされているので、第2粘着ロール5,5は同じ回転速度で回転する。
また、ワーク2の塵埃の除去を行っている際には、第2粘着ロール5,5の駆動力がワーク2を介して第1粘着ロール4,4に伝達され、第1粘着ロール4,4は第2粘着ロール5と同じ回転速度で、該第2粘着ロール5と逆方向(図1の時計方向)に回転する。一方、ワーク2の除塵を行う際は、2本の第2粘着ロール5は第2粘着テープロール7によって下方から押圧されるため、第2粘着ロール5の双方の外周面と第2粘着テープロール7の外周面との間には摩擦力が作用する。したがって、前側の第2粘着ロール5の回転駆動力は第2粘着テープロール7を介して後ろ側の第2粘着ロール7に伝達される。このため、該摩擦力によっても、後側の第2粘着ロール5は前側の第2粘着テープロール7と同じ回転速度で同方向に回転駆動される。さらに、2本の第1粘着ロール4は第1粘着テープロール6によって上方から押圧されるため、第1粘着ロール4の双方の外周面と第1粘着テープロール6の外周面との間には摩擦力が作用する。このため、第2粘着ロール5から第1粘着ロール4に伝達された回転駆動力が第1粘着テープロール6に伝達され、該第1粘着テープロール6が第1粘着ロール4と逆方向(図1の反時計方向)に回転する。
(本実施の形態の主な効果)
以上のように構成された除塵装置1では、駆動モータ36の動力を第2粘着ロール5へ伝達する伝達機構37が、一対をなす駆動側磁気カップリング部材41と、従動側磁気カップリング部材42とから構成されている。また、駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とは、従動側着磁部42aと駆動側着磁部41aとが全範囲で重なるように配置されている。このため、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側に向かって、大きな磁気吸引力を作用させることができ、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側へ効率良く駆動力を伝達することが可能となる。したがって、駆動モータ36から粘着ロール4,5等を備える従動側に伝達される動力を向上させることができると共に、従動側に伝達される動力の安定化を図ることが可能となる。
また、除塵装置1では、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aは、周方向に向かって10分割され、当該分割された領域にS極とN極が円周方向に沿って交互に着磁されている。このように、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aは、多数の同じ略台形状を呈する領域に分割され、各N極とS極の領域が互いに対向するように構成されている。このため、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側に向かって、大きな磁気吸引力を作用させることが可能となる。その結果、駆動側磁気カップリング部材41側から従動側磁気カップリング部材42側へ大きな駆動トルクを伝達することができ、従動側磁気カップリング部材42を駆動側磁気カップリング部材41に追従させて、該駆動側磁気カップリング部材41と同じ回転速度で回転駆動させることが可能となる。したがって、駆動モータ36から粘着ロール4,5等を備える従動側に充分な動力を伝達することができると共に、従動側に伝達される動力の安定化を図ることが可能となる。特に、従来の大径の駆動側磁気板70と小径の従動側磁気板71,72とから伝達機構を構成する場合と比較して、広範囲においてN極とS極を対向させることができるため、たとえば、従来の場合と比較して、約21倍の大きさの磁気吸引力を従動側磁気カップリング部材42と駆動側磁気カップリング部材41との間に作用させることが可能となる。したがって、駆動モータ36から粘着ロール4,5等へ大きなトルクを安定した状態で伝達させることが可能になる。その結果、ワークやテープ等の条件に影響を受けることなく、塵埃を除去するために必要なトルクを得ることができる。
また、除塵装置1では、前方に配置される第2粘着ロール5に伝達された駆動力は、マグネットギア56、中間マグネットギア58およびマグネットギア57の間に作用する磁気吸引力を利用して後方に配置される第2粘着ロール5に伝達される。このため、後方の第2粘着ロール5に伝達される動力の安定化を図ることが可能となる。
また、除塵装置1では、ワーク2の除塵を行う際は、2本の第2粘着ロール5は第2粘着テープロール7によって下方から押圧される。このため、第2粘着ロール5,5の双方と第2粘着テープロール7との間には摩擦力が作用する。したがって、前側の第2粘着ロール5の回転駆動力を、第2粘着テープロール7を介して後ろ側の第2粘着ロール7に伝達することが可能となる。このため、後側の第2粘着ロール5に、駆動モータ36の駆動力を確実に伝達することができる。
また、除塵装置1では、駆動モータ36に連結される駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とは、所定の隙間を有するように対向配置されている。そのため、本実施の形態の伝達機構37には、塵埃の発生原因となりうる歯車の噛合部分等が存在しないことになる。その結果、除塵装置1では、塵埃の発生を抑制することができる。
また、除塵装置1では、一対の駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とを互いに対向配置させている。そのため、伝達機構37の構成が簡素化され、除塵装置1の構成を簡素化を図ることが可能となる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
上述の実施の形態では、マグネットギア56,57および中間マグネットギア58は、滑らかな外周面を有する略円筒状のギアとしたが、マグネットギア56,57および中間マグネットギア58の形状は円筒状に限定されるものではなく、たとえば、歯を有するギアとしても良い。また、マグネットギア56,57および中間マグネットギア58を永久磁石から形成せずに、たとえば、金属等の他の部材から形成するようにしても良い。また、第2粘着ロール間の動力の伝達方法は、ギアを用いた方法に限定されることはなく、ベルト等を用いた他の方法を採用しても良い。
また、上述の実施の形態では、伝達機構37は、隙間を有して配置される駆動側磁気カップリング部材41と従動側磁気カップリング部材42とから構成されているが、伝達機構37は、非接触で配置されるカップリング部材41,42から構成することに限定されるものではなく、たとえば、接触式のカップリングを用いて駆動モータ36の動力を従動側に伝達するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、ローラ部材9には動力が伝達されないような構成とされているが、ローラ部材9を駆動モータ36等の動力によって駆動するような構成としても良い。また、ローラ部材9の代わりに、たとえば、マグネット式のギアもしくは歯車等の他の部材を用いることにより、搬送ローラ8に伝達される動力を回転軸21に伝達させるような構成としても良い。また、回転軸19,21間にベルトを張設することによって、搬送ローラ8に伝達される動力を回転軸21に伝達させるような構成としても良い。
また、上述の実施の形態では、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aは、周方向に向かって10分割されているが、分割数は10個に限定されるものではない。また、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aは、駆動側磁気カップリング部材41および従動側磁気カップリング部材42の対向面の全面に設けられているが、たとえば、当該対向面における同心円上の一部に設けるようにしても良い。また、駆動側着磁部41aと従動側着磁部42aとは互いに全範囲において重なるように形成されているが、駆動側着磁部42aと従動側着磁部42aとが一部分において重なるように形成しても良い。
また、上述の実施の形態では、駆動側磁気カップリング部材41は、継手45を介して駆動軸46に固定されているが、継手45を介することなく、駆動モータ36の出力軸36aに直接固定するような構成としても良い。また、駆動側磁気カップリング部材41と出力軸36aとの間に2つ以上の継手を介するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、伝達機構37は前側に配置される第2粘着ロール5を駆動させる構成とされているが、このような構成に限定されるものではなく、たとえば、後側に配置される第2粘着ロール5を駆動させるような構成としても良いし、第1粘着ロール4を駆動させる構成としても良い。また、前後に配置される2本の第2粘着ロール5を個別に駆動させるような構成にしても良い。
また、上述の実施の形態では、除塵装置1は、2本の第1粘着ロール4と2本の第2粘着ロール5とを備えている。この他にもたとえば、除塵装置1は、4本の第1粘着ロール4と4本の第2粘着ロール5を備えていても良い。この場合には、除塵装置1が2個の駆動モータ36を備え、2対の駆動側磁気カップリング部材41および従動側磁気カップリング部材42を配置するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aは円環状に形成されているが、駆動側着磁部41aおよび従動側着磁部42aをそれぞれ円板状に形成しても良い。
また、上述の実施の形態では、除塵装置1では、ワーク2の上下両面の塵埃の除去が行われている。この他にもたとえば、除塵装置1が、第1粘着ロール4または第2粘着ロール5のいずれか一方のみを備え、除塵装置1で、ワーク2の片面のみの塵埃の除去が行われても良い。
1…除塵装置
2…ワーク
4…第1粘着ロール(粘着ロール)
5…第2粘着ロール(粘着ロール)
6…第1粘着テープロール(粘着テープロール)
7…第2粘着テープロール(粘着テープロール)
11…回転軸
13…回転軸
13…回転軸
18…軸受ブロック
36…駆動モータ
37…伝達機構
41…駆動側磁気カップリング部材(駆動側磁気部材)
41a…駆動側着磁部
41…従動側磁気カップリング部材(従動側磁気部材)
41a…従動側着磁部
56…マグネットギア
57…マグネットギア
58…中間マグネットギア

Claims (6)

  1. ワークを搬送しながら上記ワークの表面に付着した塵埃を除去する除塵装置において、
    上記ワークの表面に当接して上記ワークの表面に付着している塵埃を吸着する粘着ロールと、上記粘着ロールを回転駆動する駆動モータと、上記駆動モータの動力を上記粘着ロールへ伝達する伝達機構と、を備え、
    上記伝達機構は、上記駆動モータに連結される駆動側磁気部材と、上記駆動側磁気部材と一対をなすと共に、該駆動側磁気部材と所定の間隔をあけて対向配置される従動側磁気部材とから構成され、
    上記駆動側磁気部材は、上記駆動側磁気部材の回転中心を中心として円板状または円環状に形成される駆動側着磁部を備え、上記従動側磁気部材は、上記従動側磁気部材の回転中心を中心として円板状または円環状に形成される従動側着磁部を備え、
    上記駆動側磁気部材と上記従動側磁気部材とは、上記駆動側磁気部材と上記従動側磁気部材とを対向方向から見たとき、上記駆動側着磁部と上記従動側着磁部との回転中心が一致すると共に該駆動側着磁部と従動側着磁部とが同心円上で重なり合うように配置されていることを特徴する除塵装置。
  2. 請求項1記載の除塵装置において、
    前記駆動側着磁部および前記従動着磁部のそれぞれには、永久磁石のN極とS極とが円周方向に沿って交互に異極配列されており、該永久磁石の磁力を利用して、前記駆動側磁気部材から前記従動側磁気部材へ動力を伝達させることを特徴とする除塵装置。
  3. 請求項1または2記載の除塵装置において、
    前記粘着ロールは前記ワークのいずれか一方の表面に当接するように単数もしくは複数設けられており、前記伝達機構による動力の伝達は、1つの粘着ロールに対して行われることを特徴とする除塵装置。
  4. 請求項3記載の除塵装置において、
    前記粘着ロールが複数設けられている場合、
    前記動力が伝達された前記粘着ロールからそれ以外の前記粘着ロールへの前記動力の伝達はギアを介して行われることを特徴とする除塵装置。
  5. 請求項4記載の除塵装置において、
    前記ギアを円筒状の永久磁石から構成し、互いに隣接する該永久磁石同士の磁気吸引力を利用して前記動力の伝達が行われることを特徴とする除塵装置。
  6. 請求項3記載の除塵装置において、
    さらに、前記粘着ロールに付着した前記塵埃を転写する粘着テープロールを保持するテープ保持部を備えており、
    上記粘着テープロールは、隣接する2つの前記粘着ロールの双方に外接するように配置され、前記動力が伝達された前記粘着ロールからそれ以外の前記粘着ロールへの前記動力の伝達は上記粘着テープロールを介して行われることを特徴とする除塵装置。
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