JP5229601B2 - 抗菌性マットおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、抗菌性マットと、その製造方法に関するものである。
より詳しくは、優れた抗菌性を示し、その抗菌性を長時間持続することができる抗菌性マット、特に抗菌性ダストコントロールマットと、この抗菌性ダストコントロールマットに関するもので、マット製造技術に属するものである。
種々の用途を有するマットの一つに、靴底等に付着した屋外のダスト類を屋内に侵入することを防止するために用いられるものとして、ダストコントロールマットと称されるものがある。
このダストコントロールマットは、レンタルなども含め広く使用されているもので、通常、基布にパイルがタフトされた原反の裏側に、ゴムシートを固着させた一体化型のものとしたものが多く使用され、前記パイルを構成する繊維には、ナイロンが多く使用されている。
このようなダストコントロールマットを含め、従来、各種マットに抗菌性を持たせるために、種々の抗菌剤がマットを構成する素材に用いられている。
例えば、特開2001−149299公報(特許文献1)には、紡糸用ナイロンを用いたマットに抗菌性を持たせるために、銀系無機抗菌剤を使用すること、また、抗菌剤は、マスターバッチ方式で利用することが開示されている。
一方、各種マットの原料としても用いられるポリエステル繊維に抗菌性を付与することも種々提案されている。
例えば、特開2004−360091号公報(特許文献2)には、抗菌剤金属成分が、銀あるいは銀と亜鉛、銅、バリウム、マグネシュウム、ニッケルより選ばれる、少なくとも一種の金属成分である無機系抗菌剤を使用することが開示されている。
方、近年、エコロジカルの観点から、製品のリサイクルが強く求められている。
例えば、特開2002−165749公報(特許文献3)には、ポリエステルボトルから再生された再生ポリエステル樹脂からなるパイルに、特定の温度をかけると発現する特有の縮みを利用した、低パイルと高パイルとでデザイン化したレンタルマットが示されている。
さらに、特開2003−10096公報(特許文献4)には、再生ポリエステルから調製されたループパイルとカットパイルを、オレフィン系熱可塑性エラストマーに熔着させてなるダストコントロールマットが示されている。
このように、各種マットの製造に、ポリエステルボトルなどのポリエステル成形品をリサイクルして製造された、再生ポリエステル樹脂によるフィラメント(繊維)を用いることが開示されている。
これら再生ポリエステル樹脂からなる繊維を使用したダストコントロールマットは、ナイロン繊維を使用ダストコントロールマットに比べ、繰り返し洗浄後のパイルの縮みや劣化、すなわち、マットの外観の変化がほとんどなく、長期間の使用に適しているという特性を有している。
発明者は、これら再生ポリエステル樹脂を使用したマット、特に、ダストコントロールマットに抗菌性を持たせるために開発を行い、前記したような銀系無機抗菌剤を用いることを検討した。
しかしながら、前記した再生ポリエステル樹脂からなる長繊維に抗菌剤を練込んで紡糸した場合、樹脂表面に抗菌剤が均一に現れず、マット作成中にその抗菌力が低下したり、繰り返し洗浄を行うことにより、さらに抗菌力が低下し、銀系無機抗菌剤が本来持つ、優れた抗菌効果を十分に発揮する製品を得ることができなかった。
特開2001−149299号公報(特許請求の範囲) 特開2004−360091号公報(特許請求の範囲) 特開2002−165749号公報(特許請求の範囲) 特開2003−010096号公報(特許請求の範囲)
前記のような状況下において、発明者等は、マット作成中に抗菌力が低下せず、無機系抗菌剤が本来持つ、優れた抗菌性を十分に発揮でき、繰り返し洗浄を行っても、その抗菌力が低下しない抗菌性マット、特に抗菌性ダストコントロールマットを、再生ポリエステル樹脂を紡糸してなる繊維を用いて提供することを目的として開発を行った。
さらに、発明者らは、前記マットの作成中に起こる抗菌力の低下は、前記繊維の表面に無機系抗菌剤が均一に現れていないことが主な原因と考え、前記繊維表面に多くの無機系抗菌剤が均一に現れることにつき、鋭意研究を行った。
その結果、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤を混合した無機系抗菌剤混合物を使用することによって、さらには、リサイクルして製造された再生ポリエステル樹脂を用いることにより、優れた効果が奏されるマットが得られ、前記目的を達成することができることを見出し、この発明を完成させた。
すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
抗菌剤が混練りされたポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して得られる、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸が、基布にタフトされたマット主体からなるもので、
前記抗菌剤は、
銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物から構成され、
前記ポリエステル樹脂組成物は、
再生ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂からなること
を特徴とする抗菌性マットである。
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の抗菌性マットにおいて、
前記抗菌剤の含有量は、
前記ポリエステル樹脂組成物に対し、0.5〜2.0質量%であること
を特徴とするものである。
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の抗菌性マットにおいて、
前記マット主体は、
裏面に銀系無機抗菌剤又は亜鉛系無機抗菌剤を0.5〜5.0質量%含有したNBRゴム、NR/SBR発泡体、又はEVA樹脂のバッキング層を有していること
を特徴とするものである。
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性マットにおいて、
前記抗菌性マットは、
抗菌性ダストコントロールマットであること
を特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項5に記載の発明は、
銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物と、紡糸用ポリエステル樹脂を混練りして得られるマスターバッチと、再生ポリエステル樹脂および紡糸用ポリエステル樹脂とを混練してポリエステル樹脂組成物を生成し
得られたポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを調製し、
前記マルチフィラメントを撚り合わせてパイル糸とし、基布にタフトすること
を特徴とする抗菌性マットの製造方法である。
この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の抗菌性マットの製造方法において、
前記銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤との混合物は、
銀系無機抗菌剤の割合が30質量%以上であること
を特徴とするものである。
この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項5又は6に記載の抗菌性マットの製造方法において、
前記銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤との混合物混合物は、
前記ポリエステル樹脂組成物中に対する混合割合が、20質量%以下であること
を特徴とするものである。
この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項5〜7のいずれかに記載の抗菌性マットの製造方法において、
前記ポリエステル樹脂組成物は、
再生ポリエステル樹脂が50質量%以上、紡糸用ポリエステル樹脂が50質量%以下の割合で混練されていること
を特徴とするものである。
この発明にかかる抗菌性マットは、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物が混練りされたポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して得られるマット主体において、前記ポリエステル樹脂組成物を再生ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂とで生成することによって、洗濯を重ねても抗菌効果を十分に発揮し、かつその抗菌効果の持続性が失われることがないので、ダストコントロールマットとして用いるのに好適なものである。
一方、この抗菌性マットの製造方法によれば、前記ポリエステル樹脂組成物として、ポリエステルボトル、いわゆるペットボトルなどの再生ポリエステル樹脂を有効に行うことを可能にするものである。
この発明の抗菌性マットは、抗菌剤として銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤が添加され、樹脂が再生ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂組成物を紡糸して得られた、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸を、基布にタフトしてなるマット主体からなるものである。
フィラメントを形成するために、紡糸用ポリエステルのみを使用するのでなく、再生ポリエステル樹脂を混練して使用するものである。
前記紡糸用ポリエステルとしては、ポリエステル繊維の原料として広く用いられているもの、あるいは、特開2001−98422号公報に記載のような改良品などが、幅広く用いられる。
前記ポリエステル樹脂組成物に添加される、抗菌剤としての銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤も市販されているものも含め、繊維用に使用することが可能なものであれば特に限定はない。
前記銀系無機抗菌剤としては、例えば、銀を担持したアルミナ、シリカゲル、ゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、チタン酸カリウム、ハイドロタルサイト、ガラスなどが例示できる。
前記亜鉛系抗菌剤としては、亜鉛を高濃度で含有するアルミナ、シリカゲル、ゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、チタン酸カリウム、ハイドロタルサイト、ガラスおよび酸化亜鉛などが例示できる。
前記亜鉛含有ガラス、抗菌性能の耐久性が発現し易いことから、この発明にとり好ましい抗菌剤である。
この抗菌剤の添加されたポリエステル樹脂組成物は、溶融紡糸によりマルチフィラメントとされ、マルチフィラメントが撚り合わされて形成されたパイル糸を、基布にタフトしてマット主体とするものである。
その際のフィラメントの太さは、マット用としての太さは、2〜50dT、好ましくは2〜10dTの単糸のフィラメントである。
溶融紡糸されるポリエステル樹脂組成物は、マスターバッチ方式により調製するのが、目的とする抗菌性付与のために好ましい。
マスターバッチ方式としては、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物と、紡糸用ポリエステル樹脂を混練りして得られる樹脂組成物、すなわち、マスターバッチに、再生ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂とを混練してポリエステル樹脂組成物とするものである。
マスターバッチにおける銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物としては、銀系抗菌剤含有量が20質量%以上含有しているものが好ましく、より好ましくは30〜50質量%の銀系無機抗菌剤を含有している混合物である。
マスターバッチにおける抗菌剤とポリエステル樹脂組成物の割合は、抗菌剤が20質量%以下であるのが好ましい。
より好ましくは、5〜20質量%の抗菌剤とポリエステル樹脂組成物80〜95質量%を混練することにより、マスターバッチとするのが好ましい。
マスターバッチ方式における、抗菌剤とポリエステル樹脂組成物の混練は、両者が均一に混練することができれば、公知のいずれの混練機を使用してもよく、ポリエステル樹脂を溶融して行う溶融混練法も採用できる。
なお、前記抗菌剤とポリエステル樹脂組成物の混練に先立って、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物の存在下又は不存在下でポリエステル樹脂を粉砕するのは、有効な手段である。
ポリエステル樹脂組成物と無機抗菌剤を混練する際に、顔料その他の通常添加される物質を共存させてもよい。
この発明の抗菌性マットは、前記のようにして調整されたマスターバッチと、再生ポリエステル樹脂を50質量%以上、好ましくは50〜90質量%含有した紡糸用ポリエスル樹脂とを混練することにより製造することができる。
前記再生ポリエステル樹脂としては、先に述べたように、使用済みポリエステルボトル等のポリエステル成形品からリサイクルされた、ポリエステル樹脂のフレークを使用することができる。
前記紡糸用ポリエステル樹脂は任意のものが使用できるが、マスターバッチを調整する際に使用されるポリエステル樹脂と同種のものを用いることが好ましい。
この発明におけるポリエステル樹脂組成物は、前記マスターバッチと前記再生ポリエステル樹脂を50%質量以上、好ましくは50〜90質量%含有した紡糸用ポリエステル樹脂とを共に混練したものである。
前記マスターバッチと前記再生ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂組成物中の含有量が0.5〜2.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲となるような割合に、無機抗菌剤を含有させる状態で使用される。
前記マスターバッチと、再生ポリエステル樹脂および紡糸用ポリエステル樹脂との混練は、両者が均一に混練することができれば、公知のいずれの混練機を使用してもよい。
前記マスターバッチと再生ポリエステル樹脂および紡糸用ポリエステル樹脂とを混練する際に、酸化防止剤等の添加剤を同時に用いて混練することができる。
さらに、紡糸用ポリエステルと顔料からなるマスターバッチを同時に用いて混練してもよい。
前記ポリエステル樹脂組成物を紡糸して、抗菌性マット用繊維とするには、通常の紡糸方法で製造することができ、そのフィラメント(単糸)の太さは、前記したように2〜50dT、好ましくは2〜10dTである。
溶融紡糸された抗菌性マット用繊維(単糸)の、複数本からなるマルチフィラメントを撚ってなるパイル糸を、基布にタフトして抗菌性のマット主体とする。
前記パイル糸の太さは、通常、1,000〜2,500dTである。
その際、前記単糸の10〜100倍の太さのモノフィラメントを1本もしくは複数本、該マルチフィラメントと撚ってパイル糸とすることもできる。
前記パイル糸をタフトする基布としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維からなる織布もしくは不織布が使用される。
マットがダストコントロール用の場合、耐熱性及び寸法安定性が求められることから、その構成繊維は、ポリエステル製であることが好ましい。
織布の場合、その織り方については、平織り、綾織り等限定されるものではない。
パイル糸を基布にタフトする方法としては、タフテッド、フック等の従来の手法が採用される。
その形状は、レベルカット、カットアンドループ、オールループ、ハイカットローカット等限定されるものではない。
タフト密度は、1インチ当たりのゲージ数及びステッチ数は5〜12、パイル長さは4〜15mmが好ましい。
この発明の抗菌性マットは、前記のようにパイル糸が基布にタフトされたマット主体を有することを特徴とする。
その際、裏面に滑り止めや型崩れ防止のためバッキング基材として、NBRゴム、NR/SBR発泡体又はEVA樹脂などの合成樹脂を用いることが好ましく、特に、耐久性の点からNBRゴムが好ましい。
このバッキング基材には、必要に応じて加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、着色剤、老化防止剤、充填剤、分散剤等の公知の添加剤が配合される。
さらに、この発明において、前記バッキング基材に銀系無機抗菌剤又は亜鉛系無機抗菌剤が0.5〜5.0%添加され含有していることが好ましい。
より好ましくは、銀系無機抗菌剤又は亜鉛系無機抗菌剤を、0.5〜3.0質量%含有しているものである。
バッキング基材に添加される抗菌剤としては、前記したポリエステル樹脂組成物に使用されるものとして例示されたものが同じく使用可能である。
以下、この発明の抗菌性マットを、実施例により詳細に説明する。
<抗菌剤の調整>
硫酸ジルコニウムの水溶液燐酸二水素ナトリウムの水溶液を、ジルコニウムと燐の比が2:3になるように混合することにより沈殿物を生成させ、水酸化ナトリウムの水溶液を用いてpHを2に調整した後、水熱状態下、温度150℃で24時間加熱することにより結晶性燐酸ジルコニウムを得た。
この結晶性燐酸ジルコニウムを硝酸銀の水溶液に添加し、室温で4時間攪拌した後、十分に水洗し、乾燥して得た粉末を温度800℃で4時間焼成した後、軽く粉砕することにより銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤を得た。
ZnO/55モル%、B/28モル%、Al/1モル%、NaO/7モル%およびSiO/9モル%を混合した原料調合物を温度1,000〜1,400℃で加熱溶融しガラスを作成後、得られたガラスをボールミルにて湿式粉砕後して亜鉛系ガラス抗菌剤を得た。
得られた銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤30%と、亜鉛系ガラス抗菌剤70%をよく混合し、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の抗菌剤混合物を調製した。
ポリエステル樹脂組成物の調整>
ポリエステル樹脂を80kg、加熱して攪拌しながら温度280℃に保ち、これに前記で調整した無機系抗菌剤の混合物20kgを投入し、さらに所定時間攪拌を続けた後、冷却してペレットとした抗菌剤入りマスターバッチ(樹脂組成物)を調製した。
紡糸用ポリエステル樹脂40kg、所定量の緑色顔料と前記紡糸用ポリエステル樹脂から調整したマスターバッチ5kg、再生ポリエステル樹脂50kg、前記で調整した抗菌剤入りマスターバッチを5kg、さらに酸化防止剤を200ppm混合し、ポリエステル樹脂組成物とした。
<抗菌性マットの作成>
前記で得たポリエステル樹脂組成物を、通常の溶融紡糸法で5dTの単糸を紡糸し、このものを捲縮加工して1,440dTのマルチフィラメントとし、これを2本用い、下撚り160回、上撚り160回行い、ヒートセットしてパイル糸とした。
このパイル糸を、目付け質量120g/mのポリエステル製不織布に、ゲージ:1/8インチ(0.32cm)、ステッチ:8本/インチ(2.54cm)、パイル長:10mmのカットパイル条件でタフトしてマット主体(原反)を作製した。
このマット主体に、乾燥後の樹脂目付けが80g/mとなるように、NBRラテックスを塗布し、乾燥してパイル抜け防止処理を行った。
このマット主体のNBRラテックス塗布面に、加硫剤および加硫促進剤を含有する厚さ1.5mmのNBRゴムシートを載せ、温度150℃で15分間、5kg/cm(490kPa)の圧力プレスすることにより接着、加硫を行って、一体型抗菌性ダストコントロールマットを作製した。
NBRゴムシートに、亜鉛系ガラス抗菌剤を1質量%配合した以外は、実施例1と同様にして抗菌性ダストコントロールマットを作製した。
<比較例1>
銀系/亜鉛系混合抗菌剤の代わりに、銀系無機抗菌剤を用いた以外は、実施例1と同様にして抗菌剤入りのマスターバッチを調製し、このマスターバッチを用いた以外は、実施例1と同様にして抗菌性ダストコントロールマットを作製した。
<比較例2>
再生ポリエステル樹脂の代わりに、紡糸用ポリエステルを用いた以外は、実施例1と同様にして抗菌性ダストコントロールマットを作製した。
実施例1及び比較例1〜2で得られた抗菌性ダストコントロールマットについて、抗菌力試験を下記の要領で行い、それらの結果を表1に示した。
<抗菌力試験1>
75cm×90cmの各マット、さらにこれらのマットを、アルカリ性洗剤の0.1%水溶液中で10分間洗濯した。
その後、すすぎ(10分)、脱水(5分)、乾燥(30分)する工程を1回とし、これを100回行ったものそれぞれにつき、JIS L 1902−20008.定量試験に準拠してパイル部分(繊維部分)のみを切り取り、黄色ブドウ球菌を菌種として使用し、抗菌力試験を行った。
Figure 0005229601
<抗菌力試験2>
抗菌力試験1において、試験に供する試験片をパイル部分のみを切り取るのではなく、バッキングごと約2cm×2cmに切り取り、上部(パイル部分)から菌液を滴下した以外は、抗菌力試験1と同様の操作で試験を行った。その結果を表2に示した。
Figure 0005229601
抗菌力試験1の評価方法において、繊維評価技術協議会の制菌加工の基準「殺菌活性値0以上に対する適合性」を用いて判断すると、実施例1のマットは洗濯前及び100回洗濯後も適合となり、抗菌性能を持続している。
一方、比較例1のマットは、洗濯前においてすでに適合しておらず、抗菌性能がないことが判る。
比較例2のマットは、洗濯前では適合するものの、100回洗濯後は適合しておらず、抗菌性能持続性を有しない。
さらに、抗菌力試験2の評価方法による、マットの形体で試験した場合においても、実施例1と2のマットのみが、殺菌活性値で0以上の効果が洗濯前及び選択後でも得られ、抗菌性能を持続するものである。
この発明の抗菌性マットは、マット作成中に抗菌力が低下せず、無機系抗菌剤が本来持つ、優れた抗菌性を十分に発揮でき、繰り返し洗浄を行ってもその抗菌力が低下しないものであるため、ホテル、デパート、事務所などに限らず、各家庭などでも幅広く利用されるもので、マット製造業に限定されず利用されるものである。
さらに、この発明の抗菌性マットの製造方法においては、原料としてペットボトルなどのリサイクルを可能とする再生ポリエステル樹脂を使用するため、エコロジーの面からもその利用が好ましい

Claims (8)

  1. 抗菌剤が混練りされたポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して得られる、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸が、基布にタフトされたマット主体からなるもので、
    前記抗菌剤は、
    銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物から構成され、
    前記ポリエステル樹脂組成物は、
    再生ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂からなること
    を特徴とする抗菌性マット。
  2. 前記抗菌剤の含有量は、
    前記ポリエステル樹脂組成物に対し、0.5〜2.0質量%であること
    を特徴とする請求項1に記載の抗菌性マット。
  3. 前記マット主体は、
    裏面に銀系無機抗菌剤又は亜鉛系無機抗菌剤を0.5〜5.0質量%含有したNBRゴム、NR/SBR発泡体、又はEVA樹脂のバッキング層を有していること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性マット。
  4. 前記抗菌性マットは、
    抗菌性ダストコントロールマットであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性マット。
  5. 銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物と、紡糸用ポリエステル樹脂を混練りして得られるマスターバッチと、再生ポリエステル樹脂および紡糸用ポリエステル樹脂とを混練してポリエステル樹脂組成物を生成し
    得られたポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを調製し、
    前記マルチフィラメントを撚り合わせてパイル糸とし、基布にタフトすること
    を特徴とする抗菌性マットの製造方法。
  6. 前記銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤との混合物は、
    銀系無機抗菌剤の割合が30質量%以上であること
    を特徴とする請求項5に記載の抗菌性マットの製造方法。
  7. 前記銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤との混合物混合物は、
    前記ポリエステル樹脂組成物中に対する混合割合が、20質量%以下であること
    を特徴とする請求項5又は6に記載の抗菌性マットの製造方法。
  8. 前記ポリエステル樹脂組成物は、
    再生ポリエステル樹脂が50質量%以上、紡糸用ポリエステル樹脂が50質量%以下の割合で混練されていること
    を特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の抗菌性マットの製造方法。
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