JP2009112446A - 消臭および抗菌性能を有するカ−ペット - Google Patents

消臭および抗菌性能を有するカ−ペット Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、自然な空気の流れによって室内空気中の悪臭成分を効率よく吸着除去することと、細菌やカビ等の発生を抑制し、しかもカーペット繊維の変色することのない、消臭・抗菌カ−ペットを提供することを目的とする。
【解決手段】カーペットのパイル糸に消臭抗菌性組成物、バッキング樹脂層に消臭性組成物を担持させることにより、効率よく消臭抗菌機能をカーペットに付与することができ、また、抗菌剤として銀系の抗菌剤に亜鉛系の抗菌剤を加えることにより、銀の酸化が抑えられてカ−ペットが変色することがなくなり、さらに添加剤として非イオン系界面活性剤を加えることにより、消臭剤や抗菌剤が容器の底に沈殿することのない液安定性の良好な消臭抗菌組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、室内における空気中のホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸等の悪臭を効率よく吸着除去することができる消臭機能と、細菌やカビ等の発生を抑制する抗菌機能を同時に有するカ−ペットに関するものである。
従来からカーペットには、難燃性、消臭性、防汚性、防虫性、抗菌性等の機能性を付与するために、カーペットのバッキング樹脂層やパイル糸に難燃剤、消臭剤、防汚剤、防虫剤、抗菌剤等の各種機能性薬剤を付与することにより、諸性能の付与されたカーペットが提供されている。
本発明は、カーペットへの機能性付与の加工において、特に消臭および抗菌性能を有するカ−ペットを提供するもので、室内のいやな臭い、例えば、食品の臭いであったり、ペット臭やタバコ臭を除去し、さらに様々な腐敗臭を引き起こす細菌類に抗菌効果のあるカ−ペットを提供するものである。
特許文献1においては、カーテン、カーペット等の繊維製品の洗浄において、銀イオンおよび/または銀コロイド粒子と添着剤とを含む銀含有水を用いた繊維製品の抗菌処理方法について記載されている。銀溶液に、尿素、グリセリン、ポリエチレングリコール、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の添着剤を含むことにより、銀成分中の銀イオンおよび/または銀コロイド粒子の酸化又は塩化が防止され、銀イオンおよび/または銀コロイド粒子による消臭、抗菌または防黴効果が持続する旨記載されている。
また、特許文献2では、銀系抗菌剤粒子をカ−ペットのパイル糸の繊維内や、コーティング樹脂中に混合することにより、安全性が高く、抗菌効果を持続させることができる抗菌性カ−ペットを提供している。
特開2007−31857号公報 特開2001−169895号公報 このように、銀系の抗菌剤を用いた抗菌加工については、従来から行われていたが、銀系抗菌剤では、銀の酸化作用によって繊維が変色しやすい問題があった。本発明は、カーペットの繊維の変色が防止され、悪臭成分を効率よく吸着除去すると同時に、細菌やカビ等の発生を抑制することのできる消臭・抗菌カ−ペットを提案するものである。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、自然な空気の流れによって室内空気中の悪臭成分を効率よく吸着除去することと、細菌やカビ等の発生を抑制し、しかもカーペット繊維の変色することのない、消臭・抗菌カ−ペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、消臭剤に加え、抗菌剤として銀系の抗菌剤に亜鉛系の抗菌剤を加えることにより、銀の酸化が抑えられてカ−ペットが変色することがなくなり、さらに添加剤として非イオン系界面活性剤を加えることにより、消臭剤や抗菌剤が容器の底に沈殿することのない液安定性の良好な消臭抗菌組成物が得られることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布からなる表皮層と、前記パイル糸と基布を固着するためのバッキング樹脂層とを含むカ−ペットにおいて、前記パイル糸に消臭抗菌性組成物を担持させ、前記バッキング樹脂層に消臭性組成物を担持させたことを特徴とするカ−ペット。
[2]前記消臭抗菌性組成物として少なくとも、消臭組成物はヒドラジン誘導体と無機物質とからなる組成物で、抗菌組成物は銀系及び亜鉛系の抗菌剤からなる組成物であることに特徴のある前項1に記載のカ−ペット
[3]前記消臭抗菌性組成物に添加剤として非イオン系界面活性剤が加えられたことに特徴のある前項1または2に記載のカ−ペット。
[4]前記消臭組成物が3〜50g/m、前記抗菌組成物が0.1〜20g/m、塗布されたことに特徴のある前項1乃至3に記載のカ−ペット。
[5]前記非イオン系界面活性剤が0.1〜2.0重量%加えられた消臭抗菌性組成物を担持させたことに特徴のある前項1乃至4のいずれかに記載のカ−ペット
[1]の発明によれば、パイル糸と基布からなる表皮層と、前記パイル糸と基布を固着するためのバッキング樹脂層とを含むカ−ペットにおいて、前記パイル糸に消臭抗菌性組成物を担持させ、前記バッキング樹脂層に消臭性組成物を担持させているので、室内の空気が自然対流によってカ−ペット内部を通過するときに、室内の空気は、効率的に消臭抗菌性組成物と接触し、消臭及び抗菌作用を同時に効果的にうけることができる。
[2]の発明によれば、前記消臭抗菌性組成物として少なくとも、消臭剤はヒドラジン誘導体と無機物質とからなるので、ホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸等の悪臭を効率よく吸着除去するカーペットとすることができる。また、抗菌剤が銀系及び亜鉛系の抗菌剤であるので、銀の酸化が抑えられてカ−ペットが変色することがなく、ブドウ球菌等の雑菌の繁殖が抑制される。
[3]の発明によれば、さらに添加剤として非イオン系界面活性剤が加えられることにより、加工中に消臭剤や抗菌剤が容器の底に沈殿することが防止され、液安定性の良好な消臭抗菌組成物を得ることができる。
[4]の発明によれば、前記消臭組成物が3〜50g/m、前記抗菌組成物が0.1〜20g/m塗布されているので、十分な消臭効果と抗菌効果のあるカ−ペットとすることができる。
[5]の発明によれば、非イオン系界面活性剤が0.1〜2.0重量%加えられた消臭抗菌性組成物を担持させているので、加工中に消臭組成物や抗菌組成物が容器の底に沈殿することが防止され、効果に斑のない安定した消臭効果と抗菌効果のあるカ−ペットとすることができる。
次に、この発明に係るカ−ペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態のカ−ペット1は、少なくともパイル糸2と基布3からなる表皮層4と、前記パイル糸2と基布3を固着するためのバッキング樹脂層5を含む構成からなっており、前記パイル糸2に消臭抗菌性組成物を担持させ、前記バッキング樹脂層に消臭性組成物を担持させている。(図1参照)室内の悪臭が自然対流によってカ−ペット内部や表面を通過するときに、パイル糸2やバッキング樹脂層5に担持した消臭剤と接触し、消臭作用を効果的にうけることができる。また、パイル糸2に担持した抗菌剤によって、カーペット1上に付着した食べ物等の汚れに付いた雑菌等の繁殖が抑制され、腐敗臭の発生や雑菌の繁殖の抑制されたカ−ペットとするものである。
本発明において、パイル糸2の素材としては特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよい。パイル糸2の目付は200〜2000g/mに設定するのが好ましい。200g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。また、2000g/mを超えると通気性が不十分で、消臭抗菌性能が経済的に得られなくなることから好ましくない。
基布3としての基材も、どのような素材、形態のものでもよく、素材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の熱可塑性繊維、またこれら各繊維の複合化繊維、アセテ−ト等の半合成繊維、レ−ヨン等の再生繊維、麻、綿等の天然繊維、あるいはこれらの混綿したものが挙げられる。また、基布の形態としては例えば、織布、編布、不織布が挙げられるが、通気性、コスト、性能の良好なスパンボンド不織布が好ましい。基布3の目付は80〜150g/mに設定するのが好ましい。80g/m未満ではパイル糸2を安定的に保持するのが困難となるので好ましくない。150g/mを超えると通気性が十分に得られなくなり好ましくない。この基布3にタフティング機でパイル糸2を植え込んで、表皮層4を形成する。
バッキング樹脂層5の樹脂成分としては、特に限定されずに、アクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、MBR(メチルメタクリレ−ト−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。バッキング樹脂層5は、表皮層4の下側にロールコーター等で塗布され、パイル糸2と基布3を固着する。また、バッキング樹脂層5の下側に、バッキング樹脂層5の保護や、外観品位の向上を目的に、ジュート基布やポリエステル不織布等がセカンド基布として積層され、バッキング樹脂層5によって表皮層4と一体化したカーペットも多くみうけられる。
消臭剤としては、ヒドラジン誘導体と無機物質とからなる消臭剤が好ましい。ヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられるが、特にこれら例示の化合物に限定されるものではない。このようなヒドラジン誘導体を用いることにより優れた悪臭除去性能を確保することができる。特に、タバコ臭に多く含まれるとされるアセトアルデヒドの化学吸着作用に優れた効果を発揮する。
また、無機物質としては、例えば活性炭、ゼオライト、麦飯石、シリカゲル、あるいはアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸化物等を挙げられるが、これら例示のものに特に限定されるものではない。このような無機物質を併用することにより、ヒドラジン誘導体の作用と相俟ってカ−ペット内部を通過する悪臭を効果的に消臭することができる。
また、本発明において、前記無機物質としては、多孔質無機物質を用いるのが好ましい。多孔質故に表面積が大きく、悪臭の吸着能力の優れたものとなる。例えばこのような多孔質無機物質としては、前述の活性炭、ゼオライト等が挙げられる。中でも、酢酸、アンモニア等に対して優れた吸着能を有するゼオライトを用いるのが好ましい。また、ゼオライトは、白色であり、活性炭のように黒く汚れたようになることはなく良好である。なお、ヒドラジン誘導体と無機物質の配合比率としては40/60〜60/40でよい。
前記消臭剤の塗布量は3〜50g/m(乾燥重量)とするのが好ましい。3g/m未満では十分な悪臭除去性能が得られなくなるので好ましくない。また、50g/mを超えても大きな消臭性能の向上はなく、徒にコストを増大することになり好ましくない。
また、本発明においてパイル糸には、前記消臭剤と同時に抗菌剤を混入した消臭抗菌性組成物を使用する。抗菌剤としては、銀系抗菌剤と亜鉛系抗菌剤からなる。銀系抗菌剤と亜鉛系抗菌剤の配合比率としては1/30〜1/10が銀の酸化発色を抑えることから好ましい。さらに好ましい配合比率は、1/25〜1/15がよい。
銀系抗菌剤として、具体的には、銀ゼオライト、銀担持三酸化二硼素、銀担持リン酸ジルコニウム、酸化銀等を挙げることができる。亜鉛系抗菌剤としては、酸化亜鉛、亜鉛担持三酸化二硼素等を挙げることができる。銀化合物は、抗菌効果が大きく人体への毒性が低いことから好ましく使用される。また、銀系抗菌剤のみでは、カーペットが変色することがあるが、亜鉛系抗菌剤と併用することにより、変色を抑えることができる。本発明においては、抗菌剤が0.1〜20g/m塗布されることが良い。0.1g/m未満では十分な抗菌性能が得られなくなるので好ましくない。また、20g/mを超えても大きな抗菌性能の向上はなく、徒にコストを増大することになり好ましくない。
本発明では、パイル糸及びバッキング樹脂層に、前記消臭剤が3〜50g/m、前記抗菌剤が0.1〜20g/mパイル糸に塗布されていることが重要で、バッキング樹脂層のみとか、パイル糸にのみ消臭剤や抗菌剤を担持させたのでは、十分な消臭効果と抗菌効果のあるカ−ペットとすることができない。
また、本発明では、消臭抗菌性組成物に添加剤として、非イオン系界面活性剤が0.1〜1.0重量%加えられた消臭抗菌性組成物が好適である。非イオン系界面活性剤が0.1〜1.0重量%加えられているので、加工中に消臭剤や抗菌剤が容器の底に沈殿することが防止され、また、長時間放置しても沈殿することなく良好な消臭抗菌性組成物がえられる。具体的には、非イオン系界面活性剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられ、本発明では、三洋化成工業株式会社製ナロアクティーGL−95を使用した。添加剤が0.1重量%より少なければ、薬剤安定性が悪くなり、1.0重量%を超えると銀の影響によってカーペットが変色するようになり好ましくない。
また、本発明において、消臭剤と抗菌剤をパイル糸2に担持するには、消臭抗菌性組成物をバインダー樹脂水溶液中に混入し、スプレー法や、ロールコーター法等でカーペットのパイル糸2に塗布し乾燥してもよいし、カ−ペットの表皮層4の状態で消臭抗菌性組成物とバインダー樹脂の混入した水溶液中に浸漬し、絞ったあと乾燥してからバッキング加工をしてもよい。
バッキング樹脂層5に消臭剤を担持するには、前述の方法で消臭性組成物をバッキング剤中に混入したバッキング剤を、カ−ペットの表皮層4の裏面にロールコーター法等で塗布し、乾燥すればよい。前記消臭剤以外に、必要に応じてバッキング剤の特性向上のため各種添加剤、例えば分散剤や、増粘剤、起泡剤や炭酸カルシウム等の充填剤を配合してもよいし、カ−ペットの諸性質向上を目的に、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をこの発明の妨げにならない範囲で適宜配合することができる。
また、本発明の例として、バッキング樹脂層5の下側にセカンド基布6を接着しているカ−ペットの形態を挙げることができる。この場合、セカンド基布は、バッキング樹脂層5が直接床面と接触するのを防ぎ、バッキング樹脂層5や床面を保護する役割を果たす。セカンド基布としては、通気性のある不織布が好適で、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。セカンド基布の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。セカンド基布の目付は、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると重くかさばったものとなり、取扱いが不自由となり好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されないが、リサイクル性からみればポリエステル繊維に統一するのが望ましい。
上記のように、バッキング樹脂層5の下側にセカンド基布を積層した後に乾燥させるが、乾燥手段は特に限定されないが、加熱処理するのが乾燥効率から好ましい。加熱処理温度は、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、セカンド基布を積層した場合は、強固な接着力を得ることができる。
なお、この発明における消臭試験の評価方法、抗菌性能の測定方法、変色試験の評価方法、加工性能測定は次の通りである。
<消臭試験>
(アンモニア消臭性能)
試験カ−ペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(硫化水素消臭性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
(ホルムアルデヒド消臭性能)
アンモニアガスに代えてホルムアルデヒドガスを用いて袋内において濃度が80ppmとなるように注入し、4時間経過後にホルムアルデヒドガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてホルムアルデヒドの除去率(%)を算出した。
そして、除去率が95%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上95%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」と評価し表1のような結果を得た。
<加工性能測定>
加工液を作成してから、1時間放置し、容器の底に沈殿物がある場合を「×」、沈殿物のない場合を「○」と評価した。
<抗菌性能測定>
繊維製品の抗菌試験方法JIS L1902統一法に準拠して抗菌性能を評価した。試験菌体としては黄色ブドウ球菌を用いた。減菌試験布に前記試験菌体を注加し、18時間培養した後の生菌数を計測し、殖菌数に対する生菌数を求め、次ぎの基準に従った。即ちlog(B/A)>1.5の条件下log(B/C)を静菌活性値とし、これが2.2以上である場合を合格とした。但し、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数をそれぞれ表す。実施例1、3と比較例2、4についてのみ抗菌性能を評価した。
<変色試験>
消臭抗菌加工を施していないものと目視で比較し、明らかに黒く変色しているものを「×」、やや黒く変色しているものを「△」、やや変色しているものを「○」、全く変色していないものを「◎」と評価し表1のような結果を得た。
<実施例1>
まず、ポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布基布(目付110g/m)に、ポリエステル繊維からなるパイル糸をタフティング機で基布に植え込み、パイル長7mm パイル目付700g/mの表皮層を作成した。次に、消臭抗菌性組成物として、水100質量部にセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、1.1重量部)と、銀担持三酸化二硼素銀と酸化亜鉛を1:20配合した組成物(2.7重量部)と、三洋化成工業株式会社製ナロアクティーGL−95(1.2重量部)を順次充分攪拌しながら混入して、消臭抗菌性組成物を作成した。次にアクリル系バインダー樹脂10重量部を水に溶解させ、パイル糸用の消臭抗菌性組成物を得た。また、バッキング樹脂層として、SBRラテックス100重量部(SBR含有量50重量%)に前記消臭性組成物としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、9.9重量部)を混入し、さらに、充填材として炭酸カルシウム250重量部を混入してバッキング樹脂を用意した。
次に前記表皮層の上から前記パイル糸用の消臭抗菌性組成物を100g/mスプレー塗布し、さらに前記バッキング樹脂を前記表皮層の下側にロールコーティングで400g/m塗布し、さらにポリエステル繊維からなるニ−ドルパンチ不織布(3.4デシテックス、厚さ3mm、目付100g/m)をセカンド基布として前記バッキング樹脂層に積層し、150℃で15分乾燥してカーペットとした。カーペットの表皮層とバッキング樹脂層には、消臭剤が10g/m、抗菌剤が2.6g/m塗布され、各種消臭試験をおこない、評価を表1に記載し、良好な評価を得た。また抗菌性能は静菌活性値が3.2となり合格であった。
<比較例1>
実施例1において、バッキング樹脂層に消臭性組成物8重量部を混入しなかった以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットの表皮層には、消臭剤が1.0g/m、抗菌剤が2.6g/m塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表1に記載したが、良好な評価を得られなかった。
<実施例2>
実施例1において、バッキング樹脂を前記表皮層の下側にロールコーティングで200g/m塗布した以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が5.5g/m、抗菌剤が2.6g/m塗布され、各種消臭試験をおこない、評価を表1に記載し、良好な評価を得た。
<実施例3>
実施例1において、消臭抗菌性組成物としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、31.2重量部)と、銀ゼオライトと酸化亜鉛を1:20配合した組成物(0.7重量部)と、三洋化成工業株式会社製ナロアクティーGL−95(2.4重量部)とした以外はした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が32.2g/m、抗菌剤が0.5g/m塗布された。各種消臭試験をおこない、評価を表1に記載し、良好な評価を得た。また抗菌性能は静菌活性値が2.4となり合格であった。
<実施例4>
実施例1において、消臭抗菌性組成物としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、6重量部)と、銀ゼオライトと酸化亜鉛を1:20に配合した組成物(22.5重量部)と、三洋化成工業株式会社製ナロアクティーGL−95(1.3重量部)とした以外はした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が13.6g/m、抗菌剤が17.3g/m塗布された。各種消臭試験をおこない、評価を表1に記載し、良好な評価を得た。
<比較例2>
実施例1において、表皮層の上から前記パイル糸用の消臭抗菌性組成物を塗布しないで加工した以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットのバッキング樹脂層には、消臭剤が9g/m塗布されていたが、評価を表1に記載したように、良好な消臭効果も得られなかった。また抗菌性能は、抗菌剤が塗布されていないので静菌活性値が1.1となり不合格であった。
<比較例3>
実施例1において、パイル糸用の消臭抗菌性組成物を10g/mスプレー塗布し、バッキング樹脂を表皮層の下側にロールコーティングで80g/m塗布した以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。消臭剤の塗布量が1.9g/m、抗菌剤は0.3g/m塗布された。各種消臭試験をおこない、評価を表1に記載した。消臭剤の塗布量が少なく、良好な消臭効果は得られなかった。
<比較例4>
実施例1において、銀担持三酸化二硼素銀と酸化亜鉛を1:20配合した組成物を0とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。表皮層とバッキング樹脂層には消臭剤が10g/m塗布されているので、消臭性能は良好であったが、抗菌剤が塗布されていないので静菌活性値が1.2となり抗菌効果は得られなかった。
<比較例5>
実施例1において、三洋化成工業株式会社製ナロアクティーGL−95(7.9重量部)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。消臭抗菌性能は良好であったが、変色が確認された。
<比較例6>
実施例1において、三洋化成工業株式会社製ナロアクティーGL−95を0としたところ、消臭抗菌性組成物を作成中に、消臭剤や抗菌剤が容器の底に沈殿し、液安定性に劣り、加工するまでもなかった。
この発明の一実施形態に係る消臭カ−ペットを示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・消臭カ−ペット
2・・・パイル糸
3・・・基布
4・・・表皮層
5・・・バッキング樹脂層
6・・・セカンド基布

Claims (5)

  1. パイル糸と基布からなる表皮層と、前記パイル糸と基布を固着するためのバッキング樹脂層とを含むカ−ペットにおいて、前記パイル糸に消臭抗菌性組成物を担持させ、前記バッキング樹脂層に消臭性組成物を担持させたことを特徴とするカ−ペット。
  2. 前記消臭抗菌性組成物として少なくとも、消臭組成物はヒドラジン誘導体と無機物質とからなる組成物で、抗菌組成物は銀系及び亜鉛系の抗菌剤からなる組成物であることに特徴のある請求項1に記載のカ−ペット
  3. 前記消臭抗菌性組成物に添加剤として非イオン系界面活性剤が加えられたことに特徴のある請求項1または2に記載のカ−ペット
  4. 前記消臭組成物が3〜50g/m、前記抗菌組成物が0.1〜20g/m、塗布されたことに特徴のある請求項1乃至3に記載のカ−ペット。
  5. 前記非イオン系界面活性剤が0.1〜2.0重量%加えられた消臭抗菌性組成物を担持させたことに特徴のある請求項1乃至4のいずれかに記載のカ−ペット
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