JP4390777B2 - ダストコントロールマットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダストコントロールマットとその製造方法に関し、より詳細には軟化温度が低い繊維をバッキング材と一体化させる工程で生じる収縮、硬化及び溶解をなくし、さらに繰り返しの洗濯においても風合いが保たれ柔軟で嵩高であるパイル糸を有し、ダストコントロール機能を保持するダストコントロールマットと、その製造方法に関する。
ダストコントロールマットは履物の底等に付着した戸外の塵埃や泥、水分が屋内に侵入することを防ぐものであり、該マットは、店舗、事務所、ホテル、厨房、トイレ、病院、家庭等で使用された後、回収、洗濯等により再生され、再び需要者に貸与されるレンタルシステムにより繰り返し使用されるレンタル用マットのひとつとして、広く使用されている。
従来、レンタル用マットには、ゴム製の型押しマット、パイル糸を有する基布の裏側にバッキング材としてゴムシートを固着させた一体化型のマットが使用されている。後者のマットにおいて、その視覚効果、広告宣伝効果を目的に、パイル糸を用いて形成されるカーペット状のマットや、同一パイル長で異色のパイルを切り抜いたもの、プリント、アキスミンスターもしくはウイルトンのような織物、ハイカットローループ、ハイカットローカット及びジグザグ等のタフト機によりマットパイルを作製したものなどが製造されており、これらのマットは、その風合いを維持する必要がある。さらにダストコントロール機能を有し、これを維持するためには、マットが、パイル糸の変形や収縮、硬化をおこすことなく製造され、洗濯及び乾燥を繰り返し行ってもマットの風合いが保たれて柔軟で嵩高であることが望まれる。なお、パイル糸の変形や収縮、硬化は、パイル糸が植毛された原反とバッキング材とを一体化させる工程において生じることが知られている。
一般のマットに使用するパイル素材として、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維が公知であるが、特に上記の特徴を備えるレンタル用マットは、パイル糸として撚糸が強固であるとともに嵩高で柔軟である点からポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維が適しており、これらのパイル糸からなる原反の裏面にバッキング材となる未加硫の合成ゴムシートを重ね、加熱、加圧することにより、一体化マットを製造する。
ところで、ダストコントロール用マットの繊維として普及しているポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維は原油の高騰で価格が上がり、又産業廃棄物としてもポリアミド繊維、アクリル繊維は窒素酸化物の発生による負荷が大きくほとんどが埋め立て処理されており、焼却処理にしても1000℃以上の高温度で焼却しなければならない。反面ポリエステル繊維は負荷が少ない利点があり昨今普及してきている。しかし、ナイロン繊維やアクリル繊維と同様原油の高騰からより安価な素材の要求が高まってきている。したがって比較的安価なポリプロピレン繊維を用いたダストコントロール機能を長期間に保持するレンタル用マットが望まれている。
ポリプロピレン繊維を用いたレンタル用のダストコントロールマットは公知であり(特開2002-282198号公報等)、ポリプロピレン樹脂に紡糸、捲縮後、撚糸を施し、120℃程度の温度で撚りを固定後基布に植毛した上でバッキング材と一体化してマットを製造する。しかし一体化する工程での150℃程度の加熱、加圧によりパイル糸の収縮や硬化が生じる。また、レンタル後に回収して洗濯、乾燥を繰返し行った場合に、上記マットは波打つことが判明しておりポリプロピレン繊維を使用したマットはレンタル用として実用的ではない。
その理由としてパイル糸に使われるナイロン繊維の軟化温度は180℃、ポリエステル繊維では238℃、アクリル繊維では150℃であるのに対し、ポリプロピレン繊維は軟化温度が140℃であるため、一体化のための加熱温度150℃ではパイル糸が溶融するため一体化に適さない。
通常バッキング材を一体化する場合、その加熱温度としては150℃以上の加熱が生産性からして必要であるが、合成ゴム配合によるレンタル用マットの物性維持と繊維のダメージからして10〜15分程度で合成ゴムを加硫することが好ましく、仮に温度を140℃以下にした場合には加硫時間が60分以上となり生産効率が極端に低下するため、原反とバッキング材を一体化する加熱、加圧の際の温度は通常145〜150℃が適している。
特開2002-282198号公報
本発明は、ポリプロピレン繊維を有するパイル糸が、バッキング材と一体化する温度にて収縮や硬化することなく、洗濯を繰り返し行っても波打ちを起こさずに、柔軟で嵩高に保つことにより優れた除塵効果を発揮するダストコントロールマットおよびこの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、メルティングフローレート(MFR)が4〜10g/10分(230℃,2.16kg荷重)の軟化温度が低いポリプロピレン繊維を合成ゴムと一体化する際の加熱、加圧により生じるパイル糸の収縮および硬化を防止し、レンタルマットでの洗濯および乾燥の繰返しによる波打ちの発生を抑えるため、ポリプロピレン繊維を用いてマット化する工程において、ポリプロピレンを紡糸および捲縮さらに撚糸後、パイル糸の熱固定時に湿熱加熱を行い、該パイル糸を植毛後の原反を湿熱加熱することにより、本発明の目的が達成され得ることを見出して、本発明に到達した。
したがって本発明は、ポリプロピレン樹脂のメルティングフローレート(MFR)が4〜10g/10分であり、紡糸および捲縮加工を施した単糸繊度が2〜80dTからなるマルチフィラメントを撚り合わせてなるパイル糸を基布に植毛してなる原反と、該原反の裏面にバッキング材を重ねあわせ一体化させたダストコントロールマットの製造方法において、前記マルチフィラメントを複数本撚り合わせた後に、パイル糸を、140〜150℃で30〜90秒、溶融させることなしに湿熱固定を行なう工程ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維から選ばれる合成繊維からなる織布または不織布の基布に該パイル糸を植毛してなる原反を、湿度10〜30%、130〜150℃で、2〜4分湿熱加熱する工程と、を含むダストコントロールマットの製造方法である。
また本発明においては、上記バッキング材が熱架橋性の合成ゴムであることが好ましく、熱架橋性の合成ゴムとしては、ニトリルーブタジエンゴム(NBR)が好ましい。
さらに本発明においては、上記パイル糸に亜鉛及び銀を含む無機抗菌剤を0.3〜2重量%含有させることが好ましく、また上記バッキング材には亜鉛又は銀を含む無機抗菌剤をバッキング材に対して、0.1〜3重量%含有させることが好ましい。
また上記製造法で作製される本発明のダストコントロールマットは、パイル糸と、該パイル糸を基布に植毛してなる原反と、該原反の裏面にバッキング材を重ねあわせ一体化させたダストコントロールマットであって、上記パイル糸がMFR4〜10g/10分のポリプロピレン繊維であり、繊度2〜80dTの単糸を撚りあわせ、捲縮加工が施され、湿熱固定されたマルチフィラメントのパイル糸であることを特徴とし、また従来のマットと異なりバッキング材で一体化された後でもパイル糸の風合いがよく、洗濯および乾燥の後でも波打ちが発生しないことを特徴とする。
本発明に係るダストコントロールマットの製造方法において、上記記載のとおり軟化温度の低いポリプロピレン繊維からできた原反とバッキング材とを一体化する前に行なう湿熱固定及び湿熱加熱により、一体化した後のパイル糸に溶融や収縮を生じさせず柔軟で嵩高なダストコントロールマットが作製でき、さらに上記マットを洗濯、乾燥させた際にも波打ちが発生せず、レンタル用に使用できる。
本発明の最良な形態を以下に詳述する。
一般のパイル糸の製造方法において、樹脂を紡糸、捲縮、さらに撚糸後、撚糸を熱固定するために110〜125℃程度の乾式加熱、または190〜200℃で湿式加熱する。ポリプロピレン繊維は軟化温度が140℃程度であるため120℃程度で熱固定した場合、バッキング材との一体化において撚糸が解けてしまう。また190〜200℃での湿式加熱方法ではパイル糸が溶融してしまう。さらに140〜150℃の乾式加熱でもパイル糸が溶融する。しかし本発明のダストコントロールマットの製造方法では、ポリプロピレン繊維からなるパイル糸を140〜150℃の湿熱固定で30〜60秒間処理するため、ポリプロピレン繊維は溶融せず、パイル糸の熱固定が可能である。
また、ポリプロピレン繊維からなるパイル糸を植毛した基布、すなわち原反を湿熱加熱により撚糸固定する場合、ポリプロピレン繊維の軟化温度等の特性から、パイル糸が春夏秋冬の外気温度や湿気の影響を受け、植毛時のテンションにより捲縮にバラツキが生じ、目的とするパイル糸に仕上がらない。しかし、本発明のダストコントロールマットの製造方法では、パイル糸を植毛した原反を、温度を130〜150℃、湿度を10〜30%にて2〜4分間湿熱加熱することにより潜在化した捲縮を顕在化させることができ春夏秋冬均一なパイルに仕上がる。
本発明で用いられるパイル糸はポリプロピレン繊維であり、このポリプロピレン樹脂のメルティングフローレート(MFR)は4〜10g/10分(230℃,2.16kg荷重)であり、フィラメントを紡糸するのに適した特徴をもつ。上記ポリプロピレン樹脂において、好ましいMFRが4〜10g/10分であるのは、紡糸に最適な粘度であるからであり、これは通常ポリプロピレン繊維に用いられる。従ってMFRが4g/10分より低い場合、粘度が低いためフィラメントを形成しないことがあり、またMFRが10g/10分より高いと、粘度が高いため紡糸の際にノズルに樹脂が詰まり、紡糸できない可能性がある。また、上記ポリプロピレン樹脂の紡糸および捲縮は、通常の紡糸方法でおこなうことができ、その太さは、通常単糸繊度2〜80dTで着色剤をすでに配合している原着糸が好ましい。繊度2dTを満たない場合、紡糸および捲縮時に単糸が切れやすくなるため2dT以上が好ましい。また、80dTを超えると、湿熱固定の効果が及ばずパイル糸が縮んだり撚りが解ける可能性がある。
上記単糸繊度のマルチフィラメントを撚ってなるパイル糸の太さは、通常1000〜2000dTであり、上記マルチフィラメントに100〜250回/mの撚りをかけ、必要に応じ、これらのマルチフィラメントを複数本あわせて、100〜250回/mの上撚りをかけ、その後140〜150℃で30〜60秒の湿熱加熱により熱固定しパイル糸とする。
パイル糸の湿熱固定は、温度140〜150℃、好ましくは140〜145℃で30〜90秒間、好ましくは30〜60秒間処理する。これによりポリプロピレン繊維は溶融せずにパイル糸は熱固定がされる。上記湿熱固定は飽和水蒸気中で行なうことが好ましい。
上記パイル糸を植毛する基布としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維からなる織布若しくは不織布が使用されるが、マットがダストコントロール用マットで、特にレンタル用マットに用いられる場合、耐熱性及び寸法安定性が求められることから、その合成繊維はポリエステルであることが好ましい。又織布の場合、その織り方については、平織り、綾織り等、通常のものでよく、特に限定されたものではない。パイル糸を基布に植毛する方法としては、タフテッド、フック等の従来の手法が採用される。又、その形状は、レベルカット、カットアンドループ、ハイカットローカット、デザイン化ができるタフト機等が上げられる。
さらに、ダスト保持性能やボリューム感、風合いから、基布への植毛密度は1インチ当たりのゲージ数及びステッチ数が5〜12、パイル長さは7〜15mmが好ましい。
パイル糸を植毛した基布を原反とし、これを温度130〜150℃、湿度10〜30%で2〜4分湿熱加熱する。具体的にはこれを乾燥炉内で行なうことができる。湿度は10〜30%が好ましく、例えば湿度0%にて加熱した場合、パイル糸が好ましい状態を示さないことがある。また、湿度30%を超えると、原反とバッキング材の一体化が不完全になる可能性がある。温度が130℃より低いと、パイル糸の潜在捲縮が顕在化されず、マットにおいて洗濯および乾燥により波打ちすることがある。また、150℃を超えると、パイル糸が溶融する可能性がある。さらに、湿熱加熱時間を2分より短くすると、パイル糸の潜在捲縮が顕在化されず、マットが洗濯および乾燥後に波打ちすることがある。また4分を超えると、パイル糸が硬化する可能性がある。
本発明のダストコントロールマットは、上記のようにパイル糸が基布に植毛された原反を有することを特徴とするが、更に、その裏面に滑り止めや型崩れ防止のためにバッキング材を設けることを特徴とし、バッキング材としては、マットに通常使用されている公知の熱架橋性の合成ゴムを用いることができ、ブタジエンゴム(BR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルーブタジエンゴム(NBR)、イソブチレンゴム(IR)、エチレンープロピレンゴム(FRP,EPDM)、シリコンゴム等が挙げられる。特にニトリルーブタジエンゴム(NBR)が耐久性の点からこのましい。このバッキング層には、必要に応じて、加硫材、加硫促進剤、可塑剤、着色剤、老化防止剤、フィラー、分散材等の公知の添加剤が配合される。
原反にバッキング材である上記合成ゴムまたは合成ゴムの配合物を一体化する方法は、公知の方法を採用できる。例えば、シート化した合成ゴムの配合物(ゴムシート)と原反とを重ね合わせ、加圧、加硫させる。ゴムシートとしては0.5〜2.5mmの範囲の厚さのものが好ましい。加圧、加硫による一体化において温度145〜150℃、10〜15分で行うのが望ましい。140℃より低い温度で一体化した場合、加硫時間が長くなり生産効率が落ちることがある。また150℃より高い温度で一体化した場合、パイル糸の形態を損ねる場合がある。
さらに、本発明は、昨今ダストコントロールマットが病院、厨房、トイレ等にレンタルされることが普及し、抗菌性能を持った繊維及び合成ゴムの要求が増えてきているため、上記ポリプロピレン繊維に抗菌剤を配合することが好ましく、抗菌剤としては、無機系抗菌剤、すなわち銀、亜鉛、銅などの金属を担持させたゼオライトや、リン酸塩系などが挙げられる。本発明で用いる最良の形態として、長期にわたり抗菌性が持続する特徴をもつ抗菌剤が好ましく、亜鉛と銀を含む無機抗菌剤が好ましい。しかし同等の効果を有する抗菌剤があればこれに限らない。亜鉛と銀を含む無機抗菌剤としては、具体的には東亞合成(株)製の商品名「VAG500」など、市販のものを利用することができる。このような抗菌剤をポリプロピレン樹脂内に0.3〜2重量%練り込み、上記と同工程にて原反にすることができる。また抗菌効果を顕著に発揮するには含有量0.3重量%以上であることが好ましい。また本発明のマットを作製するためには、上記抗菌剤は2重量%以下であることが好ましく、2重量%をこえると、紡糸できない可能性がある。
また、上記バッキング材にも亜鉛または銀系無機系抗菌剤を配合することが好ましく、抗菌剤としては、無機系抗菌剤、すなわち銀、亜鉛、銅などの金属を担持させたゼオライトや、リン酸塩系などが挙げられる。本発明で用いる最良の形態として長期にわたり抗菌性が持続する特徴をもつ抗菌剤が好ましく、さらに上記バッキング材の物性を損なわないような抗菌剤として亜鉛または銀を含む無機抗菌剤が好ましい。このような抗菌剤としては、東亞合成(株)製の商品名「AG300」や商品名「VZ600」など、市販のものを利用できる。上記バッキング材に亜鉛または銀系の上記無機系抗菌剤をバッキング材に対し0.1〜3重量%配合することが、本発明のマットの抗菌性という性質上好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
パイル糸11の作製
灰色に着色したメルティングフローレート(MFR)がJIS K7210に基づいた9g/10分(230℃,2.16kg荷重)のポリプロピレン樹脂を用い、溶融紡糸法で繊度が2dTの単糸でトータル1300dTになるように紡糸、捲縮したマルチフィラメントを作製した。このマルチフィラメントを2本用い、下撚150回/m、上撚150回/mを施し、140℃の飽和水蒸気中で30秒間湿熱固定を行い、パイル糸11を作製した。
原反12作製
パイル糸11を、目付重量120g/mのポリエステル製不織布に、ゲージ:1/8インチ(3.175mm)、ステッチ:12本/インチ(2.54cm)、パイル長:15mmのカットパイルの条件で植毛し、水蒸気にて湿度10〜15%、温度130〜135℃に調整した乾燥炉で2分間湿熱加熱を行い、原反12を作製した。
マット13の作製(バッキング材との一体化)
原反12にバッキング材10を載せ、145〜150℃で10分間、5Kg/cm(490kPa)の圧力プレスすることにより接着、加硫をおこなって、一体化ダストコントロールマット13を作製した。なお、作製したマットは90cm×150cmの寸法で作製した。
なおバッキング材は、ムーニー粘度が50のNBR100重量部に対し、カーボンブラック(着色剤)50重量部、DOP(可塑剤)15重量部ならびに酸化亜鉛(加硫促進剤)、ステアリン酸〈滑剤〉、オクチル化ジフェニルアミン(老化防止剤)、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン(加硫促進剤)、硫黄(加硫剤)及び分散剤を配合して、混練して厚さ1.5mmでシート化したものである(バッキング材10)。
さらに上記バッキング材に、銀の無機系抗菌剤として東亞合成(株)製の商品名「AG300」をバッキング材に対し0.1重量%を加えたもの(バッキング材20)、および上記無機抗菌剤の商品名「AG300」をバッキング材に対し3重量%を加えたもの(バッキング材30)を作製した。
(実施例2)
パイル糸21、および原反22、 マット23を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(実施例3)
東亞合成(株)製の亜鉛と銀を含む無機系抗菌剤商品名「VAG500」を0.3重量%含むパイル糸31、および原反32、 マット33を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(実施例4)
東亞合成(株)製の亜鉛と銀を含む無機系抗菌剤商品名「VAG500」を2重量%含むパイル糸41、および原反42、 マット43を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(実施例5)
東亞合成(株)製の亜鉛と銀を含む無機系抗菌剤商品名「VAG500」を0.2重量%含むパイル糸51、および原反52、 マット53を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(比較例1)
パイル糸61を表1に示す条件で実施例1と同様にして作製を試みたが、単糸の繊度1.5dTのパイル糸を調製した結果、単糸が紡糸時に切れたり、捲縮時に切れたりしてマルチフィラメント化できなかった。
(比較例2)
パイル糸71、および原反72、 マット73を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(比較例3)
パイル糸81、および原反82、 マット83を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(比較例4)
パイル糸91を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製を試みたが、マルチフィラメントの撚糸を200℃で60秒間湿熱固定を行ったところ、パイル糸が溶融し、調製できなかった。
(比較例5)
パイル糸101、および原反102、 マット103を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(比較例6)
東亞合成(株)製の亜鉛と銀を含む無機系抗菌剤商品名「VAG500」を3重量%含むパイル糸111を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製を試み、溶融紡糸法で単糸繊度が80dT、マルチフィラメントのトータル繊度2800dTにて紡糸を試みたが、ノズルが詰まり紡糸できなかった。
(比較例7)
パイル糸121、および原反122、 マット123を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製した。
(比較例8)
パイル糸131、および原反132、 マット133を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製を試みたが、パイル糸を植毛した原反132を水蒸気にて湿度30〜35%、温度130〜135℃の乾燥炉で2分湿熱加熱させたところ、バッキング材との一体化が不十分でダストコントロールマットの形態を示さなかった。
(比較例9)
パイル糸141、および原反142、 マット143を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製を試みたが、MFR2.5g/10分(230℃,2.16kg荷重)のポリプロピレン樹脂を使用したところ、フィラメントが紡糸や捲縮の際に切れたりして、マルチフィラメントを作製できなかった。
(比較例10)
パイル糸151、および原反152、 マット153を、表1に示す条件で実施例1と同様にして作製を試みたが、MFR12g/10分(230℃,2.16kg荷重)のポリプロピレンを使用したところ、紡糸時にノズルが詰まったり、フィラメントが切れてマルチフィラメントを作製できなかった。
Figure 0004390777
* 抗菌剤を添加
(評価例)
次に作製されたダストコントロールマットを以下のようにして評価した。
マットにおけるパイル糸収縮試験
上記作製したマットにおいて、原反作製時のパイル長と、次の工程であるバッキング材との一体化後のパイル長とを比較し、その収縮の程度を評価し、さらに目視にて一体化後のマットの状態を評価した。なおパイル糸の収縮評価は、各マットの寸法90cm×150cmにおいて10箇所についてのパイル糸に関して観察を行い、その平均を求めた。また、パイル糸の収縮長は、基布から捲縮した状態のパイル糸の高さを求めた。パイル糸の捲縮およびその状態は、原反作製時からバッキング材との一体化後における変化を評価した。
さらに、各マットの洗濯・乾燥によるパイル糸への影響について、原反作製時のパイル長と、バッキング材による一体化後に続く洗濯乾燥後のパイル長とを比較し、その収縮の程度を評価し、さらに目視にて一体化後のマットの状態を評価した。評価は上記と同様に行い、マットの波うちは目視にて行なった。
洗濯および乾燥は、作製した各上記ダストコントロールマットに対して洗剤として第一工業製薬(株)製の商品名「ノイゲン」を3重量%溶解し、メタ珪酸ソーダを用いてpH12に調整した50℃の水溶液中で、各ダストコントロールマットを10分間洗濯し、すすぎをバッチ式洗濯機にて2回行った後、100℃で30分間バッチ式乾燥機にて乾燥する工程を100回繰り返した。結果を表2に示す。
Figure 0004390777
以上の結果から、実施例1〜5の条件で作製された本発明のダストコントロールマットは、マット化がなされた後においても収縮が少ない状態でかつ良好に捲縮され、さらに繰り返しの洗濯および乾燥後においても良好なマットの状態を保つことが示された。
抗菌性能試験(抗菌力持続性試験)
抗菌製品技術協会(SIAA)による抗菌力持続性試験方法に基づき、抗菌剤を添加したダストコントロールマットの抗菌力持続性を評価し、マットの水分による抗菌能力の影響を調べた。脱イオン水における浸漬条件は水温50±5℃、16時間で行なった。その後、JIS Z 2801に準拠した抗菌試験を行い、大腸菌および黄色ブドウ球菌を用いて評価した。各マットにおける菌数測定は、大腸菌菌数4.0×10、および黄色ブドウ球菌菌数2.9×10を単独で各マットに滴下して24時間放置した状態での菌数を測定した。抗菌剤を含む実施例3および4、および抗菌剤を含まないもの対照として実施例1について、比較を行なった。結果を表3に示す。
Figure 0004390777
以上の結果から、亜鉛および銀を含む無機抗菌剤をパイル糸に添加したマットは、大腸菌および黄色ブドウ球菌の両者において、繰り返し洗濯乾燥を行なった場合でも抗菌作用を維持することが示された。また、亜鉛または銀を含む無機抗菌剤をバッキング材に添加したマットにおいても、抗菌性能を維持することが示された。

Claims (4)

  1. ポリプロピレン樹脂のメルティングフローレート(MFR)が4〜10g/10分であり、紡糸および捲縮加工を施した単糸繊度が2〜80dTからなるマルチフィラメントを撚り合わせてなるパイル糸を基布に植毛してなる原反と、該原反の裏面にバッキング材を重ねあわせ一体化させたダストコントロールマットの製造方法において、
    前記マルチフィラメントを複数本撚り合わせた後に、パイル糸を、140〜150℃で30〜90秒、溶融させることなしに湿熱固定を行なう工程と、
    ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維から選ばれる合成繊維からなる織布または不織布の基布に該パイル糸を植毛してなる原反を湿度10〜30%、130〜150℃で、2〜4分湿熱加熱する工程と、
    を含むダストコントロールマットの製造方法。
  2. 上記バッキング材が熱架橋性の合成ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記パイル糸に亜鉛及び銀を含む無機抗菌剤を0.3〜2重量%含有すること請求項1に記載の方法。
  4. 上記バッキング材に亜鉛または銀を含む無機抗菌剤を0.1〜3重量%含有する請求項1に記載の方法。
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