JP5229491B2 - 導電性エラストマーフィルム - Google Patents
導電性エラストマーフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5229491B2 JP5229491B2 JP2009073016A JP2009073016A JP5229491B2 JP 5229491 B2 JP5229491 B2 JP 5229491B2 JP 2009073016 A JP2009073016 A JP 2009073016A JP 2009073016 A JP2009073016 A JP 2009073016A JP 5229491 B2 JP5229491 B2 JP 5229491B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- film
- conductive
- conductive elastomer
- conjugated diene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
電気二重層キャパシタは、長いサイクル寿命、急速な充放電の実現等の利点を有し、マイクロコンピューター、メモリ素子、タイマー等のバックアップ電源として利用されている。実際の電気二重層キャパシタは、以下の構造を有する。厚さ20〜40μmのエッチングされた集電体に外部引き出しリード線が取り付けられ、当該集電体のエッチング面には、活性炭、導電剤、バインダー等が含まれる電極材料からなる分極性電極が形成されている。当該集電体上に分極性電極が形成されたものがセパレータを介在させて巻回されてコンデンサ素子が形成され、当該コンデンサ素子が電解液中に浸漬され、セパレータと分極性電極に電解液が含浸されたものが外装材に挿入され、パッキンにより外装材の開口部が封口される。電気二重層キャパシタの性能は、単位重量当たりの出力と容量当たりの出力が高いほど向上する。一般に、アルミニウム等の金属箔が集電体として使用されているが、金属より比重の小さい導電性樹脂フィルム又は導電性エラストマーフィルムが集電体として使用される電気二重層キャパシタの単位重量当たりの出力は、金属が集電体として使用される電気二重層キャパシタの単位重量当たりの出力より大きくなり得る。
また、有機溶媒系電解液を用いる電気二重層キャパシタと同様に、リチウムイオン電池も電解液に有機溶媒を含有している。リチウムイオン電池は、電気二重層キャパシタと同様の構造であり、集電体として銅やアルミニウムなどの金属箔を用いているため、金属より比重の小さい導電性樹脂フィルム又は導電性エラストマーフィルムを集電体として使用した場合には、金属を集電体としたリチウムイオン電池より、単位重量当たりの出力は大きくなり得る。
近年、表面抵抗値が小さく、引裂き強さ等の機械的強度が高い導電性樹脂フィルム又は導電性エラストマーフィルムが、有機溶媒系電解液が使用される電気二重層キャパシタの集電体としても求められているが、このような導電性樹脂フィルム又は導電性エラストマーフィルムはこれまで見出されていなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、表面抵抗値が小さく、引裂き強さ等の機械的強度が高い導電性エラストマーフィルムの提供である。
A−D<45 (I)
A;上記エラストマー成分における(a)環状オレフィン樹脂の含有割合(質量%)
D;上記エラストマー成分における(d)酸変性オレフィン共重合体の含有割合(質量%)
好ましい(2)導電性フィラーはカーボンブラックである。
ノルボルネン環を有するモノマーと付加共重合されるα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1などの狭義のオレフィンに加え、これらの一部をハロゲンなどの極性基で置換したオレフィン性モノマーが挙げられる。
上記エラストマー成分中の上記エチレン−オクテン共重合体の含有割合は30〜69.9質量%である。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物の具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、 N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等である。中でも、スチレン、α−メチルスチレンが特に好ましい芳香族ビニル化合物である。1種又は2種以上の芳香族ビニル化合物が使用される。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の水素添加物は、好ましくは、重合体鎖中の不飽和二重結合の80〜99.9モル%、より好ましくは90〜99.9モル%、更に好ましくは95〜99.9モル%が水素化されている。芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は市販されており、その具体例はクレイトンジャパン社製クレイトン(登録商標)G1650M、クレイトン(登録商標)G1657Mなどのクレイトン(登録商標)Gシリーズ;旭化成ケミカルズ株式会社製タフテック(登録商標)H1031、タフテック(登録商標)H1051などのタフテック(登録商標)Hシリーズ;クラレ株式会社製セプトン(登録商標)2002、セプトン(登録商標)2004などのセプトン(登録商標)シリーズ;等である。
上記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を含有させることにより、フィルムの引張り強さ及び引っ張り伸びを向上させることができる。
上記酸変性ポリオレフィンの上記エラストマー成分中の含有割合は、0〜20質量%である。
金属の具体例は、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタル、ニオブ、バナジウムおよびそれらを2種以上含む任意の合金等である。
金属酸化物の具体例は、上記金属として例示したものの酸化物を例示することができる。具体的には、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウムおよび上記金属を2種以上含む任意の合金の酸化物等である。
本発明の導電性エラストマーフィルムは安定剤を含有し得る。安定剤の具体例は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等である。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。これらの安定剤は、それぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。安定剤の配合量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、上記エラストマー成分100質量部に対して、通常0.001〜10質量部の範囲である。
A−D<45 (I)
A;上記エラストマー成分における(a)環状オレフィン樹脂の含有割合(質量%)
D;上記エラストマー成分における(d)酸変性オレフィン共重合体の含有割合(質量%)
式(I)において、A−D<40が好ましい。
さらに、必要に応じて溶液に含まれる気泡を除去するために、脱泡を行う。脱泡方法の具体例は、真空法、超音波法等である。
(1)膜厚
フィルムの膜厚をデジタルマイクロゲージを用いて測定した。
(2)表面抵抗値
5cm×5cmの試験片の表面抵抗値(Ω)を、抵抗計(日置電機株式会社製ミリオームハイテスタ 3540)を用いて23℃で測定した。
引張伸び及び引張強度をJIS K 7127に従い、試験片タイプ2、幅20mm、200mm/min、23℃の条件で測定した。
(4)引裂き強さ
引裂き強さをJIS K 7128−1に従い、トラウザー引裂法により23℃で測定した。
表1に示す割合の配合成分を、環状オレフィン樹脂、エチレン−オクテン共重合体、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、酸変性ポリオレフィン及びカーボンブラックの合計質量の5倍量のシクロヘキサンに投入して分散液を得、更に、直径5mmの鋼球を当該配合成分と同じ質量分、得られた分散液に投入し、当該鋼球を投入した分散液をペイントシェイカー(株式会社東洋精機製作所製 試験用分散機)で120分間処理して、一様な塗料を作製した。得られた塗料を80℃に加温して十分に攪拌し、80℃に加熱されたホットプレートに載せられた厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレードを用いてキャストした。塗料を塗布したポリエチレンテレフタレートフィルムを80℃のホットプレート上に30分間放置した後、100℃で1時間乾燥して導電性エラストマーフィルムを得た。当該フィルムから所定の試験片を切り出し、各試験を行った。結果を表1に示す。
配合成分の配合割合を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同一の操作を行った。結果を表1に示す。
2)ダウケミカル社製エンゲージ8137
3)クレイトンジャパン社製クレイトン(登録商標)G1657M(スチレン含有量13質量%)
4)三井化学(株)製ユニストール(登録商標)H−100T
5)ケッチェンブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラック(登録商標)EC−600JD(DBP吸油量495cm3/100g、BET表面積1270m2/g)
エラストマー成分における環状オレフィン樹脂の含有割合(質量%)とエラストマー成分における酸変性ポリオレフィンの含有割合(質量%)の差が51.7である比較例1のフィルムは多数の裂け目を有しており、その物性を測定できなかった。
エラストマー成分における環状オレフィン樹脂の含有割合(質量%)とエラストマー成分における酸変性ポリオレフィンの含有割合(質量%)の差が46.2である比較例2のフィルムの引張伸び、引張強さ及び引裂き強さは低かった。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を含有していない比較例3のフィルムの引張伸び、引張強さ及び引裂き強さは低かった。
Claims (2)
- (1)(a)環状オレフィン樹脂30〜60質量%、(b)エチレン−オクテン共重合体30〜69.9質量%、(c)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物0.1〜10質量%及び(d)酸変性ポリオレフィン0〜20質量%からなり、式(I)を満足するエラストマー成分100質量部と、(2)導電性フィラー10〜50質量部を含む導電性エラストマーフィルム。
A−D<45 (I)
A;上記エラストマー成分における(a)環状オレフィン樹脂の含有割合(質量%)
D;上記エラストマー成分における(d)酸変性オレフィン共重合体の含有割合(質量%) - 上記(2)導電性フィラーがカーボンブラックである、請求項1に記載された導電性エラストマーフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009073016A JP5229491B2 (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | 導電性エラストマーフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009073016A JP5229491B2 (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | 導電性エラストマーフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010222508A JP2010222508A (ja) | 2010-10-07 |
JP5229491B2 true JP5229491B2 (ja) | 2013-07-03 |
Family
ID=43040040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009073016A Active JP5229491B2 (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | 導電性エラストマーフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5229491B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5316793B2 (ja) * | 2009-06-24 | 2013-10-16 | 日本ゼオン株式会社 | 集電体及びその製造方法 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07166045A (ja) * | 1993-12-10 | 1995-06-27 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 導電性樹脂組成物 |
JPH08157656A (ja) * | 1994-12-06 | 1996-06-18 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 塗装不要な射出成形品およびその製造方法 |
WO1998040435A1 (fr) * | 1997-03-11 | 1998-09-17 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Couche mince elastomere conductrice, son procede de production et composition elastomere conductrice |
WO1999002585A1 (fr) * | 1997-07-09 | 1999-01-21 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Film de resine conductrice, composition de resine conductrice, et procede d'obtention d'un film de resine conductrice |
JP2002080737A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Yuka Denshi Co Ltd | 導電性熱可塑性樹脂組成物及び導電性樹脂成形体 |
JP2002179930A (ja) * | 2000-10-05 | 2002-06-26 | Toray Ind Inc | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2002317092A (ja) * | 2001-04-23 | 2002-10-31 | Nippon Zeon Co Ltd | 導電性樹脂組成物及び樹脂成形体 |
JP2005243438A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-09-08 | Nippon Zeon Co Ltd | 集電体用導電性フィルム用塗料、及び集電体用導電性フィルム |
JP5099365B2 (ja) * | 2008-12-10 | 2012-12-19 | 日本ゼオン株式会社 | 導電性エラストマーフィルム及びその製造方法 |
JP5327456B2 (ja) * | 2009-03-25 | 2013-10-30 | 日本ゼオン株式会社 | 導電性エラストマーフィルム及び積層フィルム |
-
2009
- 2009-03-25 JP JP2009073016A patent/JP5229491B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010222508A (ja) | 2010-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4108136B2 (ja) | 導電性エラストマーフィルム、その製造方法、および導電性エラストマー組成物 | |
JP5316794B2 (ja) | 集電体及びその製造方法 | |
US20110318630A1 (en) | Separator for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery | |
CN103915604B (zh) | 受保护的活性金属电极、锂金属电极及具有此电极的元件 | |
JP5447154B2 (ja) | リチウムイオン伝導性固体電解質組成物および全固体二次電池 | |
Chen et al. | Water-based organic–inorganic hybrid coating for a high-performance separator | |
WO1999002585A1 (fr) | Film de resine conductrice, composition de resine conductrice, et procede d'obtention d'un film de resine conductrice | |
JP5316793B2 (ja) | 集電体及びその製造方法 | |
JP5131476B2 (ja) | 導電性樹脂フィルム及びその製造方法 | |
CN108475740B (zh) | 使用非水系电解液的电化学装置用的密封剂和电化学装置用密封剂组合物 | |
JP2011068747A (ja) | 導電性重合体フィルム | |
JP5099365B2 (ja) | 導電性エラストマーフィルム及びその製造方法 | |
KR20200014720A (ko) | 황-탄소 재료 복합체, 리튬 황 이차 전지용 정극재 및 리튬 황 이차 전지 | |
CN1989185A (zh) | 导电性热塑性树脂膜和导电性热塑性树脂层压膜 | |
JP5229491B2 (ja) | 導電性エラストマーフィルム | |
Asada et al. | Liquid Metal–Ionic Liquid Composite Gels for Soft, Mixed Electronic–Ionic Conductors | |
JP5327456B2 (ja) | 導電性エラストマーフィルム及び積層フィルム | |
Jun et al. | Carbon‐Nanosheet Based Large‐Area Electrochemical Capacitor that is Flexible, Foldable, Twistable, and Stretchable | |
JPH104034A (ja) | 集電用導電性フィルム及び製造方法 | |
JP2010138237A (ja) | 導電性エラストマーフィルム及びその製造方法 | |
JP3925157B2 (ja) | 集電用導電性フィルムおよび該フィルム製造用導電性塗料 | |
JP2018198197A (ja) | 樹脂集電体の製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、及び、リチウムイオン電池の製造方法 | |
JP2011068746A (ja) | 導電性重合体フィルム | |
JP2011006533A (ja) | 導電性重合体フィルム | |
JP2010077236A (ja) | 導電性樹脂フィルム及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110912 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130305 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5229491 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |