JP2005243438A - 集電体用導電性フィルム用塗料、及び集電体用導電性フィルム - Google Patents
集電体用導電性フィルム用塗料、及び集電体用導電性フィルム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 キャスト時の塗工性及び成膜性に優れ、かつ成膜して得られる導電性フィルムの耐水蒸気透過性に優れる集電体用導電性フィルム用塗料を提供する。
【解決手段】 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物、導電性物質、芳香族炭化水素系溶媒、並びに、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有してなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物における芳香族ビニルに由来する重合単位の含有量/共役ジエンの1,4−結合重合単位に由来する単位の含有量/共役ジエンの1,2−結合重合単位又は3,4−結合重合単位に由来する単位の含有量の比率が、(10〜45)/(15〜45)/(30〜65)の範囲内にある塗料。
【選択図】 なし
【解決手段】 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物、導電性物質、芳香族炭化水素系溶媒、並びに、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有してなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物における芳香族ビニルに由来する重合単位の含有量/共役ジエンの1,4−結合重合単位に由来する単位の含有量/共役ジエンの1,2−結合重合単位又は3,4−結合重合単位に由来する単位の含有量の比率が、(10〜45)/(15〜45)/(30〜65)の範囲内にある塗料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電気二重層コンデンサーやプロトン電池用に好適に用いられる集電体用導電性フィルムを製造するための、キャスト時の塗工性及び成膜性に優れた集電体用導電性フィルム用塗料に関する。また、本発明は、前記集電体用導電性フィルム用塗料よりなる、耐水蒸気透過性に優れた集電体用導電性フィルムに関する。
電気二重層コンデンサーは、非電子伝導性であり、かつイオン透過性である多孔性フィルムからなる多孔性セパレータ2と、この多孔性セパレータ2を介して対向配置され、活性炭等に電解液を染み込ませた分極性電極1と、多孔性セパレータ2と分極性電極1とを側面から保持するガスケット3と、分極性電極1の多孔性セパレータ2に接していない側の表面に接するように配置され、カーボン粉末等の導電性物質によって導電性を付与された導電性樹脂組成物からなる一対の集電体フィルム4とから構成されている(図1参照)。
そして、分極性電極の密封の方法として、最近では、導電性の熱可塑性フィルムを介して熱圧着により接着する方法が主流になっている。
この方法では、熱可塑性樹脂に導電性物質を分散させ、これを押出し成形やカレンダー圧延成形によりフィルム化したものを用いる。このとき、良好な導電性を担保するためには一定量の導電性物質の添加が必要であるが、添加量を多くすると成形性が低下する問題がある。また、使用原料削減によるコストダウンを目的としてフィルムの厚さを薄くしようとすると、機械的特性が低下して、熱圧着時にフィルムが破れたり切れたりし易くなり、製品歩留まりが低下するという問題がある。
更に、近年の電子機器の小型化に伴い、電気二重層コンデンサーにも薄型のものが要求されるようになっている。しかしながら、電気二重層コンデンサーの形状を薄型にするために集電体を薄くしてしまうと、上述の製品歩留まり低下のほか、集電体の水蒸気透過性が大きくなり、集電体を通して電解液が逸散し、その結果、電解液が減少して、電気二重層コンデンサー容量の低下等の問題を引き起こす。
そして、分極性電極の密封の方法として、最近では、導電性の熱可塑性フィルムを介して熱圧着により接着する方法が主流になっている。
この方法では、熱可塑性樹脂に導電性物質を分散させ、これを押出し成形やカレンダー圧延成形によりフィルム化したものを用いる。このとき、良好な導電性を担保するためには一定量の導電性物質の添加が必要であるが、添加量を多くすると成形性が低下する問題がある。また、使用原料削減によるコストダウンを目的としてフィルムの厚さを薄くしようとすると、機械的特性が低下して、熱圧着時にフィルムが破れたり切れたりし易くなり、製品歩留まりが低下するという問題がある。
更に、近年の電子機器の小型化に伴い、電気二重層コンデンサーにも薄型のものが要求されるようになっている。しかしながら、電気二重層コンデンサーの形状を薄型にするために集電体を薄くしてしまうと、上述の製品歩留まり低下のほか、集電体の水蒸気透過性が大きくなり、集電体を通して電解液が逸散し、その結果、電解液が減少して、電気二重層コンデンサー容量の低下等の問題を引き起こす。
このような問題を解決するため、集電体用導電性フィルムについて、種々の検討がなされている。即ち、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の沃素価30以下のゴムと導電性カーボンとからなる導電性ゴムフィルム(特許文献1)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーと導電性フィラーとからなる導電性エラストマーフィルム(特許文献2)、銅箔にスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体又はエチレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合エラストマーを塗工した積層体(特許文献3)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合樹脂と導電剤とプロセスオイルとからなる、水蒸気透過性の低減や微粘着性付与効果のある集電用導電性フィルム(特許文献4)等が提案されている。
前記集電体用導電性フィルムについての検討と共に、そのフィルムを作製するための塗料の検討も種々なされており、本出願人は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体及び芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体をトルエンなどの有機溶媒に溶解し、そこに導電性フィラーを配合してなる導電性塗料を提案している(特許文献5)。しかしながら、それでもなおキャスト時にピンホールが発生するなどの問題があり、キャスト時の塗工性及び成膜性に優れ、しかも成膜して得られる導電性フィルムの耐水蒸気透過性に優れる導電性フィルム用塗料が求められている。
前記集電体用導電性フィルムについての検討と共に、そのフィルムを作製するための塗料の検討も種々なされており、本出願人は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体及び芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体をトルエンなどの有機溶媒に溶解し、そこに導電性フィラーを配合してなる導電性塗料を提案している(特許文献5)。しかしながら、それでもなおキャスト時にピンホールが発生するなどの問題があり、キャスト時の塗工性及び成膜性に優れ、しかも成膜して得られる導電性フィルムの耐水蒸気透過性に優れる導電性フィルム用塗料が求められている。
従って、本発明の目的は、キャスト時の塗工性及び成膜性に優れ、しかも成膜して得られる導電性フィルムの耐水蒸気透過性に優れる集電体用導電性フィルム用塗料を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するため塗料の製造に用いるポリマー成分及び溶媒に着目して鋭意研究を進めた結果、特定のスチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物を、芳香族炭化水素系溶媒と特定の種類の溶媒との混合溶媒中に溶解させ、そこに導電性物質を配合した塗料を用いれば、キャスト時の塗工性及び成膜性に優れること、加えて成膜して得られる集電体用導電性フィルムの耐水蒸気透過性にも優れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、以下の1〜6が提供される。
1. 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)、導電性物質(B)、芳香族炭化水素系溶媒(C)、並びに、ケトン系溶媒(D1)、エステル系溶媒(D2)及びエーテル系溶媒(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒(D)を含有してなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)における芳香族ビニルに由来する重合単位の含有量/共役ジエンの1,4−結合重合単位に由来する単位の含有量/共役ジエンの1,2−結合重合単位又は3,4−結合重合単位に由来する単位の含有量の重量比率が、(10〜45)/(15〜45)/(30〜65)の範囲内にあることを特徴とする、集電体用導電性フィルム用塗料。
2. 導電性物質(B)の量が芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)100重量部に対して20〜120重量部であることを特徴とする、1記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
3. 導電性物質(B)が、導電性カーボンブラック(b1)100〜20重量%及びグラファイトカーボン(b2)0〜80重量%からなることを特徴とする、1又は2に記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
4. 芳香族炭化水素系溶媒(C)及び前記溶媒(D)の重量比率が、(20〜80)/(80〜20)の範囲内にあることを特徴とする、1〜3のいずれかに記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
5. 芳香族炭化水素系溶媒(C)と前記溶媒(D)との合計が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)及び導電性物質(B)の合計100重量部に対して、200〜400重量部であることを特徴とする、1〜4のいずれかに記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
6. 1〜5のいずれかに記載の塗料を成膜してなることを特徴とする、集電体用導電性フィルム。
1. 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)、導電性物質(B)、芳香族炭化水素系溶媒(C)、並びに、ケトン系溶媒(D1)、エステル系溶媒(D2)及びエーテル系溶媒(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒(D)を含有してなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)における芳香族ビニルに由来する重合単位の含有量/共役ジエンの1,4−結合重合単位に由来する単位の含有量/共役ジエンの1,2−結合重合単位又は3,4−結合重合単位に由来する単位の含有量の重量比率が、(10〜45)/(15〜45)/(30〜65)の範囲内にあることを特徴とする、集電体用導電性フィルム用塗料。
2. 導電性物質(B)の量が芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)100重量部に対して20〜120重量部であることを特徴とする、1記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
3. 導電性物質(B)が、導電性カーボンブラック(b1)100〜20重量%及びグラファイトカーボン(b2)0〜80重量%からなることを特徴とする、1又は2に記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
4. 芳香族炭化水素系溶媒(C)及び前記溶媒(D)の重量比率が、(20〜80)/(80〜20)の範囲内にあることを特徴とする、1〜3のいずれかに記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
5. 芳香族炭化水素系溶媒(C)と前記溶媒(D)との合計が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)及び導電性物質(B)の合計100重量部に対して、200〜400重量部であることを特徴とする、1〜4のいずれかに記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
6. 1〜5のいずれかに記載の塗料を成膜してなることを特徴とする、集電体用導電性フィルム。
本発明の集電体用導電性フィルム用塗料は塗工性及び成膜性に優れるため、キャスト時にピンホールの発生等がない。またこの塗料を成膜して得られる集電体用導電性フィルムは、耐水蒸気透過性に優れる。
本発明の集電体用導電性フィルム用塗料の(A)成分である芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とは、芳香族ビニル化合物が重合したブロックと共役ジエン化合物が重合したブロックとを有する芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の共役ジエン化合物由来の重合単位を水素添加することにより得られる重合体である。ここで、共役ジエンに由来する単位の水素添加率は、通常、約98%以上である。
また、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の等価物とは、製法の如何を問わず、前記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物と同等の構造を有する重合体である。
また、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の等価物とは、製法の如何を問わず、前記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物と同等の構造を有する重合体である。
前記芳香族ビニル化合物としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレンなどのアルキルスチレン、シクロヘキシルスチレンなどのシクロアルキルスチレン;クロロスチレンなどのハロゲン化スチレン;メトキシスチレンなどのアルコキシスチレン;フェニルスチレンなどのアリールスチレン;などを挙げることができる。
また、前記共役ジエン化合物としては、ブタジエン;イソプレンなどのアルキル置換ブタジエン;などを挙げることができる。
共役ジエン化合物を重合すると、1,4−結合(シスとトランスの2種がある)と1,2−結合(イソプレンなどの非対称共役ジエンでは、さらに3,4−結合もある)とが生成する。
ブタジエンの場合、1,4−結合部分が水添されると、
−CH2−CH2−CH2−CH2−
となる。これは2分子のエチレンが重合して生成した結合部分、すなわち製法が異なる等価物ともみることができる。
一方、1,2−結合部分が水添されると、
−CH2−CH(CH2−CH3)−
となる。これはブチレンが重合して生成した結合部分、すなわち製法が異なる等価物ともみることができる。
また、共役ジエンがイソプレンの場合は、1,4−結合部分が水添されると、
−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2−
となり、これは、プロピレンとエチレンとから誘導される単位、すなわち製法が異なる等価物とも見ることができる。
ブタジエンの場合、1,4−結合部分が水添されると、
−CH2−CH2−CH2−CH2−
となる。これは2分子のエチレンが重合して生成した結合部分、すなわち製法が異なる等価物ともみることができる。
一方、1,2−結合部分が水添されると、
−CH2−CH(CH2−CH3)−
となる。これはブチレンが重合して生成した結合部分、すなわち製法が異なる等価物ともみることができる。
また、共役ジエンがイソプレンの場合は、1,4−結合部分が水添されると、
−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2−
となり、これは、プロピレンとエチレンとから誘導される単位、すなわち製法が異なる等価物とも見ることができる。
本発明に用いることができる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物として好ましいものとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物などを挙げることができる。
また、本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の等価物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。
また、本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の等価物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。
本発明において使用する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)における、芳香族ビニルに由来する重合単位の含有量/共役ジエンの1,4−結合重合単位に由来する単位の含有量/共役ジエンの1,2−結合重合単位又は3,4−結合重合単位に由来する単位の含有量の比率は、(10〜45)/(15〜45)/(30〜65)の範囲内にあることが必要である。比率がこの範囲内であれば、集電体用導電性フィルム用塗料からなる集電体用導電性フィルムを耐水蒸気透過性に優れたものとすることができる。
本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)は、単一の化合物であっても、2種以上の混合物であってもよい。
本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)は、単一の化合物であっても、2種以上の混合物であってもよい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)は、比重が0.87〜0.95程度、この水素添加物のみを用いて成膜した場合(単体で成膜した場合)の引張強さが1〜100MPaとなるものが好ましく、特に10〜80MPaとなるものが好ましい。引張強さが1MPa未満のものは、熱圧着で破れや切れが発生し易くなる恐れがあり、100MPaを超えるとフィルムが硬くなりすぎて成形が困難になる恐れがある。また、単体で成膜した場合の切断時伸びは、通常、300〜1,000%、好ましくは400〜800%である。切断時伸びが300%未満のものは、やはり集電体用導電性フィルムを形成したとき、熱圧着で破れや切れが発生し易くなり、1,000%を超えるとフィルムが柔軟になりすぎて、部分的に厚みが不均一になる恐れがある。
本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)は、1種類を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の集電体用導電性フィルム用塗料の(B)成分である導電性物質としては、導電性カーボンブラック(b1)100〜20重量%及びグラファイトカーボン(b2)0〜80重量%の使用が好ましいが、グラファイトカーボン(b2)のみを用いることもでき、また、粉末又は繊維状の金属、金属酸化物、及び/又は金属窒化物なども用いることができる。
導電性物質の比表面積は、好ましくは20m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上のものである。比表面積が小さ過ぎると集電体用導電性樹脂フィルムの体積固有抵抗が大きくなり過ぎて好ましくない。
導電性カーボンブラック(b1)の具体例としては、コンダクティブファーネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、エクストラコンダクティブファーネスブラックなどのファーネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。市販されている導電性カーボンブラックとしては、コンチネックスCF(コンチネンタルカーボン社製)、ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル社製)、バルカンXC−72(キャボット社製)、BLACK PEARLS 2000(キャボット社製)、デンカブラック(電気化学工業社製)、カーボンブラック#3050B(三菱化学社製)、エンサコ250G(リバソン社製)、エンサコ350G(リバソン社製)などが挙げられる。中でも、ケッチェンブラックEC、デンカブラック、バルカンXC−72、カーボンブラック#3050B、エンサコ250G、エンサコ350Gなどの、一次平均粒子径が10nm以上、60nm以下、かつDBP給油量が170cm3/100g以上、500cm3/100g以下のものが好ましい。
グラファイトカーボン(b2)としては、鱗片状のグラファイトカーボンが好ましく、中でも好ましいのは粉末鱗片状のグラファイトカーボンであり、その厚みが好ましくは0.5μm以下、平均粒径が好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜7μmである。
鱗片状グラファイトカーボンの好ましい具体例(商品名)としては、例えばSGP、SGO(以上、株式会社エスイーシー製)、GR−15、J−CPB、AOP、HAG−150(以上、日本黒鉛工業株式会社製)、FGK−1、FGK−3(以上、富士黒鉛工業株式会社製)等を挙げることができる。
さらに、前記導電性物質(B)としては、鱗片状の天然黒鉛、グラファイトファイバー、カーボンウイスカーなどの任意の導電性成分を併用することもできる。
導電性物質の比表面積は、好ましくは20m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上のものである。比表面積が小さ過ぎると集電体用導電性樹脂フィルムの体積固有抵抗が大きくなり過ぎて好ましくない。
導電性カーボンブラック(b1)の具体例としては、コンダクティブファーネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、エクストラコンダクティブファーネスブラックなどのファーネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。市販されている導電性カーボンブラックとしては、コンチネックスCF(コンチネンタルカーボン社製)、ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル社製)、バルカンXC−72(キャボット社製)、BLACK PEARLS 2000(キャボット社製)、デンカブラック(電気化学工業社製)、カーボンブラック#3050B(三菱化学社製)、エンサコ250G(リバソン社製)、エンサコ350G(リバソン社製)などが挙げられる。中でも、ケッチェンブラックEC、デンカブラック、バルカンXC−72、カーボンブラック#3050B、エンサコ250G、エンサコ350Gなどの、一次平均粒子径が10nm以上、60nm以下、かつDBP給油量が170cm3/100g以上、500cm3/100g以下のものが好ましい。
グラファイトカーボン(b2)としては、鱗片状のグラファイトカーボンが好ましく、中でも好ましいのは粉末鱗片状のグラファイトカーボンであり、その厚みが好ましくは0.5μm以下、平均粒径が好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜7μmである。
鱗片状グラファイトカーボンの好ましい具体例(商品名)としては、例えばSGP、SGO(以上、株式会社エスイーシー製)、GR−15、J−CPB、AOP、HAG−150(以上、日本黒鉛工業株式会社製)、FGK−1、FGK−3(以上、富士黒鉛工業株式会社製)等を挙げることができる。
さらに、前記導電性物質(B)としては、鱗片状の天然黒鉛、グラファイトファイバー、カーボンウイスカーなどの任意の導電性成分を併用することもできる。
前記導電性物質(B)の配合量は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)100重量部に対して、好ましくは20〜120重量部、特に好ましくは25〜100重量部である。添加量が20重量部未満では良好な導電性が得られず、また120重量部を超えると、導電性フィルムの機械的強度が不足する可能性がある。
本発明の集電体用導電性フィルム用塗料は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)、導電性物質(B)、芳香族炭化水素系溶媒(C)、並びに、ケトン系溶媒(D1)、エステル系溶媒(D2)及びエーテル系溶媒(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒(D)を含有してなる。芳香族炭化水素系溶媒(C)及び前記溶媒(D)の混合溶媒を用いることにより、本発明の集電体用導電性フィルム用塗料をキャストする際の塗工性及び成膜性に優れ、またピンホール等の発生を抑えることができる。
本発明に係る塗料の製造方法はとくに限定されないが、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)と導電性物質(B)とを、芳香族炭化水素系溶媒(C)及び前記溶媒(D)の混合溶媒中に溶解又は分散させ、ボールミル、ビーズミル等の混合機で混合する方法を挙げることができる。
前記芳香族炭化水素系溶媒(C)としては、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)が可溶な芳香族炭化水素系溶媒であれば制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、クメン、クロロベンゼン、クロロトルエン、クロロスチレンなどが好ましいものとして挙げられ、中でも、トルエン、p−キシレン、p−クメンが特に好ましい。前記芳香族炭化水素系溶媒(C)は、1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用して用いることができる。
前記ケトン系溶媒(D1)としては、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)が可溶なケトン系溶媒であれば制限はないが、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、メチルノニルケトンなどが好ましいものとして挙げられ、中でも、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトンが特に好ましい。前記ケトン系溶媒(D1)は、1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用して用いることができる。
前記エステル系溶媒(D2)としては、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)が可溶なエステル系溶媒であれば制限されず、各種の飽和又は不飽和脂肪酸のエステルが用いられる。エステル系溶媒(D2)としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ブタン酸メチル、イソブタン酸メチル等の(イソ)ブタン酸エステル類;(メタ)アクリル酸エステル類;などが好ましいものとして挙げられ、中でも、酢酸エチル、酢酸ブチルが特に好ましい。前記エステル系溶媒(D2)は、1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用して用いることができる。なお、ここで、(イソ)ブタン酸エステル類とは、ブタン酸エステル類及び/又はイソブタン酸エステル類を指す。
前記エーテル系溶媒(D3)としては、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)が可溶なエーテル系溶媒であれば制限はないが、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の脂肪族エーテル類が好ましいものとして挙げられ、中でも、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルが特に好ましい。前記エーテル系溶媒(D3)は、1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用して用いることができる。
芳香族炭化水素系溶媒(C)及び溶媒(D)の重量比率は、(20〜80)/(80〜20)であることが好ましく、(40〜70)/(60〜30)であることがより好ましい。好ましい範囲内で用いることにより、本発明の集電体用導電性フィルム用塗料をキャストする際の塗工性及び成膜性により優れる。
また、芳香族炭化水素系溶媒(C)及び溶媒(D)の合計が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)並びに導電性物質(B)の合計100重量部に対して、200〜400重量部であることが好ましい。好ましい範囲内で用いることにより、本発明の集電体用導電性フィルム用塗料をキャストするときの塗工性及び成膜性により優れる。
本発明の集電体用導電性フィルム用塗料の固形分濃度は、通常、15〜35重量%、好ましくは20〜30重量%である。好ましい範囲の固形分濃度の集電体用導電性フィルム用塗料を用いることにより、本発明の集電体用導電性フィルム用塗料をキャストするときの塗工性及び成膜性により優れる。
本発明の集電体用導電性フィルムは、本発明の集電体用導電性フィルム用塗料を成膜してなることを特徴とする。
本発明の集電体用導電性フィルムの厚みは、10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。厚みが10μm未満では、熱圧着した場合の破れや切れが懸念され、また、厚みが100μmを超えると、素子に組み立てた場合、素子の容量に対する機能の割合が小さくなってしまう可能性がある。
本発明の集電体用導電性フィルムの厚みは、10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。厚みが10μm未満では、熱圧着した場合の破れや切れが懸念され、また、厚みが100μmを超えると、素子に組み立てた場合、素子の容量に対する機能の割合が小さくなってしまう可能性がある。
本発明の集電体用導電性フィルムを作製する際の、本発明の集電体用導電性フィルム用塗料の流延にあたっては、該塗料をポリエチレンテレフタレート、テフロン(登録商標)、紙、金属等のフィルム作製用基体の平滑な平面上に、バーコーター等を用いて、厚さが均一になるように流延する。流延後、溶媒の沸点近傍の温度(通常、30〜200℃)で乾燥して溶媒を除去する。
カレンダー法等の他の製法で製造すると、導電性物質(B)が面方向に配向しやすく、面に垂直な方向の体積固有抵抗が大きくなることがある。
流延法(キャスト法)によれば、カレンダーロール、押出し、溶融成膜法では困難である導電性物質(B)を高充填した薄膜フィルムの製造が比較的容易にできる。
カレンダー法等の他の製法で製造すると、導電性物質(B)が面方向に配向しやすく、面に垂直な方向の体積固有抵抗が大きくなることがある。
流延法(キャスト法)によれば、カレンダーロール、押出し、溶融成膜法では困難である導電性物質(B)を高充填した薄膜フィルムの製造が比較的容易にできる。
本発明の集電体用導電性フィルムの引張強さは1〜50MPaであることが好ましい。引張強さがこの範囲内にあると、フィルムの切れや割れを起こさずに、フィルム作製用基体からフィルムを剥離することができる。
また、本発明の集電体用導電性フィルムの伸びは、50〜500%であることが好ましい。伸びがこの範囲内にあると、ガスケットとの圧着の際のフィルム切れを防止することができ、また、均一な厚さでガスケットに貼り付けることができる。
また、本発明の集電体用導電性フィルムの伸びは、50〜500%であることが好ましい。伸びがこの範囲内にあると、ガスケットとの圧着の際のフィルム切れを防止することができ、また、均一な厚さでガスケットに貼り付けることができる。
本発明の集電体用導電性フィルム用塗料を成膜してなる集電体用導電性フィルムは、電気二重層コンデンサーやプロトン電池に好適に用いられる。
本発明の集電体用導電性フィルムを用いて作った水系電解液を用いる電気二重層コンデンサーの基本的な構成を、図1の断面図に示す。1は分極性電極であり、2は多孔性セパレータ、3はガスケット、4は本発明の集電体用導電性フィルムよりなる集電体フィルムである。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例中における部及び%は特に言及がない限り、重量基準である。
なお、フィルムの成膜方法、キャスト時の塗工性の評価方法、及び得られたフィルムの特性の評価方法は、下記のとおりである。
(成膜方法)
集電体用導電性フィルム用塗料をフィルム作製用基体である離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレードを用いて塗布する。次いで、130℃の乾燥器に入れて溶媒を揮散させ、膜厚50μmのフィルムを得る。
(キャスト時の塗工性)
集電体用導電性フィルム用塗料をフィルム作製用基体である離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレードを用いて塗布する際に、ドクターブレードにかかる荷重と、塗工直後の塗膜における凸凹模様の発生状況を確認する。
◎:ドクターブレードにかかる荷重が0.5kgf未満で、凸凹がほとんどない。
○:ドクターブレードにかかる荷重が0.5kgf以上、1kgf未満で、凸凹が少ない。
×:ドクターブレードにかかる荷重が1kgf以上で、凸凹が目立つ。
(ピンホールの有無)
前記成膜法で形成したフィルムを、基体であるポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、目視でピンホールの有無を確認する。
○:ピンホールなし。
×:ピンホールあり。
(耐水蒸気透過性)
JIS K 6404に準拠して、25℃で水蒸気透過量を測定する。水蒸気透過量が少ない方がよい。
(フィルム体積固有抵抗)
試験用フィルムを(5±0.5cm)×(6±0.5cm)の大きさに切り取り、長辺側の両端5mmをそれぞれ幅5cmのクリップで留める。この両クリップにテスターを接続し、(5±0.5cm)×(5±0.5cm)の大きさのフィルムについての表面電気抵抗値R(Ω)を測定する。この測定値を用いて、以下の式により体積固有抵抗値ρ(Ω・cm)を求める。
ρ=R×(T×5)/5=R×T
ここでTは、フィルムの厚さ(cm)である。
(成膜方法)
集電体用導電性フィルム用塗料をフィルム作製用基体である離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレードを用いて塗布する。次いで、130℃の乾燥器に入れて溶媒を揮散させ、膜厚50μmのフィルムを得る。
(キャスト時の塗工性)
集電体用導電性フィルム用塗料をフィルム作製用基体である離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレードを用いて塗布する際に、ドクターブレードにかかる荷重と、塗工直後の塗膜における凸凹模様の発生状況を確認する。
◎:ドクターブレードにかかる荷重が0.5kgf未満で、凸凹がほとんどない。
○:ドクターブレードにかかる荷重が0.5kgf以上、1kgf未満で、凸凹が少ない。
×:ドクターブレードにかかる荷重が1kgf以上で、凸凹が目立つ。
(ピンホールの有無)
前記成膜法で形成したフィルムを、基体であるポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、目視でピンホールの有無を確認する。
○:ピンホールなし。
×:ピンホールあり。
(耐水蒸気透過性)
JIS K 6404に準拠して、25℃で水蒸気透過量を測定する。水蒸気透過量が少ない方がよい。
(フィルム体積固有抵抗)
試験用フィルムを(5±0.5cm)×(6±0.5cm)の大きさに切り取り、長辺側の両端5mmをそれぞれ幅5cmのクリップで留める。この両クリップにテスターを接続し、(5±0.5cm)×(5±0.5cm)の大きさのフィルムについての表面電気抵抗値R(Ω)を測定する。この測定値を用いて、以下の式により体積固有抵抗値ρ(Ω・cm)を求める。
ρ=R×(T×5)/5=R×T
ここでTは、フィルムの厚さ(cm)である。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(I)[スチレン単位含有量42%、エチレン単位含有量36%、ブチレン単位含有量22%](タフテックH1051:旭化成社製)30重量部と、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(II)[スチレン単位含有量12%、エチレン単位含有量21%、ブチレン単位含有量67%](タフテックH1221:旭化成社製)70重量部とを混合して得た、[スチレン単位含有量21%、エチレン単位含有量25%、ブチレン単位含有量54%]のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体混合物(III)100重量部、導電性物質〔ケッチェンブラックEC:ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製〕50重量部、トルエン330重量部、及びメチルイソブチルケトン170重量部をボールミル中で24時間分散混合した。〔このとき、トルエン及びメチルイソブチルケトンの合計量は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体混合物(III)及びケッチェンブラックECの合計100重量部に対して、333重量部となる。〕ボールミルからとり出した分散物を100メッシュの金網によりろ過し、固形分23%の集電体用導電性フィルム用塗料を得た。この集電体用導電性フィルム用塗料を、基材である離型処理を施した100μmPET(ポリエチレンテレフタレート)セパレータ上にドクターブレード法により、乾燥後の膜厚が50μmになるように塗布、乾燥し、コーティングフィルムを得た。このコーティングフィルムを基材から剥離し、集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表1に示す。
トルエンを250重量部、及びメチルイソブチルケトンを250重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
導電性物質として、ケッチェンブラックECを30重量部及びグラファイトカーボンであるGR−15(日本黒鉛工業株式会社製)を20重量部用い、また、トルエンを250重量部、及びメチルイソブチルケトンを130重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
導電性物質として、ケッチェンブラックECを30重量部及びGR−15を20重量部用い、また、トルエンを250重量部、及び酢酸エチルを250重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
導電性物質として、ケッチェンブラックECを30重量部及びGR−15を20重量部用い、また、トルエンを250重量部、及びジエチルエーテルを250重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
トルエンを500重量部用い、メチルイソブチルケトンを用いなかった他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
トルエンを500重量部用い、メチルイソブチルケトンを用いなかった他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
[比較例2]
トルエンを用いず、メチルイソブチルケトンを500重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
トルエンを用いず、メチルイソブチルケトンを500重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
[比較例3]
トルエンもメチルイソブチルケトンも用いず、酢酸エチルを500重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
トルエンもメチルイソブチルケトンも用いず、酢酸エチルを500重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
[比較例4]
トルエンもメチルイソブチルケトンも用いず、ジエチルエーテルを500重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
トルエンもメチルイソブチルケトンも用いず、ジエチルエーテルを500重量部用いた他は、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを形成し、これを基材から剥離して集電体用導電性フィルムを作製した。得られたフィルムを用い実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。但し、耐水蒸気透過性については、フィルムにピンホールが存在していたため測定不可であった。
表1の結果から、以下のことが分かる。
集電体用導電性フィルム用塗料の溶媒として、芳香族炭化水素系溶媒(C)であるトルエンを単独で用いた比較例1、ケトン系溶媒(D1)であるメチルイソブチルケトンを単独で用いた比較例2、エステル系溶媒(D2)である酢酸エチルを単独で用いた比較例3、及びエーテル系溶媒(D3)であるジエチルエーテルを単独で用いた比較例4では、いずれも、塗料のキャスト時の塗工性に劣り、またフィルムにピンホールが発生し、成膜性にも劣ることが分かった。
これに対して、本発明実施例では、いずれも、塗工性及び成膜性に優れた集電体用導電性フィルム用塗料を得ることができる。また、本発明実施例の集電体用導電性フィルム用塗料を成膜して得られる集電体用導電性フィルムは、耐水蒸気透過性に優れ、ピンホール等が発生せず、また体積固有抵抗も適正なものとなった。
集電体用導電性フィルム用塗料の溶媒として、芳香族炭化水素系溶媒(C)であるトルエンを単独で用いた比較例1、ケトン系溶媒(D1)であるメチルイソブチルケトンを単独で用いた比較例2、エステル系溶媒(D2)である酢酸エチルを単独で用いた比較例3、及びエーテル系溶媒(D3)であるジエチルエーテルを単独で用いた比較例4では、いずれも、塗料のキャスト時の塗工性に劣り、またフィルムにピンホールが発生し、成膜性にも劣ることが分かった。
これに対して、本発明実施例では、いずれも、塗工性及び成膜性に優れた集電体用導電性フィルム用塗料を得ることができる。また、本発明実施例の集電体用導電性フィルム用塗料を成膜して得られる集電体用導電性フィルムは、耐水蒸気透過性に優れ、ピンホール等が発生せず、また体積固有抵抗も適正なものとなった。
1 分極性電極
2 多孔性セパレータ
3 ガスケット
4 集電体フィルム
2 多孔性セパレータ
3 ガスケット
4 集電体フィルム
Claims (6)
- 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)、導電性物質(B)、芳香族炭化水素系溶媒(C)、並びに、ケトン系溶媒(D1)、エステル系溶媒(D2)及びエーテル系溶媒(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒(D)を含有してなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)における芳香族ビニルに由来する重合単位の含有量/共役ジエンの1,4−結合重合単位に由来する単位の含有量/共役ジエンの1,2−結合重合単位又は3,4−結合重合単位に由来する単位の含有量の重量比率が、(10〜45)/(15〜45)/(30〜65)の範囲内にあることを特徴とする、集電体用導電性フィルム用塗料。
- 導電性物質(B)の量が芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)100重量部に対して20〜120重量部であることを特徴とする、請求項1記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
- 導電性物質(B)が、導電性カーボンブラック(b1)100〜20重量%及びグラファイトカーボン(b2)0〜80重量%からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
- 芳香族炭化水素系溶媒(C)及び前記溶媒(D)の重量比率が、(20〜80)/(80〜20)の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
- 芳香族炭化水素系溶媒(C)と前記溶媒(D)との合計が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び/又はその等価物(A)及び導電性物質(B)の合計100重量部に対して、200〜400重量部であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の集電体用導電性フィルム用塗料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の塗料を成膜してなることを特徴とする、集電体用導電性フィルム。
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JP2004051794A JP2005243438A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 集電体用導電性フィルム用塗料、及び集電体用導電性フィルム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106122A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | Three Bond Co Ltd | ピンホールの発生を低減した油性塗装剤組成物及びこれを用いたエアゾール塗装剤 |
JP2010222508A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Nippon Zeon Co Ltd | 導電性エラストマーフィルム |
JP2014034626A (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-24 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 組成物及びパターン形成方法 |
CN115000414A (zh) * | 2022-06-15 | 2022-09-02 | 欣旺达惠州动力新能源有限公司 | 一种集流体及其制备方法与应用 |
-
2004
- 2004-02-26 JP JP2004051794A patent/JP2005243438A/ja active Pending
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