JP5228769B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーとキャリアからなる現像剤を用いる現像装置及びプリンタ、ファクシミリ、複写機、これらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に関するものである。
電子写真の分野において、耐久性、画像特性に優れているなどの点からトナーとキャリアからなる現像剤を用いる2成分現像方式が広く採用されている。現像容器内の現像剤は、現像スリーブなどの現像剤担持体に内包された磁石の磁気力によって搬送スクリュなどの搬送部材から現像スリーブへと搬送され、現像スリーブの回転により静電潜像が形成されている感光体などの潜像担持体へと搬送され現像される。
このとき、現像領域では、現像剤中のトナーのみが消費されるため、現像剤のトナー濃度(現像剤中に含まれるトナーの割合)を均一にし、安定した画像を出力するためには、消費された分のトナーを新たに現像容器内に補給する必要がある。
特に、写真などの印字率の高い原稿等を印刷した場合には、トナーの消費量は多くなり、トナー濃度の低下幅は大きくなる。このように、トナーの大量補給が行われる際には、現像剤のトナー濃度分布にムラが発生し、プリント用紙面内或いはプリント用紙間で、画像濃度にムラが発生するといった問題が生じた。
一般的に2成分現像剤を用いた現像装置では、現像剤中に補給されたトナーは、搬送スクリュに搬送されながら、徐々に長手方向に分散されながら、現像剤との混合撹拌が行われている。
しかしながら、トナーの比重は、現像剤の比重と比較すると軽くなっているため現像剤中に取り込まれにくく、また、トナーの流動性も現像剤の流動性と比較すると良好なため、補給されたトナーが現像剤の表層を滑るように流れ、現像剤中には取り込まれ難いなどの課題が生じていた。
特許文献1には、搬送スクリュの羽根の間に、補給トナーを現像剤中に取り込むパドル等を設け、上滑りしたトナーを現像剤中に取り込む工夫がされていた。
しかしながら、特許文献1の技術においてはパドルを設けた位置では、現像剤の移送速度が遅くなり、剤バランスが崩れ、現像剤の供給量が不安定になる課題があった。また、現像剤の嵩が上昇した際には、上滑りしたトナーを上手く現像剤中に取り込めず、混合撹拌効果が不十分であるという課題があった。
また、特許文献2には搬送スクリュ間の現像剤の受渡よりも上流側にトナー補給口を設けることで、補給トナーの混合撹拌性を向上させる工夫がされていた。
しかしながら、特許文献2の技術では補給トナーを現像剤中に取り込ませ補給トナーの撹拌性、すなわち断面方向のトナーの分散性を向上させることができるが、トナーを大量に補給した際に、トナーの搬送方向である長手方向のトナーの分散性が不十分であるという課題があった。
特開2001−42615号公報 特許第3795596号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、現像容器内中に補給されたトナーの撹拌性及び分散性をともに向上することができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明は、静電潜像が形成される像担持体と対向配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体に供給するためのトナーとキャリアを有する2成分系現像剤を撹拌しつつ搬送する少なくとも1つの搬送路と、該搬送路に設けられたトナーもしくは現像剤補給用の補給口とを具備し、前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置において、前記搬送路には、螺旋状の羽根を具備する搬送部材が設けられ、前記補給口が該搬送部材の回転によって生ずる現像剤の少ない領域で、かつ、前記搬送部材の螺旋状の羽根の最上部と同等の高さかそれ以下の位置に設けられているとともに、該補給口には前記搬送部材の螺旋状の羽根の通過によって開閉される開閉手段が設けられていることを特徴とする現像装置を提案する。
なお、本発明は、前記開閉手段が、搬送路の内側に開くように付勢されたシャッター部材であり、該シャッター部材が前記搬送部材の螺旋状の羽根に押されると前記補給口を閉じ、螺旋状の羽根が離れると前記補給口を開くと、効果的である。
さらに、本発明は、前記シャッター部材は前記搬送部材の搬送方向に幅を持つ板状に形成され、かつ、現像剤搬送方向上流側を支点として現像剤搬送方向下流側が作動して前記補給口を開閉すると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記開閉手段が螺旋状の羽根の先端部に設けられた現像剤搬送方向下流側に突き出た庇部であると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記開閉手段が、閉じる方向に付勢され、搬送路内側に突出した突起が設けられたシャッター部材であり、該シャッター部材はその突起が前記搬送部材の螺旋状の羽根によって押されると前記補給口を開き、突起から螺旋状の羽根が離れると前記補給口を閉じると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記シャッター部材は前記搬送部材の搬送方向に幅を持つ板状に形成され、かつ、現像剤搬送方向下流側を支点として現像剤搬送方向上流側が作動して前記補給口を開閉すると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記開閉手段が、常時閉じる方向に付勢され、前記搬送部材の螺旋状の羽根に爪部が押されると現像剤搬送方向下流側に開くスライドシャッター部材であり、該スライドシャッター部材は螺旋状の羽根に形成された切り込みに前記爪部が達すると閉じると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記開閉手段が前記補給口の開閉を磁気的に行うと、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記補給口の現像剤搬送方向の幅が補給口近傍における螺旋状の羽根のピッチ間隔より狭いと、効果的である。
また、上記の目的を達成するため、本発明は、請求項1ないし9の何れかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置を提案する。
本発明のよれば、補給するトナーもしくは現像剤の良好な混合撹拌性に加えて、補給するトナーもしくは現像剤の分散性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
ここに示した画像形成装置は、時計方向に回転する像担持体1を備え、その周囲には、像担持体表面を除電する除電装置の一例である除電ランプ9と、像担持体1を帯電する帯電装置2と、像担持体1の帯電面に光を照射して該像担持体1に静電潜像を形成する露光装置3と、その静電潜像をトナーで現像することにより、像担持体上にトナー像を形成する現像装置4と、像担持体上のトナー像を転写材6上に転写する転写装置5と、転写後の残留トナー等の汚れを除去するクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
露光装置3は、帯電装置により帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段の一例を構成している。また、像担持体から離れた個所には、像担持体1から転写材6上に転写されたトナー像を定着するための定着装置8が設けられている。
なお、帯電装置2は像担持体1の表面に当接して、その表面を所定の極性に帯電する帯電ローラを用いた例を示している。また、露光装置3は発光素子として半導体レーザ(図示せず)を使用し、画像データに基づいて光変調されたレーザ光Lを、帯電装置2により帯電された像担持体表面に照射してその表面に静電潜像を形成するように構成されているが、LEDなどの発光素子を有する露光装置などを用いることもできる。
静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置4は、後に詳述するように、現像剤担持体13を介して静電潜像をトナー像として可視像化する。
一方、転写装置5は該転写装置5と像担持体1との間のニップ部に送り込まれた転写材6の表面に、像担持体表面のトナー像が転写される。定着装置8は、転写材6の搬送方向において、像担持体上のトナー像が転写材6に転写される転写位置よりも下流側に設けられ、互いに圧接しながら回転する定着ローラ31と加圧ローラ32とを有し、転写材6がこれらのローラ31,32の間を搬送されるとき、熱と圧力の作用で転写材6上に転写されたトナー像がその転写材上に定着される。
また、転写後の像担持体1の表面に残留したトナーはクリーニング装置7によって除去され、さらに残留電荷が除電ランプ9によって除電され、次の画像形成に備えられる。
かかる画像形成装置において、上記現像装置4は図2に示すように、磁性キャリアと磁性又は非磁性のトナーを有する粉体状の2成分系現像剤19を収容した現像容器10内に、現像領域Aに現像剤19を付与して現像を行うための現像剤担持体としての現像スリーブ13と、現像スリーブ13上に担持された現像剤19の層厚規制する剤規制部材11とを有している。また、現像容器10は、隔壁16により現像剤搬送路17,18が区画されており、現像剤19はこの搬送路に収容されている。この搬送路17,18には、現像剤19を撹拌・搬送するために第1搬送スクリュ14と第2搬送スクリュ15がそれぞれ配置されている。この搬送スクリュ14,15は現像スリーブ13の軸方向に沿ってほぼ平行に配置され、回転することにより搬送路内17,18の現像剤19を軸方向に沿って搬送する。
第1搬送路17内の現像剤は、第1搬送スクリュ14の回転による搬送されている間、現像スリーブ13に内設された磁石12の磁気力によって現像スリーブ13へと供給される。現像スリーブ13に供給された現像剤19は、該現像スリーブ13の回転と、内設された磁石12の磁気力とによって、現像スリーブ13に担持されつつ、矢印Bの方向に搬送される。すなわち、先ず現像スリーブ13に供給担持された現像剤19は、該現像スリーブ13に担持されつつ矢印Bで示すように剤規制部材11を通過し、このとき矢印B1で示すように余分な現像剤19が掻き取られる。剤規制部材11を通過した適正量の現像剤は、矢印B2で示すように現像スリーブ13と像担持体1との間の現像領域Aを通過したのち、現像スリーブ13から離れ、現像容器10の底部へ流れて再び第1搬送路17へと搬送される。
本実施の形態では、搬送スクリュ14,15は回転軸の回りに羽根部材をスパイラル状に設けたスクリュ構造をとり、その回転によって搬送路内の現像剤19を搬送している。
図3は、図2で示した現像装置をC方向より見た図である。
上述したように、2成分現像方式では、画像を出力した場合、現像剤中のトナーのみが消費されるため、消費された分のトナーをトナー補給口20より新たに補給する必要がある。
なお、以下の記載では、トナーを補給する場合について記載してあるが、エアーでトナーを搬送したトナーとの混合気を補給した場合、もしくはトナーとキャリアを含んだ現像剤を補給した場合でも同様の効果が得られる。
トナー補給口20より第2搬送路18内に補給されたトナーは、第2搬送スクリュ15により、現像スリーブ13に現像剤19を供給する第1搬送路17へと搬送される内に、トナーとキャリアの混合撹拌により、徐々に摩擦帯電が促進されていく。このとき、キャリアとの摩擦が十分でなければ、補給されたトナーは現像剤中のキャリアに拘束されず、現像容器外に飛散してしまったり、現像領域Aにて飛散し、感光体上の非画像部に付着し、いわゆる地肌汚れ等の不具合を起こすため、十分に摩擦帯電する必要がある。
十分な摩擦帯電を行う時間を最大限に確保するために、第2搬送路18の上流部にトナー補給口20を設けることが望ましい。なお、本実施形態では、搬送スクリュを2本設けているが、複数本の搬送スクリュを設けた場合にも本発明の効果は同じである。
本発明者は、搬送スクリュ14,15の羽根14a,15aの前後における現像剤19の搬送特性について調べた。
その結果、搬送スクリュで搬送される現像剤は図4に示すような状態になることが判った。搬送路内において、現像剤19は搬送スクリュ14,15の回転に伴い、搬送スクリュの羽根に押し出される形で搬送方向へと搬送される。つまり、搬送スクリュの羽根から力を受ける場所では、現像剤19は搬送され易く、搬送スクリュの羽根から直接力を受けない場所では、現像剤19は搬送され難いため、搬送スクリュ14,15の羽根14a,15aのピッチ間において現像剤19の分布は図4に示すような偏りが生じている。これは、搬送スクリュ14,15の羽根14a,15aは、搬送スクリュの軸14b,15bに対し直角に設けられているのではなく、搬送方向に対し上向きの角度を持っている。このため、搬送スクリュの羽根14a,15aの前部側、すなわち搬送方向の下流側では現像剤19が搬送と共に上向きの力も付与されるからである。
他方、搬送スクリュ14,15の羽根14a,15aの後部において、搬送スクリュ羽根後部の現像剤19にはその前部の現像剤19と比較し、直接上向きの力は付与されないため、搬送スクリュ14,15断面の低い位置に留まっていることが判る。
そこで、本発明では、図5のように搬送スクリュ15上の現像剤分布の高低差を利用し、現像剤19が少ない領域(断面方向で比較すれば、現像剤表層のなるべく低い領域)に多くの補給トナーを補給するように構成している。
このように、搬送スクリュ15の羽根15aの後部に多くトナーを補給することで、補給されたトナーに直接上向きの力は付与されないため、搬送スクリュ断面の低い位置に留まることができる。さらに、搬送スクリュ羽根前部の現像剤の一部が羽根15aを乗り越えてその後側に落下するため、この羽根15aを乗り越え落下してくる現像剤19が補給トナーの上に被さり、その自重により、現像剤中に取り込むことができるため混合撹拌性を向上させることができる。
これに対し、搬送スクリュ15の羽根15a前部に多くトナーを補給してしまうと、羽根15aの前部では補給トナーに上向きの力も付与されるが、その逆の下向きの力、すなわち、現像剤中に取り込まれる向きの力が付与されないため、混合撹拌性が不十分になり易い。なお、羽根の前部及び後部について、羽根から現像剤搬送方向に向かって羽根のピッチ間において中央位置までを羽根の前部、中央位置から羽根までを後部としている。
次に、本発明の具体的なトナー補給機構について説明する。
図4において、第2搬送路18の内壁には開閉手段としてトナー補給口20を覆うことができる大きさの弾性部材からなるシャッター部材21が設けられ、該シャッター部材21は自らの弾性によって常にトナー補給口20を開放するように付勢されているもの、もしくは通常はトナー補給口20を閉じているが、補給されるトナーが図示していないトナー貯留部、例えば、トナーカートリッジ等から現像装置4に送られてくると、そのトナーに押されてトナー補給口20を開くように構成されている。なお、本例のトナー補給口20の形状はほぼ矩形であるが、その形状は矩形以外の適宜形状に設定できる。このとき、シャッター部材21はそのトナー補給口20の形状に合わせるが現像剤搬送方向に対して幅を持っている。
なお、トナー補給口20は、シャッター部材21が搬送スクリュ15の羽根15aと接触する位置に設けられる。具体的には、トナー補給口20は、搬送スクリュ15の羽根15aの最上部と同程度の高さか、それより下の位置に設けることができる。補給されたトナーが現像剤面に落下した時の衝撃が少なければ、補給されたトナーが現像装置内で飛散せずに即座に現像剤中に潜り込ませ易くなるため、補給口20はなるべく低い位置に設けることが好ましいが、搬送中の現像剤により常に補給口が塞がれてしまわない程度の高さであることが必要である。また、現像装置のトナー補給はトナー単体だけでなく、トナーとキャリアをミックスした現像剤であってもよい。
かかるシャッター部材21は、第2搬送路18の内側に開くため、シャッター部材21に搬送スクリュ15の羽根15aが接しているときにはトナー補給の有無に拘らず閉じるように構成されている。このとき、シャッター部材21は現像剤搬送方向上流側に支点21aを設け、その下流側が開閉するように構成している。したがって、搬送スクリュ15の羽根15aが通過する際は、搬送スクリュ15の羽根15aにより搬送路18の壁面側にシャッター部材21が押され、トナー補給口20は閉じられる。このため、搬送スクリュ15の羽根15aが通過する時、つまりは現像剤が多いときには、トナー補給口20は閉じられているため、トナーは補給されない。
しかし、搬送スクリュ15の羽根15aが通過すると、シャッター部材21には搬送スクリュの羽根15aから受けていたトナー補給口20を閉じる方向の力がなくなる。よって再度、搬送スクリュ15の軸方向へとシャッター部材21が飛び出し、トナー補給口20は開口され現像剤量が少ない領域へとトナーが補給される。このとき、図4に示す搬送スクリュ15の羽根15は前部が緩やかに傾斜しているのに対し、後部は傾斜角が大きいので、羽根15aが通過したときに素早くシャッター部材21が開き、現像剤量が少ない後部へに多くのトナーを補給することを促進している。
このように構成された現像装置は、搬送スクリュ15の羽根15aの前部より羽根15aの後部に多くのトナーを補給することができるため、十分な混合撹拌効果が得られる。
一般的に、現像剤中のキャリアが拘束できるトナーの量(以下、被覆率という。)は、トナーとキャリアの粒径により決まっているために、一度に大量のトナーを補給した場合、たとえ、混合撹拌性に優れていたとしても、すでに許容の被覆率を超えていたならば、補給トナーがキャリアに拘束できない。
このため、補給トナー量あたりの現像剤量を増やす必要があるが、トナー補給制御にて分割補給を行うとその制御機構が複雑化しコスト的に高価になるもしくは、補給制御機構が大型化してしまうという課題がある。
しかし、上記実施形態の現像装置では搬送スクリュ15の羽根15aの通過にあわせて補給口が開閉するため、現像剤が少ない領域に多くのトナーを補給することによる良好な混合撹拌性の利点に加えて、補給トナーの分散性が向上する利点も有している。
このようにシャッター部材21は、搬送スクリュ15の羽根15aの通過に連動して、間欠的にトナーを搬送路18内へと補給することができるため、複雑な補給制御機構を用いなくともトナーの長手方向への分散性も向上することができる。
ところで、トナー補給口20の現像剤の搬送方向と平行な方向の幅は、搬送スクリュ15の羽根15aの通過と連動して補給するためには、搬送スクリュ15の羽根15aのピッチ間より狭いことが望ましい。ただし、羽根のピッチ間が一定ではない搬送スクリュを用いた場合には、トナー補給口20の位置における羽根のピッチ間がその幅より広く設計されていれば良く、トナー補給口近傍以外の部位に関してはトナー補給口の幅より搬送スクリュ羽根のピッチ間が狭く設計されていても問題はない。
図6は、他の開閉手段を備えた現像装置の実施形態を示し、本実施形態ではトナー補給口20にシャッター部材を設けずに、搬送スクリュ15の羽根15a自身によってそのトナー補給口20を閉じるように構成している。このとき、搬送スクリュ15の羽根15aの先端部における搬送方向の厚さTをトナー補給口20の幅Wより厚くすることで、羽根15aによってトナー補給口20を閉じることができる。
図6に示す搬送スクリュ15の羽根15aは、その全長に亘って厚くする必要がなく、厚く形成する部分はトナー補給口とその近傍部分だけで十分に足りる。そして、搬送スクリュ15の羽根15aの厚さTを厚くする場合、通常、図7(a)に示す程度の厚さtである羽根15aを、図7(b)に示すように厚さTに形成したものや、図7(c)に示すように、羽根15aの搬送方向下流側に突き出る庇部15cを形成して厚さTにしたものを用いることができる。前者の図7(b)に示す羽根15aの場合、型抜きが容易で製造コストが安くなる。また、後者の図7(c)に示す羽根15aの場合、羽根15aの手前で確保できる現像剤量が前者のものに比べて多くなるため、搬送性に優れている。なお、搬送スクリュ15の頂部とトナー補給口20との隙間はシール部材(図示せず)等で埋めるとより開閉手段の密閉性が増し精度良くトナー補給を制御することができる。
このように、トナー補給口20を搬送スクリュ15の羽根15aで開閉すると、シャッター等の部材を設けることがなく、羽根とシャッターとの接触による磨耗がないので耐久性に優れている利点が得られる。
ところで、現像剤を搬送スクリュ14,15を用いて搬送する場合、搬送スクリュ14,15のスパイラルの巻き方向により現像剤が溜まる向きが異なってくる。図8は図5を上方から見た搬送スクリュ15内の現像剤寄り方向の概略図である。
図8(a)は、補給口と反対側に剤が寄るように搬送スクリュのスパイラルの巻き方向設計した場合である。このとき、現像剤の量が最も少ない部分にトナーを補給することができるため、搬送路の断面方向の下部まで補給トナーを潜り込ませることができる。
また、図8(b)は、補給口側に剤が寄るように搬送スクリュのスパイラルの巻き方向設計した場合である。上述してきたように、搬送スクリュ羽根前部の現像剤の一部は、羽根を乗り越え、羽根の後部へと落下して来るが、現像剤が寄っている側の方が、この落下現像剤量が多くなる。つまり、補給口側に現像剤が寄るように設計すると、この搬送スクリュを乗り越えて補給トナーの上に覆い被さる現像剤量が増えるため、より混合撹拌性が向上する利点を有する。
また、第2搬送路18は図9に示すように、その形状を搬送スクリュ15を覆うドーム形状にした場合、以下のような効果がある。
搬送スクリュ15の羽根15aの前部では、現像剤の一部が羽根15aを乗り越えて後部へと落下している。このとき、搬送路18と搬送スクリュ15の羽根15aの間に隙間がある場合には、羽根を乗り越えた現像剤の一部はその隙間へと逃げることができる。しかし、図9に示すように、搬送路18の一部を搬送スクリュ15の羽根15aの形状に沿う形でドーム状に形成すると、搬送路18の壁面と搬送スクリュ15の羽根15aの間の隙間が狭くなるため、確実に搬送スクリュ15の羽根後部へ羽根15aを乗り越えた現像剤を落とすことができる。
このため、図3のE点付近のようなトナー補給口20の搬送方向下流側に一部部分において、上述したようなドーム形状の部材を設けることで、補給トナー上部から降りかかる現像剤量を増やすことができ、補給トナーの混合撹拌性を高めることができる。
図10は、本発明の他の実施形態を示す説明図であって、第2搬送路18のトナー補給口20の近傍には電磁石22としての磁界発生手段を用いることで補給のオン・オフを行うようにしている。電磁石22を用いた場合、該電磁石22に電流が流れ、磁界が発生した場合には、その電磁石22近傍に現像剤が集まり、トナー補給口20を塞ぐためトナー補給が行われない。また、電磁石22の電流を流さなければ電磁石22近傍には磁界が発生しないため、電磁石22近傍に拘束されていた現像剤は開放され、トナー補給口20からトナーが補給される。
この電磁石22の磁界発生周期を、搬送スクリュ15の羽根15aの通過周期に同期させて制御を行えば、羽根15aの後部にトナーを補給することが可能となる。
また、図11に示すように、トナー補給口20付近において、搬送スクリュ15の羽根15aの厚さTを厚くし、それ自体に永久磁石24などの磁界発生手段を設けた場合には、搬送スクリュ15の羽根15a自身によって現像剤が拘束される。この場合、搬送スクリュ15の羽根15aに拘束された現像剤の内、一部は搬送スクリュ15の回転により、搬送スクリュ15から離れ搬送路の下流へと搬送されていくが、他は搬送スクリュ15の羽根15a上の磁石24に拘束されたままとなる。搬送スクリュ15に現像剤が拘束されていない場合には、トナー補給口20と搬送スクリュ15の羽根の間に若干の隙間が存在することがあるが、搬送スクリュ15の羽根15の磁石24に現像剤が拘束されている場合には、より確実に補給口を塞ぐことができ、トナー補給制御の精度が向上し望ましい。なお、本例においても図6と同様に、搬送スクリュ15の羽根15aの先端部における搬送方向の厚さTをトナー補給口20の幅Wより厚くしている。
図12は、本発明の他の実施形態を示す現像装置40の一例を示す断面図であり、先ずその全体構成から明らかにする。
現像装置40は、磁性キャリアと磁性又は非磁性のトナーを有する粉体状の2成分系現像剤19を収容した現像容器50内に、現像領域Aに現像剤を付与して現像を行うための現像剤担持体としての現像スリーブ53と、現像スリーブ53上に担持された現像剤の層厚規制する剤規制部材51とを有している。また、現像容器50は、隔壁56により紙面上下に現像剤搬送路57,58が区画されており、現像剤はこの搬送路に収容されている。
上搬送路である第1搬送路57と下搬送路である第2搬送路58には、現像剤を撹拌・搬送するために第1搬送スクリュ54と第2搬送スクリュ55がそれぞれ配置されている。
搬送スクリュ54,55は現像スリーブ53の軸方向に沿ってほぼ平行に配置され、回転することにより搬送路内の現像剤を軸方向に沿って1方向に搬送する。このとき、第2搬送スクリュ55は第1搬送スクリュ54とほぼ平行に配置され、第2搬送路58の現像剤を第1搬送スクリュの搬送方向とは逆方向に搬送される。
このようにして、第1および第2搬送スクリュ54,55の回転による搬送によって、現像剤は図13の矢印で示すように、隔壁56の両端に設けられた連通部61,62を通じて第1搬送路57と第2搬送路58の間を循環する。
さらに、第1搬送路57内の現像剤は、第1搬送スクリュ54の回転による搬送されている間、第1搬送路57と現像スリーブ53の間に配置されている障壁63を乗り越えるかもしくは、現像スリーブ53に内設された磁石52の磁気力によって現像スリーブ53へと供給される。現像スリーブ53に供給された現像剤は、該現像スリーブ53の回転と、内設された磁石52の磁気力とによって、現像スリーブ53担持されつつ、矢印Bの方向に搬送される。すなわち、先ず現像スリーブ53に供給担持された現像剤は、該現像スリーブ53に担持されつつ矢印Bで示すように剤規制部材51を通過し、このとき矢印B1で示すように余分な現像剤が掻き取られる。剤規制部材51を通過した適正量の現像剤は、矢印B2で示すように現像スリーブ53と像担持体1との間の現像領域Aを通過したのち、現像スリーブ53から離れ、現像容器50の底部へ流れて再び第2搬送路58へと搬送される。即ち、現像スリーブ53上に担持されて現像領域Aに搬送され、現像に供された後、現像領域Aにおいて現像に供されないで残った現像剤は、現像スリーブの回転に伴って第1搬送路57に再度回収されるのではなく、一度第2搬送路58に回収されるために第1搬送路57内には常に第2搬送路58で十分攪拌された現像剤のみが存在する。
本実施の形態では、搬送スクリュは回転軸の回りに羽根部材をスパイラル状に設けたスクリュ構造をとり、その回転によって搬送路内の現像剤を搬送している。
ところで、このような現像装置40では、第1搬送路57と第2搬送路58とが垂直方向に配置されているため、図14に示すように第1搬送路57から第2搬送路58への現像剤は連通部61を介して上から下へ、また、第2搬送路58から第1搬送路57への現像剤は連通部62を介して下から上へ動く。特に、第2搬送路58から第1搬送路57へは、端部に溜まった現像剤の圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤が受け渡される。この時の剤循環経路を図13に示すが、第2搬送路58から第1搬送路57へ受け渡された現像剤のすべてが第1搬送路57において第1搬送スクリュ54の下流端に到達するわけではなく、途中で現像スリーブ53に供給され、現像領域Aを通過後、第2搬送路58に回収される成分が存在する。
この成分の経路を図13に矢印aで示す。この現像スリーブへの現像剤の受け渡しは、現像スリーブ53の幅のほぼ全体にわたってなされる。このため、第1搬送路57内において第1搬送スクリュ54により搬送される現像剤の量は、上流端から下流端に行くに従い徐々に減少する傾向がある。一方、第2搬送路58内において第2搬送スクリュ55により搬送される現像剤の量は、上流端から下流端にいくに従い徐々に増加する傾向がある。即ち、現像装置内の現像剤の分布には片寄りが存在する。
上下で1方向に循環する現像装置においても、補給トナーの撹拌混合性を高めるために(撹拌混合時間を稼ぐために)、図14に示すように第1搬送路57の最下流部若しくは第2搬送路58の上流部にトナー補給口20を設けることが望ましい。
さて、1方向循環現像装置においては、補給口近傍つまりは、第2搬送路の上流では、現像剤量が少なくなっている。よって、本発明を1方向循環現像装置と組み合わせて用いることで現像剤が少ない位置つまりは断面方向で比較すると下方の位置に補給トナーを補給できることで、第2搬送路58内を搬送されるに現像剤量が徐々に増加したとしても、補給トナーの上側から現像剤を多い被せる事ができるため、補給トナーの混合撹拌性をさらに向上させることができる。
次に、本発明のさらに別の実施形態を、図15及び図16を用いて説明する
図15及び図16において、本例と図4に示す実施形態との違いを説明すると、トナー補給口20を塞ぐシャッター部材21は剤搬送方向下流側が支点21aとなるように他の辺が切り欠かれて形成され、さらに搬送路18内に突き出した爪部25を設けている。搬送スクリュ15の羽根15aが爪部25に接触し始めると、シャッター部材21が外側に押しやられ、トナー補給口20が開口し始め、スクリュ後部にトナーが補給される。このシャッター部材21は現像剤搬送方向に幅を持つとともに、搬送路18の内外何れの壁面に取り付けることができる。
また、図17は本発明のさらにまた別の実施形態について説明する。
図17において、トナー補給口20はシャッター部材として剤搬送方向下流に向かって開くことができるスライドドア26が設けられている。このスライドドアは、図示していない弾性部材等の作用により通常はトナー補給口20を閉じる位置に保持されている。そして、トナー補給口20の搬送路18側面には本例では矩形に形成された作用爪27が固定されている。他方、搬送スクリュ15の羽根15aにはスライドドア26を閉口するための切り欠き部15dが形成されている。
このように構成された現像装置は、搬送スクリュ15の回転でスライドドア26の作用爪27が羽根15aに引っかかると、スクリュ羽根15aの回転に伴いスライドドア26がスライドしてトナー補給口20を開口し、トナーが補給される。そして、搬送スクリュ15の回転により、羽根15aの切り欠け部15dがスライドドア26の作用爪27に到達すると、羽根15aとの引っかかり外れてスライドドア26が弾性部材の作用により閉口する。
このスライドドア26によってトナー補給口20を開閉する機構では、作用爪27や切り欠け部15dの位置を変えることでスライドドア26の開閉時間や開閉位置を調整することができる。
本発明に係る現像装置を用いる画像形成装置の主要部を示す概略図である。 本発明に係る現像装置の一実施形態を示す断面図である。 その現像装置の剤循環経路を示す断面説明図である。 その現像装置の補給口近傍の詳細を示す断面説明図である。 その現像装置の搬送方向と直交する面の現像剤の分布を示す断面図である。 現像装置の開閉手段の他の実施形態を示す概略図である。 (a),(b),(c)は現像装置における羽根の断面形状を示す図である。 (a),(b)はスクリュのスパイラルの巻き方向と現像剤の寄り方向を示す概略図である。 図3のE部における搬送路の断面形状を示す図である。 本発明の他の実施形態を示す補給口近傍の説明図である。 図10に示す実施形態の変形例を示す説明図である。 本発明に係る現像装置の別の実施形態を示す断面図である。 図12の現像装置の剤循環方向を示す説明図である。 図12の現像装置の剤循環経路を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態を示す補給口近傍の説明図である。 図15に示す実施形態を横から見た説明図である。 本発明のさらにまた他の実施形態を示す補給口近傍の説明図である。
符号の説明
1 像担持体
4、40 現像装置
10、50 現像容器
13、53 現像スリーブ
14、54 第1搬送スクリュ
15、55 第2搬送スクリュ
15a 第2搬送スクリュの羽根
15c 庇部
15d 切り欠き部
17、57 第1搬送路
18、58 第2搬送路
20 トナー排出口
21 シャッター部材
21a シャッター部材の支点
26 スライドドア

Claims (10)

  1. 静電潜像が形成される像担持体と対向配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体に供給するためのトナーとキャリアを有する2成分系現像剤を撹拌しつつ搬送する少なくとも1つの搬送路と、該搬送路に設けられたトナーもしくは現像剤補給用の補給口とを具備し、前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置において、
    前記搬送路には、螺旋状の羽根を具備する搬送部材が設けられ、
    前記補給口が該搬送部材の回転によって生ずる現像剤の少ない領域で、かつ、前記搬送部材の螺旋状の羽根の最上部と同等の高さかそれ以下の位置に設けられているとともに、
    該補給口には前記搬送部材の螺旋状の羽根の通過によって開閉される開閉手段が設けられていることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1に記載の現像装置において、前記開閉手段が、搬送路の内側に開くように付勢されたシャッター部材であり、該シャッター部材が前記搬送部材の螺旋状の羽根に押されると前記補給口を閉じ、螺旋状の羽根が離れると前記補給口を開くことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項2に記載の現像装置において、前記シャッター部材は前記搬送部材の搬送方向に幅を持つ板状に形成され、かつ、現像剤搬送方向上流側を支点として現像剤搬送方向下流側が作動して前記補給口を開閉することを特徴とした現像装置。
  4. 請求項1に記載の現像装置において、前記開閉手段が螺旋状の羽根の先端部に設けられた現像剤搬送方向下流側に突き出た庇部であることを特徴とした現像装置。
  5. 請求項1に記載の現像装置において、前記開閉手段が、閉じる方向に付勢され、搬送路内側に突出した突起が設けられたシャッター部材であり、該シャッター部材はその突起が前記搬送部材の螺旋状の羽根によって押されると前記補給口を開き、突起から螺旋状の羽根が離れると前記補給口を閉じることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項5に記載の現像装置において、前記シャッター部材は前記搬送部材の搬送方向に幅を持つ板状に形成され、かつ、現像剤搬送方向下流側を支点として現像剤搬送方向上流側が作動して前記補給口を開閉することを特徴とした現像装置。
  7. 請求項1に記載の現像装置において、前記開閉手段が、常時閉じる方向に付勢され、前記搬送部材の螺旋状の羽根に爪部が押されると現像剤搬送方向下流側に開くスライドシャッター部材であり、該スライドシャッター部材は螺旋状の羽根に形成された切り込みに前記爪部が達すると閉じることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1に記載の現像装置において、前記開閉手段が前記補給口の開閉を磁気的に行うことを特徴とした現像装置。
  9. 請求項1ないし8の何れかに記載の現像装置において、前記補給口の現像剤搬送方向の幅が補給口近傍における螺旋状の羽根のピッチ間隔より狭いことを特徴とした現像装置。
  10. 請求項1ないし9の何れかに記載の現像装置を備えたことを特徴とした画像形成装置。
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