JP5228759B2 - 抵抗分布検出装置及びそれを使用する燃料電池システム - Google Patents

抵抗分布検出装置及びそれを使用する燃料電池システム Download PDF

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Description

この発明は、抵抗分布検出装置及びそれを使用する燃料電池システムに関する。
燃料電池の出力密度を向上させるには、セルの発電電流密度のムラをなくして発電電流密度を一様にしつつ、発電電流密度を高めることが望ましい。セルの発電電流密度のムラは、セルの内部抵抗の分布(バラツキ)によって生じてしまう。またセルの内部抵抗が高いと、電力損失が生じてしまって発電電流密度を高めることができない。したがって発電中は、セルの内部抵抗の分布(バラツキ)を所定の範囲内に納めつつ、セルの内部抵抗を極力低減することが望ましい。
ところで抵抗分布の検知対象であるセルは、電解質膜を含む膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;以下「MEA」という)の表裏面に一対のセパレータが配置された構成である。セパレータには、電力損失を低減するように、体積抵抗率の低いカーボンやステンレス材などが用いられる。そのためセルの内部抵抗は、特に電解質膜の内部抵抗に依存する。電解質膜の内部抵抗は、電解質膜のイオン伝導度に大きな影響を受ける。イオン伝導度が高まると、電解質膜の内部抵抗が小さくなる。セル全体としての内部抵抗も小さくなる。そしてイオン伝導度は電解質膜の含水量に比例して高く(伝導しやすく)なる。したがって、電解質膜の含水量を発電状態に応じて適切に制御すれば、セルの発電電流密度のムラがなくなるとともに、セルの発電電流密度が高くなって、出力密度が向上する。
このようなことから、電解質膜の内部抵抗の分布を正確に検出することが望ましい。
しかしながらセパレータには、上述のように体積抵抗率の低いカーボンやステンレス材が用いられるので、セパレータの外部から電解質膜の抵抗分布を検出しようとすると、セパレータの面内方向の電流分流効果(シャント効果)によって、分布が平滑化されて小さくなった抵抗分布が検出されることとなる。したがって抵抗分布を正確に検出するには、セパレータの電流分流効果(シャント効果)を防止する必要がある。
たとえば特許文献1では、セパレータの面内方向へ電流が分流することを防止するために、電気絶縁材で複数の部分領域に区分した専用セパレータを使用してセルの抵抗分布を検出する。
特開2003−77515号公報
しかしながら、前述した従来の方法では、セパレータを構造的に区分(分割電極化)するので、実際の燃料電池セルとは異なった計測結果になってしまう。したがってこのような計測結果と実際の分割電極化していないセパレータとの差異を検証する必要がある。またセパレータのガスシールや機械強度などの本来の機能を維持するための構造や、それを製造することが難しい。そのため実際の燃料電池スタックに組み込んで抵抗分布を検出することが困難である。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、実際の燃料電池セルの抵抗分布を正確に検出可能な抵抗分布検出装置及びそれを使用する燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、電気絶縁性のベースプレートの表面に形成されて抵抗分布検知対象セルに当接する複数の電極を含む電極プレートと、複数の電極のそれぞれの電位が同電位になるように交流を流す交流制御器と、複数の電極に流された交流に基づいて各電極に当接する領域毎の抵抗値を算出する抵抗算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電気絶縁性のベースプレートの表面に形成されて抵抗分布検知対象セルに当接する複数の電極のそれぞれの電位が同電位になるように交流を流すようにした。交流はスタック発電電流(直流)と混合しない。したがって抵抗分布検知対象セルの内部抵抗を正確に検出できるのである。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
はじめに本発明の理解を容易にするために、図13及び図14を参照して解決課題について説明する。
燃料電池の発電セル10は、MEA11の表裏面にセパレータ12が積層された構造である。セル10の内部抵抗をモデル化して示したのが図13である。MEA11は箇所によって、電圧E(1),E(2),E(3),E(4)を発電する。また箇所によって、内部抵抗Rm(1),Rm(2),Rm(3),Rm(4)が分布する。
上述のようにセパレータ12には、体積抵抗率の低いカーボンやステンレス材などが用いられるので、セパレータ12の外部からMEA11の抵抗分布を検出しようとすると、セパレータ12の面内方向に電流Ip(1),Ip(2),Ip(3)が分流してしまう。
図14(A)に示したように内部抵抗Rm(1),Rm(2),Rm(3),Rm(4)が分布していても、電流Ip(1),Ip(2),Ip(3)が分流することで、電流の検出値(図14(B)の実線)が、本来値(図14(B)の破線)に比べて平滑化されてしまう。このため内部抵抗の検出値(図14(C)の実線)も、本来値(図14(C)の破線)に比べて平滑化されてしまうのである。
図1は、本発明による抵抗分布検出装置を使用する燃料電池を示す図であり、図1(A)は全体斜視図、図1(B)は電極プレートの単品を抜き出して示す斜視図、図1(C)は燃料電池の一部の断面を拡大して示す図である。
燃料電池スタック1は、複数の発電セル10を積層し、その両側からエンドプレート40で挟持する構成である。
発電セル10は、燃料電池の単位セルである。各発電セル10は、1ボルト(V)程度の起電圧を生じる。
発電セル10は、図1(C)に示すように、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;以下「MEA」という)11の表裏面にセパレータ12が積層された構造である。
MEA11は、イオン交換膜からなる電解質膜11aの両面に電極触媒層11bが形成されている。この電極触媒層11bに、セパレータ12が重なる。
セパレータ12は、表裏面に凹凸が形成され、その凹部がガス流路12aとなる。片面のガス流路12aにカソードガスが流れ、裏面のガス流路12aにアノードガスが流れる。なお反応ガスの漏出を防止するためにシール13が配置されている。セパレータ12の内部には冷却水流路12bが形成される。
エンドプレート40は、積層された発電セル10の最外部分に配置される。エンドプレート40は、剛性のある金属材料、たとえば鋼などで形成される。
一方のエンドプレート40(図1では、左手前のエンドプレート40)には、アノード供給口41aと、アノード排出口41bと、カソード供給口42aと、カソード排出口42bと、冷却水供給口43aと、冷却水排出口43bとが設けられている。本実施形態では、アノード供給口41a、冷却水供給口43a及びカソード供給口42aは図中左側に設けられている。またアノード排出口41b、冷却水排出口43b及びカソード排出口42bは図中右側に設けられている。
なお図示を省略するが、エンドプレート40の四隅付近には、ナットがそれぞれ配置される。燃料電池スタック1は内部に貫通した孔(不図示)が形成されている。この貫通孔にはテンションロッド(不図示)が挿通される。テンションロッドは、剛性のある金属材料、たとえば鋼などで形成される。テンションロッドは、発電セル同士の電気短絡を防止するため、表面には絶縁処理されている。このテンションロッドの両端に上述したナットが螺合する。ナットとテンションロッドとが燃料電池スタック1を積層方向に締め付ける。
アノード供給口41aにアノードガスとしての水素を供給する方法としては、例えば水素ガスを水素貯蔵装置から直接供給する方法、又は水素を含有する燃料を改質して改質した水素含有ガスを供給する方法などがある。なお、水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリン等がある。また、カソード供給口42aに供給するカソードガスとしては、一般的に空気が利用される。
MEA11、セパレータ12及び電極プレート20には、それぞれ孔41a,41b,42a,42b,43a,43bが形成されている。たとえば電極プレート20の様子を図1(B)に示す。これらが重ねられて、アノード供給口41a、アノード排出口41b、カソード供給口42a、カソード排出口42b、冷却水供給口43a及び冷却水排出口43bが形成される。
燃料電池スタック1には、一部(図1では1枚)のMEA11の代わりに電極プレート20が積層されている。なお図1では1枚の電極プレート20が積層されているが、2枚以上であってもよい。
図1(B)に示すように電極プレート20は、ベースプレート21と、電極22(電極22−1,電極22−2,電極22−3及び電極22−4)と、を含む。
ベースプレート21は電気絶縁性である。ベースプレート21はコネクタエッジ21aを含む。またベースプレート21は、図1(C)に示すように交流発生器30を内蔵する。交流発生器30は、信号線21b(信号線21b−1,信号線21b−2,信号線21b−3,信号線21b)を介して各電極22(電極22−1,電極22−2,電極22−3,電極22−4)を接続する。交流発生器30は、各電極22(電極22−1,電極22−2,電極22−3,電極22−4)ごとに交流を調整可能である。
電極22は、ベースプレート21の片面に形成される。図1(B)では、電極22−1,電極22−2,電極22−3及び電極22−4の4枚が形成された場合を一例として示したが、2枚若しくは3枚であっても又は5枚以上であってもよい。要求される精度や製造コストなどを勘案して適宜設定すればよい。電極22は、抵抗分布検知対象セル10に当接する。なお本実施形態では抵抗分布検知対象セル10は、図面左側のセル10である。
そして、電極プレート20のコネクタエッジ21aと、MEA11を挟んで電極プレート20の反対側の抵抗分布検知対象セル10と、が帰還電流配線23で接続される。
また図1では図示を省略するが、図2に示すように、MEA11の片面と、そのMEA11の反対面側に当接する電極22と、の電位差を検出する検出器51が設けられている。
図2は上述の構成をモデル化した図である。
コントローラ70は、検出器51−1,51−2,51−3,51−4で検出された電位差Vs(1),Vs(2),Vs(3),Vs(4)を入力し、その電位差Vs(1),Vs(2),Vs(3),Vs(4)が等しくなるように交流発生器30−1,30−2,30−3,30−4の発生交流を制御する。このとき交流電流Is(1)は、電極22−1、MEA11の内部抵抗Rm(1)、帰還電流配線23−1を流れる。交流電流Is(2),Is(3),Is(4)も同様に流れる。そしてコントローラ70は、この交流信号にオームの法則を適用することで、内部抵抗Rm(1),Rm(2),Rm(3),Rm(4)を算出する。
このように電位差Vs(1),Vs(2),Vs(3),Vs(4)が等しくなるように交流発生器30−1,30−2,30−3,30−4の発生交流を制御するようにした。このようにすることで、セパレータ12の面内抵抗Rpの両端電位差がゼロとなり、セパレータ12の面内方向に電流Ip(1),Ip(2),Ip(3)が分流してしまうことを防止できる。
図3は本実施形態の効果を説明する図である。
したがって本実施形態による検出値(図3(B)の実線)は本来値に一致する。なお図3(B)では図14(B)の検出値を参考までに破線で付した。このため内部抵抗の検出値(図14(C)の実線)も、本来値に一致するのである。なお図3(C)でも図14(C)の検出値を参考までに破線で付した。
なお本実施形態では、交流発生器30−1,30−2,30−3,30−4を使用して交流を制御している。そのためスタック発電電流(直流)と混合しない。そして交流電流Is(1),Is(2),Is(3),Is(4)及び交流電位Vs(1),Vs(2),Vs(3),Vs(4)からオームの法則によって、各電極領域の内部抵抗Rm(1),Rm(2),Rm(3),Rm(4)を正確に算出できるのである。なお直流のパルス波(電圧レベルを周期的にON/OFFさせる)でも同様に作用し得るが、スタック発電量と同等の大電力(数kW)をドライブする回路が必要になり、特に自動車用などの燃料電池ではスタックより回路が大形になり非現実的である。また、既存のFRA(周波数応答解析法)でも準直流(1Hz以下)にて抵抗分布計測は可能であるが供試体をある程度発電しないと検出できないなどの制約がある。したがって本実施形態のように交流を制御することが最適である。
(第2実施形態)
図4は、本発明による抵抗分布検出装置の第2実施形態を示すモデル回路図である。なおこの図4は第1実施形態の図2に相当する図であり主要構成のみ取りだした。また以下では前述と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の抵抗分布検出装置は、基準電位発生器52を含む。また隣設する電極22の電位を比較する比較器53を含む。そしてこの電位差をフィードバックして電位差をゼロにするように、交流発生器30が発生交流を調整する。
比較器53−1は、基準電位発生器52の基準電位Vs(0)と電極22−1の電位Vs(1)との電位差を検出しこの電位差がゼロになるように交流発生器30−1の発生交流をフィードバック制御する。またこのときの発生交流信号Sis(1)をコントローラ70に送信する。コントローラ70はこの交流信号Sis(1)にオームの法則を適用することで、内部抵抗Rm(1)を算出する。
比較器53−2は、電極22−1の電位Vs(1)と電極22−2の電位Vs(2)との電位差を検出しこの電位差がゼロになるように交流発生器30−2の発生交流をフィードバック制御する。またこのときの発生交流信号Sis(2)をコントローラ70に送信する。コントローラ70はこの交流信号Sis(2)にオームの法則を適用することで、内部抵抗Rm(2)を算出する。比較器53−3及び比較器53−4についても同様である。
本実施形態によれば、隣設する電極22の電位差を検出し、その検出電位差をフィードバックして隣設する電極22の電位が同じになるように交流を制御する。このようにすれば、電源を投入してから所定時間経過後(フィードバックが収束完了後)は、各電極22は基準電位発生器52の出力電位に常に制御される。これによってセパレータの面内抵抗Rpの両端電位差がゼロに保たれ、面内抵抗Rpには電流が流れない。すなわちセパレータ12の面内方向に電流が分流してしまうことを防止できる。
また各比較器53の出力信号Sisは各交流電流Isに比例した値である。したがって各比較器53の出力信号Sisをコントローラ70に入力して、出力信号の比例係数を乗算して交流電流Isが求められる。そしてこの交流電流Isと基準電位発生器52の出力電圧Vs(0)とからオームの法則に基づいて、各電極領域の抵抗値を正確に求めることができるのである。
さらに本実施形態によれば、第1実施形態よりも回路を簡易に組むことができ、製造コストを低減できるのである。
(第3実施形態)
図5は本発明による抵抗分布検出装置の第3実施形態を示すモデル回路図であり、図5(A)は全体図、図5(B)は図5(A)の破線内の等価回路を示す図である。
本実施形態の抵抗分布検出装置は、基準電位発生器52を含む。またこの基準電位と各電極22との電位を比較する比較器54を含む。そしてこの電位差をフィードバックして電位差をゼロにするように、交流発生器30が発生交流を調整する。
図5(B)に示すように、電極22の電位の振幅情報のみをフィードバックする。そして、電圧ゲイン制御アンプ(VGA)を用いて基準電位発生器52の出力波形Vs(0)の振幅を比較器54の出力(フィードバック量)によって加減する。そして、電圧ゲイン制御アンプ(VGA)の出力を電圧/電流変換回路を通して交流電流Is(x)を発生させる。
本実施形態のように構成しても、電源を投入してから所定時間経過後(フィードバックが収束完了後)は、各電極22は基準電位発生器52の出力電位に常に制御される。これによってセパレータの面内抵抗Rpの両端電位差がゼロに保たれ、面内抵抗Rpには電流が流れない。すなわちセパレータ12の面内方向に電流が分流してしまうことを防止できる。
また基準電位発生器52の出力波形Vs(0)と同位相の交流電流が発生するので、振幅情報だけを出力波形Vs(0)に一致させればよい。したがって本実施形態によれば少ない回路素子で交流電流を精緻に制御できるのである。
また基準電位発生器52に周波数掃引機能を設け、交流波形の周波数を所定の範囲で掃引することで、抵抗分布検知対象セル10の交流インピーダンスを測定することもできる。そして測定された交流インピーダンスから、抵抗分布検知対象セル10の抵抗(イオン+電子移動抵抗)に加えて電解質膜の電気化学界面での電荷移動抵抗を導き出すことができる。この電荷移動抵抗は電気化学的な反応の状態を示すので、この電荷移動抵抗から抵抗分布検知対象セル10の面内における反応ガスの供給状態を分布として推定することも可能となる。さらにはこの反応ガス供給状態推定に基づいて反応ガス供給量などを制御することで燃料電池の発電効率を向上させることが可能になる。
(電極プレートの内部構造)
図6は電極プレートの内部構造を示す図である。
ベースプレート21は、片面(図6では底面)に電極22が形成されており、その反対面(図6では天面)には背面電極24が形成され、電極22と背面電極24とは導電体25で接続されている。この導電体25は抵抗分布検知対象セル10を含む発電電流を貫通させるものである。導電体25は、最大貫通電流容量に応じた本数で電極22と背面電極24とを接続する。また交流発生器(交流発生回路)30は、ベースプレート21の電極22の背面に内蔵されている。このような構造の電極プレート20は、多層プリント基板の製造プロセスによって製造することができる。
交流発生器30を内蔵することで、外部配線を無くして、抵抗分布検知対象セル10及び他の発電セルと同一サイズになり、燃料電池スタックの大きさを変えることなく介装することができる。
また電極22の直下に交流発生器(交流発生回路)30を形成することで電気ノイズや配線抵抗に起因する検出誤差も少なくできる。
さらに電極22と背面電極24とを導電体25で接続したので、電極プレート20の表裏面間を発電電流が自在に通電できる。したがって電極プレート20を燃料電池スタックを任意の場所に積層可能である。したがって燃料電池システムの設計自由度が向上する。
さらにまた複数の電極プレート20を介装してもよい。このようにすれば、燃料電池スタックの全域の発電セルに対して適切な発電制御を行って常に最大限の発電出力密度を発揮させることも可能になる。
また電極22は、たとえば4枚などに分割されているが、導電体25によって背面電極24と導通されているので、燃料電池スタックの発電電流(直流)の流れを乱すことがなく、電極プレート20が介在しない本来のスタック発電現象を再現できるのである。
(抵抗分布検出装置を使用する燃料電池システム)
図7は、本発明による抵抗分布検出装置を使用する燃料電池システムを示す図である。
燃料電池システム100の燃料電池スタック1は、上述した電極プレート20を含む。
燃料電池システム100のカソード流路110の上流側にはブロア111が設けられる。このブロア111によって空気(カソードガスC)が燃料電池スタック1に供給される。ブロア111を制御することでカソードガス流量を調整できる。カソード流路110の下流側には排気弁112とカソード圧力センサ113とが設けられる。排気弁112を制御することでカソードガス圧力を調整できる。
燃料電池システム100のアノード流路120の上流側には燃料供給バルブ121とアノード圧力センサ122とが設けられる。燃料供給バルブ121を制御することで発電量を調整できる。アノード流路120の下流側には循環ポンプ123とパージ弁124とが設けられる。循環ポンプ123とパージ弁124との間から循環流路120aが分岐する。
燃料電池システム100の冷媒流路130の上流側には流量弁131が設けられる。流量弁131を制御することで冷却量を調整できる。
電流密度分布センサ20の電流密度分布信号、温度分布信号、カソード圧力信号、アノード圧力信号などに基づいて、FC運転コントローラ150は、ブロア111、排気弁112、燃料供給バルブ121、循環ポンプ123、流量弁131、電力調整装置140などを制御する。なおFC運転コントローラ150は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ150を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
図8は、本発明による燃料電池システムの制御内容をまとめた図である。
燃料電池システムは、この図8に示されたような制御を実行する。具体的な内容は、図9以降のフローチャートに沿って説明する。
(ドライアウト回避制御)
図9は、本発明による燃料電池システムのドライアウト回避制御を示すフローチャートである。
ステップS100においてコントローラは、抵抗分布検知対象セルの抵抗値及びその分布を検出する。
ステップS210においてコントローラは、抵抗値が上昇したか否かを判定する。抵抗値が上昇しなければドライアウトの可能性は高くないので、ステップS800へ処理を移行し通常運転制御を実行する。抵抗値が上昇すればステップS220へ処理を移行する。
ステップS220においてコントローラは、検出された抵抗分布が過大であって許容範囲を超えるか否かを判定する。許容範囲を超えればステップS230へ処理を移行した後、ステップS240へ処理を移行する。許容範囲を超えなければ、ステップS240へ処理を直接移行する。
ステップS230においてコントローラは、出力制限フラグをセットする。
ステップS240においてコントローラは、ドライアウト回避制御を実行する。
図10は、ドライアウト回避制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS241においてコントローラは、流量弁131を開く。すると冷却水の流量が増加し、セル温度が低下する。
ステップS242においてコントローラは、加湿器の加湿量をアップする。するとカソードガスの加湿量が上昇し高加湿状態になる。
ステップS243においてコントローラは、出力制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていればステップS244へ処理を移行し、セットされていなければステップS245へ処理を移行する。
ステップS244においてコントローラは、出力を制限する。
ステップS245においてコントローラは、燃料供給バルブ121を開き、ブロア111の回転をアップする。するとアノードガス及びカソードガスの流量が増大する。
ステップS246においてコントローラは、電力調整装置140の出力を増大する。すると発電量が増加する。そして生成水及び高加湿により電解質膜が湿潤しドライアウトを回避できる。
(フラッディング回避制御)
図11は、本発明による燃料電池システムのフラッディング回避制御を示すフローチャートである。
ステップS100においてコントローラは、抵抗分布検知対象セルの抵抗値及びその分布を検出する。
ステップS310においてコントローラは、抵抗値が低下したか否かを判定する。抵抗値が低下しなければフラッディングの可能性は高くないので、ステップS800へ処理を移行し通常運転制御を実行する。抵抗値が低下すればステップS320へ処理を移行する。
ステップS320においてコントローラは、検出された抵抗分布が過大であって許容範囲を超えるか否かを判定する。許容範囲を超えればステップS330へ処理を移行した後、ステップS340へ処理を移行する。許容範囲を超えなければ、ステップS340へ処理を直接移行する。
ステップS330においてコントローラは、出力制限フラグをセットする。
ステップS340においてコントローラは、フラッディング回避制御を実行する。
図12は、フラッディング回避制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS341においてコントローラは、加湿器の加湿量を減少させる。または既にフラッディング状態を示す抵抗値/分布を検出した場合は加湿器をバイパスさせて乾燥したカソードガスをスタックへ供給する。これによりセル内の露点が降下し乾燥状態になる。
ステップS342においてコントローラは、流量弁131を閉じる。すると冷却水の流量が減少し、セル温度が上昇する。
ステップS343においてコントローラは、出力制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていればステップS344へ処理を移行し、セットされていなければステップS346へ処理を移行する。
ステップS344においてコントローラは、パージする。
ステップS345においてコントローラは、出力を制限する。
ステップS346においてコントローラは、循環ポンプ123及びブロア111の回転をアップする。するとアノードガス及びカソードガスの流量が増大し、ガス流速が増してセル内の排水性が促進される。
ステップS347においてコントローラは、電力調整装置140の出力を増大する。すると発電量が増加する。そしてセル温度上昇と供給ガス乾燥との相乗効果によって電解質膜が乾燥しフラッディングを回避できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
たとえばベースプレートの片面に形成される電極は、上記実施形態においては、電極22−1,電極22−2,電極22−3及び電極22−4の4枚である場合を一例として示したが、2枚若しくは3枚であっても又は5枚以上であってもよい。要求される精度や製造コストなどを勘案して適宜設定すればよい。
本発明による抵抗分布検出装置を使用する燃料電池を示す図である。 抵抗分布検出装置の主要構成をモデル化した図である。 本実施形態の効果を説明する図である。 本発明による抵抗分布検出装置の第2実施形態を示すモデル回路図である。 本発明による抵抗分布検出装置の第3実施形態を示すモデル回路図である。 電極プレートの内部構造を示す図である。 本発明による抵抗分布検出装置を使用する燃料電池システムを示す図である。 本発明による燃料電池システムの制御内容をまとめた図である。 本発明による燃料電池システムのドライアウト回避制御を示すフローチャートである。 ドライアウト回避制御のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明による燃料電池システムのフラッディング回避制御を示すフローチャートである。 フラッディング回避制御のサブルーチンを示すフローチャートである。 解決課題を説明するためのモデルを示した図である。 解決課題を説明する図である。
符号の説明
10 抵抗分布検知対象セル
20 電極プレート
21 ベースプレート
22 電極
30 交流制御器
51 検出器
52 基準電位発生器
53 比較器(隣設電極比較器)
54 比較器(基準比較器)
70 コントローラ(抵抗算出手段)

Claims (6)

  1. 燃料電池スタックに介装され、抵抗分布検知対象セルの抵抗分布を検知する抵抗分布検出装置であって、
    電気絶縁性のベースプレートの表面に形成されて前記抵抗分布検知対象セルに当接する複数の電極を含む電極プレートと、
    前記複数の電極のそれぞれの電位が同電位になるように交流を流す交流制御器と、
    前記複数の電極に流された交流に基づいて各電極に当接する領域毎の抵抗値を算出する抵抗算出手段と、
    を備えることを特徴とする抵抗分布検出装置。
  2. 請求項1に記載の抵抗分布検出装置において、
    前記複数の電極のそれぞれの電位を検出する電位検出手段を有し、
    前記交流制御器は、検出した各電位をフィードバックして各電極の電位が同電位になるように交流を流す、
    ことを特徴とする抵抗分布検出装置。
  3. 請求項1に記載の抵抗分布検出装置において、
    前記複数の電極のうち隣設する電極間の電位差を検出する隣設電極比較器を有し、
    前記交流制御器は、前記隣設電極間電位差をフィードバックして隣設する電極の電位が同電位になるように交流を流す、
    ことを特徴とする抵抗分布検出装置。
  4. 請求項1に記載の抵抗分布検出装置において、
    基準電位と各電極との電位差を検出する基準比較器を有し、
    前記交流制御器は、前記基準との電位差をフィードバックして各電極の電位が同電位になるように交流を流す、
    ことを特徴とする抵抗分布検出装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の抵抗分布検出装置において、
    前記電極プレートは、
    前記電極の配置面とは反対面に配置された背面電極と、
    前記電極と前記背面電極とを接続する導電体と、を含む、
    ことを特徴とする抵抗分布検出装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の抵抗分布検出装置を使用する燃料電池システムにおいて、
    検出された抵抗値及び抵抗分布が目標通りになるように燃料電池の電解質膜の含水量を制御する、
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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