JP5228102B2 - 眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性、成形性などに優れ、コスト的にも有利な透明異物の少ない眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法に関する。
芳香族ポリカーボネートは、耐衝撃性、剛性などの機械的強度、耐熱性、色調安定性、透明性などに優れ、さらに、無機ガラスに比較して軽量で、成形性にも優れているので、窓ガラス、各種機器のメーターカバー、CD、MD、DVD、自動車のヘッドラプレンズ、眼鏡レンズなどの光学関連製品製造用の原料樹脂として、広く使用されている。また、芳香族ポリカーボネートは、上記の光学関連製品製造用の外に、通信・情報・OA機器部品、精密機器部品、家電製品部品、自動車の部品、医療用途、建築用部材、農業用資材、日用雑貨製品製造用など、幅広い用途に使用されている。
このような幅広い用途で使用される芳香族ポリカーボネートは、その用途に応じて、または製品の成形法に応じて、粘度平均分子量の異なる芳香族ポリカーボネートの中から選ばれる。用途または成形法によって異なる芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を例示すると、CD、MD、DVD用は13,000〜17,000、薄肉成形品の射出成形用は17,000〜21,000、一般成形品の射出成形用は19,000〜25,000、インジェクションブロー成形用は22,000〜26,000、押出成形またはブロー成形用は24,000〜32,000、キャスティングフィルム用は30,000〜50,000である。しかしながら、成形サイクルや成形品の性能を向上させるために、個々のユーザーからはロット間の粘度平均分子量の幅が±1,000以内の芳香族ポリカーボネートが要求されることが多いので、ユーザーの多様な要求に応えるためには、粘度平均分子量が13,000±1,000の小さいものから、50,000±1,000の大きいものまで、分子量の異なる多種類の芳香族ポリカーボネートを製造することになる。
一方、粘度平均分子量が13,000±1,000の小さいものから、50,000±1,000までの大きいものまでの多種類の芳香族ポリカーボネートを、全て反応・重合法により製造するのは、生産性に劣り、コストアップになる。従って、生産性と製造コストなどを勘案して、粘度平均分子量の高い芳香族ポリカーボネート(以下、「HPC」と略記することがある)と粘度平均分子量の低い芳香族ポリカーボネート(以下、「LPC」と略記することがある)とを、予め反応・重合法により別々に製造し、HPCとLPCとを混合(ブレンド)する方法により、HPCとLPCとの中間の粘度平均分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物(以下、「MPC」と略記することがある)を製造することもある。上記のブレンドは、古くから多数提案(例えば、特許文献1〜4)されているが、透明製品についての透明異物については全く認識されていなかった。上記MPCが、他の樹脂との混合物(ポリマーアロイ)や、不透明成形品として使用される場合には、透明異物は問題にならなかった。しかしながら、上記MPCが光学関連製品の用途、中でも、常に人の目にふれる眼鏡レンズとして使用される場合には、透明異物による目の違和感が発生し、その結果眼鏡レンズの製造における歩留まり低下が問題になることがわかった。
特開昭56−45945号公報 特開昭58−138754号公報 特開平05−186676号公報 特開平06−025523号公報
本発明の目的は、つぎのとおりである。
1.耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、コスト的にも有利な眼鏡レンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
2.上記樹脂組成物から成形された透明異物の少なく、軽量な眼鏡レンズを提供すること。
本発明は、以下の眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法を提供する。
[1]粘度平均分子量の差が3,000以上の少なくとも2種類の芳香族ポリカーボネートを混合してなる樹脂組成物を、二軸押出機によりスクリュー回転数200〜470rpm、吐出量550〜720kg/時間の条件で溶融・混練することを特徴とする、眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
[2]粘度平均分子量の差が3,000〜20,000の少なくとも2種類の芳香族ポリカーボネートを混合してなり、粘度平均分子量が17,000〜30,000である芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であることを特徴とする、上記[1]に記載の眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
[3]樹脂組成物は、粘度平均分子量が22,000〜31,000の芳香族ポリカーボネート(HPC)と、粘度平均分子量が14,000〜25,000の範囲にあって、HPCより粘度平均分子量が3,000〜11,000低い芳香族ポリカーボネート(LPC)を、HPC/LPCの重量比で60〜80/40〜20の割合で混合してなり、粘度平均分子量が18,000〜29,000であることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
また、本発明において、ポリカーボネート樹脂組成物の好ましい態様は、以下のとおりである。
粘度平均分子量の差が3,000以上の少なくとも2種類の芳香族ポリカーボネートを混合してなる樹脂組成物であって、この樹脂組成物製成形品の測定単位面積5000mm内に占める透明異物の面積が1800mm以下であることを特徴とする、眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物。
粘度平均分子量の差が3,000〜20,000の少なくとも2種類の芳香族ポリカーボネートを混合してなり、粘度平均分子量が17,000〜30,000である芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、この樹脂組成物製成形品の測定単位面積5000mm内に占める透明異物の面積が1800mm以下であることを特徴とする、眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物。
本発明は、以下に詳細に説明するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る眼鏡レンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性になどに優れている。
2.本発明に係る眼鏡レンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、成形性に優れているので、目的の眼鏡レンズを能率的に成形できる。
3.本発明に係る眼鏡レンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から成形された眼鏡レンズは、軽量で、透明異物が極めて少なく、登山、スキー、スケート、水泳などのスポーツ用眼鏡レンズ、防塵眼鏡レンズ、安全眼鏡レンズ、安全保護面体、視力矯正用眼鏡レンズなどとして好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネートは、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸ジエステルと反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。この芳香族ポリカーボネート製造方法は特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、または、溶融法(エステル交換法)などによって製造することができる。
原料芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。また、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物類は、単独でも二種以上を併用することもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネートを得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを、上記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部と置換して使用すればよく、その使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
上記芳香族ヒドロキシ化合物と共重合させることができるポリヒドロキシ化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリヒドロキシ化合物を言う。両者を共重合させる場合は、上記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を、ポリヒドロキシ化合物と置換して使用すればよい。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を構成する原料樹脂は、HPCとLPCとを混合して調製するのが好ましい。HPCの粘度平均分子量は好ましくは20,000〜33,000であり、より好ましくは21,000〜32,000であり、最も好ましくは22,000〜31,000である。LPCの粘度平均分子量は、好ましくは10,000〜27,000であり、より好ましくは13,000〜26,000であり、最も好ましくは14,000〜25,000である。また、HPCとLPCの粘度平均分子量の差は、3,000以上であり、好ましくは3,000〜20、000である。HPCとLPCの粘度平均分子量の差が3,000未満であると、HPCとLPCの混合物から成形された眼鏡レンズであっても、透明異物の発生は少ない。HPCとLPCの粘度平均分子量の差は、より好ましくは3,000〜15,000であり、最も好ましくは3,000〜11、000である。なお、本発明における粘度平均分子量(Mv)は、塩化メチレンを溶媒として、ウベローデ粘度計によって25℃の温度で極限粘度[η]を測定し、次式、すなわち、[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83、により算出した値を意味する。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量は、好ましくは17,000〜30,000であり、より好ましくは18,000〜29,000であり、最も好ましくは17,000〜28,000である。芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量を上記範囲とすることにより、眼鏡レンズに製造する際の成形性に優れ、透明異物が少なく、強度にも優れた眼鏡レンズが得られる。
本発明において透明異物とは、製品(成形品)に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂の未溶物を意味し、製品中で、充分に溶融した部分と未溶物の界面に、屈折率や光線の透過状態が微妙に異なることにより、透過式顕微鏡により透明な不特定形状が確認できるものをいう。蛍光灯にかざして目視観察した場合には、透明異物が点状の輝点として視認されることもある。本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、HPCとLPCの粘度平均分子量の差は、3,000以上の粘度平均分子量が異なるものを混合したものであるので、HPCとLPCとは溶融温度が異なり、溶融・混練が不十分であると製品(成形品)中に未溶物または溶融不十分な部分が残ることがある。溶融・混練で溶融しなかった未溶物や溶融が不十分なものが製品に含まれていると、十分に溶融した部分との界面に、光線の透過状態が微妙に異なり、透明な不特定形状のものや輝点などを確認することができる。
透明異物面積は、次の方法によって確認することができる。すなわち、本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を使用し、射出成形法によって、シリンダ温度290℃、成形サイクル1分として、三段プレート(幅50mm、長さ90mm、段の厚さ1mm、2mm、3mm)を成形し、三段プレートの厚さが2mmの部分であって厚さが3mmの部分に隣接する部分から、左、中央、右の三箇所の部分(5mm×5mm)を透過式顕微鏡によって観察し、透明異物が最も多い個所につき、透過式顕微鏡により66倍で観察し、200倍に拡大して写真を撮り、この拡大写真に基づき測定する単位面積5000mm(5×5×200)内に占める透明異物の面積を測定する方法である。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を調製するには、粘度平均分子量が上記範囲になるような割合でHPCとLPCとを秤量し、両者を混合する方法によることができる。混合方法としては、(1)溶融・混練する方法、および、(2)溶液混合法が挙げられる。(1)の溶融・混練法は、各種混練機、例えば、一軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール、ブラベンダープラストグラムなどによって、上記成分を混練した後、冷却固化して粒状化するである。(2)の溶液混合法は、適当な溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素、およびその誘導体に上記樹脂成分を添加し、溶解した溶液同志を混合し、または、溶解する成分と不溶解成分を懸濁状態で混合し、溶液を揮発または濾過して樹脂成分を取り出し、粒状化する方法である。
混合方法でコスト的に有利な方法は、(1)の溶融・混練法であり、中でも、一軸押出機または二軸押出機を使用して溶融・混練する方法が好適である。芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の透明異物を少なくするには、押出機内での溶融樹脂を十分に混練する条件を採用するのが好ましい。具体的には、(a)スクリュー回転数を上げ、吐出量を下げる方法、(b)押出機先端にフィルターを装備し、シリンダ内の溶融樹脂背圧を高める方法、(c)上記(a)と(b)とを組合せる方法、などが挙げられる。しかし、樹脂組成物の溶融粘度が高い場合、例えば、粘度平均分子量24,000以上の場合は、押出機に装備したフィルターの目詰まりが頻発し、溶融・混練する際の生産性が著しく低下する。なお、眼鏡レンズを射出成形法によって製造する際に、製品中の透明異物を少なくする方法として、スクリュー背圧を高くし、シリンダ温度を高く設定する方法もあるが、この場合は樹脂組成物の黄変による眼鏡レンズの外観悪化や、成形サイクルが長くなり生産性が低下することがあり、いずれも好ましくない。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じて、リン酸エステルや縮合リン酸エステルを含む難燃剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤などの各種樹脂添加剤を配合することができる。特に、混練工程や製品製造工程での溶融混練時に異物が発生するのを防止する目的で、リン系熱安定剤やヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加するのが好ましい。上記樹脂添加剤の添加方法は、これら樹脂添加剤の特性を生かす従来から知られている方法で、適宜配合することができる。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から、眼鏡レンズを製造する方法は、生産性の観点から射出成形法によることが多い。しかし射出成形法に限定されるものでなく、例えば、成形歪みを少なくする目的で、射出圧縮成形法や、シート状押出成形品から熱成形法によって製造することもできる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた原材料の特性、および評価試験法は次のとおりである。
[原材料]
(1)HPC−1:粘度平均分子量が27,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネートである。
(2)HPC−2:粘度平均分子量が25,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネートである。
(3)LPC−1:粘度平均分子量が21,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネートである。
(4) LPC−2:粘度平均分子量が18,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネートである。
[試験法]
(a)透明異物面積(単位:mm):透明異物とは、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の未溶解物または溶融不十分なもので、十分に溶融した部分と未溶解物との界面に、屈折率や光線の透過状態が微妙に異なり、透過式顕微鏡により、界面に透明な不特定形状として確認できるものをいう。透明異物面積は、次の方法によって確認した。まず、射出成形機(日本製鋼所製、型式:J−50EP)を使用し、シリンダ−温度290℃、金型温度80℃、成形サイクルを1分として、三段プレ−ト(幅50mm×長さ90mm、厚さ1〜3mm)を成形した。ついで、得られた三段プレ−トの厚さが2mmの段差部分であって、3mmの段差部分と隣接する部分から、左、中央、右の三か所の部分(大きさが5mm×5mm)について、透過式顕微鏡(オリンパス社製、型式:BHT−363)により観察し、透明異物が多いと観察された一箇所を選定して、透過式顕微鏡によって66倍の大きさで観察し、200倍に拡大して写真を撮り、この拡大写真を用いて透明異物を観察する単位面積(5000mm)内に観察された透明異物面積を算出した。この値が小さいほど、透明異物が少ないことを意味する。
(b)黄変度(YI)(%):射出成形機(日本製鋼所製、型式:J−50EP)を使用し、シリンダ−温度290℃、金型温度80℃、成形サイクルを1分として、幅50mm、長さ90mm、厚さ3mmの平板を成形した。得られた平板について、分光式色彩計(日本電色工業社製、型式:SE−2000)によって測定する方法である。数値が小さいほど、黄変し難いことを意味する。
(c)光線透過率(%)とヘーズ:射出成形機(上に同じ)を使用し、シリンダ−温度290℃、金型温度80℃、成形サイクルを1分として、上記(b)と同種の平板を成形し、得られた平板について、分光光度計(島津製作所社製、型式:UV−3100PC)を使用し、JIS−K7361 に準拠して測定する方法である。数値が大きいほど、透明性が優れていることを意味する。
(d)耐衝撃性:射出成形機(上に同じ)を使用し、シリンダ−温度290℃、金型温度80℃、成形サイクルを1分として、厚さ2mm、直径50mmの眼鏡レンズを成形した。得られた眼鏡レンズについて、落球衝撃試験(直径6cm、重さ1.05kgの鉄球を、1.8mの高さから落下させる方法)を行う方法である。評価結果は、試料10枚のうち1枚以上破壊したものは×、全く破壊しないものを○と判定した。
(e)輝点不良発生有無:射出成形機(名機製作所社製、型式:M150AII−SJ)を使用し、シリンダ−温度290℃、金型温度80℃、成形サイクルを1分として、厚さ2mm、直径50mmの眼鏡レンズを成形した。この眼鏡レンズ成形品を肉眼から20cmの位置に置き、蛍光灯にかざして輝点不良(眼鏡レンズ内に散在する点状に視認される透明異物をいう)の有無を目視観察する方法である。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
原料の芳香族ポリカーボネート樹脂を、表−1および表−2に記載した割合(重量比)で秤量し、ドラムタンブラーで混合した。得られた混合物を、ベント付二軸押出機(押出機口径は、表−1、表−2に記載した。口径69mmの押出機は日本製鋼所社製、型式:TZX65αIIであり、口径90mmの押出機は三菱重工社製、型式:PTE−90である)によって、表−1および表−2に記載した押出条件で溶融・混練し、ペレット化した。得られたペレットにつき、上記した試験法によって各種の評価試験を行い、評価結果を表−1および表−2に示した。
Figure 0005228102
Figure 0005228102
表−1および表−2より、次のことが明らかとなる。
1.本発明の実施例に係る樹脂組成物は、溶融・混練を十分に行っているので、黄変度が少なく、光線透過率が高く、ヘーズが少なく、光学特性に優れ、耐衝撃性にも優れているので、眼鏡レンズ製造用原料樹脂として好適である(実施例1〜実施例8参照)。
2.本発明の実施例に係る樹脂組成物から得られた眼鏡レンズは、透明異物が少なく、輝点の発生が少ない(実施例1〜実施例8参照)。
3.一方、比較例の樹脂組成物は、溶融・混練が不十分であるので、実施例のものに比較して、透明異物、輝点の発生が多く、黄変度、光線透過率、ヘーズなどの光学特性が劣る(比較例1〜比較例4参照)。
本発明に係る眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性に優れ、登山、スキー、スケート、水泳などのスポーツ用眼鏡レンズ、防塵眼鏡レンズ、安全眼鏡レンズ、安全保護面体、視力矯正用眼鏡レンズなどの製造用原料樹脂として使用できる。得られた眼鏡レンズは、軽量で、色調安定性、透明性に優れ、透明異物が極めて少なく、光学特性に優れている。

Claims (3)

  1. 粘度平均分子量の差が3,000以上の少なくとも2種類の芳香族ポリカーボネートを混合してなる樹脂組成物を、二軸押出機によりスクリュー回転数200〜470rpm、吐出量550〜720kg/時間の条件で溶融・混練することを特徴とする、眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
  2. 粘度平均分子量の差が3,000〜20,000の少なくとも2種類の芳香族ポリカーボネートを混合してなり、粘度平均分子量が17,000〜30,000である芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
  3. 樹脂組成物は、粘度平均分子量が22,000〜31,000の芳香族ポリカーボネート(HPC)と、粘度平均分子量が14,000〜25,000の範囲にあって、HPCより粘度平均分子量が3,000〜11,000低い芳香族ポリカーボネート(LPC)を、HPC/LPCの重量比で60〜80/40〜20の割合で混合してなり、粘度平均分子量が18,000〜29,000であることを特徴とする、請求項1または2に記載の眼鏡レンズ用ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
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