JP5227907B2 - エアバッグドア部を有する車両用内装パネル - Google Patents

エアバッグドア部を有する車両用内装パネル Download PDF

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Description

本発明は、例えば車両の衝突時にエアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部を有する車両用内装パネルに関するものである。
従来から、エアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部を有する車両用内装パネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の内装パネルは、樹脂製基材の表側に樹脂製のソリッド材からなる表皮材が一体に積層されてなるものである。エアバッグドア部は、破断予定部とヒンジ部とで区画形成されており、上記ヒンジ部の表皮材にヒンジ機能を持たせている。そして、エアバッグドア部は、エアバッグ装置の作動によって膨張しようとするエアバッグから押圧力を受けると、破断予定部が破断し、ヒンジ部の表皮材が屈曲することによって回動方向が所定の方向となるようにコントロールされながら開くようになっている。
また、基材と表皮材とが一体に積層された車両用内装パネルとして、表皮材が、表側ソリッド層と、クッション性を付与するための発泡層とを有しているものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−230394号公報 特許2008−74010号公報
ところで、特許文献1の内装パネルでは、表皮材がソリッド材であるため、クッション性に乏しい。そこで、特許文献2の発泡層を有する表皮材を特許文献1の内装パネルの基材に積層することで、エアバッグドア部を有する内装パネルにクッション性を付与することが考えられる。
しかしながら、発泡層はソリッド層よりも強度が低いので、表皮材が発泡層を有している場合には、エアバッグの膨張時の押圧力によって発泡層がその表側と基材側とに分離し易く、このことによってエアバッグドア部がちぎれてヒンジ部が機能しなくなり、思いがけない挙動を示すことが考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表皮材に発泡層を設けてクッション性を付与する場合に、エアバッグドア部がちぎれてしまうのを抑制してヒンジ部を正常に機能させ、エアバッグドアを狙い通りに回動させて開くことができるようにすることにある。
第1の発明は、樹脂製基材と、該基材の表側に一体に積層され、表側ソリッド層及び該表側ソリッド層の裏側に発泡層を有する樹脂製表皮材とを備えたパネル本体に、エアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部が破断予定部とヒンジ部とで区画形成されたエアバッグドア部を有し、上記表皮材に上記エアバッグドア部のヒンジ機能を持たせた車両用内装パネルであって、上記表皮材のヒンジ部よりもエアバッグドア部外側部位には、該外側部位の発泡層における発泡倍率を上記エアバッグドア部に対応する部位の発泡層の発泡倍率よりも小さく設定したヒンジ補強部が設けられていることを特徴とするものである。
第2の発明は、第1の発明において、ヒンジ補強部における発泡層の発泡倍率は、エアバッグドア部の縁部から該エアバッグドア部外側へ離れるにしたがって小さく設定されていることを特徴とするものである。
第3の発明は、樹脂製基材と、該基材の表側に一体に積層され、表側ソリッド層及び該表側ソリッド層の裏側に発泡層を有する樹脂製表皮材とを備えたパネル本体に、エアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部が破断予定部とヒンジ部とで区画形成されたエアバッグドア部を有し、上記表皮材に上記エアバッグドア部のヒンジ機能を持たせた車両用内装パネルであって、上記表皮材は、該表皮材の基材側に基材側ソリッド層を有しており、上記表皮材のヒンジ部よりもエアバッグドア部外側部位には、上記表側ソリッド層と、上記基材側ソリッド層とが接合した接合部を有するヒンジ補強部が設けられていることを特徴とするものである。
第4の発明は、第1の発明において、表皮材は、成形型により成形されたものであり、ヒンジ補強部の表面の接線方向に延びる面と、上記成形型の型移動方向とのなす角度は、エアバッグドア部の表面の接線方向に延びる面と、上記型移動方向とのなす角度よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
第1の発明によれば、表皮材のヒンジ部よりもエアバッグドア部外側部位に、発泡層の発泡倍率を小さくしたヒンジ補強部を設けたので、エアバッグの膨張時の押圧力によって発泡層が分離し難くなり、エアバッグドア部がちぎれてしまうのを抑制できる。これにより、ヒンジ部を正常に機能させてエアバッグドア部を狙い通りに回動させて開くことができる。
第2の発明によれば、エアバッグの膨張時の押圧力による発泡層の分離が徐々に抑えられるのでヒンジに作用する衝撃エネルギが吸収され、ヒンジ補強部による補強効果を効果的に得て、エアバッグドア部がちぎれてしまうのを抑制できる。
第3の発明によれば、表皮材の表側ソリッド層と基材側ソリッド層とを接合したことで、エアバッグドア部のちぎれをより一層防止できる。
第4の発明によれば、製造時に表皮材を成形する成形型を移動させる際、成形型のうち、ヒンジ補強部を成形する部分の移動量が、エアバッグドア部を成形する部分の移動量よりも小さくなる。これにより、成形型の内部で成形される発泡層の発泡倍率はヒンジ補強部の方がエアバッグドア部に比べて小さくなり、従って、ヒンジ補強部が容易に得られる構成とすることができる。
実施形態にかかるアッパパネルの斜視図である。 アッパパネルを裏側から見た図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 アッパヒンジ部近傍を拡大して示す図3相当図である。 基材を付けた状態の成形型の断面図である。 キャビティに表皮材を構成する樹脂を射出した状態の図5相当図である。 表皮材成形用キャビティ型を移動させた状態の図5相当図である。 エアバッグドア部が開いた状態の図3相当図である。 エアバッグドア部が開いた状態の図4相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかるエアバッグドア部を有する車両用内装パネルとしてのインストルメントパネルP(図3に示す)における上側の車両右半分を構成するアッパパネル1を示すものである。このアッパパネル1は、左ハンドル車用のもので、車両右側の助手席(図示せず)前方に配設されている。本発明は、右ハンドル車用のアッパパネルにも適用できるのはもちろんである。
尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
アッパパネル1は、樹脂製の基材3(図2に示す)と、基材3の表側に一体に積層された樹脂製表皮材5(図3に示す)とを備えた多層構造のパネル本体7と、パネル本体7の裏側に設けられ、エアバッグ装置Aが取り付けられる複数の取付片部9,9,…とを備えている。
基材3を構成する樹脂材は、表皮材5を構成する樹脂材よりも高剛性な樹脂材であり、例えば、ポリプロピレン(PP)、ガラス繊維が入ったポリプロピレン(GFPP)等の汎用樹脂材からなるポリオレフィン系樹脂材、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリカABS等があるが、本実施形態では、ポリオレフィン系樹脂材を使用している。
表皮材5を構成する樹脂材としては、例えばポリオレフィン系エラストマーや塩化ビニール等がある。表皮材5は、表側ソリッド層11と、基材側ソリッド層13と、これら両ソリッド層11,13の間に設けられた発泡層15とを有している。基材側ソリッド層13は、基材3の表面に接着している。
アッパパネル1のパネル本体7は、左右方向については、車室の左右方向中央部近傍から右端まで延び、前後方向については、フロントガラスFの下縁部近傍から後側(助手席)へ向かって下方へ湾曲しながら延びている。
図1に示すように、パネル本体7の右端部には、空調装置(図示せず)の空調エア吹出部に接続される開口部17が形成されている。また、パネル本体7の開口部17よりも左側の助手席に対向する部位には、平面視で略H形状をなすように組み合わされた3つの辺(左右の2辺及び左右2辺を連結する1辺)からなる破断予定部21(一点鎖線で示す)と、破断予定部21の上部及び下部にそれぞれ形成されたアッパヒンジ部23及びロアヒンジ部25(二点鎖線で示す)とで区画形成されたエアバッグドア部27が設けられている。エアバッグドア部27は、アッパヒンジ部23に一体のアッパ側ドア部27aと、ロアヒンジ部25に一体のロアドア部27bとを有する、いわゆる観音開きタイプである。
図2に示すように、基材3の裏面には、破断予定部21の左右両辺を構成するように前後方向に延びる左側破断脆弱部3a及び右側破断脆弱部3bと、破断予定部21の左右両辺を連結するように左右方向に延びる1辺を構成する中央破断脆弱部3cとが形成されている。左右の破断脆弱部3a,3b及び中央破断脆弱部3cは、基材3の裏面からレーザーを破断予定部に沿って断続的に照射することによって形成された多数の細孔3d(図3にのみ示す)を有している。細孔3dの深さは、基材3の裏面から表皮材5の肉厚方向中程に達するように設定されている。
また、基材3の裏面には、破断予定部21の左右両辺の端部同士を連結するように延びるアッパ側破断溝部3e及びロア側破断溝部3fが形成されている。アッパ側及びロア側破断溝部3e,3fは、断面略V字形状とされ、その深さは表皮材5に達しないように設定されている。これら破断溝部3e,3fは、型成形により形成されている。基材3の破断溝部3e,3fに対応する部位は、その周辺の基材3よりも脆弱となっている。
図3に示すように、表皮材5におけるアッパ側破断溝部3eに対応する部位が上記アッパヒンジ部23とされ、また、表皮材5におけるロア側破断溝部3fに対応する部位は上記ロアヒンジ部25とされている。従って、アッパヒンジ部23とロアヒンジ部25は、左右方向に延びる形状となる。また、アッパヒンジ部23とロアヒンジ部25は、表皮材5に脆弱部が形成されていないことで表皮材5がエアバッグドア部27のヒンジ機能を持っている。
基材3の裏面には、ドックハウス状の取付片部9が設けられ、この取付片部9は、エアバッグドア部27よりも外側に位置しており、基材3と一体成形されている。また、基材3の後縁部には、フランジ18が設けられている。
上記エアバッグ装置Aは、エアバッグドア部27の裏側に配設されている。エアバッグ装置Aは、折り畳まれたエアバッグB(図8に膨張状態で示す)、エアバッグBを膨張させるインフレータ(図示せず)及びこれらを収容するための金属製エアバッグケースCを備えている。エアバッグケースCには、基材3の取付片部9に固定されるブラケットC1が設けられている。このブラケットC1は、締結部材Dにより取付片部9に締結されている。また、エアバッグケースCの底壁部には、車体に固定される固定板C2が設けられている。固定板C2は、車体のインパネメンバEに締結されている。尚、図3における符号100は、インストルメントパネルPのロアパネル100であり、このロアパネル100の上端部はアッパパネル1の後端部に当接するようになっている。
また、基材3の前端部には、表皮材5を収めるための前側段差部31が形成されている。前側段差部31の深さは、表皮材5の肉厚と略同じに設定されている。さらに、基材3の後端部にも、表皮材5を収めるための後側段差部33が形成されている。
表皮材5は、基材3の前側段差部31から基材3の表面に沿って後方へ向けて該基材3の後端部まで延び、表皮材5の後端部が前方へ折り曲げられて後側段差部33に収められている。表皮材5の表面は、前端から後端に亘って湾曲面で構成されており、その湾曲度合いは、後側へ行くほどきつくなっている。
表皮材5は、アッパヒンジ部23を補強するためのヒンジ補強部35を備えている。ヒンジ補強部35は、表皮材5のアッパヒンジ部23よりも前側部位(アッパドア部外側部位)に、アッパヒンジ部23に沿って延びるように設けられている。ヒンジ補強部35は、アッパヒンジ部23よりも前側部位の発泡層15における発泡倍率をアッパドア部27aに対応する部位の発泡層15の発泡倍率よりも小さく設定することによって構成されている。すなわち、発泡層15の発泡倍率を小さくすると、樹脂密度が高まって強度が向上し、これにより、肉厚方向に引張力を受けた発泡層15が裂けて表側ソリッド層11と、基材側ソリッド層13とが分離し難くなるとともに、表皮材5の延びる方向に引張力を受けてもちぎれにくくなる。
また、発泡層15の発泡倍率は、エアバッグドア部27の縁部であるアッパヒンジ部23からエアバッグドア部27の外側へ離れるにしたがって徐々に小さくなるように設定されている。
また、ロアドア部27bのロアヒンジ部25は、アッパパネル1の後端部に近い位置に設けられており、表皮材5の後端部は、表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13とが接合した発泡層15の無いソリッド状態となっている。ロアヒンジ部25を補強するためのヒンジ補強部36は、表皮材5の表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13とが接合したこの後端部で設けられており、前方へ折り曲げられた形状となっている。このヒンジ補強部36は、上述の如くソリッド状態であるので、ロアドア部27bに対応する部位の発泡層15の発泡倍率よりも小さく、発泡倍率は略0である。
アッパドア部27a及びロアドア部27bの発泡層15の発泡倍率はヒンジ補強部35,36よりも大きいので、十分なクッション性が得られる。さらに、発泡層15の発泡倍率は、パネル本体7の後端部に近づくほど大きくなるように設定されており、従って、クッション性は後側ほど高くなっている。
また、図3に示すように、表皮材5におけるヒンジ補強部35の表面の接線方向(矢印ロで示す)に延びる仮想平面X1は、ヒンジ補強部35よりも後側のエアバッグドア部27の表面の接線方向(矢印ハで示す)に延びる仮想平面X2よりも水平に近くなっている。
次に、上記のように構成されたアッパパネル1の製造方法について説明する。まず、コア型52と図示しない基材成形用キャビティ型からなる成形型により基材3を成形する。そして、この基材3をコア型52に付けたまま、コア型52の相手型を基材成形用キャビティ型から表皮材成形用キャビティ型54に置き換えて図5に示す表皮材5を成形する成形型50とする。ここで、この成形型50について説明する。成形型50は、前工程で成形した基材3が付いた状態のコア型52と表皮材成形用キャビティ型54とで構成されている。コア型52には、基材3の裏面を成形するための成形面52aが形成され、また、表皮材成形用キャビティ型54には、表皮材5の表面を成形するための成形面54aが形成されている。このコア型52と表皮材成形用キャビティ型54とは、周知の型移動装置(図示せず)によって相対的に水平方向に移動するようになっている。つまり、図7に示すように、成形型50の型移動方向イと、ヒンジ補強部35の表面の接線方向(ロ方向)に延びる仮想平面X1とのなす角度αは、上記型移動方向イと、エアバッグドア部27の表面の接線方向(ハ方向)に延びる仮想平面X2とのなす角度βよりも小さく設定されている。また、ロアヒンジ部25を補強するためのヒンジ補強部36の折り曲げ方向に延びている表面の接線方向(二方向)の仮想平面X3は、上記型移動方向イと略同じ方向に延びており、仮想平面X3と型移動方向イとのなす角度は略0゜である。
また、図5に示すように、表皮材成形用キャビティ型54の成形面54aは、コア型52と表皮材成形用キャビティ型54とを型締めした状態で、基材3の表面との間に表皮材5を構成する樹脂材を射出可能なキャビティSを形成するようになっている。
同図に示すように、基材3をコア型52に付けた状態でコア型52と表皮材成形用キャビティ型54とを型締めしてから、図6に示すように、キャビティS内に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は、表皮材成形用キャビティ型54の成形面54aに触れた部分が固化し始めて表側ソリッド層11が形成されるとともに、基材3の表面に触れた部分が固化し始めて基材側ソリッド層13が形成される。
その後、表皮材5を構成する樹脂材料が肉厚方向の内側まで固化していない段階で、図7に白抜き矢印で示すように、表皮材成形用キャビティ型54を型開き方向(イ方向)に数mmだけ移動させる。すると、表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13との間で樹脂材料の発泡が起こり発泡層15が形成される。
このとき、型移動方向イとヒンジ補強部35の表面の接線方向(ロ方向)に延びる仮想平面X1とのなす角度αが、型移動方向イとアッパドア部27aの表面の接線方向(ハ方向)に延びる仮想平面X2とのなす角度βよりも小さいので、表皮材成形用キャビティ型54の移動によって変化する基材3表面と成形面54aとの離間寸法は、ヒンジ補強部35を成形する部分の方が、エアバッグドア部27を成形する部分よりも短い。言い換えると、ヒンジ補強部35に対応する部位の発泡層15の発泡倍率が、エアバッグドア部27の発泡層15の発泡倍率よりも小さくなる。また、表皮材5の表面の湾曲度合いは図中上側へ行くほどゆるくなっているので、表皮材成形用キャビティ型54の移動によって変化する基材3表面と成形面52aとの離間寸法は、上側へ行くほど短くなる。従って、発泡層15の発泡倍率は、前側へ行くほど、すなわち、アッパヒンジ部23から前側へ離れるほど小さくなる。
このようにして発泡層15の発泡倍率をエアバッグドア部27に対応する部位の発泡層15の発泡倍率よりも小さく設定したヒンジ補強部35が容易に得られる。
また、表皮材5の後端部のヒンジ補強部36は前方へ折り曲げられて設けられ、その表面の接線方向(二方向)に延びる仮想平面X3と型移動方向イとのなす角度は、ロアドア部27bの表面の接線方向(ハ方向)に延びる仮想平面X2と型移動方向イとのなす角度βよりも小さい略0゜である。したがって、表皮材5の後端部のヒンジ補強部36は、表皮材成形用キャビティ型54の移動によって基材3表面と成形面52aとの離間寸法が殆ど変化せず、表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13とが接合した発泡層15の無いソリッド状態となる。
このようにして表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13とが接合したヒンジ補強部36が容易に得られる。
次に、上記アッパパネル1が車両に組み付けられた状態でエアバッグ装置Aが作動した場合について説明する。車両の衝突によってエアバッグ装置Aのインフレータが作動すると、エアバッグBが膨張し始めてエアバッグケースCの内面によって案内されながら展開し、その膨張圧がエアバッグドア部27の裏面に作用する。膨張圧を受けたエアバッグドア部27は、基材3の中央破断脆弱部3c及び表皮材5の中央破断脆弱部3cに対応する部位が破断するとともに、基材3の左右の破断脆弱部3a,3bと上側及び下側破断溝部3e,3fが破断して表皮材5の対応する部位が破断する。そして、図8及び図9に示すように、アッパドア部27aがアッパヒンジ部23を支点として上方へ回動し、ロアドア部27bがロアヒンジ部25を支点として下方へ回動し、これにより、エアバッグドア部27が開放状態となり、エアバッグBがアッパドア部27aとロアドア部27bとの間から助手席の乗員へ向かって大きく膨張する。
図9に示すように、アッパドア部27aが回動する際、基材3が破断しているので、アッパドア部27aは表皮材5に対しアッパヒンジ部23のみで支持されている。この表皮材5には、アッパドア部27aよりも外側に、発泡層15の発泡倍率を小さくしたヒンジ補強部35が設けられているので、発泡層15の分離やアッパドア部27aのちぎれがヒンジ補強層35によって抑制される。これにより、アッパドア部27aをアッパヒンジ部23によって狙い通りに回動させることができる。
一方、ロアドア部27aについては、ロアヒンジ部25が表皮材5の端部近傍で、表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13とを接合したヒンジ補強部36によって抑制される。これにより、ロアドア部27bをロアヒンジ部25によって狙い通りに回動させることができる。
尚、エアバッグBの膨張力等によっては表皮材5の基材側ソリッド層13が破断しない場合も考えられる。この場合には、発泡層15が弾性変形することで、アッパヒンジ部23は曲がり易くなり、ヒンジ機能が十分に得られる。ロアヒンジ部25も同様に発泡層15が弾性変形することで曲がり易くなる。
以上説明したように、表皮材5のアッパヒンジ部23よりもアッパドア部27a外側部位に、発泡層15の発泡倍率を小さくしたヒンジ補強部35を設けたので、エアバッグBの膨張時に発泡層15が分離し難くなり、アッパドア部27aがちぎれてしまうのを抑制できる。これにより、アッパヒンジ部23を機能させてアッパドア部27aを狙い通りに回動させることができる。
また、発泡層15の発泡倍率を徐々に変化させてヒンジ補強部35を構成したことで、エアバッグの膨張時の押圧力による発泡層の分離が徐々に抑えられるのでヒンジに作用する衝撃エネルギが吸収され、ヒンジ補強部35による補強効果を得て、アッパドア部27aがちぎれてしまうのを抑制できる。
また、表皮材5の表側ソリッド層11と基材側ソリッド層13とを接合してヒンジ補強部36を設けたことで、ロアドア部27bのちぎれをより一層防止できる。
また、成形型50による成形時、表皮材成形用キャビティ型54におけるヒンジ補強部35を成形する部分の移動量が、アッパドア部27aを成形する部分の移動量よりも少なくなるようにしている。これにより、成形型50の内部で成形される発泡層15の発泡倍率はヒンジ補強部35の方がアッパドア部27aに比べて小さくなり、従って、ヒンジ補強部35が容易に得られる構成にすることができる。表皮材5の後端部のヒンジ補強部36も同様に容易に得られる。
また、破断脆弱部3a,3b,3cは、レーザー加工の代わりに型成形により形成した脆弱部であってもよい。
また、上記実施形態では、エアバッグドア部27が2つのドア部27a,27bを備えた観音開きタイプに本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、例えば、1つのドア部のみからなるエアバッグドア部を有する車両用内装パネルに適用することも可能である。
また、本発明は、インストルメントパネルPのアッパパネル1以外にも、エアバッグドア部付きセンターピラーガーニッシュや、エアバッグドア部付きドアトリムにも適用することができる。
また、本実施形態では、表皮材5が基材側ソリッド層13を備えている場合について説明したが、基材側ソリッド層13は省略してもよい。
以上説明したように、本発明にかかるエアバッグドア部を有する車両用内装パネルは、例えば、インストルメントパネルの助手席側に配設されるアッパパネルに適用することができる。
1 アッパパネル(内装パネル)
3 基材
5 表皮材
11 表側ソリッド層
13 基材側ソリッド層
15 発泡層
21 破断予定部
23 アッパヒンジ部
25 ロアヒンジ部
27 エアバッグドア部
35,36 ヒンジ補強部
50 成形型
52 コア型
54 表皮材成形用キャビティ型
A エアバッグ装置

Claims (4)

  1. 樹脂製基材と、該基材の表側に一体に積層され、表側ソリッド層及び該表側ソリッド層の裏側に発泡層を有する樹脂製表皮材とを備えたパネル本体に、エアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部が破断予定部とヒンジ部とで区画形成されたエアバッグドア部を有し、上記表皮材に上記エアバッグドア部のヒンジ機能を持たせた車両用内装パネルであって、
    上記表皮材のヒンジ部よりもエアバッグドア部外側部位には、該外側部位の発泡層における発泡倍率を上記エアバッグドア部に対応する部位の発泡層の発泡倍率よりも小さく設定したヒンジ補強部が設けられていることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装パネル。
  2. 請求項1に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装パネルにおいて、
    ヒンジ補強部における発泡層の発泡倍率は、エアバッグドア部の縁部から該エアバッグドア部外側へ離れるにしたがって小さく設定されていることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装パネル。
  3. 樹脂製基材と、該基材の表側に一体に積層され、表側ソリッド層及び該表側ソリッド層の裏側に発泡層を有する樹脂製表皮材とを備えたパネル本体に、エアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部が破断予定部とヒンジ部とで区画形成されたエアバッグドア部を有し、上記表皮材に上記エアバッグドア部のヒンジ機能を持たせた車両用内装パネルであって、
    上記表皮材は、該表皮材の基材側に基材側ソリッド層を有しており、
    上記表皮材のヒンジ部よりもエアバッグドア部外側部位には、上記表側ソリッド層と、上記基材側ソリッド層とが接合した接合部を有するヒンジ補強部が設けられていることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装パネル。
  4. 請求項1または3に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装パネルにおいて、
    表皮材は、成形型により成形されたものであり、
    ヒンジ補強部の表面の接線方向に延びる面と、上記成形型の型移動方向とのなす角度は、エアバッグドア部の表面の接線方向に延びる面と、上記型移動方向とのなす角度よりも小さく設定されていることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装パネル。
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