JP5226494B2 - シャッタ及びそれを備えた建物 - Google Patents

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本発明は、建物出入り口を開閉するシャッタ、及び当該シャッタが設置されている建物に関する。
建物の防犯対策として、建物出入り口に設置されるシャッタが一般的に知られている。シャッタには、シャッタカーテンの移動方式により、横引き式(例えば、特許文献1参照)、昇降式、オーバースライダ式などの各種のものが存在している。ただ、いずれの方式であってもシャッタカーテンを開放位置又は閉鎖位置へ移動させることにより建物出入り口が開閉されるようになっている。
特開2001−115750号公報
ところで、建物出入り口を通じて人が建物内空間に出入りする際、シャッタカーテンを開放位置に配置させて建物出入り口のすべてを開放する必要がなく、一部の開放で足りる場合もある。
しかしながら、従来のシャッタではそのような場合でもシャッタカーテンの全部を建物出入り口の開放方向へ移動させなければならない。一部を開放すれば足りるのにシャッタカーテンの全部を移動させなければならないというのは、例えば建物出入り口が大開口でシャッタカーテンが大型のものである場合など、利用者にとって不便な場合もある。
そこで、本発明は、シャッタカーテンの全部を移動させなくても建物内空間へ出入りすることができるシャッタ、及びそのシャッタが建物出入り口に設けられている建物を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、第1の発明では、シャッタカーテンを移動させて建物出入り口を開閉するシャッタであって、前記シャッタカーテンの一部となって他のカーテン部分とともに移動可能な扉体と、前記扉体を鉛直方向に延びる中心軸線を中心として回動自在に軸支する回動軸部と、を備え、前記建物出入り口のうち前記扉体による閉鎖領域が当該扉体の回動によって開放されるようにしたことを特徴とする。
この第1の発明によれば、扉体を回動させることにより、シャッタカーテンによって開閉される建物出入り口の一部が開放される。その開放された部分を利用すれば、シャッタカーテンの全部を開放方向へ移動させることなく建物出入り口の奥にある建物内空間へ出入りすることができる。また、回動させた扉体を建物内空間の仕切りとして利用することも可能である。このような点から、シャッタカーテンの一部となる扉体を回動自在とすることで、建物利用者の利便性を高めることができる。
第2の発明では、第1の発明において、前記建物出入り口が空間出入り口とされ、かつその奥には互いに横並びで隣接する第1空間部及び第2空間部とが設けられ、前記両空間部の前記建物出入り口側で該両空間部を連通する連通部が形成されている建物に適用され、前記扉体による閉鎖領域は前記第2空間部の出入り口であり、前記扉体の回動範囲は前記第2空間部の出入り口に配置された閉鎖位置と、前記両空間部の間の仕切りとなって前記連通部の少なくとも一部を閉鎖する回動位置との間とした。
この第2の発明によれば、シャッタカーテンにより第1空間部の出入り口と第2空間部の出入り口とが閉鎖される。この場合、第2空間部の出入り口は扉体によって閉鎖される。そして、扉体を回動させて回動位置に配置すれば、その扉体が両空間部の間の仕切りの少なくとも一部となって連通部の少なくとも一部が閉鎖される。この扉体を利用して連通部のすべてを閉鎖するようにすれば、第2空間部の出入り口を開放しても、第2空間部から第1空間部への侵入を防いで第1空間部の防犯性低下を抑制できる。
なお、シャッタが適用される建物の構成として、前記第2空間部は平面視において略正方形状をなし、前記連通部は前記第2空間部の出入り口と同じかそれより小さい開口面積を有することが好ましい。扉体による閉鎖領域は第2空間部の出入り口であることからすれば、この場合、回動位置に配置された扉体だけで連通部を閉鎖することが可能となる。このため、連通部の閉鎖を容易に行うことができる。
第1空間部の具体例として、車両を駐車可能なガレージ空間が考えられる。また、第2空間部の具体例として、ガレージ空間の脇空間(例えば、玄関ポーチなど)が考えられる。玄関ポーチではガレージ空間に比べてその出入り口を開放する頻度が高いため、玄関ポーチの出入り口を開放しながらガレージ空間への侵入を防ぐことは建物利用者の利便性向上という効果が特に顕著となる。
また、前記シャッタカーテンは前記建物出入り口の横方向に移動させることで当該建物出入り口が開閉される横引き式シャッタであることが好ましい。横引き式シャッタの場合、シャッタカーテンを構成する多数の長尺部材(例えば、スラットやパイプなど)が折り曲げ可能に連結されていることが多い。このため、その連結部分を回動軸部として利用することが可能であり、回動軸部の構成を簡易なものとすることができる。
なお、前記建物出入り口が前記第1空間部の出入り口と前記第2空間部の出入り口とが合わさって形成されている場合、前記シャッタカーテンは第1空間部側から横方向に引き出されることで建物出入り口が閉鎖される構成であることが好ましい。
第3の発明においては、前記シャッタカーテンは、その移動方向の全域で任意の部分が平面視における湾曲形状を形成可能であり、前記シャッタカーテンが前記建物出入り口の全域を閉鎖する位置に配置された場合に、シャッタカーテンの一部であって出入り口閉鎖方向への移動先端を含む部分が前記扉体とされ、当該扉体部分では湾曲が規制されるようにした。
なお、シャッタカーテンの一部に形成される湾曲形状は、例えば、板材がたわむことで形成されたり、折り曲げ可能に連結された複数の部材によって形成されたりする。
この第3の発明では、シャッタカーテンがその移動方向の全域で任意の部分が平面視における湾曲形状を形成可能となっている。このため、シャッタカーテンによって建物出入り口を開閉する場合にその一部を湾曲させる構成や、巻き取り又は巻き戻しによってシャッタカーテンが引き出し又は引き戻されて建物出入り口が開閉される構成に対応できる。そして、このように湾曲可能な形状でありながら、シャッタカーテンが前記建物出入り口の全域を閉鎖する位置に配置されると、シャッタカーテンの一部である扉体部分では湾曲が規制される。そのため、扉体を一体的に回動させることが可能となってその回動を容易に行うことができる。
第4の発明はこれを具体化したものであり、前記シャッタカーテンは、多数の長尺部材がその長手方向を鉛直方向に向けて配置され、かつその長辺部同士が折り曲げ可能に連結されてなり、前記シャッタカーテンによって建物出入り口が閉鎖された場合に、出入り口閉鎖方向への移動先端を含む複数の長尺部材をまたいで設けられ、それら各長尺部材間の折れ曲がりを規制する規制部材を備え、前記扉体は、前記規制部材により折り曲げ規制された複数の長尺部材よりなる。
この第4の発明によれば、シャッタカーテンを構成する多数の長尺部材のうち、複数の長尺部材により扉体が形成されている。これにより扉体の部分も折り曲げ可能となるため、従来の横引き式シャッタと同様に、シャッタカーテンの一部を折り曲げたり、巻き取りや巻き戻しをしながらそのシャッタカーテンの引き出し・引き戻しを行える。その結果、シャッタの大幅な設計変更を回避し、コストの増加を抑制できる。しかも、シャッタカーテンによる出入り口閉鎖時にはその扉体を構成する部分での折り曲がりが規制されるため、折り曲げ可能に連結された複数の長尺部材を一体的に回動させることが可能となる。これにより、扉体の回動を容易に行うことができる。
第5の発明では、前記扉体を回動させて当該扉体による閉鎖領域が開放された場合に、もとの閉鎖位置に向けた前記扉体の回動をロックする回動ロック手段を備えた。
この第5の発明によれば、回動ロック手段によって扉体のもとの閉鎖位置に向けた回動がロックされる。ことに、上記第2の発明において、扉体が回動位置にある状態でその回動がロックされることにより、扉体による連通部の閉鎖状態が保持される。これにより、不審者によって勝手に連通部が開放されることを防ぎ、第1空間部の防犯性を確実なものとすることができる。
第6の発明では、前記建物出入り口が閉鎖された状態にあるシャッタカーテンの移動をロックする移動ロック手段が設けられている。
この第6の発明によれば、移動ロック手段によってシャッタカーテンの移動がロックされることにより、シャッタカーテンによる建物出入り口の閉鎖状態が保持される。これにより、不審者によって勝手に出入り口が開放されることを防ぎ、防犯性を確実なものとすることができる。
第7の発明では、前記扉体は、その横方向両側に設けられた一対の縦枠と、その下側に設けられた下枠とを備え、それら各枠によって形成された領域を開閉するものであり、前記一対の縦枠は、その両者が前記シャッタカーテンの移動を案内する上下の案内部材に支承されるとともに、一方には前記回動軸部が設けられ、前記下枠は、前記下案内部材の案内溝に支承されている。
この第7の発明によれば、扉体の回動時に下枠が下案内部材に留まることで案内溝が塞がれた状態となる。これにより、扉体を回動させて建物内空間に出入りする場合に巻き上げられたゴミや砂等が案内溝に入り込むことを防止できる。
第8の発明では、前記扉体はその横方向の片側に設けられた縦枠を備え、前記縦枠は前記シャッタカーテンの移動を案内する上下の案内部材に支承されるとともに、前記回動軸部が設けられ、前記扉体の下端部には回動時に床面上を走行する走行ローラが設けられている。
この第8の発明によれば、扉体の回動時にはその下端部の走行ローラが床面上を走行するため、扉体の回動動作を容易に行うことができる。この場合、扉体の回動軌跡に沿った回動案内部材等を建物内空間の床面に設置することは不要であり、その床面全域をフラットな状態に維持することができる。
第9の発明では、前記扉体は前記シャッタカーテンを出入り口閉鎖方向へ移動させる場合の移動先端部を含むとともに、前記回動軸部は前記シャッタカーテンの鉛直方向全域に延びるように形成され、前記回動軸部を含む扉体部分と他のカーテン部分とが分離可能に連結されている。
この第9の発明によれば、回動軸部を含む扉体部分と他のカーテン部分とが分離可能なため、シャッタカーテンを引き出して建物出入り口のすべてを閉鎖した後、扉体部分を残して他のカーテン部分だけを引き戻す操作を行える。これにより、建物出入り口の全開閉、扉体による閉鎖部分の開放だけでなく、他のカーテン部分による閉鎖領域の開放も可能となり、利便性を向上させることができる。
第10の発明は、上記第1乃至第9の発明のいずれかが適用された建物である。具体的には、車両を駐車可能なガレージ空間と、前記該ガレージ空間と横並びで隣接する脇空間と、前記両空間の出入り口側で該両空間を連通する連通部とを備え、前記両空間への出入り口が合わさって形成された建物出入り口を有する建物であって、その建物出入り口を開閉するシャッタとして第1乃至第9の発明が用いられている。
この第10の発明において、前記連通部は屋外に開放されていることが好ましい。連通部の出入り口側に仕切り壁や中間柱等が存在するとその壁や柱を避けてシャッタを設置しなければならなくなり、シャッタの設置箇所や構造等が制約を受ける。その点、連通部が屋外に開放されている構成によれば、そのような制約を受けることはない。また、仕切り壁や中間柱等が存在しないため、車両を出入りさせる場合に脇空間の出入り口を利用することが可能となり、車両の出入りが容易な開口幅を確保することができる。
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
はじめに、シャッタによって出入り口が開閉される建物について、図4を用いて説明する。なお、この実施形態では一戸建て住宅に建物を具体化としており、図4はそのような建物の一部平面図である。
図4に示されているように、建物11にはその一階部分にインナガレージ12(第1空間部に相当)、及び玄関ポーチ13(第2空間部に相当)が設けられている。インナガレージ12には、少なくとも一台の車両Sが駐車可能となる駐車スペースが確保されている。このインナガレージ12に横並びで隣接して、玄関ポーチ13が設けられている。玄関ポーチ13は玄関扉14を挟んで玄関ホール15と反対側に配置され、インナガレージ12と同じく建物正面の外壁面よりも内側に存在している。この玄関ポーチ13は、平面視において略正方形状をなす空間部である。
インナガレージ12と玄関ポーチ13との間には床面に立設された壁が設けられておらず、その両空間部は連通している。このため、建物11の住人は連通部16を通じてインナガレージ12と玄関ポーチ13との間を行き来することができ、一方から他方へ移動する際にいったん屋外に出る必要がない。また、連通部16は屋外に開放されている。このため、インナガレージ12の出入り口17aと玄関ポーチ13への出入り口17bとが合わさって一つの大開口となる建物出入り口17が形成されている。
なお、前述したように玄関ポーチ13は平面視において略正方形状をなしているため、連通部16の奥行きa1は玄関ポーチ13の出入り口幅a2と概ね同じ長さを有している。そして、インナガレージ12、玄関ポーチ13及び連通部16は、いずれも同じ高さの床面及び天井面を有している。このため、連通部16は玄関ポーチ13の出入り口17bと概ね同じ開口形状かつ開口面積を有している。
以上の構成を有する建物11には、前記建物出入り口17を開閉する横引き式シャッタ(第1実施形態のものは符号21,第2実施形態のものは符号81)が設けられている。図4には、建物出入り口17が開放された状態にある横引き式シャッタ21,81が図示されている。この横引き式シャッタ21,81に関する構成を次に詳しく説明する。
[シャッタの第1実施形態]
はじめに、第1実施形態のシャッタ21の基本構成から説明する。図5は、第1実施形態のシャッタの概略を示す斜視図である。この図5に示されているように、シャッタ21はシャッタカーテン22と、シャッタカーテン22の移動を案内する上下の案内部材23,24とを備えている。
シャッタカーテン22は、長尺状をなす多数のスラット31(長尺部材に相当)が連結されてなる。各スラット31はその長手方向を鉛直方向に向けて配置され、その長辺部同士が折り曲げ可能に連結されている。この連結により、シャッタカーテン22は建物出入り口17の全域を閉鎖可能な横幅を有するとともに、シャッタカーテン22の一部に複数のスラット31よりなる湾曲部22aの形成が可能となっている。ここでいう湾曲とは、平面視における状態を表したものである。なお、各スラット31の連結構成については公知技術を適宜用いることが可能であり、その詳細な説明については省略する。
このシャッタカーテン22は、上下の案内部材23,24に案内されながらスラット31の長手方向と直交する方向へ移動可能となっている。そのシャッタカーテン22を移動可能とする移動案内機構について図6を用いて簡単に説明する。この移動案内機構は、シャッタカーテン22及び前記上下の案内部材23,24にそれぞれ設けられた部材等が相互に関わり合って構成されている。
図6はシャッタの一部を示す正面図である。この図6に示されているように、シャッタカーテン22には走行ローラ32及び案内ローラ33が設けられている。走行ローラ32は、シャッタカーテン22の上方でシャッタカーテン22の移動方向と直交する方向(図6の紙面と直行する方向)を中心軸線として回動可能となっている。そして、この走行ローラ32は、所定間隔ごとに複数設けられている。また、案内ローラ33はシャッタカーテン22の上端に複数設けられている。なお、走行ローラ32及び案内ローラ33の設置構成については図示の構成に限定されるものではなく、例えばスラット31ごとにそれらが設けられている構成であってもよい。
上案内部材23には、前記複数の走行ローラ32が転動する走行レール41が設けられている。走行レール41の上に各走行ローラ32が載置されていることで、シャッタカーテン22は走行レール41に吊下げ支持されている。シャッタカーテン22はこのように吊下げ支持された状態で各走行ローラ32が転動することにより、上案内部材23に沿って移動することが可能となっている。また、上案内部材23の内側ではシャッタカーテン22の移動方向と直交する方向の両側部が案内ローラ33と当接可能となっており、その当接によりシャッタカーテン22の上端側で移動案内がなされる。
下案内部材24には、同下案内部材24の延びる方向に沿って案内溝51が設けられている。シャッタカーテン22の下端には、その案内溝51に合わせて案内軸34が設けられている。そして、案内軸34が案内溝51に嵌められることにより、シャッタカーテン22の下端側で移動案内がなされる。
図5に戻り、上下の案内部材23,24はいずれも平面視において略L字状をなしている。両案内部材23,24は上下対象となる位置に配置され、上案内部材23はインナガレージ12及び玄関ポーチ13の天井面に、下案内部材24はインナガレージ12及び玄関ポーチ13の床面に取り付けられている。そして、上案内部材23は直線状部42a,42bと、直線状部42a,42bとを湾曲した形状でつなぐ連結部43とを備えている。下案内部材24も、同じく直線状部52a,52bと連結部53とを備えている。一方の直線状部42a,52aは建物出入り口17に沿って設けられ、一端が玄関ポーチ13の側面部13aに当接する程度の長さを有している。他方の直線状部42b,52bはインナガレージ12の側面部12aに当接し、当該側面部12aに沿って設けられている。
ちなみに、シャッタカーテン22はその一部に湾曲部22aを形成することが可能であると前に述べた。このように湾曲部22aが形成可能となっているため、上下の案内部材23,24の前記連結部43,53に沿ってシャッタカーテン22が移動可能となる。
上下の案内部材23,24において、出入り口側の直線状部42a,52aと連結部43,53とを合わせた横幅W2は建物出入り口17の横幅W1と概ね同じ長さを有している。そして、シャッタカーテン22は建物出入り口17の全域を閉鎖可能な横幅を有すると前述したが、具体的には少なくとも直線状部42a,52a及び連結部43,53にシャッタカーテン22が存在する程度の横幅を有している。このため、図5(a)に示されているように、建物出入り口17を閉鎖する方向(以下、閉鎖方向という)へシャッタカーテン22を移動させ、その移動先端部22bを玄関ポーチ13の側面部13aに当接させれば、シャッタカーテン22は閉鎖位置に配置される。この状態になると、建物出入り口17はシャッタカーテン22によって閉鎖される。
一方、インナガレージ側面側の直線状部42b,52bは、当該直線状部42b,52b単独でシャッタカーテン22が存在し得る程度の奥行きDを有している。このため、図5(b)に示されているように、建物出入り口17を開放する方向(以下、開放方向という)へシャッタカーテン22を移動させ、直線状部42b,52bにシャッタカーテン22が存在する状態とすれば、シャッタカーテン22は開放位置に配置される。この状態になると建物出入り口17は開放され、その建物出入り口17を通じてインナガレージ12及び玄関ポーチ13への出入りが可能となる。
以上のように、シャッタ21では、上下の案内部材23,24に沿ってシャッタカーテン22を閉鎖位置と開放位置との間で移動(スライド)させることにより、建物出入り口17が開閉されるようになっている。
そして、図5(a)に示されているように、シャッタ21は防犯対策のためにロック装置25(移動ロック手段に相当)を備えている。図5(b)に示されているように、ロック装置25は、係合部材61と、この係合部材61に係合可能な被係合部材62とを有している。係合部材61はシャッタカーテン22を閉鎖方向へ移動させる場合の移動先端部22bに、被係合部材62は玄関ポーチ13の側面部13aに設けられている。シャッタカーテン22により建物出入り口17の全域が閉鎖されると、係合部材61と被係合部材62との係合によりその閉鎖状態が維持される。この係合は解除可能であるが、係合部材61に内蔵された鍵装置63によりロックされればその解除は不能となる。このため、鍵装置63による係合がロックされるとシャッタカーテン22の開放方向への移動もロックされるため、不審者の侵入を防げる。
以上がシャッタ21の基本構成である。
ところで、上記基本構成において、インナガレージ12を閉鎖しながら玄関ポーチ13への出入りを確保しようとする場合、シャッタカーテン22をインナガレージ12の出入り口17aだけが閉鎖される位置にとどめることになる。しかしながら、建物11の構造上、インナガレージ12と玄関ポーチ13とを連通する連通部16を通じてインナガレージ12への侵入を許すことになり、防犯上の問題がある。
図1は、建物出入り口がシャッタにより閉鎖された状態を示す建物の一部平面図である。この図1に示されているように、この実施形態のシャッタ21は上記問題に対処可能な特徴的構成を備えている。詳しくは、シャッタカーテン22が閉鎖位置にある場合に、玄関ポーチ13の出入り口17bを閉鎖する部分が鉛直方向に延びる回動軸部35を中心として回動可能となっている。回動軸部35はインナガレージ12の出入り口17aと玄関ポーチ13の出入り口17bとの境界部に設けられている。このため、この回動軸部35を中心とした回動により、玄関ポーチ13の出入り口17bを開放しながら連通部16が閉鎖されるようになっている。このことを実現する具体的構成を、図2及び図3を参照しながらさらに詳しく説明する。
図2は、図1における玄関ポーチ部分を拡大した平面図である。なお、シャッタカーテン22は一点鎖線に省略して図示されている。図2に示されているように、上案内部材23の構成にまず特徴を有している。そこでまず上案内部材23の構成から説明する。
上案内部材23の直線状部42aは、第1部材44と第2部材45との二つの部材に分けられている。第1部材44はインナガレージ12の出入り口17aに設けられるもので、固定ブラケットなど適宜の固定手段によって天井側に固定されている。
一方、第2部材45は玄関ポーチ13の出入り口17bに設けられるものである。この第2部材45は、固定された第1部材44に対し、鉛直方向に延びる回動軸71を中心として回動可能に連結されている。図3(a)はその両者の連結部分を拡大して示す平面図であり、(b)は屋内側からの正面図である。この図3に示されているように、第1部材44及び第2部材45の各連結側端部には主部72,73の延長上に突片74,75が設けられている。各突片74,75は平面視において半円状をなし、両者は上下に重ね合わされている。その重ね合わされた部分には、前記回動軸71が設けられている。
図2に戻り、第2部材45の上面には、天井から当該第2部材45を吊下げるためのローラ(吊下げローラ)76が複数(図示では2個)設けられている。そして、玄関ポーチ13の天井面には個々の吊下げローラ76に応じてレール部材77が設けられ、このレール部材77により第2部材45は吊下げ支持されながら回動可能とされる。レール部材77は、略90度の中心角を有する扇形の円弧部分に相当する平面形状を有している。このため、第2部材45は第1部材44とともに直線状部42aを形成する初期位置と、その初期位置から略90度回動して玄関ポーチ13の側面部13aと平行となる回動位置との間の範囲で回動可能となっている。
シャッタカーテン22については、閉鎖位置にある状態で上案内部材23の回動軸71と同一軸線上に配置されたスラット連結部分で、折り曲げ範囲を少なくとも90度まで大きくすることにより前記回動軸部35が構成される(前述の図3参照)。なお、この場合も公知技術を適宜用いることが可能であり、その詳細な説明については省略する。このようにシャッタカーテン22の回動軸部35が上案内部材23の回動軸71と同一軸線上に配置されることで、回動軸部35よりも移動先端側の部分(つまり、玄関ポーチ13の出入り口17bを閉鎖する部分)を第2部材45とともに前記回動位置まで回動させることが可能となる。以下、シャッタカーテン22のこの回動部分は、玄関ポーチ閉鎖部分22A(扉体に相当)ということにする。この場合、第2部材45により、玄関ポーチ閉鎖部分22Aはスラット31の連結部分での折れ曲がりが規制される。このため、この実施形態では第2部材45が規制部材に相当する。そして、この折れ曲がりが規制されることで、玄関ポーチ閉鎖部分22Aは一枚の板部材の如く一体的に回動することになる。
なお、このようにシャッタカーテン22の玄関ポーチ閉鎖部分22Aを回動させる場合、当該部分の下端部に設けられた案内軸34はスラット側に収納される。シャッタカーテン22にはその案内軸34を収納するためのリンク機構36が設けられている(図6参照)。もっとも、回動時に案内軸34を案内する案内溝が玄関ポーチ13の床面に設けられた構成を採用すれば、このようなリンク機構36を備える必要はなくなる。
以上説明したような特徴的構成により、上案内部材23の第2部材45とシャッタカーテン22の玄関ポーチ閉鎖部分22Aとを、初期位置(シャッタカーテン22については閉鎖位置)と回動位置との間で回動させることが可能となる。
そして、連通部16は、玄関ポーチ13の出入り口17bと概ね同じ開口形状かつ開口面積を有していることを前述した。そして、上案内部材23の第1部材44及び第2部材45はそれぞれインナガレージ12の出入り口17aと玄関ポーチ13の出入り口17bとに対応して設けられているため、上案内部材23の回動軸71は両出入り口の境界部に配置されている。このことから、第2部材45を回動位置まで回動させると、図2に示されているようにシャッタカーテン22の玄関ポーチ閉鎖部分22Aにより連通部16の全域が閉鎖される。
この連通部16の閉鎖に関しても、防犯対策が施されている。すなわち、玄関ポーチ13の内壁部には、シャッタカーテン22の玄関ポーチ閉鎖部分22Aが回動位置に配置された場合に、シャッタカーテン22の係合部材61と係合可能な被係合部材78(回動ロック手段に相当)が設けられている。両者の係合により、玄関ポーチ閉鎖部分による連通部16の閉鎖状態が維持される。そして、鍵装置63による係合がロックされると玄関ポーチ閉鎖部分22Aの回動もロックされるため、玄関ポーチ13からインナガレージ12への不審者の侵入を防げる。
[シャッタの第2実施形態]
はじめに、第2実施形態のシャッタ81の基本構成について説明する。このシャッタ81も上記第1実施形態のものと同じく横引き式であり、シャッタカーテンと、上下の案内部材とを備えている。そして、シャッタカーテンは多数のスラットが折り曲げ可能に連結されてなり、上下の案内部材に案内されながら開放位置と閉鎖位置との間で移動可能となっている点も同じである。このため、大まかには図5に示した構成と同じである。ただ、このシャッタ81はシャッタカーテンを移動可能とする移動案内機構が上記第1実施形態のシャッタ21と異なっている。その異なる移動案内機構について図7を参照しながら説明する。
図7は、第2実施形態のシャッタを示す一部縦断面図である。この図7に示されているように、シャッタカーテン82はその下端に設けられた複数の走行ローラ92が下案内部材83に沿って走行することにより移動可能とされている。このため、シャッタカーテン82の下端側の構成についてまず説明する。シャッタカーテン82においては、前記走行ローラ92が所定間隔ごと、鉛直方向に延びる回動軸92aを中心として回動可能(つまり、その転動方向を変更可能)に取り付けられている。一方、下案内部材83においては、走行ローラ92が走行する走行面101と、走行ローラ92の走行を案内する案内突条102とを有している。走行面101は下案内部材83の延びる方向に沿って形成されるともに、走行ローラ92が有する一対のローラ92bにそれぞれ対応して一対設けられている。下案内部材83は、これら各走行面101がインナガレージ12及び玄関ポーチ13の床面と略面一の状態となるように、当該床面に設置されている。案内突条102は両走行面101の間に該走行面101から突出するように設けられ、走行ローラ92のローラ92b間に存在している。一対のローラ92bが案内突条102の両側を走行することにより、両ローラ92bは走行面101から外れずに走行することが可能となる。つまり、走行ローラ92は案内突条102により当該案内突条102の延びる方向(下案内部材83の延びる方向)に沿って走行するように案内される。
次いで、シャッタカーテン82の上端側の構成について説明する。シャッタカーテン82には上案内ローラ93が設けられている。上案内ローラ93は、ローラ支持部材94によりシャッタカーテン82の上方で鉛直方向を中心軸線として回転可能に支持されている。ローラ支持部材94は、シャッタカーテン82の上端部側面に取り付けられている。その取付基端部と、上案内ローラ93が取り付けられている先端部との間は、シャッタカーテン82の上端部周辺を迂回する形状をなしている。ローラ支持部材94がこのような形状を有することで、シャッタカーテン82の上端部周辺には空間部95が形成されている。一方、上案内部材84は案内凹部111と前面板部112とを有し、建物出入り口17を形成するインナガレージ12及び玄関ポーチ13の天井面に取り付けられている。案内凹部111は上案内部材84の内部に設けられ、そこに上案内ローラ93が収容されている。そして、案内凹部111の内側面が上案内ローラ93と当接することにより、シャッタカーテン82はその上端側で移動案内される。前面板部112はローラ支持部材94の屋外側に設けられており、この前面板部112によりローラ支持部材94が屋外に対して隠されるようになっている。
以上がシャッタカーテン82の移動案内機構に関する説明である。なお、この第2実施形態のシャッタ81でも、防犯対策のために上記第1実施形態のシャッタ21と同じくロック装置25を備え、シャッタカーテン22の開放方向への移動がロックされるようになっている。
次に、図8は玄関ポーチ部分を拡大した平面図である。図8に示されているように、この第2実施形態のシャッタ81もシャッタカーテン82の玄関ポーチ閉鎖部分82Aが回動軸部96を中心として回動可能とされ、その回動によって玄関ポーチ13の出入り口17bを開放しながら連通部16が閉鎖されるようになっている。以下、その特徴的構成について説明する。
まず、シャッタ81の下部構成について説明する。図9は下案内部材と走行ローラとを示す平面図であり、(a)は初期位置にある状態を示し、(b)は回動時の状態を示している。図9(a)に示されているように、下案内部材83の案内突条102は途切れている。その途切れた部分は間隙部103とされ、その間隙部103はシャッタカーテン82が閉鎖位置にある場合に走行ローラ92が存在する位置に設けられている。このため、走行ローラ92はその位置で回動軸92aを中心として回動し転動方向が変更可能となる。そして、図9(b)に示されているように、シャッタカーテン82の玄関ポーチ閉鎖部分82Aを回動させる場合には、その回動に伴って走行ローラ92はその転動方向が変更されて下案内部材83の走行面101から外れる。その後、走行ローラ92が玄関ポーチ13の床面を走行することにより、玄関ポーチ閉鎖部分82Aは回動可能となる。
次に、シャッタ81の上部構成について説明する。前述の図8に示されているように、シャッタカーテン82が閉鎖位置にある場合において、そのシャッタカーテン82にはその上端部に装着フレーム113(規制部材に相当)が装着されている。装着フレーム113は玄関ポーチ閉鎖部分82Aの各スラット91を連結する部分のすべてをまたぐように装着され、その装着により玄関ポーチ閉鎖部分82Aを構成する各スラット91は連結部分での折り曲がりが規制されている。このため、玄関ポーチ閉鎖部分82Aは一枚の板部材の如く一体的に回動することになる。図10は、玄関ポーチの出入り口側の上部を示す正面図である。この図10に示されているように、装着フレーム113はもともと上案内部材84に取り付けられていたものである。そして、シャッタカーテン82が閉鎖位置へ移動するのに伴って自動的に装着される。
図11は装着フレームが装着されたシャッタカーテンの縦断面図であり、(a)は初期位置にある状態を示し、(b)は回動時の状態を示している。図11(a)に示されているように、装着フレーム113は玄関ポーチ閉鎖部分82Aの上部に装着される装着部114と、装着部114の上面に設けられた突起部115とを備えている。装着部114はシャッタカーテン82の上端部の形状に合わせて形成され、その上端部に嵌め合わされている。この装着部114は、シャッタカーテン82の上端部周辺に形成された前記空間部95に配置されている。突起部115は鉤状に形成された先端部を有し、その先端部が上案内部材84に形成された受け部116に受け止められている。これにより、装着フレーム113は前記装着部114が空間部95に配置された状態で上案内部材84に取り付けられている。
そして、突起部115の先端部と上案内部材84の受け部116とに設けられた着脱部材117(例えば、ドアキャッチ)により、装着フレーム113は玄関ポーチ閉鎖部分82Aが回動する場合に上案内部材84に対して着脱自在となっている。このため、シャッタカーテン82を開放位置へ移動させる場合には、装着フレーム113は上案内部材84に取り付けられたままの状態とされシャッタカーテン82だけが移動する。一方、図11(b)に示されているように、玄関ポーチ閉鎖部分82Aを回動させる場合には、その回動に伴って装着フレーム113は上案内部材84から外れる。この場合、上案内部材84には上案内ローラ93の存在位置ごとにローラ通過孔118が形成されているため、上案内ローラ93を案内凹部111の外に出すことが可能となる。玄関ポーチ閉鎖部分82Aが初期位置に戻される場合には、ローラ通過孔118を通じて上案内ローラ93が案内凹部111内に戻され、着脱部材117により装着フレーム113が上案内部材84に再び取り付けられる。
なお、玄関ポーチ閉鎖部分82Aの回動時に走行ローラ92の走行を案内する案内レールが玄関ポーチ13の床面に設置された構成や、同じく回動時に上案内ローラ93を案内する案内レールが玄関ポーチ13の天井面に設置された構成を採用してもよい。これにより、玄関ポーチ閉鎖部分82Aの回動をスムーズに行えるようになる。
以上より、この第2実施形態のシャッタ81でもシャッタカーテン82の玄関ポーチ閉鎖部分82Aを回動位置まで回動させれば、その回動部分によって連通部16の全域が閉鎖される。ここでも上記第1実施形態と同じく防犯対策のため、玄関ポーチ13の内壁部に設けられた被係合部材78により、玄関ポーチ閉鎖部分82Aの回動ロックが可能となっている。
[シャッタ動作とその効果のまとめ]
以上に詳しく説明した両実施形態のシャッタ21,81により、建物出入り口17が開閉される。つまり、シャッタカーテン22,82を移動させて開放位置に配置させれば建物出入り口17が開放され、インナガレージ12及び玄関ポーチ13へ人や車両Sの出入りが可能となる。一方、シャッタカーテン22,82を移動させて閉鎖位置に配置させれば、建物出入り口17は閉鎖されインナガレージ12及び玄関ポーチ13へ人や車両Sの出入りができなくなる。このとき、ロック装置25によりシャッタカーテン22,82の開放方向への移動をロックすれば、防犯性が高まる。
そして、インナガレージ12を閉鎖しながら玄関ポーチ13への出入りを確保したい場合、シャッタカーテン22,82を閉鎖位置に配置させた後、玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aを回動して回動位置に配置させる。これにより、玄関ポーチ13の出入り口17bが開放されるとともに、インナガレージ12と玄関ポーチとを連通する連通部16が閉鎖される。この場合、玄関ポーチ13への出入りを確保しながら、玄関ポーチ13側からインナガレージ12に出入りすることができなくなる。この場合も、被係合部材78により玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aの回動をロックすれば、防犯性が高まる。
以上より、この実施形態によれば以下に示す効果が得られる。
シャッタカーテン22,82の玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aを回動させれば玄関ポーチ13の出入り口17bが開放されるため、シャッタカーテン22,82の全部を開放方向へ移動させることなく玄関ポーチ13へ出入りできる。特にこの実施形態の建物11では、回動させた部分22A,82Aによって連通部16が閉鎖されるため、玄関ポーチ13の出入り口17bを開放してもインナガレージ12の防犯性の低下を抑制できる。
ロック装置25によりシャッタカーテン22,82による建物出入り口17の閉鎖状態がロックされるし、玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aを回動させた場合にも、内壁部に設けられた被係合部材78により連通部16の閉鎖状態がロックされる。このため、不審者によって勝手に建物出入り口17や連通部16が開放されることを防ぎ、防犯性を確実なものとすることができる。
シャッタ21,82は横引き式シャッタであるため、シャッタカーテン22,82を構成する多数のスラット31,91が折り曲げ可能に連結されている。このため、その連結部分を回動軸部35,96として利用することが可能であり、回動軸部35,96の構成を簡易なものとすることができる。
回動自在となっている玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aはシャッタカーテン22,82の一部である複数のスラット31,91よりなるため、この部分22A,82Aも他のスラット部分と同様に折り曲げながら引き出し・引き戻しを行える。これにより、シャッタ21,81の大幅な設計変更を回避し、コストの増加を抑制できる。しかも、玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aの回動時に折り曲がりが規制されるため、その部分22A、82Aの回動を容易に行える。
連通部16が屋外に開放されて仕切り壁や中間柱が存在しないため、その壁や柱によってシャッタ21,81の設置箇所や構造等の制約を受けることはない。また、車両Sを出入りさせる場合に玄関ポーチ13の出入り口17bを利用することが可能となり、車両Sの出入りが容易な開口幅を確保できる。
[別の実施形態]
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
(ア)上記実施の形態では、シャッタカーテン22,82の玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aを扉体の具体例としたが、扉体とする部分は玄関ポーチ13の出入り口17bよりも小さくてもよい。この場合、扉体とする部分は上記実施形態のように閉鎖方向への移動先端部22bを含む必要はなく任意である。扉体を例えば人が出入り可能な程度とすれば、大開口の建物出入り口17を開閉する大きなシャッタカーテン22,82の全部を開放方向へ移動させることに比べ扉体の開閉にそれほど手間はかからない。このため、シャッタカーテン22,82の全部を移動させないことの効果は大きい。
(イ)上記実施の形態では、多数のスラット31,91が連結されてなるシャッタカーテン22,82の一部(玄関ポーチ閉鎖部分22A,82A)を扉体としたが、スラット部分とは別体となる一枚の扉部材を扉体としてもよい。ただし、この扉部材もスラット部分とともにシャッタカーテンの一部となる。また、扉部材は、例えばたわみ変形可能な構成とするなど、スラット部分と同じように折り曲げ(湾曲)可能な構成とされる。
扉体をこのような構成とする場合には、扉体の上下に横枠が設けられた構成、左右に縦枠が設けられた構成、スラット部分との連結部に縦枠が設けられた構成を、単独又は複数組み合わせて採用してもよい。横枠が設けられた構成では、それらは上案内部材23,84又は下案内部材24,83に支承されるとよい。また、縦枠が設けられた構成では、その縦枠にシャッタカーテン22,82の回動軸部35,96が設置されるとよい。
そして、縦枠だけで扉体の下側に横枠(下枠)が設けられない構成では、第2実施形態の如く回動時に床面上を走行する走行ローラ92が設けられるとよい。これにより、扉体の回動動作を容易に行うことができるし、扉体の回動軌跡に沿った回動案内部材等を玄関ポーチ13の床面に設置することは不要となる。さらに、第1実施形態のシャッタ21の如く下案内部材24に案内溝51が設けられた構成において、扉体に下枠が設けられた構成を採用すると、回動時に下枠が下案内部材24に留まって案内溝51が塞がれた状態となる。このため、ゴミや砂等が案内溝51に入り込むことを防止できる。
(ウ)上記実施の形態では、二つの建物内空間(インナガレージ12と玄関ポーチ13)の出入り口17a,17bが合わさった建物出入り口17を開閉するシャッタ21,81を例として説明したが、一つの建物内空間(例えばインナガレージ12のみ)の独立した出入り口を開閉するシャッタに適用してもよい。
(エ)上記実施の形態では、建物出入り口17の奥にある建物内空間としてインナガレージ12及び玄関ポーチ13を具体例として説明したが、例えば物置等の収納空間であったり、集合住宅であれば駐車場への導入路等であってもよい。
(オ)上記実施の形態では、長尺部材であるスラット31,91が多数連結されてなるシャッタカーテン22,82を例として説明したが、長尺部材は例えばパネル板やパイプ等であってもよい。
(カ)上記実施の形態では、連通部16は玄関ポーチ13の出入り口17bと概ね同じ開口形状かつ開口面積を有しているとしたが、その出入り口17bよりも開口面積を小さくしてもよい。例えば、連通部16に垂壁が設置されたり、インナガレージ12と玄関ポーチ13との仕切り壁が一部設置されたりすれば、連通部16の開口面積が玄関ポーチ13の出入り口17bよりも小さくなる。この場合でも、連通部16の全域を閉鎖することが可能である。
また、逆に、連通部16の開口面積が玄関ポーチ13の出入り口17bよりも大きく形成された構成であってもよい。この場合、玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aが回動位置に配置されても連通部16の全域を閉鎖することができなくなるが、その際に生じた開口部分を塞ぐ仕切り壁が設置されれば防犯上の問題点は解消する。この仕切り壁としては、開口部分に着脱可能なものでもよいし、連通部16を形成する内壁やシャッタカーテン22,82に内蔵されていて連通部16の閉鎖時に引き出されるような構成を採用してもよい。
(キ)上記実施の形態では、シャッタカーテン22,82の玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aでスラット31,91間の折り曲げを規制する折り曲げ規制手段として上案内部材23の第2部材45及び案内ローラ33や、装着フレーム113を具体例としたが、回動時に手動で伸長させる伸縮式のフレーム部材等であってもよい。
(ク)上記実施の形態において、シャッタカーテン22,82の玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aが他のカーテン部分と分離可能に連結された構成を採用してもよい。この場合、シャッタカーテン22,82を引き出して建物出入り口17のすべてを閉鎖した後、玄関ポーチ閉鎖部分22A,82Aを残して他のカーテン部分だけを引き戻す操作を行える。これにより、玄関ポーチ13の出入り口17bを閉鎖しながら、インナガレージ12の出入り口17aを開放することができ、利便性を向上させることができる。
そして、このように扉体部分と他のカーテン部分とを分離可能とした場合、扉体の回動軸部は他のカーテン部分との連結部分に設置される必要はなく、扉体の閉鎖方向への移動先端部側に回動軸部が設けられた構成としてもよい。
(ケ)上記実施の形態では、シャッタカーテン22,82の移動を案内する上下の案内部材23,24,83,84が設けられているが、上下の少なくともいずれか一方に案内部材が設けられていればよい。例えば、第1実施形態のシャッタ21にようにシャッタカーテン22を吊下げる構成では下案内部材24を省略し、第2実施形態のシャッタ81のように走行ローラ92が設けられた構成では上案内部材84を省略してもよい。
その他、シャッタカーテンの一部であって出入り口閉鎖方向への移動先端を含む部分が扉体として一枚の扉部材により形成された場合(上記別例(イ))、シャッタカーテンにより建物出入り口17が閉鎖された状態で当該扉部材が配置される部分では、上下いずれも案内部材が不要となる。
(コ)上記実施の形態では、シャッタカーテン22,82がインナガレージ側面側の直線状部42b,52bに配置されるとしたが(図5(b)参照)、そこに入りきらない場合もある。例えば、建物出入り口17の開口幅がインナガレージ12の奥行きよりも長くなった場合である。これは、例えば角敷地に設けられるガレージの場合に生じる。このような場合、上下の案内部材23,24,83,84は平面視略コ字状に形成される。つまり、インナガレージ12の車両駐車領域の奥に、出入り口側の直線状部42a,52aと平面視で平行をなす直線状部や、該直線状部とインナガレージ側面側の直線状部42b、52bとを湾曲した形状でつなぐ連結部が設けられ、その部分にも開放状態にあるシャッタカーテンが配置される。
(サ)上記実施の形態では、横引き式シャッタ21,82を具体例として説明したが、建物出入り口17を開閉するシャッタとしては、シャッタカーテンを昇降させる昇降式シャッタ、オーバスライダ式シャッタ等の他の種類のものであってもよい。また、横引き式シャッタにおいても、建物出入り口17の横方向の一端側に設置された巻取り軸にシャッタカーテンが巻き戻し又は巻き取られることにより、シャッタカーテンの引き出し又は引き戻しが行われる構成であってもよい。この場合、シャッタカーテンを構成するスラット同士が折り曲げ可能に連結されているため、そのシャッタカーテンの巻き取り又は巻き戻しが可能となる。
(シ)上記実施の形態では、一戸建て住宅を建物の具体例として説明したが、マンションなどの集合住宅、店舗や倉庫等の建物に適用される場合であってもよい。
建物出入り口が第1実施形態のシャッタにより閉鎖された状態を示す建物の一部平面図。 図1における玄関ポーチ部分を拡大した建物平面図。 第1実施形態における上案内部材の回動連結構成を示す平面図及び屋内側からの正面図。 インナガレージ周辺を示す建物の一部平面図。 第1実施形態のシャッタの概略を示す斜視図。 第1実施形態のシャッタの一部を示す正面図。 第2実施形態のシャッタを示す一部縦断面図。 第2実施形態のシャッタが設置された玄関ポーチ部分を拡大した建物平面図。 第2実施形態における下案内部材と走行ローラとを示す平面図。 第2実施形態における玄関ポーチの出入り口側の上部を示す正面図。 第2実施形態における装着フレームが装着されたシャッタカーテンを示す縦断面図。
符号の説明
11…建物、12…インナガレージ(第1空間部)、13…玄関ポーチ(第2空間部)、16…連通部、17…建物出入り口、21,81…シャッタ、22,82…シャッタカーテン、23,84…上案内部材、24,83…下案内部材、25…ロック装置(移動ロック手段)、31,91…スラット(長尺部材)、35,96…回動軸部、45…第2部材(規制部材)、78…被係合部材(回動ロック手段)、92…走行ローラ、113…装着フレーム(規制部材)。

Claims (9)

  1. 空間出入り口とされた建物出入り口の奥に互いに横並びで隣接する第1空間部及び第2空間部が設けられ、前記両空間部の境界部であって前記建物出入り口側に該両空間部を連通する連通部が形成されている建物に適用され、
    シャッタカーテンを移動させて前記建物出入り口を開閉するシャッタであって、
    前記シャッタカーテンの一部となって他のカーテン部分とともに移動可能な扉体と、
    前記扉体を鉛直方向に延びる中心軸線を中心として回動自在に軸支する回動軸部と、
    を備え、
    前記建物出入り口のうち前記扉体による閉鎖領域は前記第2空間部の出入り口であり、その第2空間部の出入り口が前記扉体の回動によって開放されるように構成されており、
    前記扉体の回動範囲は前記第2空間部の出入り口に配置された閉鎖位置と、前記両空間の間の仕切りとなって前記連通部の少なくとも一部を閉鎖する回動位置との間であることを特徴とするシャッタ。
  2. 前記シャッタカーテンは、その移動方向の全域で任意の部分が平面視における湾曲形状を形成可能であり、
    前記シャッタカーテンが前記建物出入り口の全域を閉鎖する位置に配置された場合に、シャッタカーテンの一部であって出入り口閉鎖方向への移動先端を含む部分が前記扉体とされ、当該扉体部分では湾曲が規制されるようにした請求項1に記載のシャッタ。
  3. 前記シャッタカーテンは、多数の長尺部材がその長手方向を鉛直方向に向けて配置され、かつその長辺部同士が折り曲げ可能に連結されてなり、
    前記シャッタカーテンによって建物出入り口が閉鎖された場合に、出入り口閉鎖方向への移動先端を含む複数の長尺部材をまたいで設けられ、それら各長尺部材間の折れ曲がりを規制する規制部材を備え、
    前記扉体は、前記規制部材により折り曲げ規制された複数の長尺部材よりなる請求項に記載のシャッタ。
  4. 前記扉体を回動させて当該扉体による閉鎖領域が開放された場合に、もとの閉鎖位置へ向けた前記扉体の回動をロックする回動ロック手段を備えた請求項又はに記載のシャッタ。
  5. 前記建物出入り口が閉鎖された状態にあるシャッタカーテンの移動をロックする移動ロック手段が設けられている請求項乃至のいずれか1項に記載のシャッタ。
  6. 前記扉体は、その横方向両側に設けられた一対の縦枠と、その下側に設けられた下枠とを備え、それら各枠によって形成された領域を開閉するものであり、
    前記一対の縦枠は、その両者が前記シャッタカーテンの移動を案内する上下の案内部材に支承されるとともに、一方には前記回動軸部が設けられ、
    前記下枠は、前記下案内部材の案内溝に支承されている請求項乃至のいずれか1項に記載のシャッタ。
  7. 前記扉体はその横方向の片側に設けられた縦枠を備え、
    前記縦枠は前記シャッタカーテンの移動を案内する上下の案内部材に支承されるとともに、前記回動軸部が設けられ、
    前記扉体の下端部には回動時に床面上を走行する走行ローラが設けられている請求項に記載のシャッタ。
  8. 前記扉体は前記シャッタカーテンを出入り口閉鎖方向へ移動させる場合の移動先端部を含むとともに、前記回動軸部は前記シャッタカーテンの鉛直方向全域に延びるように形成され、
    前記回動軸部を含む扉体部分と他のカーテン部分とが分離可能に連結されている請求項乃至のいずれか1項に記載のシャッタ。
  9. 車両を駐車可能なガレージ空間と、前記該ガレージ空間と横並びで隣接する脇空間と、前記両空間の出入り口側で該両空間を連通する連通部とを備え、前記両空間への出入り口が合わさって形成された建物出入り口を有する建物であって、
    前記建物出入り口を開閉するシャッタとして、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシャッタを備えた建物。
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