JP5224812B2 - 固体分散を連続ポリデキストロース相およびポリデキストロース以外のポリマーの連続相を含むポリマーマトリックスと共に含有する医薬組成物 - Google Patents

固体分散を連続ポリデキストロース相およびポリデキストロース以外のポリマーの連続相を含むポリマーマトリックスと共に含有する医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つの連続ポリデキストロース相およびポリデキストロース以外のポリマーの少なくとも1つの連続相を含む医薬的に許容し得るポリマーマトリックス中に少なくとも1種類の活性成分の固体分散を含む新規医薬組成物に関する。
活性成分の固体分散の形態にある医薬組成物は当業者に周知である。これらは、一般には、活性成分の溶解度の改善、これらの放出速度の制御もしくはこれらのバイオアベイラビリティの改善に用いられる。
経口投与されるとき、多くの活性成分分子が有するバイオアベイラビリティは低い。水性媒体中での低溶解度(すなわち、水中、25℃で1mg/ml未満の溶解度)、また浸透性の低さも、経口投与後のこれらの吸収の少なさの原因である。経口投与されるときのこれらの分子のバイオアベイラビリティを改善するため、多くの技術が用いられている。これは微粉化、塩および複合体の形成、液体および固体分散中での可溶化の場合である。
固体分散の概念は、1961年にSekiguchiおよびObi(Chem.Pharm.Bull.9、(1961)、866−872)によって導入され、1965年にGoldberg(J.Pharm.Sci.54、(1965)、1145−1148)によって、並びに1971年にChiouおよびRiegelmann(J.Pharm.Sci.60(9)、(1971)1281−1302)によって採用され、および定義された。
一般には、「固体分散」という表現は、液体もしくは気体状態とは対照的に、少なくとも2種類の成分を含む固体状態にあるマトリックスを意味し、2種類の成分のうちの1つ、例えば、医薬活性成分が他の成分、例えば、医薬的に許容し得るマトリックス内に可能な限り均一に分散されている。この分布が1つの相からなるとき、このような「固体分散」は、とりわけ、「固体溶液」と呼ばれる:この分散は分子規模で生じ、活性成分は固体マトリックス中に可溶化し、および非晶質状態にある。この固体溶液を液体媒体、例えば、胃媒体と接触させるとき、これは容易に液体溶液を形成することができる。分布が1つの相からなるものではないとき、「固体分散」という表現が用いられる:この分散は粒子規模(=50nm)で生じる。活性成分はそこに結晶状態で完全に分散するか、もしくはそこに部分的に可溶化する。
「固体分散」を調製する2つの方法が主として存在する:
−通常の溶媒中での成分(活性成分およびマトリックス)の可溶化とこれに続く溶媒の蒸発に基づく、「溶媒」アプローチ;
−成分(活性成分およびマトリックス)を高温で溶融した後、固化させるために混合物を冷却することにある「溶融物」アプローチ。
「溶媒」アプローチは多くの欠点を有する:実施が煩雑であり、特に、溶媒の処理に関する多くの工程が存在し、環境および公衆衛生の問題(残留溶媒内容物)も存在する。
「溶融物」アプローチにはこのような欠点はないが、高温の使用を必要とし、これは活性成分および固体分散の他の成分の化学的安定性に影響を及ぼし得る。
従来技術の医薬組成物に含まれる固体分散は、一般には、1種類以上の医薬的に許容し得るポリマーのマトリックス中に溶解もしくは分散された活性成分から形成される。
そこで、特許出願EP 0 240 904およびEP 0 240 906(BASF AG)は、押し出しもしくは注型法による、好ましくはN−ビニルピロリドン共重合体、特にコポビドン、を用いる、固体医薬形態の調製方法を記載する。
これにもかかわらず、固体分散を含む従来技術の組成物は、特に、比較的水不溶性の活性成分のバイオアベイラビリティの十分な増加を得ることを、まさに消化管のすべてに沿ってのこの低溶解度の事実のため、常に可能にするわけではない。
まったく驚くべきことに、および予期せぬことに、特定のポリマーマトリックスを有する固体分散を含む新規医薬組成物が、既知の可溶性分散と比較して、活性成分のバイオアベイラビリティを有利に高めることを可能にすることが見出されている。
したがって、本発明の主題は、少なくとも1種類の活性成分および医薬的に許容し得るポリマーマトリックスを含む固体分散を含有する固体医薬組成物であって、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスが(i)連続ポリデキストロース相の形態にあるポリデキストロース、および(ii)ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーであって、このポリマーの連続相の形態にあるポリマーの混合物を含み、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して、該ポリデキストロースの割合が少なくとも20重量%であり、およびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの割合が少なくとも20重量%であることを特徴とする固体医薬組成物である。
特に、本発明による医薬組成物は、該少なくとも1種類の活性成分、該ポリデキストロースおよびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーを含む化合物をスクリューミキサーにおいて約50℃から約250℃の混合温度で生成することにある、少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることが可能であることを特徴とする。
特に、本発明の主題は、少なくとも1種類の活性成分および医薬的に許容し得るポリマーマトリックスを含む固体分散を含有する固体医薬組成物であって、
該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスが(i)水性媒体中での組成物の崩壊を促進するための、連続ポリデキストロース相の形態にあるポリデキストロース、および(ii)ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーであって、このポリマーの連続相の形態にあるポリマーの混合物を含み、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して、該ポリデキストロースの割合が少なくとも20重量%であり、およびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの割合が少なくとも20重量%であり、
並びに、この医薬組成物は、該少なくとも1種類の活性成分、該ポリデキストロースおよびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーを含む化合物をスクリューミキサーにおいて約50℃から約250℃の混合温度で生成することにある、少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることが可能である、
ことを特徴とする固体医薬組成物である。
本発明による医薬組成物は、とりわけ、経口投与に適する。
本発明によると、「固体分散」という用語は、少なくとも1種類の活性成分の医薬的に許容し得るポリマーマトリックスにおける、固体溶液(ポリマーマトリックス中に可溶化される、非晶質状態で分散された活性成分)もしくは非固体溶液(結晶状態で分散される活性成分)の形態または中間形態(部分的に非晶質状態で分散され、および部分的に結晶状態で分散される活性成分)での分散を意味しようとするものである。
本発明によると、所与のポリマー(ポリデキストロースもしくはその他)の「連続相」という用語は、該ポリマーがポリマーマトリックスの一部を構成し、および分散状態にはない、すなわち、この固体分散の3次元全体にわたって途切れることなく広がることを意味しようとするものである。
したがって、本発明による組成物の医薬的に許容し得るポリマーマトリックスは、少なくとも2つの連続ポリマー層の混合物、すなわち、第1連続相の形態にある該ポリデキストロースおよび、少なくとも1つの他の連続相の形態にある、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの混合物を含み、これらの別個の連続ポリマー相は互いに分離して分散してはいない。
いかなる理論によっても束縛されることを望むものではないが、本発明による組成物のこの特徴的な構造が、第1に、それぞれのポリマー含有率(該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して少なくとも20重量%)から生じ、および、第2に、該固体分散の成分の化合物をスクリューミキサーおよび50℃から約250℃の混合温度を用いて生成する方法(この温度でスクリューミキサー、例えば、押し出しもしくは注型装置のものを用いての化合物に対する剪断および可塑化効果)からなる工程から生じることが注目されている。
本発明によると、ポリデキストロースが、これもまた連続相の形態にあるポリデキストロース以外のポリマーも含むポリマーマトリックスの連続ポリデキストロース相の形態で、活性成分の固体分散を、特に両連続性の、このようなポリマーマトリックス中に含む医薬組成物中に水性媒体中での医薬組成物の崩壊を促進する機能として存在することが注目される。
本発明によると、「医薬組成物の崩壊を促進する」という表現は水性媒体における固体分散の崩壊の加速を意味しようとするものである。崩壊能力は欧州薬局方の2.9.1項に記載される崩壊アッセイに従って決定する。
いかなる理論によっても束縛されることを望むものではないが、本発明による医薬組成物中の連続ポリデキストロース相の存在によってもたらされるような胃内での改善された崩壊は、特に消化管内での、該活性成分の局所濃度の、したがって、沈殿の危険性を有利に低減することを可能にするはずである。
ポリデキストロース(CAS No.068424044)は、すべてのタイプの(主として1,6)のグルコシド結合によって無作為に連結するグルコース単位を含み、および微小含有率の、特に、グルコースおよびソルビトール単位をも含む水溶性非晶質ポリマーである。ポリデキストロースの調製は、特に、Pfizer Inc.社からの特許US 3 766 165およびUS 3 876 794に記載されている。ポリデキストロースは、一般には、D−グルコースを含む混合物を用いる、ソルビトールおよび酸触媒、特に、クエン酸もしくはリン酸の触媒性縮合反応からなる工程を含む方法によって得ることができる。
ポリデキストロースの使用は、この部分的代謝、したがって、この低カロリー含有率を前提にして、食品産業、特に、食事療法において最初に開発された。ポリデキストロースは、例えば、「Food Chemicals Codex」(FCC、第4版、1996)に記載される。
ポリデキストロースは、特に通常のイオン交換樹脂分離技術により、食料製品における使用の関係ではこの官能検査(酸性)および/または色特性がさらに改善されるように(例えば、EP 0 458 748もしくはEP 0 473 333を参照)ではあるが、今後も医薬流体における、例えば、賦形剤としてのこの使用の観点から(Pharmaceutical Excipients 2001、edited by Ray C Rowe、Paul J Sheskey and Paul J Weller、Polydextrose monography、July 27、2001)、そこから残留生成物を除去するために有利に精製することができる。
したがって、本発明によると、「ポリデキストロース」という用語は、もちろん、医薬的に許容し得るポリデキストロースを意味しようとするものである。特に、医薬的に許容し得るポリデキストロースは、好ましくは、少なくとも90重量%のポリデキストロースの純度を有し、残りの成分は主として遊離グルコース、ソルビトール、およびレボグルコサン(1,6−アンヒドロ−D−グルコース)単位並びに水を含み、この純度は乾燥物質に対するUV分光光度法によって決定することができる。
本発明による組成物において用いることができるポリデキストロースは、屈折率検出器を備えるゲル透過クロマトグラフィー(すなわち、「排除クロマトグラフィー」)による公知の方法での測定で、多くとも22000g/molの分子量を有する。
特に、本発明による組成物において用いることができるポリデキストロースは、150から5000、特に、1000から2000の平均分子量を有する。
本発明による組成物において用いることができるポリデキストロースのうち、特に、Pfizer社によって「polydextrose A」および「polydextrose K」の名称で販売される、1200から2000の平均分子量を有するポリデキストロース、並びにDanisco社によって「Litesse(登録商標)」、例えば、「Litesse(登録商標)II」、特に、182から5000の平均分子量を有する、「Litesse(登録商標)Ultra(商標)」の名称で販売されるポリデキストロースの系統に言及することができる。
もちろん、本発明によると、「ポリデキストロース」という用語は、連続ポリデキストロース相を構成するための単一の所与のポリデキストロースもしくは、特に上述のもののうちにある、ポリデキストロースの混合物を含み得る。
本発明による組成物のポリマーマトリックスに含まれる「ポリデキストロース以外の」ポリマーは、従来技術の固体分散において用いることができるいかなるポリマーであってもよく、および、もちろん、上で定義されるポリデキストロース以外のポリマーである。
もちろん、ポリデキストロース以外のポリマーは、互いに別ではあるが混和性である、ポリデキストロース以外の幾つかのポリマーの混合物を含むことができる。
特に、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーは以下を含む群から選択される:
−セルロース系ポリマー、例えば、アルキルセルロース、特に、メチルセルロース、例えば、ヒドロキシアルキルセルロース、特に、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロースおよび低度に置換されたヒドロキシプロピルセルロース、例えば、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、特に、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、カルボキシアルキルセルロース、特に、カルボキシメチルセルロース、例えば、カルボキシアルキルセルロース塩、特に、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、例えば、カルボキシアルキルアルキルセルロース、特に、カルボキシメチルエチルセルロース、並びに、例えば、セルロース誘導体のエステル、特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびセルロースアセテートフタレート;
−ビニルホモ−およびコポリマー、例えば、N−ビニルピロリドンポリマー、特に、ポビドン、コポビドンおよびポリビニルアルコール;
−アクリルおよびメタクリルポリマー、例えば、Rohm社によってEudragit(登録商標)の名称で販売されるもの、特に、Eudragit(登録商標)E 100およびEudragit(登録商標)L 100−55;
−化学的に修飾されたデンプン、特に、特にトウモロコシ、ジャガイモ、コメ、コムギもしくはタピオカから抽出されるデンプンから誘導されるデンプン;
−ペクチン;
−キチン誘導体、例えば、キトサン;
−天然資源のポリマー、例えば、トラガカントゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム、グアールガム、寒天およびキサンタンガム;
−ポリアルキレンオキシド、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド並びにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー;
並びにこれらの混合物。
特に、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーは、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、低度に置換されたヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートフタレート、ポビドン、コポビドン、ポリビニルアルコール、アクリルおよびメタクリルポリマー、例えば、Rohm社によってEudragit(登録商標)の名称で販売されるもの、特に、Eudragit(登録商標)E 100およびEudragit(登録商標)L 100−55、トウモロコシ、ジャガイモ、コメ、コムギもしくはタピオカから抽出されるデンプンから誘導されるデンプン、ペクチン、キトサン、トラガカントゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム、グアールガム、寒天、キサンタンガム、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー、並びにこれらの混合物を含む群から選択される。
本発明による組成物において用いることができるポリデキストロース以外のポリマーは、特に、ポリデキストロース以外の親水性ポリマーおよびこれらの混合物から選択され、とりわけ、以下を含む群から選択される
−ヒドロキシプロピルセルロース、例えば、Aqualon社によってKlucel(登録商標)の名称で販売されるもの;
−ヒドロキシエチルセルロース、例えば、Aqualon社によってNatrosol(登録商標)の名称で販売されるもの;
−ジメチルメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性メタクリルエステルのカチオン性コポリマー、例えば、Rohm社によってEudragit(登録商標)E 100の名称で販売されるもの;
−メタクリル酸およびメタクリル酸エステルのアニオン性コポリマー、例えば、Rohm社によってEudragit(登録商標)L 100−55の名称で販売されるもの;
−ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、例えば、Shin−Etsu社によってAqoat(登録商標)の名称で販売されるもの;
−ポリエチレングリコール、好ましくは、1500を上回る分子量を有するもの;
−コポビドン、すなわち、BASF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるような、コポリマー(ポリ(N−ビニルピロリドン)60%−ビニルアセテート40%)、
およびこれらの混合物。
特に、上で定義されるポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーは、とりわけ、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーが上で定義されるポリデキストロース以外の親水性ポリマーであるとき、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスに含まれるポリデキストロースの一部を可溶化することができ:したがって、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの該連続相はポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマー中のポリデキストロースの固体溶液の形態であり得、この連続相は該連続ポリデキストロース相とは別個であることに注目することができる。したがって、特に、本発明による組成物は、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーが、特に、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーが上で定義されるポリデキストロース以外の親水性ポリマーであるとき、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマー中のポリデキストロースの固体溶液の連続相の形態にあり、この連続相は該連続ポリデキストロース相とは別個であることを特徴とする。
本発明の特定の実施形態によると、本発明による組成物のポリマーマトリックスは2つの連続相、すなわち、第1連続ポリデキストロース相およびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの第2連続相のみを含み、したがって、本発明による医薬組成物は、連続ポリデキストロース相およびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの連続相から本質的になる両連続構造を有するポリマーマトリックスを特徴的に示す。
「両連続構造」という表現は、一般には、2種類の異なる化合物の分子の相当な部分(すなわち、異なる相)が3次元空間に途切れることなく広がるドメインを形成することを説明することが公知である(Lindmanら、1989による)。したがって、両連続構造は、2つの別個の隣接した、相互に織合わされた迷路に分割する、試料全体を横切る、界面として知られる分離表面を特徴とする。したがって、各々の化合物(もしくは相)によって占められる、この界面の各々の部分の2つの小体積(sub−volumes)(もしくは小空間(subspace))は連続する(SchwarzおよびGomper、2002による)。この2つの迷路は、次に、互いに独立に、この試料を部分から部分に横切るのに用いることができる:したがって、各々の化合物(もしくは相)について、該化合物(もしくは該相)内に位置するあらゆる2つの点をこの同じ化合物(もしくはこの同じ相)のみを通過する経路によって接続することが可能である。
押し出しによる両連続ポリマー性固体構造の獲得は文献に記載されており、医薬分野以外の分野においては、特に、特許出願WO 01 109 49に、医薬分野においては、特に、PE−PVAc相の機能がマトリックスの強化/統合するPLA/PE−PVAc混合物の使用を記載する、DollingerおよびSawanによる論文、Polymer Preprints、1990、31:21 1−212に記載される。
NMR自己拡散係数測定を用いる液体媒体における両連続構造の実証は、文献、例えば、論文「Demonstration of bicontinuous structures in microemulsions using automatic−mode NMR self−diffusion measurements」、K.P.Datemaら、Magnetic Resonance in Chemistry Vol.30、760−767(1992)、もしくは論文「On the demonstration of bicontinuous structures in microemulsions」、B.Lindmanら、Colloids and Surfaces、38(1989)pages 205 to 224に広範に記載される。ポリマー混合物から形成される固体媒体の場合、両連続構造の獲得の理論的予測に関する幾つかの研究が公開されている(「Interfacial and topological measurements of bicontinuous polymer morphologies」、H.Jinnaiら、Physical Review Vol.64 010803(2001)もしくは「Structuring polymer blends with bicontinuous phase morphology」、J Lyngaae−ら、Polymer 44(2003)1661−1669);これらの予測が無効とされていないポリマー混合物の顕微鏡観察もしくはポロシンメトリー(porosymmetry)の結果を有するものとして(「Bicontinuous morphologies in homologous multiblock copolymers and their homopolymer blends」、J.H.Laurerら、Macromolecules 1998、31、7546−7549もしくは「Observation of fine structure in bicontinuous phase−separated domains of a polymer blend by laser scanning confocal microscopy」、H.Jinnaiら、in Macromolecules 2001、34 5186−5191もしくは「Bicontinuous nanoporous polymers by carbon dioxide foaming」、B.Krauseら、Macromolecules 2001、34、8792−8801)。
多相固体混合物における固相の連続性を示すため、固体核磁気共鳴(NMR)分析技術、特に、プロトン核緩和時間の測定を用いることが可能である。このタイプのNMR分析においては、原子核を平衡状態を上回るエネルギー状態で励起させる。励起した核は、隣接する核のスピン間の相互作用(スピン−スピン相互作用)および周囲の媒体との相互作用(スピン−格子相互作用)によってエネルギーを喪失する。これらの分子のプロトン核緩和のプロセスを測定することで、この分子のこの環境における分子運動性を実験的に観察することが可能となる。この技術によって実験的に測定することができる2つのパラメータは以下のものである:
−「T1」、固定された参照枠におけるプロトン緩和時間に相当し、この測定は秒のオーダーであり、50nmのオーダーのドメイン(もしくは相)を特徴付け、および
−「Tip」もしくは「T1 Rho」、回転する参照枠におけるプロトン緩和時間に相当し、この測定はマイクロ秒のオーダーであり;5nmから50nmのドメイン(もしくは相)を特徴付ける。
固体ポリマー混合物の場合においてT1の1つの値が得られる場合、これは、このポリマー混合物が均質であり、サイズが50nmを上回る別個のドメインを別のものに分散するある相から分離することが不可能であることを示す:したがって、この混合物は50nm規模の固体溶液である。
同様に、T1 Rhoの1つの値が得られる場合、これは、このポリマー混合物が均質であり、サイズが5nmを上回る別個のドメインを別のものに分散するある相から分離することが不可能であることを示す:したがって、この混合物は5nm規模の固体溶液である。
他方、2種類のポリマーの固体混合物の場合においてT1 Rhoについて2つの値が得られる場合、これは、この混合物が2つの別個の相(もしくはドメイン)で構成されることを意味する。後者の場合、ポリマーに起因するT1 Rho値が混合物中のこの濃度に従って変動することがない場合、ここから、このポリマーがこのポリマーのみからなる連続相を形成するものと結論付けることができる。他方、ポリマーに起因するT1 Rho値が混合物中のこの濃度に従って変化する場合、ここから、このポリマーが5nmから50nmの規模(このサイズは一方のポリマー分子のオーダーである)で互いに分散する2種類のポリマーからなる相の構成の一部であり、および、この場合、この混合物は一方のポリマーの他方における固体溶液であるものと結論付けることができる。
したがって、特定の実施形態によると、本発明による医薬組成物は、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスが該ポリデキストロースの連続相およびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの連続相から本質的になる両連続構造を有するものと特徴付けられる。
特に、本発明による医薬組成物は、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスが該デキストロースの連続相並びに、上述の親水性ポリマーおよびこれらの混合物を含む群、すなわち、とりわけ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性メタクリルエステルのカチオン性コポリマー、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルのアニオン性コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリエチレングリコール、コポビドン、およびこれらの混合物を含む群から選択される、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの連続相から本質的になる両連続構造を有するものと特徴付けられる。
上に示されるように、本発明による組成物の特徴的な構造が、特に、ポリマーのそれぞれの含有率(該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して少なくとも20重量%)から生じることが注目されている。
特に、本発明による医薬組成物は、医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して、該ポリデキストロースの割合が約20重量%から約80重量%であり、ポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの割合が約20重量%から約80重量%であるものと特徴付けられる。
特定の実施形態によると、本発明による医薬組成物のポリマーマトリックスにおける該ポリデキストロースのポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーに対する重量比は、約20:80から約50:50である。
本発明による医薬組成物における該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの割合は、特に、この組成物の総重量に対して、約50重量%から約99.9重量%であり得る。
本発明によると、「活性成分」という用語は、投与後に予防的もしくは治療的応答を誘発することを目的とする医薬用物質を、およびこのタイプの2種類以上の物質の組み合わせをも意味しようとするものである。
本発明による組成物は、想定される治療用途に関わりなく、当業者に公知のあらゆる活性成分を含むことができる。
しかしながら、もちろん、活性成分は、後述されるように、化合物をスクリューミキサーにおいて約50℃から約250℃の混合温度で生成することにある該工程の条件に適するものでなければならない。
活性成分は溶媒和もしくは非溶媒和の医薬的に許容し得る塩の形態、もしくは、特にシクロデキストリンと、特にヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンとの、複合体の形態であり得る。
本発明による組成物は、特に、水に溶解することが困難である活性成分の投与に適する。したがって、特に、該少なくとも1種類の活性成分は水性媒体における中程度の溶解度、すなわち、25℃で10mg/ml未満の水溶性、水性媒体における低溶解度、すなわち、25℃で1mg/ml未満の水溶性、もしくは水性媒体における非常に低い溶解度、すなわち、25℃で0.1mg/ml未満の水溶性でさえも有することができる。
本発明による組成物において、該少なくとも1種類の活性成分は、非晶質状態もしくは結晶状態のいずれか、好ましくは、主として非晶質状態で、該医薬的に許容し得るポリマーマトリックス中に分散し、非晶質状態での活性成分の存在は、特に、液体溶液におけるこの可溶化を促進する。
本発明によると、「主として非晶質状態」という用語は、該医薬的に許容し得るマトリックス中に分散する該少なくとも1種類の活性成分の総質量の50%超が非晶質状態にあることを意味しようとするものである。
活性成分の非晶質もしくは結晶配置は示差エンタルピー分析もしくはX線回折研究によって検証することができるが、顕微鏡技術によっても検証することができる。
本発明による組成物において用いることができる活性成分として、特に、以下に言及することができる:
−N−ピペリジノ−5−(4−ブロモフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド;
−N−ピペリジノ−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド;
−アミノダロン(すなわち、2−n−ブチル−3−[3,5−ジヨード−4−ジエチルアミノエトキシ−ベンゾイル]ベンゾフラン)もしくはこれらの医薬的に許容し得る塩、特に、塩酸塩;
−ドロンダロン(すなわち、2−n−ブチル−3−[4−(3−ジ−n−ブチルアミノプロポキシ)ベンゾイル]−5−メチルスルホンアミドベンゾフラン)およびこれらの医薬的に許容し得る塩、特に、塩酸塩;
−2−[1−(7−クロロキノリン−4−イル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ−アダマンタン−2−カルボン酸;
−イソプロピル2−n−ブチル−3−[4−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ベンゾイル]−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートおよびこれらの医薬的に許容し得る塩、特に、フマル酸塩;
−7−クロロ−N,N−5−トリメチル−4−オキソ−3−フェニル−3、5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドル−1−アセトアミド、
並びにこれらの活性成分の組み合わせ。
該活性成分の割合は、特に、この活性成分固有の溶解度、必要とされる有効用量、および望ましい溶解プロフィールに依存する。
本発明による組成物における該活性成分の割合は、特に、この組成物の総重量に対して、約0.1重量%から約50重量%であり得る。活性成分の等用量は単位用量あたり1ミリグラムから1グラムのオーダーである。
本発明による医薬組成物は医薬組成物について当業者に公知のあらゆる成分、特に、固体分散を含む医薬組成物用のものを含むこともできる。特に、本発明による医薬組成物は、スクリューミキサーにおいて生成される該化合物が可塑剤、離型剤(demolding agent)もしくは潤滑剤、流体化剤(fluidifying agent)、酸化防止剤、保存剤、染料、香味料、甘味料、湿潤剤、緩衝剤、吸着剤、吸収促進剤、特に、ビタミンE(d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、例えば、Eastman社によってEastman(登録商標)Vitamin E TPGSの名称で販売されるもの、生体接着剤、崩壊剤およびこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種類の成分も含むことができるものと特徴付けられる。
上に示されるように、本発明による組成物の特徴的な構造は、ポリマーのそれぞれの含有率(該医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して少なくとも20重量%)だけではなく、スクリューミキサーおよび約50℃から約250℃の混合温度(スクリューミキサー、例えば、押し出しもしくは注型装置のものを用いる、この温度での化合物に対する剪断および可塑化効果)を用いて該固体分散の成分の化合物を生成することにあるプロセスからなる工程から生じる。
特に、該混合温度は約80℃から約200℃、とりわけ、約100℃から約160℃である。
この混合温度は、特に、化合物のガラス転移温度を上回るように調節され、この混合は化合物の可塑化、活性成分の可溶化、並びに、したがって、特に、異成分を本質的に含まない、ポリデキストロースおよびポリデキストロース以外の該ポリマーの該連続相を得るのに十分な期間行うことができる。これらの連続相の形成は、例えば、上に記載され、および後述の例において説明される、プロトン緩和時間の固体状態NMR測定によって検証することができる。
この混合温度は、好ましくは、活性成分に適する温度で調節される。これは、例えば、所与のポリマーマトリックスにとって大きすぎる活性成分の崩壊が防止されるように、当業者に公知の技術に従い、特に、ポリマーマトリックスのガラス転移温度を低下させるため、少なくとも1種類の可塑剤、例えば、クエン酸トリエチル、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールのコポリマー、ポロキサマーもしくは水を導入することによって低下させることができる。
この混合温度は、特に、スクリューミキサーに組み込まれた加熱手段によって得ることができる。
該スクリューミキサーにおいて生成しようとする化合物の成分、すなわち、少なくとも、該少なくとも1種類の活性成分、該ポリデキストロースおよびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーは、個別におよび/またはこれらのうちの少なくとも幾つかの混合物としてスクリューミキサーに導入することができる。
例えば、これらの成分は、周囲温度(約25℃)で、例えばTurbula型の、通常のミキサーにおいて生成された、単純な均質予備混合物、すなわち、「物理混合物」の形態で導入することができる。
別の例によると、ポリデキストロース以外のポリマーを、本発明による組成物のポリデキストロースの総量の少なくとも一部、該少なくとも1種類の活性成分の総量の少なくとも一部および可能な添加物(1種類以上)の総量の少なくとも一部との混合物の形態で該スクリューミキサーに導入することができ、この混合物は、特に、単純な物理混合物の形態もしくは固体分散の形態、さもなければ、固体溶液の形態であり得、本発明の組成物の成分の残部、すなわち、少なくとも、ポリデキストロースの残部、該少なくとも1種類の活性成分の残部および可能な添加物(1種類以上)の残部は、本発明による組成物が得られるように、この混合物と共にスクリューミキサーに導入される。もちろん、反対に、ポリデキストロースをポリデキストロース以外の該ポリマーの総量の少なくとも一部、該少なくとも1種類の活性成分の総量の少なくとも一部および可能な添加物(1種類以上)の総量の少なくとも一部との混合物の形態で該スクリューミキサーに導入することができ、この混合物は、特に、単純な物理混合物の形態もしくは固体分散の形態もしくは固体溶液の形態であり得、本発明の組成物の成分の残部、すなわち、少なくとも、ポリデキストロース以外の該ポリマーの残部、該少なくとも1種類の活性成分の残部および可能な添加物(1種類以上)の残部は、本発明による組成物が得られるように、この混合物と共にスクリューミキサーに導入される。
したがって、スクリューミキサーは、特に、プラスチックの押し出し(一軸スクリューもしくは多軸スクリュー押出機)もしくは注型用の公知装置から選択される。様々なスクリュー構造が、特に化合物の組成に従って、適切であり得る。
本発明の特定の実施形態によると、該スクリューミキサーは二軸スクリューミキサーであり、この利点の1つは、特に、これがより大きな剪断力を化合物にもたらすことである。二軸スクリューミキサーは順回転もしくは逆回転によって作動させることができる。
本発明の特に好ましい実施形態によると、該スクリューミキサーは押し出し装置、例えば、Thermo Haake社によってPolyDrive Extruder(登録商標)の名称で販売される装置である。特に、該化合物を押し出し装置において生成することある該工程には、カレンダー処理、回転および切断工程並びにこれらの工程の組み合わせを含む群から選択される、押し出された化合物を押し出された化合物の温度で、もしくは押し出された化合物を適切な形成温度に冷却した後に、形成することにある少なくとも1つ工程が有利に続き得る。
本発明の別の特に好ましい実施形態によると、該スクリューミキサーは注型装置、例えば、Erincs社によって「Sprinter 11」の名称で販売される注型機である。
必要であれば、該スクリューミキサーの供給を促進する観点から、スクリューミキサー内での混合工程に先だって、適切な温度、特に、周囲温度(約25℃)からスクリューミキサー内、例えば、Turbula(登録商標)ミキサー内の化合物の温度で、均質な物理混合物を得るのに十分な(一般には、数分の)時間、物理的に混合することからなる工程を行うことができる。
用いられるスクリューミキサーとは関わりなく、本発明による医薬組成物は、特に、該プロセスが、得られた化合物を固化するのに十分な温度に冷却した後、粉砕および切断工程並びにこれらの工程の組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの工程も含むものと特徴付けられる。
もちろん、この組成物は、外見および/または味を改善し、並びに/または活性成分の放出の変更をもたらすため、コーティング、例えば、当業者に公知のものを含むことができる。
特に、上で説明されるように、特に連続相の形態のポリデキストロースによって促進された医薬組成物の崩壊は、もちろん、当業者に公知の配合技術、特に、変更された放出のためのコーティングを用いる、崩壊した組成物の断片からの中間放出もしくは変更された(緩徐もしくは遅延)放出またはこれらのタイプの放出の組み合わせを排除するものではない。
したがって、先行請求項のいずれか1項に記載の医薬組成物は、特に、変更された放出のための少なくとも1つのコーティング工程をも含む方法によって得ることができるものと特徴付けることができる。
本発明は、少なくとも1つの上記医薬組成物を含有することを特徴とする固体医薬形態、特に、経口投与用の固体医薬形態にも関する。
特に、本発明の主題は、医薬用錠剤であって、少なくとも1つの上記医薬組成物を粉砕および切断することにある少なくとも1つの工程、並びにこれらの工程の組み合わせと、これに続く少なくとも1つの圧縮もしくは圧密工程および、任意に、これも上述の、コーティング工程を含む方法によって得ることができることを特徴とする医薬用錠剤である。
本発明の主題は、医薬用ゼラチンカプセルであって、粉砕工程、切断工程もしくはこれらの工程の組み合わせ、および任意に、上述のコーティング工程の後に、少なくとも1つの医薬組成物を充填することにある少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることができることを特徴とする医薬用ゼラチンカプセルでもある。
本発明の主題は、成形医薬用錠剤であって、注型装置、任意に、これに続く上記コーティング工程によって得られる医薬組成物からなることを特徴とする成形医薬錠剤でもある。
最後に、本発明は、医薬的に許容し得るポリマーマトリックス中の少なくとも1種類の活性成分の固体分散を含み、該ポリマーマトリックスは連続ポリデキストロース相の形態にあるポリデキストロースおよびこのポリマーの連続相の形態にあるポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの混合物を含み、該ポリマーマトリックスの総重量に対して、該ポリデキストロースの割合は少なくとも20重量%であり、およびポリデキストロース以外の該少なくとも1種類のポリマーの割合は少なくとも20重量%である医薬組成物の、押し出しもしくは注型による、製造のためのポリデキストロースの使用にも関する。
以下の実施例は本発明を説明しようとするものであり、決してこれらの範囲を限定できるものと解釈されるべきではない。
他に指定されない限り、これらの実施例において示される重量基準のパーセンテージは総重量に対して表される重量基準のパーセンテージである。
以下の文章において、「活性成分A」という用語は、活性成分N−ピペリジノ−5−(4−ブロモフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミドを意味しようとするものである。
実施例1:ポリデキストロースおよびコポビドン(50:50)ポリマーマトリックス並びに0.5%の活性成分を有する成形錠剤
0.5重量%の活性成分A、49.75重量%の、BASF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるコポビドンおよび49.75重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて45分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの物理混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(50:50のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1053mgの平均質量を有し、各々の成形錠剤は約5mgの用量の活性成分Aを含む。
比較例1:コポビドンポリマーマトリックスおよび0.5%の活性成分を有する成形錠剤
0.5重量%の活性成分Aおよび99.5重量%の、BASF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるコポビドンを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbulaミキサーを用いて60分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの物理混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:150℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたコポビドンポリマーマトリックスを有する成形錠剤は939mgの平均質量を有し、各々の成形錠剤は5mgの用量の活性成分Aを含む。
比較例2:ポリデキストロースポリマーマトリックスおよび0.5%の活性成分を有する整形錠剤
0.5重量%の活性成分Aおよび99.5重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて45分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの物理混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:155℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースポリマーマトリックスを有する成形錠剤は1150mgの平均質量を有し、各々の成形錠剤は約5mgの用量の活性成分Aを含む。
実施例2:イン・ビトロ溶解試験
上記実施例1並びに比較例1および2において調製された成形錠剤を用いる、活性成分Aの溶解を研究する。
溶解動態は、1/4体積の、薬局方USPXXIによる、酵素を含まない模擬胃媒体(2g/リットルの塩化ナトリウム、このpHは11.6M塩酸でpH=1.2に調整される)および3/4体積の、薬局方USPXXIによる、酵素を含まない模擬腸媒体(6.8g/リットルのリン酸一カリウム、このpHは10M水酸化ナトリウムで7.5に調整される)の混合物で構成される、pH6.5の模擬胃腸溶解媒体を収容するパドル装置において、37℃、75rpmのパドル攪拌で測定する。溶解媒体に溶解する活性成分Aの濃度は、1mlの試料を指示された時間に採取し、各々の試料を5μmメンブランに通して濾過した後、液体クロマトグラフィーによってアッセイすることにより決定する。
所与の時間の溶解パーセンテージの平均値を推測するため、各時間に3回の測定を行う。
これらの結果(平均)を下記表1に報告する。これらは、500mlの溶解媒体を収容するボウルあたり2個の成形錠剤の割合で、溶解した活性成分Aのパーセンテージとして表される。
Figure 0005224812
これらの結果によると、本発明によるコポビドンおよびポリデキストロース(50:50)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤は、少なくとも30分から、コポビドンのみのポリマーマトリックスを有する成形錠剤およびポリデキストロースのみのポリマーマトリックスを有する成形錠剤の各々で得られるものよりも明らかに大きい活性成分Aの溶解度をもたらす。
実施例3:バイオアベイラビリティのイン・ビボ研究
ポリデキストロースおよびコポビドン(50:50)ポリマーマトリックスおよび0.5%の活性成分を有する本発明による成形錠剤を以下の方法で再度調製する。
0.5重量%の活性成分A、49.75重量%の、BASF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるコポビドンおよび49.75重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)、30分の2段階で、Robotainer(登録商標)ミキサーを用いて行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの物理混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(50:50のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1084mgの平均質量を有し、各々の成形錠剤は約5mgの用量の活性成分Aを含む。
イン・ビボ研究
10mgの用量の活性成分Aのバイオアベイラビリティを12名の健常男性ボランティアで研究する。10mgの用量の活性成分Aは、この実施例3において上述されるように調製される5mgの成形錠剤2個で構成される。
湿式造粒法によって製造される対照ゼラチンカプセルも参照としてこの試験において用い、該ゼラチンカプセルは以下の単位組成を有する:
Figure 0005224812
10mgの用量の活性成分Aは5mgの対照ゼラチンカプセル2個で構成される。
この研究は7日間隔の4つの経口投与期間を含む。血液試料を各個人から経口投与前並びに投与後0.5;1;1.5;2;2.5;3;4;6;8;12;24;36;48;72;120および168時間に採取する。採取した試料の各々に対して、活性成分Aの含有率を定量限界1ng/mlの検証済みLC−MS/MS法によって決定する。各々の投与について、活性成分Aのバイオアベイラビリティを、投与後0から120時間にng.h/mlで算出されたAUCを測定することによって決定する。得られた結果の平均を下記表3に報告する。
Figure 0005224812
この研究の結果から、空の胃で、本発明による成形錠剤(実施例3)が対照ゼラチンカプセルで得られるものよりも1.55倍高い活性成分AのAUCを、したがって、バイオアベイラビリティをもたらすことが明らかである。
実施例4:ポリデキストロースの機能 −イン・ビトロ崩壊試験
4.1 コポビドンおよびポリデキストロースマトリックス −イン・ビトロ崩壊試験
以下の調製品1から7(活性成分なし)を調製する。
調製品1:コポビドンポリマーマトリックスを有する成形錠剤
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11に、BSAF社によってKollidon(登録商標)VA 64の名称で販売されるコポビドンを供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:139℃;
−ノズル温度:141℃;
−ホット・ランナー温度:170℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたコポビドンポリマーマトリックスを有する成形錠剤は988mgの平均質量を有する。
調製品2:ポリデキストロースおよびコポビドン(20:80)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
80重量%の、BASF社によってKollidon(登録商標)VA 64の名称で販売されるコポビドンおよび20重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて45分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(20:80のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1002mgの平均質量を有する。
調製品3:ポリデキストロースおよびコポビドン(33:67)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
67重量%の、BASF社によってKollidon(登録商標)VA 64の名称で販売されるコポビドンおよび33重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて35分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(33:67のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1034mgの平均質量を有する。
調製品4:ポリデキストロースおよびコポビドン(50:50)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
50重量%の、BASF社によってKollidon(登録商標)VA 64の名称で販売されるコポビドンおよび50重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて30分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(50:50のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1117mgの平均質量を有する。
調製品5:ポリデキストロースおよびコポビドン(67:33)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
33重量%の、BASF社によってKollidon(登録商標)VA 64の名称で販売されるコポビドンおよび67重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて40分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(67:33のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1099mgの平均質量を有する。
調製品6:ポリデキストロースおよびコポビドン(80:20)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
20重量%の、BASF社によってKollidon(登録商標)VA 64の名称で販売されるコポビドンおよび80重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて120分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(80:20のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は1144mgの平均質量を有する。
調製品7:ポリデキストロースポリマーマトリックスを有する成形錠剤
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11に、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:145℃;
−ノズル温度:150℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースポリマーマトリックスを有する成形錠剤は1186mgの平均質量を有する。
コポビドンおよびポリデキストロースマトリックスを有する成形錠剤の崩壊のイン・ビトロ試験
上記調製品1から7のポリデキストロースおよび/またはコポビドンポリマーマトリックスを有する成形錠剤の、崩壊媒体としての脱塩水において、37+/−2℃で崩壊する能力を、欧州薬局方の2.9.1項に記載される錠剤の崩壊試験の条件に従って研究する。
3回の測定を、そこから分での崩壊時間の平均値を推測するため、各々の時間で行う。
これらの結果は下記表4に報告され、および図1の主題である。
Figure 0005224812
これらの結果によると、ポリデキストロースのコポビドンへの、これら2種類のポリマーの2つのそれぞれの連続相の混合物(他方に直接分散するのではない)の形態での添加は、成形錠剤の崩壊時間の減少を可能にする。
4.2 Eudragit(登録商標)E100およびポリデキストロースマトリックス −イン・ビトロ崩壊試験
以下の調製品8から12(活性成分なし)を調製する。
調製品8:ポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100(55:45)マトリックスを有する成形錠剤
45重量%の、Rohm社によってEudragit(登録商標)E 100の名称で販売されるアクリルおよびメタクリルポリマー並びに55重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて30分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:150℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:180℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100ポリマーマトリックス(55:45のポリデキストロース:Eudragit(登録商標)E 100重量比)を有する成形錠剤は1015mgの平均質量を有する。
調製品9:ポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100(60:40)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
40重量%の、Rohm社によってEudragit(登録商標)E 100の名称で販売されるアクリルおよびメタクリルポリマー並びに60重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて30分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:150℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:180℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100ポリマーマトリックス(60:40のポリデキストロース:Eudragit(登録商標)E 100重量比)を有する成形錠剤は1048mgの平均質量を有する。
調製品10:ポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100(67:33)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
33重量%の、Rohm社によってEudragit(登録商標)E 100の名称で販売されるアクリルおよびメタクリルポリマー並びに67重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて60分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:150℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:180℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100ポリマーマトリックス(67:33のポリデキストロース:Eudragit(登録商標)E 100重量比)を有する成形錠剤は1057mgの平均質量を有する。
調製品11:ポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100(75:25)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
25重量%の、Rohm社によってEudragit(登録商標)E 100の名称で販売されるアクリルおよびメタクリルポリマー並びに75重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて30分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:180℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100ポリマーマトリックス(75:25のポリデキストロース:Eudragit(登録商標)E 100重量比)を有する成形錠剤は1119mgの平均質量を有する。
調製品12:ポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100(90:10)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
10重量%の、Rohm社によってEudragit(登録商標)E 100の名称で販売されるアクリルおよびメタクリルポリマー並びに90重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて30分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:180℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびEudragit(登録商標)E 100ポリマーマトリックス(90:10のポリデキストロース:Eudragit(登録商標)E 100重量比)を有する成形錠剤は1188mgの平均質量を有する。
Eudragi(登録商標)E 100およびポリデキストロースマトリックスを有する成形錠剤の崩壊のイン・ビトロ試験
上記調製品7から12のポリデキストロースおよび/またはEudragit(登録商標)E 100ポリマーマトリックスを有する成形錠剤の、崩壊媒体としての脱塩水において、37+/−2℃で崩壊する能力を、欧州薬局方の2.9.1項に記載される錠剤の崩壊試験の条件に従って研究する。
3回の測定を、そこから分での崩壊時間の平均値を推測するため、各々の時間で行う。
これらの結果は下記表5に報告され、および図2の主題である。
Figure 0005224812
これらの結果によると、ポリデキストロースのEudragit(登録商標)E 100への、これら2種類のポリマーの2つのそれぞれの連続相の混合物(他方に直接分散するのではない)の形態での添加は、成形錠剤の崩壊時間の減少を可能にする。
4.3 Aqoat(登録商標)ASMGおよびポリデキストロースマトリックス −イン・ビトロ崩壊試験
以下の調製品13から15(活性成分なし)を調製する。
調製品13:ポリデキストロースおよびAqoat(登録商標)ASMG(75:25)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
25重量%の、Shin−Etsu社によってAqoat(登録商標)ASMGの名称で販売されるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート並びに75重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて40分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:125℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:145℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:170℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびAqoat(登録商標)ASMGポリマーマトリックス(75:25のポリデキストロース:Aqoat(登録商標)ASMG重量比)を有する成形錠剤は1182mgの平均質量を有する。
調製品14:ポリデキストロースおよびAqoat(登録商標)ASMG(80:20)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
20重量%の、Shin−Etsu社によってAqoat(登録商標)ASMGの名称で販売されるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート並びに80重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて40分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:145℃;
−ホット・ランナー温度:150℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびAqoat(登録商標)ASMGポリマーマトリックス(80:20のポリデキストロース:Aqoat(登録商標)ASMG重量比)を有する成形錠剤は1101mgの平均質量を有する。
調製品15:ポリデキストロースおよびAqoat(登録商標)ASMG(85:15)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
15重量%の、Shin−Etsu社によってAqoat(登録商標)ASMGの名称で販売されるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート並びに85重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて40分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:145℃;
−ホット・ランナー温度:150℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびAqoat(登録商標)ASMGポリマーマトリックス(85:15のポリデキストロース:Aqoat(登録商標)ASMG重量比)を有する成形錠剤は1122mgの平均質量を有する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(Aqoat(登録商標)ASMG)およびポリデキストロースマトリックスを有する成形錠剤の崩壊のイン・ビトロ試験
上記調製品7および13から15のポリデキストロースおよび/またはAqoat(登録商標)ASMGポリマーマトリックスを有する成形錠剤の、崩壊媒体としての脱塩水において、37+/−2℃で崩壊する能力を、欧州薬局方の2.9.1項に記載される錠剤の崩壊試験の条件に従って研究する。
3回の測定を、そこから分での崩壊時間の平均値を推測するため、各々の時間で行う。
これらの結果は下記表6に報告され、および図3の主題である。
Figure 0005224812
これらの結果によると、ポリデキストロースのAqoat(登録商標)ASMGへの、これら2種類のポリマーの2つのそれぞれの連続相の混合物(他方に直接分散するのではない)の形態での添加は、成形錠剤の崩壊時間の減少を可能にする。
4.4 ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリデキストロースマトリックス
以下の調製品16から18(活性成分なし)を調製する。
調製品16:ポリデキストロースおよびヒドロキシプロピルセルロースポリマーマトリックス(50:50;2重量%のビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む)を有する成形錠剤
49重量%のヒドロキシプロピルセルロース、例えば、Aqualon社によってKlucel(登録商標)EFの名称で販売されるもの;49重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロース;および2重量%の、Eastman社によってEastman(登録商標)Vitamin E TPGSの名称で販売されるビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、約50℃の温度でRayneri逆プロペラブレードミキサーを用いて約15分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:125℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:146℃;
−ノズル温度:155℃;
−ホット・ランナー温度:160℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびビタミンEポリエチレングリコールスクシネートポリマーマトリックス(50:50のポリデキストロース:ヒドロキシプロポルセルロース重量比)を有する成形錠剤は1051mgの平均質量を有する。
調製品17:ポリデキストロースおよびヒドロキシプロピルセルロースポリマーマトリックス(67:33;2重量%のビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む)を有する成形錠剤
32.3重量%のヒドロキシプロピルセルロース、例えば、Aqualon社によってKlucel(登録商標)EFの名称で販売されるもの;65.7重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロース;および2重量%の、Eastman社によってEastman(登録商標)Vitamin E TPGSの名称で販売されるビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、約50℃の温度でRayneri逆プロペラブレードミキサーを用いて約15分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:150℃;
−ホット・ランナー温度:150℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびビタミンEポリエチレングリコールスクシネートポリマーマトリックス(67:33のポリデキストロース:ヒドロキシプロポルセルロース重量比)を有する成形錠剤は1126mgの平均質量を有する。
調製品18:ポリデキストロースおよびヒドロキシプロピルセルロースポリマーマトリックス(80:20;2重量%のビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む)を有する成形錠剤
19.6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、例えば、Aqualon社によってKlucel(登録商標)EFの名称で販売されるもの;78.4重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロース;および2重量%の、Eastman社によってEastman(登録商標)Vitamin E TPGSの名称で販売されるビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、約50℃の温度でRayneri逆プロペラブレードミキサーを用いて約15分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:150℃;
−ホット・ランナー温度:150℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびビタミンEポリエチレングリコールスクシネートポリマーマトリックス(80:20のポリデキストロース:ヒドロキシプロポルセルロース重量比)を有する成形錠剤は1146mgの平均質量を有する。
ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)EF)およびポリデキストロースマトリックスを有する成形錠剤の崩壊のイン・ビトロ試験
上記調製品7および16から18のポリデキストロースおよび/またはKlucel(登録商標)EFポリマーマトリックスを有する成形錠剤の、崩壊媒体としての脱塩水において、37+/−2℃で崩壊する能力を、欧州薬局方の2.9.1項に記載される錠剤の崩壊試験の条件に従って研究する。
3回の測定を、そこから分での崩壊時間の平均値を推測するため、各々の時間で行う。
これらの結果は下記表7に報告され、および図4の主題である。
Figure 0005224812
これらの結果によると、ポリデキストロースのヒドロキシプロピルセルロースKlucel(登録商標)EFへの、これら2種類のポリマーの2つのそれぞれの連続相の混合物(他方に直接分散するのではない)の形態での添加は、成形錠剤の崩壊時間の減少を可能にする。
実施例5:ポリデキストロースおよびコポビドンマトリックスを有する成形錠剤のプロトン緩和時間の固体状態NMR分析
以下の調製品19(活性成分なし)を調製する。
調製品19:コポビドンポリマーマトリックスを有する成形錠剤
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11に、BSAF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるコポビドンを供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:120℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:160℃;
−ノズル温度:160℃;
−ホット・ランナー温度:170℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたコポビドンポリマーマトリックスを有する成形錠剤は972mgの平均質量を有する。
固体状態NMR分析
上記調製品2から7および19の、コポビドンおよび/またはポリデキストロースマトリックスを有する成形錠剤のプロトン緩和時間T1およびT1 Rhoの固体状態NMR測定を以下の表8に報告する。これらの結果は、マトリックス中に含まれるポリデキストロースのパーセンテージの関数としてT1を秒で示す図5の、およびマトリックス中に含まれるポリデキストロースのパーセンテージの関数としてT1 Rhoをマイクロ秒で示す図6の主題である。
プロトン緩和時間T1およびT1 Rhoの固体状態NMR測定は、一定温度で、ポリマーマトリックス中のポリデキストロースおよびコポビドンそれぞれの量を変化させながらであることを除いて、論文「Investigation of the physical stability of amorphous drug and drug polymer melts using variable temperature solid state NMR」by A.Forsterら、published in Pharmazie Vol.58(2003)pages 761 to 762に記載される方法に従って行った。記載される値の各々は3回の試行の後に得られた結果の平均である。
これらの結果(図5を参照)によると、各々のポリデキストロースおよびコポビドン混合物について1つのプロトン緩和値:T(秒で表記)が得られ、これは、コポビドンおよびポリデキストロース相とも50nm(測定感度)の規模で区別することが不可能であることを意味する。換言すると、このサイズが50nmを上回る、他方に分散する一方の相の別個のドメインを区別することが不可能である。したがって、2つのポリデキストロースおよびコポビドン相のいずれもこの規模で不連続ではなく、これはこれら2種類のポリマーの高分子規模に相当する。T1の値がマトリックスの組成に従って変化し、マトリックス中に存在するポリデキストロースの割合を反映することも注目される。
Figure 0005224812
これらの結果(図6を参照)の後、各々のポリデキストロースおよびコポビドン混合物について、2つのプロトン緩和値:T Rho(マイクロ秒で表示)が得られ、これは、ポリデキストロースおよびコポビドンの分子規模に相当する、5nmから50nmの測定規模で2つの別個の相を区別できることを意味する。これらの結果は観察される2つの相の組成をも示す。ポリデキストロースに起因するT1 Rhoは分析されるマトリックスの組成に関わりなく実質的に一定のままであり、これは、相のうちの一方が排他的にポリデキストロースからなることを示す。コポビドンに起因するT1 Rhoは分析されるマトリックスの組成に従い、マトリックスが50%のポリデキストロースを含むまで変化し、この後、50%を上回るポリデキストロースの割合については一定のままである。これは、コポビドン相がポリデキストロースを飽和(50%のポリデキストロース)まで可溶化することを意味する。したがって、2つのポリマー相はこれら2種類の配合され、および溶融したポリマーの分子規模で共存し、一方の相はポリデキストロースのみからなり、他方のポリマー相はコポビドン中のポリデキストロースの固体溶液である。
したがって、これらの結果は以下をもたらす:
−高分子規模で、他方に分散する一方のポリマーの別個の相は存在せず(T1は1つの値を有する)、したがって、マトリックスは連続性である;
−分子レベルで別個である2つのポリマー相、ポリデキストロースのみの1相およびコポビドン中のポリデキストロースの固体溶液からなる1ポリマー相、からなるデキストロースおよびコポビドンマトリックスを有する成形錠剤;
−分子規模で、ポリデキストロースのみからなる相は連続性である(マトリックスの組成の関数としての、ポリデキストロースに起因するT1 Rhoに変動がない)。
結論として、溶融したポリデキストロースおよびコポビドンからなるマトリックスを有する成形助剤はいかなる不連続構造をも含まずに2つの別個のポリマー相からなり、この一方(ポリデキストロースのみの相)は連続性である。したがって、ここから、コポビドン中のポリデキストロースの固体溶液からなる他方の相もそれ自体連続性であるものと推測することができる。2つの別個、および連続する相からなるポリデキストロースおよびコポビドンマトリックスを有する成形錠剤は、したがって、これらの物理構造が両連続性である。
実施例6:12.41重量%の活性成分イソプロピル2−ブチル−3−[4−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ベンゾイル]−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートフマレートを含有するポリデキストロースおよびコポビドン(20:80)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
12.41重量%の活性成分イソプロピル2−ブチル−3−[4−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ベンゾイル]−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートフマレート、68.08重量%の、BASF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるコポビドン、17.51重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロース、2.00重量%の、Eastman社によってEastman(登録商標)Vitamin E TPGSの名称で販売されるビタミンEポリエチレングリコールスクシネートを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、約50℃の温度でRayneri逆プロペラブレードミキサーを用いて約15分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:130℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:140℃;
−ノズル温度:140℃;
−ホット・ランナー温度:140℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(20:80のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は969mgの平均質量を有し、各々の成形錠剤は約100mgの用量の活性成分イソプロピル2−ブチル−3−[4−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ベンゾイル]−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートフマレートを含む。
示差エンタルピー分析(86℃に等しい1つのガラス転移温度)および、さらに、X線回折研究も、活性成分イソプロピル2−ブチル−3−[4−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ベンゾイル]−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートフマレートがこの組成物中で結晶形態にはない(すなわち、結晶形態で検出されない)ものと結論付けることを可能にする。
実施例7:10.03重量%の活性成分7−クロロ−N,N−5−トリメチル−4−オキソ−3−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドル−1−アセトアミドを含有するポリデキストロースおよびコポビドン(20:80)ポリマーマトリックスを有する成形錠剤
10.03重量%の活性成分7−クロロ−N,N−5−トリメチル−4−オキソ−3−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4、5−b]インドル−1−アセトアミド、71.97重量%の、BASF社によってKollidon VA 64(登録商標)の名称で販売されるコポビドンおよび17.99重量%の、Danisco社によってLitesse Ultra(登録商標)の名称で販売されるポリデキストロースを含む物理混合物を調製する。物理混合は、均質な物理混合物が得られるように、周囲温度(約25℃)でTurbula(登録商標)ミキサーを用いて40分間行う。
Erinca社製の注型機、モデルSprinter 11にこの混合物を供給する。稼働パラメータは以下の通りである:
−第1加熱ゾーンのバレル温度:150℃;
−第2加熱ゾーンのバレル温度:170℃;
−ノズル温度:180℃;
−ホット・ランナー温度:180℃。
用いられる型は、サイズ0のゼラチンカプセルと実質的に同一のサイズおよび形状を有する成形錠剤を得ることを可能にするようなものである。
周囲温度に冷却した後、このようにして得られたポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックス(20:80のポリデキストロース:コポビドン重量比)を有する成形錠剤は985mgの平均質量を有し、各々の成形錠剤は約100mgの用量の活性成分7−クロロ−N,N−5−トリメチル−4−オキソ−3−フェニル−3、5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドル−1−アセトアミドを含む。
示差エンタルピー分析(99℃での1つのガラス転移温度)および、さらに、X線回折研究も、活性成分7−クロロ−N,N−5−トリメチル−4−オキソ−3−フェニル−3、5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドル−1−アセトアミドがこの組成物中で結晶形態にはない(すなわち、結晶形態で検出されない)ものと注記することを可能にする。
イン・ビトロ崩壊試験(実施例4の4.1項;表4)による、成形錠剤(実施例4の調製品1から7)の崩壊時間(分)をポリデキストロースおよびコポビドンポリマーマトリックスにおける、このポリマーマトリックスの総重量に対して表される、ポリデキストロースのパーセンテージの関数として示す曲線。 イン・ビトロ崩壊試験(実施例4の4.2項;表5)による、成形錠剤(調製品7から12)の崩壊時間(分)をポリデキストロースおよびEudragit E 100ポリマーマトリックスにおける、このポリマーマトリックスの総重量に対して表される、ポリデキストロースのパーセンテージの関数として示す曲線。 イン・ビトロ崩壊試験(実施例4の4.3項;表6)による、成形錠剤(調製品7および13から15)の崩壊時間(分)をポリデキストロースおよびAqoat ASMGポリマーマトリックスにおける、このポリマーマトリックスの総重量に対して表される、ポリデキストロースのパーセンテージの関数として示す曲線。 イン・ビトロ崩壊試験(実施例4の4.4項;表7)による、成形錠剤(調製品7および16から18)の崩壊時間(分)をポリデキストロースおよびKlucel EFポリマーマトリックスにおける、このポリマーマトリックスの総重量に対して表される、ポリデキストロースのパーセンテージの関数として示す曲線。 実施例5において説明される、ポリデキストロースおよびコポビドンマトリックスを有する成形錠剤(調製品19および2から7)のプロトン緩和時間(T1;秒)の値を示す一連の点。 各々、実施例5において説明される、ポリデキストロースおよびコポビドンマトリックスを有する成形錠剤(調製品19および2から7)のプロトン緩和時間(T1 Rho;マイクロ秒)の値を示す、2組の一連の点。ダイヤモンドの形態にある一連の点はポリデキストロース緩和時間(T1 Rho)の値に対応し、方形の形態にある一連の点はコポビドン緩和時間(T1 Rho)の値に対応する。

Claims (27)

  1. 少なくとも1種類の活性成分および医薬的に許容し得るポリマーマトリックスを含む固体分散を含有する固体医薬組成物であって、
    前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックスは、連続ポリデキストロース相とポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの連続相とから本質的になる両連続構造を有し、
    前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーは、ポリ(N−ビニルピロリドン)・ビニルアセテート・コポリマー;ブチルメタクリレート・ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルメタクリレート・コポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;ヒドロキシプロピルセルロース;及びこれらの混合物から成る群より選択され、
    前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して、前記ポリデキストロースの割合が少なくとも20重量%であり、および前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの割合が少なくとも20重量%であることを特徴とする、固体医薬組成物。
  2. 前記少なくとも1種類の活性成分、前記ポリデキストロースおよび前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーを含む化合物をスクリューミキサーにおいて50℃から250℃の混合温度で生成することにある、少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 少なくとも1種類の活性成分および医薬的に許容し得るポリマーマトリックスを含む固体分散を含有する固体医薬組成物であって、
    前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックスは、連続ポリデキストロース相とポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの連続相とから本質的になる両連続構造を有し、
    前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーは、ポリ(N−ビニルピロリドン)・ビニルアセテート・コポリマー;ブチルメタクリレート・ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルメタクリレート・コポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;ヒドロキシプロピルセルロース;及びこれらの混合物から成る群より選択され、
    前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して、前記ポリデキストロースの割合が少なくとも20重量%であり、および前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの割合が少なくとも20重量%であり、
    並びに、この医薬組成物は、前記少なくとも1種類の活性成分、前記ポリデキストロースおよび前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーを含む化合物をスクリューミキサーにおいて50℃から250℃の混合温度で生成することにある、少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることが可能である、ことを特徴とする、請求項1もしくは2に記載の固体医薬組成物。
  4. 前記ポリデキストロースが多くとも22000g/molの分子量を有する医薬的に許容し得るポリデキストロースおよびこれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーが、前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマー中のポリデキストロースの固体溶液の連続相の形態にあることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの総重量に対して、前記ポリデキストロースの割合が20重量%から80重量%であり、前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの割合が20重量%から80重量%であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記ポリマーマトリックスにおける前記ポリデキストロースの前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーに対する重量比が20:80から50:50であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックスの割合が、組成物の総重量に対して、50重量%から99.9重量%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 前記少なくとも1種類の活性成分が前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックス中で主として非晶質状態にあることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 前記活性成分が:
    −N−ピペリジノ−5−(4−ブロモフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド;
    −N−ピペリジノ−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド;
    −アミオダロン(すなわち、2−n−ブチル−3−[3,5−ジヨード−4−ジエチルアミノエトキシベンゾイル]ベンゾフラン)もしくはこれらの医薬的に許容し得る塩、特に、塩酸塩;
    −ドロンダロン(すなわち、2−n−ブチル−3−[4−(3−ジ−n−ブチルアミノプロポキシ)ベンゾイル]−5−メチルスルホンアミドベンゾフラン)およびこれらの医薬的に許容し得る塩、特に、塩酸塩;
    −2−[1−(7−クロロキノリン−4−イル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ−アダマンタン−2−カルボン酸;
    −イソプロピル2−n−ブチル−3−[4−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ベンゾイル]−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートおよびこれらの医薬的に許容し得る塩、特に、フマル酸塩;
    −7−クロロ−N,N−5−トリメチル−4−オキソ−3−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドル−1−アセトアミド、
    並びにこれらの活性成分の組み合わせ、
    から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 前記活性成分の割合が、組成物の総重量に対して、0.1重量%から50重量%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. スクリューミキサー内で生成される前記化合物が、可塑剤、離型剤もしくは潤滑剤、流体化剤、酸化防止剤、保存剤、染料、香味料、甘味料、湿潤剤、緩衝剤、吸着剤、吸収促進剤、生体接着剤、崩壊剤およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの成分をも含むことを特徴とする、請求項2から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記混合温度が80℃から200℃であることを特徴とする、請求項2から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 前記スクリューミキサーが2軸スクリューミキサーであることを特徴とする、請求項2から13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 前記スクリューミキサーが押し出し装置であることを特徴とする、請求項2から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  16. 前記化合物を押し出し装置において生成することにある前記工程に、カレンダー処理、回転および切断工程並びにこれらの工程の組み合わせを含む群から選択される、押し出された化合物の温度もしくは押し出された化合物を適切な形成温度に冷却した後に、押し出された化合物を形成することにある少なくとも1つの工程が続くことを特徴とする、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 前記スクリューミキサーが注型装置であることを特徴とする、請求項2から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. 得られた化合物を十分に固化するのに適する温度に冷却した後、粉砕および切断工程並びにこれらの工程の組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの工程も含む方法によって得ることができることを特徴とする、請求項2から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  19. 放出を変更するための少なくとも1つのコーティング工程をも含む方法によって得ることができることを特徴とする、請求項2から18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載の医薬組成物の少なくとも1種類を含むことを特徴とする固体医薬形態。
  21. 請求項18に記載の医薬組成物の少なくとも1種類を圧縮もしくは圧密することからなる、少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることができることを特徴とする、医薬錠剤。
  22. 放出を変更するための少なくとも1つのコーティング工程をも含む方法によって得ることができることを特徴とする、請求項21に記載の医薬錠剤。
  23. 請求項18に記載の医薬組成物の少なくとも1種類を充填することから成る少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることができることを特徴とする、医薬ゼラチンカプセル。
  24. 請求項18および19に記載の医薬組成物の少なくとも1種類を充填することにある少なくとも1つの工程を含む方法によって得ることができることを特徴とする、医薬ゼラチンカプセル。
  25. 請求項17に記載の医薬組成物からなることを特徴とする、成形医薬錠剤。
  26. 請求項17および19に記載の医薬組成物からなることを特徴とする、成形医薬錠剤。
  27. 医薬的に許容し得るポリマーマトリックス中の少なくとも1種類の活性成分の固体分散を含み、
    前記医薬的に許容し得るポリマーマトリックスは、連続ポリデキストロース相とポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの連続相とから本質的になる両連続構造を有し、
    前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーは、ポリ(N−ビニルピロリドン)・ビニルアセテート・コポリマー;ブチルメタクリレート・ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルメタクリレート・コポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;ヒドロキシプロピルセルロース;及びこれらの混合物から成る群より選択され、
    前記ポリマーマトリックスの総重量に対して、前記ポリデキストロースの割合は少なくとも20重量%であり、および前記ポリデキストロース以外の少なくとも1種類のポリマーの割合は少なくとも20重量%である医薬組成物の、押し出しもしくは注型による、製造のためのポリデキストロースの使用。
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