JP5224115B2 - 温水装置 - Google Patents
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従ってこれら一連の流路に逆流が生ずれば、浴槽内の雑水が上水源側に逆流することとなり、上水が浴槽の水で汚染される。
そのため落とし込み機能付給湯器では、雑水の逆流を防止するために、落とし込み流路に逆流防止手段を設けている。
ここでシスターンは、上流側が高圧状態となった場合のみ上流側と下流側が接続されて連通し、一旦、上流側が無圧状態となると、上流側と下流側が断絶し、両者の間が大気開放状態となる構造を備えている。
一方、逆流防止手段として逆止弁を採用する場合には、信頼性を確保するために複数の逆止弁を直列に接続したものが利用される場合が多い。
コージェネレーションシステムの一例として、例えばガスや液体燃料を使用するエンジンによって発電機を駆動し、さらにエンジンの発熱によって熱エネルギーを取り出すものがある。また燃料電池によって電力と熱を取り出す方策も研究されている。
コージェネレーションシステムにおいては、熱媒体の循環回路を設け、当該熱媒体の循環回路を経てエンジン等から熱エネルギーを取り出す。
そして熱媒・上水熱交換器でエンジンが発生した熱エネルギーを上水に移動させ、上水を昇温させる。
また特許文献2に記載のコージェネレーションシステムでは、貯湯タンクを備え、前記した熱媒・上水熱交換器で昇温した湯水を貯湯タンクに溜置く。そして必要に応じて貯湯タンクから湯を取り出し、一般給湯に使用したり、浴槽への湯の落とし込みに利用する。
しかしながら、これらの逆流防止手段はいずれも機械式の構造であり、経年的に老化したり、固着して動きが悪くなることがある。
即ちシスターンや逆止弁等は、落とし込みのたびごとに開閉するものであるから、長期の使用によってシールが傷むことがあり、漏れが生じる場合がある。逆に安全弁は、動作頻度が極めて低く、弁等が固着して動かなくなる場合がある。
そのため市場において、より信頼性の高い逆流防止手段の開発が望まれている。
即ちコージェネレーションシステムでは、前記した様に、エンジンを冷却する冷却装置と、熱媒・上水熱交換器の一次側との間を循環する循環回路を構成し、当該熱媒・上水熱交換器の二次側に上水を通過させて上水を昇温させる。
そのため前記した熱媒・上水熱交換器では、一次側に熱媒体が流れ、二次側に上水が通過することとなる。
そのため、万一、熱媒・上水熱交換器が一次側と二次側とが導通する状態で破損すると、一次側の熱媒体が二次側の上水に混入することとなる。そのためコージェネレーションシステムを採用する給湯器等においては、雑水に限らず、システム内の水の逆流を阻止する要望がある。
即ち通常は、上水源は、相当の水圧を持っており、当該水圧は、コージェネレーションシステム内の圧力よりも高い。そのため上水源が正常であるならば、水は、常に上水側からシステム側に押圧されており、逆流は生じない。
これに対して、上水源の圧力が低下すると、システム内の圧力の方が、上水源よりも高くなる場合が生じ、雑水等が、上水源側に押し上げられて逆流が生じる場合がある。
そして配管内が負圧状態になると、浴槽や洗濯機内の水が大量に吸い上げられ、上水源側に混入してしまう。
そこで本発明は、上水源が断水状態であるか否かを判断する断水検知手段を設け、断水状態であるならば、上水に繋がる流路を大気開放して、上水側の負圧状態を解消することとした。
ここで雑水回路は、浴槽の湯を循環させる回路や、洗濯機に湯を供給する回路、浴槽内や浴室を洗浄する回路、浴室内に霧やスチームを噴霧する回路、その他である。
本発明の温水装置では、上水源が断水したことを検知する断水検知手段と、上水導入路と大気開放部とを連通する補給水路とを有している。そして補給水路には、開閉弁が設けられている。
本発明の温水装置では、断水検知手段が上水の断水を検知すると、前記開閉弁を開く。その結果、補給水路を経由して温水装置内に空気が導入され、上水側の負圧が解消する。
従って温水装置内の水が上水側に逆流することはない。
また本実施形態では、熱媒体循環回路に液体貯留部を備えている。この液体貯留部は、例えば膨張タンクを併用することができる。即ち熱媒体を循環させる回路においては、内部の熱媒体の熱による体積変化を吸収するために、膨張タンクと称されるタンクを設ける場合が多い。膨張タンクは、大気開放型のタンクであり、熱媒体の補給口を兼ねている場合が多い。例えば膨張タンクに水位センサーを設け、膨張タンク内の水位が一定以下となった場合には、自動的に熱媒体を補給する。熱媒体が水を主体とするものであるならば、膨張タンクに水を供給することとなる。
この様な補給機能付の膨張タンクでは、水を補給する補給水路を備えており、当該補給水路は、上水源に繋がり、膨張タンクの上に開く。
本発明は、補給水路として、液体貯留部に水を補給する補給水路を利用するものであり、発明を実施する上で、新たな部品の追加が少ない。
前記した熱媒体循環回路と同様に、暖房熱媒回路においても熱媒体の熱による体積変化を吸収するために、膨張タンクと称されるタンクを設ける場合が多い。膨張タンクは、大気開放型のタンクであり、熱媒体の補給口を兼ねている場合が多い。また膨張タンクに水位センサーを設け、膨張タンク内の水位が一定以下となった場合には、自動的に熱媒体を補給する構成を備えるものが多い。
本発明は、補給水路として、液体貯留部に水を補給する補給水路を併用するものであり、発明を実施する上で、新たな部品の追加が少ない。
また本実施形態では、熱媒体循環回路に膨張タンクの様な液体貯留部を備えている。
本発明は、請求項2に記載の発明と同様、補給水路として、液体貯留部に水を補給する補給水路を併用するものであり、発明を実施する上で、新たな部品の追加が少ない。
またヒートポンプを利用する場合には、熱効率が高いという効果がある。燃焼装置は、単独で熱源として利用しても良いが、エンジン、燃料電池、ヒートポンプと併用して利用される場合もある。
図1は、本発明の第一実施形態の温水装置の作動原理図である。
図1に示す温水装置aは、本発明の基本構成を説明するために、単純化した回路構成としている。より具体的に説明すると、図1に示す温水装置aは、熱回収回路bと風呂落とし込み流路cのみを有する温水装置である。実際に製作される温水装置は、この基本構成に加えて、給湯回路や追い焚き回路を備える場合が多い。より実際的な温水装置については後記する。
温水装置aは、内部に熱媒・上水熱交換器dを備えている。そして熱媒・上水熱交換器dの一次側を含む流路によって熱媒体が循環する熱回収回路(熱媒体循環回路)bを構成している。また熱媒・上水熱交換器dの二次側を含む流路によって浴槽に連通する風呂落とし込み流路cを構成している。
即ち熱回収回路(熱媒体循環回路)bは、熱源機、熱媒・上水熱交換器dの一次側、膨張タンクe、熱媒循環ポンプfが順次接続されて熱源機に戻る環状流路である。
膨張タンクeは、大気開放形のタンクであり、上部が開放された水槽である。従って膨張タンクeでは、その上面全域が大気開放部として機能する。
次に電気回路について説明する。
本実施形態の温水装置aは、図示しない制御装置を有し、当該制御装置が内蔵するマイクロコンピュータによって動作する。即ち熱媒循環ポンプfや落とし込み開閉弁k、補給水開閉弁jは原則としてマイクロコンピュータによって制御される。
例えば前記した様に膨張タンクeは、自動給水機能を備え、水位センサーgが一定以下の水位を検知すると、補給水開閉弁jが開くが、この際の補給水開閉弁jの開閉は、マイクロコンピュータからの指令による。
具体的には、水位センサーgの信号はマイクロコンピュータに入力され、水位センサーgが一定以下の水位を検知すると、マイクロンピュータから補給水開閉弁jを開く信号が発せられる。
一方、水位センサーgが一定以上の水位を検知すると、その信号を受けてマイクロンピュータから補給水開閉弁jを閉じる信号が発信され、補給水開閉弁jが閉じて、水の補給が停止される。
即ち本実施形態の温水装置aは、商用電源oによって動作するが、内部に予備電源として蓄電池pを搭載している。なお予後電源は、極僅かの時間だけ補給水開閉弁jを動作させることができればよく、コンデンサーでもよい。
また圧力スイッチmの信号は、リレーqに送信される。リレーqは、前記した熱媒循環ポンプfを駆動する回路の一部と、補給水開閉弁jを動作させる回路の一部に挿入されている。より具体的には、熱媒循環ポンプfを駆動する回路にリレーqのA接点が接続されている。なおここで言うA接点は、コイルに通電したときに接点がONするタイプの接点である。
また補給水開閉弁jと、蓄電池pとをつなぐ回路にリレーqのB接点(コイルに通電したときに接点がOFFとなるタイプの接点)が接続されている。従って上水源が正常であり、圧力スイッチmが圧力を検知してオン状態となれば、熱媒循環ポンプfを駆動する回路がつながる。一方、圧力スイッチmが圧力を検知してオン状態である場合は、補給水開閉弁jと蓄電池pとをつなぐ回路は遮断されている。
前記した様に図1に示す温水装置aは、熱回収回路bと風呂落とし込み流路cのみを有する温水装置であり、外部の熱源機と一体となって使用される。
そして温水装置aは、上水源が正常である場合であって、落とし込み開閉弁kが開かれると、上水導入路iから導入された上水が昇温されて浴槽に供給される。
即ち上水源が正常である場合は、圧力スイッチmが圧力を検知してオン状態となっている。そのため、熱媒循環ポンプfを駆動する回路がつながり、熱媒循環ポンプfが駆動する。
その結果、熱回収回路(熱媒体循環回路)bに流れが生じ、熱源機によって昇温された熱媒体が熱媒・上水熱交換器dの一次側を通過する。
また上水源が正常である場合は、補給水開閉弁jと蓄電池pとをつなぐ回路が遮断されているから、補給水開閉弁jは閉じられ、膨張タンクeへの給水は停止している。
上水源が断水すると圧力スイッチmが圧力を検知しなくなってオフ状態となる。そのため、リレーqの接点が切れ、熱媒循環ポンプfを駆動する回路が遮断され、熱媒循環ポンプfが緊急停止する。
その結果、熱回収回路(熱媒体循環回路)bの内圧が消失する。従って万一、熱媒・上水熱交換器dに一次〜二次間導通の破損箇所があっても熱回収回路(熱媒体循環回路)b内の熱媒体が二次側に混入することはない。
即ち上水源が断水すると、圧力スイッチmが圧力を検知しなくなってオフ状態となり、リレーqのB接点に接続された補給水開閉弁jと蓄電池pとをつなぐ回路が導通する。その結果、補給水開閉弁jが開く。その結果、上水導入路iと膨張タンクeの上部とを繋ぐ補給水路hが開かれる。
しかしながら、この条件下で補給水開閉弁jが開く場合は、上水源が断水しているから、上水源側から補給水路h側への水の供給はない。従って補給水路hから膨張タンクeに対しての給水は無く、膨張タンクeが溢れる懸念はない。
そしてこの条件下で補給水開閉弁jが開く場合は、上水源が断水し、上水導入路i側が負圧傾向にあり、且つ補給水路hは膨張タンクeの上部に開口しており、大気開放状態であるから、補給水路hに外気が流れ込む。その結果、上水導入路i側の負圧傾向は直ちに解消し、上水源側への逆流が阻止される。
例えば暖房機能を備えた温水装置であれば、暖房器具との間で熱媒体を循環させる循環回路を構成する暖房熱媒回路があり、この暖房熱媒回路には膨張タンクが設けられる場合が多い。そのため暖房機能を備えた温水装置であるならば、暖房熱媒回路に設けられている膨張タンクを利用して上水導入路i側の負圧傾向を解消することも可能である。
熱媒循環ポンプfは、マイクロコンピュータの信号によって発停制御されるが、圧力スイッチmが所定の正圧を検出しなくなった場合には、他の動作信号に優先してマイクロコンピュータから熱媒循環ポンプfの停止信号が発せられる。
図2は、本発明の第二実施形態の温水装置の作動原理図である。
図2に示す温水装置a’についても本発明の基本構成を説明するために単純化した回路構成としている。より具体的に説明すると、図2に示す温水装置a’は、熱回収回路bと風呂落とし込み流路c’と、貯湯回路uと、給湯回路vと、暖房回路wを有する温水装置である。
図2に示す温水装置a’が内蔵する熱回収回路bは、先の第一実施形態と同一であるから、同一の部材に同一の番号を付して重複した説明を省略する。
即ち第二実施形態の温水装置の熱回収回路bは、装置外の熱源機との間で環状の流路を形成するものであり、膨張タンクe、熱媒循環ポンプfを備え、熱源機、熱媒・上水熱交換器dの一次側、膨張タンクe、熱媒循環ポンプfが順次接続されて熱源機に戻る環状流路である。
膨張タンクeの機械的構成は、先の実施形態と同一であるが、本実施形態では、補給水開閉弁jの電気回路は、先のそれとは異なり、リレーや補助電源に接続されてはいない。
即ち貯湯回路は、熱媒・上水熱交換器dの二次側と、貯湯タンクと、貯湯開閉弁、貯湯循環ポンプを含む環状流路である。
より具体的には、貯湯回路uは、貯湯タンクrの下部、貯湯開閉弁s、貯湯循環ポンプt、熱媒・上水熱交換器dの二次側が順次接続されて貯湯タンクrの上部に接続される環状流路である。
本実施形態では、熱回収回路(熱媒体循環回路)bの循環ポンプfと、貯湯循環ポンプtを駆動すると、熱源機によって昇温された熱媒体が熱媒・上水熱交換器dの一次側を通過し、熱媒・上水熱交換器dの二次側には、貯湯タンクrの下部から排出された水が通過する。そして貯湯タンクrの下部から排出された水は、熱媒・上水熱交換器dで昇温され、貯湯タンクrの上部から貯湯タンクrに戻る。その結果、貯湯タンクrの上部に高温の湯水が溜まる。
即ち給湯回路vの主流路は、上水導入路iから貯湯タンクrの下部に入り、貯湯タンクrの上部から湯水混合弁xたる三方弁の一つのポートに至る流路である。バイパス流路yは、上水導入路iから分岐された湯水混合弁xの一つのポートに至る流路である。
また給湯回路vの残る一つのポートはカラン等の給湯栓に接続されている。
本実施形態では、風呂落とし込み流路c’に、逆流防止手段としてシスターンzが設けられている。
第二実施形態の温水装置a’では、風呂落とし込み流路c’に設けられた開閉弁k’を開くと、給湯回路で作られた適温の湯がシスターンzを経て浴槽に供給される。
ここで暖房温水回路Dは、貯湯タンクrと、暖房循環ポンプFと、暖房熱交換器Gを備えた回路である。
即ち暖房温水回路Dは、貯湯タンクrの上部から暖房循環ポンプFに繋がり、さらに暖房熱交換器Gの一次側を経て貯湯タンクrの下部側に戻る循環回路である。
即ち暖房熱媒回路Eは、暖房機器I、膨張タンクe’、熱媒循環ポンプf’、暖房熱交換器Gの二次側が順次接続されて暖房機器Iに戻る環状流路である。
そして膨張タンクe’は、水位センサーg’が一定以下の水位を検知すると、補給水開閉弁j’が開き、上水導入路iから補給水路h’を経て水が供給される。補給水路h’から膨張タンクe’に給水され、水位センサーg’が一定以上の水位を検知すると、補給水開閉弁j’が閉じ、水の補給が停止される。
膨張タンクe’についても大気開放形のタンクであり、上部が開放された水槽である。従って膨張タンクe’では、その上面全域が大気開放部として機能する。
即ち暖房温水回路Dに設けられた暖房循環ポンプFを回転すると、暖房温水回路Dに水流が生じ、貯湯タンクrの上部に溜められた高温の湯が暖房温水回路Dに流れ、暖房熱交換器Gの一次側を高温の湯が通過する。
一方、暖房熱媒回路Eにおいても熱媒体の流れが生じ、暖房熱交換器Gの二次側に熱媒体が通過する。その結果、暖房熱交換器Gの二次側を流れる熱媒体が昇温され、暖房機器Iに高温の熱媒体が流れる。
先の実施形態では、熱回収回路(熱媒体循環回路)bに設けた膨張タンク(液体貯留部)eを利用して上水源の負圧を解消したのに対し、本実施形態では、暖房熱媒回路Eに設けられた膨張タンク(液体貯留部)e’を利用して上水源の負圧を解消する。
図3は、本発明の第三実施形態である給湯装置の配管系統図である。
補給水路27は、外部から湯水を供給する上水導入路85から分岐されており、上水源に繋がっている。
本実施形態では、熱源たる燃焼装置6の熱交換器6aと、排熱熱交換器(熱媒・上水熱交換器)30が直列に接続されている。
即ち加熱循環回路32は、燃焼装置6の出湯口37に接続された高温湯往き側流路38と、熱交換部45及び燃焼装置6の入湯口40に接続された高温湯戻り側流路41によって構成される一連の循環回路である。
また高温湯往き側流路38は、燃焼装置6の出湯口37と熱交換部45の間の往き側分岐点120で分岐され、給湯回路33側と接続されている。即ち出湯口37と熱交換部45の間の往き側分岐点120で、給湯往路83が分岐されている。給湯往路83は混合弁80に繋がる。
またさらに給湯往路83からは、貯湯タンク31に至る貯湯部給湯管87が分岐されている。より具体的には、往き側分岐点120から枝分けされた給湯往路83は、分岐部D1 において、混合弁80側と、貯湯タンク31に繋がる貯湯部給湯管87とに分岐されている。貯湯部給湯管87が分岐される分岐部D1 の上流側(燃焼装置6側)に、高温湯分配制御比例弁84が設けられている。即ち高温湯分配制御比例弁84は、給湯往路83であって往き側分岐点120と分岐部D1 の間に設けられている。
なお圧力センサー64の取り付け位置は、外部から湯水を供給する上水導入路85とも連通しており、上水導入路85の圧力が測定される。
負荷戻り側流路56の中途には、暖房熱交換器57と、負荷戻り側流路56に湯水を補給する補給水タンク(液体貯留部)58と、負荷戻り側流路56から補給水タンク58に流入する湯水の温度を検知する湯温センサ54と、負荷戻り側流路56内に湯水を循環させるための循環ポンプ60とが設けられている。
補給水路76は、外部から湯水を供給する上水導入路85から分岐されており、上水源に繋がっている。
なお本実施形態では、シスターン44と逆止弁72とが、機械的な逆流防止装置として機能する。
そして貯湯部給水管91の中途であって逆止弁86の下流側には、負圧破壊弁付き安全弁89が設けられている。
負圧破壊弁付き安全弁89は、貯湯部給水管91内が異常な高圧になった場合にも低圧になった場合にも開く弁である。即ち負圧破壊弁付き安全弁89は、バネで付勢された弁が2個並列かつ逆向きに設けられたものであり、貯湯部給水管91内が異常な高圧になった場合には、一方の弁が開いて貯湯部給水管91内の圧力を外部に逃がす。
逆に貯湯部給水管91内が負圧状態となると、他方の弁が開いて負圧状態を解消する。即ち負圧状態を破壊する。
温水装置1は、後述する駆動制御装置102によって多数の運転モードで駆動制御されるものであり、各モード毎に湯水の流れが異なる。また主として貯湯タンク31内の湯を利用する場合と、燃焼装置6を熱源とする場合があり、両者によって湯水の流れが異なる。
本明細書では、代表的なものに限って説明することとする。最初に主として貯湯タンク31内の湯を利用する場合について説明する。
貯湯タンク31内の湯を利用する動作として、代表的なものに貯湯タンク31に湯水を貯湯する排熱貯湯運転モードと、給湯栓7から湯水を排出する給湯運転モードと、浴槽内に湯水を落とし込む落とし込み運転モードがある。
貯湯タンク31内に湯水が十分貯湯されている場合、給湯栓7が開栓されると、上水導入路85を介して外部から供給される低温の水の一部は、混合弁80に向けて供給される。一方、外部から供給される低温の水の一部は、上水導入路85から分岐された貯湯部給水管91を介して貯湯タンク31の底部に流入する。ここで、高温湯戻り側流路41の中途に設けられた循環ポンプ47は停止しており、高温湯分配制御比例弁84は閉止あるいは大幅に開度が絞られている。そのため、貯湯タンク31の底部から湯水が流入しても、湯水は殆ど高温湯戻り側流路41をはじめとする閉回路H側には流出しない。そのため、貯湯タンク31の底部から湯水が流入すると、この湯水によって貯湯タンク31内に貯湯されている湯水が上方に押し上げられる。その結果、貯湯タンク31の上部側に貯湯されている高温の湯水が貯湯部給湯管87から排出される。貯湯部給湯管87から排出された湯水は給湯往路83内を流れ、混合弁80側へと流れる。
図7、図8は、図3に示す給湯装置が暖房運転モードで運転を行っている場合の作動原理図である。
コージェネレーションシステム1が暖房運転を開始すると、暖房循環ポンプ60が起動し、暖房循環回路35内の湯水が循環をはじめる。ここで、温度センサ54の検知温度、即ち暖房装置8側から戻る湯水の温度が所定温度以下である場合には、暖房循環回路35内を循環する湯水を加熱すべくガスエンジン5が起動する。また、暖房装置8側から戻る湯水の温度が極めて低い場合や、暖房装置8における設定温度が高い場合等は、ガスエンジン5に加えて燃焼装置6が起動する。即ち、暖房運転では、暖房熱交換器57における熱交換によって暖房循環回路35内を循環する湯水を加熱し、更に場合によっては、暖房熱交換器42における熱交換を行うことによって暖房循環回路35内を循環する湯水を加熱する。
本実施形態の温水装置1では、上水源が断水した場合、風呂落とし込み流路71に設けられたシスターン44と逆止弁72とが、機械的な逆流防止装置として機能し、浴槽の湯が上水源側に逆流することを防ぐ。
また負圧破壊弁付き安全弁89が、上水源の負圧状態を解消する。
そしてさらにそれに加えて、本実施形態の温水装置1では、補給水弁28,46が電気式の負圧破壊弁として機能し、上水源の負圧状態を解消して浴槽の湯等の逆流を阻止する。
ここで補給水弁28は、補給水路27を経由して外部から湯水を供給する上水導入路85に連通するものであり、ガスエンジン5を冷却するための冷却回路12に設けられた冷却水タンク(液体貯留部)22に開いている。冷却水タンク22は、前記した様にオーバーフロー口14によって大気開放されている。従って圧力センサー64が負圧を検知し、補給水弁28が開かれると、上水導入路85が大気開放状態となり、上水源の負圧が解消される。
そのため仮に30,42,43の熱交換器の一次〜二次間の導通破損が生じていたとしても浴槽の湯等の逆流が発生しない。
同様の理由から暖房熱媒回路35の循環ポンプ60や浴槽循環回路36の循環ポンプ68も停止させることが望ましい。
図9に示した温水装置200についても、風呂落とし込み流路205を備えている。風呂落とし込み流路205は、熱交換器206の二次側が分岐されたものであり、上水源に連通する上水導入路207と連通する。風呂落とし込み流路205には、落とし込み開閉弁208と逆流防止装置210が設けられている。逆流防止装置210は、機械式の装置であり、具体的には逆止弁が2個、直列に接続されたものである。
温水装置200では、上水導入路207には圧力スイッチ(圧力センサー)211が設けられている。
そこで処理槽(液体貯留部)202を複数槽に分けて、その内の一つの槽で排気ガスを水封する。
この構成を採用する場合には、処理槽202内に常に所定の水位の水が存在することが必須であり、その水位を維持するために補給水路204及び注水電磁弁203が設けられている。
b 熱回収回路(熱媒体循環回路)
c,c’ 風呂落とし込み流路
d 熱媒・上水熱交換器
e,e’ 膨張タンク(液体貯留部 大気開放部)
f,f’ 熱媒循環ポンプ
h,h’ 補給水路
i 上水導入路
j,j’ 補給水開閉弁
m 圧力スイッチ(圧力センサ−)
p 蓄電池
r 貯湯タンク
E 暖房熱媒回路
1 温水装置
11,77 水位センサー
14,78 オーバーフロー口(大気開放部)
15 戻り側冷却水路
16 熱媒循環ポンプ
22 冷却水タンク(液体貯留部)
27,76 補給水路
28 補給水弁
30 排熱熱交換器(熱媒・上水熱交換器)
31 貯湯タンク
35 暖房熱媒回路
36 浴槽循環回路(追い焚き回路)
44 シスターン
57 暖房熱交換器
58 補給水タンク(液体貯留部)
64 圧力センサ
85 上水導入路
200 温水装置
202 処理槽(液体貯留部)
204 補給水路
205 風呂落とし込み流路
207 上水導入路
208 落とし込み開閉弁
210 逆流防止装置
211 圧力スイッチ(圧力センサ)
Claims (8)
- 上水源に連通する上水導入路と、上水導入路から導入された水を昇温する昇温手段と、雑水回路に連通する雑水連通路を有し、上水導入路から導入された水を昇温手段で昇温して雑水連通路に供給することが可能な温水装置において、上水源が断水したことを検知する断水検知手段と、大気開放部を備えた液体貯留部と、上水導入路に連通し前記液体貯留部に上水を供給可能であると共に大気開放部とも連通する補給水路と、補給水路に設けられた開閉弁を備え、断水検知手段が上水の断水を検知すると、前記開閉弁を開くことを特徴とする温水装置。
- 前記昇温手段は、昇温された水を主体とする熱媒体が循環する熱媒体循環回路と、熱媒体循環回路を流れる熱媒体と上水導入路から導入された水との間で熱交換を行う熱媒・上水熱交換器を備え、前記断水検知手段は上水導入路に連通する流路に設けられた圧力センサーであり、前記昇温手段の熱媒体循環回路に前記液体貯留部があることを特徴とする請求項1に記載の温水装置。
- 熱媒体循環回路には熱媒体を循環させる熱媒循環ポンプが設けられており、前記断水検知手段が断水を検知すると、熱媒循環ポンプが停止することを特徴とする請求項2に記載の温水装置。
- 暖房器具との間で熱媒体を循環させる循環回路を構成する暖房熱媒回路を有し、前記暖房熱媒回路には液体貯留部があることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温水装置。
- 雑水連通路は、浴槽に連通する風呂落とし込み流路であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の温水装置。
- 上水源に連通する上水導入路と、昇温された水を主体とする熱媒体が循環する熱媒体循環回路と、熱媒体循環回路を流れる熱媒体と上水導入路から導入された水との間で熱交換を行う熱媒・上水熱交換器を備えた温水装置において、上水源が断水したことを検知する断水検知手段を備え、前記熱媒体循環回路又は他の熱媒体循環回路には大気開放部を備えた液体貯留部があり、上水導入路と連通し前記液体貯留部に水を補給する補給水路を有し、当該補給水路には開閉弁が設けられ、断水検知手段が上水の断水を検知すると、前記開閉弁を開くことを特徴とする温水装置。
- 熱媒体循環回路は、エンジン、燃料電池、ヒートポンプ、燃焼装置の少なくともいずれかによって熱媒体を昇温するものであり、上水導入路から導入された水を溜置く貯湯タンクを有し、前記熱媒・上水熱交換器は、熱媒体循環回路を流れる熱媒体と貯湯タンク内に溜置かれた上水導入路から導入された水との間で熱交換を行うことを特徴とする請求項2又は6に記載の温水装置。
- 開閉弁を動作させる予備電源を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の温水装置。
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