JP5224084B2 - カンチレバー共振特性評価法 - Google Patents

カンチレバー共振特性評価法 Download PDF

Info

Publication number
JP5224084B2
JP5224084B2 JP2006302874A JP2006302874A JP5224084B2 JP 5224084 B2 JP5224084 B2 JP 5224084B2 JP 2006302874 A JP2006302874 A JP 2006302874A JP 2006302874 A JP2006302874 A JP 2006302874A JP 5224084 B2 JP5224084 B2 JP 5224084B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cantilever
signal
vibration
frequency
resonance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006302874A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008122091A (ja
Inventor
浩志 井藤
信吾 一村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2006302874A priority Critical patent/JP5224084B2/ja
Publication of JP2008122091A publication Critical patent/JP2008122091A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5224084B2 publication Critical patent/JP5224084B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)に属し、その内の原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)に関しており、特にダイナミックモードで使用するAFMのカンチレバー共振特性評価法に関している。
走査型プローブ顕微鏡は、走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)や原子間力顕微鏡に分類される。原子間力顕微鏡は、探針を用いて絶縁物試料の表面や、液体中にある試料の表面を撫でることで原子サイズでの観察を行なうことができることから広範に用いられている。観察用の探針は、カンチレバーの先端に固定され、カンチレバーの動きから探針の動きを検出している。観察の形態は、カンチレバーの動作によって、スタティックモードとダイナミックモード、あるいは、間欠接触モードに分類される。また、試料と探針が接触する接触(コンタクト)モードと、接触しない非接触(ノンコンタクト)モードにも分類される。
また、特殊な使用方法として、ダイナミックモードに使用するAFMの探針を試料に接触させた状態で使用することにより超音波顕微鏡として用いて局所弾性を検出する例もある。本発明は、このような用途にも用いることができる。
例えば、スタティックモードでは、カンチレバーに特別な振動を与えない。試料と探針の距離の制御は、カンチレバーのたわみの大きさから測定された力を用いる。この力と探針−試料間の距離の関係は、探針−試料間の距離と力の関係のグラフ(フォースカーブ)を得ることで計測することが可能である。
AFMにおける画像化は、スタティックモードで用いる場合は、探針が試料の表面から受ける原子間力あるいは分子間力によって起こるカンチレバーのたわみを検出してそれをマッピングするものである。通常は、カンチレバーのたわみが一定になるように探針と試料間の距離を制御し、その制御信号をマッピングして画像化する。
一方、ダイナミックモードでは、カンチレバーに微小の振動を与える。この振動は、探針を試料に近づける、あるいは間欠接触させた状態で、試料と探針の距離が一定になるように制御を行うために用いる。より具体的には、探針の振動を検出し、これを帰還信号として用いることで、カンチレバーの振動振幅や共振周波数が一定となるように制御を行う。例えば、カンチレバー振幅一定の制御を行うダイナミックモードにおいては、探針と試料の相互作用のある状態で、共振特性を得ることにより、探針−試料間の距離と相互作用(共振周波数および共振定数)の関係を得ることが可能になる。これの結果をマッピングすることで表面状態を画像化することができる。
より具体的には、以下の様にする。つまり、ダイナミックモードで用いる場合は、カンチレバーを微細に振動させ、その振動振幅を観察するが、その際に、カンチレバーをその固有振動周波数近くで励振することにより固有振動付近での安定な振動を持続させることができる。一般に、カンチレバーの固有振動数は、探針が引力や斥力の外力を受けることによって、低周波数側または高周波側にずれることが知られており、ダイナミックモードでは、この固有振動数のずれ、または、固有振動のずれにより、励振周波数と固有振動の周波数の差が変化するために起こる振幅変化を検出して用いる。つまり、帰還回路を用いて、このずれが相殺されるように探針と試料間の距離を制御し、その際の制御信号、または、カンチレバーの位置情報(Z軸の上下)を画像化する。この帰還回路の帰還信号には
、共振の中心点の移動や、カンチレバーの振動振幅の変化、あるいは共振の中心点付近における位相値が用いられる。
例えば、図6(a)は共振の中心点の周波数を制御する周波数制御に関するものである。探針が試料からある程度離れている場合の共振特性イと、探針と試料がさらに接近する場合の共振特性ロを示すように、共振周波数の差δfが生じる。この差δfが生じないように探針と試料間の距離を制御すると、その制御信号が試料の凹凸に関する信号となる。このように共振周波数を一定に保つためには、(1)共振特性の全体像あるいはその一部を描き出して、その中心が変化しないようにするように探針と試料間の距離を制御し、その制御信号の分布を画像化するのが周波数制御方式である。
また、図6(b)は、振幅制御に関するものである。共振特性が上記と同様にしてずれる場合で、共振特性の中心周波数の近く、周波数f、で励振する場合に、共振周波数が周波数fにより近い場合に振動振幅が大きくなることがわかる。その振動振幅を検出して帰還信号に用い、上記と同様に差δfを相殺するように探針と試料間の距離を制御し、この振動振幅が一定になるようにして、その制御信号を試料の凹凸に関する信号として用いるのが振幅制御方式である。この場合、探針が試料と相互作用(ファンデルワールス力)、または、接触することによるカンチレバーの振幅の減衰も含めて、振幅制御される。
ダイナミックモードのAFMの例を図7に示す。この構成では、カンチレバーで反射された光を2分割あるいは4分割構成の光電変換器で電気信号に変換し、これをZ軸制御に用いる。そのZ軸制御信号とXY面をスキャンする信号とを用いて画像化処理を行なって三次元限表示する。このZ軸制御には、上記のような振幅制御や周波数制御を行う。
その他に、共振点でおこる位相の変化を利用する方法も考えられる。励振信号と検出信号とを比較してみると、共振点の前後で位相の極性が変化することが知られており、この移相値を相殺するように探針と試料間の距離を制御して画像化してもよいことは明らかである。
特許文献1では、原子間力顕微鏡における試料観察方法が開示されている。この方法は、カンチレバーに取り付けられた探針を試料に接触させた状態で、カンチレバーが常に共振状態となるようにカンチレバーを励振し、その共振状態におけるカンチレバーの振幅を検出し、その検出された振幅に基づいてカンチレバーのQ値を求めるものである。
また、特許文献2では、振幅変調した励振信号を用いているが、その励振信号を試料と探針間の電界として、または、磁界発生手段の駆動信号として印加している。
本発明では、共振特性を直接測定するものであり、上記のようにQ値を間接的に決定するものではない。特許文献1の開示では、共振特性の形状が予め得られている場合は、Q値をほぼ正確に評価することは可能であるが、決まった形状を示さない場合は、誤ったQ値を得ることになる。また、特許文献2の開示では、導電性の探針や磁性体の探針を用いることになり、探針の材料が制限されている。
特開2002−277378号公報 特開2004−294218号公報
AFMのカンチレバーの共振特性は、測定試料から離間している場合は、鋭い特性を示
すが、AFMとして使う場合の共振特性は、試料に依存して共振特性がなだらかになることが知られている。これは、カンチレバー自体の特性に加えて、探針から試料に振動エネルギーを散逸するためである。逆に、カンチレバーの共振特性を評価することによって、散逸に関する分布図をつくることができ、試料の表面構造あるいは内部構造についての知見を得ることができる。
カンチレバーを励振しその振動を検出する回路は、共振特性をもった電気回路と見なすことが出来る。一般に、電気回路の共振特性は、ネットワークアナライザを用いて測定される。しかし、この場合、周波数を変化させて伝達特性を測定することが問題となる。つまり、ネットワークアナライザをカンチレバーに適用する場合は、その共振周波数に注目する。このため、その共振周波数近くで周波数を変化させて伝達特性を測定することになる。当然のことながら、カンチレバーを励振する周波数を変化させると探針の振動振幅が変化する。このため、試料と探針の距離が変化して、その相互作用が変化してしまう。探針の振動振幅を一定にして共振特性を測定するには、その振動振幅を変えない様にしつつカンチレバーの振動を励振するために印加する信号の強度を調整する必要がある。しかし、励振信号の強度を増すに従って、高次の振動モードが出やすくなり、周波数特性を取得する上で障害となる。このように、試料と接触状態を一定に保ったままの状態で、共振特性を取得することは困難であった。
また、AFMを非接触ダイナミックモードで使用する場合は、試料と探針間の距離を一定に制御するために、励振信号の強度を一定にして、探針の振動振幅が一定になるように試料と探針間の距離を調整する(振幅制御方式)。あるいは、カンチレバーの共振周波数が一定になるように試料と探針間の距離を調整する(周波数制御方式)。しかし、不均質な試料を計測する場合には、カンチレバーの振動エネルギーの散逸特性もまた不均一であるため、振幅一定の制御では試料と探針の距離を一定に保つことが不可能であり、高さ変化に対応しない画像データとなることがある。また、周波数制御方式においては、共振周波数の変化は、探針と試料との相互作用の結果生じるものであることから、上記の振幅制御方式と類似の事情により、この方式でも、不均質な試料の場合には、試料と探針の距離を一定に保つことができない。これを補正するには、力とエネルギー散逸量と試料−探針間の距離の関係を得ることが必要である。本発明は、このような議論の基礎データとなる共振特性を容易に得るための方法を提案する。
この発明のAFMでは、ダイナミックモードで使用する際に、容易にカンチレバーの共振特性を得ることができる。
発明のカンチレバー共振特性評価法は、探針のついたカンチレバーと、該カンチレバーの振動を励振する第1および第2励振素子と、上記第1励振素子を駆動するための付加電気信号を生成する共振特性計測用信号発生器と、上記第2励振素子を駆動するための位置制御電気信号を生成するZ制御用信号発生器と、上記カンチレバーの振動を検出する振動検出素子と、該振動検出素子からの信号の周波数分布を分析するスペクトル分析器と、該スペクトル分析器の出力から測定しようとする値を導く演算装置と、を備えた原子間力顕微鏡をダイナミックモードで用いて観測を行うとき、上記共振特性計測用信号発生器が生成した共振特性測定用の周波数を有する付加電気信号で上記第1励振素子を駆動し、試料を載せる観察台の面に鉛直な方向をZ方向としたとき上記観察台のZ方向の位置を制御するために上記Z制御用信号発生器が生成した位置制御電気信号で上記第2励振素子を駆動して、上記のカンチレバーの振動を励振する第1過程と、上記のカンチレバーの振動を上記振動検出素子で検出して検出信号に変換し、上記の検出信号の周波数分布を得るとともに、上記周波数分布から誤差信号発生部が上記共振特性測定用周波数に関連したZ方向の誤差信号を生成する第2過程と、上記検出信号の周波数分布から、上記カンチレバーの共振特性を導出するとともに、Z軸駆動部が上記誤差信号を用いて上記観察台のZ方向の位置を制御する第3過程と、を有することを特徴とする。
さらに、上記の付加電気信号は、予め決められた周波数領域で、周波数が周期的に変化する信号である。
特に、付加電気信号の振幅は、位置制御電気信号に比べて小さいものとする。
さらに、本発明のカンチレバー共振特性評価法は、探針のついたカンチレバーと、該カンチレバーの振動を励振する第1および第2励振素子と、上記第1励振素子を駆動するための励振用電気信号を生成する電気信号発生器と、上記第2励振素子を駆動するための位置制御電気信号を生成するZ制御用信号発生器と、上記カンチレバーの振動を検出する振動検出素子と、該振動検出素子からの信号の周波数分布を分析するスペクトル分析器と、該スペクトル分析器の出力から測定しようとする値を導く演算装置と、を備えた原子間力顕微鏡をダイナミックモードで用いて観測を行うとき、上記カンチレバーの共振周波数を含む予め決められた幅の周波数帯で周波数の変化する励振用電気信号を生成して上記第1励振素子を駆動し、試料を載せる観察台の面に鉛直な方向をZ方向としたとき上記観察台のZ方向の位置を制御するために上記Z制御用信号発生器が生成した位置制御電気信号によって上記第2励振素子を駆動して上記のカンチレバーの振動を励振する第1過程と、上記のカンチレバーの振動を上記振動検出素子で検出して電気検出信号に変換する第2過程と、上記の電気検出信号の周波数分布を得るとともに、上記周波数分布から誤差信号発生部が上記共振特性測定用周波数に関連したZ方向の誤差信号を生成する第3過程と、上記電気検出信号の周波数分布から、上記カンチレバーの共振点を見出す第4過程と、Z軸駆動部が上記誤差信号を用いて上記観察台のZ方向の位置を制御し、上記のカンチレバーと上記観察台に載せられた試料との距離を制御する第5過程と、を有することを特徴とする。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図1は、本発明を適用するためのAFMのブロック図である。観察試料2上に置かれた探針6をもったカンチレバー5で、レーザ光源3からの光を反射し、反射された光を4分割検出器8で光電変換し、成分抽出器9で、注目する変位の変位成分を抽出する。抽出された変位成分は、Z制御信号弁別器22で目的とする制御信号にする。この制御信号を、制御目標値設定部20で設定された目標値とZ制御信号出力発生部16で比較して誤差信号を発生する。この誤差信号を観察台1用のZ軸駆動部18に印加し、観察試料2と探針6の先端の距離を一定に保つ。
振動子7は励振素子であって、電歪効果あるいは磁歪効果を用いた振動子である。この振動子の振動でカンチレバー5を励振する。この振動子7には、Z制御用信号発生器14からの信号を信号合成・カンチレバー駆動部12で増幅した信号を印加する。信号合成・カンチレバー駆動部12では、Z制御用信号発生器14からの信号を共振特性計測用信号発生器13からの信号で変調する、あるいはそれらを合波することで合成する。
Z制御用信号発生器14からの信号をZ制御用信号出力発生部16に印加するのは、Z制御信号弁別器22で弁別した信号からZ制御用信号を再生するためである。つまり、Z制御信号出力発生部16では、振幅制御方式の時には、Z制御用信号で、例えば、同期検波行う。また、周波数制御方式の時には、Z制御信号弁別器22でスペクトル分布の最大振幅の周波数位置を見出して、Z制御用信号発生器14からの信号と比較し、Z制御信号出力発生部16で誤差信号を発生する。前記のスペクトル分布としては、スペクトル分析器10からの出力を用いてもよい。
成分抽出器9からの出力は、また、スペクトル分析器10でカンチレバー5を励振する周波数帯でのスペクトルを分析する。このスペクトル強度は、共振特性計測用信号発生器13に含まれる励振信号のスペクトル強度に依存するため、共振特性計測用信号発生器13のスペクトル強度で規格化した後、表示/伝送部23で表示あるいは伝送する。
Z軸駆動信号が観察試料2の表面凹凸を表すので、画像表示部19が、XYスキャン部18からの信号に対応する2次元平面にそれをマッピングする。
図2は、特に振幅制御を行う場合の構成を示すブロック図である。Z制御信号弁別器22からの信号をRMS−DC変換し誤差信号を発生する点において、図1の構成を特化したものである。この場合、Z制御信号弁別器22は、簡単な構成の場合には帯域濾波器である。
図3は、共振特性計測用とZ制御用とそれぞれの振動子を用いる例を示すブロック図である。共振特性計測用信号発生器13からの信号はカンチレバー駆動部12aで増幅して振動子7aに印加する。同様に、Z制御用信号発生器14からの信号をカンチレバー駆動部12bで増幅して振動子7bに印加する。これによって、信号を合波する電気回路を省くことが出来、また、それぞれに適したカンチレバー駆動部を用いることができる。
上記のAFMを用いて試料表面を観察する場合に、Z制御用信号と共振特性計測用の信号とは複数の組み合わせから選択することができる。この例を図4、5に示す。図中、破線はカンチレバーの共振特性を、三角はZ制御用信号の周波数を示す。そのAは振幅制御方式用であり、Bは周波数制御方式用である。
図4(a)は、共振特性計測用の信号として、周波数f1−f2間を掃引する掃引発振器からの信号を用い、周波数制御方式のZ制御用信号として周波数fbの信号を用いる。これらの2つの信号は、図1、2の構成のAFMについては合波するが、図3のAFMの場合は、電気的に合波する必要がない。faはカンチレバーの共振特性がピークとなる周波数である。この周波数掃引は、スペクトル分析器の掃引よりも早いことが望ましい。また、振幅制御方式で用いる場合は、fbの代わりに周波数faの信号のように共振特性の肩に位置する信号を用いる。これは、探針と観察試料間の距離を一定に保つための帰還を容易にするためである。積分制御や微分制御などの非線形制御が可能な場合は、ピークの位置でもよい事は明らかである。
また、図4(a)では、共振特性計測用の信号は、カンチレバーの共振特性と同様に、fbについて、ほぼ対称に書かれているが、これらは、対称である必要はなく、図4(b)に示す様に、共振特性計測用の信号帯域がカンチレバーの共振特性の帯域をカバーしていればよい。
図4(c)では、Z制御用信号を帯域幅W1のノイズで振幅変調した例を示す。この場合には、図1の信号合成・カンチレバー駆動部12で行なう合成は変調である。また、帯域幅W1の非雑音信号で変調してもよい事は明らかである。
図4(d)では、Z制御用信号を帯域幅W1の信号で振幅変調した例を示す。この場合も、図1の信号合成・カンチレバー駆動部12で行なう合成は変調である。また、帯域幅W1のノイズ信号で変調してもよい事は明らかである。
図4(e)では、Z制御用信号をパルス変調して櫛型信号を生成するか、櫛型信号発生器からの櫛型信号を用いて、Z制御用信号と共振特性計測用の信号とを同時に生成する例を示す。この場合は、カンチレバーの共振特性のピークに位置する最強の成分の信号である周波数fbの信号を周波数制御方式に用い、周波数faの信号を振幅制御方式に用いる。共振特性計測用の信号強度は一様でないので、カンチレバーの振動スペクトルを共振特性計測用の信号強度で規格化する。
図4(f)は、カンチレバーの共振特性のピークに位置する最強の成分の信号である周波数faの信号を振幅制御方式に用い、それから外れた周波数fbの信号を周波数制御方式に用いる例を示す。この場合、スペクトル分析器10でカンチレバー5を励振する周波数帯でのスペクトルを分析し補間することで、fbは櫛型信号のどれかに一致している必要は無くなる。
図5(g)は、スペクトル分析器10でカンチレバー5を励振する周波数帯でのスペクトルを分析し補間することで、共振特性計測用の信号のみを印加するようにした例である。図5(g)のfaあるいはfbの位置の強度を帰還することによって、それぞれ振幅制御方式、周波数制御方式を構成することができる。
図5(h)は、帯域幅W1のノイズ信号で片側帯波変調するとともに周波数f1−f2間を掃引する掃引発振器からの信号と合波した例を示す。図には、振幅制御方式を示したが、周波数制御方式でも適用することができる。
共振特性のQ値が劣化するとQ値にほぼ比例して励振効率が劣化することが知られている。従って、Q値の変化する試料を観察する場合で、例えば振幅制御を行う場合は、探針と試料間の距離がQ値に依存することが分かる。これから、共振特性の幅に関する情報を帰還信号に反映することが望ましい事が分かる。つまり、共振特性の幅が増大してQ値が低下した場合には、検出強度だけでは容易に決めることができないので、散逸がある場合の共振特性と、基準となる共振特性と、振幅を検出する周波数位置と、の三者を考慮して探針と観測試料間の距離の調整を行なうことが望ましい。しかし、この調整は一般に複雑であるから、Q値の変化が大きい時には、つまり基準となる共振特性にくらべて散逸が非常に大きいときには、帰還信号としては、共振特性の中心位置、あるいは、共振点の中心点からの移相量を用いることが望ましい。
本発明を適用するためのAFMのブロック図である。 特に振幅制御を行う場合の構成を示すブロック図である。 共振特性計測用とZ制御用とそれぞれの振動子を用いる例を示すブロック図である。 本発明を適用したAFMを用いて試料表面を観察する場合に、Z制御用信号と共振特性計測用の信号とは複数の組み合わせを示す図である。 本発明を適用したAFMを用いて試料表面を観察する場合に、Z制御用信号と共振特性計測用の信号とは複数の組み合わせを示す図である。 (a)は周波数制御の原理を示す図であり、(b)は、振幅制御の原理を示す図である ダイナミックモードのAFMの従来例を示すブロック図である。
符号の説明
1 観察台
2 観察試料
3 レーザ光源
4 光路
5 カンチレバー
6 探針
7、7a、7b 振動子
8 4分割検出器
9 成分抽出器
10 スペクトル分析器
11 規格化部
12 信号合成・カンチレバー駆動部
12a、12b カンチレバー駆動部
13 共振特性計測用信号発生器
14 Z制御用信号発生器
16 Z制御信号出力発生部
17 Z軸駆動部
18 XYスキャン部
19 画像表示部
20 制御目標値設定部
21 RMS−DC変換+誤差信号発生部
22 Z制御信号弁別器

Claims (4)

  1. 探針のついたカンチレバーと、
    該カンチレバーの振動を励振する第1および第2励振素子と、
    上記第1励振素子を駆動するための付加電気信号を生成する共振特性計測用信号発生器と、
    上記第2励振素子を駆動するための位置制御電気信号を生成するZ制御用信号発生器と、
    上記カンチレバーの振動を検出する振動検出素子と、
    該振動検出素子からの信号の周波数分布を分析するスペクトル分析器と、
    該スペクトル分析器の出力から測定しようとする値を導く演算装置と、を備えた原子間力顕微鏡をダイナミックモードで用いて観測を行うとき、
    上記共振特性計測用信号発生器が生成した共振特性測定用の周波数を有する付加電気信号で上記第1励振素子を駆動し、試料を載せる観察台の面に鉛直な方向をZ方向としたとき上記観察台のZ方向の位置を制御するために上記Z制御用信号発生器が生成した位置制御電気信号で上記第2励振素子を駆動して、上記のカンチレバーの振動を励振する第1過程と、
    上記のカンチレバーの振動を上記振動検出素子で検出して検出信号に変換し、上記の検出信号の周波数分布を得るとともに、上記周波数分布から誤差信号発生部が上記共振特性測定用周波数に関連したZ方向の誤差信号を生成する第2過程と、
    上記検出信号の周波数分布から、上記カンチレバーの共振特性を導出するとともに、Z軸駆動部が上記誤差信号を用いて上記観察台のZ方向の位置を制御する第3過程と、
    を有することを特徴とするカンチレバー共振特性評価法。
  2. 上記第1過程では、上記の付加電気信号は、予め決められた周波数領域で周波数が周期的に変化する信号であることを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー共振特性評価法。
  3. 上記第1過程では、上記の付加電気信号の振幅は、上記の位置制御電気信号に比べて小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のカンチレバー共振特性評価法。
  4. 探針のついたカンチレバーと、
    該カンチレバーの振動を励振する第1および第2励振素子と、
    上記第1励振素子を駆動するための励振用電気信号を生成する電気信号発生器と、
    上記第2励振素子を駆動するための位置制御電気信号を生成するZ制御用信号発生器と、
    上記カンチレバーの振動を検出する振動検出素子と、
    該振動検出素子からの信号の周波数分布を分析するスペクトル分析器と、
    該スペクトル分析器の出力から測定しようとする値を導く演算装置と、を備えた原子間力顕微鏡をダイナミックモードで用いて観測を行うとき、
    上記カンチレバーの共振周波数を含む予め決められた幅の周波数帯で周波数の変化する励振用電気信号を生成して上記第1励振素子を駆動し、試料を載せる観察台の面に鉛直な方向をZ方向としたとき上記観察台のZ方向の位置を制御するために上記Z制御用信号発生器が生成した位置制御電気信号によって上記第2励振素子を駆動して上記のカンチレバーの振動を励振する第1過程と、
    上記のカンチレバーの振動を上記振動検出素子で検出して電気検出信号に変換する第2過程と、
    上記の電気検出信号の周波数分布を得るとともに、上記周波数分布から誤差信号発生部が上記共振特性測定用周波数に関連したZ方向の誤差信号を生成する第3過程と、
    上記電気検出信号の周波数分布から、上記カンチレバーの共振点を見出す第4過程と、
    Z軸駆動部が上記誤差信号を用いて上記観察台のZ方向の位置を制御し、上記のカンチレバーと上記観察台に載せられた試料との距離を制御する第5過程と、
    を有することを特徴とするカンチレバー共振特性評価法。
JP2006302874A 2006-11-08 2006-11-08 カンチレバー共振特性評価法 Expired - Fee Related JP5224084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006302874A JP5224084B2 (ja) 2006-11-08 2006-11-08 カンチレバー共振特性評価法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006302874A JP5224084B2 (ja) 2006-11-08 2006-11-08 カンチレバー共振特性評価法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008122091A JP2008122091A (ja) 2008-05-29
JP5224084B2 true JP5224084B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=39507013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006302874A Expired - Fee Related JP5224084B2 (ja) 2006-11-08 2006-11-08 カンチレバー共振特性評価法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5224084B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20090124789A (ko) * 2008-05-30 2009-12-03 주식회사 캔티스 캔틸레버 구조체의 공진특성 측정장치 및 그 측정방법
JP6117705B2 (ja) * 2011-01-31 2017-04-19 インフィニテシマ リミテッド 適応モード走査型プローブ顕微鏡
CN115031831B (zh) * 2022-06-20 2023-04-07 清华大学 声共振开关装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06147882A (ja) * 1992-11-09 1994-05-27 Ricoh Co Ltd 物理量測定装置
JP2000039390A (ja) * 1998-07-23 2000-02-08 Nikon Corp 非接触型原子間力顕微鏡
AU4673101A (en) * 2000-04-20 2001-11-07 University Of Bristol, The Resonant probe driving arrangement and a scanning probe microscope including such an arrangement
JP3481213B2 (ja) * 2001-03-22 2003-12-22 日本電子株式会社 原子間力顕微鏡における試料観察方法および原子間力顕微鏡
JP4328474B2 (ja) * 2001-05-24 2009-09-09 幹夫 村岡 弾性係数を測定する走査型プローブ顕微鏡及びそれに使用するプローブ
DE10237627A1 (de) * 2002-08-16 2004-03-11 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Bestimmung tribologischer Eigenschaften einer Probenoberfläche mittels eines Rasterkraftmikroskops (RKM) sowie ein diesbezügliches RKM
KR100501893B1 (ko) * 2002-11-14 2005-07-25 한국전자통신연구원 주파수 응답 분리 방식을 이용한 비접촉식 측정 장치 및그 측정 방법
JP2004294218A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Kansai Tlo Kk 物性値の測定方法および走査形プローブ顕微鏡
DE10321931B4 (de) * 2003-05-15 2005-06-02 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur berührungslosen Anregung von Torsionsschwingungen in einem einseitig eingespannten Federbalken eines Rasterkraftmikroskops
JP2005331509A (ja) * 2004-04-19 2005-12-02 Japan Science & Technology Agency 固有振動可変型のカンチレバーによる測定対象物の計測方法および装置
JP4616759B2 (ja) * 2005-03-14 2011-01-19 日本電子株式会社 原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いたエネルギー散逸像の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008122091A (ja) 2008-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7545508B2 (en) Interferometric apparatus utilizing a cantilever array to measure a surface
JP4244347B2 (ja) 試料の光励振機能を有するヘテロダインレーザドップラー干渉計を用いた試料の特性の測定装置
JP2005331509A (ja) 固有振動可変型のカンチレバーによる測定対象物の計測方法および装置
JP5224084B2 (ja) カンチレバー共振特性評価法
JP2012184959A (ja) 変位検出機構およびそれを用いた走査型プローブ顕微鏡
JP4616759B2 (ja) 原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いたエネルギー散逸像の形成方法
JP4913242B2 (ja) ダイナミックモードafm装置
JP2004294218A (ja) 物性値の測定方法および走査形プローブ顕微鏡
JP5559122B2 (ja) 微小機械振動子および微小機械振動子の制御方法
JP2005274495A (ja) 高周波微小振動測定装置
JP6220306B2 (ja) カンチレバーの振動特性測定方法及び振動特性測定プログラム
JP4146251B2 (ja) 試料表面観察装置
JP3935350B2 (ja) 距離制御方法およびそれを用いた走査型プローブ顕微鏡
JP2004340772A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
JP2005227139A (ja) 原子間力顕微鏡用カンチレバー
US11402405B2 (en) Frequency tracking for subsurface atomic force microscopy
JP2003185555A (ja) 周波数検出方法およびそれを用いた走査型プローブ顕微鏡
JP4895379B2 (ja) レバー加振機構及び走査型プローブ顕微鏡
JP2004156958A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2010071674A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP4943822B2 (ja) 走査プローブ顕微鏡
JP2010078329A (ja) 接触式原子間力顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090811

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090811

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5224084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees