JPH06147882A - 物理量測定装置 - Google Patents

物理量測定装置

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Publication number
JPH06147882A
JPH06147882A JP29827992A JP29827992A JPH06147882A JP H06147882 A JPH06147882 A JP H06147882A JP 29827992 A JP29827992 A JP 29827992A JP 29827992 A JP29827992 A JP 29827992A JP H06147882 A JPH06147882 A JP H06147882A
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JP
Japan
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support
displacement
detection sensor
vibration
displacement detection
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Application number
JP29827992A
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English (en)
Inventor
Naoki Kozuka
直樹 小塚
Junichi Takahashi
淳一 高橋
Motomi Ozaki
元美 尾崎
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物理量の測定における雑音やノイズによる外
乱を低減させ、装置の小型化を図ることが可能な物理量
測定装置を提供する。 【構成】 先端に探針を有する梁状の支持体と、この支
持体を加振する加振体18と、この加振体18に加振信
号を送信する信号源19と、支持体の変位を検知する変
位検知センサ20と、この変位検知センサ20及び信号
源の出力に対して周波数帯域の制限を施すフィルタ21
と、変位検知センサ20の出力の演算を行い支持体の共
振周波数を検出し探針に作用する力若しくは変位に換算
する演算処理部22と、支持体の外力に対する振動特性
を有するテーブル23と、これら各ユニットを統括的に
制御する制御回路24とより構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動センサ、物理量セ
ンサ、走査型顕微鏡、マイクロマシンニング、表面電位
計等に用いられる物理量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における物理量測定装置としては、
例えば、その第1の従来例として、「ATOMIC FORCE MIC
ROSCOPY USING A PIEZORESISTIVE」なるタイトルで、19
91、IEEE p.448 に開示されているものがある。図13
は、その具体例を示すものである。この場合、片持ち梁
1は、Si基板2上の端部にU字型をした梁3が形成さ
れており、この梁3の表面には図13(b)に示すよう
なピエゾ抵抗4が配線されている。このピエゾ抵抗4
は、その抵抗値変化を検知するために、図13(c)に
示すようなブリッジ回路5として構成されている。そし
て、今、片持ち梁1の梁3の先端部と近接して対面する
図示しない測定表面との間に静電引力が作用すると、梁
3の先端部が曲がり、この梁3の曲がりをピエゾ抵抗4
の抵抗値の変動により検出してその梁3の先端に加わる
原子間力を測定し、これにより顕微鏡像を得ることがで
きる。
【0003】また、第2の従来例として、「Charge st
orage in a nitride-oxide-siliconmedium by scanning
capacitance microscopy」なるタイトルで、1991、J.A
ppl.Phys.、Sep. p.2725に開示されているものがあ
る。図14は、その具体例を示すものである。片持ち梁
6の導電性梁7の先端部には導電性探針8が形成されて
いる。また、片持ち梁6は電気回路9を介してコントロ
ーラ10に接続されている。前記導電性探針8と対向し
た位置には測定物11が配置され、この測定物11は圧
電素子スキャナ12上に置かれ、この圧電素子スキャナ
12はコントローラ10により駆動制御されている。さ
らに、導電性探針8と反対側の面にはミラー13が取付
けられており、このミラー13と、レーザ光源14と、
受光素子15とにより「光テコ」を構成している。そし
て、今、片持ち梁6の導電性梁7と測定物11の表面と
の間に電圧を印加することにより、導電性梁7の曲がり
を光テコ法により検出し、その曲がり量から静電引力を
測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来例では、ピ
エゾ抵抗4の抵抗値の変化を図13(c)に示すような
ブリッジ回路5の出力点ab間で測定しているが、この
ブリッジ回路5は梁4の全面に渡って配線されているた
め、ピエゾ抵抗4の抵抗値が変化すれば、a点の電位も
変化し、さらにピエゾ抵抗4の各部分の電位も変化す
る。このため、本来、測定表面と梁3の先端部との間に
働くべき静電引力以外の力が作用することになり、結果
として、これが雑音となり、測定精度の低下を招くこと
になる。
【0005】第2の従来例では、片持ち梁6の変位を光
テコ法により検出しているため、第1の従来例のような
雑音の低減を図ることは可能となる。しかし、この場合
には、検出手段を光学的手法としているため、光の経路
を十分に確保する必要があり、このため装置自体の大型
化を招く結果となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、先端に探針を有する梁状の支持体と、この支持体を
加振する加振体と、この加振体に加振信号を送信する信
号源と、前記支持体の変位を検知する変位検知センサ
と、この変位検知センサ及び前記信号源の出力に対して
周波数帯域の制限を施すフィルタと、前記変位検知セン
サの出力の演算を行い前記支持体の共振周波数を検出し
前記探針に作用する力若しくは変位に換算する演算処理
部と、前記支持体の外力に対する振動特性を有するテー
ブルと、これら各ユニットを統括的に制御する制御回路
とよりなるようにした。
【0007】請求項2記載の発明では、先端に探針を有
する梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、
この加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体
の変位を検知する変位検知センサと、この変位検知セン
サ及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施
すフィルタと、このフィルタにより帯域制限された前記
信号源の出力及び前記変位検知センサの出力に対して演
算を行いこれら2つの出力の相関を検出し前記探針に作
用する力若しくは変位に換算する演算処理部と、前記支
持体の外力に対する振動特性を有するテーブルと、これ
ら各ユニットを統括的に制御する制御回路とよりなるよ
うにした。
【0008】請求項3記載の発明では、先端に探針を有
する梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、
この加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体
の変位を検知する少なくとも2つ以上の変位検知センサ
と、これら変位検知センサ及び前記信号源の出力に対し
て周波数帯域の制限を施すフィルタと、このフィルタに
より帯域制限された前記変位検知センサの出力に対して
演算を行いセンサ出力間の相関を検出し前記探針に作用
する力若しくは変位に換算する演算処理部と、前記支持
体の外力に対する振動特性を有するテーブルと、これら
各ユニットを統括的に制御する制御回路とよりなるよう
にした。
【0009】請求項4記載の発明では、先端に探針を有
する梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、
この加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体
の変位を検知する変位検知センサと、この変位検知セン
サ及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施
すフィルタと、前記支持体と前記加振体との間に前記加
振体の振動を検出する加振体振動検知センサと、前記フ
ィルタにより帯域制限された前記加振体振動検知センサ
の出力及び前記変位検知センサの出力の演算を行いセン
サ出力間の相関を検出し前記探針に作用する力若しくは
変位に換算する演算処理部と、前記支持体の外力に対す
る振動特性を有するテーブルと、これら各ユニットを統
括的に制御する制御回路とよりなるようにした。
【0010】請求項5記載の発明では、先端に探針を有
する梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、
この加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体
の変位を検知する変位検知センサと、この変位検知セン
サ及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施
すフィルタと、前記支持体の上下運動を行う支持体移動
装置と、前記変位検知センサの出力の演算を行い前記支
持体の共振周波数を検出し前記支持体移動装置により前
記探針に作用する力若しくは変位に換算する演算処理部
と、これら各ユニットを統括的に制御する制御回路とよ
りなるようにした。
【0011】請求項6記載の発明では、請求項1,2,
3,4又は5記載の発明において、変位検知センサは、
支持体の梁の少なくとも1個所に設けられた強磁性体
と、この強磁性体からの磁力或いはその変動を検出する
前記強磁性体に対抗配置された磁気検出部とよりなるよ
うにした。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明においては、変位検知セン
サから得られる支持体の周波数により、探針先端と測定
部表面との間の距離や力を測定することができるため、
基準電圧などの基準器を特に設ける必要がなくなり、部
品点数を削減させることが可能となる。
【0013】請求項2記載の発明においては、演算処理
部により振動の情報演算を行うに当り、支持体の振動信
号と加振信号との相関をとっているため、システム全体
が一様に受けるノイズを排除することが可能となる。
【0014】請求項3記載の発明においては、演算処理
部により振動の情報演算を行うに当り、少なくとも2つ
以上の変位検知センサを用いて得られた支持体の異なる
部分の振動信号と加振信号との相関をとっているため、
システム全体が一様に受けるノイズを排除することが可
能となると共に、加振体で発生するノイズを排除するこ
とが可能となる。
【0015】請求項4記載の発明においては、演算処理
部により振動の情報演算を行うに当り、加振体振動検知
センサにより得られた信号の強度が高くて周波数領域で
も比較的フラットな加振体の振動信号と支持体の振動信
号の相関をとることにより、請求項3記載の発明よりも
SN比の高い演算結果を得ることが可能となる。
【0016】請求項5記載の発明においては、支持体の
振動特性のテーブルを用いずに支持体移動装置により支
持体を上下してフィードバック制御を行うことにより、
変位量をそのまま探針先端と測定物表面との距離に置き
換えることが可能となる。
【0017】請求項6記載の発明においては、強磁性体
としては塗布やスパッタリングなどの汎用技術を利用で
き、磁気検出部としてはパターン化されたコイル等を用
いてコンパクトなセンサを提供することが可能となる。
【0018】
【実施例】請求項1記載の発明の一実施例を図1〜図5
に基づいて説明する。本装置は、先端に探針16を有す
る片持ち梁状の支持体17と、この支持体17を加振す
る加振体18と、この加振体18に加振信号を送信する
信号源19と、支持体17の変位を検知する変位検知セ
ンサ20と、この変位検知センサ20及び信号源19の
出力に対して周波数帯域の制限を施すフィルタ21と、
変位検知センサ20の出力の演算を行い支持体17の共
振周波数を検出し探針16に作用する力若しくは変位に
換算する演算処理部としての演算回路22と、支持体1
7の外力に対する振動特性を有するテーブル23と、こ
れら各ユニットを統括的に制御する制御回路24とより
構成されている。
【0019】このような構成において、本装置の説明に
入る前にまず、本装置の基本的な動作原理について説明
する。図2に示すように、片持ち梁状に構成された支持
体17は、加振体18により加振され、これにより片持
ち梁先端の探針16は、fという力でXだけ変位する。
また、探針16と測定物25との間の距離が近接してい
る場合には、探針部は原子間力によってFなる力を受け
る。図3は、原子間力と距離Xとの関係を示したもので
ある。この原子間力は距離の増加に伴って一度減少し、
ある特異点を通過すると再び増加していき、さらに距離
が増すと0に漸近する。図4は、全体としての系のモデ
ルを示したものである。このモデルにおいて、支持体1
7は、質量m、減衰c、バネ定数kとして表現すること
ができる。この場合、fは、(1)式のような運動方程
式で表現できる。Fは、(2)式のように表現できる。
ただし、K’は一定でなく非線形バネと考える。この場
合、測定範囲は予め特異点の右側或いは左側のどちらか
の領域かが、決定されているものとする。これらF,f
により梁先端部での全体の力f’は、(3)式のように
表わすことができる。ここで、f,Xを調和振動と考
え、(4)式のように表現すれば、力と変位との比、す
なわち、周波数応答関数Hは(5)式のようになる。ま
た、(7)式のように変数を置き換えることにより、周
波数応答関数Hは(6)式のように表わされる。
【0020】
【数1】
【0021】(6)式において、k”は距離によって変
化するバネ定数とみなすことができるため、Hをグラフ
上で表現すると、図5に示すように、距離XによってP
点からQ点のように共振周波数が変化する。従って、こ
のようなことから、各共振周波数と原子間力或いは探針
16と測定物25の表面との間の距離をテーブル23に
してもっておけば、何らかの方法で共振周波数を測定す
ることにより、原子間力や測定物25の表面との距離に
換算することができる。さらに、本システムを平面走査
することにより、測定物25表面の顕微鏡像も得ること
ができる。
【0022】次に、上述したような基本的な動作原理に
基づいて本装置の動作について説明する。加振体18
は、信号源19からフィルタ21を介して周波数帯域を
かけられた信号によって加振され、これにより支持体1
7が励振される。この励振により、支持体17は(6)
式に示されるような特定の周波数で共振する。なお、信
号源19としては、ホワイトノイズ、ピンクノイズなど
の高帯域波のものを用いることができ、周波数帯域制限
は使用する周波数帯域に限定したり、支持体17の共振
周波数前後のある幅の領域にすることができる。このよ
うに振動する支持体17の振動情報を変位検知センサ2
0によってセンシングし、演算回路22においてFFT
やデジタルフィルタなどの周波数領域の演算により、或
いは、時間領域で図示しない周波数カウンタにより周期
のカウントなどにより、パワースペクトルを得ることが
でき、これにより所望とする共振周波数を求めることが
できる。この処理の後に、テーブル23を参照して、所
望とする原子間力や測定物25の表面との距離を換算し
て求めることができる。
【0023】上述したように、支持体17の周波数応答
関数H又は変位検知センサ20から得られる支持体17
の周波数特性により、探針16の先端と測定物25の表
面との距離や力を測定するため、基準電圧などの基準器
を特に設ける必要がなくなり、これにより部品点数を削
減することができる。また、主としてSN比が高い周波
数応答関数Hの共振点からデータを算出するため、ノイ
ズや外乱に強い測定システムを提供することができる。
さらに、SN比が低い共振点から離れた周波数帯域のデ
ータを0とおいても差し支えないため、演算回路22の
演算処理のダイナミックレンジを狭くすることができ
る。
【0024】次に、請求項2記載の発明の一実施例を図
6に基づいて説明する。なお、請求項1記載の発明と同
一部分についての説明は省略し、その同一部分について
は同一符号を用いる。
【0025】ここでは、演算回路22の演算処理内容を
変えたものである。すなわち、フィルタ21により帯域
制限された信号源19の出力及び変位検知センサ20の
出力に対して演算を行い、これら2つの出力の相関を検
出し、探針16に作用する力若しくは変位に換算するよ
うにしたものである。従って、このような構成としたこ
とにより、パワースペクトルのみでは構造系全体に侵入
したノイズをカットできなかったが、周波数応答関数H
では入出力の比を取るためにノイズを排除することがで
きるようになる。
【0026】上述したように、演算回路22により振動
の情報演算を行うに当り、支持体17の振動信号と加振
信号との相関をとっているため、システム全体が一様に
受けるノイズを排除することができる。これにより、ノ
イズや外乱に強い測定システムを提案することができ
る。
【0027】次に、請求項3記載の発明の一実施例を図
7に基づいて説明する。なお、請求項1,2記載の発明
と同一部分についての説明は省略し、その同一部分につ
いては同一符号を用いる。
【0028】ここでは、支持体17の変位を検知する2
つの変位検知センサ20a,20bを設けたものである
(なお、3つ以上設けるようにしてもよい)。また、こ
れにより、演算回路22は、フィルタ21により帯域制
限された変位検知センサ20a,20bの出力に対して
演算を行い、それら変位検知センサ20a,20b出力
間の相関を検出し、探針16に作用する力若しくは変位
に換算するようにしたものである。従って、このような
構成としたことにより、2つの振動を検知する変位検知
センサ20a,20b間の周波数応答関数Hを用いて、
加振体18で発生する誤差などの外乱を排除することが
できる。
【0029】上述したように、演算回路22により振動
の情報演算を行うに当り、少なくとも2つ以上の変位検
知センサ20a,20bを用いて得られた支持体17の
異なる部分の振動信号と加振信号との相関をとっている
ため、システム全体が一様に受けるノイズを排除するこ
とができ、しかも、加振体18で発生するノイズを排除
することができる。これにより、請求項2記載の発明よ
りも、ノイズや外乱に強い測定システムを提供すること
ができる。
【0030】次に、請求項4記載の発明の一実施例を図
8及び図9に基づいて説明する。なお、請求項1〜3記
載の発明と同一部分についての説明は省略し、その同一
部分については同一符号を用いる。
【0031】ここでは、支持体17と加振体18との間
に、加振体18の振動を検出する加振体振動検知センサ
26を設けたものである。また、これにより、演算回路
22は、フィルタ21により帯域制限された加振体振動
検知センサ26の出力及び変位検知センサ20の出力の
演算を行い、これらセンサ出力間の相関を検出し、探針
16に作用する力若しくは変位に換算するようにしたも
のである。従って、このような構成としたことによっ
て、変位検知センサ20の出力は支持体17の特性を介
してセンシングするため、もともと支持体17が振動に
敏感でない周波数帯域の領域では微弱な信号同志の除算
となり十分なSN比が得られないのに対して、加振体振
動検知センサ26の出力は信号強度が高いため、強力な
信号と微弱な信号との除算であるSN比を十分大きくと
ることができるようになる。
【0032】上述したように、演算回路22により振動
の情報演算を行うに当り、加振体振動検知センサ26に
より得られた信号の強度が高くて周波数領域でも比較的
フラットな加振体18の振動信号と支持体17の振動信
号の相関をとることにより、請求項3記載の発明よりも
SN比の高い演算結果を得ることができる。従って、こ
のようなことから、ノイズや外乱に強く、かつ、信頼性
の高い測定システムを提供することができる。
【0033】次に、請求項5記載の発明の一実施例を図
10及び図11に基づいて説明する。なお、請求項1〜
4記載の発明と同一部分についての説明は省略し、その
同一部分については同一符号を用いる。
【0034】ここでは、前述したテーブル23を用いる
代わりに、支持体17の上下運動を行う支持体移動装置
27を設けたものである。また、これにより、演算回路
22は、変位検知センサ20の出力の演算を行い、支持
体17の共振周波数を検出し、支持体移動装置27によ
り探針16に作用する力若しくは変位に換算するように
したものである。従って、このような構成としたことに
よって、支持体17の共振周波数を一定に保つように支
持体移動装置27を上下させ、フィードバック制御を行
うことができる。この場合、支持体移動装置27の変位
量を何らかの方法で検知できれば、その変位量をそのま
ま探針16と測定物25の表面との距離に置き換えるこ
とができる。その検知方法としては、電圧や電流量に比
例して変位するアクチュエータを用いてもよい。また、
このような支持体移動装置27は、前述した各実施例と
組み合わせて用いてもよい。
【0035】上述したように、支持体17の振動特性の
テーブル23を用いずに支持体移動装置27により支持
体17を上下してフィードバック制御を行うことによっ
て、変位量をそのまま探針16の先端と測定物25の表
面との距離に置き換えることができ、これによりソフト
ウェア制御でテーブル23を参照するよりも一段と高速
な距離の検出を行うことができる。
【0036】次に、請求項6記載の発明の一実施例を図
12に基づいて説明する。なお、請求項1〜5記載の発
明と同一部分についての説明は省略し、その同一部分に
ついては同一符号を用いる。
【0037】ここでは、前述した各実施例中で述べた変
位検知センサ20を、支持体17の梁上に設けられた強
磁性体28と、この強磁性体28からの磁力或いはその
変動を検出するその強磁性体28に対抗配置された磁気
検出部29とにより構成したものである。この場合、光
テコのような光路など大きくとる必要もなく、パターン
化されたコイルなどを使用することができる。
【0038】上述したように、強磁性体28を設けたこ
とによって塗布やスパッタリングなどの汎用技術を利用
することができるようになり、磁気検出部29を設けた
ことによってパターン化されたコイル等を用いてコンパ
クトなセンサを提供することができる。これにより、測
定部分の機構系の小型化を可能とすることができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、先端に探針を有
する梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、
この加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体
の変位を検知する変位検知センサと、この変位検知セン
サ及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施
すフィルタと、前記変位検知センサの出力の演算を行い
前記支持体の共振周波数を検出し前記探針に作用する力
若しくは変位に換算する演算処理部と、前記支持体の外
力に対する振動特性を有するテーブルと、これら各ユニ
ットを統括的に制御する制御回路とよりなるようにした
ので、変位検知センサから得られる支持体の周波数によ
り、探針先端と測定部表面との間の距離や力を測定する
ことができるため、基準電圧などの基準器を特に設ける
必要がなくなり、部品点数を削減させることができ、ま
た、SN比が高い周波数応答関数の共振点から主として
データを算出するため、ノイズや外乱に強い測定システ
ムを提供することができるものである。
【0040】請求項2記載の発明は、先端に探針を有す
る梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、こ
の加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体の
変位を検知する変位検知センサと、この変位検知センサ
及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施す
フィルタと、このフィルタにより帯域制限された前記信
号源の出力及び前記変位検知センサの出力に対して演算
を行いこれら2つの出力の相関を検出し前記探針に作用
する力若しくは変位に換算する演算処理部と、前記支持
体の外力に対する振動特性を有するテーブルと、これら
各ユニットを統括的に制御する制御回路とよりなるよう
にしたので、演算処理部により振動の情報演算を行うに
当り、支持体の振動信号と加振信号との相関をとってい
るため、システム全体が一様に受けるノイズを排除する
ことができ、これにより請求項1記載の発明の場合より
もノイズや外乱に強い測定システムを提供することがで
きるものである。
【0041】請求項3記載の発明は、先端に探針を有す
る梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、こ
の加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体の
変位を検知する少なくとも2つ以上の変位検知センサ
と、これら変位検知センサ及び前記信号源の出力に対し
て周波数帯域の制限を施すフィルタと、このフィルタに
より帯域制限された前記変位検知センサの出力に対して
演算を行いセンサ出力間の相関を検出し前記探針に作用
する力若しくは変位に換算する演算処理部と、前記支持
体の外力に対する振動特性を有するテーブルと、これら
各ユニットを統括的に制御する制御回路とよりなるよう
にしたので、演算処理部により振動の情報演算を行うに
当り、少なくとも2つ以上の変位検知センサを用いて得
られた支持体の異なる部分の振動信号と加振信号との相
関をとっているため、システム全体が一様に受けるノイ
ズを排除することができ、しかも、加振体で発生するノ
イズを排除することができ、これにより請求項2記載の
発明の場合よりもノイズや外乱に強い測定システムを提
供することができるものである。
【0042】請求項4記載の発明は、先端に探針を有す
る梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、こ
の加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体の
変位を検知する変位検知センサと、この変位検知センサ
及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施す
フィルタと、前記支持体と前記加振体との間に前記加振
体の振動を検出する加振体振動検知センサと、前記フィ
ルタにより帯域制限された前記加振体振動検知センサの
出力及び前記変位検知センサの出力の演算を行いセンサ
出力間の相関を検出し前記探針に作用する力若しくは変
位に換算する演算処理部と、前記支持体の外力に対する
振動特性を有するテーブルと、これら各ユニットを統括
的に制御する制御回路とよりなるようにしたので、演算
処理部により振動の情報演算を行うに当り、加振体振動
検知センサにより得られた信号の強度が高くて周波数領
域でも比較的フラットな加振体の振動信号と支持体の振
動信号の相関をとることにより、請求項3記載の発明よ
りもSN比の高い演算結果を得ることができ、これによ
りノイズや外乱に強く信頼性の高い測定システムを提供
することができるものである。
【0043】請求項5記載の発明は、先端に探針を有す
る梁状の支持体と、この支持体を加振する加振体と、こ
の加振体に加振信号を送信する信号源と、前記支持体の
変位を検知する変位検知センサと、この変位検知センサ
及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施す
フィルタと、前記支持体の上下運動を行う支持体移動装
置と、前記変位検知センサの出力の演算を行い前記支持
体の共振周波数を検出し前記支持体移動装置により前記
探針に作用する力若しくは変位に換算する演算処理部
と、これら各ユニットを統括的に制御する制御回路とよ
りなるようにしたので、支持体の振動特性のテーブルを
用いずに支持体移動装置により支持体を上下してフィー
ドバック制御を行うことにより、変位量をそのまま探針
先端と測定物表面との距離に置き換えることでき、これ
によりソフトウェア制御でテーブルを参照するよりも高
速な距離測定を行うことができるものである。
【0044】請求項6記載の発明は、請求項1,2,
3,4又は5記載の発明において、変位検知センサは、
支持体の梁の少なくとも1個所に設けられた強磁性体
と、この強磁性体からの磁力或いはその変動を検出する
前記強磁性体に対抗配置された磁気検出部とよりなるよ
うにしたので、強磁性体としては塗布やスパッタリング
などの汎用技術を利用でき、磁気検出部としてはパター
ン化されたコイル等を用いてコンパクトなセンサを提供
することができ、これにより装置の小型化を一段と図る
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例である物理量測
定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】物理量測定装置の機械的な構成を示す側面図で
ある。
【図3】原子間力と距離との関係を示す特性図である。
【図4】図2の動作原理をモデル化した模式図である。
【図5】周波数に対するパワースペクトル周波数応答関
数の様子を示す特性図である。
【図6】請求項2記載の発明の一実施例を示すブロック
図である。
【図7】請求項3記載の発明の一実施例を示すブロック
図である。
【図8】請求項4記載の発明の一実施例を示すブロック
図である。
【図9】物理量測定装置の機械的な構成を示す側面図で
ある。
【図10】請求項5記載の発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図11】物理量測定装置の機械的な構成を示す側面図
である。
【図12】(a)は請求項6記載の発明の一実施例を示
す側面図、(b)はその上面図である。
【図13】(a)は第1の従来例を示す側面図、(b)
はその上面図、(c)はブリッジ回路である。
【図14】第2の従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
16 探針 17 支持体 18 加振体 19 信号源 20 変位検知センサ 20a,20b 変位検知センサ 21 フィルタ 22 演算処理部 23 テーブル 24 制御回路 26 加振体振動検知センサ 27 支持体移動装置 28 強磁性体 29 磁気検出部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に探針を有する梁状の支持体と、こ
    の支持体を加振する加振体と、この加振体に加振信号を
    送信する信号源と、前記支持体の変位を検知する変位検
    知センサと、この変位検知センサ及び前記信号源の出力
    に対して周波数帯域の制限を施すフィルタと、前記変位
    検知センサの出力の演算を行い前記支持体の共振周波数
    を検出し前記探針に作用する力若しくは変位に換算する
    演算処理部と、前記支持体の外力に対する振動特性を有
    するテーブルと、これら各ユニットを統括的に制御する
    制御回路とよりなることを特徴とする物理量測定装置。
  2. 【請求項2】 先端に探針を有する梁状の支持体と、こ
    の支持体を加振する加振体と、この加振体に加振信号を
    送信する信号源と、前記支持体の変位を検知する変位検
    知センサと、この変位検知センサ及び前記信号源の出力
    に対して周波数帯域の制限を施すフィルタと、このフィ
    ルタにより帯域制限された前記信号源の出力及び前記変
    位検知センサの出力に対して演算を行いこれら2つの出
    力の相関を検出し前記探針に作用する力若しくは変位に
    換算する演算処理部と、前記支持体の外力に対する振動
    特性を有するテーブルと、これら各ユニットを統括的に
    制御する制御回路とよりなることを特徴とする物理量測
    定装置。
  3. 【請求項3】 先端に探針を有する梁状の支持体と、こ
    の支持体を加振する加振体と、この加振体に加振信号を
    送信する信号源と、前記支持体の変位を検知する少なく
    とも2つ以上の変位検知センサと、これら変位検知セン
    サ及び前記信号源の出力に対して周波数帯域の制限を施
    すフィルタと、このフィルタにより帯域制限された前記
    変位検知センサの出力に対して演算を行いセンサ出力間
    の相関を検出し前記探針に作用する力若しくは変位に換
    算する演算処理部と、前記支持体の外力に対する振動特
    性を有するテーブルと、これら各ユニットを統括的に制
    御する制御回路とよりなることを特徴とする物理量測定
    装置。
  4. 【請求項4】 先端に探針を有する梁状の支持体と、こ
    の支持体を加振する加振体と、この加振体に加振信号を
    送信する信号源と、前記支持体の変位を検知する変位検
    知センサと、この変位検知センサ及び前記信号源の出力
    に対して周波数帯域の制限を施すフィルタと、前記支持
    体と前記加振体との間に前記加振体の振動を検出する加
    振体振動検知センサと、前記フィルタにより帯域制限さ
    れた前記加振体振動検知センサの出力及び前記変位検知
    センサの出力の演算を行いセンサ出力間の相関を検出し
    前記探針に作用する力若しくは変位に換算する演算処理
    部と、前記支持体の外力に対する振動特性を有するテー
    ブルと、これら各ユニットを統括的に制御する制御回路
    とよりなることを特徴とする物理量測定装置。
  5. 【請求項5】 先端に探針を有する梁状の支持体と、こ
    の支持体を加振する加振体と、この加振体に加振信号を
    送信する信号源と、前記支持体の変位を検知する変位検
    知センサと、この変位検知センサ及び前記信号源の出力
    に対して周波数帯域の制限を施すフィルタと、前記支持
    体の上下運動を行う支持体移動装置と、前記変位検知セ
    ンサの出力の演算を行い前記支持体の共振周波数を検出
    し前記支持体移動装置により前記探針に作用する力若し
    くは変位に換算する演算処理部と、これら各ユニットを
    統括的に制御する制御回路とよりなることを特徴とする
    物理量測定装置。
  6. 【請求項6】 変位検知センサは、支持体の梁の少なく
    とも1個所に設けられた強磁性体と、この強磁性体から
    の磁力或いはその変動を検出する前記強磁性体に対抗配
    置された磁気検出部とよりなることを特徴とする請求項
    1,2,3,4又は5記載の物理量測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058926A1 (en) * 1998-05-09 1999-11-18 Zypman Fredy R Scanning force microscope with high-frequency cantilever
JP2008122091A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology カンチレバー共振特性評価法
JP2009008508A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Nagaoka Univ Of Technology 振動測定装置及び振動測定方法

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