JPH087135B2 - 表面特性測定装置 - Google Patents

表面特性測定装置

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JPH087135B2
JPH087135B2 JP1224927A JP22492789A JPH087135B2 JP H087135 B2 JPH087135 B2 JP H087135B2 JP 1224927 A JP1224927 A JP 1224927A JP 22492789 A JP22492789 A JP 22492789A JP H087135 B2 JPH087135 B2 JP H087135B2
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は固体表面や薄膜の力学特性を測定する装置に
関し、特に接触針が試料表面に対して平行運動するよう
に加振機構を改良したものである。
B.従来の技術 例えば真空蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法等に
よって製造した金属、無機質などの薄膜について、膜と
基板との付着力、特にこの付着力の指標ともなる摩擦係
数、硬度、表面粗さなどの特性を測定する表面特性測定
装置が知られている。
第6図は従来装置の一例を示し、箱型の加振装置51に
接触針52が弾性体53を介して接続されている。測定時に
接触針52は、X・Y軸微動装置を組み込んだ試料台54上
に固定された試料SPの表面に接する。加振装置51は、Z
軸微動装置55と、2つの発振器56と、各々の発振器56に
接続するスピーカー57と、このスピーカー57の前面に接
続した振動伝達板58とによって構成される。接触針52の
カートリッジから出力される振動信号は増幅器59を介し
てオシロスコープ60によって観察することができる。
また第7図は、先に本出願人が出願した表面特性測定
装置における加振機構を示す図である。71が負荷機構の
ロードセルに連接される固定枠で、接触針72を保持する
カートリッジ73はこの固定枠71の下方部に板ばね(弾性
体)74を介して取り付けられている。この両板ばね74の
上端は取付板75で連結されているが、この取付板75には
連結枠76を介してコイル体77が連結されている。このコ
イル体77は固定枠21の両側に固定された永久磁石78と協
働するムービングコイル機構を構成し、したがって、こ
のコイル体77のコイルに交流信号が印加されるとコイル
体77に振動が与えられ取付板75に垂設された接触針72が
振動する。
C.発明が解決しようとする課題 しかしながら、第6図,第7図に示す装置にあって
は、振動伝達板58あるいは板ばね74がその上部連結端を
支点として左右に揺動するから接触針52あるいは72は円
弧運動する。その結果、接触針が試料SPの表面で振動接
触する際に、上記円弧運動に応じて負荷の大きさが変化
してしまい、正確に表面特性が測定できないという問題
がある。
本発明の技術的課題は、接触針を試料表面に対して正
確に水平運動させることにある。
D.課題を解決するための手段 一実施例を示す図1〜図3を参照して説明すると、本
発明に係る表面特性測定装置は、先端が試料表面に接触
する接触針23と、接触針23を前記試料表面に一定の負荷
で接触させる負荷機構Lと、前記接触針23を支持する支
持体22と、前記支持体22を前記試料表面と平行な一方向
に挟み込むように配置され、互いに逆モードで振動する
一対の電歪素子33L,Rと、該電歪素子33L,Rによる加振時
の接触針23の試料に対する摩擦力に対応する振動の大き
さを検出する検出手段Dとを備え、前記電歪素子33L,R
の振動により前記接触針23を試料表面に対して平行運動
で往復動させることを特徴とする。
E.作用 一対の電歪素子33L,33Rが、互いに逆モードで試料表
面と平行に振動すると、接触針23がこの試料表面に対し
て平行に往復動する。このように、試料表面と平行に振
動する電歪素子33L,33Rを用いるので、電歪素子33L,33R
と支持体22との間から運動方向の変換機構を排除できる
とともに、一対の電歪素子33L,33Rが支持体22に対して
振動方向に対称に配置されるので、接触針23の左右対称
な往復動を容易に実現できる。
なお、本発明の構成を説明する上記D項およびE項で
は、本発明を分かり易くするために実施例の図を用いた
が、これにより本発明が実施例に限定されるものではな
い。
F.実施例 以下、図面に示す実施例にしたがってこの発明を説明
する。
第1図はこの発明による測定装置の全体を理解しやす
く模式的に示す図で、Aが測定本体部、Cが計測制御
部、Rが記録計である。
まず測定本体部Aについてこの構成を説明すると、1
は測定本体枠で下方には試料SPを載置するX・Yステー
ジ3,4が昇降台2の上面に設置されている。試料SPの上
方の枠部には、測定負荷部Lと加振部Bが設けられると
ともに、試料SPの表面を観察するための光学系Kも並設
されている。ここでSは接眼レンズ、Tは対物レンズ、
Iは照明光学系を示す。
測定負荷部Lは電子天びんの原理による電磁力方式が
採用されている。すなわち、6は本体側1側に固設され
計測制御部Cから所要の電力が供給される電磁用コイ
ル、7はそのコア(鉄心)である。この鉄心7は支点E
を中心に揺動自在なレバー8の一端に連結され、レバー
8の他端には負荷板9が連結されている。この負荷板9
の下方にはロードセル10を介して加振部Bの固定枠31が
連接されている。ロードセル10からの負荷値は電気信号
として計測制御部Cに入力されており、計測制御部Cは
ロードセル10からの出力信号に応じてコイル6への電力
供給をフィードバック制御し、これにより一定の負荷を
設定したり、低速で負荷を増減制御することもできる。
加振部Bは、第2図に模式的に示す検出部Dの接触針
23を試料SPに対して平行運動で加振するものであり、検
出部Dは加振部Bの固定枠31に固設されている。
第2図は、レコード針などのピックアップとして周知
な検出部Dの先端部を模式的でかつ斜視的に示す図であ
る。図において、21はカートリッジ、22はカートリッジ
21を着脱可能に保持する保持杵であり、保持杵22は固定
枠31に取付けられる。接触針23はカートリッジ21に対
し、支持部Zで揺動自在に支持されたレバー24の先端に
保持されている。このレバー24の他端にはマグネットM
が付設されていて、レバー24が支持部Zを中心に揺動し
てマグネットMが左右に振れると、これを検出コイル25
が検出し電気信号として出力する。
第3図は加振部Bと検出部Dの取付けの詳細を示す概
略図である。枠体31の内部空間31aにはスラスト軸受32
が設けられている。一方、内部空間31aの出力開口端に
は一対の電歪素子33L,33Rが設置され、その自由端側に
上述した検出部Dの保持杵22が固着されている。電歪素
子33Lには発振器34から交流信号が印加され、電歪素子3
3Rには反転器35を介して発振器34から交流信号が印加さ
れるので、電歪素子33L,33Rは互いに逆モードで水平方
向に振動し、保持杵22を左右に加振する。保持杵22の上
端面はスラスト軸受32と当接しており、検出部Dには固
定枠31,スラスト軸受32を介して負荷機構Lから垂直方
向に荷重が与えられる。検出部Dはスラスト軸受32を介
して加振部Bと接しているから電歪素子33L,33Rにより
検出部Dを加振するとき両者間の摺動抵抗は小さく、検
出精度に悪影響を与えることがないのに加えて、試験に
先立ってスラスト軸受32の面を試料SPの表面と平行にし
ておけば、接触針23を試料SPの表面に対して平行運動さ
せることができる。
さて以上のような構成において試料SPの表面の摩擦特
性や薄膜の付着力の測定は次のとおり行われる。
カートリッジ21と接触針23は加振機構によって第2図
の矢印方向に加振される。この場合、カートリッジ21の
強制振動に応じて接触針23は、試料SPに一定の負荷で付
勢されているものの引きずられて動く。しかし、振動の
極限の付近では接触針23は動きを止め逆方向に動く復元
力が摩擦力を上回るまでの間停止する。他方カートリッ
ジ21は加振を続けるからレバー24とカートリッジ21との
相対的変位がコイル25にて検出される。この検出信号は
第4図にも示すとおり計測制御部Cに入力されるように
なっており、この信号値で特性の測定が行われるのであ
る。この場合ロードセル10からの荷重値も重要な要素と
なる。
具体的には摩擦係数と付着力はつぎの形で測定され
る。
1)摩擦係数の測定 摩擦力(μW)がレバー24の最大復元力(kXo)より
大きくなった時、接触針23の動きはカートリッジ21の強
制振動に追随していかなくなり、カートリッジ21の出力
電圧が飽和してしまう。よってカートリッジ出力電圧が
飽和する荷重Wsがわかれれば、摩擦係数は、 Xo:カートリッジの振幅 k :保持杵22の水平バネ定数 で求められる。
2)付着力の測定 薄膜などにこの装置を用いると、付着力を測定するこ
とができる。荷重を増していくと、薄膜に破壊を生じ
る。この破壊された膜の破片などによりカートリッジ出
力電圧にノイズ状の信号を与える。よってこの信号変化
により剥離時の荷重(Wc)を知ることができる。
付着力の決定には、以下に示すBenjamin and Weaver
の式を用いる。
ここで、Fは付着力、Hはブリネル硬さ、Wcは剥離の臨
界荷重、Rは接触針の先端の半径である。なお、付着力
はBenjamin and Weaverの式のような単純な式で表わせ
ないという指摘もあるが、試験条件の異なるデータを比
較検討するための便宜としてこの式で求める。
測定において、試料SPを水平(Y軸)方向に変位させ
ることによって時間の経過ごとにおける摩擦力とか付着
力の変化を記録計Rにて記録することができる。この場
合、試料SPはY軸移動台4がモータ5によって台3に対
して変位させられる。すなわちモータ5の回転により、
ねじ送り機構が作動し移動台3が紙面垂直方向に変位す
る。なお、具体的な測定操作は第5図に示すようなフロ
ーチャートにしたがって行われる。
この発明の一実施例は以上のとおりであるが、本発明
は上記ならびに図示例に限定されるものではなく、種々
の変形実施例をも包含するものである。特に負荷機構に
ついて図示例では電子天びんの原理でレバー8を使用
し、電磁力にて負荷する方式としたが、天びん方式でな
く直接的に電磁力を作用させるようにしてもよいし、電
磁力以外の負荷方式でもよい。例えば、電歪素子を使用
して負荷力を発生させるようにしてもよい。接触針の支
持構造、検出機構も図示例に限定されるものではない。
さらに、負荷の方式として接触針を上方から付勢させる
形のみでなく、下方の移動台の方を動かせる形とするこ
とができる。
この発明はこれらすべての変形例を包含する。
G.発明の効果 この発明が提供する表面特性測定装置によれば、接触
針が試料表面に対して平行運動で往復動するから、接触
針が試料と接触するどの領域でも接触針の負荷圧力が一
定となり精度の高い測定が可能となる。
試料の表面と平行に振動する一対のアクチュエータに
より接触針の支持体を挟み込んで往復動させるので、ア
クチュエータと支持体との間から運動方向の変換機構を
排除してガタのない正確な水平運動を可能とし、かつ接
触針の往復動の対称性も確保し、これにより測定精度や
測定の再現性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による測定装置全体の構成を模式的に
示す図、第2図,第3図は測定装置の構成要素の一部を
拡大して示す図、第4図は電気回路図、第5図はフロー
チャート図、第6図および第7図は先行技術を説明する
図である。 A:測定本体部、B:加振部 C:計測制御部、D:検出部 E:支持部、L:測定負荷部 M:マグネット、R:記録計 1:測定本体部、3,4:移動台 5:モータ、6:コイル 7:鉄心、8:レバー 9:負荷板、10:ロードセル 21:カートリッジ、22:保持杵 23:接触針、24:レバー 31:固定枠、32:スラスト軸受 33L,33R:電歪素子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が試料表面に接触する接触針と、接触
    針を前記試料表面に一定の負荷で接触させる負荷機構
    と、前記接触針を支持する支持体と、前記支持体を前記
    試料表面と平行な一方向に挟み込むように配置され、互
    いに逆モードで振動する一対の電歪素子と、該電歪素子
    による加振時の接触針の試料に対する摩擦力に対応する
    振動の大きさを検出する検出手段とを備え、前記電歪素
    子の振動により前記接触針を試料表面に対して平行運動
    で往復動させることを特徴とする表面特性測定装置。
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