JP5223183B2 - 光電気複合配線部品及びこれを用いた電子機器 - Google Patents
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Description
電子機器に供給する電源用の電源線801、及び音声など伝送速度が低速(100Mbit/sec以下)の信号線802に関しては電気配線を使用している。一方、動画像信号などは高い伝送速度(例えば8B10B符号で1.25Gbit/sec以上)を必要とするため電気信号による伝送が難しい信号に関しては、光配線の一端に設けられた発光素子にて電気/光信号変換するE/O変換部803と、発光素子から出射された光信号を光伝送する光配線804と、光配線804の他端に設けられた受光素子にて光/電気変換するO/E変換部805とからなる光伝送系が用いられている。
なお、電気配線と光配線の使い分けは、信号線上を伝送される信号の伝送速度の最大値に依っている。
従来の先行技術としては、以下の特許文献がある。
また、光伝送で双方向通信を行う場合には、電気配線及び光配線の数を双方向の分だけ用意する必要があり、配線数が増えてしまう問題があった。
発光素子駆動回路106は、送信信号線103の信号レベルに応じて発光素子107の発光を制御し、電気信号を光信号に変換するための駆動回路である。更に光伝送路109の他端には受光素子111が光学的に結合されており、光伝送路109を伝送してきた光信号を電気信号に変換する。そして受光素子111で光電変換された電気信号は増幅器112で増幅されて送信信号線116を介してスレーブ側119へ伝送される。この発光素子駆動回路106、発光素子107、光伝送路109、受光素子111、および増幅器112は電気信号を光信号に変換して伝送した後、再び光信号を電気信号に変換して伝送する構成であり、光伝送系を構成している。光伝送系は数100Mbit/sec以上の高速・大容量の信号を伝送することが出来るため、動画像などの大容量の信号を伝送するのに適している。
なお、光伝送系または電気伝送系どちらの伝送系を用いるか切替えを決める伝送速度は、伝送路の長さ等に依存する電気伝送の限界に応じて適宜設定される。
図7に伝送速度モニタ部101の内部構成の一例を示す。この構成は、高速な伝送信号(例えば1Gbit/sec以上)は8B10B符号を用いた2値のNRZ(Non−Return to Zero)信号のようなDCバランスが取れた符号で符号化されている場合を想定している。
そして、伝送信号の伝送速度が1Gbit/secのとき、8B10B符号を用いた2値のNRZ信号を用いた場合には、変調速度は1.25Gbaud/secとなる。また4値のNRZ信号を用いた場合には、変調速度は625Mbaud/secとなる。
緩衝増幅器700は、入力信号線701(送信信号線103に相当)への緩衝増幅器700後段の回路(低域通過フィルタ702、ピークホールド回路703など)による影響を無視できる程度の、高い入力インピーダンス(例えば数MΩ以上)を持っている。入力された信号は事前に定めた振幅にリミット増幅して出力する。
低域通過フィルタ702は、伝送速度が低速時の信号のみを通過させるフィルタである。その通過特性は低速な伝送信号(例えば100Mbit/sec以下)を通し、高速な伝送信号(例えば100Mbit/secを超える)を通さない範囲に定められている。この低域通過フィルタ702は、緩衝増幅器700に同様の周波数特性を持たせることによって省略することもできる。
ピークホールド回路703は、低域通過フィルタ702を通過してきた低速信号のピーク電圧値を保持する回路であり、その保持期間は低速信号における符号変化の間隔時間の最大値以上に設定する。
基準電圧源704は緩衝増幅器700の出力の最大値と中央値の間に設定された電圧を出力するよう設定されている。
比較器705はピークホールド回路703の出力と基準電圧源704の出力を比較する回路であり、基準電圧よりもピーク電圧値が高ければ高電位(例えば電源電圧程度)を出力し、低ければ低電位(例えばグランドレベル程度)を出力する。
出力信号線706は比較器705の出力に接続されており、信号線701に入力された信号の伝送速度が低速な時には高電位、高速な時には低電位を出力する。
伝送速度モニタ部101に入力信号線701から低速の信号が入力された場合には、入力された信号は緩衝増幅器700にて事前に定められた振幅まで増幅され、低域通過フィルタ702に入力される。低速の信号はそのまま通過し、ピークホールド回路703に入力され、緩衝増幅器700の出力振幅電圧の最大値がホールドされる。この電圧は基準電圧源704の出力電圧よりも高いため、比較器705の出力は高電位となり、出力信号線706を介して入力信号線701の伝送信号は低速であることを示す高電位の制御信号が出力される。
動作メカニズムを以下に説明する。
伝送速度モニタ部101の比較器705の出力が低電位(高速な伝送信号)のときは、光送信器用電源制御素子108(本実施例ではPチャネルMOS素子)は、ゲートがLowレベルとなりソースとドレイン間が導通状態となる。これにより発光素子107に電源が供給され、発光素子107は動作状態となる。
一方、伝送速度モニタ部101の比較器705の出力が高電位(低速な伝送信号)のときは、光送信器用電源制御素子108(本実施例ではPチャネルMOS素子)は、ゲートがHighレベルとなりソースとドレイン間が遮断状態となる。これにより発光素子107に電源が供給されなくなり、発光素子107は非動作状態となる。
光パワーモニタ回路113の内部構造は、例えば抵抗を設け、その抵抗に流れる受光電流によって生じる電位の変化を検出するものである。受光素子111によって受光電流が発生している場合には、光パワーモニタ回路113は低電位を出力し、受光電流が発生してない場合には光パワーモニタ回路113は高電位を出力する構造となっている。
動作メカニズムを以下に説明する。
光パワーモニタ回路113の出力が低電位(高速な伝送信号)のときは、増幅器用電源制御素子114(本実施例ではPチャネルMOS素子)は、ゲートがLowレベルとなりソースとドレイン間が導通状態となる。これにより増幅器112に電源が供給され、増幅器112は動作状態となる。
一方、光パワーモニタ回路113の出力が高電位(低速な伝送信号)のときは、増幅器用電源制御素子114(本実施例ではPチャネルMOS素子)は、ゲートがHighレベルとなりソースとドレイン間が遮断状態となる。これにより増幅器112に電源が供給されなくなり、増幅器112は非動作状態となる。
図4に伝送ゲート素子105の構成の一例を示す。入出力信号線400、401と制御入力402、その入力を反転する論理反転素子403、NチャネルMOS素子404とPチャネルMOS素子405から構成される。
制御入力402(伝送速度モニタ部101の出力信号線706に相当)が高電位になると、NチャネルMOS素子404のゲート端子は高電位となり、PチャネルMOS素子405のゲート端子は論理反転素子403のために低電位となる。これによりNチャネルMOS素子404とPチャネルMOS素子405の双方がオン状態となり、入出力信号線400と401との間が電気的に導通される。
一方、制御入力402が低電位になると、NチャネルMOS素子404のゲート端子は低電位となり、PチャネルMOS素子405のゲート端子は論理反転素子403のために高電位となる。これによりNチャネルMOS素子404とPチャネルMOS素子405の双方がオフ状態となり、入出力信号線400と401との間が電気的に遮断される。
なお、伝送ゲート素子105をNチャネルMOS素子404とPチャネルMOS素子405とを組合わせて構成したのは、伝送信号が低レベルの場合にはPチャネルMOS素子405が動作し、伝送信号のDCレベルが高レベルの場合にはNチャネルMOS素子404が動作するようにすることで、伝送信号の電位レベルが低レベルまたは高レベルのどちらでも伝送ゲート素子105が動作するようにするためである。
また、電源が供給されていない時には電気的に絶縁されているとみなせる程度(数MΩ以上)の非常に高い入力インピーダンスを持つように設計されている。
信号線500は電源(図示せず)に接続される。
信号線502は発光素子駆動回路106への伝送信号の入力線である。
抵抗503と504は終端用の抵抗素子であり、所望の入力インピーダンスとなるように抵抗値が選ばれる。
PチャネルMOS素子505、NチャネルMOS素子506、507であり、終端抵抗503、504と電源、グラウンド501の間の電気的な接続を制御する素子である。
抵抗508とNチャネルMOS素子507は、入力信号を緩衝増幅するための素子である。
信号線509は緩衝増幅された信号の出力である。
コンデンサ510は信号線502と終端抵抗503,504、NチャネルMOS素子507との間を交流結合とするためのコンデンサである。
信号線509は発光素子駆動回路後段への出力信号線である。
電源が印加されている場合、PチャネルMOS素子505のゲート端子は低電位、ソース端子は高電位となるためPチャネルMOS素子505はオン状態となる。またNチャネルMOS素子506も同様にゲート端子が高電位、ソース端子は低電位となるため、オン状態となり、終端抵抗503が電源、終端抵抗504がグラウンド501と導通状態となり、信号線502が終端される。
またNチャネルMOS素子506も同様にゲート端子がグラウンド電位、ソース端子はグラウンドを中心とした信号線502の振幅によって定まる電位となるためオン状態となり、終端抵抗503と電源がグラウンド501と絶縁状態となり、伝送信号線502が終端抵抗503,504で終端されない状態となる。また、NチャネルMOS素子507のゲート端子は高い入力インピーダンスを持つ。そのため、電源が投入されていない場合には、発光素子駆動回路106は高入力インピーダンスとなる。
信号線600は電源(図示せず)に接続される。
抵抗602は終端用の抵抗素子であり、所望の出力インピーダンスとなるように抵抗値が選ばれる。
PチャネルMOS素子603は、終端抵抗と電源間の電気的な接続を制御する素子である。
抵抗605とNチャネルMOS素子606は緩衝増幅するための素子である。その出力はNチャネルMOS604に入力される。
入力された信号は抵抗602と607の比で定まる電圧利得で増幅され、出力信号線609に出力される。
コンデンサ608は出力信号線609と出力回路部との間を交流結合とする。
各MOS素子がオン状態となるゲートとソース間の電圧は、出力信号線609上を流れる信号の振幅よりも十分に大きくなるよう選ぶ。
構成および電気的遮断のメカニズムは伝送ゲート素子105と同様である。
MEMSを用いることで機械的に伝送路遮断するため、電気的絶縁特性を高めることが出来る。また、他の回路の影響を遮断できるため、高周波特性に優れる。
図3は本願発明の光電気複合配線部品の実装形態の断面図を示す。
可撓性の基板300の裏面側に光伝送路309が形成されている。基板300は伝送信号波長において光学的に透明であり、低損失で光信号を透過することが出来る。光伝送路は信号光が伝搬するコア330と、コア330を覆うクラッド331からなる。コア330およびクラッド331の材料としては、可撓性と伝送波長での光透明性に優れたポリマ材料が望ましく、ポリイミド、エポキシ、シリコーン、アクリル系ポリマなどが良い。基板300の材料も可撓性及び光透過性を有するポリマ材料が望ましく、ポリイミド、エポキシ、シリコーン、アクリル系ポリマなどが良い。
なお、発光素子107、受光素子111は信頼性を高めるため、シリコンなどの樹脂を用いてポッティング(図示せず)して光素子及び接合部を保護することが望ましい。
また、端面332には反射性を高めるために金、アルミニウムなどの金属を蒸着などにより形成しておいても良い。
まず送信信号線103に接続された伝送速度モニタ部101にて、伝送速度が高速であることが検知される。
まず送信信号線103は、マスタ側118からスレーブ側119へ向かう伝送信号用の信号線であり、光電気複合配線部材部120へ入力される。入力された伝送信号は、光伝送系の発光素子駆動回路106と、電気伝送系の伝送ゲート素子105に送られる。
また同時に、伝送ゲート素子105は伝送速度モニタ部101からの制御信号(比較器705出力)は高電位となっているため、電気的に導通状態になるよう制御される。これにより、送信信号線103と電気伝送路110間が電気的に導通される。
受信信号線201はスレーブ側119からマスタ側118へ向かうデータの信号線であり、光電気複合配線部材部120へ入力される。
また、光伝送路309を基板300の表面では無く、基板300内に設けても良い。
101 伝送速度モニタ部
102 光伝送−電気伝送切り替え信号
103 送信信号線
105 伝送ゲート素子
106 発光素子駆動回路
107 発光素子
108 光送信器用電源制御素子
109 光伝送路
110 電気伝送路
111 受光素子
112 増幅器
113 光パワーモニタ回路
114 増幅器用電源制御素子
115 伝送ゲート素子
116 送信信号線
118 マスタ側
119 スレーブ側
120 光電気複合配線部材部
200 受信信号線
201 受信信号線
300 基板
309 光伝送路
330 コア
331 クラッド
332、334 端面
333 空気層
400 入出力信号
401 入出力信号
402 制御入力
403 論理反転素子
404 NチャネルMOS素子
405 PチャネルMOS素子
500 信号線
501 グラウンド
502 信号線
503 終端抵抗
504 終端抵抗
505 PチャネルMOS素子
506 NチャネルMOS素子
507 NチャネルMOS素子
508 抵抗
509 信号線
510 コンデンサ
600 信号線
601 グラウンド
602 終端抵抗
603 PチャネルMOS素子
604 NチャネルMOS素子
605 抵抗
606 NチャネルMOS素子
607 抵抗
608 コンデンサ
609 出力信号線
700 緩衝増幅器
701 入力信号線
702 低域通過フィルタ
703 ピークホールド回路
704 基準電圧源
705 比較器
706 出力信号線
Claims (8)
- 光信号を伝送するための光配線と、電気信号を伝送するための電気配線と、上記光配線の一端に設けられた発光素子と、上記光配線の他端に設けられた受光素子と、上記発光素子を駆動する発光素子駆動回路と、上記受光素子の受光電流を増幅する増幅器とからなる光電気複合配線部品において、
伝送信号の変調速度または伝送速度をモニタし、モニタした上記伝送信号が低速である場合には上記伝送信号を電気信号のまま伝送する電気伝送系で伝送し、モニタした上記伝送信号が高速である場合には上記伝送信号は上記光配線を経由して光伝送系で伝送するように伝送信号の伝送経路を切替える伝送路切替え機構と、
上記受光素子に流れる受光電流をモニタする光パワーモニタ回路とを有し、
上記伝送路切替え機構は、上記光パワーモニタ回路によるモニタ結果に基づいて、上記増幅器を動作状態または非動作状態に切替える増幅器用制御素子を有することを特徴とする光電気複合配線部品。 - 上記伝送路切替え機構は、電気伝送路を電気的または機械的に導通状態または非導通状態に切替える伝送ゲート素子と、上記発光素子または上記発光素子駆動回路を動作状態または非動作状態若しくはほぼ非動作状態に切替える光送信器用制御素子とを有することを特徴とする請求項1に記載の光電気複合配線部品。
- 上記伝送信号の変調速度または伝送速度が低速または高速であることを判別し、上記伝送信号の変調速度または伝送速度に応じて制御信号を出力する伝送速度モニタ部を有し、上記制御信号により伝送信号の伝送経路が切替えられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光電気複合配線部品。
- 上記伝送信号が低速である場合には上記伝送信号を電気信号のまま伝送する電気伝送系で伝送し、上記伝送信号が高速である場合には上記伝送信号は光送受信部を経由して光伝送系で伝送する光電気複合配線部品において、上記電気伝送系および上記光伝送系共にマスタ側からスレーブ側への片方向の伝送構成であることを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載の光電気複合配線部品。
- 上記伝送信号が低速である場合には上記伝送信号を電気信号のまま伝送する電気伝送系で伝送し、上記伝送信号が高速である場合には上記伝送信号は上記光送受信部を経由して光伝送系で伝送する光電気複合配線部品において、上記電気伝送系は半2重通信によるマスタ側とスレーブ側との双方向伝送構成であり、上記光伝送系はマスタ側からスレーブ側への片方向の伝送構成であることを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載の光電気複合配線部品。
- 上記発光素子駆動回路および上記増幅器の入力インピーダンスは、非動作時には電気的に絶縁とみなされる程度のインピーダンスを有し、動作時には入力される信号線のインピーダンスとほぼ整合がとられていることを特徴とする請求項1から請求項5いずれかに記載の光電気複合配線部品。
- 請求項1から請求項6いずれかに記載の光電気複合配線部品において、少なくとも上記電気配線と上記光配線は可撓性を有する基板に実装または配置されていることを特徴とする光電気複合配線部品。
- 複数の電子デバイスを搭載した電子機器内で、上記電子デバイスと他の上記電子デバイス間の信号伝送を行う伝送部品として請求項1から請求項7いずれかに記載の光電気複合配線部品を用いたことを特徴とする電子機器。
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