JP5221875B2

JP5221875B2 - ＳｉＡｌＯＮをベースとする材料

Info

Publication number: JP5221875B2
Application number: JP2006522326A
Authority: JP
Inventors: ビッターリッヒベルント; フリードリヒキリアン; モヴライウルリヒ
Original assignee: Ceramtec GmbH
Current assignee: Ceramtec GmbH
Priority date: 2003-08-07
Filing date: 2004-08-06
Publication date: 2013-06-26
Anticipated expiration: 2024-08-06
Also published as: WO2005016847A1; KR101181548B1; US20070010392A1; CA2534321C; US7514383B2; EP1656331A1; KR20060125680A; BRPI0413423A; JP2007501759A; WO2005016847A8; CA2534321A1

Description

本発明は、ＳｉＡｌＯＮをベースとする材料、その製造および使用に関する。

公知のＳｉ_３Ｎ_４切削材料およびＳｉＡｌＯＮ切削材料は、通常の長い連続的な切削の際に刃先で最初は極めて迅速にねずみ鋳鉄（ＧＧ）の状態で丸みを付けられ、このことは、初期磨耗と呼称される。

従って、本発明の課題は、公知の切削材料の前記欠点を排除することである。

本発明によれば、前記課題は、成分ＡとＢとからなる材料を準備することによって解決され、この場合Ａは、α／β−ＳｉＡｌＯＮを表わし、Ｂは、硬質材料を表わす。この場合、本発明による材料は、成分Ａを７０〜９７体積％、特に８０〜９５体積％、特に有利に８４〜９１体積％および成分Ｂを３〜３０体積％、特に５〜２０体積％、特に有利に９〜１６体積％含有する。

本発明により使用される成分Ａの粗製材料混合物は、主要成分Ｓｉ_３Ｎ_４、ＡｌＮ、他の添加剤、例えばＡｌ_２Ｏ_３、Ｙ_２Ｏ_３、Ｓｃ_２Ｏ_３、希土類酸化物およびＬｉ、Ｃａ、Ｍｇ、Ｓｒを含有する微少量の化合物からなる。比較可能な混合物は、既にドイツ連邦共和国特許出願公開第３５１１７３４号明細書Ａ１の記載から公知である。本発明による材料は、１８００〜２０００℃の温度および０．５〜５時間の最大温度での保持時間で熱処理中に上記の粗製材料混合物および添加された硬質材料から生成される。

成分Ａは、α−ＳｉＡｌＯＮおよびβ−ＳｉＡｌＯＮならびに無定形または部分結晶された粒子境界相からなる。前記材料の焼結された状態で焼結体のＳｉＡｌＯＮ相は、内部で１０〜９０体積％、特に１２〜６０体積％、特に有利に１５〜５０体積％のα−ＳｉＡｌＯＮ含量およびβ−ＳｉＡｌＯＮ９０〜１０体積％、特に８８〜４０体積％、特に有利に８５〜５０体積％のβ−ＳｉＡｌＯＮ含量からなる。α−ＳｉＡｌＯＮおよびβ−ＳｉＡｌＯＮの含量は、Ｘ線回折計による撮影につき測定される（Gazzara and Messier, J. Am. Ceram. Soc. Bull. 56 (1977)による）。

粒子境界相の含量は、１０体積％未満、特に５体積％未満である。粒子境界相は、無定形であることができるが、しかし、好ましくは、部分結晶であることができる。焼結体の内部中でのＡの組成は、公知であるように、製造パラメーター、例えば粉末混合物の組成、炉内での焼結条件、るつぼ材料、ガス種、温度および焼結時間によって変動されてもよい。成分Ａにおいては、焼結体の表面と焼結体の内部との間には、勾配が存在していてもよく、したがって所謂耐火性表面として１００％までがα−ＳｉＡｌＯＮを含有する。

成分Ａ中での勾配は、焼結体の表面が内部または表面よりも急速に冷却され、前記表面の化学組成の点で雰囲気との反応によって変化される場合に、一定の条件下で生じうる。α−ＳｉＡｌＯＮに富んだ表面は、堅固な核を有する硬質外層を生じる。

硬質材料、成分Ｂ、としては、例えばＳｉＣ、Ｔｉ（Ｃ、Ｎ）、ＴｉＣ、ＴｉＮ、周期律表（ＰＳＥ）の第ＩＶｂ族、第Ｖｂ族およびＶＩｂ族の元素の炭化物および／または窒化物ならびに炭化スカンジウムおよび／またはオキシ炭化スカンジウムまたは記載された硬質材料からの混合物が使用されてよい。硬質材料は、熱処理中に粒子間および／または粒子内、即ちＳｉＡｌＯＮ粒子間ならびにＳｉＡｌＯＮ粒子中に堆積され、熱処理中、変化しない。従って、使用される硬質材料粒子の寸法は、他の組織成分、α−ＳｉＡｌＯＮ粒子およびβ−ＳｉＡｌＯＮ粒子の寸法を上廻らない。それというのも、硬質材料は、さもないと本発明による材料の機械的性質を劣化させるからである。これは、硬質材料の平均粒径が３０μｍ未満、特に１５μｍ未満、特に有利に５μｍ未満であることを意味する。硬質材料粒子は、球状粒子、小板またはホイスカーであることができ、特に好ましいのは、球状粒子である。

α−ＳｉＡｌＯＮ粒子およびβ−ＳｉＡｌＯＮ粒子の最大寸法は、９０μｍ未満、特に６５μｍ未満であり、特に有利には５０μｍ未満である。公知の材料の場合には、通常、小さな粒径を努力して達成されるけれども、本発明による材料の場合には、通常、使用特性はあまり粒径に影響を及ぼさないことが判明した。

無定形の粒子境界相を結晶化させるための熱処理は、可能であり、むしろ、好ましい。公知であるように、製造パラメーター、例えば粉末混合物の組成、焼結条件、例えば温度、ガス組成、ガス圧力、時間経過、絶縁材料およびるつぼ材料に応じて、結晶相、特に有利にアルミニウム含有メリライトまたは二珪酸塩が生じる。

公知の材料に対する本発明による材料の利点は、１５５０ＨＶ１０を上廻るよりいっそう高い硬度、ひいてはよりいっそう高い磨耗抵抗である。

更に、本発明による材料は、刃先の温度が上昇するような高い切削速度の場合も、よりいっそう高い熱硬度、即ちよりいっそう高い磨耗抵抗を有する。

更に、ガラス相と加工すべき未完成製品の材料との化学反応は、切削速度が高い場合であっても本質的に僅かである。

本発明による材料は、公知の磨耗を減少させる層、例えばＡｌ_２Ｏ_３、ＴｉＮまたはＴｉＣで被覆されていてよく、このことは、耐磨耗性を上昇させる。

本発明による材料は、自体公知の方法により、例えば高効率のセラミック成分、殊にＳｉＡｌＯＮ材料の場合にも使用されるように、粉末混合、成形、焼結および研磨により製造されることができる。

焼結の場合のガス雰囲気は、不活性であり、Ｎ_２またはＮ_２と別の不活性ガス、例えばＡｒとからなる混合物であることができる。

次の表中には、本発明による材料の組成の実施例が記載されている。それぞれ高い硬度は、注目すべきである。

公知のＳｉ_３Ｎ_４切削材料およびＳｉＡｌＯＮ切削材料は、明灰色ないし暗灰黒色であるけれども、本発明による材料は、ＳｉＣの添加の際に灰緑色であり、Ｔｉ（Ｃ、Ｎ）の添加の際に灰褐色である。

本発明による材料は、切削材料としてねずみ鋳鉄の加工時に通常の長い連続的な切削の際に意外なことに公知の切削材料の欠点、初期磨耗、を示さず、可使時間が終結するまで鋭利な縁部を維持する。更に、本発明による材料が意外なことに所謂”ノッチ磨耗（Kerbverschleiss）”の場合にも有利であることが証明されることが確認された。
特に侵食性の鋳肌を有するねずみ鋳鉄を切削する場合には、これまで公知の切削材料では短時間後に深いノッチが形成される。この磨耗は、主に化学的磨耗、即ち切削工具の材料と未完成製品の材料との化学反応によって惹起される。これとは異なり、本発明による材料は、著しく長い可使時間後に初めてこの種の磨耗を示す。

２つの図面、図１および図２の記載から、本発明による材料、”新規の切削材料”の利点は、窒化ケイ素からなる材料、”参考例”、と比較して明らかである。図１においては、主要な刃での磨耗幅、”ＶＢＨ”、は、切削の回数に依存して記載されている。ＧＧ１５からなるフリクションディスクを送り”ｆ＝０．５ｍｍ／Ｕ”および送出し（切削深さ）”ａｐ＝２．０ｍｍ”を有する切削速度（刃に接する回転部材の周速）、”ｖｃ＝１０００ｍ／分”で回転させた。

図２には、角部の磨耗幅、”ＶＢＥ”、ノッチ磨耗が、鋳肌を有する合金化されたねずみ鋳鉄、ＧＧ２５、の回転時に切削の回数に依存し、同様に窒化ケイ素からなる切削工具と比較して図示されている。送り”ｆ＝０．５ｍｍ／Ｕ”および送出し（切削深さ）”ａｐ＝２．０ｍｍ”を有する”ｖｃ＝８００ｍ／分”の切削速度（刃に接する回転部材の周速）で回転させた。

また、切削材料としての使用と共に、別の使用分野での使用も考えることができ、この場合には、高い耐摩耗性が生じ、場合によっては、なお材料の熱的応力および化学的応力が発生する。即ち、本発明による材料をパッキンリングとして有利に使用することを考えることができるかまたは燃料ポンプおよび冷却剤ポンプ中、コンプレッサー、ターボ・スーパー・チャージャー、熱交換器および空調装置中に使用することを考えることができる。

主要な刃での磨耗幅、”ＶＢＨ”、を、切削の回数に依存して窒化ケイ素からなる切削工具と比較して記載した線図。角部の磨耗幅、”ＶＢＥ”、ノッチ磨耗を、鋳肌を有する合金化されたねずみ鋳鉄、ＧＧ２５、の回転時に切削の回数に依存して、窒化ケイ素からなる切削工具と比較して記載した線図。

Claims

α−ＳｉＡｌＯＮおよびβ−ＳｉＡｌＯＮならびに部分結晶の粒子境界相からなる成分Ａ８０〜９５体積％と、球状の平均粒径５μｍ未満の硬質材料からなる成分Ｂ５〜２０体積％とを有する材料であって、
この材料は、焼結体中で外側から内側に向かって低下しているα−ＳｉＡｌＯＮ勾配を有し、焼結された表面と１５５０ＨＶ１０を上廻る硬度を有した焼結体であり、前記焼結された表面は１００％までの含量でα−ＳｉＡｌＯＮを有し、
前記硬質材料はＳｉＣであって焼結後にそのままの状態を有し、
前記粒子境界相は、含量が１０体積％未満で、アルミニウム含有メリライトまたは二珪酸塩の結晶相を有し、
前記焼結体は、内部で１５〜５０体積％のα−ＳｉＡｌＯＮと５０〜８５体積％のβ−ＳｉＡｌＯＮを有している材料。
粒子境界相の含量が５体積％未満である、請求項１記載の材料。
粒子境界相がアルミニウム含有メリライトを含有する、請求項１記載の材料。
α−ＳｉＡｌＯＮ粒子およびβ−ＳｉＡｌＯＮ粒子の最大寸法が９０μｍ未満である、請求項１記載の材料。
材料が磨耗を減少させる層で被覆されている、請求項１記載の材料。
粉末混合、成形、焼結および研磨による、請求項１記載の材料の製造法。
成分Ａは熱処理中に１８００〜２０００℃の温度および０．５〜５時間の最大温度での保持時間で生成される、請求項６記載の方法。
焼結は、不活性雰囲気で行なわれる、請求項６記載の方法。
請求項６の製造法により製造された材料。
磨耗を減少させる層が、Ａｌ _２Ｏ _３、ＴｉＮまたはＴｉＣの少なくとも１つを有する、請求項５記載の材料。
焼結は、Ｎ_２またはＮ_２と別の不活性ガスとからなる混合物を含有するガス雰囲気で行なわれる、請求項８記載の方法。
不活性ガスがアルゴンを含有する、請求項８記載の方法。
α−ＳｉＡｌＯＮおよびβ−ＳｉＡｌＯＮならびに部分結晶の粒子境界相からなる成分Ａ８０〜９５体積％と、球状の平均粒径３０μｍ未満の硬質材料からなる成分Ｂ５〜２０体積％とを有する材料であって、
この材料は、焼結体中で外側から内側に向かって低下しているα−ＳｉＡｌＯＮ勾配を有し、焼結された表面と１５５０ＨＶ１０を上廻る硬度を有した焼結体であり、前記焼結された表面は１００％までの含量でα−ＳｉＡｌＯＮを有し、
前記硬質材料はＳｉＣであって焼結後にそのままの状態を有し、
前記粒子境界相は、含量が１０体積％未満で、アルミニウム含有メリライトまたは二珪酸塩の結晶相を有し、
前記焼結体は、内部で１５〜５０体積％のα−ＳｉＡｌＯＮと５０〜８５体積％のβ−ＳｉＡｌＯＮを有している材料。
硬質材料の平均粒径１５μｍ未満である、請求項１３記載の材料。