JP5221784B2 - 電子機器用外観ケース - Google Patents

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本発明は、携帯電話などの電子機器の表面を覆う外観ケースに係わり、特にケースを形成する合成樹脂の内部に導体パターンを実装した電子機器用外観ケースに関する。
近年、携帯電話やデジタルオーディオプレーヤなどの携帯端末型の電子機器は、より高機能化、小型化および薄型化が推進されている。
このため、このような電子機器では、外観ケース(筐体)の内部に搭載されるプリント基板についても、常に小型で且つ薄型であることが要求される。
例えば下記の特許文献1には、プリント基板が複数のビスで固定された携帯電話装置が記載されている。
特開平2002−27056号公報
しかし、電子機器の内部に単にプリント基板を固定しただけの従来の構成では、電子機器の小型化または薄型化を実現することは困難である。
すなわち、特許文献1に記載のものでは、プリント基板をケースの内側にそのまま実装するタイプであるため、実装部品や回路構成の低減なくしてプリント基板の面積のみを小さくするには限界がある。したがって、実装部品が多い場合には、あらかじめ指定されたプリント基板上に実装しきれないという問題が生じる。
また非接触型の静電センサを形成する検知電極などを搭載した電子機器においては、該検知電極がケースの裏面に貼り付けなどの手段で固定されるが、ケース表面に形成された操作位置を示す表示部と該検知電極とが位置ずれを起こすと、表示部を操作したにもかかわらず、静電センサがその操作を検知することができない(操作性が低い)という問題も生じる。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ケースに導体パターンを設けることにより、小型化または薄型化を実現することが可能な電子機器用外観ケースを提供することを目的としている。
本発明は、電子機器の筐体の一部を構成し、前記筐体の外に向けられる表面と前記筐体の内部に向けられる裏面を有する電子機器用外観ケースにおいて、
前記表面に設けられた第1のフィルムと、前記裏面に設けられて導電パターンを備えた可撓性第2のフィルムと、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとの間に位置する合成樹脂製のベースとを有し
前記第1のフィルムが前記表面に露出した状態で、前記第1と第2のフィルムが前記ベースに埋設されて一体化されており、
前記表面が凸形状に形成され前記裏面が凹形状に形成されて、前記第2のフィルムが前記裏面の凹形状に倣って湾曲していることを特徴とするものである。
本発明では、外観ケース側にプリント基板としての機能を持たせることができるため、筐体内部に別に設けたプリント基板の実装密度を低減することが可能となり、電子機器全体の小型化、あるいは薄型化を図ることができる。
本発明は、前記導電パターンの一部が、前記ベースの側部の裏面の凹曲面に設けられているものにできる。例えば、前記側部の凹曲面に設けられた前記導電パターンの一部静電センサ用の電極部である。
本発明は、前記表面には、静電用の前記電極部に対向する位置に表示部が設けられるものとして構成できる。
また、前記第2のフィルムに、前記導電パターンの一部で形成されたXセンサ電極とYセンサ電極を有して座標データを得るタッチセンサ部が形成されており、前記表面に、前記タッチセンサ部に重なるタッチ表示部が設けられる。
本発明は、前記導電パターンに電子部品が実装されるものとすることが可能である。
本発明では、電子機器の筐体内に配設されるプリント基板の実装密度を低減することが可能となるため、電子機器全体の小型化、あるいは薄型化を図ることができる。
またケースの表面側に設けられた表示部と裏面側に設けられた電極部との間の距離を含んだ位置精度が向上でき、操作性に優れた静電式のタッチセンサを備えた外観ケースとすることができる。
本発明の実施の形態を示す電子機器の構成を示す分解斜視図、 上部ケースの構成を示す分解斜視図、 上部ケースの裏面側を示す斜視図、 第1の製造方法における第3の工程を示す断面図、 第2の製造方法における第3の工程を示す断面図であり、(A)は先の工程を示す断面図、(B)は(A)で形成される第1のベースに埋設された状態の第1のフィルムを示す断面図、(C)は後の工程を示す断面図、(D)は(C)で形成される上部ケースを示す断面図、
図1は本発明の実施の形態を示す電子機器の構成を示す分解斜視図、図2は上部ケースの構成を示す分解斜視図、図3は上部ケースの裏面側を示す斜視図である。
図1に示す電子機器1は携帯電話機を示している。
電子機器1は図示手前(a)側に設けられた上部ケース10と、奥部(b)側に設けられた下部ケース50とを有している。上部ケース10と下部ケース50の内側とを対向させた状態でねじ止め等の手段を用いて連結することにより、電子機器1の外観を成す筐体(外観ケース)が形成される。なお、この実施の形態においては、上部ケース10が、本発明における外観ケースを構成するものとなっている。
上部ケース10と下部ケース50との間には、枠状のフレーム30が設けられている。そして、この上部ケース10とフレーム30との間には液晶などからなる表示装置20が保持され、フレーム30と下部ケース50との間には回路基板の中心をなすプリント基板40が保持されている。
すなわち、フレーム30は、手前(a)側に表示装置20を備え、奥(b)側にプリント基板40を備えた状態で、前記上部ケース10と下部ケース50との間に固定されている。
上部ケース10は、透明で且つ光を透過する四角形状の透過部10Aを有しており、表示装置20の前面はこの透過部10Aに対向して配置されている。
図2に示すように、上部ケース10は複数の合成樹脂を板厚方向に重ねた積層構造をしている。すなわち、上部ケース10は成型体として形成されたベース11と、このベース11の一方の面である前面(a)側に設けられた第1のフィルム12と、ベース11の他方の面である裏面(b)側に設けられた第2のフィルム13とが一体に積層されて形成されている。
ベース11は、所定の金型内に溶融状態のポリカーボネートやアクリル等の合成樹脂材料を注入することによる射出成型法で形成された透明な成型体として形成されている。ベース11の上半分には、上部ケース10の透過部10Aを形成する表示領域11Aが設けられている。またベース11の下半分にはセンサ領域11Bが設けられ、さらに表示領域11Aの左側部および下側部には、Yスライド領域11CおよびXスライド領域11Dが設けられている。
第1のフィルム12は、ポリエステルフィルム(PETフィルム)等の可撓性を有する透明な絶縁性の樹脂フィルムで形成されており、その裏面((b)側の面)には所定の色(カラーリング)や模様などが施されている。第1のフィルム12の、表示領域11Aと対向する部分は四角状の光透過部12Aが形成されている。光透過部12Aは樹脂フィルムを角状に切り欠いた開口部として形成されていてもよいし、その部分だけ着色せずに、透明な樹脂フィルムを露出させたものであってもよいが、本実施の形態では、後者の構成としている。この光透過部12Aおよび表示領域11Aを介して、表示装置20に表示された画像が外部から視認される。
また第1のフィルム12の裏面((b)側の面)で、かつ前記センサ領域11Bと重なる位置にはタッチ表示部12Bが設けられている。タッチ表示部12Bには、指で操作するときの操作位置を示す文字、記号、図形などが表示されている。操作者は前記タッチ表示部12Bに表示された文字等を見ながら、該当する位置を押圧あるいは、触れることにより、当該文字等を入力することが可能である。
なお、上記のように、カラーリングや操作位置を示す文字、記号、図形等を形成する面は、磨耗等による消失を考慮した場合、第1のフィルム12の裏面側に形成することが好ましいが、第1のフィルム12の表面側に消失を防止する保護膜などを形成する場合にあっては、カラーリングや操作位置を示す文字、記号、図形等を第1のフィルム12の表面側に形成する構成とすることもできる。
第1のフィルム12上で、且つベース11に形成されたYスライド領域11CおよびXスライド領域11Dと対応する位置には、Yスライド表示部12CおよびXスライド表示部12Dが設けられている。Yスライド表示部12CおよびXスライド表示部12Dは、例えば第1のフィルム12の一部に、非着色部を枠状に形成し、縦長状および横長状の長方形に縁取ることによって透明フィルムを部分的に露出させることにより形成されている。あるいは、周囲の色と異なる色で着色することにより、Yスライド表示部12CおよびXスライド表示部12Dとするものであってもよい。
第2のフィルム13は、ポリイミドフィルム、あるいはポリエステルフィルム(PETフィルム)など、可撓性を有する絶縁性フィルムシートで形成されている。第2のフィルム13には表示領域11Aに対応する位置に開口部13Aが形成され、それ以外の部分には複数の電極部、及びこれら複数の電極部に接続される導体パターンが形成され、さらにはその他の電子チップ部品などが固定されている。電極部及び導体パターン等の導電パターンは、例えばフィルムの上に金、銀あるいは銅などからなる細い導電性を有するパターン(導線)をスクリーン印刷することにより、あるいはエッチング処理することにより形成される。
第2のフィルム13上で、センサ領域11Bと対向する位置には静電容量式のタッチセンサ部13Bが形成されている。タッチセンサ部13Bは、例えば縦方向に延びるとともに横方向に所定の間隔で配置される複数のYセンサ電極(一方の電極)と、横方向に延びるとともに縦方向に所定の間隔で配置される複数のXセンサ電極(他方の電極)とで形成されている。第2のフィルム13の表面(図2の(a)側の面)にYセンサ電極が形成され、裏面にXセンサ電極が形成されており、両者はマトリックス状に直交配置されている(図示せず)。あるいは、図3に示すように、櫛歯を有する一方のセンサ電極14と、同じく櫛歯を有する他方のセンサ電極15とが、互いの櫛歯が接触しないように同一平面上に交互に配置された構成であってもよい。
タッチセンサ部13Bでは、ベース11及び第1のフィルム12を介して近接する指などの導電性の指示体と一方の電極との間、及び該指示体と他方の電極との間にそれぞれ静電容量が形成される。指などの導電性の指示体を、タッチ表示部12Bおよびセンサ領域11Bを介してタッチセンサ部13Bに近づけると、指示体とこの指示体が近づいた部分に対応する一方の電極との間、及び、指示体と対応する他方の電極との間の静電容量がそれぞれ変化する。図示しない制御部が、これらの静電容量の変化を検出することにより、タッチセンサ部13Bにおける指の位置が座標データとして検出される。この座標データに基づいて、表示装置20に表示されるカーソルの位置などが決められる。そして、指の位置を移動させると、座標データが変化するため、それに応じてカーソルの位置が移動させられる。
開口部13Aの左端には小面積からなるYスライド検出電極13a,13b,13cおよび13dが縦方向に並んで配置されている。同様に、開口部13Aの下端にも小面積からなるXスライド検出電極13e,13f,13gおよび13hが横方向に配設されている。
Yスライド検出電極13a,13b,13cおよび13dはYスライド領域11Cに対向して配置され、Xスライド検出電極13e,13f,13gおよび13hはXスライド領域11Dに対向して配置されている。なお、Yスライド検出電極13a〜13d、及びXスライド検出電極13e〜13hは、いずれも第2のフィルム13の表面である一面(図2の(a)側の面)に形成されている。
例えば、操作者の指など導電性の指示体を、第1のフィルム12上のYスライド表示部12Cに接近させると、指示体とYスライド検出電極13a,13b,13cおよび13dとの間に静電容量が形成される。そして、指示体をYスライド表示部12C上で、縦方向に移動させると、指示体と個々のYスライド検出電極13a,13b,13cおよび13dとの間に形成されている静電容量がそれぞれ変化する。図示しない制御部が、静電容量の変化の状況を時系列的に検知することにより、指示体の移動方向を示す検知データが得られる。そして、制御部は、この検知データに基づいて、例えば表示装置20に表示された画面が上下方向にスクロールさせられる、あるいはカーソルが上下方向に移動させられる。なお、Xスライド表示部12Dについても同様である。
図3に示すように、第2のフィルム13には、その一部が側方に突出された延出部13Eが設けられている。延出部13Eには、第2のフィルム13の各電極部などから延びる複数の導電パターンが所定の間隔を置いて密集配置されている。延出部13Eは、第2のフィルム13から側方に引き出され、さらに上部ケース10の内側に折り返されており、その先端はプリント基板40に接続される。なお、延出部13Eの先端とプリント基板40とは、図示しないコネクタを介して接続され、延出部13Eに形成された導電パターンとプリント基板40の配線パターン(図示せず)とが導通接続される。なお、延出部13Eは、プリント基板40に対して直接的に接続されていてもよい。
このように、本願発明では、プリント基板40以外の、外観ケースを形成する上部ケース10内に導電パターンを配線することができる。換言すれば、電子機器を覆う外観ケース自体にプリント基板としての機能を持たせることができる。このため、上部ケース10側に、例えば、表示部を照光するためのLED等の電子部品を実装することにより、プリント基板40側の実装密度を低くすることができ、小型化または薄型化することが可能となる。
しかも、上部ケース10の裏面側には、静電式のタッチセンサを形成する各電極部、すなわち一方の電極、他方の電極、Yスライド検出電極13a,13b,13c,13dおよびXスライド検出電極13e,13f,13g,13hなどを備え、これに対応する上部ケース10の表面側には、タッチ表示部12B、Yスライド表示部12CおよびXスライド表示部12Dを備えるというように、上部ケース10の両面側に、センサ自体を形成する電極部と操作位置を示す表示部とを対応させた状態で一体的に形成することができる。すなわち、本実施の形態においては、表示部と静電センサ用の電極部とを、ベース11を介して対向配置させている。このため、上部ケース10の表面側(本実施の形態では、第1のフィルム12の裏面側)に設けられた表示部と、上部ケース10の裏面側(本実施の形態では、第2のフィルム13の少なくとも一面側)に設けられたセンサとの位置ずれを防止することが可能である。
さらに、静電式のタッチセンサを形成する各電極部と、操作体が接触する表示部までの距離は、ベース11の板厚で定まるため、ばらつきを低減して、上部ケース10の所定の板厚寸法に設定することが可能である。このため、タッチセンサの検出精度を高めることができる。
次に、外観ケースの製造方法について説明する。
図4は第1の製造方法における第3の工程を示す断面図である。
第1の工程では、ポリエステルフィルム等の透明な可撓性を有する第1のフィルム12の裏面((b)側の面)に、タッチ表示部12B等に文字、記号、図形などを印刷し、さらに所定のカラーを施す。
第2の工程では、ポリイミドフィルム、あるいはポリエステルフィルム等の可撓性を有する第2のフィルム13の表裏面に所定の導電パターン、すなわち複数の一方の電極、他方の電極、Yスライド検出電極13a,13b,13c,13d、Xスライド検出電極13e,13f,13g,13hおよび延出部13Eまで延びる導電パターンをそれぞれエッチングあるいは印刷により形成する。さらに第2のフィルム13の周囲を所定の形状にカットし、中央部に開口部13Aを形成する。
なお、第1の工程と第2の工程とはいずれを先に行うものであってもよい。
第3の工程では、上部ケース10の製造を、例えば図4に示すような雌金型61と雄金型62とからなる第1の金型を用いて行う。
まず、雌金型61内に、表面((a)側の面)を凹部61Aに向けた状態で第1のフィルム12が設置されるとともに、雄金型62の凸部62A上(図4では右側)に第2のフィルム13が配置される。
次に、第1の金型の型閉めが行われ、雌金型61に、雄金型62が設置される。この状態では、図4に示すように、雌金型61の凹部61Aと雄金型62の凸部62Aとが対向する部分に、所定の隙間寸法Dからなるキャビティ63が形成される。第1のフィルム12と第2のフィルム13とはこのキャビティ63内に対向配置されている。
次に、溶融状態にあるポリカーボネートやアクリル等の透光性を有する熱可塑性の樹脂11aがゲート64からキャビティ63内に注入される。溶融樹脂11aが冷却されて固化すると、第1のフィルム12と第2のフィルム13とが溶融樹脂11aが固化してなるベース11内に埋設される。このとき、溶融樹脂11aが固化した後のベース11と、その前面(a)側に設けられる第1のフィルム12と、背面(b)側に設けられる第2のフィルム13とがベース11とともに一体成型されて上部ケース10が形成される。なお、少なくとも第1のフィルム12の表面((a)側の前面)はベース11上に露出された状態で成型される。
また外観ケースである上部ケース10は、以下に示すように二段階に分けて製造されるものであってもよい。
図5は第2の製造方法における第3の工程を示す断面図であり、(A)は先の工程を示す断面図、(B)は(A)で形成される第1のベースに埋設された状態の第1のフィルムを示す断面図、(C)は後の工程を示す断面図、(D)は(C)で形成される上部ケースの断面図である。
第2の製造方法においても第1の工程および第2の工程を有するが、第1の工程および第2の工程は上記第1の製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
第2の製造方法の第3の工程は、先の工程と後の工程の二段階の工程を有する。先の工程では雌金型71と雄金型72からなる第2の金型が使用され、後の工程では雌金型71と雄金型73からなる第3の金型が使用される。つまり、雌金型71は先の工程および後の工程に共通に使用される。なお、雄金型72と雄金型73とはゲート74,75の位置が異なる。
図5(A)に示す先の工程では、雌金型71と雄金型72とからなる第2の金型が使用される。まず、雌金型71と雄金型72との間に第1のフィルム12が設置される。そして、雌金型71と雄金型72との間のキャビティ内で且つ第1のフィルム12の裏面(b)となる側に、雄金型72に形成されたゲート74から溶融状態のポリカーボネートやアクリル等の透光性を有する熱可塑性樹脂からなる第1の溶融樹脂11aが注入される。
図5(B)に示すように、冷却・固化後、雌金型71と雄金型72との間から、第1の溶融樹脂11aが固化してなる第1のベース11a’に埋設された状態の第1のフィルム12が得られる。
後の工程では、雌金型71と雄金型73とからなる第3の金型が用いられる。図5(C)に示すように、先の工程で形成された第1のベース11a’を備えた第1のフィルム12を雌金型71内に設置する。このとき、第1のベース11a’に埋設された第1のフィルム12は、第1のフィルム12の表面(a)側を雌金型71の凹部71Aに向けた状態で設置される。そして、雄金型73の凸部73A上(図5(C)では右側)に第2のフィルム13が配置され、第3の金型の型閉めが行われる。この状態では、第1のフィルム12を埋設した第1のベース11a’と第2のフィルム13とが、雌金型71の凹部71Aと雄金型73の凸部73Aとで画成されるキャビティ内76で対向配置される。
次に、第1の溶融樹脂11aと同一の材料からなる第2の溶融樹脂11bが、雄金型73に形成されたゲート75からキャビティ76内に注入される。このとき、第2の溶融樹脂11bは、キャビティ76内で且つ前記第1のベース11a’と第2のフィルム13との間の空間に入り込む。
そして、図5(D)に示すように、第2の溶融樹脂11bが冷却・固化することにより第2のベース11b’が形成されるが、第2のベース11b’は第1のベース11a’と同じ合成樹脂で形成されているため、第2のベース11b’は第1のベース11a’と容易に一体化される。このため、上部ケース10の強度を高めることができる。
第1のフィルム12は、その表面((a)側の前面)を除く部分が第1の溶融樹脂11aが固化してなる第1のベース11a’内に埋設される。また、第1のフィルム12を埋設した第1のベース11a’は、第2の溶融樹脂11bが固化してなる第2のベース11b’と一体化されてベース11を構成するとともに、第2のフィルム13は、第2のベース11b’内に埋設される。
これにより、第1のベース11a’と第2のベース11b’とからなるベース11と、これらの表面側(前面側)に設けられる第1のフィルム12と、裏面側(背面側)に設けられる第2のフィルム13とが一体成型された上部ケース10が完成する。
上記の第2の製造方法では、樹脂の注入を二段階に分けて製造されるが、雌金型71については共通化することができるため、金型の製造コストを抑えることが可能である。
しかも、溶融樹脂を二段階に分けて注入すると、金型内に、成型体のベースに埋設されていない状態の第1のフィルム12と第2のフィルム13とが対向して配置されることはない。このため、金型内に配置される2枚のフィルムを同時に管理する必要はなくなるため、樹脂成型時に、溶融樹脂11aが第1のフィルム12の表面や、第2のフィルム13の背面など、本来的には溶融樹脂11aが入り込むことを必要としない部分に回り込んでしまうことによる不良の発生を低減でき、歩留りを向上させることが可能となる。
また、第1の溶融樹脂11aと第2の溶融樹脂11bとが同じ樹脂であるため、第1のベース11a’と第2のベース11b’との間に界面がほとんど生じることなく、両者を確実に一体化させて、一つのベース11となすことができる。また、第1と第2の溶融樹脂11a,11bが光を透過する透光性の樹脂であり、上部ケース10の裏面側の導電パターンに、例えばLED等の発光素子を搭載した場合には、その光が、第1のベース11a’と第2のベース11b’とが界面を生じることなく一体化されていることから、界面による影響をほとんど受けずに、上部ケース10の表面側を照光することが可能となる。
なお、上記第1及び第2のいずれの製造方法においても、第2のフィルム13に形成された延出部13Eは、第1の金型および第3の金型の外部に引き出した状態で上部ケース10の成型が行われる。したがって、延出部13Eは、ベース11(第1のベース11a’および第2のベース11b’)や、第1のフィルム12を有しないため、充分な可撓性を有することが可能である。
また、複数の第1のフィルム12を長い帯状のキャリアフィルム(キャリアテープ)に剥離可能に、所定の間隔を設けた状態で連続して貼り合わせておき、連続体からなる該キャリアフィルムと共に個々の第1のフィルム12を金型内に配置して、成型加工するようにしてもよい。この場合には、第1のフィルム12や成型後の上部ケース10の取扱いが容易となると共に、生産性の高いものとすることができる。
さらに、上記いずれの製造方法においても、第1のフィルム12や第2のフィルム13をいずれかの金型内に設置する前工程として、各フィルムに熱を加えてプレフォーミングを行うことが好ましい。あらかじめフィルムに対してプレフォーミングを行っておくと、各フィルムを金型内に正確に設置することができるようになる。これにより、溶融樹脂を狭いキャビティ内の隅々まで行き届かせることができ、成型時の完成度を高めることが可能となる。すなわち、不良品の発生を抑えるとともに上部ケース10の品質を高めることができる。
上記実施の形態では、第1のフィルム12が、透明なシートフィルムの裏面にカラーを印刷して着色するようにしたものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、シートフィルムが初めから所定の色を有するものであってもよく、このような有色のシートに光透過部12Aを開口部で形成したものであってもよい。
また上記製造方法では、上部ケース10を形成する場合を例示して説明したが、下部ケース50の成型に用いるものであってもよい。
1 電子機器
10 上部ケース(外観ケース)
10A 透過部
11 ベース
11A 表示領域
11B センサ領域
11C Yスライド領域
11D Xスライド領域
11a 溶融樹脂(第1の溶融樹脂)
11a’ 第1のベース(第1の溶融樹脂の固化後のもの)
11b 第2の溶融樹脂
11b’ 第2のベース(第2の溶融樹脂の固化後のもの)
12 第1のフィルム
12A 光透過部
12B タッチ表示部(表示部)
12C Yスライド表示部(表示部)
12D Xスライド表示部(表示部)
13 第2のフィルム
13A 開口部
13B タッチセンサ部
13E 延出部
13a〜13d Yスライド検出電極
13e〜13h Xスライド検出電極
20 表示装置
30 フレーム
40 プリント基板
50 下部ケース
61 雌金型(第1の金型)
62 雄金型(第1の金型)
61A 雌金型の凹部
62A 雄金型の凸部
63 キャビティ
64 ゲート
71 雌金型(第2,第3の金型に共通)
72 雄金型(第2の金型)
73 雄金型(第3の金型)
75 ゲート

Claims (6)

  1. 電子機器の筐体の一部を構成し、前記筐体の外に向けられる表面と前記筐体の内部に向けられる裏面を有する電子機器用外観ケースにおいて、
    前記表面に設けられた第1のフィルムと、前記裏面に設けられて導電パターンを備えた可撓性第2のフィルムと、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとの間に位置する合成樹脂製のベースとを有し
    前記第1のフィルムが前記表面に露出した状態で、前記第1と第2のフィルムが前記ベースに埋設されて一体化されており、
    前記表面が凸形状に形成され前記裏面が凹形状に形成されて、前記第2のフィルムが前記裏面の凹形状に倣って湾曲していることを特徴とする電子機器用外観ケース。
  2. 前記導電パターンの一部が、前記ベースの側部の裏面の凹曲面に設けられている請求項1記載の電子機器用外観ケース。
  3. 前記側部の凹曲面に設けられた前記導電パターンの一部静電センサ用の電極部である請求項記載の電子機器用外観ケース。
  4. 前記表面には、静電用の前記電極部に対向する位置に表示部が設けられる請求項3記載の電子機器用外観ケース。
  5. 前記第2のフィルムに、前記導電パターンの一部で形成されたXセンサ電極とYセンサ電極を有して座標データを得るタッチセンサ部が形成されており、前記表面に、前記タッチセンサ部に重なるタッチ表示部が設けられる請求項1ないし4のいずれかに記載の電子機器用外観ケース。
  6. 前記導電パターンに電子部品が実装される請求項1ないし5のいずれかに記載の電子機器用外観ケース。
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